特許拒絶査定不服審判
2024-005708
遊技機
- 審判番号
- 2024-005708
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-199126外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年04月05日
- 審決日
- 2025年01月21日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-199126「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 5月 6日出願公開、特開2021- 69795〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯の概要
本願は、令和元年10月31日の出願であって、令和5年7月27日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月5日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年12月14日付け(謄本送達日:令和6年1月9日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年4月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和6年4月5日に提出された手続補正書による補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年4月5日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
(1)本件補正は、令和5年10月5日提出の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における
(補正前)
「【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段とを備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段と、
前記所定入球手段への入球に基づいて特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な特別情報記憶手段と、
前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報が特別判定情報と対応しているか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報判定手段による判定に先立って又は前記特別情報判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように報知手段を制御する遊技回制御手段と、
前記特別情報判定手段による判定結果が前記特別判定情報に対応する当選結果となり、前記遊技回制御手段によって当該当選結果に対応した報知結果として前記遊技回用動作が終了された場合に遊技状態を所定遊技状態から当該所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させることが可能な手段と
を備え、
前記所定遊技状態として、第1遊技状態と当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とが設けられており、
前記第2遊技状態における所定遊技回での前記特別情報判定手段による判定結果が前記当選結果である場合に、当該所定遊技回での前記当選結果と、前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報に前記当選結果に対応する特別情報が含まれているかの先特定の結果とに基づく特別報知を実行することが可能な特別報知手段を備え、
前記特別報知手段は、前記所定遊技回での前記当選結果に対応する分と前記先特定により特定された前記当選結果に対応する分とを含むようにして前記特別報知を実行することが可能であることを特徴とする遊技機。」を、
審判請求時に提出された手続補正書(令和6年4月5日提出)の特許請求の範囲の請求項1における
(補正後)
「【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段とを備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段と、
前記所定入球手段への入球に基づいて特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な特別情報記憶手段と、
前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報が特別判定情報と対応しているか否かを判定する特別情報判定手段と、
前記特別情報判定手段による判定に先立って又は前記特別情報判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように報知手段を制御する遊技回制御手段と、
前記特別情報判定手段による判定結果が前記特別判定情報に対応する当たり結果となり、前記遊技回制御手段によって当該当たり結果に対応した報知結果として前記遊技回用動作が終了された場合に遊技状態を所定遊技状態から当該所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させることが可能な手段と
を備え、
前記所定遊技状態として、第1遊技状態と当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とが設けられており、
前記第2遊技状態における所定遊技回での前記特別情報判定手段による判定結果が当たり結果である場合に、当該所定遊技回での当たり結果と、前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報に当たり結果に対応する特別情報が含まれているかの先特定の結果とに基づく特別報知を実行することが可能な特別報知手段を備え、
前記特別報知手段は、前記所定遊技回での当たり結果に対応する分と前記先特定により特定された当たり結果に対応する分とを含むようにして前記特別報知を実行することが可能であり、
前記特別報知は、前記所定遊技回での当たり結果を含めた数としての当たり数を遊技者が認識することが可能な態様で実行されることを特徴とする遊技機。」
にする補正を含むものである(下線は、補正箇所を明示するために当審にて付した。)。
2-1 補正の目的及び新規事項について
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「当選結果」に関して、「当たり結果」に表現態様を変更するもの、「特別報知」が「前記所定遊技回での当たり結果を含めた数としての当たり数を遊技者が認識することが可能な態様で実行されること」を限定するものを含むものである。
そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正の補正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)の段落【0432】~【0443】、【0453】~【0455】、図53及び図58(f)の記載に基づくものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術事項を導入するものではないから、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
2-2 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A等は、分説するため当審にて付した。)。
「【請求項1】
A 遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段とを備えている遊技機であって、
B 前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段と、
C 前記所定入球手段への入球に基づいて特別情報を取得する特別情報取得手段と、
D 前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な特別情報記憶手段と、
E 前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報が特別判定情報と対応しているか否かを判定する特別情報判定手段と、
F 前記特別情報判定手段による判定に先立って又は前記特別情報判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように報知手段を制御する遊技回制御手段と、
G 前記特別情報判定手段による判定結果が前記特別判定情報に対応する当たり結果となり、前記遊技回制御手段によって当該当たり結果に対応した報知結果として前記遊技回用動作が終了された場合に遊技状態を所定遊技状態から当該所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させることが可能な手段と
を備え、
H 前記所定遊技状態として、第1遊技状態と当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とが設けられており、
I 前記第2遊技状態における所定遊技回での前記特別情報判定手段による判定結果が当たり結果である場合に、当該所定遊技回での当たり結果と、前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報に当たり結果に対応する特別情報が含まれているかの先特定の結果とに基づく特別報知を実行することが可能な特別報知手段を備え、
J 前記特別報知手段は、前記所定遊技回での当たり結果に対応する分と前記先特定により特定された当たり結果に対応する分とを含むようにして前記特別報知を実行することが可能であり、
K 前記特別報知は、前記所定遊技回での当たり結果を含めた数としての当たり数を遊技者が認識することが可能な態様で実行される
L ことを特徴とする遊技機。」
(2)引用文献1の記載事項、引用発明
ア 記載事項
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-67909号公報(平成28年5月9日公開)(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同じ。)。
「【0011】
[第1実施形態]
本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。
【0012】
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
はじめに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
・・・
【0014】
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。球皿ユニット6には、遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央には遊技者によって押圧操作される演出ボタン15が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。
【0015】
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、外レール及び内レールが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成され、この遊技領域PAに風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口61、第2始動口62、作動ゲート63、第1大入賞口64、第2大入賞口65などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り22が配設されており、このセンター飾り22の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。」
「【0029】
遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板100や、演出全般の制御を行う演出制御基板200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板300などが取り付けられている。なお、本実施形態では、演出制御基板200および画像制御基板300は、演出表示装置(液晶表示装置)70と一体化されたアッセンブリ状態で液晶ユニットを構成している。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板400や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板500などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。」
「【0042】
<ぱちんこ遊技機の基本動作>
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5、球皿ユニット6等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構13(図3を参照)によって1球ずつ発射機構14(図3を参照)に送り出され、該発射機構14により遊技領域PAに打ち出される。
【0043】
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1始動口61、第2始動口62、第1大入賞口64、第2大入賞口65のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット33により上球皿8又は下球皿9に払い出される。また、遊技球が第1始動口61又は第2始動口62に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件が成立する場合に、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
【0044】
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口64又は第2大入賞口65の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技として、ラウンド遊技が16回(16ラウンド)に設定された16R特別遊技と、ラウンド遊技が8回(8ラウンド)に設定された8R特別遊技と、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技とが設けられている。
【0045】
本実施形態では、16R特別遊技、8R特別遊技および2R特別遊技のいずれに移行されたとしても、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで、特別図柄の確率変動機能(「確変」とも称する)が一律に作動する。すなわち、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMは、確変突入率が100%の回数切り確変機、所謂「ST機」と称される遊技機である。従って、本実施形態では、特別図柄の確率変動機能が作動中の状態(「特別図柄の確変状態」とも称する)が次の大当りの発生まで継続するのではなく、特別図柄の確変状態が維持される期間(「ST期間」とも称する)が所定の終期回数(「ST回数」とも称する)に達するまでの間に限定されている。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、通常の確率状態よりも特別図柄の大当り確率が高い抽選が行われるため、比較的早期に新たな特別遊技が発生するようになる。
【0046】
一方、特別遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能に付随して、又は、特別図柄の確率変動機能と独立して、特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)が作動する場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中の状態(「特別図柄の時短状態」とも称する)では、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常状態よりも短縮される傾向となり、通常状態よりも単位時間当たりの当否抽選回数が向上する(単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる)。
【0047】
さらに、特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、これに付随して、いわゆる電チューサポート機能が作動して、入球容易状態へ移行する。入球容易状態は、電チューサポート機能の一例として、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物622の開放延長機能が作動することにより、第2始動口62への入球容易性が高められる状態である。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口62への入球容易性も高まるため、第2始動口62への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。
【0048】
<ぱちんこ遊技機の主要な機能構成>
次に、図4の機能ブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、主制御基板100/演出制御基板200)の各種機能について説明する。
【0049】
主制御基板100は、図4に示すように、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられたメインCPU101、ROM102、RAM103、電子回路等のハードウェア及びROM102等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
【0050】
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、第1大入賞口スイッチ641、第2大入賞口スイッチ651などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。
【0051】
遊技抽選乱数発生手段120は、主制御マイコン110の乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段120は、メインCPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、前述の内蔵乱数に加算されて特別図柄当り乱数をなす特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の初期値および終了値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄当り図柄乱数、特別図柄当り図柄乱数の初期値および終了値を決定するための特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の初期値および終了値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
【0052】
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
【0053】
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
【0054】
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1、記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
【0055】
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタ、を有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
【0056】
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
【0057】
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート63への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
【0058】
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否抽選の事前判定(当否事前判定)、図柄抽選の事前判定(図柄事前判定)、変動パターン抽選の事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、後述の抽選テーブル(特別図柄当否抽選テーブル、特別図柄当り図柄テーブル、変動パターンテーブル)と同様の区切り方で、乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定値数)ごとに、抽選IDが割り当てられている。この抽選IDとしては、事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する)が設定されている。そして、事前判定手段135は、事前判定結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
【0059】
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、その一例として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときであり、その結果として、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
【0060】
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
・・・
【0062】
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄、および当該停止図柄の属する図柄群を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、当否抽選の結果が大当りの場合に、第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄および図柄群を決定する際に参照される第1特別図柄当り図柄テーブルおよび第2特別図柄当り図柄テーブルを有している。」
「【0088】
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。」
「【0092】
遊技状態制御手段165は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄群の種類に基づき、特別遊技後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技後の遊技状態を切り替える。本実施形態では、前述のとおり、回数切りの所謂ST機であるため、特別遊技後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数、すなわちST回数に到達するまでの間、特別図柄の確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて特別図柄の確変状態は終了する)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数が0リセット(復活)されることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施形態では、ST回数は100回に設定されているが、他の回数に設定されてもよいことは勿論である。なお、遊技状態が特別図柄の確変状態へ移行した場合は、同時に特別図柄の時短状態および入球容易状態へ移行して、特別図柄の確変状態が継続する限り、特別図柄の時短状態および入球容易状態も継続する。このとき、特別図柄の確変状態では、大当りの抽選確率を通常の低確率から高確率に変動させて、通常の遊技状態よりも有利な高確率状態となる。特別図柄の時短状態では、特別図柄の平均的な変動時間が短縮される状態となる。入球容易状態(電チューサポート状態)は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放時間延長機能、が作動することにより、第2始動口62への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通電動役物622の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物622の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。なお、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態および確変状態のいずれであっても、特別遊技中は通常状態であり且つ特別遊技後はST回数を限度として一律に確変状態となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りであれば、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。また、当該小当り前の遊技状態が特別図柄の確変状態であった場合には、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も特別図柄の確変状態となる。」
「【0097】
演出制御基板200は、図4に示すように、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ演出制御手段230、役物演出制御手段240、エラー演出制御手段250、サブメイン情報記憶手段260、コマンド送受信手段270、を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配されたサブメインCPU201、ROM202、RAM203、電子回路等のハードウェア及びROM202に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。」
「【0099】
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、装飾図柄決定手段224、変動演出決定手段225、予告演出決定手段226、大当り演出決定手段227、を含む。」
「【0101】
先読み予告制御手段223は、主制御基板100から事前判定コマンドを受信したことを契機として、先読み予告の実行可否を抽選にて決定する。先読み予告制御手段223は、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。
【0102】
先読み予告制御手段223は、先読み予告の実行可否を判定するとき、主制御基板100による事前判定結果に基づき、この先読み予告の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み判定」とも称する)を実行する。本実施形態では、先読み予告には、通常先読み予告と特殊先読み予告(後述の保留内連荘演出)とが存在する。通常先読み予告は、装飾図柄の連続的な複数回の変動表示に亘って大当り当選又はリーチ演出発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。先読み予告演出(連続予告演出)を実行可と判定した場合は、主制御基板100からの事前判定コマンドの情報(事前判定の結果)および図柄記憶数コマンドの情報(現存する作動保留球数)を解析して、今回の先読み予告演出の発生契機となる作動保留球(「トリガ保留」と称する)を対象として連続的な複数回の変動表示に亘る先読み予告演出パターンが抽選で決定される。なお、通常先読み予告には、保留変化先読み予告演出、チャンス目先読み予告演出、背景変化先読み予告演出など各種のバリエーションが存在する。一方、特殊先読み予告としては、大当り当選時に大当りとなる作動保留球が存在する可能性を示唆又は報知する保留内連荘演出が該当する。以下、「保留内連荘演出」の概要について説明する。
【0103】
まず、「保留内連荘」とは、或る先行の作動保留球が消化された当否判定結果として大当りとなる場合、当該作動保留球に係る当否判定が許可されてから特別遊技の終了時までの特定期間内における所定タイミングにおいて存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(「特定保留」とも称する)が存在することをいう。なお、以下では、後続の作動保留球のうち、はずれとなることが予定される作動保留球を「はずれ保留」、小当りとなることが予定される作動保留球を「小当り保留」とも称する。
【0104】
本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する、いわゆる優先消化を採用しており、保留内連荘の対象となる後続の作動保留球(特定保留)としては、第2特別図柄の作動保留球を対象とする。このように、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化させる優先消化を採用しているため、保留内連荘は、先行の作動保留球が大当りで当選したときの遊技状態が特定遊技状態であることを前提として発生する。「特定遊技状態」とは、通常状態よりも特別遊技への移行確率が高められた状態であり、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、電チューサポート機能のうちの少なくとも一の機能が作動した状態のことである。本例では、特定遊技状態として少なくとも電チューサポート機能(入球容易状態)が作動していることを条件とする。ここで、本実施形態では、同時に作動を開始して、同時に作動を終了する)構成となっているため、ST期間中は常に特定遊技状態であるといえる。。なお、本実施形態では、遊技状態が通常状態である状況下、当否判定の結果が確変大当りとなった場合(その特別遊技の終了後に特定遊技状態へ移行される状況である場合)、後続の作動保留球内に特定保留が存在していたとしても、その特別遊技中に保留内連荘演出が発生しないように構成されている。
【0105】
続いて、「保留内連荘演出」とは、保留内連荘であることを示唆又は報知するための演出である。この保留内連荘演出には、図柄変動中に発生する第1の保留内連荘演出(「保留内連荘演出A」と称する)と、特別遊技中に発生する第2の保留内連荘演出(「保留内連荘演出B」と称する)とが含まれる。なお、本実施形態では、第1の保留内連荘演出と第2の保留内連荘演出との両方を備えているが、いずれか一方の保留内連荘演出を備えるものであってもよい。
【0106】
保留内連荘演出Aの実行可否は、先行の作動保留球が消化されるタイミングにおいて第1実行条件が成立している場合に抽選にて決定される。本実施形態では、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合に、第1実行条件が成立する。換言すれば、後続の作動保留内に特定保留(=大当りとなる予定の保留)が存在していても、その特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでない場合は、保留内連荘演出Aが実行されない。更に言えば、「後続の作動保留内に特定保留が複数存在する状況下、最先の特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでなく且つ次の特定保留に係る大当り種別が高利益大当りである場合」であっても、保留内連荘演出Aが実行されない。従って、本例では、保留内連荘演出Aが発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となる。なお、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合であっても、その特定保留より先に消化予定の保留が「ハズレであっても特定の変動パターン(所定時間以上の変動パターンである場合、例えば、最短変動時間以外の変動パターンや、リーチに係る変動パターン)を選択予定のもの」である場合には、保留内連荘Aを実行しない構成としてもよい。
【0107】
保留内連荘演出Bの実行可否は、特別遊技の開始前のタイミングにおいて第2実行条件が成立している場合に抽選にて決定される。本実施形態では、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に特定保留が含まれる場合の他、後続の作動保留球が全てはずれ保留である場合でも、第2実行条件が成立するものとする。よって、保留内連荘演出Bが発生した場合でも、保留内連荘であることは確定せず、いわゆるガセ演出となる場合がある。なお、保留内連荘演出Aと同様に、保留内連荘演出Bが発生した場合、保留内連荘が確定的となる構成を採用してもよい。なお、保留内連荘演出Aと同様に、保留内連荘演出Bが発生した場合、保留内連荘が確定的となる構成を採用してもよい。また、保留内連荘演出Bにおいても、保留内連荘演出Aと同様に、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合に、第2実行条件が成立することとしてもよい。換言すれば、後続の作動保留内に特定保留(=大当りとなる予定の保留)が存在していても、その特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでない場合は、保留内連荘演出Bが実行されない。更に言えば、「後続の作動保留内に特定保留が複数存在する状況下、最先の特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでなく且つ次の特定保留に係る大当り種別が高利益大当りである場合」であっても、保留内連荘演出Bが実行されない。従って、この場合には、保留内連荘演出Bが発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となる。なお、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合であっても、その特定保留より先に消化予定の保留が「ハズレであっても特定の変動パターン(所定時間以上の変動パターンである場合、例えば、最短変動時間以外の変動パターンや、リーチに係る変動パターン)を選択予定のもの」である場合には、保留内連荘Bを実行しない構成としてもよい。
【0108】
先読み予告制御手段223は、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域(保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域)に記憶された事前判定結果の情報を参照して、保留1記憶領域→保留2記憶領域→保留3記憶領域→保留4記憶領域の順番で、すなわち、後続の作動保留球のうち最先のものから順番に先読み判定を行い、この後続の作動保留球内に複数の特定保留が含まれている場合には、保留内連荘演出Aの先読み判定では最先の特定保留のみを対象とする一方で、保留内連荘演出Bの先読み判定では複数の特定保留を対象とする。すなわち、保留内連荘演出にて報知される特定保留の個数は常に1個であるのに対して、保留内連荘演出Bにて報知される特定保留の個数は1個とは限らず複数個のときもあり得る。
【0109】
続いて、保留内連荘演出の演出内容(「連荘演出パターン」と称する)は、連荘演出パターンテーブルに基づき決定される。本例では、連荘演出パターンを決定する際に参照される複数種の連荘演出パターンテーブルが保持されている。
【0110】
図8(A)は保留内連荘演出Aの連荘演出パターンを選択する際に参照される連荘演出パターンテーブル、図8(B)は保留内連荘演出Bの連荘演出パターンを選択する際に参照される連荘演出パターンテーブルである。各連荘演出パターンテーブルには、複数種の連荘演出パターンが規定されており、各連荘演出パターンに対応して演出内容および実行タイミングが定められている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には演出パターン乱数値に応じて、演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、演出パターンが決定されるようになっている。なお、本実施形態では、図8に示すように、保留内連荘演出の具体的演出態様として演出画像AX,BXが用意されているが、「演出画像」としては、静止画で構成される演出画像、動画で構成される演出画像、静止画および動画の両方で構成される演出画像を例示できる。
【0111】
図8(A)に示すように、保留内連荘演出Aの演出パターンテーブルには、複数種の演出パターンPA1,PA2が定められている。連荘演出パターンPA1が選択された場合には、装飾図柄の変動中に、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない、特殊な演出画像「AX1」が表示される。図9(A)に示すように、演出画像AX1としては、例えば、装飾図柄の変動中に流れ星が画面を横切るような演出が該当する。連荘演出パターンP2が選択された場合には、装飾図柄の最終停止図柄として、図9(B)に示すように、その他のいかなる場面でも現出することのない、特殊の大当り図柄「S・S・S」が確定表示される演出が該当する。
【0112】
なお、本例において、保留内連荘演出Aは、先行の作動保留球が高利益大当り(16R特定大当り)となり、且つ、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R特定大当り)となることが予定される特定保留が含まれる場合にのみ発生する。従って、保留内連荘演出Aの発生時点で、高利益大当りが連続することが確定する。」
「【0140】
また、コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板300へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させたかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをACKコマンドバッファに格納するようになっている。」
「【0450】
なお、本変形例での保留内連荘数の最大値は単なる一例であり、保留内連荘演出Aにおける保留内連荘報知数の最大値は「2」以上であってもよく、また、保留内連荘演出Bにおける保留内連荘報知数の最大値は「4」であってもよい。
【0451】
以上、第1実施形態の第7変形例によれば、保留内連荘演出Aと保留内連荘演出Bとの保留内連荘報知数の最大値を互いに異なるように設定し、この最大値を越えない範囲内で保留内連荘数を個別に更新することで、保留内連荘演出A,Bの表示態様を連荘報知数に応じた豊富で変化に富む内容にすることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。」
「
[図:0001421202000001.jpg]
」
「
[図:0001421202000002.jpg]
」
イ 引用発明
上記「ア 記載事項」より、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める(記号a等は、本件補正発明の記号A等に概ね対応させて当審にて付した。)。
「a 遊技球が転動流下する遊技領域PAが前面に区画形成された遊技盤(【0015】、【0042】)を備え、遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている(【0014】)ぱちんこ遊技機PM(【0011】)であって、遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板100や、演出全般の制御を行う演出制御基板200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板300などが取り付けられており(【0029】)、
主制御基板100は、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165を含み(【0049】)、入球判定手段110は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、第1大入賞口スイッチ641、第2大入賞口スイッチ651などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定し(【0050】)、
演出制御基板200は、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ演出制御手段230、役物演出制御手段240、を含み(【0097】)、
画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させたかたちで予告演出を表示させ(【0140】)、
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、装飾図柄決定手段224、変動演出決定手段225、予告演出決定手段226、大当り演出決定手段227、を含み(【0099】)、
b~d 遊技領域PAに第1始動口61、第2始動口62、作動ゲート63、第1大入賞口64、第2大入賞口65などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられ(【0015】)、
遊技抽選乱数発生手段120は、主制御マイコン110の乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成し(【0051】)、保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含み(【0052】)、
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理し、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶し(【0053】)、
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域、がそれぞれ設けられており(【0054】)、事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行し、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否抽選の事前判定(当否事前判定)を実行し(【0058】)、特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納し(【0059】)、
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定し(【0060】)、特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄、および当該停止図柄の属する図柄群を決定し(【0062】)、
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含み、特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させ、また、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させ(【0088】)、
遊技状態制御手段165は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄群の種類に基づき、特別遊技後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技後の遊技状態を切り替え(【0092】)、
遊技球が第1始動口61又は第2始動口62に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時記憶し(【0043】)、
e、f 所定の始動条件が成立する場合に、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示され、特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示され(【0043】)、
g、h 第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口64又は第2大入賞口65の開閉動作が開始され、大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様であり(【0044】)、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで、特別図柄の確率変動機能(「確変」とも称する)が一律に作動し、特別図柄の確率変動機能が作動中の状態(「特別図柄の確変状態」とも称する)が次の大当りの発生まで継続するのではなく、特別図柄の確変状態が維持される期間が所定の終期回数に達するまでの間に限定されており(【0045】)、特別遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能に付随して、又は、特別図柄の確率変動機能と独立して、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する場合があり(【0046】)、特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、これに付随して、いわゆる電チューサポート機能が作動して、入球容易状態へ移行し、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物622の開放延長機能が作動することにより、第2始動口62への入球容易性が高められる状態となり(【0047】)、
i~k 先読み予告制御手段223は、主制御基板100から事前判定コマンドを受信したことを契機として、先読み予告の実行可否を抽選にて決定し(【0101】)、先読み予告には、通常先読み予告と特殊先読み予告(保留内連荘演出)とが存在し、特殊先読み予告としては、大当り当選時に大当りとなる作動保留球が存在する可能性を示唆又は報知する保留内連荘演出が該当し(【0102】)、保留内連荘とは、或る先行の作動保留球が消化された当否判定結果として大当りとなる場合、当該作動保留球に係る当否判定が許可されてから特別遊技の終了時までの特定期間内における所定タイミングにおいて存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(「特定保留」とも称する)が存在することをいい(【0103】)、第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化させる優先消化を採用しているため、保留内連荘は、先行の作動保留球が大当りで当選したときの遊技状態が特定遊技状態であることを前提として発生し、特定遊技状態とは、通常状態よりも特別遊技への移行確率が高められた状態であり、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、電チューサポート機能のうちの少なくとも一の機能が作動した状態のことであり、遊技状態が通常状態である状況下、当否判定の結果が確変大当りとなった場合、後続の作動保留球内に特定保留が存在していたとしても、その特別遊技中に保留内連荘演出が発生しないように構成されており(【0104】)、保留内連荘演出とは、保留内連荘であることを示唆又は報知するための演出であって、この保留内連荘演出には、図柄変動中に発生する第1の保留内連荘演出(「保留内連荘演出A」と称する)と、特別遊技中に発生する第2の保留内連荘演出とが含まれ(【0105】)、保留内連荘演出Aの実行可否は、先行の作動保留球が消化されるタイミングにおいて第1実行条件が成立している場合に抽選にて決定され、先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合に、第1実行条件が成立し、後続の作動保留内に特定保留が存在していても、その特定保留に係る大当り種別が高利益大当りでない場合は、保留内連荘演出Aが実行されず、保留内連荘演出Aが発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となり(【0106】)、保留内連荘演出の演出内容(「連荘演出パターン」と称する)は、連荘演出パターンテーブルに基づき決定され(【0109】)、保留内連荘演出Aの演出パターンテーブルには、複数種の演出パターンPA1,PA2が定められており、連荘演出パターンPA1が選択された場合には、装飾図柄の変動中に、保留内連荘演出以外のいかなる場面でも現出することのない、特殊な演出画像「AX1」が表示され、演出画像AX1としては、例えば、装飾図柄の変動中に流れ星が画面を横切るような演出が該当し、連荘演出パターンP2が選択された場合には、装飾図柄の最終停止図柄として、その他のいかなる場面でも現出することのない、特殊の大当り図柄「S・S・S」が確定表示される演出が該当し(【0111】)、保留内連荘演出Aは、先行の作動保留球が高利益大当り(16R特定大当り)となり、且つ、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R特定大当り)となることが予定される特定保留が含まれる場合にのみ発生し、保留内連荘演出Aの発生時点で、高利益大当りが連続することが確定し(【0112】)、保留内連荘演出Aにおける保留内連荘報知数の最大値は「2」以上であってもよい(【0450】)
l ぱちんこ遊技機PM(【0011】)。」
(3)対比
本件補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
ア 構成Aについて
引用発明の構成aの「遊技球が転動流下する遊技領域PA」、「遊技盤」、「遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12」、「ぱちんこ遊技機PM」は、それぞれ本件補正発明の「遊技球が流下する遊技領域」、「遊技盤」、「遊技球を発射可能な遊技球発射手段」、「遊技機」に相当する。
よって、引用発明の構成aは、本件補正発明の構成Aに相当する構成を有する。
イ 構成Bについて
引用発明の構成b~dの「遊技球が」「入球する」「第2始動口62」は、「遊技領域PAに」「設けられ」ているから、本件補正発明の「当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段」に相当する。
よって、引用発明の構成b~dは、本件補正発明の構成Bに相当する構成を有する。
ウ 構成Cについて
引用発明の構成b~dの「第2始動口62に入球する」こと、「特別図柄の抽選乱数値」、「取得され」ること、「特別図柄保留制御手段131」は、それぞれ本件補正発明の「前記所定入球手段への入球に基づ」くこと、「特別情報」、「取得する」こと、「特別情報取得手段」に相当する。
よって、引用発明の構成構成b~dは、本件補正発明の構成Cに相当する構成を有する。
エ 構成Dについて
引用発明の構成b~dの「一時記憶」すること、「メイン情報記憶手段180」は、それぞれ本件補正発明の「記憶可能」であること、「特別情報記憶手段」に相当する。
よって、引用発明の構成b~dは、本件補正発明の構成Dに相当する構成を有する。
オ 構成Eについて
引用発明の構成e、fでは「所定の始動条件が成立する場合に、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定」「を行」っていることから、「最先の保留球に係る抽選乱数値」(前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報)が大当りの乱数値と一致しているか否かを判定していることは、技術常識から明らかである。
よって、引用発明の構成e、fは、本件補正発明の構成Eに相当する構成を有する。
カ 構成Fについて
引用発明の構成e、fの「所定の始動条件が成立する場合に、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定」「を行」うこと、「第2特別図柄表示装置72において特別図柄が変動表示される」こと、「この判定結果に応じた態様で、」「停止表示され」ることは、それぞれ本件補正発明の「前記特別情報判定手段による判定に先立って又は前記特別情報判定手段により前記判定が行われたこと」、「遊技回用動作が開始され」ること、「前記判定の結果に対応した報知結果」に相当する。
また、引用発明の構成e、fの「特別図柄が変動表示され」「特別図柄」「の変動表示」が「停止表示され」ることを「特別図柄の変動回数」として、「特別図柄の確変状態が維持される期間」としていることから、「特別図柄が変動表示され」「特別図柄」「の変動表示」が「停止表示され」ることを変動表示の1回としていることは明らかであるため、本件補正発明の「当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回と」することに相当する構成を有する。
また、引用発明の構成b~dで「特別図柄表示制御手段156は、」「第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させ」ていることから、引用発明の構成b~dの「特別図柄表示制御手段156」は、本件補正発明の「遊技回制御手段」に相当する。
よって、引用発明の構成b~d及び構成e、fは、本件補正発明の構成Fに相当する構成を有する。
キ 構成Gについて
引用発明の構成b~dの「保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定」の「判定結果」のうちの「特別図柄の当否抽選の結果が大当り」、構成g、hの「大当りを示す停止態様」、「第2特別図柄が」「確定表示された場合」、「特別遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能に付随して、又は、特別図柄の確率変動機能と独立して、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する場合があ」ること、構成b~dの「特別遊技後の遊技状態を切り替え」る「遊技状態制御手段165」は、本件補正発明の「判定結果が前記特別判定情報に対応する当たり結果」、「当該当たり結果に対応した報知結果」、「前記遊技回用動作が終了された場合」、「遊技状態を所定遊技状態から当該所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させることが可能」であること、「移行させることが可能な手段」に相当する。
よって、引用発明の構成b~d及び構成g、hは、本件補正発明の構成Gに相当する構成を有する。
ク 構成Hについて
引用発明の構成i~kの「遊技状態が通常状態」、構成i~kの「特定遊技状態」としての構成g、hの「第2始動口62への入球容易性が高められる状態」は、本件補正発明の「第1遊技状態」、「当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態」に相当する。
よって、引用発明の構成g、h及び構成i~kは、本件補正発明の構成Hに相当する構成を有する。
ケ 構成Iについて
引用発明の構成i~kにおいて「先読み予告」は、「通常先読み予告と特殊先読み予告(保留内連荘演出)とが存在し、特殊先読み予告としては、大当り当選時に大当りとなる作動保留球が存在する可能性を示唆又は報知する保留内連荘演出」であり、「保留内連荘とは、或る先行の作動保留球が消化された当否判定結果として大当りとなる場合、当該作動保留球に係る当否判定が許可されてから特別遊技の終了時までの特定期間内における所定タイミングにおいて存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(「特定保留」とも称する)が存在すること」であり、「保留内連荘は、先行の作動保留球が大当りで当選したときの遊技状態が特定遊技状態であることを前提として発生し」、「遊技状態が通常状態である状況下、当否判定の結果が確変大当りとなった場合、後続の作動保留球内に特定保留が存在していたとしても、その特別遊技中に保留内連荘演出が発生」せず、「保留内連荘演出Aが発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となり、保留内連荘演出の演出内容(「連荘演出パターン」と称する)は、」「連荘演出パターンP2が選択された場合には、装飾図柄の最終停止図柄として、その他のいかなる場面でも現出することのない、特殊の大当り図柄「S・S・S」が確定表示される演出」が実行されることから、引用発明の構成i~kの「先行の作動保留球が大当りで当選したときの遊技状態が特定遊技状態であ」り「後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(「特定保留」とも称する)が存在」する場合、「装飾図柄の最終停止図柄として、その他のいかなる場面でも現出することのない、特殊の大当り図柄「S・S・S」が確定表示される演出」又は「特殊の大当り図柄「S・S・S」が確定表示され」ず構成g、hの「3つの図柄の種類が一致する態様であ」る「装飾図柄の停止態様」となる演出(すなわち、後続の作動保留内に、特定保留が存在しない場合)、構成aの「演出統括手段220」は、それぞれ本件補正発明の「前記第2遊技状態における所定遊技回での前記特別情報判定手段による判定結果が当たり結果である場合」、「当該所定遊技回での当たり結果と、前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報に当たり結果に対応する特別情報が含まれているかの先特定の結果とに基づく特別報知」、「特別報知手段」に相当する。
よって、引用発明の構成a及び構成i~kは、本件補正発明の構成Iに相当する構成を有する。
コ 構成Jについて
引用発明の構成i~kで「保留内連荘演出Aは、先行の作動保留球が高利益大当り(16R特定大当り)となり、且つ、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R特定大当り)となることが予定される特定保留が含まれる場合にのみ発生し、保留内連荘演出Aの発生時点で、高利益大当りが連続することが確定」し、上記ケで説示した「保留内連荘演出A」(特別報知)は、「先行の作動保留球が高利益大当り(16R大当り)となることを前提とし、後続の作動保留球内に高利益大当り(16R大当り)となる特定保留が最先の特定保留として含まれる場合に」実行され、後続の作動保留内に、特定保留が存在しない場合には、通常の装飾図柄が大当りの態様で停止表示する演出が実行されることから、引用発明の構成i~kの「装飾図柄の最終停止図柄として、その他のいかなる場面でも現出することのない、特殊の大当り図柄「S・S・S」が確定表示される演出」又は構成g、hの「3つの図柄の種類が一致する態様であ」る「装飾図柄の停止態様」となる演出(この場合は、本件補正発明の結果「先特定により特定された当たり結果に対応する分」は0である。)は、本件補正発明の「前記所定遊技回での当たり結果に対応する分と前記先特定により特定された当たり結果に対応する分とを含むようにして前記特別報知を実行することが可能であ」ることに相当することは明らかである。
よって、引用発明の構成i~kは、本件補正発明の構成Jに相当する構成を有する。
サ 構成Lについて
引用発明の構成lの「ぱちんこ遊技機PM」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。
よって、引用発明の構成lは、本件補正発明の構成Lに相当する構成を有する。
シ 上記ア~サから、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
A 遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段とを備えている遊技機であって、
B 前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段と、
C 前記所定入球手段への入球に基づいて特別情報を取得する特別情報取得手段と、
D 前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な特別情報記憶手段と、
E 前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報が特別判定情報と対応しているか否かを判定する特別情報判定手段と、
F 前記特別情報判定手段による判定に先立って又は前記特別情報判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように報知手段を制御する遊技回制御手段と、
G 前記特別情報判定手段による判定結果が前記特別判定情報に対応する当たり結果となり、前記遊技回制御手段によって当該当たり結果に対応した報知結果として前記遊技回用動作が終了された場合に遊技状態を所定遊技状態から当該所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させることが可能な手段と
を備え、
H 前記所定遊技状態として、第1遊技状態と当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とが設けられており、
I 前記第2遊技状態における所定遊技回での前記特別情報判定手段による判定結果が当たり結果である場合に、当該所定遊技回での当たり結果と、前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報に当たり結果に対応する特別情報が含まれているかの先特定の結果とに基づく特別報知を実行することが可能な特別報知手段を備え、
J 前記特別報知手段は、前記所定遊技回での当たり結果に対応する分と前記先特定により特定された当たり結果に対応する分とを含むようにして前記特別報知を実行することが可能である
L 遊技機。
<相違点>
本件補正発明では、「前記特別報知は、前記所定遊技回での当たり結果を含めた数としての当たり数を遊技者が認識することが可能な態様で実行される」のに対して、
引用発明では、保留内連荘演出Aが有する作用について明示的に記載されていない点。
(4)判断
ア 相違点について
上記相違点について検討すると、引用発明では、構成g、hで「第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合」は「3つの図柄の種類が一致する態様であ」る「大当りを示す装飾図柄の停止態様」となる演出を実行し、構成i~kにおいて「先読み予告」は、「通常先読み予告と特殊先読み予告(保留内連荘演出)とが存在し、特殊先読み予告としては、大当り当選時に大当りとなる作動保留球が存在する可能性を示唆又は報知する保留内連荘演出」であり、「保留内連荘とは、或る先行の作動保留球が消化された当否判定結果として大当りとなる場合、当該作動保留球に係る当否判定が許可されてから特別遊技の終了時までの特定期間内における所定タイミングにおいて存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(「特定保留」とも称する)が存在すること」であり、「保留内連荘は、先行の作動保留球が大当りで当選したときの遊技状態が特定遊技状態であることを前提として発生し」、「遊技状態が通常状態である状況下、当否判定の結果が確変大当りとなった場合、後続の作動保留球内に特定保留が存在していたとしても、その特別遊技中に保留内連荘演出が発生」せず、「保留内連荘演出Aが発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的となり、保留内連荘演出の演出内容(「連荘演出パターン」と称する)は、」「連荘演出パターンP2が選択された場合には、装飾図柄の最終停止図柄として、その他のいかなる場面でも現出することのない、特殊の大当り図柄「S・S・S」が確定表示される演出」が実行されていることから、構成g、hの「3つの図柄の種類が一致する態様であ」る「装飾図柄の停止態様」となる演出は、作動保留球が消化されたことによる大当たり(1)と後続の作動保留球内での大当たり(0)で、合計1の、構成i~kの「特殊の大当り図柄「S・S・S」が確定表示される演出」は、作動保留球が消化されたことによる大当たり(1)と後続の作動保留球内での大当たり(1)で、合計2の、大当り(「前記所定遊技回での当たり結果を含めた数としての当たり数」)を遊技者が認識することが可能な態様で実行されるといえ、すなわち、保留内連荘演出Aは、当り数を遊技者が認識可能な態様で実行されていることは明らかである。
よって、上記相違点は実質的な相違点とはいえず、本件補正発明は引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
イ 後記(5)で請求人が主張するように、構成Kの「当たり数を遊技者が認識することが可能な態様」が、具体的な当たり数を表示する報知態様であると解釈して、上記相違点が実質的な相違点である場合について念のため検討する。
遊技機の分野において、遊技者に対して何らかの数を報知する場合に、数として報知することも数ではなく曖昧に報知することもいずれも周知技術(例えば、特許第5845508号公報(特に、【0559】参照。)、特開2019-69028号公報(特に、【0034】~【0039】参照。)を参照。)である。
そうすると、引用発明に上記周知技術を採用して、引用発明の保留内連荘演出Aで当りの数を曖昧に報知することに代えて数として報知するようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
よって、本件補正発明は、引用発明及び上記周知技術から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
(5)審判請求人の主張について
審判請求人は、令和6年4月5日提出の審判請求書において、次の点について主に主張をする(下線は当審で付した。)。
「 2.拒絶査定に対する意見
上記手続補正書により本願の請求項1を補正した結果、本願に対する上記拒絶理由は解消されたため、以下、その理由について説明する。
(2-1).本願の補正後の請求項1に係る発明について
本願の補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という)は、
・「前記第2遊技状態における所定遊技回での前記特別情報判定手段による判定結果が当たり結果である場合に、当該所定遊技回での当たり結果と、前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報に当たり結果に対応する特別情報が含まれているかの先特定の結果とに基づく特別報知を実行することが可能な特別報知手段」という第1構成と、
・「前記特別報知手段は、前記所定遊技回での当たり結果に対応する分と前記先特定により特定された当たり結果に対応する分とを含むようにして前記特別報知を実行することが可能であり」という第2構成と、
・「前記特別報知は、前記所定遊技回での当たり結果を含めた数としての当たり数を遊技者が認識することが可能な態様で実行される」という第3構成と、を一体的に備えるという特徴的構成を有している。
そして、本願発明では、上記特徴的構成により、次の優れた効果を奏することができる。
「遊技者にとって有利な第2遊技状態での所定遊技回にて当たりになった場合に、当該所定遊技回での当たり結果と、記憶されている特別情報の中に当たり結果に対応するもの(当たり保留)が含まれているかの先読み結果(先特定の結果)とに基づいて特別報知が実行され(第1構成)、その特別報知では、上記所定遊技回での当たり分と、先読みにより特定された保留記憶内での当たり分との両方を含むようにして報知が行われる(第2構成)。遊技機の内部状態は、今回遊技回(所定遊技回)の当たりとは別に保留記憶内に当たりが存在する状態であるため、1回の遊技回で実際に複数の当たりを引き当てたわけではないが、上記構成のように、所定遊技回で引き当てた今回の当たり分と、保留記憶内に控えている当たり分とをまとめて報知することで、遊技者に対して1回の遊技回で複数の当たりを引き当てたかのように感受させることができる。
その際、上記第3構成を備え、所定遊技回での当たり分と保留記憶内での当たり分との両方を含むようにして行われる特別報知が、上記所定遊技回での当たり分を含む数としての当たり数を遊技者が認識できる態様で行われるものとなっている。このような構成であることにより、特別報知に接した遊技者が具体的な当たり数をイメージすることができ、例えば、本願実施例の「V×4」のように4回分の当たり数を認識できる報知が行われた場合であれば、今回の遊技回(所定遊技回)で4回の当たりを引き当てたと遊技者に思わせることが可能になる。これにより、たくさんの当たりを1度に引き当てることができたかのように印象付けることができ、第2遊技状態での遊技回で当たり結果になった場合の遊技者の嬉しさを劇的に高めることが可能になる。」
(2-2).引用文献との対比
引用文献1には、今回変動での当否結果が大当たりである状況で、保留記憶内にも大当たりに対応する保留情報が存在する場合に「保留内連荘演出A」を実行することが可能であり、この「保留内連荘演出A」では、今回変動での装飾図柄による大当たり報知を、その他のいかなる場面でも現出することがない特殊の大当たり図柄「S・S・S」での停止表示により行うことが記載されている(段落0105、0106、0108~0112、0128欄)。
しかしながら、保留内連荘演出Aにおける「S・S・S」の表示態様自体は、普段は表示されない特殊な図柄が表示されるというものでしかなく、それ以上のものではない。
なお、引用文献1では、今回変動での大当たり結果が16R大当たりであり且つ保留記憶内に16R大当たりに対応する保留情報が存在する場合にのみ保留内連荘演出Aが実行可能とされているため(段落0106欄)、そのような仕様を知っている遊技者からすると、「S・S・S」の停止表示は、今回の大当たりが16R大当たりであり、保留の中にも16R大当たりがあることの示唆になるのかもしれない。仮にそうであったとしても、そのような示唆は、パチンコ機の仕様からもたらされるものであって、「S・S・S」という報知態様からもたらされるものではなく、ましてや、具体的な当たり数が報知態様により示されるものでないことは明らかである。
しかも、引用文献1の段落0108欄に『保留内連荘演出にて報知される特定保留の数は常に1個である』と記載されているように、引用文献1の保留内連荘演出Aでは保留記憶内の1個の保留だけを対象としており、そればかりか、保留内連荘演出Aの報知態様としても「S・S・S」の1パターンしか設けられていない。これらを踏まえると、引用文献1では、保留内に当たりがあることを示唆することまでしか考えが及んでいないのは明らかであり、今回変動での当たり結果に対応する分と先読みした後続の当たり結果に対応する分とを含むようにして特別報知を行うにあたり、当該特別報知の報知態様を、今回変動での当たり結果を含む数としての当たり数を遊技者が認識できるような態様とすることは一切記載されていない。よって、引用文献1には、少なくとも本願発明の上記第3構成についての開示や示唆がなされていないといえる。
なお、引用文献1には、当たり保留数が1個の場合は1個の奥義書画像を表示し、当たり保留数が2個の場合は2個の奥義書画像を表示する保留内連荘演出Bが記載されているが(段落0448、0449欄)、この保留内連荘演出Bは特別遊技(大当たり遊技)中に実行されるものとなっている(段落0105欄)。つまり、保留内連荘演出Bでの上記報知は、保留記憶内の当たり保留の数を今回変動の当たり分とは分離して報知するものでしかないため、本願発明の「特別報知」とは大きく異なるものである。
以上のように本願発明と引用文献1に記載された発明とは構成が全く相違するとともに、引用文献1にはその相違点を埋め合わせるだけの動機付けとなる記載が存在しない。また、引用文献1に記載された発明において本願発明が奏する効果を期待することもできない。
したがって、本願発明が新規性及び進歩性を備えないとする合理的理由がなく、本願に対して指摘された特許法第29条第1項第3号及び第29条第2項の拒絶理由(理由1、2)は解消されていると確信する。」
そこで、審判請求人の上記主張について検討すると、本件補正発明の構成Kにおける「前記所定遊技回での当たり結果を含めた数としての当たり数を遊技者が認識することが可能な態様」では、具体的な当たり数を表示する報知態様であることまで特定されていないので請求人の主張は特許請求の範囲の記載に基づく主張ではないし、仮にそのように特定する趣旨であると善解しても周知技術の採用に過ぎないことは上記(4)のとおりである。
そうすると、引用発明の構成j~kでは、「保留内連荘演出Aが発生した場合、高利益大当り(16R大当り)で保留内連荘することが確定的とな」るのであるから、「保留内連荘演出A」が発生すれば、遊技者は、当たり数が2であることを認識することが可能であって、「そのような示唆は、パチンコ機の仕様からもたらされるものであって、「S・S・S」という報知態様からもたらされるものではなく、ましてや、具体的な当たり数が報知態様により示されるものでないことは明らかである」及び「今回変動での当たり結果を含む数としての当たり数を遊技者が認識できるような態様とすることは一切記載されていない」という請求人の上記主張は妥当ではなく採用することができない。
(6)まとめ
上記(1)~(5)より、本件補正発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
また、本件補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 むすび
本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和5年10月5日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、概ね、次のとおりである。
1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
●理由1(新規性)、理由2(進歩性)について
・請求項 1
・引用文献等 1
<引用文献等一覧>
1. 特開2016-67909号公報
3 引用文献1の記載事項、引用発明
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2016-67909号公報(上記第2〔理由〕2-2(2)の引用文献1)の記載事項及び引用発明の認定については、上記「第2〔理由〕2-2(2)引用文献1の記載事項、引用発明」に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明(上記「第2[理由]1(補正前)」)は、本件補正発明(上記「第2[理由]1(補正後)」)から上記「第2 2-1」において検討したとおり、表現態様を変更した「当たり結果」を「当選結果」に戻し、「特別報知」が「前記所定遊技回での当たり結果を含めた数としての当たり数を遊技者が認識することが可能な態様で実行されること」という限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに限定を付加したものである本件補正発明が上記第2[理由]2-2(6)で述べたとおり、引用発明であり、また、引用発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、本願発明も、引用発明であり、また、引用発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
5 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
また、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
〔審決分類〕P18 .113- Z (A63F)
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2024-005708