特許拒絶査定不服審判
2025-004818
遊技機
- 審判番号
- 2025-004818
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2023-184393
- 請求日
- 2025年03月31日
- 審決日
- 2026年05月13日
- 公報発行日
- 2026年07月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社サンセイアールアンドディ
- 【請求人代理人】弁理士法人上野特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼川 康史
- 審判官 蔵野 いづみ
- 審判官 小野 郁磨
- 分類
- P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2023-184393「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年12月 8日出願公開、特開2023-175045〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成31年2月26日(以下「遡及日」という。)に出願した特願2019-32237の一部を令和5年10月27日に新たな特許出願(特願2023-184393)としたものであって、令和6年7月25日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月26日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年12月20日付け(送達日:令和7年1月7日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年3月31日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和7年3月31日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和7年3月31日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲についてする補正であって、令和6年9月26日提出の手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
(本件補正前の請求項1)
「【請求項1】
表示装置の表示領域に当否抽選結果を報知するための複数種の装飾図柄が表示される遊技機であって、
前記装飾図柄により構成される図柄組み合わせが特定組み合わせとなったときに遊技者に有利な事象が発生するものであり、
前記特定組み合わせは、複数種の前記装飾図柄のいずれかであって種類が不定である対象装飾図柄を含むものであり、
前記特定組み合わせが構成されるかどうか遊技者には分からない状態で、複数種の前記装飾図柄のいずれが前記対象装飾図柄とされたのかを示唆する事前画像を表示する事前演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機。
ただし、前記事前画像は、前記装飾図柄ではなく、前記装飾図柄の一部を構成していた図柄でもない。」とあったものを、
(本件補正後の請求項1)
「【請求項1】
表示装置の表示領域に当否抽選結果を報知するための複数種の装飾図柄が表示される遊技機であって、
前記装飾図柄により構成される図柄組み合わせが特定組み合わせとなったときに遊技者に有利な事象が発生するものであり、
前記特定組み合わせは、複数種の前記装飾図柄のいずれかであって種類が不定である対象装飾図柄を含むものであり、
前記特定組み合わせが構成されるかどうか遊技者には分からない状態で、複数種の前記装飾図柄のいずれが前記対象装飾図柄とされたのかを示唆する事前画像を表示する事前演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機。
ただし、
前記事前画像は、前記装飾図柄ではなく、前記装飾図柄の一部が飛び出て構成された画像ではなく、
前記特定組み合わせは、リーチ状態ではない。」と補正するものである(下線は、補正箇所を示すために当審で付した。)。
2 補正事項
本件補正は、本件補正前の請求項1の記載において、「ただし、前記事前画像は、前記装飾図柄ではなく、前記装飾図柄の一部を構成していた図柄でもない。」の記載を、「ただし、前記事前画像は、前記装飾図柄ではなく、前記装飾図柄の一部が飛び出て構成された画像ではなく、前記特定組み合わせは、リーチ状態ではない。」に補正するものである(以下「補正事項」という。)。
3 補正の目的について
上記補正事項は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「事前画像」について、「前記装飾図柄の一部を構成していた図柄でもない」点を削除したうえで、「前記装飾図柄の一部が飛び出て構成された画像ではな」いことを限定し、同じく「特定組み合わせ」について、「リーチ状態ではない」ことを限定するものである。
そして、上記補正事項は、「前記装飾図柄の一部を構成していた図柄でもない」点を削除した点で部分的に拡張しているといえなくもないが、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であり、かつ、上記のとおり限定する事項を含むから特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものを含むものである。
4 新規事項の追加の有無について
本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)における【0022】、図3等の記載に基づくものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
5 独立特許要件の判断
上記3で検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものを含むから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について検討する。
(1) 本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである(符号A等は、分説するため当審で付した。以下「A」等が付された事項を「特定事項A」等という。以下同様。)。
(本願補正発明)
「【請求項1】
A 表示装置の表示領域に当否抽選結果を報知するための複数種の装飾図柄が表示される遊技機であって、
B 前記装飾図柄により構成される図柄組み合わせが特定組み合わせとなったときに遊技者に有利な事象が発生するものであり、
C 前記特定組み合わせは、複数種の前記装飾図柄のいずれかであって種類が不定である対象装飾図柄を含むものであり、
D 前記特定組み合わせが構成されるかどうか遊技者には分からない状態で、複数種の前記装飾図柄のいずれが前記対象装飾図柄とされたのかを示唆する事前画像を表示する事前演出を実行することが可能である
E ことを特徴とする遊技機。
F ただし、
F1 前記事前画像は、前記装飾図柄ではなく、前記装飾図柄の一部が飛び出て構成された画像ではなく、
F2 前記特定組み合わせは、リーチ状態ではない。」
(2) 引用文献1
ア 記載事項
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願の遡及日前に日本国内又は外国において頒布され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-115323号公報(平成22年5月27日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。
「【0034】
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。」
「【0040】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。」
「【0052】
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を複数の図柄表示エリア9L、9C、9R各々において行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。」
「【0079】
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。演出表示装置9において変動表示されるとともに停止表示される演出図柄としては、「1」~「8」の計8個の図柄が設けられている。各演出図柄は、「1」~「8」のいずれかの数字と、図柄毎に定められたキャラクタとから構成されている。たとえば、「7」の演出図柄としては、「7」の数字と、「7」用のキャラクタ(たとえば髪の毛を下ろした女の子のキャラクタなど、図38参照)とから構成されている。なお、図1、図24~図26において示される演出図柄としては、説明の便宜上、数字のみ図示しているが、本実施の形態における演出図柄は図38に図示されるように、数字とキャラクタとから構成されている。」
「【0110】
始動入賞を契機として、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の変動表示結果である停止図柄を停止表示(導出表示)する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。小当りにすることに決定されている場合には、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が導出表示された場合には、遊技状態が、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、小当り図柄が導出表示された場合には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。」
「【0264】
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、当り判定を実行する(S61、S62)。当り判定では、遊技状態に応じて予め決められている大当り判定値(図7(A)、(B)参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りまたは小当りとすることに決定する処理を実行する。なお、変動開始時における当り判定では、現在の遊技状態に対応する判定値が用いられる。このため、先読み時において当りでないと判定されたときであっても変動開始時において当りと判定される場合が生じ得る。その結果、前述した先読み予告が行なわれていないときであっても、当りになることに対し遊技者に期待感を抱かせることができる。
・・・
【0269】
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「8」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」~「6」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「2R確変」に決定した場合には、2R大当り図柄となる「6」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変」に決定した場合には「1」~「3」のいずれかを、「15R非確変」に決定した場合には「4」または「5」を、特別図柄の停止図柄に決定する。」
「【0355】
図36は、チャンス目を示す説明図である。図36に示すチャンス目GC1~GC8は、先読み予告実行中の各変動表示(予告対象の変動表示を除く)および先読み予告実行中であるか否かに関わらず擬似連中の各変動(最終変動を除く)において停止表示される。「左図柄」は「左」の図柄表示エリア9Lに停止表示される演出図柄であり、「中図柄」は「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される演出図柄であり、「右図柄」は「右」の図柄表示エリア9Rに停止表示される演出図柄である。
・・・
【0361】
本実施の形態におけるチャンス目パターン決定用テーブルは、再変動回数が多い擬似連である程、昇順パターンあるいは降順パターンに決定される割合が高くなるように、また、再変動回数が大当り確定となる4回の擬似連であるときには降順パターンよりも昇順パターンに決定される割合が高くなるように、判定値が設定されている。擬似連において再変動回数が多い程、大当りとなる信頼度が高くなることを説明したが、これにより、連続して停止表示されるチャンス目が変化する方が大当りとなることに対する期待感を抱かせることができる。また、連続して停止表示されるチャンス目が昇順で変化する場合には、降順で変化する場合より大当りとなることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。」
「【0362】
次に、変動表示中に実行される予告のうち、チャンス目予告の具体例を図38を参照して説明する。図38は、チャンス目予告が実行されるときの演出表示装置9における表示動作例を示す説明図である。
【0363】
チャンス目予告は、「左」の図柄表示エリア9Lおよび「右」の図柄表示エリア9Rに、チャンス目以外でかつリーチの組合せ以外となる演出図柄の組合せを停止表示させ、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて変動表示が行なわれている状態において実行される。
・・・
【0365】
図38(a)では、「左」の図柄表示エリア9Lに「7」の演出図柄が停止され、「右」の図柄表示エリア9Rに、「7」の演出図柄と4図柄離れた「3」の演出図柄が停止されて、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて変動表示が行なわれている状態を示している。
【0366】
チャンス目予告としては、滑りパターン、図柄キャラクタパターン、特殊パターン、およびボタン操作パターンを含む複数種類のチャンス目予告が設けられている。
・・・
【0368】
図柄キャラクタパターンとは、図38(d)および(e)に示すように、一旦停止された「左」および「右」の演出図柄のうち少なくとも一方(たとえば、「左」の演出図柄)の図柄のキャラクタを用いた所定の演出を実行させることにより、その後チャンス目が停止表示される可能性があることを予告するパターンをいう。図38(d)および(e)では、「7」の演出図柄を構成していたキャラクタが飛び出すような演出が行なわれた後、当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出が行なわれている。なお、図柄キャラクタパターンは、一旦停止している演出図柄の種類に応じて、他の演出図柄とは異なる当該演出図柄独自の演出が実行されるように構成されている。
・・・
【0371】
チャンス目予告が行なわれた後、停止タイミングにおいて、予め決定されている演出図柄を停止表示させる演出が行なわれる。たとえば、リーチ状態となる場合には、図38(k)に示すように、「右」の演出図柄として、「左」と同じ「7」が停止表示されてリーチの組合せとなる。また、チャンス目となる場合には、図38(l)に示すように、「左」の演出図柄との関係においてチャンス目GC7を構成する「8」が停止表示されてチャンス目となり得る組合せとなる。」
「【図36】
[図:0001437018000001.jpg]
」
「【図38】
[図:0001437018000002.jpg]
」
イ 認定事項
(ア) 【0040】の「第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器・・・と総称する」の記載、【0052】の「第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。」の記載、及び【0110】の「大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。小当りにすることに決定されている場合には、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。」の記載からみて、引用文献1には、「特別図柄表示器において大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示され、特別図柄表示器において小当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において小当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示され、特別図柄表示器においてはずれ図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9においてはずれを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示されること。」が記載されていると認められる(認定事項ア)。
(イ) 【0079】の「演出表示装置9において変動表示されるとともに停止表示される演出図柄としては、「1」~「8」の計8個の図柄が設けられている。各演出図柄は、「1」~「8」のいずれかの数字と、図柄毎に定められたキャラクタとから構成されている。たとえば、「7」の演出図柄としては、「7」の数字と、「7」用のキャラクタ(たとえば髪の毛を下ろした女の子のキャラクタなど、図38参照)とから構成されている。」の記載、及び図38の図示内容からみて、引用文献1には、「演出図柄は、数字と、キャラクタの顔が描かれた画像とから構成されること。」が記載されていると認められる(認定事項イ)。
(ウ) 【0355】の「図36は、チャンス目を示す説明図である。・・・「左図柄」は「左」の図柄表示エリア9Lに停止表示される演出図柄であり、「中図柄」は「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される演出図柄であり、「右図柄」は「右」の図柄表示エリア9Rに停止表示される演出図柄である。」の記載、及び図36の図示内容からみて、引用文献1には、「チャンス目GC1は、「左」の図柄表示エリア9Lに停止表示される演出図柄が「1」であり、「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される演出図柄が「1」であり、「右」の図柄表示エリア9Rに停止表示される演出図柄が「2」である「112」の組み合わせであり、以下、「左」、「右」「右」の順に、チャンス目GC2では「2」、「2」、「3」の演出図柄が停止表示され、「223」の組み合わせ、同様にチャンス目GC3では、「3」、「3」、「4」からなる「334」の組み合わせ、チャンス目GC4では、「4」、「4」、「5」からなる「445」の組み合わせ、チャンス目GC5では、「5」、「5」、「6」からなる「556」の組み合わせ、チャンス目GC6では、「6」、「6」、「7」からなる「667」の組み合わせ、チャンス目GC7では、「7」、「7」、「8」から「778」の組み合わせ、チャンス目GC8では、「8」、「8」、「1」の「881」の組み合わせの演出図柄が停止表示されること。」が記載されていると認められる(認定事項ウ)。
(エ) 【0368】の「図38(d)および(e)では、「7」の演出図柄を構成していたキャラクタが飛び出すような演出が行なわれた後、当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出が行なわれている。」の記載、及び図38(d)、(e)の図示内容からみて、引用文献1には、「「右」の演出図柄に対して魔法をかけるキャラクタは、全身が描かれ、左手にアイテムを持った画像として表示されること。」が記載されていると認められる(認定事項エ)。
ウ 引用文献1に記載された発明
上記ア及びイから、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用発明)
「当り判定を実行し(【0264】)、特別図柄の停止図柄を、大当り図柄、小当り図柄、及びはずれ図柄のいずれかに決定し(【0269】)、特別図柄の変動表示時間中に、演出用の図柄としての演出図柄の変動表示を演出表示装置9の複数の図柄表示エリア9L、9C、9R各々において行ない(【0040】、【0052】)、
特別図柄表示器において大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示され、特別図柄表示器において小当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において小当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示され、特別図柄表示器においてはずれ図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9においてはずれを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される(認定事項ア)パチンコ遊技機1(【0034】)であって、
演出表示装置9において変動表示されるとともに停止表示される演出図柄としては、「1」~「8」の計8個の図柄が設けられ、各演出図柄は、「1」~「8」のいずれかの数字と、図柄毎に定められたキャラクタとから構成され、たとえば、「7」の演出図柄としては、「7」の数字と、「7」用のキャラクタの顔が描かれた画像とから構成されており(【0079】)、
チャンス目GC1~GC8は、擬似連中の最終変動を除く各変動において停止表示され(【0355】)、
チャンス目GC1は、「左」の図柄表示エリア9Lに停止表示される演出図柄が「1」であり、「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される演出図柄が「1」であり、「右」の図柄表示エリア9Rに停止表示される演出図柄が「2」である「112」の組み合わせであり、以下、「左」、「右」「右」の順に、チャンス目GC2では「2」、「2」、「3」の演出図柄が停止表示され、「223」の組み合わせ、同様にチャンス目GC3では、「3」、「3」、「4」からなる「334」の組み合わせ、チャンス目GC4では、「4」、「4」、「5」からなる「445」の組み合わせ、チャンス目GC5では、「5」、「5」、「6」からなる「556」の組み合わせ、チャンス目GC6では、「6」、「6」、「7」からなる「667」の組み合わせ、チャンス目GC7では、「7」、「7」、「8」から「778」の組み合わせ、チャンス目GC8では、「8」、「8」、「1」の「881」の組み合わせで演出図柄が停止表示されるものであり(認定事項ウ)
擬似連において再変動回数が多い程、大当りとなる信頼度が高くなり(【0361】)、
チャンス目予告は、「左」の図柄表示エリア9Lおよび「右」の図柄表示エリア9Rに、チャンス目以外でかつリーチの組合せ以外となる演出図柄の組合せを停止表示させ、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて変動表示が行なわれている状態において実行され(【0363】)、
「左」の図柄表示エリア9Lに「7」の演出図柄が停止され、「右」の図柄表示エリア9Rに「3」の演出図柄が停止されて、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて変動表示が行なわれている状態から(【0365】)、
チャンス目予告として、図柄キャラクタパターンが設けられ(【0366】)、
図柄キャラクタパターンとは、一旦停止された「左」および「右」の演出図柄のうち少なくとも一方の図柄のキャラクタを用いた所定の演出を実行させることにより、その後チャンス目が停止表示される可能性があることを予告するパターンをいい(【0368】)、
「左」の演出図柄である「7」の演出図柄を構成していたキャラクタが飛び出すような演出が行なわれた後、全身が描かれ、左手にアイテムを持った画像として表示された当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出が行なわれ(【0368】、認定事項エ)、
チャンス目予告が行なわれた後、停止タイミングにおいて、予め決定されている演出図柄を停止表示させる演出が行なわれ、チャンス目となる場合には、「左」の演出図柄との関係においてチャンス目GC7を構成する「8」が停止表示されてチャンス目となり得る組合せとなる(【0371】)、
パチンコ遊技機1(【0034】)。」
(3) 対比・判断
本願補正発明と引用発明とを対比する。
ア 特定事項A、E
引用発明の「演出表示装置9」及び「図柄表示エリア9L、9C、9R」は、本願補正発明の「表示装置」及び「表示領域」に、それぞれ相当する。
そして、引用発明の「当り判定を実行し」て「決定」された「特別図柄の停止図柄」は、本願補正発明の「当否抽選結果」に相当する。
そうすると、引用発明の「特別図柄表示器において大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような」「組合せ」で「停止表示され、特別図柄表示器において小当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において小当りを想起させるような」「組合せ」で「停止表示され、特別図柄表示器においてはずれ図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9においてはずれを想起させるような」「組合せ」で「停止表示される」「演出図柄」は、本願補正発明の「表示装置の表示領域に当否抽選結果を報知するため」に「表示される」「装飾図柄」に相当する。
また、引用発明の「演出表示装置9において変動表示されるとともに停止表示される」「「1」~「8」の計8個の」「演出図柄」は、本願補正発明の「複数種の装飾図柄」に相当し、引用発明の「パチンコ遊技機1」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
以上のことから、引用発明は、本願補正発明の特定事項A、Eを備える。
イ 特定事項B
引用発明の「「左」の図柄表示エリア9Lに停止表示される演出図柄」、「「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される演出図柄」及び「「右」の図柄表示エリア9Rに停止表示される演出図柄」の「組み合わせ」は、本願補正発明の「前記装飾図柄により構成される図柄組み合わせ」に相当する。
そして、引用発明の「チャンス目GC1~GC8」は、それぞれ、「112」、「223」、「334」、「445」、「556」、「667」、「778」、「「881」の組み合わせ」からなるものであり、さらに、「チャンス目GC1~GC8は、擬似連中の最終変動を除く各変動において停止表示され」ることから、引用発明においては、「チャンス目」が「停止表示され」ると「擬似連において再変動」が発生するものであり、「擬似連において再変動回数が多い程、大当りとなる信頼度が高くな」ることから、引用発明の「擬似連において再変動」が発生することは、本願補正発明の「遊技者に有利な事象が発生する」ことに相当し、そうすると、引用発明の「チャンス目」は、本願補正発明の「遊技者に有利な事象が発生する」「特定組み合わせ」に相当する。
以上のことから、引用発明は、本願補正発明の特定事項Bを備える。
ウ 特定事項C
引用発明においては、「「左」の演出図柄との関係においてチャンス目」「を構成する」「「右」の演出図柄」「が停止表示されてチャンス目となり得る」ことから、引用発明の「チャンス目(本願補正発明の「特定組み合わせ」に相当。)」は、「「左」の演出図柄との関係において」規定される「「右」の演出図柄」を含むものといえるから、引用発明の当該「「右」の演出図柄」は、本願補正発明の「特定組み合わせ」に含まれる「対象装飾図柄」に相当する。
そして、引用発明の当該「「右」の演出図柄」は、「チャンス目」が「「左」の演出図柄との関係において」規定されることから、本願補正発明の「対象装飾図柄」の、「複数種の前記装飾図柄のいずれかであって種類が不定である」という構成を満たす。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Cを備える。
エ 特定事項D
引用発明の「「左」の図柄表示エリア9Lに「7」の演出図柄が停止され、「右」の図柄表示エリア9Rに「3」の演出図柄が停止されて、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて変動表示が行なわれている状態」は、その後「チャンス目」となるか否か、遊技者には不明であることは明らかであるから、本願補正発明の「前記特定組み合わせが構成されるかどうか遊技者には分からない状態」に相当する。
そして、引用発明の「図柄キャラクタパターン」の「チャンス目予告」は、「一旦停止された「左」および「右」の演出図柄のうち少なくとも一方の図柄のキャラクタを用いた所定の演出を実行させることにより、その後チャンス目が停止表示される可能性があることを予告するパターン」である。
そうすると、引用発明において、「「左」の演出図柄である「7」の演出図柄を構成していたキャラクタが飛び出すような演出が行なわれた後、全身が描かれ、左手にアイテムを持った画像として表示された当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出」は「チャンス目予告」であって、具体的には、「「左」の演出図柄」が「7」であることから、「チャンス目GC7」を構成する可能性があること、すなわち、「「右」の演出図柄」として「8」の演出図柄が停止される可能性があることを示唆しているといえる。
してみると、引用発明の「全身が描かれ、左手にアイテムを持った画像として表示された当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出」の画像は、「チャンス目GC7」を構成する「「右」の演出図柄」「8」(本願補正発明の「対象装飾図柄」に相当。)を示唆しているといえるから、当該画像、及び当該画像を表示することは、本願補正発明の「事前画像」、及び「事前演出」に相当する。
以上のことから、引用発明は、本願補正発明の特定事項Dを備える。
オ 特定事項F、F1
引用発明の「演出図柄(本願補正発明の「装飾図柄」に相当。)」は、「数字」と、「キャラクタの顔が描かれた画像とから構成され」るものであるから、引用発明の「全身が描かれ、左手にアイテムを持った画像として表示された当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出」の画像(本願補正発明の「事前画像」に相当。)は、「演出図柄」とは異なるものである。
さらに、引用発明の「全身が描かれ、左手にアイテムを持った画像として表示された当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出」の画像は、「数字」と、「キャラクタの顔が描かれた画像とから構成され」る「演出図柄」の一部が飛び出して構成された画像とはいえない。
以上のことから、引用発明は、本願補正発明の特定事項F、F1を満たす。
カ 特定事項F、F2
引用発明の「チャンス目(本願補正発明の「特定組み合わせ」に相当。)」が、リーチ状態ではないことは明らかである。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項F、F2を満たす。
キ 一致点・相違点
以上のとおりであるから、本願補正発明と引用発明は、全ての点で一致し、相違点はない。
ク 審判請求人の主張について
審判請求人は、令和7年3月31日付け審判請求書(以下、単に「審判請求書」という。)の「(4)原査定が取り消されるべき理由」において、特に以下の主張をする(下線は審判請求人が付与したとおり。)。
(ア) 取消事由1-1について
「 令和6年7月25日付拒絶理由通知書では、
『図38(d)および(e)に示すように、一旦停止された「左」および「右」の演出図柄のうち少なくとも一方・・・図38(d)および(e)では、「7」の演出図柄を構成していたキャラクタが飛び出すような演出が行なわれた後、当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出が行なわれ(段落368、図38(a)、(d)、(e))、』
と記載されている。
つまり、審査においては、本願発明の事前画像に相当するとされた「魔法をかけるキャラクタ」は、「左演出図柄「7」を構成していたキャラクタ」であると認定している。
そうであるにもかかわらず、(「左演出図柄「7」を構成していたキャラクタ」であるはずの)「魔法をかけるキャラクタ」が、本願発明の「前記事前画像は、・・・装飾図柄の一部を構成していた図柄でもない」とする事項と一致するというのは明らかに妥当性を欠く(「構成していた」と認定しているのに、「構成していた」ものであることを否定する発明特定事項と一致するといえるのは何故なのか分からない)。」
【0368】の「図38(d)および(e)では、「7」の演出図柄を構成していたキャラクタが飛び出すような演出が行なわれた後、」は、上記(2)イ(エ)の認定事項エについての説示のとおり、図38(d)、(e)の図示内容からみて、引用文献1には、「右」の演出図柄に対して魔法をかけるキャラクタは、全身が描かれ、左手にアイテムを持った画像として表示されることを、「ように」を付けて比喩的に表現したものにすぎない。
したがって、審判請求人が主張するような、「左演出図柄「7」を構成していたキャラクタ」であると認定したものではない。
(イ) 取消事由1-2について
「引用文献1の段落0368には、
「「7」の演出図柄を構成していたキャラクタが飛び出すような演出が行なわれた後、当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出が行なわれている。」
と記載されている。
つまり、引用発明1における「魔法をかけるキャラクタ」は、「7」の演出図柄の一部が飛び出て構成されたものであることは明らかである。
一方、本願発明は、「前記事前画像は、・・・前記装飾図柄の一部が飛び出て構成された画像ではな」いのであるから、かかる点において引用発明1と相違する。
そして、引用文献1を通じ、「魔法をかけるキャラクタ」を、「7」の演出図柄の一部が飛び出て構成されたものとしないように変更することについて動機付けとなるような記載は全く無い。」
しかしながら、上記オにて説示のとおり、引用発明の「全身が描かれ、左手にアイテムを持った画像として表示された当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出」の画像(本願補正発明の「事前画像」に相当。)は、「演出図柄(本願補正発明の「装飾図柄」に相当。)」の一部を構成する「キャラクタの顔が描かれた画像」とは異なる画像である。
そうすると、審判請求人の「「魔法をかけるキャラクタ」は、「7」の演出図柄の一部が飛び出て構成されたものであることは明らかである」という主張は採用できない。
(ウ) 取消事由1-3について
「なお、本願発明の事前画像は「装飾図柄ではない」ことが特定されている。
(c)そもそも、原査定が示す論理は、図36の「チャンス目GC7」を勘案しなければならない(遊技者がいわゆるチャンス目法則を知っていなければならない)というものであるところ、チャンス目法則を知らない遊技者が「魔法をかけるキャラクタ」のみを見て右演出図柄「8」を示唆していると感じ取れるはずがない。
なお、本願発明の事前画像は「対象装飾図柄」を示唆するものであり、「特定組み合わせ」が構成されることを示唆するものではない。」
しかしながら、引用文献1に接した当業者は、図36のみならず、図36がチャンス目予告であることを説明する発明の詳細な説明の【0368】等の記載を魔法をかけるような演出は、チャンス目予告であって、具体的には、「「左」の演出図柄」が「7」であることから、「チャンス目GC7」を構成する、「「右」の演出図柄」として「8」の演出図柄が停止される可能性があることを示唆していると理解できるから、左演出図柄に「7」が表示された状態で「魔法をかけるキャラクタ」を見ることにより、右演出図柄「8」が、本願補正発明でいうところの「対象装飾図柄」を示唆していることを感じ取れることは明らかであるから、「魔法をかけるキャラクタ」は、「対象装飾図柄」を示唆するものといえる。
よって、請求人の主張は採用できない。
(4) まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明である。
また、本願補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本願補正発明は、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
6 補正の却下の決定についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願の請求項1に係る発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和6年9月26日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものであり、再掲すると、次のとおりのものである。
「【請求項1】
A 表示装置の表示領域に当否抽選結果を報知するための複数種の装飾図柄が表示される遊技機であって、
B 前記装飾図柄により構成される図柄組み合わせが特定組み合わせとなったときに遊技者に有利な事象が発生するものであり、
C 前記特定組み合わせは、複数種の前記装飾図柄のいずれかであって種類が不定である対象装飾図柄を含むものであり、
D 前記特定組み合わせが構成されるかどうか遊技者には分からない状態で、複数種の前記装飾図柄のいずれが前記対象装飾図柄とされたのかを示唆する事前画像を表示する事前演出を実行することが可能である
E ことを特徴とする遊技機。
F’ ただし、前記事前画像は、前記装飾図柄ではなく、前記装飾図柄の一部を構成していた図柄でもない。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、次の理由を含むものである。
1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
●理由1(特許法第29条第1項第3号)、理由2(特許法第29条第2項)について
・請求項1
・引用文献等1
<引用文献等一覧>
1.特開2010-115323号公報
3 引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1は、上記第2[理由]5(2)アにおいて引用文献1として引用したものであるところ、その記載事項は、上記第2[理由]5(2)アに摘記したとおりであり、引用発明は、上記第2[理由]5(2)ウで認定したとおりである。
4 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比する。
(1) 特定事項A~Eについては、上記第2[理由]5(3)ア~エで説示したとおりである。
(2) 特定事項F’について
引用発明の「演出図柄(本願発明の「装飾図柄」に相当。)」は、「数字」と、「キャラクタの顔が描かれた画像とから構成され」るものであるから、引用発明の「全身が描かれ、左手にアイテムを持った画像として表示された当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出」の画像(本願発明の「事前画像」に相当。)は、「演出図柄」とは異なるものである。
さらに、引用発明の「全身が描かれ、左手にアイテムを持った画像として表示された当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出」の画像は、「数字」と、「キャラクタの顔が描かれた画像とから構成され」る「演出図柄」の一部が構成していた図柄とはいえない。
以上のことから、引用発明は、本願発明の特定事項F’を満たす。
(3) 一致点・相違点
以上のとおりであるから、本願発明と引用発明は、全ての点で一致し、相違点はない。
よって、本願発明は、引用発明である。
また、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号または同条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2025-004818