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特許拒絶査定不服審判

2022-021308

腸疾患を有する患者を治療するシステム

審判番号
2022-021308
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-034151外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年12月28日
審決日
2024年08月14日
公報発行日
2025年02月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A61F) / P18 .575-WZ (A61F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021- 34151「腸疾患を有する患者を治療するシステム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 7月 1日出願公開、特開2021- 98074〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成20(2008)年10月10日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理 平成19(2007)年10月11日 米国,平成19(2007)年10月11日 米国 平成19(2007)年10月12日 米国)を国際出願日とする特願2010-528322号の一部を、平成25年12月19日に新たな出願とした特願2013-262476号の一部を、平成27年12月 4日に新たな出願とした特願2015-237636号の一部を、平成29年10月19日に新たな出願とした特願2017-202380号の一部を、令和 1年 6月20日に新たな出願とした特願2019-114583号の一部を、令和 3年 3月 4日に新たな出願としたものであって、以後の手続きは以下の通りである。 令和 3年 4月21日 上申書の提出 令和 4年 1月27日 拒絶理由通知(発送日: 2月 8日) 同年 5月 9日 意見書及び手続補正書の提出 同年 8月 5日 拒絶査定(発送日: 8月30日) 同年12月28日 審判請求及び手続補正書の提出 第2 令和 4年12月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和 4年12月28日にされた手続補正を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正後の特許請求の範囲 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。 「患者の体内に移植されるよう構成した人工腸セクションを含むシステムであって、 前記人工腸セクションは、第1の開放端部およびこれに連通した第2の開放端部を有し、少なくとも第1の開放端部は、患者の腸に外科的に形成された断面開口部に連結できるよう構成され、 少なくとも第1の開放端部は、外面を有する導管と、軸方向に延び、前記導管の前記外面の少なくとも一部の周りにぴったりと嵌るように構成された可撓性スリーブを備え、 前記腸の蠕動運動に起因し、前記腸を引っ張る傾向がある軸方向の力に対する連結の強度を向上するために、 前記人工腸セクションの開放端部を、前記腸の前記断面開口部に挿入し、前記腸および前記人工腸セクションの前記第1の開放端部の両方に延びるように、前記可撓性スリーブを配置することにより、前記腸の前記断面開口部に前記第1の開放端部を取り付けることができるように構成され、 前記可撓性スリーブは、前記腸が前記可撓性スリーブと前記人工腸セクションの前記外面の中間に位置するために、それが展開できるように、それ自体の上に折り畳まれまたは巻かれて、前記外面に取り付けられるように構成されている 人工腸セクションを含むシステム。」(下線は補正箇所を示すために当審で付した。) (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和 4年 5月 9日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「患者の体内に移植されるよう構成した人工腸セクションを含むシステムであって、 前記人工腸セクションは、第1の開放端部およびこれに連通した第2の開放端部を有し、少なくとも第1の開放端部は、患者の腸に外科的に形成された断面開口部に連結できるよう構成され、 少なくとも第1の開放端部は、外面を有する導管と、軸方向に延び、前記導管の前記外面の少なくとも一部の周りにぴったりと嵌るように構成された可撓性スリーブを備え、 前記腸の蠕動運動に起因し、前記腸を引っ張る傾向がある軸方向の力に対する連結の強度を向上するために、 前記人工腸セクションの開放端部を、前記腸の前記断面開口部に挿入し、前記腸および前記人工腸セクションの前記第1の開放端部の両方に延びるように、前記可撓性スリーブを配置することにより、前記腸の前記断面開口部に前記第1の開放端部を取り付けることができるように構成され、 前記可撓性スリーブは、前記腸が前記可撓性スリーブと前記人工腸セクションの前記外面の中間に位置するために、それが展開できるように、それ自体の上に折り畳まれまたは巻かれて、前記外面に取り付けられるように構成されているか、 または、前記可撓性スリーブは、前記腸が折り畳まれた前記可撓性スリーブの中間に位置するために、それ自体の上に折り畳み可能になるように、前記外面に取り付けられるように構成されている 人工腸セクションを含むシステム。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「可撓性スリーブ」について、「前記腸が前記可撓性スリーブと前記人工腸セクションの前記外面の中間に位置するために、それが展開できるように、それ自体の上に折り畳まれまたは巻かれて、前記外面に取り付けられるように構成されているか」と「前記腸が折り畳まれた前記可撓性スリーブの中間に位置するために、それ自体の上に折り畳み可能になるように、前記外面に取り付けられるように構成されている」という、2つの並列的な選択肢のうち、後者を削除するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)補正発明 補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献(実公昭52―1678号公報)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 A 「本考案は食道、気管及び血管等の人体管体と接合するための人体管体構造の接合子に関するものである。」(1欄23~25行) B「本考案は上述の如き欠陥を是正すべく考案されたものであつて、人体管体と接合すべき人工管体好ましくはシリコーンラバーチユーブにコラーゲンをコーテングした人工管体の外周に、前記人工管体との間に所定の間隙を有して前記人工管体の1部若しくは全部を覆うような可撓性被覆部を設け、好ましくはシリコーンラバーチユーブの人工管体にテフロンのメツシユ状織物を溶着し、メツシユ状織物が間隙を具備して人工管体を管状に囲むようにし、前記人工管体と前記可撓性被覆部との間に前記人体管体を挿入して前記人工管体と人体管体とを接合するようにした人体管体構造の接合子に係わるものである。このように接合子を構成すれば、人工管体(当審注:文脈からみて「人体管体」の誤記と認める。)が人工管体と可撓性被覆部との間に挿入されて保持される状態となり、かつ可撓性被覆部の上から縫合糸等で縛る様になるので、人体管体と人工管体との接合は強固でかつ信頼性の高いものとなる。」(2欄1~18行) C「この接合子は第1図~第3図に示す如く、シリコーンラバーチユーブ1とメツシユ状の被覆部2とから成り、シリコーンラバーチユーブ1は長さ約3cm、内径約5mm、外径約6mmに形成されその両端部1a,1bが丸味を有するように形成されている。またメツシユ状の被覆部2はテフロンの織物であつて、約1mmのメツシユを有し、リボン状に切断した織物をシリコーンラバーチユーブ1に巻き付けてその一端を溶着部4にて溶着し、間隙5を有してシリコーンラバーチユーブ1に囲むように形成されている。尚間隙は人体管体を挿入することが可能な大きさに形成され、本実施例では約2mmである。」(2欄24~36行) D「次にこの接合子の使用方法に付き述べると、使用する際はチユーブ6を取り外し、シリコーンラバーチユーブ1に人体管体を覆せる。この作業はシリコーンラバーチユーブ1の端部1a,1bが丸味を有しているので容易に達成出来ると共に、被覆部2がメツシユ状織物であって可撓性を有し更にリボン状に切断した織物を巻付けたものであるので端部3a,3bを有するため、必要に応じてシリコーンラバーチユーブ1を露出せしめる事が出来、一層容易に達成出来る。」(3欄23~32行) E 「本考案は上述の如く人工管体に人体管体を覆うための可撓性被覆部を設けたので、人工管体と人体管体とを強固に接合する事が出来、極めて有益なものである。」(4欄22~25行) F 第1図及び第4C図から、可撓性被覆部2は、軸方向に延びることが看取できる。 [図:0001418520000001.jpg] [図:0001418520000002.jpg] [図:0001418520000003.jpg] [図:0001418520000004.jpg] G 第3図は、シリコーンラバーチユーブ1の側面図であって、端部1bが開放されていることが看取できる。 H 第4A図から、シリコーンラバーチユーブ1の両端部1a、1bが連通していることが看取できる。 a 上記記載事項Bの「人体管体と接合すべき人工管体好ましくはシリコーンラバーチユーブ」との記載から、引用文献に記載された発明の「シリコーンラバーチユーブ」は、「人工管体」である。 b 第3図及び第4A図を合わせ見れば、シリコーンラバーチユーブ1の端部1a、1bは、それぞれ開放され、連通している。 c 上記記載事項Cの「メツシユ状の被覆部2はテフロンの織物であって、約1mmのメツシユを有し、リボン状に切断した織物をシリコーンラバーチユーブ1に巻き付けてその一端を溶着部4にて溶着し、間隙5を有してシリコーンラバーチユーブ1に囲むように形成されている。」との記載の、被覆部2及びシリコーンラバーチユーブ1は、可撓性被覆部及び人工管体に対応するから、可撓性被覆部は、リボン状の織物を人工管体の外周に巻き付けてその一端を溶着したものである。 上記記載事項A~H、認定事項a~cを総合すると、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「食道、気管及び血管等の人体管体と接合するための人体管体構造の接合子であって、 前記人体管体構造の接合子は、人体管体と接合すべき人工管体と、 前記人工管体は、それぞれ開放され、連通している端部1a、1bを有し、 前記端部1a、1bは人体管体を覆せるよう構成され、 前記人工管体の外周に、リボン状の織物を人工管体に巻き付けてその一端を溶着し、前記人工管体との間に所定の間隙を有して前記人工管体の一部を覆うような可撓性被覆部を設け、間隙を具備して人工管体を管状に囲むようにし、前記人工管体と前記可撓性被覆部との間に前記人体管体を挿入して前記人工管体と人体管体とを接合するようにして、人工管体と人体管体とを強固に接合する事が出来る人体管体構造の接合子であって、 使用する際は、前記人工管体を露出せしめる事により、前記人工管体に人体管体を覆せる、人体管体構造の接合子。」 (3)対比、検討 補正発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「人体管体」と補正発明の「患者の腸」は管状器官の限りで一致し、同様に引用発明の「人工管体」と補正発明の「人工腸セクション」とは、人工管セクションの限りで一致し、さらに引用発明の「人体管体構造の接合子」と補正発明の「人工腸セクションを含むシステム」とは、人工管セクションを含むシステムの限りで一致する。 引用発明の「人体管体と接合するための」は、補正発明の「患者の体内に移植されるように構成した」に相当する。 引用発明の「それぞれ開放され、連通している端部1a、1bを有し」は、補正発明の「第1の開放端部およびこれに連通した第2の開放端部を有し」に相当する。 引用発明の人工管体の「端部1a、1bは人体管体を覆せるよう構成され」と、補正発明の「少なくとも第1の開放端部は、患者の腸に外科的に形成された断面開口部に連結できるよう構成され」は、少なくとも第1の開放端部は、管状器官に外科的に形成された断面開口部に連結できるよう構成されの限度で一致する。さらに、引用発明の人工管体の当該「端部1a、1b」が「人体管体を覆せるよう構成され」、「可撓性被覆部を設け」られるから、引用発明の人工管体の「端部1a、1b」の態様は、補正発明の「少なくとも第1の開放端部は外面を有する導管」を備える態様に相当する。 引用発明の「人工管体の外周」に設けられる「可撓性被覆部」と、補正発明の「軸方向に延び、前記導管の前記外面の少なくとも一部の周りにぴったりと嵌るように構成された可撓性スリーブ」は、軸方向に延び、前記導管の前記外面の少なくとも一部の周り取り付けられる可撓性スリーブの限りでする。 引用発明の「前記人工管体の外周に、リボン状の織物を人工管体に巻き付けてその一端を溶着し、前記人工管体との間に所定の間隙を有して前記人工管体の一部を覆うような可撓性被覆部を設け、間隙を具備して人工管体を管状に囲むようにし、前記人工管体と前記可撓性被覆部との間に前記人体管体を挿入して前記人工管体と人体管体とを接合するようにして、人工管体と人体管体とを強固に接合する事が出来る」と、補正発明の「前記腸の蠕動運動に起因し、前記腸を引っ張る傾向がある軸方向の力に対する連結の強度を向上するために、 前記人工腸セクションの開放端部を、前記腸の前記断面開口部に挿入し、前記腸および前記人工腸セクションの前記第1の開放端部の両方に延びるように、前記可撓性スリーブを配置することにより、前記腸の前記断面開口部に前記第1の開放端部を取り付けることができるように構成され、 前記可撓性スリーブは、前記腸が前記可撓性スリーブと前記人工腸セクションの前記外面の中間に位置するために、それが展開できるように、それ自体の上に折り畳まれまたは巻かれて、前記外面に取り付けられるように構成されている」は、連結の強度を向上するために前記人工管セクションの開放端部を、前記管状器官の前記断面開口部に挿入し、前記管状器官および前記人工管体セクションの前記第1の開放端部の両方に延びるように、前記可撓性スリーブを配置することにより、前記管状器官の前記断面開口部に前記第1の開放端部を取り付けることができるように構成され、また前記可撓性スリーブは、前記管状器官が、前記可撓性スリーブと前記人工管体セクションの前記外面の中間に位置するために、前記外面に取り付けられるよう構成されている限度で一致する。 そうすると両者は、 「患者の体内に移植されるよう構成した人工管セクションを含むシステムであって、 前記人工管セクションは、第1の開放端部およびこれに連通した第2の開放端部を有し、少なくとも第1の開放端部は、管状器官に外科的に形成された断面開口部に連結できるよう構成され、 少なくとも第1の開放端部は、外面を有する導管と、軸方向に延び、前記導管の前記外面の少なくとも一部の周りに取り付けられるように構成された可撓性スリーブを備え、 連結の強度を向上するために、 前記人工管セクションの開放端部を、前記管状器官の前記断面開口部に挿入し、前記管状器官および前記人工管セクションの前記第1の開放端部の両方に延びるように、前記可撓性スリーブを配置することにより、前記管状器官の前記断面開口部に前記第1の開放端部を取り付けることができるように構成され、 前記可撓性スリーブは、前記管状器官が前記可撓性スリーブと前記人工管セクションの前記外面の中間に位置するために、前記外面に取り付けられるように構成されている 人工管セクションを含むシステム。」である点で一致し、以下の点で相違する。 〔相違点1〕 人工管セクション、管状器官について、補正発明は「人工腸セクション」及び「患者の腸」であるのに対して、引用発明は「人工管体」及び「人体管体」であるとともに、それらの連結の強度を向上する目的について、補正発明は「腸の蠕動運動に起因し、前記腸を引っ張る傾向がある軸方向の力に対する」ためであるのに対して、引用発明では明らかでない点。 〔相違点2〕 可撓性スリーブを、人工管セクションの外面に取り付ける態様について、補正発明では、可撓性スリーブは、導管の前記外面の少なくとも一部の周りに「ぴったりと嵌るように」構成され、「それが展開できるように、それ自体の上に折り畳まれまたは巻かれて」いるのに対して、引用発明では、可撓性被覆部は、人工管体の外周に、リボン状の織物を人工管体に巻き付けてその一端を溶着し、間隙を具備して人工管体を管状に囲むようにし、人工管体と可撓性被覆部の間に人体器官を挿入して前記人工管体と前記人体管体とを接合するような態様で取り付けられるものの、ぴったりと嵌るように構成され、それが展開できるようにそれ自体の上に折り畳まれまたは巻かれて取り付けられるよう構成されているか否か明らかでない点。 (4)判断 相違点1について検討する。 まず引用発明の人体管体は、「食道、気管及び血管等」であるところ、腸も食道、気管及び血管と同様に人体の管状器官であって、人工腸が周知であることを考慮すれば、引用発明の人体管体から、あえて腸を除外すべき事情も認められない。 そして、人工管セクションと管状器官との連結の強度を向上する目的について、引用発明の人体管体として例示されている食道においても、食道内の内容物を上部から下部へ運ぶために、食道の壁を構成する筋肉が、上から下へ収縮を繰り返す蠕動運動をしていることは技術常識であって、そのような上下方向の収縮の際に、引っ張る傾向がある軸方向の力が生じることも自明であるから、腸に連結する場合には、腸の蠕動運動に起因し、前記腸を引っ張る傾向がある軸方向の力に対する連結の強度を向上するためとすることは、当業者が容易になし得たことである。 また、管状器官を腸として、そこに連結する人工管セクションを人工腸セクションとすることは、当業者が容易になし得たことである。 よって、引用発明において、相違点1に係る補正発明の事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 次に相違点2について検討する。 引用発明の、人工管体の外周に、リボン状の織物を人工管体に巻き付けてその一端を溶着し、前記人工管体との間に所定の間隙を有して前記人工管体の一部を覆う構成である可撓性被覆部は、人工管体に織物を巻き付けてその一端が溶着されているのであるから、その用途を考慮するとぴったりと嵌まるように構成することは当然であって、また当該可撓性被覆部は、「人工管体を露出せしめる」ものであるところ、それが展開できるように、それ自体の上に折り畳んだりまたは巻いたりすることは、二重管において、内側の管を露出させるための外側の管の構成としてありふれたものであるから、引用発明において相違点2に係る補正発明のように構成することは、当業者が容易に想到できたことである。 そして、補正発明の効果についてみても、引用文献の記載から見て格別なものということはできない。 よって、補正発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび 以上の通り、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条7項の規定に違反するので、同法第159条1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和 4年12月28日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和 4年 5月 9日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~25に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願発明は、引用文献に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。 3 引用文献の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献の記載事項及び引用発明は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した補正発明の「可撓性スリーブ」について、「または、前記腸が折り畳まれた前記可撓性スリーブの中間に位置するために、それ自体の上に折り畳み可能になるように、前記外面に取り付けられるように構成されている」という並列的な選択肢である発明特定事項を付加したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、並列的な選択肢である当該発明特定事項を除いたものに相当する補正発明が、前記第2の[理由]2(3)に記載したとおり、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-021308

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