特許訂正審判
2022-390044
レプチン受容体を活性化させる抗原結合タンパク質
- 審判番号
- 2022-390044
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2018-518592
- 登録番号
- 7034068
- 請求日
- 2022年03月29日
- 審決日
- 2022年07月13日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】山本 秀策
- 【請求人代理人】森下 夏樹
- 審判長/審判官
- 審判長 上條 肇
- 審判官 伊藤 良子
- 審判官 高堀 栄二
- 分類
- P141 .851-Y (C07K) / P141 .841-Y (C07K) / P141 .854-Y (C07K) / P141 .855-Y (C07K) / P141 .856-Y (C07K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7034068号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7034068号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔11〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件特許第7034068号は、平成28年10月11日(パリ条約による優先権主張 2015年10月12日 (US)米国、2016年 7月 8日 (US)米国、2016年 8月16日 (US)米国、2016年 9月12日 (US)米国)を国際出願日とする特願2018-518592号として特許出願されたものであって、その請求項1~20に係る発明について、令和4年3月3日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和4年3月29日に本件の訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1 請求の趣旨
本件請求の趣旨は、特許第7034068号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項11について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
2 訂正の内容
本件審判の請求による訂正(以下「本件訂正」ともいう。)の内容は、以下の訂正事項1のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項11に記載された「の重鎖CDRおよび軽鎖CDR」との記載を削除する。
第3 当審の判断
1 訂正の目的について
本件訂正前の請求項11は、
「【請求項11】
配列番号2/10、26/10、および34/10からなる群より選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対の重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含む、請求項10に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。」であるから、
本件訂正事項1は、「単離抗体またはその抗原結合性断片」についての特定事項を、「HCVR/LCVRアミノ酸配列対の重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含む」という重鎖CDRおよび軽鎖CDRのアミノ酸配列による特定に加えて重鎖CDRおよび軽鎖CDRのアミノ酸配列以外の「HCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む」というHCVR/LCVRのアミノ酸配列全体による特定とするものである。
したがって、訂正事項1の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
2 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
願書に添付した明細書には、下記の記載がある。
ア「【請求項2】 配列番号2/10、26/10、および34/10からなる群より選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む、請求項1に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。」
イ「【請求項10】 (a)配列番号2、配列番号26、配列番号34、配列番号42、配列番号50、配列番号58、配列番号66、もしくは配列番号74のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)、および(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR);または (c)配列番号82、配列番号98、または配列番号106のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)、および(d)配列番号90のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む、ヒトレプチン受容体(LEPR)に結合する単離抗体、またはその抗原結合性断片であって、ヒトレプチンが前記抗体の前記受容体に対する結合をブロックしない、単離 抗体、またはその抗原結合性断片。」
本発明はまた、LEPRに特異的に結合し、表1に列挙したLCVRアミノ酸配列のうちのいずれかと対になった表1に列挙したHCVRアミノ酸配列のうちのいずれかを含むHCVRとLCVRとのアミノ酸配列対(HCVR/LCVR)を含む抗体またはこれらの抗原結合性断片を提供する。ある特定の実施形態によれば、本発明は、表1に列挙した例示的な抗LEPR抗体のいずれかの中に含有されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む抗体またはこれらの抗原結合性断片を提供する。ある特定の実施形態では、HCVR/LCVRアミノ酸配列対は、配列番号2/10、18/10、26/10、34/10、42/10、50/10、58/66、74/66、および82/66からなる群より選択される。」(【0009】)
イ「本発明のこの態様によれば、レプチンの非存在下で細胞表面発現LEPRに結合することができ、レプチンの存在下(すなわち、レプチンが細胞表面発現レプチンに結合することができる環境下)でも細胞表面発現LEPRに結合することができる抗体が提供されている。すなわち、ある特定の実施形態によれば、抗LEPR抗体と細胞表面発現LEPRとの相互作用は、細胞表面発現LEPRと複合体形成したレプチンの存在によって阻害されない。」(【0075】)
ウ「
[図:0001389347000001.jpg]
」(【表1】)
エ「・・・本発明のすべての抗LEPR抗体は、hLEPR-MMHとヒトレプチンとの複合体(「レプチン:LEPR」)に結合し、シグナル強度はほぼ同等であった。観察された結合をRUで表して表9に報告する。この結果は、ヒトレプチンがhLEPR-MMHの試験した抗LEPR抗体への結合を遮断しないことを示す。
[図:0001389347000002.jpg]
」(【0132】、【表9】)
オ「表10に示した通り、本発明の抗LEPR抗体のいずれも、hLEPR.hFcのhLeptin被覆表面への結合の28%超の遮断を実証しなかった。
[図:0001389347000003.jpg]
」(【0135】、【表10】)
そうすると、上記摘記事項アのとおり、願書に最初に添付した明細書には、「配列番号2/10」、「26/10」、「34/10」、「からなる群より選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む」「単離抗体またはその抗原結合性断片」が記載されているといえ、摘記事項イから、レプチンによって抗LEPR抗体と細胞表面発現LEPRとの相互作用が阻害されない、単離抗体またはその抗原結合性断片が記載されているといえる。
また、摘記事項エのとおり、LEPRに結合する単離抗体H4H14450P2、H4H17319P2について、レプチンが単離抗体のLEPRに対する結合をブロックしないことが記載されており、摘記事項ウから、それぞれ、HCVR/LCVRのアミノ酸配列対が「配列番号2/10」、「26/10」であると認められる。
さらに、摘記事項オのとおり、LEPRに結合する単離抗体H4H173321P2について、レプチンとLEPRとの相互作用を遮断しないことが記載されている。ここで、単離抗体が「LEPR:レプチン相互作用を遮断しない」とは、つまり、レプチンが単離抗体のLEPRに対する結合をブロックしない性質を有する単離抗体でもあることは技術常識であるから、単離抗体H4H173321P2は、レプチンが単離抗体のLEPRに対する結合をブロックしないものであるといえる。そして、摘記事項ウから、H4H173321P2はHCVR/LCVRのアミノ酸配列対が「34/10」であると認められる。
そうしてみると、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
第3の1で上述したとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正前の請求項11に記載された発明のカテゴリーを変更するものではなく、かつ、訂正前の請求項11に記載された発明の対象や目的を変更するものでもない。
したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 独立特許要件
訂正事項1は、第3の1で上述したとおり、訂正前の請求項11に係る発明の特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正後の特許請求の範囲の請求項11に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-390044