特許拒絶査定不服審判
2024-013996
遊技機
- 審判番号
- 2024-013996
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-194238
- 請求日
- 2024年09月02日
- 審決日
- 2025年06月03日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社三洋物産
- 【請求人代理人】山田 強
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼川 康史
- 審判官 蔵野 いづみ
- 審判官 島田 保
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .4 -Z (A63F) / P18 .572-Z (A63F) / P18 .573-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第3号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-194238「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年 1月26日出願公開、特開2023- 14390〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成31年3月22日(以下「遡及日」という。)に出願した特願2019-55672の一部を令和4年12月5日に新たな特許出願(特願2022-194238)としたものであって、令和5年8月30日付けで拒絶の理由が通知され、同年11月1日に意見書及び手続補正書が提出され、令和6年1月22日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年3月28日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年5月30日付け(送達日:6月4日)で、同年3月28日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年9月2日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和6年9月2日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年9月2日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲についてする補正であって、令和5年11月1日提出の手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
(本件補正前の請求項1)
「【請求項1】
所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段と、
予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段と、
前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果であることに基づいて遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる移行手段と、
所定の可変入球手段を遊技球が入球不可又は入球しにくい第1態様から遊技球が入球可能又は前記第1態様よりも入球しやすい第2態様とし、その後、前記第1態様とする特定遊技を実行することが可能な手段と、
を備え、
前記特別遊技状態にて前記特定遊技が実行され得るように構成されており、
前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球数が特定個数になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させることが可能な手段を備え、
第1発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作とは異なる第2発射操作により発射された遊技球が通過しない第1領域と、前記第2発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作により発射された遊技球が通過しない第2領域とが設けられており、
前記第1領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて第1特典を付与可能とする第1通過部と、
前記第2領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能とする第2通過部と、
所定の前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数より少ない状態で前記第2発射操作により遊技球が発射された状況で前記入球個数が前記特定個数に到達するより前に当該所定の前記特定遊技が終了することを可能とする手段と、
を備え、
前記特別遊技状態において前記特定個数を表示する特定個数表示が実行されないように構成されていることを特徴とする遊技機。」とあったものを、
(本件補正後の請求項1)
「【請求項1】
所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段と、
予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段と、
前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果であることに基づいて遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる移行手段と、
所定の可変入球手段を遊技球が入球不可又は入球しにくい第1態様から遊技球が入球可能又は前記第1態様よりも入球しやすい第2態様とし、その後、前記第1態様とする特定遊技を実行することが可能な手段と、
を備え、
前記特別遊技状態にて前記特定遊技が実行され得るように構成されており、
前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が特定個数になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させることが可能な終了手段を備え、
第1発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作とは異なる第2発射操作により発射された遊技球が通過しない第1領域と、前記第2発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作により発射された遊技球が通過しない第2領域とが設けられており、
前記第1領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて第1特典を付与可能とする第1通過部と、
前記第2領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能とする第2通過部と、
を備え、
所定の前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数より少ない状態で前記第2発射操作により遊技球が発射された状況で前記入球個数が前記特定個数に到達するより前に当該所定の前記特定遊技が終了可能であり、
遊技球の前記第1通過部への通過に基づいて前記所定の可変入球手段への入球個数に対応する特定情報を更新することが可能な手段を備え、
前記終了手段は、前記特定遊技の実行中に前記特定情報の更新結果が前記特定個数への到達に対応する結果になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させ得るようになっており、
前記特別遊技状態において前記特定個数を表示する特定個数表示が実行されないように構成されていることを特徴とする遊技機。」とする補正を含むものである(下線は、補正箇所を示すために当審で付した。)。
2 補正事項
本件補正は、以下の補正事項を含むものである。
(1) 補正事項1
本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「遊技球の入球数」について、「遊技球の入球数が特定個数になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させる」の記載を、「遊技球の入球個数が特定個数になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させる」に補正する。
(2) 補正事項2
本件補正前の請求項1の記載において、「当該実行中の前記特定遊技を終了させることが可能な手段を備え、」の記載を、「当該実行中の前記特定遊技を終了させることが可能な終了手段を備え、」に補正する。
(3) 補正事項3
本件補正前の請求項1の記載において、「前記第1領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて第1特典を付与可能とする第1通過部と、前記第2領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能とする第2通過部と、所定の前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数より少ない状態で前記第2発射操作により遊技球が発射された状況で前記入球個数が前記特定個数に到達するより前に当該所定の前記特定遊技が終了することを可能とする手段と、を備え、」の記載を、「前記第1領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて第1特典を付与可能とする第1通過部と、前記第2領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能とする第2通過部と、を備え、所定の前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数より少ない状態で前記第2発射操作により遊技球が発射された状況で前記入球個数が前記特定個数に到達するより前に当該所定の前記特定遊技が終了可能であり、遊技球の前記第1通過部への通過に基づいて前記所定の可変入球手段への入球個数に対応する特定情報を更新することが可能な手段を備え、」に補正する。
(4) 補正事項4
本件補正前の請求項1に、「前記終了手段は、前記特定遊技の実行中に前記特定情報の更新結果が前記特定個数への到達に対応する結果になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させ得るようになっており、」との記載を追加する。
3 補正の目的について
(1) 補正事項1
補正事項1の「遊技球の入球数が特定個数になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させる」との記載は、「遊技球の入球数」と「特定個数」とを比較することにより、「特定遊技を終了させる」か否か決定することを意味しているといえる。
一方、本件補正前の請求項1には、「所定の前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数より少ない状態で前記第2発射操作により遊技球が発射された状況で前記入球個数が前記特定個数に到達するより前に当該所定の前記特定遊技が終了することを可能とする手段」との記載があり、この記載においても、「遊技球の入球個数」と「特定個数」とを比較することにより、「特定遊技が終了する」か否かが決定されている。
以上のことから、「入球数」と「入球個数」は、同じ意味であることに加え、「数」の表現について、他に「特定個数」と「個数」という用語を用いて表現していることから、「入球数」も「個数」を表していると理解することが自然である。
してみると、本件補正前の請求項1の「入球数」は「入球個数」の誤記であると認められる。
そうすると、本件補正前の請求項1の「入球数」を「入球個数」と補正する補正事項1は、特許法第17条の2第5項第3号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2) 補正事項2~4
ア 補正事項2
補正事項2は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「当該実行中の前記特定遊技を終了させることが可能な手段」が、「当該実行中の前記特定遊技を終了させることが可能な終了手段」であることを限定するものである。
イ 補正事項3
補正事項3は、本件補正前の請求項1の記載において、「第2通過部と、」とあったものを、「第2通過部と、を備え、」と「を備え、」を追加し、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「所定の前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数より少ない状態で前記第2発射操作により遊技球が発射された状況で前記入球個数が前記特定個数に到達するより前に当該所定の前記特定遊技が終了することを可能とする手段」が、「所定の前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数より少ない状態で前記第2発射操作により遊技球が発射された状況で前記入球個数が前記特定個数に到達するより前に当該所定の前記特定遊技が終了可能であり、遊技球の前記第1通過部への通過に基づいて前記所定の可変入球手段への入球個数に対応する特定情報を更新することが可能な手段」であることを限定するものである。
ウ 補正事項4
補正事項4は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項であり、補正事項2によって補正された「終了手段」に関して、「前記終了手段は、前記特定遊技の実行中に前記特定情報の更新結果が前記特定個数への到達に対応する結果になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させ得るようになって」いることを限定するものである。
エ まとめ
以上のとおり、補正事項2~4は、補正前の請求項1に記載された発明の発明特定事項を限定するものであって、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
4 新規事項の追加の有無について
本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)における【0086】、【0215】、【0222】等の記載に基づくものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
5 独立特許要件の判断
上記3で検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものを含むから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について検討する。
(1) 本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである(符号A等は、分説するため当審で付した。以下「A」等が付された事項を「特定事項A」等という。)。
(本願補正発明)
「【請求項1】
A 所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段と、
B 予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段と、
C 前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果であることに基づいて遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる移行手段と、
D 所定の可変入球手段を遊技球が入球不可又は入球しにくい第1態様から遊技球が入球可能又は前記第1態様よりも入球しやすい第2態様とし、その後、前記第1態様とする特定遊技を実行することが可能な手段と、
を備え、
E 前記特別遊技状態にて前記特定遊技が実行され得るように構成されており、
F 前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が特定個数になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させることが可能な終了手段を備え、
G 第1発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作とは異なる第2発射操作により発射された遊技球が通過しない第1領域と、前記第2発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作により発射された遊技球が通過しない第2領域とが設けられており、
H 前記第1領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて第1特典を付与可能とする第1通過部と、
I 前記第2領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能とする第2通過部と、
を備え、
J 所定の前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数より少ない状態で前記第2発射操作により遊技球が発射された状況で前記入球個数が前記特定個数に到達するより前に当該所定の前記特定遊技が終了可能であり、
K 遊技球の前記第1通過部への通過に基づいて前記所定の可変入球手段への入球個数に対応する特定情報を更新することが可能な手段を備え、
L 前記終了手段は、前記特定遊技の実行中に前記特定情報の更新結果が前記特定個数への到達に対応する結果になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させ得るようになっており、
M 前記特別遊技状態において前記特定個数を表示する特定個数表示が実行されないように構成されている
N ことを特徴とする遊技機。」
(2) 引用文献
ア 引用文献1
(ア) 記載事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の遡及日前に日本国内又は外国において頒布され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-140536号公報(平成29年8月17日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、弾球遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。
「【0020】
[第1実施形態]
[構成の説明]
第1実施形態の遊技機たるパチンコ機を説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11、および図略の内枠が、開閉可能に設けてある。尚、これら前枠11および前記内枠は、シリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
【0021】
前枠11の板ガラス110の奥には、前記内枠に保持された遊技盤2(図2)が設けてある。
前枠11の上部の左右両側位置には、それぞれ、スピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、前枠11には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
【0022】
前枠11の下半部には、上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また、上皿12には賞球が払い出される。」
「【0025】
図2は遊技盤2を示し、遊技盤2には、外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、その中央部にセンターケース200が装着されている。
・・・
【0027】
センターケース200の左側位置には、普通図柄(以下、単に普図という)の普図作動ゲート(普図作動口)22が設置されている。
センターケース200の直下には、特別図柄(以下、単に特図という)の当否判定を実行する始動口として、常時入球(入賞)可能な第1特図始動口23A、チューリップ式普通電動役物からなる第2特図始動口23Bとが上下位置に設置されている。
【0028】
第2特図始動口23Bは、普通電動役物(以下、単に普電役物という)の開放時にのみ入球(入賞)可能である。普電役物は、遊技球が作動ゲート22を通過したことに起因して実行される普図の抽選で当りとなると、所定時間開放する。
【0029】
第1および第2特図始動口23A,23Bの右側位置には、開閉板にて開閉される第1大入賞口25Aと、開閉板にて開閉される第2大入賞口25Bとが上下2段に配置されている。
【0030】
ここで、特図の当否判定で当ることに起因して、複数の回数にわたって特別電動役物や可動入賞装置や特別入賞装置等を開閉する遊技を、特別遊技(大当り遊技とも記載)と記載する。なお、特別遊技において特別電動役物等が開放される各回を、ラウンドと記載する。
【0031】
第1大入賞口25Aは、特別遊技(大当り遊技とも記載)において開閉する特別電動役物等に相当し、第1大入賞口25A内には、入賞口の他に、特別遊技の継続に関する継続口210が設けられている。(詳細は後述するが、条件付ラウンドでは、継続口210への入球により次のラウンドに進む)。第2大入賞口25Bも、同様に、特別遊技において開閉する特別電動役物等に相当し、第2大入賞口25B内には、入賞口の他に、特別遊技後の特典遊技に関する特典口211が設けられている。
【0032】
また、第1および第2特図始動口23A,23Bの左側位置には、複数の普通入賞口27が配置され、遊技領域20の最下部には、アウト口203が設けられている。
尚、遊技盤2の遊技領域20には、多数の遊技釘や風車が植設されている。
【0033】
遊技盤2の右下部には、遊技領域20外に、特図が変動表示される特図表示装置28、普図が変動表示される普通図柄表示装置29、特図の保留記憶が表示される特図保留数表示装置281、および普図の保留記憶が表示される普図保留数表示装置291が配設されている。
【0034】
図3に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技領域20の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、本実施形態では、前記賞球を払い出す払出ユニット33により、前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
【0035】
パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は、遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は、内枠30に設けられている。図3では、発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
・・・
【0039】
また、主制御装置40は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して特図表示装置28、特図保留数表示装置281、普通図柄表示装置29および普図保留数表示装置291の表示制御を行なう。
【0040】
更に、主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して第1および第2大入賞口ソレノイド512,513を駆動して、第1および第2大入賞口25A,25Bを開放作動せしめる。また、普電役物の普電役物ソレノイド514を駆動して、第2特図始動口23Bの普電役物を開閉する。」
「【0047】
次に、継続口210が設けられている第1大入賞口25Aの構成について説明する。第1大入賞口25Aは、第1大入賞口25Aに入球した遊技球が、予め定められた入球率で継続口210に入球可能となるように構成されている。該入球率は、固定値であっても良いし、調整可能となっていても良い。」
「【0052】
[動作の説明]
次に、パチンコ機1の動作について説明する。
パチンコ機1は、普図の作動ゲート22への入球に起因して普図用の乱数値を抽出し、該乱数値に基づいて当否抽選を行い、当否抽選の結果が当りであれば、普通図柄表示装置29に当選結果を確定表示して前記普電役物を開放する。これにより、第2特図始動口23Bへの入賞が可能となる。
【0053】
第1特図始動口23A又は第2特図始動口23Bへの入球があると、これらに起因して特図用の乱数値が抽出されると共に、該乱数値に基づいて特図の当否判定が行われる。以後、第1特図始動口23Aへの入球に起因して行われる当否判定に係る特図を第1特図と、第2特図始動口23Bへの入球に起因して行われる当否判定に係る特図を第2特図と記載する。そして、特図表示装置28において特図の図柄変動が開始されると共に、演出図柄表示装置21において特図に対応する擬似演出図柄の図柄変動が開始される。
【0054】
その後、特図表示装置28および演出図柄表示装置21の図柄変動を停止して特図を確定表示することで、当否判定の結果を報知する。判定結果が大当りであれば、大当り図柄を決めて各表示装置28,21に大当り図柄が確定表示される。この場合、演出図柄表示装置21には、特図に対応する擬似演出図柄が表示される。
【0055】
そして、大当り図柄が確定表示されることにより、大当り遊技の開始条件を成立させる条件装置が作動し、大当り遊技に移行する構成である。
大当り遊技は、第1又は第2大入賞口25A,25Bの所定の開閉作動を1ラウンドとして、第1又は第2大入賞口25A,25Bの開閉動作が、1又は複数ラウンドにわたり継続される。本パチンコ機1の大当り遊技は、最大15ラウンド(以下、ラウンドをRと記す)まで継続可能である。
【0056】
ここで、大当り遊技において、第1大入賞口25Aが開放されるラウンドを第1開放ラウンドと、第2大入賞口25Bが開放されるラウンドを第2開放ラウンドと記載する。
そして、第1開放ラウンドとして、所定数の遊技球が第1大入賞口25Aに入球するか、又は、ラウンド継続時間が経過すると、次のラウンドに進む無条件ラウンドと、遊技球が継続口210に入球すると、次のラウンドに進む条件付ラウンドとが設けられている。無条件ラウンドと条件付ラウンドは、最終ラウンド以外のラウンドとなる。
【0057】
さらに、条件付ラウンドには、条件付ラウンドA,Bが設けられている。条件付ラウンドAは、所定数の遊技球が第1大入賞口25Aに入球するか、又は、当該ラウンドの開始後、ラウンド継続時間が経過すると、当該ラウンドが終了し、当該ラウンドの継続中に遊技球が継続口210に入球していれば、次のラウンドに進む。また、条件付ラウンドBは、遊技球が継続口210に入球すると、直ちに当該ラウンドが終了し、次のラウンドに進む。」
「【0062】
以下、作動の詳細を主制御装置40で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
・・・
【0067】
また、この処理では、特図保留数表示装置281の点灯数を増加させると共にサブ統合制御装置42に現在の保留記憶数を送信する。
(3)当否判定処理について
次に、「当否判定処理」(S108)について説明する。
【0068】
図9ないし図12は主制御装置40で実行される特図の「当否判定処理」のフローチャートを示す。図9に示すように「当否判定処理」は、第1又は第2大入賞口25A,25Bを開放させるための特別電動役物が作動中か確認し、作動していなければ(S300:no)、特図が変動中か確認し、変動中でなければ(S301:no)、特図の確定図柄が表示されているか確認する(S302)。尚、特別電動役物が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
・・・
【0072】
確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと、前記大当り決定用乱数とを対比して、大当りか否か当否判定を行う(S314)。
続くS315の処理では、S313又はS314の処理の当否判定が大当りか否かの確認を行う。
【0073】
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
S317の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、演出図柄表示装置21に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
・・・
【0081】
S347の処理では、条件装置の作動を開始させる。S348の処理では、役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は、大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は、特別電動役物を連続して作動させる装置である。
・・・
【0138】
(5)特別遊技処理について
次に、「特別遊技処理」について説明する。
「特別遊技処理」は、図19に示すように、先ずS400の処理において、役物連続作動装置が作動中か確認し(S400)、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理で第1又は第2大入賞口25A,25Bが開放中か確認する。
【0139】
S401の処理で第1又は第2大入賞口25A,25Bが開放中でなければ(S401:no)、インターバル中か確認し(S402)、インターバル中でなければ(S402:no)、大当り終了演出中か確認し(S403)、大当り終了演出中でなければ(S403:no)、大当り開始演出時間が経過したか確認し(S404)、大当り開始演出時間が経過していれば(S404:yes)、S405の大入賞口開放処理において、最初の1R目は第1大入賞口25Aを開放して、リターンする。第1大入賞口25Aの開放中に継続口210への入球が可能となり、継続口210が有効となる。
【0140】
第1又は第2大入賞口25A,25Bが開放中であれば、図20に示すように、実行中の特別遊技の開放パターンに基づき、現在のラウンドの態様を判別する。そして、現在のラウンドが無条件ラウンドの場合、S411に移行し、条件付ラウンドAの場合、S412に移行し、条件付ラウンドBの場合、S413に移行し、これ以外の場合、S414に移行する。
【0141】
S411では、無条件ラウンド終了判定処理を実行し、S415に移行する。
S412では、条件付ラウンドA終了判定処理を実行し、S415に移行する。
S413では、条件付ラウンドB終了判定処理を実行し、S415に移行する。
・・・
【0145】
S415では、ラウンド継続時間が終了したか否かが判定される。そして、肯定判定が得られた場合には(S415:Yes)、S417に移行し、否定判定が得られた場合には(S415:No)、S416に移行する。
・・・
【0147】
S417では、継続フラグが「1(継続)」か否かが判定される。そして、肯定判定が得られた場合には(S417:Yes)、S418に移行し、否定判定が得られた場合には(S417:No)、図21のS423に移行する。
【0148】
S418では、ラウンド数がインクリメントされ、S419では、継続フラグがクリアされる。なお、この時、終了フラグをクリアしても良い。そして、続くS420では、大当りインターバル処理が実行され、本処理は終了する。大当りインターバル処理では、サブ統合制御装置42へ大当りのインターバル演出を開始させるようにコマンドを送信する。
【0149】
図19のS402の処理でインターバル中であれば(S402:yes)、図21に示すように、S421の処理で大当りインターバル時間が経過したか確認し、経過していれば(S421:yes)、最終ラウンド(15R)であるかどうか確認し(S422)、最終ラウンドであれば(S422:yes)、大当り終了演出の処理(S423)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
・・・
【0156】
特別遊技では最大15Rの遊技が可能である。特別遊技の1Rから14Rでは、第1大入賞口25Aが開放され、各ラウンドに継続口210への入球により次のラウンドが実施される。従って、遊技者の次のラウンドへの期待感と、特別遊技が終わってしまうのではないかといったスリル感を向上することができる。この場合、次のラウンドへの継続となると、図23(a)に示すように、演出図柄表示装置21において特別遊技の継続を示すことが望ましい。例えば、表示画面にラウンド数表示700、笑顔のキャラクタ701、継続確定の表示702、および大当り図柄等703を表示する。
・・・
【0157】
特別遊技の最終の15Rでは、第2大入賞口25Bを開放して、特典口211を有効としている。この場合、図23(b)に示すように、演出図柄表示装置21において確変、時短といった特典遊技の獲得を促すことが望ましい。例えば、表示画面にラウンド数表示、曇った表情のキャラクタ701、特典口211への入球を促す表示704、および大当り図柄703等を表示する。
【0158】
そして、特典口211への入球により、特別遊技終了後に確変遊技、時短遊技が付与される。この場合、図23(c)に示すように、演出図柄表示装置21において、例えば、表示画面にラウンド数表示700、光り輝く笑顔のキャラクタ701、特典遊技獲得の表示705、および大当り図柄703等を表示する。
【0166】
S515では、継続フラグに「1」をセットし、本処理を終了する。
(8)条件付ラウンドB終了判定処理について
次に、特別遊技処理のS413にてコールされ、条件付ラウンドBを終了するか否かを判定する条件付ラウンドB終了判定処理について、図26のフローチャートを用いて説明する。
・・・
【0168】
S521では、当該ラウンドにおける第1大入賞口25Aへの入賞数をカウントし、S522に移行する。
S522では、入賞数が所定数(例えば10個)に到達したか否かを判定する。肯定判定が得られた場合には(S522:Yes)、S523に移行し、否定判定が得られた場合には(S522:No)、S524に移行する。
【0169】
S523では、終了フラグに「1」をセットし、S514(当審注:「S524」の誤記と認められる。)に移行する。
S524では、継続SW509からの信号に基づき、継続口210への入球が生じたか否かを判定する。肯定判定が得られた場合には(S524:Yes)、S525に移行し、否定判定が得られた場合には(S524:No)、本処理を終了する。
【0170】
S525では、継続フラグに「1」をセットすると共に、続くS526にて終了フラグに「1」をセットし、本処理を終了する。
[効果]
このように、本パチンコ機1によれば、特別遊技中に継続口210に入球させ、継続条件を達成していかないと特典口211が有効になる最終の15Rに到達することができず、また、最終の15Rに到達できても特典口211へ入球させることができなければ特典が付与されないため、遊技者は特別遊技による賞球の獲得を確保するとともに、ラウンド継続と特典獲得を目指しながら遊技をすることができ、遊技者の期待感とスリル感を向上し、遊技の興趣を豊かにできる。」
「【図2】
[図:0001425556000001.jpg]
」
「【図19】
[図:0001425556000002.jpg]
」
「【図20】
[図:0001425556000003.jpg]
」
「【図26】
[図:0001425556000004.jpg]
」
(イ) 認定事項
【0025】には、「遊技領域20には、その中央部にセンターケース200が装着されている」と、【0027】には、「センターケース200の左側位置には、普通図柄(以下、単に普図という)の普図作動ゲート(普図作動口)22が設置されている」と、【0029】には、「第1および第2特図始動口23A,23Bの右側位置には、開閉板にて開閉される第1大入賞口25Aと、開閉板にて開閉される第2大入賞口25Bとが上下2段に配置されている」と、【0032】には、「第1および第2特図始動口23A,23Bの左側位置には、複数の普通入賞口27が配置され」と、それぞれ記載されている。
これらの記載を踏まえ、図2を見ると、「遊技領域20」は、「センターケース200」の左側の領域と、右側の領域とを有することが見て取れる。
さらに、図2には、「第1大入賞口25A」の左上に斜めの5本の釘が互いに近接して描かれており、この5本の釘の箇所は遊技球が通過できないものと認められ、この5本の釘と、「普図作動ゲート22」、「普通入賞口27」及び「第1大入賞口25A」との位置関係から、引用文献1には、「遊技領域20は、センターケース200の左側の領域と、センターケース200の右側の領域を有し、普図作動ゲート22と普通入賞口27は、センターケース200の左側の領域を流下する遊技球は入球可能であるが、センターケース200の右側の領域を流下する遊技球は入球不可能であり、第1大入賞口25Aは、センターケース200の右側の領域を流下する遊技球は入球可能であるが、センターケース200の左側の領域を流下する遊技球は入球不可能である」ことが記載されていると認められる(以下「認定事項」という。)。
(ウ) 引用文献1に記載された発明
上記(ア)及び(イ)から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用発明)
「時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される発射ハンドル14と(【0022】)、
遊技盤2が設けられ(【0021】)、
遊技盤2には、その中央部にセンターケース200が装着されている遊技領域20が形成され(【0025】)、
センターケース200の左側位置には、普通図柄(以下、単に普図という)の普図作動ゲート22が設置され(【0027】)、
第2特図始動口23Bは、遊技球が作動ゲート22を通過したことに起因して実行される普図の抽選で当りとなると、所定時間開放する普通電動役物(以下、単に普電役物という)の開放時にのみ入球可能であり(【0028】)、
センターケース200の直下に設置されている第1および第2特図始動口23A,23Bの右側位置には、開閉板にて開閉される第1大入賞口25Aと、開閉板にて開閉される第2大入賞口25Bとが配置され(【0027】、【0029】)、
特別遊技(大当り遊技とも記載)は、特図の当否判定で当ることに起因して、複数の回数にわたって特別電動役物を開閉する遊技であり、特別遊技において特別電動役物が開放される各回を、ラウンドといい(【0030】)、
第1大入賞口25Aは、特別遊技(大当り遊技)において開閉する特別電動役物に相当し、第1大入賞口25A内には、入賞口の他に、特別遊技の継続に関する継続口210が設けられ(【0031】)、
第1大入賞口25Aは、第1大入賞口25Aに入球した遊技球が、予め定められた入球率で継続口210に入球可能となるように構成され(【0047】)、
第1および第2特図始動口23A,23Bの左側位置には、複数の普通入賞口27が配置され(【0032】)、
遊技領域20は、センターケース200の左側の領域と、センターケース200の右側の領域を有し、普図作動ゲート22と普通入賞口27は、センターケース200の左側の領域を流下する遊技球は入球可能であるが、センターケース200の右側の領域を流下する遊技球は入球不可能であり、第1大入賞口25Aは、センターケース200の右側の領域を流下する遊技球は入球可能であるが、センターケース200の左側の領域を流下する遊技球は入球不可能であり(認定事項)、
遊技領域20の入賞口に遊技球が入賞すると所定個数の賞球が払い出され(【0034】)、
遊技盤2の右下部には、普図が変動表示される普通図柄表示装置29が配設され(【0033】)、
普通図柄表示装置29の表示制御を行ない(【0039】)、第1大入賞口25Aを開放作動せしめ、また、第2特図始動口23Bの普電役物を開閉する(【0040】)主制御装置40が設けられている(【0035】)パチンコ機1(【0020】)であって、
パチンコ機1は、普図の作動ゲート22への入球に基づいて当否抽選を行い、当否抽選の結果が当りであれば、普通図柄表示装置29に当選結果を確定表示して前記普電役物を開放し(【0052】)、
第1特図始動口23A又は第2特図始動口23Bへの入球があると、特図の当否判定を行い(【0053】)、判定結果が大当りであれば(【0054】)、大当り遊技に移行するものであり(【0055】)、
大当り遊技は、第1又は第2大入賞口25A,25Bの所定の開閉作動を1ラウンドとして、第1又は第2大入賞口25A,25Bの開閉動作が、1又は複数ラウンドにわたり、最大15ラウンド(以下、ラウンドをRと記す)まで継続可能であり(【0055】)、
第1大入賞口25Aが開放されるラウンドとして、条件付ラウンドBが設けられ、条件付ラウンドBは、遊技球が継続口210に入球すると、直ちに当該ラウンドが終了し、次のラウンドに進むものであり(【0056】、【0057】)、
主制御装置40で実行される特図の当否判定処理において(【0068】)、当否判定が大当りか否かの確認を行い(【0072】)、大当りであれば(【0073】)、大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置である条件装置の作動を開始させ、特別電動役物を連続して作動させる装置である役物連続作動装置の作動を開始させ(【0081】)、
主制御装置40で実行される(【0062】)特別遊技処理において(【0138】、図19)、
最初の1R目は第1大入賞口25Aを開放して、第1大入賞口25Aの開放中に継続口210への入球が可能となり、継続口210が有効となり(【0139】)、
条件付ラウンドBの場合、条件付ラウンドBを終了するか否かを判定する条件付ラウンドB終了判定処理を実行し(【0140】、【0141】、【0166】、図20)、
条件付ラウンドB終了判定処理では(【0166】、図26)、
第1大入賞口25Aへの入賞数をカウントし、入賞数が所定数(例えば10個)に到達したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には、終了フラグに「1」をセットした後、継続口210への入球が生じたか否かを判定し、否定判定が得られた場合には、終了フラグに「1」をセットすることなく、継続口210への入球が生じたか否かを判定し(【0168】、【0169】、図26)、
継続口210への入球が生じたか否かの判定において、否定判定が得られた場合には、条件付ラウンドB終了判定処理を終了し、肯定判定が得られた場合には、継続フラグに「1」をセットすると共に、終了フラグに「1」をセットして条件付ラウンドB終了判定処理を終了し(【0169】、【0170】)、
特別遊技処理に戻り、ラウンド継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には、継続フラグが「1(継続)」か否かの判定に移行し(【0145】、【0147】、図20)、
継続フラグが「1(継続)」か否かの判定において、肯定判定が得られた場合には、ラウンド数がインクリメントされ、大当りインターバル処理が実行され(【0147】、【0148】)、
継続フラグが「1(継続)」か否かの判定において、否定判定が得られた場合には(【0147】)、大当り終了演出の処理を実行し、大当り遊技を終了し(【0149】)、
特別遊技の1Rから14Rでは、第1大入賞口25Aが開放され、各ラウンドに継続口210への入球により次のラウンドが実施され、この場合、次のラウンドへの継続となると、演出図柄表示装置21において特別遊技の継続を示すために、表示画面にラウンド数表示700、笑顔のキャラクタ701、継続確定の表示702、および大当り図柄等703を表示し(【0156】)、
特別遊技の最終の15Rでは、第2大入賞口25Bを開放して、特典口211を有効とし、この場合、演出図柄表示装置21において確変、時短といった特典遊技の獲得を促すために、表示画面にラウンド数表示、曇った表情のキャラクタ701、特典口211への入球を促す表示704、および大当り図柄703等を表示し(【0157】)、特典口211への入球により、特別遊技終了後に確変遊技、時短遊技が付与されると、演出図柄表示装置21において、表示画面にラウンド数表示700、光り輝く笑顔のキャラクタ701、特典遊技獲得の表示705、および大当り図柄703等を表示する(【0158】)、
パチンコ機1(【0020】)。」
イ 引用文献2
(ア) 記載事項
本願の遡及日前に日本国内又は外国において頒布され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2019-10582号公報(平成31年1月24日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、遊技台(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。
「【0308】
<第2の変形例>
次に、本実施形態に係るパチンコ機100における第2の変形例について、図34を参照しながら説明する。図34は、15R特別大当りでの大当り遊技における他の表示態様について説明する図であって、大当り遊技の開始から可変入賞口への入賞した遊技球の総数に応じた表示をする様子について段階的に示した図である。
【0309】
図34(b)、同図(c)、同図(e)、同図(f)及び同図(g)は、それぞれ、図30(b)、同図(c)、同図(e)、図31(f)及び同図(g)に対応するものであるが、大当り遊技における可変入賞口への入賞総数に対応する表示(入賞総数表示)が装飾図柄表示装置208の右側の中央に表示されている点で異なっている。この演出例では、入賞総数表示として、当該大当り遊技において可変入賞口への入賞により獲得できる賞球の総数(獲得可能総賞球数)と、当該大当り遊技の開始から現在までの間に可変入賞口への入賞により獲得した賞球数(獲得賞球数)とを特定可能な態様での表示を行う。例えば、この演出例では、第1可変入賞口234及び第2可変入賞口235への1つの遊技球の入賞により獲得できる賞球数は15個であり、1ラウンドにおける最大入賞数が10個であり、15ラウンドの全てにおいて10個の遊技球が可変入賞口234,235に入賞できた場合には、2250個の賞球を獲得することができるので、獲得可能総賞球数の表示として「2250」が表示されるとともに、当該大当り遊技の開始から現在までの間に可変入賞口234,235に入賞した遊技球の数に賞球数15個を乗じた値を、獲得賞球数として表示される。なお、獲得した賞球数ではなく、可変入賞口に入賞した遊技球の数を表示するようにしてもよい。また、この演出例では、オーバー入賞した分については、獲得した賞球数(大当り遊技における可変入賞口への入賞総数)には含めないようにしているが、含めるようにしてもよい。」
「【図34】
[図:0001425556000005.jpg]
」
(イ) 引用文献2に記載された事項
上記(ア)から、引用文献2には、以下の事項(以下「引用文献2記載の事項」という。)が記載されていると認められる。
(引用文献2記載の事項)
「大当り遊技における可変入賞口への入賞総数に対応する表示である入賞総数表示が装飾図柄表示装置208の右側の中央に表示され、入賞総数表示として、当該大当り遊技において可変入賞口への入賞により獲得できる賞球の総数(獲得可能総賞球数)と、当該大当り遊技の開始から現在までの間に可変入賞口への入賞により獲得した賞球数(獲得賞球数)とを特定可能な態様での表示を行う(【0309】、図34)パチンコ機100(【0308】)。」
ウ 引用文献3
(ア) 記載事項
本願の遡及日前に日本国内又は外国において頒布され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-94387号公報(平成 22年4月30日出願公開。以下「引用文献3」という。)には、パチンコ機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。
「【0017】
(1.第1実施形態の概要)
図1は、本発明の第1実施形態となるパチンコ機1を示している。このパチンコ機1は、いわゆる「羽根物」と称される種類に属するものである。」
「【0167】
(A.遊技の進行と演出情報との関係)
第1実施形態では、上記(1)~(3)の表示態様を用いた昇格演出において、それぞれの表示態様(キャラクタの動作や図柄の内容)が遊技の進行度合いに応じて変化するものとなっている。すなわち、大当り遊技中に大入賞口カウントスイッチ28で遊技球の入賞が検出されると、この検出結果に基づいてメイン制御基板68からサブ制御基板70に入賞コマンドが送信される。サブ制御基板70は、受信した入賞コマンドに基づいてカウント数表示(例えば「2C」等)の制御を行うとともに、演出情報として挙げられる上記(1)~(3)の各表示態様を変化させる制御を行う。なお第1実施形態では、例えば液晶表示器40の画面右上部にて上記のカウント数表示が行われており、その数値表示が入賞個数の増加に合わせて順次変化する制御が行われているが、これは一般的なカウント数表示であって、第1実施形態でいう「演出情報の表示態様を変化させる」ものには含まれない。」
「【図26】
[図:0001425556000006.jpg]
」
(イ) 引用文献3に記載された事項
上記(ア)から、引用文献3には、以下の事項(以下「引用文献3記載の事項」という。)が記載されていると認められる。
(引用文献3記載の事項)
「大当り遊技中に大入賞口カウントスイッチ28で遊技球の入賞が検出されると、この検出結果に基づいてメイン制御基板68からサブ制御基板70に入賞コマンドが送信され、サブ制御基板70は、受信した入賞コマンドに基づいてカウント数表示(例えば「2C」等)の制御を行うものであり、液晶表示器40の画面右上部にて上記のカウント数表示が行われており、その数値表示が入賞個数の増加に合わせて順次変化する制御が行われている(【0167】、図26)パチンコ機1(【0017】)。」
(3) 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
ア 特定事項A
引用発明の「発射ハンドル14」を「時計回りに操作すること」、「作動して、上皿12から供給された遊技球」を「遊技盤2に向けて発射」することは、本願補正発明の「所定の発射操作」、「遊技球を発射可能」であることに、それぞれ相当するから、引用発明の「発射装置」は、本願補正発明の「発射手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Aを備える。
イ 特定事項B
引用発明の「第1特図始動口23A又は第2特図始動口23Bへの入球がある」こと、「特図の当否判定を行」うことは、本願補正発明の「予め定められた判定契機」、「所定の移行判定を実行する」ことに、それぞれ相当する。
したがって、引用発明の「特図の当否判定処理」を「実行」する「主制御装置40」は、本願補正発明の「移行判定手段」の機能を備える。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Bを備える。
ウ 特定事項C
引用発明は、「判定結果が大当りであれば、大当り遊技に移行する」ものである。ここで、引用発明の「大当り遊技」は、「第1又は第2大入賞口25A,25Bの所定の開閉作動を1ラウンドとして、第1又は第2大入賞口25A,25Bの開閉動作が、1又は複数ラウンドにわたり、最大15ラウンドまで継続可能」なものであるから、引用発明において、「大当り遊技」に移行した状態は、「大当り遊技」に移行する前の状態よりも「遊技者に有利」な状態であることは明らかである。
そうすると、引用発明の「判定結果が大当り」であること、「大当り遊技に移行する」ことは、本願補正発明の「前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果であること」、「所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行」することに、それぞれ相当し、引用発明の「大当り遊技」に移行する前の状態、「大当り遊技」は、本願補正発明の「所定遊技状態」、「特別遊技状態」に、それぞれ相当する。
さらに、引用発明において、「主制御装置40で実行される特図の当否判定処理において」、「大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置である条件装置の作動を開始させ」、「大当り遊技において開閉する」「特別電動役物を連続して作動させる装置である役物連続作動装置の作動を開始させ」ることから、引用発明の「主制御装置40」は、「大当り遊技」を「開始させ」る機能を備えるものであり、このことは、本願補正発明の「特別遊技状態に移行させる移行手段」の機能を備えることに相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Cを備える。
エ 特定事項D、E
引用発明の「第1大入賞口25A」は、「開閉板にて開閉される」「大当り遊技において開閉する特別電動役物」であるところ、開放された状態と閉鎖された状態とを備えること、及び、その閉鎖された状態においては、「遊技球が入球不可又は入球しにくい」こと、開放された状態においては、閉鎖された状態よりも「入球しやすい」ことは自明である。
そうすると、引用発明の「第1大入賞口25A」、「第1大入賞口25A」が閉鎖された状態、「第1大入賞口25A」が開放された状態は、本願補正発明の「所定の可変入球手段」、「第1態様」、「第2態様」に、それぞれ相当する。
そして、引用発明の「第1大入賞口25Aが開放されるラウンドとして」「設けられ」る「条件付ラウンドB」は、「第1」「大入賞口25A」「の所定の開閉作動を1ラウンドと」するものであるから、「第1大入賞口25A」が閉鎖された状態から、開放された状態とされ、その後閉鎖された状態となるものであり、本願補正発明の「特定遊技」に相当する。
さらに、引用発明の「大当り遊技」は、「第1又は第2大入賞口25A,25Bの所定の開閉作動を1ラウンドとして、第1又は第2大入賞口25A,25Bの開閉動作が、1又は複数ラウンドにわたり、最大15ラウンドまで継続可能であり、第1大入賞口25Aが開放されるラウンドとして、条件付ラウンドBが設けられ」るものであるところ、引用発明においては、「大当り遊技」にて「条件付ラウンドB」が実行されるものといえ、このことは、本願補正発明の特定事項Eの「前記特別遊技状態にて前記特定遊技が実行され得るように構成され」ることに相当する。
また、引用発明において、「主制御装置40」は、「特別遊技処理」を実行するものであるところ、「大当り遊技」に関する処理を実行する機能を備えるものといえ、また、「第1大入賞口25Aを開放作動せしめ」ることから、「主制御装置40」は、「大当り遊技」において実行される「条件付ラウンドB」を実行する機能を備えるものといえ、このことは、本願補正発明の特定事項Dの「手段」の機能を備えることに相当する。
以上のことから、引用発明は、本願補正発明の特定事項D、Eを備える。
オ 特定事項F
上記エより、引用発明の「第1大入賞口25A」、「条件付ラウンドB」は、本願補正発明の「所定の可変入球手段」、「特定遊技」に相当する。
そして、引用発明は、「主制御装置40で実行される特別遊技処理において」、「実行」される「条件付ラウンドB終了判定処理」において、「第1大入賞口25Aへの入賞数をカウントし、入賞数が所定数(例えば10個)に到達したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には、終了フラグに「1」をセット」するものである。
ここで、引用発明では、「条件付ラウンドB終了判定処理」において、「終了フラグに「1」をセットした後」は、「ラウンド数がインクリメントされ、大当りインターバル処理が実行され」るか、「大当り遊技」が「終了」されるものであるから、いずれの場合も、実行されていた「条件付ラウンドB」は終了することとなる。
そうすると、引用発明の「所定数(例えば10個)」は、本願補正発明の「特定個数」に相当し、引用発明の「条件付ラウンドB終了判定処理」において、「第1大入賞口25Aへの入賞数をカウントし、入賞数が所定数(例えば10個)に到達したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には」、実行されていた「条件付ラウンドB」を終了させる「主制御装置40」は、本願補正発明の「前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が特定個数になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させることが可能な終了手段」の機能を備えているといえる。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Fを備える。
カ 特定事項G
遊技機の技術分野において、遊技状態に応じて、遊技領域の左側の領域を狙って遊技球を発射する左打ちと、遊技領域の右側の領域を狙って遊技球を発射する右打ちとを、発射操作時の発射ハンドルの回動量を調整して打ち分けることは技術常識であることを踏まえると、引用発明の「遊技領域20」の「センターケース200の右側の領域」は、右打ち(本願補正発明の「第1発射操作」に対応する。)により発射された遊技球が通過可能であり、右打ちとは異なる左打ち(本願補正発明の「第2発射操作」に対応する。)により発射された遊技球が通過しない領域であるから、本願補正発明の「第1領域」に相当し、引用発明の「遊技領域20」の「センターケース200の左側の領域」は、左打ちにより発射された遊技球が通過可能であり、右打ちにより発射された遊技球が通過しない領域であるから、本願補正発明の「第2領域」に相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Gを備える。
キ 特定事項H
引用発明の「第1大入賞口25A」は、「センターケース200の右側の領域(本願補正発明の「第1領域」に相当。)を流下する遊技球は入球可能であるが、センターケース200の左側の領域(本願補正発明の「第2領域」に相当。)を流下する遊技球は入球不可能であり」、「第1大入賞口25A」「に遊技球が入賞すると所定個数の賞球が払い出され」るものである。
そして、引用発明は、「遊技領域20の入賞口に遊技球が入賞すると所定個数の賞球が払い出され」ものであるところ、引用発明においては、「遊技領域20の入賞口」の内部領域を遊技球が通過することにより「所定個数の賞球が払い出され」るものといえる。
そうすると、引用発明の「第1大入賞口25A」の内部領域、「第1大入賞口25A」の内部領域を遊技球が通過することにより「所定個数の賞球が払い出され」ることは、本願補正発明の「第1通過部」、「第1特典」に、それぞれ相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Hを備える。
ク 特定事項I
引用発明の「普図作動ゲート22」は、「センターケース200の左側の領域(本願補正発明の「第2領域」に相当。)を流下する遊技球は入球可能であるが、センターケース200の右側の領域(本願補正発明の「第1領域」に相当。)を流下する遊技球は入球不可能であり」、「遊技球が作動ゲート22を通過したことに起因して実行される普図の抽選で当りとなると、所定時間」「普通電動役物」が「開放する」ものである。
そうすると、引用発明の「普図作動ゲート22」、「遊技球が作動ゲート22を通過したことに起因して実行される普図の抽選で当りとなると、所定時間」「普通電動役物」が「開放する」ことは、本願補正発明の「第2通過部」、「第2特典」に、それぞれ相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Iを備える。
ケ 特定事項J
上記カより、「左打ち」が、本願補正発明の「第2発射操作」に対応する。
そして、引用発明の「第1大入賞口25A」は、「センターケース200の右側の領域を流下する遊技球は入球可能であるが、センターケース200の左側の領域を流下する遊技球は入球不可能であり」、つまり、左打ちでは入球不可能であるから、引用発明において、「条件付ラウンドB」の実行中に左打ちを行っても「第1大入賞口25A」の「入賞数」は増加することはない。
そうすると、引用発明では、「条件付ラウンドB終了判定処理」における「入賞数が所定数(例えば10個)に到達したか否か」の「判定」において、「肯定判定が得られた場合には、終了フラグに「1」をセット」するという処理をすることなく(本願補正発明の「前記入球個数が前記特定個数に到達するより前」に相当。)、「特別遊技処理に戻り、ラウンド継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合」に、「ラウンド数がインクリメントされ、大当りインターバル処理が実行され」るか、「大当り遊技」が「終了」されるものであるから、いずれの場合も、実行されていた「条件付ラウンドB」は終了する(本願補正発明の「当該所定の前記特定遊技が終了可能」であることに相当。)こととなる。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Jを備える。
コ 特定事項K
上記エより、引用発明の「第1大入賞口25A」が、本願補正発明の「所定の可変入球手段」に、上記キより、引用発明の「第1大入賞口25A」の内部領域が、本願補正発明の「第1通過部」に、それぞれ相当する。
そして、引用発明の「主制御装置40」は、「第1大入賞口25Aへの入賞数をカウントし、入賞数が所定数(例えば10個)に到達したか否かを判定」するものであり、引用発明の「入賞数」は、本願補正発明の「特定情報」に相当し、引用発明は、「所定数(例えば10個)に到達したか否かを判定」するために「入賞数」を更新しているといえるから、引用発明の「主制御装置40」は、本願補正発明の「遊技球の前記第1通過部への通過に基づいて前記所定の可変入球手段への入球個数に対応する特定情報を更新することが可能な手段」の機能を備える。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Kを備える。
サ 特定事項L
上記オより、引用発明の「所定数(例えば10個)」は、本願補正発明の「特定個数」に、上記コより、引用発明の「入賞数」は、本願補正発明の「特定情報」に、それぞれ相当する。
そうすると、引用発明の「第1大入賞口25Aへの入賞数をカウントし、入賞数が所定数(例えば10個)に到達したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合」は、本願補正発明の「前記特定情報の更新結果が前記特定個数への到達に対応する結果になった場合」に相当する。
そして、上記オにて説示のとおり、引用発明の「主制御装置40」は、「第1大入賞口25Aへの入賞数をカウントし、入賞数が所定数(例えば10個)に到達したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合」に、実行されていた「条件付ラウンドB」を終了させることから、本願補正発明の「前記特定遊技の実行中に前記特定情報の更新結果が前記特定個数への到達に対応する結果になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させ得るようになって」いる「終了手段」の機能を備える。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Lを備える。
シ 特定事項N
引用発明の「パチンコ機1」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Nを備える。
ス 一致点・相違点
上記ア~シから見て、本願補正発明と引用発明は、
「A 所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段と、
B 予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段と、
C 前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果であることに基づいて遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる移行手段と、
D 所定の可変入球手段を遊技球が入球不可又は入球しにくい第1態様から遊技球が入球可能又は前記第1態様よりも入球しやすい第2態様とし、その後、前記第1態様とする特定遊技を実行することが可能な手段と、
を備え、
E 前記特別遊技状態にて前記特定遊技が実行され得るように構成されており、
F 前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が特定個数になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させることが可能な終了手段を備え、
G 第1発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作とは異なる第2発射操作により発射された遊技球が通過しない第1領域と、前記第2発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作により発射された遊技球が通過しない第2領域とが設けられており、
H 前記第1領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて第1特典を付与可能とする第1通過部と、
I 前記第2領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能とする第2通過部と、
を備え、
J 所定の前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数より少ない状態で前記第2発射操作により遊技球が発射された状況で前記入球個数が前記特定個数に到達するより前に当該所定の前記特定遊技が終了可能であり、
K 遊技球の前記第1通過部への通過に基づいて前記所定の可変入球手段への入球個数に対応する特定情報を更新することが可能な手段を備え、
L 前記終了手段は、前記特定遊技の実行中に前記特定情報の更新結果が前記特定個数への到達に対応する結果になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させ得るようになっている
N 遊技機。」の点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1](特定事項M)
本願補正発明では、「前記特別遊技状態において前記特定個数を表示する特定個数表示が実行されないように構成されている」のに対し、
引用発明では、「特別遊技」において、「ラウンド数表示700、笑顔のキャラクタ701、継続確定の表示702、および大当り図柄等703」、「曇った表情のキャラクタ701、特典口211への入球を促す表示704」、「光り輝く笑顔のキャラクタ701、特典遊技獲得の表示705」が表示される場合がある点。
(4) 判断
ア 相違点1について
引用発明においては、「特別遊技」において、「ラウンド数表示700、笑顔のキャラクタ701、継続確定の表示702、および大当り図柄等703」、「曇った表情のキャラクタ701、特典口211への入球を促す表示704」、「光り輝く笑顔のキャラクタ701、特典遊技獲得の表示705」が表示される場合があることの特定はあるが、「所定数(例えば10個)(本願補正発明の「特定個数」に相当。)」を表示する場合があることについては特定されていない。
ここで、遊技機の技術分野において、大当り遊技中の各回のラウンドにおいて、当該ラウンドのラウンド数や、当該ラウンドにおける入賞個数等の情報を液晶表示装置に表示するが、当該ラウンドにおける最大入賞可能個数について液晶表示装置に表示しないことは、周知技術(以下「周知技術」という。)である(必要があれば、引用文献2記載の事項、引用文献3記載の事項等を参照されたい。)。
引用発明も周知技術も、いずれも大当り遊技状態において、各回のラウンドにおける各種情報を液晶表示装置に表示する遊技機である点で共通するところ、引用発明において、周知技術を適用し、ラウンド中において、最大入賞可能個数である「所定数(例えば10個)」についての情報の表示が実行されないようにして、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
イ 本願補正発明の作用効果について
本願補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
ウ 審判請求人の主張について
審判請求人は、令和6年9月2日付け審判請求書の「(2)拒絶査定に対する意見」の「(2-1)理由1(進歩性)について」において、以下の旨を主張する。
「本願発明では、上記第1構成及び第3構成を備えることにより、特定遊技の実行中において、第1発射操作により遊技球を第1通過部に通過させて第1特典を獲得しつつ、第1通過部への遊技球の通過により、実行中の特定遊技にて可変入球手段に入球させ得る残り数が減少していく中で、入球個数が特定個数(上限入賞数)に達する前に遊技者が第2発射操作に切り替えて第2特典の獲得を狙う遊技性とすることができる。
その際、上記第2構成を備え、特定遊技の実行中に第2発射操作を行った場合は、可変入球手段への遊技球の入球個数が特定個数に達する前であってもその特定遊技が終了するため、第2発射操作への切り替えを早くに実行すると、第2特典を獲得できても特定遊技が早く終了することになり、遊技球を第1通過部に通過させることにより得られる第1特典の総量が少なく留まってしまう。だからといって、第2発射操作への切り替えを遅らせ過ぎると、第2特典を獲得する前に特定遊技が終了してしまうことになる。このような構成であることにより、特定遊技の実行中においてどこまで第1発射操作を継続させるかで遊技者をドキドキさせるチキンレースのような遊技を楽しませることができ、特別遊技状態での遊技に係る興趣性を高めることが可能になる。
さらに本願発明では、上記第4構成を備え、特定遊技が行われる特別遊技状態にて、可変入球手段に入球させ得る遊技球の上限数である特定個数を表示する特定個数表示が実行されないように構成されている。特定遊技の実行中においてどこまで第1発射操作を継続させるかで遊技者を楽しませるにあたり、上記特定個数を遊技者に知らせない構成とすることで、特定個数までの残り数を遊技者に予測させながら第1発射操作から第2発射操作への切り替えタイミングで決めさせることができ、よりスリルのある遊技を提供することが可能になる。
・・・
つまり、引用文献1には、上記第1構成~第3構成を一体的に備えるという本願発明の特徴的構成について直接の開示はもちろんのこと、その示唆もなされていない。
・・・
さらに本願発明の上記第4構成は、本願発明の上記特徴的構成を前提とするところ、上記の通り、引用文献1、3、4には本願発明の上記特徴的構成についての開示や示唆がないため、これらの引用文献において、上記第1構成~第3構成に加えて上記第4構成をさらに併せ持つことの開示や示唆がないのは明らかといえる。」
この主張について検討すると、上記(3)で説示のとおり、引用発明は、第1構成~第3構成を一体的に備え、かつ、上記アのとおり、第4構成を併せ持つ点については単に引用発明に周知技術を適用したものにすぎない。
そして、審判請求人が主張する上記の作用効果は、いずれも「所定の可変入球手段」が「第1通過部」及び「第2通過部」を備えており、「特定遊技」においては「所定の可変入球手段」を狙って発射操作を行うという前提に基づくものである。
しかしながら、本願補正発明において、「所定の可変入球手段を遊技球が入球不可又は入球しにくい第1態様から遊技球が入球可能又は前記第1態様よりも入球しやすい第2態様とし、その後、前記第1態様とする特定遊技を実行することが可能」であることは特定されているが、「所定の可変入球手段」と「第1通過部」及び「第2通過部」の関係について何ら特定されていない。
そうすると、本願補正発明は、審判請求人の主張する遊技性や興趣性を備えるものとはいえない。
よって、審判請求書における請求人の主張を採用することはできない。
(5) まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明及び周知技術から当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
6 補正の却下の決定についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条7項の規定に違反するので、同法第159条1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和5年11月1日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載した次のとおりのものである(符号A等は、当審で付した。)。
(本願発明)
「【請求項1】
A 所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段と、
B 予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段と、
C 前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果であることに基づいて遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる移行手段と、
D 所定の可変入球手段を遊技球が入球不可又は入球しにくい第1態様から遊技球が入球可能又は前記第1態様よりも入球しやすい第2態様とし、その後、前記第1態様とする特定遊技を実行することが可能な手段と、
を備え、
E 前記特別遊技状態にて前記特定遊技が実行され得るように構成されており、
F’ 前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球数が特定個数になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させることが可能な手段を備え、
G 第1発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作とは異なる第2発射操作により発射された遊技球が通過しない第1領域と、前記第2発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作により発射された遊技球が通過しない第2領域とが設けられており、
H 前記第1領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて第1特典を付与可能とする第1通過部と、
I 前記第2領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能とする第2通過部と、
J’ 所定の前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数より少ない状態で前記第2発射操作により遊技球が発射された状況で前記入球個数が前記特定個数に到達するより前に当該所定の前記特定遊技が終了することを可能とする手段と、
を備え、
M 前記特別遊技状態において前記特定個数を表示する特定個数表示が実行されないように構成されている
N ことを特徴とする遊技機。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概略、次の理由を含むものである。
1.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
●理由1について
・請求項 1
・引用文献1 特開2017-140536号公報
・備考
・・・
本願出願前において、大当り遊技の各ラウンドの入賞上限数を報知しないことが例示するまでもなく周知であり、引用文献1に記載の発明に当該事項を適用することにより、本願発明のように、「前記特別遊技状態において前記特定個数を表示する特定個数表示が実行されないように構成されている」ようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、本願発明は、引用文献1の記載に基づき当業者が容易に想到し得たものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1は、上記第2[理由]5(2)アにおいて引用文献1として引用したものと同じであるところ、その記載事項は、上記第2[理由]5(2)ア(ア)に摘記したとおりであり、引用発明は、上記第2[理由]5(2)ア(ウ)で認定したとおりである。
4 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比する。
(1) 特定事項A~E
本願発明の特定事項A~Eは、本願補正発明の特定事項A~Eと同じであるから、上記第2[理由]5(3)ア~エで検討したとおり、引用発明は、本願発明の特定事項A~Eを備える。
(2) 特定事項F’
引用発明の「第1大入賞口25A」、「条件付ラウンドB」は、本願発明の「所定の可変入球手段」、「特定遊技」に相当する。
そして、引用発明は、「主制御装置40で実行される特別遊技処理において」、「実行」される「条件付ラウンドB終了判定処理」において、「第1大入賞口25Aへの入賞数をカウントし、入賞数が所定数(例えば10個)に到達したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には、終了フラグに「1」をセット」するものである。
ここで、引用発明では、「条件付ラウンドB終了判定処理」において、「終了フラグに「1」をセットした後」は、「ラウンド数がインクリメントされ、大当りインターバル処理が実行され」るか、「大当り遊技」が「終了」されるものであるから、いずれの場合も、実行されていた「条件付ラウンドB」は終了することとなる。
そうすると、引用発明の「所定数(例えば10個)」は、本願発明の「特定個数」に相当し、引用発明の「条件付ラウンドB終了判定処理」において、「第1大入賞口25Aへの入賞数をカウントし、入賞数が所定数(例えば10個)に到達したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には」、実行されていた「条件付ラウンドB」を終了させる「主制御装置40」は、本願発明の「前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球数が特定個数になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させることが可能な手段」の機能を備えているといえる。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項F’を備える。
(3) 特定事項G
遊技機の技術分野において、遊技状態に応じて、遊技領域の左側の領域を狙って遊技球を発射する左打ちと、遊技領域の右側の領域を狙って遊技球を発射する右打ちとを、発射操作時の発射ハンドルの回動量を調整して打ち分けることは技術常識であることを踏まえると、引用発明の「遊技領域20」の「センターケース200の左側の領域」は、左打ち(本願発明の「第1発射操作」に対応する。)により発射された遊技球が通過可能であり、左打ちとは異なる右打ち(本願発明の「第2発射操作」に対応する。)により発射された遊技球が通過しない領域であるから、本願発明の「第1領域」に相当し、引用発明の「遊技領域20」の「センターケース200の右側の領域」は、右打ちにより発射された遊技球が通過可能であり、左打ちにより発射された遊技球が通過しない領域であるから、本願発明の「第2領域」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Gを備える。
(4) 特定事項H
引用発明の「普通入賞口27」は、「センターケース200の左側の領域(本願発明の「第1領域」に相当。)を流下する遊技球は入球可能であるが、センターケース200の右側の領域(本願発明の「第2領域」に相当。)を流下する遊技球は入球不可能であり」、「普通入賞口27」「に遊技球が入賞すると所定個数の賞球が払い出され」るものである。
そうすると、引用発明の「普通入賞口27」、「普通入賞口27」「に遊技球が入賞すると所定個数の賞球が払い出され」ることは、本願発明の「第1通過部」、「第1特典」に、それぞれ相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Hを備える。
(5) 特定事項I
引用発明の「継続口210」は、「第1大入賞口25A内に」「設けられ」、「第1大入賞口25Aは、センターケース200の右側の領域(本願発明の「第2領域」に相当。)を流下する遊技球は入球可能であるが、センターケース200の左側の領域(本願発明の「第1領域」に相当。)を流下する遊技球は入球不可能であ」るところ、「継続口210」も「センターケース200の右側の領域を流下する遊技球は入球可能であるが、センターケース200の左側の領域を流下する遊技球は入球不可能であ」ることは明らかである。
そして、引用発明においては、「継続口210への入球が生じ」ると、「継続フラグに「1」」が「セット」され、「ラウンド数がインクリメントされ」るものである。
そうすると、引用発明の「継続口210」、「継続口210への入球が生じ」ると、「継続フラグに「1」」が「セット」され、「ラウンド数がインクリメントされ」ることは、本願発明の「第2通過部」、「第2特典」に、それぞれ相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Iを備える。
(6) 特定事項J’
上記(3)より、「右打ち」が、本願発明の「第2発射操作」に対応する。
そして、引用発明では、「条件付ラウンドB終了処理」において、右打ちで入賞可能な「第1大入賞口25Aへの入賞数をカウントし(本願発明の「前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数より少ない状態で前記第2発射操作により遊技球が発射された状況」に相当。)、入賞数が所定数(例えば10個)に到達したか否かを判定し」、「否定判定が得られた場合(本願発明の「前記入球個数が前記特定個数に到達するより前」に相当。)には、終了フラグに「1」をセットすることなく、継続口210への入球が生じたか否かを判定し」、「肯定判定が得られた場合には、継続フラグに「1」をセットすると共に、終了フラグに「1」をセットして条件付ラウンドB終了判定処理を終了し」、「継続フラグが「1(継続)」か否かの判定において、肯定判定が得られた場合には、ラウンド数がインクリメントされ、大当りインターバル処理が実行され」るものであるところ、このことは、「継続フラグが「1(継続)」」とされることにより、実行中の「条件付ラウンドB」を終了させているといえるから、当該処理を行う「主制御装置40」は、本願発明の特定事項J’の「手段」の機能を備えているといえる。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項J’を備える。
(7) 特定事項N
引用発明の「パチンコ機1」は、本願発明の「遊技機」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Nを備える。
(8) 一致点・相違点
上記(1)~(7)から見て、本願発明と引用発明は、
「A 所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段と、
B 予め定められた判定契機に基づいて所定の移行判定を実行する移行判定手段と、
C 前記所定の移行判定の結果が予め定められた移行対応結果であることに基づいて遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる移行手段と、
D 所定の可変入球手段を遊技球が入球不可又は入球しにくい第1態様から遊技球が入球可能又は前記第1態様よりも入球しやすい第2態様とし、その後、前記第1態様とする特定遊技を実行することが可能な手段と、
を備え、
E 前記特別遊技状態にて前記特定遊技が実行され得るように構成されており、
F’ 前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球数が特定個数になった場合に当該実行中の前記特定遊技を終了させることが可能な手段を備え、
G 第1発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作とは異なる第2発射操作により発射された遊技球が通過しない第1領域と、前記第2発射操作により発射された遊技球が通過可能であり、前記第1発射操作により発射された遊技球が通過しない第2領域とが設けられており、
H 前記第1領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて第1特典を付与可能とする第1通過部と、
I 前記第2領域を通過する遊技球が通過可能であり、遊技球が通過したことに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能とする第2通過部と、
J’ 所定の前記特定遊技の実行中に前記所定の可変入球手段への遊技球の入球個数が前記特定個数より少ない状態で前記第2発射操作により遊技球が発射された状況で前記入球個数が前記特定個数に到達するより前に当該所定の前記特定遊技が終了することを可能とする手段と、
を備えている
N 遊技機。」の点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点2](特定事項M)
本願発明では、「前記特別遊技状態において前記特定個数を表示する特定個数表示が実行されないように構成されている」のに対し、
引用発明では、「特別遊技」において、「ラウンド数表示700、笑顔のキャラクタ701、継続確定の表示702、および大当り図柄等703」、「曇った表情のキャラクタ701、特典口211への入球を促す表示704」、「光り輝く笑顔のキャラクタ701、特典遊技獲得の表示705」が表示される場合がある点。
上記相違点2について検討する。
相違点2は、上記第2[理由]5(3)スに記載の相違点1と実質的に同一であり、相違点2についての判断は、上記第2[理由]5(4)アにて検討したとおりである。
よって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の理由について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-013996