特許拒絶査定不服審判
2022-009758
遊技機
- 審判番号
- 2022-009758
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-247003外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年06月24日
- 審決日
- 2023年05月09日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社サンセイアールアンドディ
- 【請求人代理人】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
- 分類
- P18 .4 -Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法39条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第39条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第39条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-247003「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 7月11日出願公開、特開2019-111139〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年12月22日の出願であって、令和2年12月16日に手続補正書が提出され、令和3年10月13日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月16日に意見書及び手続補正書が提出され、同月27日付けで最後の拒絶の理由が通知され、令和4年3月11日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同月14日付け(送達日:同月29日)で、同月11日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年6月24日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和4年6月24日に提出された手続補正書による補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年6月24日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和3年12月16日提出の手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
「当否判定を行う判定手段と、
前記当否判定の結果によって、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記所定の演出には、前記特別遊技が実行される可能性があることを示唆する第1の演出と、前記第1の演出が行われることを示唆する第2の演出と、前記第2の演出が実行されることを示唆する第3の演出と、があり、
前記第1の演出には、前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する第1の演出内容を含む第1予告演出と、前記特別遊技が実行される可能性が相対的に低いことを示唆する第2の演出内容を含む第2予告演出と、があり、
前記第2の演出には、前記第1の演出内容を示唆する第1示唆演出と、前記第1の演出内容を示唆しない第2示唆演出と、があり、
前記第3の演出には、第1の演出態様で実行される第1態様演出と、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様で実行される第2態様演出と、があり、
前記第1態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、前記第2態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、が異なることを特徴とする遊技機。」とあったものを、
「当否判定を行う判定手段と、
前記当否判定の結果によって、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記所定の演出には、前記特別遊技が実行される可能性があることを示唆する第1の演出と、前記第1の演出が行われることを示唆する第2の演出と、前記第2の演出が実行されることを示唆する第3の演出と、があり、
前記第1の演出には、前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する第1の演出内容を含む第1予告演出と、前記特別遊技が実行される可能性が相対的に低いことを示唆する第2の演出内容を含む第2予告演出と、があり、
前記第2の演出には、前記第1の演出内容を示唆する第1示唆演出と、前記第1の演出内容を示唆しない第2示唆演出と、があり、
前記第3の演出には、第1の演出態様で実行される第1態様演出と、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様で実行される第2態様演出と、があり、
前記第1態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、前記第2態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、が異なり、
前記第1の演出内容とは、第1のキャラクタが現れるものであり、
前記第2の演出内容とは、第2のキャラクタが現れるものであることを特徴とする遊技機。」とする補正を含むものである。なお、下線は当審で付した。
2 補正の適否
(1) 補正の目的について
ア 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「第1の演出内容」が「第1のキャラクタが現れるものであ」ることを限定するとともに、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「第2の演出内容」が「第2のキャラクタが現れるものである」ことを限定するものである。
イ 上記アからみて、本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2) 新規事項について
本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の【0311】~【0324】、【0331】、【0341】~【0347】、図23、図47~図50、図55~図58等の記載に基づくものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
3 独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
(1) 本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、以下のとおりである。なお、符号A等は当審で付した。符号A等が付された事項を以下「特定事項A」等という。
「A 当否判定を行う判定手段と、
B 前記当否判定の結果によって、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
C 所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
D 前記所定の演出には、前記特別遊技が実行される可能性があることを示唆する第1の演出と、前記第1の演出が行われることを示唆する第2の演出と、前記第2の演出が実行されることを示唆する第3の演出と、があり、
E 前記第1の演出には、前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する第1の演出内容を含む第1予告演出と、前記特別遊技が実行される可能性が相対的に低いことを示唆する第2の演出内容を含む第2予告演出と、があり、
F 前記第2の演出には、前記第1の演出内容を示唆する第1示唆演出と、前記第1の演出内容を示唆しない第2示唆演出と、があり、
G 前記第3の演出には、第1の演出態様で実行される第1態様演出と、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様で実行される第2態様演出と、があり、
H 前記第1態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、前記第2態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、が異なり、
I 前記第1の演出内容とは、第1のキャラクタが現れるものであり、
前記第2の演出内容とは、第2のキャラクタが現れるものである
J ことを特徴とする遊技機。」
(2) 同日発明
原査定の拒絶の理由に引用された出願であり、本願の出願日(平成29年12月22日)に出願された特願2017-246878(以下「同日出願1」という。)は、平成31年4月5日に特許第6504627号として設定登録されたものであって、その請求項1に係る発明(以下「同日発明」という。)は、次のとおりのものである。なお、符号a等は、本願補正発明の特定事項A等に概ね対応させて当審で付した。
「c 演出手段を用いて所定の演出を実行可能な演出実行手段と、
a、b 遊技者に有利な特別遊技状態にするか否かの判定を行う判定手段と、を備え、
d1 前記演出実行手段は、
前記判定の結果に基づいて前記特別遊技状態になる可能性があることを示唆する第1の演出を実行可能であり、
前記第1の演出が実行されることを示唆する第2の演出を実行可能であり、
前記第2の演出が実行されることを示唆する第3の演出を実行可能であり、
e 前記第1の演出には、前記特別遊技状態になる可能性が相対的に高いことを示唆する第1予告演出と、前記特別遊技状態になる可能性が相対的に低いことを示唆する第2予告演出とがあり、
f 前記第2の演出には、前記第1予告演出を示唆する第1示唆演出と、前記第1予告演出を示唆しない第2示唆演出とがあり、
g 前記第3の演出には、第1の演出態様で実行される第1態様演出と、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様で実行される第2態様演出とがあり、
d2 前記第3の演出の実行後に前記第2の演出が実行されるときがあり、
h 前記第1態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、前記第2態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、が互いに異なっている
j ことを特徴とする遊技機。」
(3) 本願補正発明が同日発明と同一といえるかについて
ア 同日発明を先願とし、本願補正発明を後願とした場合
(ア) 対比
本願補正発明と同日発明とを対比する。なお、見出し(a)等は、本願補正発明の特定事項A等に対応させている。
(a) 同日発明のa、bの「遊技者に有利な特別遊技状態にするか否かの判定を行う判定手段」は、本願補正発明の特定事項Aの「当否判定を行う判定手段」に相当する。
(b) 同日発明は「遊技者に有利な特別遊技状態にするか否かの判定を行う判定手段」「を備え」ることから、本願補正発明の特定事項Bの「前記当否判定の結果によって、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段」に相当する手段を備えることは自明である。
(c) 本願補正発明の特定事項Cの「演出実行手段」は、「所定の演出を実行可能」であるから、本願補正発明は、何らかの演出手段を備えることは明らかである。
してみると、同日発明のcの「演出手段を用いて所定の演出を実行可能な演出実行手段」は、本願補正発明の「所定の演出を実行可能な演出実行手段」に相当する。
(d) 同日発明のd1の「前記判定の結果に基づいて前記特別遊技状態になる可能性があることを示唆する第1の演出」は、本願補正発明の特定事項B、Dの「前記当否判定の結果によって」、「実行」される「遊技者に有利な」「特別遊技が実行される可能性があることを示唆する第1の演出」に相当し、同日発明のd1の「前記第1の演出が実行されることを示唆する第2の演出」、「前記第2の演出が実行されることを示唆する第3の演出」は、本願補正発明の特定事項Dの「前記第1の演出が行われることを示唆する第2の演出」、「前記第2の演出が実行されることを示唆する第3の演出」に、それぞれ相当する。
そして、本願補正発明の特定事項C、Dより、本願補正発明の「前記所定の演出には」、「第1の演出と」、「第2の演出と」、「第3の演出と、があ」ることから、同日発明のd1の「前記演出実行手段は、前記判定の結果に基づいて前記特別遊技状態になる可能性があることを示唆する第1の演出を実行可能であり、前記第1の演出が実行されることを示唆する第2の演出を実行可能であり、前記第2の演出が実行されることを示唆する第3の演出を実行可能であ」ることは、本願補正発明の特定事項C、Dの「演出実行手段」は、「所定の演出」として、「前記特別遊技が実行される可能性があることを示唆する第1の演出と、前記第1の演出が行われることを示唆する第2の演出と、前記第2の演出が実行されることを示唆する第3の演出と」「を実行可能」であることに相当する。
また、本願補正発明の特定事項Dより、「第3の演出」は、「第2の演出が実行されることを示唆する」ものであるから、本願補正発明において「第2の演出」は、「第3の演出」の実行後に「実行される」ことは明らかである。
そうすると、同日発明のd2の「前記第3の演出の実行後に前記第2の演出が実行されるときがあ」ることも、本願補正発明のC、Dの「第2の演出と、前記第2の演出が実行されることを示唆する第3の演出」「を実行可能」であることに相当する。
(e) 同日発明のeの「第1予告演出」は、「前記特別遊技状態になる可能性が相対的に高いことを示唆する」ものであり、「第2予告演出」は、「前記特別遊技状態になる可能性が相対的に低いことを示唆する」ものであるところ、両者は示唆する内容が異なるから、「第1予告演出」及び「第2予告演出」の、それぞれの内容は、例えば、第1の内容及び第2の内容というように、それぞれ区別できるものであることは明らかである。
してみると、同日発明のeの「前記第1の演出には、前記特別遊技状態になる可能性が相対的に高いことを示唆する第1予告演出と、前記特別遊技状態になる可能性が相対的に低いことを示唆する第2予告演出とがあ」ることは、本願補正発明の特定事項Eの「前記第1の演出には、前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する第1の演出内容を含む第1予告演出と、前記特別遊技が実行される可能性が相対的に低いことを示唆する第2の演出内容を含む第2予告演出と、があ」ることに相当する。
(f) 上記(e)において説示のとおり、同日発明の「第1予告演出」及び「第2予告演出」の、それぞれの内容は、例えば、第1の内容及び第2の内容というように、それぞれ区別できるものであることから、同日発明のfの「前記第1予告演出を示唆する」こと及び「前記第1予告演出を示唆しない」ことは、それぞれ、第1の内容を示唆すること及び第1の内容を示唆しないことに実質的に相当することは明らかである。
してみると、同日発明のfの「前記第2の演出には、前記第1予告演出を示唆する第1示唆演出と、前記第1予告演出を示唆しない第2示唆演出とがあ」ることは、本願補正発明の特定事項Fの「前記第2の演出には、前記第1の演出内容を示唆する第1示唆演出と、前記第1の演出内容を示唆しない第2示唆演出と、があ」ることに相当する。
(g) 同日発明のgの「前記第3の演出には、第1の演出態様で実行される第1態様演出と、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様で実行される第2態様演出とがあ」ることは、本願補正発明の特定事項Gの「前記第3の演出には、第1の演出態様で実行される第1態様演出と、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様で実行される第2態様演出と、があ」ることに相当する。
(h) 同日発明のhの「前記第1態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、前記第2態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、が互いに異なっている」ことは、本願補正発明の特定事項Hの「前記第1態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、前記第2態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、が異な」ることに相当する。
(j) 同日発明のjの「遊技機」は、本願補正発明の特定事項Jの「遊技機」に相当する。
上記(a)~(j)によれば、本願補正発明と同日発明は、
「A 当否判定を行う判定手段と、
B 前記当否判定の結果によって、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
C 所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
D 前記所定の演出には、前記特別遊技が実行される可能性があることを示唆する第1の演出と、前記第1の演出が行われることを示唆する第2の演出と、前記第2の演出が実行されることを示唆する第3の演出と、があり、
E 前記第1の演出には、前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する第1の演出内容を含む第1予告演出と、前記特別遊技が実行される可能性が相対的に低いことを示唆する第2の演出内容を含む第2予告演出と、があり、
F 前記第2の演出には、前記第1の演出内容を示唆する第1示唆演出と、前記第1の演出内容を示唆しない第2示唆演出と、があり、
G 前記第3の演出には、第1の演出態様で実行される第1態様演出と、前記第1の演出態様とは異なる第2の演出態様で実行される第2態様演出と、があり、
H 前記第1態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、前記第2態様演出の実行後に前記第2示唆演出の実行がなされる確率と、が異なる、
J 遊技機。」
である点で一致し、以下の点で一応相違する。
[一応の相違点](特定事項I)
「第1予告演出」に含まれる「前記特別遊技が実行される可能性が相対的に高いことを示唆する第1の演出内容」と、「第2予告演出」に含まれる「前記特別遊技が実行される可能性が相対的に低いことを示唆する第2の演出内容」に関して、
本願補正発明は、「前記第1の演出内容とは、第1のキャラクタが現れるものであり、前記第2の演出内容とは、第2のキャラクタが現れるものである」であることが特定されているのに対し、
同日発明は、そのような特定がなされていない点。
(イ) 判断
上記一応の相違点について検討する。
遊技機の技術分野では、予告演出において、出現するキャラクタの種類によって、大当たり期待度を遊技者に示唆し、大当たりへの遊技者の期待感を向上させることは、周知である(以下、このことを「周知技術1」という。)
(例えば、特許第6201273号公報には、【0183】に「キャラクタ予告」とは、1又は複数のキャラクタ(人型キャラクタ、電車キャラクタ、文字等)を、予告表示領域内(予告実行領域内)の所定の位置に示す(表示する、位置させる)ことで、遊技者に大当り信頼度(単に、「信頼度」ともいう)を示す予告演出である。」、【0186】に「キャラクタ予告の予告No.1は、演出図柄表示部7bの左領域(第1領域)に人型のキャラクタA201(「第1キャラクタ」ともいう)を表示する実行態様とされる(図45(a)を参照)。この予告演出の大当り信頼度は★1個(例えば、5%)とされ、本キャラクタ予告の中で最も信頼度の低い予告演出とされる。」、【0190】に「キャラクタ予告の予告No.5は、演出図柄表示部7bの左領域(第1領域)に電車型のキャラクタC203(第1キャラクタ)を表示し、右領域(第2領域)にキャラクタB202を表示する実行態様とされる(図45(d)を参照)。この予告演出の大当り信頼度は★5個(例えば、25%)とされる。」と、
特開2006-181300号公報には、【0029】に「前記リーチアクション中に、決定された大当り信頼の割合に応じて文言とともに、遊技機に予め定められている固定のキャラクタを表示する演出(いわゆる大当り信頼度報知)が行なわれている。」、【0137】に「例えば、図16(a)に示すように、前記載置台10にロボットのフィギュア(識別情報記憶媒体14)が載置された場合には、その識別情報記憶媒体14に記憶されているロボット1に対応する固有の識別情報に基づいて、大当り信頼度報知で出現するキャラクタとしてロボット1、ロボット2、ロボット3、ロボット4、ロボット5が選択される。そして、ロボット1は大当り信頼度が10%の場合に出現し、ロボット2は大当り信頼度が33%の場合に出現し、ロボット3は大当り信頼度が50%の場合に出現し、ロボット4は大当り信頼度が66%の場合に出現し、そして、ロボット5は大当り信頼度が100%の場合に出現するように夫々定められている。」と、
特開2005-334144号公報には、【0025】に「本実施の形態では、演出キャラクタパターン決定手段によって決定される第1のキャラクタの種類によって、「大当たりになる信頼度」が演出表示手段により報知され、」、【0027】に「なお、「大当たりになる信頼度」とは、判定手段の判定結果が大当たり入賞を発生させる生起確率を表すものであり、例えば、キャラクタ毎に80%(0.8)、50%(0.5)、20%(0.2)、5%(0.05)等の値が割り付けられている。」、【0098】に「図7に、本実施の形態において実現する「大当りになる信頼度」及び「リーチに関する情報」を報知する報知態様を示す。すなわち、一人目に登場するキャラクタ(大当たりキャラクタ)はどの程度の信頼度で大当たりとなるかを表し、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタDであるときの「大当たりとなる信頼度」が各々80%、50%、20%、5%である。ここで、「大当たりとなる信頼度」とは、大当たりが発生する確率と同じ意味である。」、【0143】に「図5は変動表示が開始した直後の画面である。第1のキャラクタとしてキャラクタAが出現して「大当たりになる信頼度」が80%であることが、変動表示が開始した直後から遊技者に認識され、大いなる期待が生じる。」と、それぞれ記載されている。)。
そして、同日発明(先願)の「遊技機」に周知技術1を付加しても、新たな効果を奏しない。
したがって、上記一応の相違点は、課題解決のための具体化手段における微差にすぎず、上記一応の相違点は実質的な相違点ではない。
よって、本願補正発明(後願)は、同日発明(先願)と実質的に同一である。
イ 本願補正発明を先願とし、同日発明を後願とした場合
上記ア(ア)での検討を踏まえると、同日発明(後願)と本願補正発明(先願)とは、本願補正発明(後願)と同日発明(先願)と同様の一致点を有し、同日発明(後願)は、本願補正発明(先願)の特定事項Iを特定しないものである点で両者は一応相違しているといえる。
しかし、上記ア(イ)での検討を踏まえると、上記一応の相違点は、本願補正発明(先願)の遊技機において、周知技術1を削除したものである。
そして、本願補正発明(先願)の「遊技機」から周知技術1を削除しても、新たな効果を奏しない。
したがって、上記一応の相違点は、課題解決のための具体化手段における微差にすぎず、上記一応の相違点は実質的な相違点ではない。
よって、同日発明(後願)は、本願補正発明(先願)と実質的に同一である。
(5) 請求人の主張について
請求人は、審判請求書の[本願発明が特許されるべき理由]の「3.特許法第39条第2項について」「(3-2)特許法第39条第2項について」において、
「新請求項1に係る発明には上記構成(I)、すなわち前記第1の演出内容とは、第1のキャラクタが現れるものであり、前記第2の演出内容とは、第2のキャラクタが現れるものである構成があるのに対し、引用文献1の特許請求の範囲に記載された請求項1には、その構成がありません。
よって、新請求項1に係る発明は、引用文献1に係る発明と構成が大きく異なっています。従って、新請求項1に係る発明と引用文献1に係る発明とは、特許法第39条に規定する同一の発明には該当しないものと思料致します。」
と主張している。
しかしながら、上記(4)アで述べたように、予告演出において、出現するキャラクタの種類によって、大当たり期待度を遊技者に示唆し、大当たりへの遊技者の期待感を向上させることは、周知技術であり、当該周知技術を付加しても、新たな効果を奏するものではない。
よって、請求人の上記主張は採用することはできない。
(6) まとめ
以上のように、本願補正発明と同日発明とは、どちらの発明を先願であると仮定しても、他の発明と実質的に同一であるといえるから、本願補正発明は同日発明と同一である。
また、同日発明は特許されており協議を行うことができない。
よって、本願補正発明は、特許法第39条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 補正の却下の決定についてのむすび
本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和3年12月16日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2の1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概ね次のとおりである。
(同日出願)この出願の下記の請求項に係る発明は、同日出願された下記の出願に係る発明と同一と認められ、かつ、下記の出願に係る発明は特許されており協議を行うことができないから、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項 1
・同日出願 特願2017-246878号
3 同日発明
原査定の拒絶の理由に引用された出願(同日出願)の請求項1に係る発明(同日発明)は、上記第2[理由]3(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、本願補正発明の発明特定事項から、上記第2[理由]1で示した下線部に係る特定事項Iを省いたものであるから、上記第2[理由]3(3)で示した[一応の相違点]に係る構成が省かれることとなる。
そうすると、本願発明は同日発明と、同一であり、相違点はない。
また、同日発明は特許されており協議を行うことができない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-009758