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特許拒絶査定不服審判

2022-007367

遊技機

審判番号
2022-007367
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-232077外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年05月17日
審決日
2023年01月25日
公報発行日
2023年04月28日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .575-Z (A63F) / P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-232077「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成31年3月14日出願公開、特開2019-37854〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成28年10月27日(以下「出願遡及日」という。)に出願された特願2016-210546号の一部を、平成30年12月12日に新たな特許出願としたものであって、令和1年10月21日に手続補正書が提出され、令和2年12月28日付けで拒絶の理由が通知され、令和3年3月1日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月11日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年9月24日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和4年2月22日付け(送達日:同年3月1日)で、令和3年9月24日付けの手続補正書による補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、令和4年5月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。 第2 令和4年5月17日に提出された手続補正書による補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和4年5月17日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲についてする補正であって、令和3年3月1日提出の手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、 「表示装置に特定画像が表示される特定演出と、 発生することで、当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆する複数種の好機演出と、 を実行することが可能な演出実行手段を備え、 ある当否判定結果を報知する一連の演出において、前記特定演出が事前に発生しなくても前記好機演出が発生する可能性がある一方、前記特定演出が発生した場合には、その後当否判定結果の報知が完了するまでに前記複数種の好機演出のうちの少なくとも一つの演出が発生するように構成されており、 前記特定演出が発生した後、前記複数種の好機演出のうちの少なくとも一つの演出が発生することを契機として、前記特定画像が消去されるまたは別の態様に変化することを特徴とする遊技機。」とあったものを、 「表示装置に特定画像が表示される特定演出と、 発生することで、当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆する複数種の好機演出と、 を実行することが可能な演出実行手段を備え、 ある当否判定結果を報知する一連の報知演出において、前記特定演出が事前に発生しなくても前記好機演出が発生する可能性がある一方、前記特定演出が発生した場合には、その後当否判定結果の報知が完了するまでに前記複数種の好機演出のうちの少なくとも一つの演出が発生するように構成されており、 前記複数種の好機演出は、前記報知演出における基準時点の経過後に発生しうる第一好機演出と当該基準時点の経過前に発生しうる第二好機演出とに区分けされ、前記報知演出にて前記特定演出が発生した後、前記基準時点の経過前までに前記第二好機演出が発生しない場合には、前記基準時点の経過後に前記第一好機演出が発生することになり、 前記特定演出が発生した後、前記複数種の好機演出のうちの少なくとも一つの演出が発生することを契機として、前記特定画像が消去されるまたは別の態様に変化することを特徴とする遊技機。」 とする補正である(下線は補正前後の箇所を明示するために合議体が付した。)。 2 補正の適否について (1)補正の目的について ア 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「複数種の好機演出」について、「前記報知演出における基準時点の経過後に発生しうる第一好機演出と当該基準時点の経過前に発生しうる第二好機演出とに区分けされ、前記報知演出にて前記特定演出が発生した後、前記基準時点の経過前までに前記第二好機演出が発生しない場合には、前記基準時点の経過後に前記第一好機演出が発生することにな」ることを限定するものである。 なお、本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「ある当否判定結果を報知する一連の演出」を「ある当否判定結果を報知する一連の報知演出」に変更する補正も含むが、この補正は、発明の内容を実質的に変更するものではない。 イ 前記アからみて、本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)新規事項の追加の有無について 本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書の段落【0066】~【0089】等における「好機演出」の一種として記載される「逆転演出」に関する記載とそれ以外の「好機演出」に関する記載に基づくものであり、新たな技術事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 3 独立特許要件について 本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるので、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである(なお、A~Gについては、分説するため合議体が付した。以下A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。 「A 表示装置に特定画像が表示される特定演出と、 B 発生することで、当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆する複数種の好機演出と、 C を実行することが可能な演出実行手段を備え、 D ある当否判定結果を報知する一連の報知演出において、前記特定演出が事前に発生しなくても前記好機演出が発生する可能性がある一方、前記特定演出が発生した場合には、その後当否判定結果の報知が完了するまでに前記複数種の好機演出のうちの少なくとも一つの演出が発生するように構成されており、 E 前記複数種の好機演出は、前記報知演出における基準時点の経過後に発生しうる第一好機演出と当該基準時点の経過前に発生しうる第二好機演出とに区分けされ、前記報知演出にて前記特定演出が発生した後、前記基準時点の経過前までに前記第二好機演出が発生しない場合には、前記基準時点の経過後に前記第一好機演出が発生することになり、 F 前記特定演出が発生した後、前記複数種の好機演出のうちの少なくとも一つの演出が発生することを契機として、前記特定画像が消去されるまたは別の態様に変化する G ことを特徴とする遊技機。」 (2)引用例の記載事項、引用発明 ア 引用例の記載事項 原査定で引用され、本願の出願遡及日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-158877号公報(平成28年9月5日公開、以下「引用例」という。)には、遊技機に関し、次の事項が図とともに記載されている。なお、下線は合議体が付した。以下同じ。 (ア)「【0013】 図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。」 (イ)「【0393】 (演出の一例) 図46は、リーチなし変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。上記のように、主制御基板300において大役抽選が行われると、特別図柄の変動表示中、すなわち、特別図柄の変動時間に亘って、大役抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出においては、演出表示部200aにおいて種々の背景画像が表示されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cが表示される。なお、変動演出中は、演出表示部200aに表示される画像に伴って、音声出力装置206から音声が出力されるとともに、演出照明装置204が点灯制御され、また、演出役物装置202が可動制御されるが、ここでは詳細な説明は省略する。」 (ウ)「【0398】 図48は、発展リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。発展リーチ変動パターンの変動演出は、図48(a)~(d)に示すように、ノーマルリーチ変動パターンの変動演出と同様に、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cがリーチ態様で表示される。その後、図48(e)に示すように、演出表示部200aにおいて、所定の発展画像(動画)が再生表示されるリーチ発展演出が実行される。なお、このリーチ発展演出は、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦する内容や、味方キャラクタが所定のミッションに挑むといった内容となっている。」 (エ)「【0402】 図49は、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。擬似連続リーチ変動パターンの変動演出は、図49(a)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始されると、図49(b)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが、予め設けられた複数種類の態様(以下「擬似表示態様」という)のうちのいずれかで仮停止表示される継続演出が実行される。この擬似表示態様は、例えば、同一の演出図柄210a、210bと、これら演出図柄210a、210bよりも、「2」大きな数字が記された演出図柄210cとが仮停止表示されるものである。 【0403】 演出図柄210a、210b、210cが擬似表示態様で仮停止表示される継続演出が実行されると、図49(c)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開される。つまり、継続演出は、演出図柄210a、210b、210cの再変動表示を示すものと言える。その後、図49(d)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが、再び擬似表示態様で仮停止表示される継続演出が実行される。 【0404】 そして、図49(e)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開されると、図49(f)に示すように、演出図柄210a、210cがリーチ態様で表示され、以後、図49(g)~(i)に示すように、発展リーチ変動パターンと同様にリーチ発展演出が実行され、大役抽選の結果が遊技者に報知される。 【0405】 このように、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出は、演出図柄210a、210cがリーチ態様となるまでの内容が、発展リーチ変動パターンの変動演出と異なっており、リーチ態様となった後は、発展リーチ変動パターンと同様に変動演出が進行されることとなる。 【0406】 また、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出では、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が複数回行われる。このとき、演出図柄210a、210b、210cが変動表示を開始してから擬似表示態様で仮停止表示されるまでの変動を擬似変動と呼び、演出図柄210a、210b、210cが変動表示を開始してからリーチ態様となるまでの変動を本変動と呼ぶ。」 (オ)「【0410】 上記した変動演出の実行パターンは、主制御基板300で決定された変動コマンドに基づいて、副制御基板330において決定、実行制御される。つまり、変動演出の実行パターンは、主制御基板300と副制御基板330とで協働して決定されると言える。」 (カ)「【0416】 また、図50(a)において、前半の実行パターンにおける「ノーマルリーチ3」や「ノーマルリーチ4」は、それぞれ、発展リーチ変動パターンの変動演出のうち、演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様になるまで、より詳細には、リーチ発展演出が開始されるまでの、演出表示部200aに表示される背景画像や演出図柄210a、210b、210cの変動表示パターンを示している。これらの画像パターンは、変動モード番号に対応付けられた特別図柄の変動表示の時間と一致するように予め設計されており、例えば、「ノーマルリーチ3」、「ノーマルリーチ4」が決定されると、図48(a)~(d)に示す画像が演出表示部200aに表示されることとなる。 【0417】 また、図50(a)において、前半の実行パターンにおける「擬似1」等は、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出のうち、リーチ発展演出が開始されるまでの実行パターンを示している。例えば、「擬似1」は、擬似変動が1回である擬似連続リーチ変動パターンの変動演出のうち、リーチ発展演出が開始されるまでの実行パターンを示している。「擬似2」は、擬似変動が2回である擬似連続リーチ変動パターンの変動演出のうち、リーチ発展演出が開始されるまでの実行パターンを示している。また、「擬似3」は、擬似変動が3回である擬似連続リーチ変動パターンの変動演出のうち、リーチ発展演出が開始されるまでの実行パターンを示している。 【0418】 なお、図50に示す前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルにおいては、リーチなし変動パターンおよびノーマルリーチ変動パターンの変動演出は、大役抽選の結果がハズレであった場合にのみ実行されるように、選択比率の設定がなされている。また、発展リーチ変動パターンおよび擬似連続リーチ変動パターンは、ハズレ時および大当たり時の双方で決定されるが、発展リーチ変動パターンは、擬似連続リーチ変動パターンよりも、ハズレ時の選択比率が高く、大当たり時の選択比率が低く設定されている。このように、ハズレ時と大当たり時とで選択比率を設定することにより、擬似連続リーチ変動パターンは、発展リーチ変動パターンよりも、信頼度が高く設定されることとなる。」 (キ)「【0422】 (通常タイマ演出) 図51は、通常タイマ演出を説明する図である。例えば、図51(a)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが停止表示された状態で、図51(b)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが変動表示を開始したとすると、通常タイマ演出では、演出表示部200aの右下部にタイマ画像212が表示され、図51(b)~図51(e)に示すように、時間の経過に伴って、タイマ画像212に表示されている時間が0になるまでカウントダウンされる。そして、タイマ画像212に表示された時間が0になると、ターゲットとして設定された上記の継続演出またはリーチ発展演出が実行される。以下に、図52を用いて、通常タイマ演出のターゲットについて説明する。 【0423】 図52は、通常タイマ演出のターゲットを説明する図である。本実施形態では、継続演出およびリーチ発展演出が、通常タイマ演出のターゲットとして予め設定されている。継続演出をターゲットとして通常タイマ演出の実行が決定された場合、例えば、擬似変動中にタイマ画像212が表示される。そして、図52(a-1)に示すように、タイマ画像212に表示されている時間が0になると、図52(a-2)に示すように、継続演出が実行される。つまり、この場合には、タイマ画像212によって、継続演出が実行されるまでがカウントダウンされていたこととなる。 ・・・ 【0425】 また、本実施形態では、リーチ発展演出が、通常タイマ演出のターゲットとして予め設定されている。リーチ発展演出がターゲットとして通常タイマ演出の実行が決定された場合、例えば、本変動中にタイマ画像212が表示される。そして、図52(b-1)に示すように、タイマ画像212に表示されている時間が0になると、図52(b-2)に示すように、リーチ発展演出が実行される。つまり、この場合には、タイマ画像212によって、リーチ発展演出が実行されるまでの時間がカウントダウンされていたこととなる。タイマ画像212に表示されている時間が0になり、リーチ発展演出が実行されることで、遊技者は、当該変動演出において大当たりに当選しているか否かを期待しながらリーチ発展演出を見守ることになる。」 (ク)「【0427】 (特殊タイマ演出) 図53は、特殊タイマ演出の一例を説明する図である。例えば、演出図柄210a、210b、210cが停止表示された状態から、図53(a)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが変動表示を開始したとすると、特殊タイマ演出では、演出表示部200aの中央部にタイマ画像212が表示され、図53(b)~図53(c)に示すように、時間の経過に伴って、タイマ画像212に表示されている時間が0になるまでカウントダウンされる。そして、タイマ画像212に表示された時間が0になると、図53(d)に示すように、タイマ画像212に表示された時間が所定の時間(図53(d)では7秒)に再設定され、図53(e)~図53(f)に示すように、時間の経過に伴って、タイマ画像212に表示されている時間が0になるまで再びカウントダウンされる。 【0428】 そして、タイマ画像212に表示された時間が0になると、図53(g)に示すように、タイマ画像212に表示された時間が所定の時間(図53(g)では2秒)に再設定され、図53(h)~図53(i)に示すように、時間の経過に伴って、タイマ画像212に表示されている時間が0になるまで再びカウントダウンされる。このようにして、特殊タイマ演出では、タイマ画像212に表示された時間が0になるまでカウントダウンされる分割タイマ演出が複数回実行された後、最後の分割タイマ演出において、タイマ画像212に表示された時間が0になると、特殊タイマ演出のターゲットとなった演出が実行される。なお、特殊タイマ演出では、通常タイマ演出と同様に、擬似変動における継続演出、および、リーチ発展演出がターゲットとして設定されている。」 (ケ)「【0436】 図55(a)は、変動タイマ演出決定テーブルを説明する図であり、図55(b)は、変動タイマ演出種別決定テーブルを説明する図である。上記したとおり、主制御基板300において特別図柄の変動表示が開始される際には、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。変動モードコマンドを受信すると、副制御基板330では、0~249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、当該取得した演出乱数と、受信した変動モードコマンド(変動モード番号)とに基づき、図55(a)に示す変動タイマ演出決定テーブルを参照して、変動タイマ演出の実行可否を決定する。この変動タイマ演出決定テーブルによれば、受信し得る変動モードコマンドごとに、変動タイマ演出が不実行とされる「不実行」、および、変動タイマ演出が実行される「実行」の選択比率が設定されている。例えば、前半の変動演出の実行パターンが「なし」、「ノーマルリーチ1」、「ノーマルリーチ2」に対応する変動モードコマンドにおいては、必ず、「不実行」が決定される。つまり、リーチなし変動パターン、ノーマルリーチ変動パターンの変動演出では、変動タイマ演出は実行されない。また、変動タイマ演出決定テーブルでは、擬似変動の回数が多くなるほど(信頼度が高くなるほど)、変動タイマ演出が実行される確率が高くなるように、選択比率が設定されている。 【0437】 また、変動タイマ演出の実行が決定されると、副制御基板330では、0~249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、当該取得した演出乱数と、受信した変動モードコマンド(変動モード番号)とに基づき、図55(b)に示す変動タイマ演出種別決定テーブルを参照して、変動タイマ演出の種別(通常タイマ演出、特殊タイマ演出)を決定する。この変動タイマ演出種別決定テーブルによれば、受信し得る変動モードコマンドごとに、通常タイマ演出が実行される「通常タイマ演出」、および、特殊タイマ演出が実行される「特殊タイマ演出」の選択比率が設定されている。前半変動演出の実行時間が35秒未満である「ノーマルリーチ3」、「ノーマルリーチ4」、「擬似1」に対応する変動モードコマンドにおいては、必ず、「通常タイマ演出」が決定され、前半変動演出の実行時間が35秒以上である「擬似2」、「擬似3」に対応する変動モードコマンドにおいては、「通常タイマ演出」および「特殊タイマ演出」が所定の選択比率で決定される。また、変動タイマ演出種別決定テーブルでは、擬似変動の回数が多くなるほど(信頼度が高くなるほど)、特殊タイマ演出が実行される確率が高くなるように、選択比率が設定されている。」 (コ) 「 [図:0001396079000001.jpg] 」 (サ) 「 [図:0001396079000002.jpg] 」 (シ) 「 [図:0001396079000003.jpg] 」 (ス)段落【0416】及び【0417】の記載を参酌すれば、図55(a)には、変動タイマ演出(通常タイマ演出、特殊タイマ演出)が不実行とされる「不実行」と変動タイマ演出が実行される「実行」の選択比率が、発展リーチ変動パターンの変動演出である「ノーマルリーチ3」及び「ノーマルリーチ4」では、それぞれ、240:10及び230:20に設定され、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出である「擬似1」、「擬似2」及び「擬似3」では、それぞれ、150:100、100:150及び50:200に設定されることが見て取れる。 (セ)段落【0423】、【0425】、【0427】及び【0428】の記載を参酌すれば、図52(a-2)、(b-2)、図53の右側最下部から、ターゲットとして設定された継続演出またはリーチ発展演出が実行される際には、タイマ画像212が消去されることが見て取れる。 イ 引用発明 前記アからみて、引用例には、次の発明が記載されている。なお、a1~gについては本願補正発明の構成A~Gに概ね対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。 「a1、d、e 演出表示部200aにおいて(【0393】)演出図柄210a、210b、210cの変動表示を開始すると、演出表示部200aの右下部にタイマ画像212を表示し、時間の経過に伴って、タイマ画像212に表示している時間を0になるまでカウントダウンし、タイマ画像212に表示した時間が0になると、ターゲットとして設定された継続演出またはリーチ発展演出を実行する通常タイマ演出と(【0422】)、 a2、d、e 演出表示部200aにおいて(【0393】)演出図柄210a、210b、210cの変動表示を開始すると、演出表示部200aの中央部にタイマ画像212を表示し、タイマ画像212に表示された時間が0になるまでカウントダウンされる分割タイマ演出を複数回実行した後、最後の分割タイマ演出において、タイマ画像212に表示された時間が0になると、特殊タイマ演出のターゲットとして設定された継続演出、または、リーチ発展演出を実行する特殊タイマ演出と(【0427】、【0428】)、 b1 大役抽選の結果がハズレであった場合にのみ実行されるリーチなし変動パターンおよびノーマルリーチ変動パターンの変動演出に対して(【0418】)、 b2、e ハズレ時および大当たり時の双方で決定される発展リーチ変動パターンの変動演出(【0418】)において実行される演出であって、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cがリーチ態様で表示され、その後、所定の発展画像(動画)が再生表示されるリーチ発展演出と(【0398】)、 b3、e ハズレ時および大当たり時の双方で決定される擬似連続リーチ変動パターンの変動演出(【0418】)において実行される演出であって、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始されると、演出図柄210a、210b、210cが、同一の演出図柄210a、210bと、これら演出図柄210a、210bよりも、「2」大きな数字が記された演出図柄210cとが仮停止表示される擬似表示態様で仮停止表示される演出であって、実行されると演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開され、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が複数回行われ、リーチ態様となった後は、リーチ発展演出が実行されることとなる継続演出と(【0402】~【0406】)、 c を実行する副制御基板330を備え(【0410】)、 d1 発展リーチ変動パターンの変動演出である「ノーマルリーチ3」、「ノーマルリーチ4」(【0416】)、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出である擬似変動が1回である「擬似1」(【0417】)に対応する変動モードコマンドにおいては、必ず、「通常タイマ演出」が決定され(【0437】)、 d2 擬似連続リーチ変動パターンの変動演出である擬似変動が2回である「擬似2」、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出である擬似変動が3回である「擬似3」(【0417】)に対応する変動モードコマンドにおいては、「通常タイマ演出」および「特殊タイマ演出」が所定の選択比率で決定され(【0437】)、 d3 変動タイマ演出(通常タイマ演出、特殊タイマ演出)が不実行とされる「不実行」と変動タイマ演出が実行される「実行」の選択比率は(【0436】、【0437】)、 d4 発展リーチ変動パターンの変動演出である「ノーマルリーチ3」及び「ノーマルリーチ4」(【0416】)では、それぞれ、240:10及び230:20に設定され((ス))、 d5 擬似連続リーチ変動パターンの変動演出である「擬似1」、「擬似2」及び「擬似3」(【0417】)では、それぞれ、150:100、100:150及び50:200に設定され((ス))、 f 通常タイマ演出または特殊タイマ演出において、タイマ画像212が表示された後、ターゲットとして設定された継続演出またはリーチ発展演出が実行される(【0423】、【0425】、【0427】、【0428】)際には、タイマ画像212が消去される((セ)) g 遊技機100(【0013】)。」(以下「引用発明」という。) (3)対比 本願補正発明と引用発明を対比する。 ア 特定事項Aについて 引用発明のa1、d、eとa2、d、eの「演出表示部200a」及び「タイマ画像212」は、それぞれ、本願補正発明の特定事項Aの「表示装置」及び「特定画像」に相当する。 したがって、引用発明の「a1、d、e 演出表示部200aにおいて演出図柄210a、210b、210cの変動表示を開始すると、演出表示部200aの右下部にタイマ画像212を表示し、時間の経過に伴って、タイマ画像212に表示している時間を0になるまでカウントダウンし、タイマ画像212に表示した時間が0になると、ターゲットとして設定された継続演出またはリーチ発展演出を実行する通常タイマ演出」と、「a2、d、e 演出図柄210a、210b、210cの変動表示を開始すると、演出表示部200aの中央部にタイマ画像212を表示し、タイマ画像212に表示された時間が0になるまでカウントダウンされる分割タイマ演出を複数回実行した後、最後の分割タイマ演出において、タイマ画像212に表示された時間が0になると、特殊タイマ演出のターゲットとして設定された継続演出、または、リーチ発展演出を実行する特殊タイマ演出」は、いずれも、演出表示部200aにタイマ画像212が表示される演出であるから、本願補正発明の「A 表示装置に特定画像が表示される特定演出」に相当する。 イ 特定事項Bについて 引用発明において、「b2、e ハズレ時および大当たり時の双方で決定される発展リーチ変動パターンの変動演出において実行される」「リーチ発展演出」と、「b3、e ハズレ時および大当たり時の双方で決定される擬似連続リーチ変動パターンの変動演出において実行される」「継続演出」は、いずれも大当たりの可能性がある演出であり、大当たりの可能性がない「b1 大役抽選の結果がハズレであった場合にのみ実行されるリーチなし変動パターンおよびノーマルリーチ変動パターンの変動演出」と比較すれば、発生することで、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆する演出といえる。 したがって、引用発明の「b2、e ハズレ時および大当たり時の双方で決定される発展リーチ変動パターンの変動演出において実行される」「リーチ発展演出」と、「b3、e ハズレ時および大当たり時の双方で決定される擬似連続リーチ変動パターンの変動演出において実行される」「継続演出」は、本願補正発明の「B 発生することで、当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆する複数種の好機演出」に相当する。 ウ 特定事項Cについて 引用発明の「c を実行する副制御基板330」は、本願補正発明の「C を実行することが可能な演出実行手段」に相当する。 エ 特定事項Dについて 引用発明において、d1の「発展リーチ変動パターンの変動演出である「ノーマルリーチ3」、「ノーマルリーチ4」、「擬似連続リーチ変動パターンの変動演出である擬似変動が1回である「擬似1」」、d2の「擬似連続リーチ変動パターンの変動演出である擬似変動が2回である「擬似2」、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出である擬似変動が3回である「擬似3」」は、「ハズレ時および大当たり時の双方で」「実行される演出」であって(b2、eとb3、e)、遊技機における変動演出が当否判定結果を報知する一連の報知演出であるという技術常識に鑑みれば、いずれも、本願補正発明の「当否判定結果を報知する一連の報知演出」に相当する。 そして、引用発明の「d3 変動タイマ演出(通常タイマ演出、特殊タイマ演出)が不実行とされる「不実行」と変動タイマ演出が実行される「実行」の選択比率」が「d4 発展リーチ変動パターンの変動演出である「ノーマルリーチ3」及び「ノーマルリーチ4」では、それぞれ、240:10及び230:20に設定され」、「d5 擬似連続リーチ変動パターンの変動演出である「擬似1」、「擬似2」及び「擬似3」では、それぞれ、150:100、100:150及び50:200に設定され」ることは、「変動タイマ演出(通常タイマ演出、特殊タイマ演出)」が「不実行」とされても、「発展リーチ変動パターンの変動演出である「ノーマルリーチ3」及び「ノーマルリーチ4」」または「擬似連続リーチ変動パターンの変動演出である「擬似1」、「擬似2」及び「擬似3」」を「選択」し、引用発明のb2、eの「リーチ発展演出」または引用発明のb3、eの「継続演出」が発生する可能性があるといえるから、引用発明は、本願補正発明の「D ある当否判定結果を報知する一連の報知演出において、前記特定演出が事前に発生しなくても前記好機演出が発生する可能性がある」ことに相当する構成を備えるといえる。 また、引用発明は、a1、d、eとa2、d、eの「通常タイマ演出」及び「特殊タイマ演出」において「タイマ画像212」が「表示」された場合には、「ターゲットとして設定された継続演出またはリーチ発展演出を実行する」のであるから、「タイマ画像212」が「表示」されて「通常タイマ演出」または「特殊タイマ演出」が発生した場合には、その後の「擬似連続リーチ変動パターン」または「発展リーチ変動パターン」の「変動演出」(b2、e、b3、e)による当否判定結果の報知が完了するまでに「継続演出」または「リーチ発展演出」のうちのいずれかが発生するものといえる。 したがって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Dの「前記特定演出が発生した場合には、その後当否判定結果の報知が完了するまでに前記複数種の好機演出のうちの少なくとも一つの演出が発生する」ことに相当する構成を備えるといえる。 オ 特定事項Eについて 引用発明において、b2、eの「リーチ発展演出」は、「演出図柄210a、210cがリーチ態様で表示され、その後、所定の発展画像(動画)が再生表示される」のであり、「変動演出」という報知演出におけるリーチという基準時点の経過後に発生しうる演出といえるから、本願補正発明の特定事項Eの「前記報知演出における基準時点の経過後に発生しうる第一好機演出」に相当する。 一方、b3、eにおいて、「演出図柄210a、210b、210cが、同一の演出図柄210a、210bと、これら演出図柄210a、210bよりも、「2」大きな数字が記された演出図柄210cとが仮停止表示される擬似表示態様で仮停止表示される継続演出が実行され、継続演出が実行されると、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開され、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が複数回行われ、リーチ態様となった後は、リーチ発展演出が実行されることとなる」のであり、「継続演出」は、リーチという基準時点の経過前に発生しうる演出といえ、本願補正発明の「当該基準時点の経過前に発生しうる第二好機演出」に相当する。 したがって、引用発明は、本願補正発明の「E 前記複数種の好機演出は、前記報知演出における基準時点の経過後に発生しうる第一好機演出と当該基準時点の経過前に発生しうる第二好機演出とに区分けされ」ていることに相当する構成を備えるといえる。 また、前記エで検討したように、引用発明は、「タイマ画像212」が「表示」されて「通常タイマ演出」または「特殊タイマ演出」が発生した場合には、その後の「擬似連続リーチ変動パターン」または「発展リーチ変動パターン」の「変動演出」による当否判定結果の報知が完了するまでに「継続演出」または「リーチ発展演出」のうちのいずれかが発生するものといえるから、引用発明の「変動演出」にて「タイマ画像212」が「表示」されて「通常タイマ演出」が発生した後、「リーチ」の経過前までに「継続演出」が発生せずに、「リーチ」の経過後に「リーチ発展演出」が発生することは、本願補正発明の特定事項Eの「前記報知演出にて前記特定演出が発生した後、前記基準時点の経過前までに前記第二好機演出が発生しない場合には、前記基準時点の経過後に前記第一好機演出が発生する」ことに相当する。 カ 特定事項Fについて 引用発明の「f 通常タイマ演出または特殊タイマ演出において、タイマ画像212が表示された後、ターゲットとして設定された継続演出またはリーチ発展演出が実行される際には、タイマ画像212が消去される」ことは、「タイマ画像212」が「表示」されて「通常タイマ演出」または「特殊タイマ演出」が発生した後、継続演出またはリーチ発展演出のうちの少なくとも一つの演出が発生することを契機として、タイマ画像212が消去されるといえる。 したがって、引用発明は、本願補正発明の「F 前記特定演出が発生した後、前記複数種の好機演出のうちの少なくとも一つの演出が発生することを契機として、前記特定画像が消去されるまたは別の態様に変化する」ことに相当する構成を備えるといえる。 キ 特定事項Gについて 引用発明の「遊技機100」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。 (4)判断 前記(3)ア~キからみて、本願補正発明と引用発明とは相違するところがないから、本願発明は、引用例に記載された発明であり、また、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (5)請求人の主張について ア 請求人は、審判請求書の「(4)本願が特許されるべき理由」において、概ね以下のとおり主張する。 「引用文献1(当審注:「引用例」に相当する。)記載の発明(以下、引用発明とする)と、本願発明(当審注:「本願補正発明」に相当する。)とは以下の点において明らかに相違する。 ○相違点1 引用文献1の図49等の記載からすれば、「継続演出」が発生しうるタイミングは、「リーチ発展演出」が発生しうるタイミングよりも早いと認められる。 一方、本願発明は、「前記報知演出における基準時点の経過後に発生しうる第一好機演出と当該基準時点の経過前に発生しうる第二好機演出とに区分けされ」と特定しているのであるから、第二好機演出が発生しうるタイミングは、第一好機演出が発生しうるタイミングよりも早い。 したがって、引用発明の「継続演出」が本願発明の「第二好機演出」に、引用発明の「リーチ発展演出」が本願発明の「第一好機演出」に該当しなければ、引用発明と本願発明が一致することはない。 引用文献1の段落0421には、「通常タイマ演出は、発展リーチ変動パターンの変動演出中、および、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出中に実行され、特殊タイマ演出は、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出のうち、擬似変動が2回または3回行われる擬似連続リーチ変動パターンの変動演出中に実行される。」と記載されている。 ここで、「発展リーチ変動パターン」(図48参照)は、「継続演出」が発生せずに「リーチ発展演出」が発生するものである(本願発明でいう第二好機演出に相当するものが無い)から、本願発明と一致しないことは明らかである。 また、「擬似連続リーチ変動パターン」の変動演出中では、通常タイマ演出および特殊タイマ演出(本願発明の特定演出に相当するとされている)のいずれもが発生しうると認められる。 特殊タイマ演出が実行された「擬似連続リーチ変動パターン」の一例が図53に開示されているところ、かかる演出からすれば、引用発明は、本願発明が特定する「前記報知演出にて前記特定演出が発生した後、前記基準時点の経過前までに前記第二好機演出が発生しない場合には、前記基準時点の経過後に前記第一好機演出が発生する」ものであるとは認められない。 すなわち、図53に示す演出例では、タイマ画像212に表示された時間が0となるよりも前に「継続演出」が発生している(図53(b)、(e)参照)と認められ、その「継続演出」が発生した後、「リーチ発展演出」が発生しているのであるから、引用発明は『タイマ画像212に表示された時間が0となるまでに「継続演出」が発生しなかった場合に、「リーチ発展演出」が発生する』ように構成されたものであるとは認められない。 よって、引用発明は、本願発明が特定する「前記報知演出にて前記特定演出が発生した後、前記基準時点の経過前までに前記第二好機演出が発生しない場合には、前記基準時点の経過後に前記第一好機演出が発生する」とした事項を有するものではない。 ○相違点2 本願発明は、「前記特定演出が発生した後、前記複数種の好機演出のうちの少なくとも一つの演出が発生することを契機として、前記特定画像が消去されるまたは別の態様に変化すること」を特定する。 審査において、引用発明のいずれの事項が、本願発明の「特定画像」に相当するとされたのか明示されていないが、引用発明の「通常タイマ演出」及び「特殊タイマ演出」を本願発明の「特定演出」に対応付けていることからすれば、「通常タイマ演出」及び「特殊タイマ演出」のいずれにおいても表示される「タイマ画像212」を、本願発明の「特定画像」に相当すると認定されたものと捉えるしかない。 ここで、本願発明の特許性を否定する根拠として提示されている引用発明の「特殊タイマ演出」は、図53に開示される演出であると認められる(引用文献1の段落0427)が、当該図53の演出では、図53(b)および(e)に示す時点で「継続演出」が発生している。 この「継続演出」が発生することを契機として、タイマ画像212が、消去されるまたは別の態様に変化することは、引用文献1に開示されていない(引用文献1では、「継続演出」が発生してもタイマ画像212は表示され続けている)。 よって、引用発明は、本願発明が特定する「前記特定演出が発生した後、前記複数種の好機演出のうちの少なくとも一つの演出が発生することを契機として、前記特定画像が消去されるまたは別の態様に変化する」とした事項を有するものではない。」 イ 請求人の主張について検討する。 (ア)相違点1について 請求人は、引用発明の「発展リーチ変動パターン」は、「継続演出」(第二好機演出)が発生せずに「リーチ発展演出」(第一好機演出)が発生するものであり、本願補正発明でいう第二好機演出に相当するものが無いから、本願発明と一致しない旨主張する。 しかしながら、複数の変動パターンによる変動演出によって当否判定結果を報知する一連の報知演出を行う遊技機において、複数の変動パターンのうちから一つの変動パターンを変動演出の開始前に予め選択して変動演出を行うことが技術常識であることに鑑みれば、本願補正発明の「前記基準時点の経過前までに前記第二好機演出が発生しない場合には、前記基準時点の経過後に前記第一好機演出が発生する」ことは、基準時点の経過前までに第二好機演出が発生せず、基準時点の経過後に第一好機演出が発生する変動パターンを、変動演出の開始前に予め選択して変動演出を行うことと解するのが相当である。 そうすると、引用発明の「リーチ」という基準時点の経過前まで「継続演出」が発生せずに、「リーチ」という基準時点の経過後に「リーチ発展演出」が発生する「発展リーチ変動パターン」を実行することは、本願補正発明の「前記基準時点の経過前までに前記第二好機演出が発生しない場合には、前記基準時点の経過後に前記第一好機演出が発生する」ことに相当する。 したがって、請求人の主張は採用できない。 また、請求人は、引用例の図53に示される特殊タイマ演出が実行された「擬似連続リーチ変動パターン」では、タイマ画像212に表示された時間が0となるよりも前に「継続演出」が発生している(図53(b)、(e)参照)と認められ、その「継続演出」が発生した後、「リーチ発展演出」が発生しており、「タイマ画像212に表示された時間が0となるまでに「継続演出」が発生しなかった場合に、「リーチ発展演出」が発生する」ように構成されたものであるとは認められないから、引用発明は、本願発明が特定する「前記報知演出にて前記特定演出が発生した後、前記基準時点の経過前までに前記第二好機演出が発生しない場合には、前記基準時点の経過後に前記第一好機演出が発生する」ものであるとは認められない旨主張する。 しかしながら、本願発明が特定する「前記報知演出にて前記特定演出が発生した後、前記基準時点の経過前までに前記第二好機演出が発生しない場合には、前記基準時点の経過後に前記第一好機演出が発生する」ことは、報知演出にて特定演出が発生した後、基準時点の経過前までに第二好機演出が発生しない場合に、基準時点の経過後に第一好機演出が発生することのみを特定しているのであって、報知演出にて特定演出が発生した後、基準時点の経過前までに第二好機演出が発生した場合に、基準時点の経過後に第一好機演出が発生するかどうかは、何ら特定されておらず、引用例の図53に示される特殊タイマ演出の記載によって、本願補正発明と引用発明が相違するものとなるものではない。 そして、前記第2[理由]3(3)オで述べたとおり、引用発明の「変動演出」にて「タイマ画像212」が「表示」されて「通常タイマ演出」が発生した後、「リーチ」の経過前までに「継続演出」が発生せずに、「リーチ」の経過後に「リーチ発展演出」が発生することは、本願補正発明の特定事項Eの「前記報知演出にて前記特定演出が発生した後、前記基準時点の経過前までに前記第二好機演出が発生しない場合には、前記基準時点の経過後に前記第一好機演出が発生する」ことに相当する。 したがって、請求人の主張は採用できない。 (イ)相違点2について 請求人は、引用発明の「特殊タイマ演出」は、引用例の図53に開示される演出であると認められるが、当該図53の演出では、図53(b)および(e)に示す時点で「継続演出」が発生しており、この「継続演出」が発生することを契機として、タイマ画像212が、消去されるまたは別の態様に変化することは、開示されていない(「継続演出」が発生してもタイマ画像212は表示され続けている)から、引用発明は、本願発明が特定する「前記特定演出が発生した後、前記複数種の好機演出のうちの少なくとも一つの演出が発生することを契機として、前記特定画像が消去されるまたは別の態様に変化する」とした事項を有するものではない旨主張する。 しかしながら、引用例の図53に示される「特殊タイマ演出」において、図53(i)に示す時点で、最後の分割タイマ演出におけるタイマ画像212に表示された時間が0になると、次の時点で、タイマ画像212を表示せずにリーチ発展演出を実行することが示されており、本願発明の「前記特定演出が発生した後、前記複数種の好機演出のうちの少なくとも一つの演出が発生することを契機として、前記特定画像が消去されるまたは別の態様に変化する」ことに相当するものが開示されているといえる。 したがって、請求人の主張は採用できない。 (6)小括 以上のとおり、本願補正発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により、特許出願の際、独立して特許を受けることができない。 また、本願補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際、独立して特許を受けることができない。 4 小括 本願補正発明は、前記3のとおり、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和3年3月1日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由は、概ね、次のとおりである。 (新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項 1 ・引用例 特開2016-158877号公報 3 引用例の記載事項、引用発明 引用例の記載事項、引用発明は、前記第2[理由]3(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2で検討した本願補正発明の「複数種の好機演出」が「前記報知演出における基準時点の経過後に発生しうる第一好機演出と当該基準時点の経過前に発生しうる第二好機演出とに区分けされ、前記報知演出にて前記特定演出が発生した後、前記基準時点の経過前までに前記第二好機演出が発生しない場合には、前記基準時点の経過後に前記第一好機演出が発生することにな」るとした限定を削除したものである。 なお、本願発明は、本願補正発明の「ある当否判定結果を報知する一連の報知演出」を「ある当否判定結果を報知する一連の演出」とするものであるが、発明の内容を実質的に変更するものではない。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものに相当する本願補正発明が、前記第2[理由]3(6)で述べたとおり、引用例に記載された発明であり、また、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、本願発明も、引用例に記載された発明であり、また、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。 また、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-007367

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