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特許拒絶査定不服審判

2024-007297

遊技機

審判番号
2024-007297
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-138392
請求日
2024年04月30日
審決日
2025年04月22日
公報発行日
2025年07月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社サンセイアールアンドディ
  • 【請求人代理人】田邊 淳也
審判長/審判官
  • 審判長 渋谷 知子
  • 審判官 小林 俊久
  • 審判官 澤田 真治
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .574-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第29条、特許法第159条、特許法第17条の2第6項
データ出所
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特願2019-138392「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和3年2月18日出願公開、特開2021-19877〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和1年7月27日に出願した特許出願(特願2019-138392)であって、本願の出願後の手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和4年 7月22日 :手続補正書、上申書の提出 令和5年 4月21日付け:拒絶理由通知書 6月29日 :意見書、手続補正書の提出 9月 6日付け:拒絶理由通知書(最後) 10月24日 :意見書、手続補正書の提出 令和6年 1月24日付け:補正の却下の決定 同日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) 2月 6日 :原査定の謄本の送達 4月30日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和6年4月30日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年4月30日にされた手続補正を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1) 本件補正後の特許請求の範囲の記載 令和6年4月30日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、令和5年6月29日提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1に、 (本件補正前) 「【請求項1】 画像を表示して演出をおこなうことが可能な第1表示領域および第2表示領域を有する表示装置を備えた遊技機であって、 特定演出の内容を示すとともに前記特定演出の実行を予告する予告画像を、前記第1表示領域に表示した後、前記第2表示領域に移動表示させる画像移動表示演出と、 前記画像移動表示演出によって前記予告画像が前記第1表示領域から前記第2表示領域へ移動した場合、前記特定演出の実行が確定したことを前記第2表示領域への移動に合わせて報知する実行確定演出と、を実行可能である、 ことを特徴とする遊技機。」 とあったものを、 審判請求時に提出された手続補正書(令和6年4月30日提出)の特許請求の範囲の請求項1における (本件補正後) 「【請求項1】 画像を表示して演出をおこなうことが可能な第1表示領域および第2表示領域を有する表示装置を備えた遊技機であって、 特定演出の内容を示すとともに前記特定演出の実行を予告する予告画像を、前記第1表示領域に表示した後、前記第2表示領域に移動表示させる画像移動表示演出と、 前記画像移動表示演出によって前記予告画像が前記第1表示領域から前記第2表示領域へ移動した場合、前記特定演出の実行が確定したことを報知する実行確定演出と、を実行可能であり、 前記実行確定演出の実行後、擬似連演出またはSPリーチ演出のいずれかである前記特定演出を実行する、 ことを特徴とする遊技機。」 とする補正を含むものである(下線は補正箇所を示すために当審合議体が付した。)。 2 補正の適否 (1) 補正の内容 本件補正は、補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「前記予告画像が前記第1表示領域から前記第2表示領域へ移動した場合、前記特定演出の実行が確定したことを前記第2表示領域への移動に合わせて報知する実行確定演出」との記載から、「前記第2表示領域への移動に合わせて」との記載を削除して、「前記予告画像が前記第1表示領域から前記第2表示領域へ移動した場合、前記特定演出の実行が確定したことを報知する実行確定演出」との記載に変更する補正(以下「補正事項1の補正」という。)と、同じく補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「特定演出」が、「実行確定演出の実行後」に「実行する」ものであって、「擬似連演出またはSPリーチ演出のいずれかである」ことを特定する記載を追加する補正(以下「補正事項2の補正」という。)を含むものである。 (2) 補正の目的について 補正事項1の補正は、「予告画像」の「第2表示領域への移動」と、「特定演出の実行が確定したこと」の「報知」との、時系列での関係を特定した補正前の記載から、両者の時系列での関係が特定されない補正後の記載に変更するものであり、当該補正が、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しないことは明らかであり、補正事項2の補正を踏まえてもこの判断は変わるものではない。 そして、補正事項1の補正に係る補正前の記載については、原査定で「請求項1に「前記第2表示領域への移動に合わせて報知する実行確定演出」とあるが、「移動」の何に、「報知」の何を「合わせる」のかが不明であり、発明が不明確である。」と指摘されていたところ、補正により、「前記第2表示領域への移動に合わせて」との記載を削除することで、「「移動」の何に、「報知」の何を「合わせる」のか」が明りょうになったとはいえないから、当該補正は、特許法17条の2第5項4号に掲げる明りょうでない記載の釈明を目的とするものにも該当しないし、補正事項2の補正を踏まえてもこの判断は変わるものではない。 また、補正事項1の補正は、請求項1を削除するものではないから、特許法17条の2第5項1号に掲げる請求項の削除を目的とするものにも該当しない。 さらに、補正事項1の補正に係る補正前の記載は、誤記を含むものとは認められないから、当該補正は、特許法17条の2第5項3号に掲げる誤記の訂正を目的とするものにも該当しない。 したがって、補正事項1の補正を含む本件補正は、特許法17条の2第5項に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しないものを含むものである。 3 独立特許要件についての検討 補正事項1の補正は、上記2(2)で検討したとおり、特許法17条の2第5項の規定に違反するものであり、特許法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものであるが、補正事項2の補正を含む本件補正が、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当するものと仮定して、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか)について付加的に検討する。 (1) 本件補正発明の認定 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)は、上記1(1)に(本件補正後)として記載したとおりのものであるところ、本件補正発明について以下に再掲する(符号A等は、分説するために当審合議体が付した。以下、A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。 (本件補正発明) 「【請求項1】 A 画像を表示して演出をおこなうことが可能な第1表示領域および第2表示領域を有する表示装置を備えた遊技機であって、 B 特定演出の内容を示すとともに前記特定演出の実行を予告する予告画像を、前記第1表示領域に表示した後、前記第2表示領域に移動表示させる画像移動表示演出と、 C 前記画像移動表示演出によって前記予告画像が前記第1表示領域から前記第2表示領域へ移動した場合、前記特定演出の実行が確定したことを報知する実行確定演出と、を実行可能であり、 D 前記実行確定演出の実行後、擬似連演出またはSPリーチ演出のいずれかである前記特定演出を実行する、 E ことを特徴とする遊技機。」 (2) 引用文献について 原査定の拒絶の理由において引用文献1として引用され、本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-189418号公報(平成29年10月19日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は当審合議体が付した。)。 ア 記載事項 (ア) 「【0024】 そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の押下操作を受け付ける演出ボタン208、遊技者の左右方向の回転操作を受け付ける演出ハンドル209が設けられている。 【0025】 演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。」 (イ) 「【0407】 ここで、要素演出というのは、例えば、上記のように、演出表示部200aにおいて演出図柄210a、210b、210cが変動表示される図柄表示演出や、リーチ発展演出で演出表示部200aに表示される画像、さらには、演出役物装置202を可動させる演出等をいうものである。本実施形態では、変動演出を構成する要素演出として、変動演出中のさまざまなタイミングで予告演出が実行される。 【0408】 この予告演出というのは、変動演出の開始時や、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出における演出図柄210a、210b、210cの再変動表示時、さらには、リーチ発展演出中等に、演出表示部200aに所定の画像を表示したり、所定のタイミングで演出役物装置202を可動したりする演出であり、予告演出ごとに、その実行可否や実行パターンが決定される。各予告演出には、それぞれ実行パターンが複数種類設けられ、複数種類の実行パターンそれぞれについて、変動パターン番号や変動モード番号ごとに、換言すれば、大当たりの当選可否ごとに選択比率が設定され、この選択比率によって、実行パターンごとに大当たりの信頼度が設定されている。 【0409】 図50は、予告演出の一例を説明する図である。上記したように、予告演出は、変動演出の実行パターンに応じて様々なタイミングで実行されるが、ここでは、その一例として変動演出の開始直後、および、リーチ発展演出中に実行される予告演出について説明する。変動演出の開始直後に実行される予告演出は複数設けられており、このうち「会話予告」では、図50(a)、(b)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示の開始後、演出表示部200aに所定の画像が表示される。この予告演出の実行パターンは複数種類設けられており、実行パターンごとに異なる画像が演出表示部200aに表示される。 【0410】 具体的には、「会話予告」では、例えば、図50(a)、(b)に示すように、演出表示部200aの下部に、キャラクタおよびメッセージが表示される。このように、キャラクタとメッセージとが表示される「会話予告」の実行パターンは複数種類設けられており、実行パターンごとに、演出表示部200aに表示されるキャラクタとメッセージとの組み合わせを異にしている。また、図示のように、メッセージは、キャラクタの吹き出しに表示されるが、この吹き出しの色も複数設けられている。このように、「会話予告」では、キャラクタやメッセージの内容、さらには、吹き出しの色によって大当たりの信頼度が示唆される。 (中略) 【0413】 なお、詳しい説明は省略するが、「会話予告」は、上記のように、キャラクタとメッセージが演出表示部200aに表示される演出であり、メッセージ内容や吹き出しの色によって大当たりの信頼度が示唆される。また、「キャラ予告」は、所定のキャラクタが演出表示部200aに表示される演出であり、表示されたキャラクタの種別によって大当たりの信頼度が示唆される。また、「SU予告」は、例えば、複数種類のウィンドウ画像が、演出表示部200aにおいて段階的に切り替え表示される、所謂ステップアップ予告と呼ばれる演出であり、ウィンドウ画像の切り替え回数や、ウィンドウ画像の縁や背景の色によって大当たりの信頼度が示唆される。さらに、「EF予告」は、リーチ表示時に、所定のランプが点灯、点滅する演出であり、点灯色によって大当たりの信頼度が示唆される。 (中略) 【0419】 図52は、後半の予告演出を説明する図である。後半の変動演出中に実行される予告演出の実行タイミングは、図52(a)に示すように、リーチ発展演出の開始時と、リーチ発展演出中とに大別される。なお、後半の予告演出の実行タイミングは、リーチ発展演出の内容によって異なる。そのため、予告演出の実行が決定された場合には、リーチ発展演出の内容に応じて、各予告演出の実行タイミングが設定されることとなる。リーチ発展演出の開始時の予告演出としては、「タイトル予告」が設けられている。この「タイトル予告」は、リーチ発展演出のタイトルを表示するものであり、大当たりの信頼度の示唆は、演出表示部200aに表示されるタイトルの文字の色でなされることとなる。」 (ウ) 「【0428】 このように、各予告演出で大当たりの信頼度を示唆することにより、遊技者に対してさまざまな期待感が付与され、遊技の興趣を向上することができる。しかしながら、多数の演出デバイスで同時並行して予告演出が実行されたり、さまざまな予告演出が矢継ぎ早に実行されたりすると、遊技者が予告演出を見逃すおそれが高く、実行された予告演出から大当たりの当選可否を推測するのが困難となり、演出効果が低下してしまう。特に、変動演出の前半で、連続的に低信頼度の予告演出ばかりが実行されると、変動演出に対する遊技者の意識が極めて低下し、演出効果が低下してしまう。そこで、本実施形態においては、所定の確率で特殊演出を実行することで、変動演出に対する遊技者の意識を向上させ、演出効果を向上させる。 【0429】 図54は、獲得演出の一例を説明する図であり、図55は、権利使用演出を説明する図である。本実施形態の特殊演出は、獲得演出と権利使用演出とを含んで構成される。特殊演出の実行が決定されると、変動演出の開始直後、あるいは、変動演出の開始から所定時間(例えば10秒程度)が経過したところで、まず、獲得演出が実行される。獲得演出は、導入パート、メインパート、報知パートに大別される。獲得演出が実行されると、まず、導入パート用の演出として、図54(a)に示すように、演出表示部200aに「カラーストックチャンス」と表示された後、図54(b)に示すように「ボタンを押してSTOCKをゲットしろ」と表示される。つまり、導入パートは、獲得演出の内容を説明するパートとなっている。 (中略) 【0435】 そして、獲得演出が終了すると、演出表示部200aには、獲得演出の開始前と同様の背景画像が表示されるとともに、演出図柄210a、210b、210cが通常どおりに変動表示される。このとき、図54(j)に示すように、演出表示部200aの上部には、獲得演出における「STOCK」の獲得数と同数のストックアイコン212(ここでは212a、212b、212cで示す)が表示される。 【0436】 ここで、ストックアイコン212は、色情報を示す5種類の表示パターンと、色情報を不明とした1つの表示パターンとからなる、合計6種類の表示パターンが設けられている。具体的には、ストックアイコン212は、青色を示す「BLUE STOCK」、緑色を示す「GREEN STOCK」、赤色を示す「RED STOCK」、金色を示す「GOLD STOCK」、虎柄を示す「TIGER STOCK」の5種類の色情報を示す表示パターンを備えている。また、色情報を不明としたストックアイコン212は、「 ??? STOCK」と表示される。この色情報を不明としたストックアイコン212は、演出表示部200aに白色で表示され、その他のストックアイコン212は、表示される文字の色で演出表示部200aに表示される。 【0437】 そして、獲得演出の終了後は、通常の変動演出と同様に、所定のタイミングで各要素演出が実行される。このとき、獲得演出、より詳細には、ボタン演出は、変動演出中に実行されるいずれかの要素演出を対象として実行されており、獲得演出の終了後であって、対象の要素演出の開始前に、権利使用演出が実行される。例えば、獲得演出の対象の要素演出として、演出図柄210a、210b、210cの1回目の変動表示中に実行される会話予告が決定されていたとする。 【0438】 この場合には、対象の要素演出の開始2秒前に、図55(a)に示すように、権利使用演出が実行される。ここでは、3つのストックアイコン212のうち、もっとも左側に表示されているストックアイコン212aが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示される。このようにして権利使用演出が実行された直後に、図55(b)に示すように、対象の要素演出である会話予告が実行される。このとき、図55(a)に示すように、ストックアイコン212aは、緑色の色情報を有しているため、図55(b)に示すように、会話予告は、吹き出しの色が緑色となっている。つまり、会話予告の実行パターンは、権利使用演出で放出されたストックアイコン212aの色情報を有する実行パターンとなっている。 【0439】 そして、実行される変動演出が擬似連続リーチ変動パターンであった場合には、図55(c)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが擬似態様となり、その後、2回目の変動表示が行われる。そして、獲得演出の対象の要素演出として、演出図柄210a、210b、210cの2回目の変動表示中の会話予告が決定されていたとする。この場合には、対象の要素演出の開始2秒前に、図55(d)に示すように、権利使用演出が実行される。ここでは、残りの2つのストックアイコン212のうち、もっとも左側に表示されているストックアイコン212bが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示される。 【0440】 このようにして権利使用演出が実行された直後に、図55(e)に示すように、対象の要素演出である会話予告が実行される。このとき、図55(d)に示すように、ストックアイコン212bは、赤色の色情報を有しているため、図55(e)に示すように、会話予告は、吹き出しの色が赤色(図中クロスハッチングで示す)となっている。 【0441】 その後、図55(f)~(h)に示すように、演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様となり、リーチ発展演出が実行されたとする。この間も、演出表示部200aの上部には、残りの1つのストックアイコン212が表示されたままとなっている。そして、獲得演出の対象の要素演出として、リーチ発展演出中のカットイン予告が決定されていたとする。この場合には、対象の要素演出の開始2秒前に、図55(i)に示すように、権利使用演出が実行される。ここでは、残りの1つのストックアイコン212cが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示される。 【0442】 このようにして権利使用演出が実行された直後に、図55(j)に示すように、対象の要素演出であるカットイン予告が実行される。このとき、図55(i)に示すように、ストックアイコン212cは、赤色の色情報を有しているため、図55(j)に示すように、カットイン予告は、背景の色が赤色(図中クロスハッチングで示す)となっている。 【0443】 以上のように、獲得演出で獲得したストックアイコン212が全て権利使用演出で放出されるとともに、獲得演出の対象に決定された全ての要素演出が終了したところで、特殊演出が終了となる。このようにして特殊演出が終了した後も、特殊演出が実行されない場合と同様に変動演出が実行されることとなる。 【0444】 上記の特殊演出によれば、予告演出をはじめとする要素演出が、当該変動演出中に実行されることを、遊技者に事前に報知する。このとき、当該変動演出中に実行される要素演出の最低回数が遊技者に報知されるものの、いずれの要素演出が実行されるのかは特定されない。したがって、特殊演出の実行により、各要素演出に対する遊技者の意識を継続的に高めることが可能となる。 【0445】 なお、本実施形態では、色を異にする複数の実行パターンを有する全ての要素演出において、デフォルト→青→緑→赤→金→虎の順で大当たりの信頼度が高くなるように、選択比率の設定がなされている。つまり、色と信頼度との関係は、全ての要素演出で共通化されている。 【0446】 そして、ストックアイコン212は色情報を有しており、対象の要素演出は、ストックアイコン212が有する色情報と同じか、もしくは、ストックアイコン212が有する色情報よりも信頼度の高い色の実行パターンで必ず実行される。このように、対象の要素演出がいずれであるのかを不明としつつも、大当たりの信頼度を事前に示唆することにより、遊技者に継続して期待感を付与することができる。」 (エ) 【図55】 「 [図:0001424316000001.jpg] 」 イ 引用発明 上記アの記載事項から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 (引用発明) 「遊技機100には演出表示装置200が設けられ(【0024】)、演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、演出表示部200aには、演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行され(【0025】)、演出表示部200aにおいて演出図柄210a、210b、210cが変動表示される図柄表示演出や、リーチ発展演出で演出表示部200aに表示される画像等を要素演出といい、変動演出を構成する要素演出として、変動演出中のさまざまなタイミングで予告演出が実行され(【0407】)、変動演出で実行される予告演出のうち会話予告は、キャラクタとメッセージが表示される演出であり、メッセージはキャラクタの吹き出しに表示され、メッセージ内容や吹き出しの色によって大当たりの信頼度が示唆され(【0409】、【0410】、【0413】)、色を異にする複数の実行パターンを有する全ての要素演出において、デフォルト→青→緑→赤→金→虎の順で大当たりの信頼度が高くなるように、選択比率の設定がなされており(【0445】)、 所定の確率で、獲得演出と権利使用演出とを含んで構成される特殊演出の実行が決定されると、まず、獲得演出が実行され(【0428】、【0429】)、獲得演出が終了すると、演出表示部200aの上部には、獲得演出における「STOCK」の獲得数と同数のストックアイコン212が表示され(【0435】)、ストックアイコン212は、色情報を示す5種類の表示パターンと、色情報を不明とした1つの表示パターンとからなる、合計6種類の表示パターンが設けられ、具体的には、ストックアイコン212は、青色を示す「BLUE STOCK」、緑色を示す「GREEN STOCK」、赤色を示す「RED STOCK」、金色を示す「GOLD STOCK」、虎柄を示す「TIGER STOCK」の5種類の色情報を示す表示パターンを備えており、色情報を不明としたストックアイコン212は、演出表示部200aに白色で表示され、その他のストックアイコン212は、表示される文字の色で演出表示部200aに表示され(【0436】)、獲得演出の終了後は、通常の変動演出と同様に、所定のタイミングで各要素演出が実行され、獲得演出の終了後であって、対象の要素演出の開始前に、権利使用演出が実行され(【0437】)、 獲得演出の対象の要素演出として、演出図柄210a、210b、210cの1回目の変動表示中に実行される会話予告が決定されていたとすると(【0437】)、対象の要素演出の開始2秒前に、権利使用演出が実行されて、ストックアイコン212のうち、もっとも左側に表示されているストックアイコン212aが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示され、このようにして権利使用演出が実行された直後に、対象の要素演出である会話予告が実行され、このとき、ストックアイコン212aは、緑色の色情報を有しているため、会話予告は、吹き出しの色が緑色となっており(【0438】)、 実行される変動演出が擬似連続リーチ変動パターンであった場合には、演出図柄210a、210b、210cが擬似態様となり、その後、2回目の変動表示が行われ(【0439】)、 獲得演出の対象の要素演出として、演出図柄210a、210b、210cの2回目の変動表示中の会話予告が決定されていたとすると、対象の要素演出の開始2秒前に、権利使用演出が実行され、残りのストックアイコン212のうち、もっとも左側に表示されているストックアイコン212bが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示され(【0439】)、このようにして権利使用演出が実行された直後に、対象の要素演出である会話予告が実行され、このとき、ストックアイコン212bは、赤色の色情報を有しているため、会話予告は、吹き出しの色が赤色となっており(【0440】)、 その後、演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様となり、リーチ発展演出が実行され(【0441】)、 獲得演出で獲得したストックアイコン212が全て権利使用演出で放出されるとともに、獲得演出の対象に決定された全ての要素演出が終了したところで、特殊演出が終了となる(【0443】) 遊技機100(【0024】)。」 (3) 周知技術 ア 引用文献2について 本願出願前に日本国内又は外国において頒布された、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2019-122860号公報(令和1年7月25日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。 「【0576】 なお、各セリフの大当たり期待度は、「黒字セリフ」<「赤字セリフ」<「金字セリフ」<「虹字セリフ」となっており、セリフ予告演出において「赤字セリフ」や「金字セリフ」が表示された時点でSPリーチ演出以上の変動演出が実行されることが確定し、「虹字」セリフが表示された時点で変動演出の結果が大当たりとなることが確定する。ただし、「赤字セリフ」、「金字セリフ」、「虹字セリフ」については、遊技者の期待感を維持させるために当該変動でしか表示されない。」 イ 引用文献3について 本願出願前に日本国内又は外国において頒布された、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2018-130636号公報(平成30年8月23日公開。以下「引用文献3」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。 「【0195】 ところで、保留アイコンの保留表示態様を形状、模様、色彩またはこれらの結合について変化させることは、予告演出の多様性を高める上で好ましい。しかし、予告演出を多彩なものとすべく保留表示態様の種類を増加させて行くと、保留表示態様の種類が多くなりすぎて、遊技者が特定の保留表示態様の意味を正しく把握しきれなくなる、という課題がある。本実施形態の場合、白色(通常色)、青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色の順に、遊技者に対する当選期待度が高まるように構成されており、「青色」「黄色」は低期待度、「緑色」は中期待度、「赤色」以上(赤色、D柄、虹色)は高期待度の保留として分類される。ここで「青色」はリーチ演出の発生の可能性がある旨を、「黄色」はリーチ演出の発生が確定的である旨を、「緑色」はSPリーチ種別が確定以上である旨を、「赤色」はSPリーチ種別のうちで当選期待度が相対的に高いSPリーチが確定的である旨を報知する。このうち、当選期待度が低期待度の「青色」保留や「黄色」保留は遊技者の関心が薄いため、取り扱う上での重要度は低い。しかし、当選期待度が中期待度の「緑色」保留や、当選期待度が高期待度の「赤色」保留については、遊技者が「大当りの期待が持てる」として当り期待感ないし緊張度を高めているため、その後に、当該保留アイコンが当選期待度の高低が把握できない表示態様に変化してしまうことは避けるべきである。」 ウ 引用文献4について 本願出願前に日本国内又は外国において頒布された、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-124266号公報(平成29年7月20日出願公開。以下「引用文献4」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。 「【0274】 ただし、例外的な演出態様として「先読み予告演出の内容≠基本パターンの内容」となる演出態様、つまり「先読み変動パターンの内容≠変動開始時の変動パターンの内容」となる矛盾が生じ得る演出態様(矛盾演出)が含まれるように構成しても良い。たとえば、先読み予告演出に係る保留表示が大当り当選期待度が相対的に高まる「赤色」表示であるにもかかわらず、その作動保留球を対象とした図柄変動表示ゲーム中には、何ら熱い予告演出を発生させないようにしたり(あたかも通常変動パターンが選択されたが如く装う)、またその「赤色」表示が、たとえば‘SPリーチ確定’保留表示であるとした場合、その作動保留球を対象とした図柄変動表示ゲーム中に、Nリーチを出現させるようしたりする、といった演出態様が挙げられる。斯様な演出態様は、矛盾が生じたことによる不信感を遊技者に抱かさないためにも、ハズレの場合は極めて低い確率で選択され、その殆どが大当り当選の場合にしか選択されないようにしたり、大当り当選の場合に限り選択されるようにしたりすることが好ましい。このようにすれば、矛盾演出が発生した時点で、大当り当選期待度が極めて高まる、または大当り当選確定を報知する、といった一種のプレミアム的な演出として、上記矛盾演出を機能させることができる。上記のような「矛盾演出」は、一時的に遊技者を欺瞞した上で、その期待に反した結果が導出されるといった点で、遊技の面白みを高める上で有効である。」 エ 周知技術 上記した引用文献2~4における記載に例示されるように、以下の技術は、遊技機に係る技術分野における本願出願前の周知技術(以下「周知技術2」という。)であったと認められる。 「赤色の画像の表示により、SPリーチ演出の実行が確定すること。」 (4) 対比・判断 ア 本件補正発明と引用発明の対比 (ア) 特定事項Aについて 引用発明の「画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備え」た「演出表示装置200」、「遊技機100」は、それぞれ、本件補正発明の特定事項Aの「画像を表示して演出を行うことが可能な」「表示装置」、「遊技機」に相当する。 そして、引用発明では、上記した演出表示装置200の演出表示部200aに表示される、特殊演出の「権利使用演出」で、「ストックアイコン212a」及び「ストックアイコン212b」が「演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示される」ところ、「演出表示部200a」の「上部」、「中央」は、それぞれ、本件補正発明の特定事項Aの、「表示装置」の「第1表示領域」、「第2表示領域」に相当する。 そうすると、引用発明は、本件補正発明の特定事項A(「画像を表示して演出をおこなうことが可能な第1表示領域および第2表示領域を有する表示装置を備えた遊技機であって、」)を備えている。 (イ) 特定事項Bについて 引用発明は、「赤色」の色情報を示し「赤色」で表示される「ストックアイコン212b」の「移動表示」と、「放出」の表示の後に、「要素演出」として、「吹き出しの色が赤色」の「会話予告」を経て「リーチ発展演出」が実行されるものであり、また、引用発明では、「デフォルト→青→緑→赤→金→虎の順で大当たりの信頼度が高くなる」とされているように、色が「大当たりの信頼度」を示している。 そうすると、引用発明の「ストックアイコン212b」は、「赤色」の色情報を示し「赤色」で表示されることで、対象の「要素演出」(「会話予告」を経た「リーチ発展演出」)が「所定の大当たりの信頼度」を有すること、及び、対象の「要素演出」のうち会話予告の「吹き出しの色が赤色であること」を示すとともに、当該「要素演出」の実行を予告するものであるといえるから、上記「要素演出」、上記「ストックアイコン212b」は、それぞれ、本件補正発明の特定事項Bの「特定演出」、「特定演出の内容を示すとともに前記特定演出の実行を予告する予告画像」に相当し、また、引用発明において、「ストックアイコン212b」が「演出表示部200aの上部から中央に」「移動表示される」ことは、上記(ア)で検討した点を踏まえると、本件補正発明の特定事項Bにおける、「予告画像」を「第1表示領域から第2表示領域に移動表示させる画像移動表示演出」を「実行」することに相当する。 そうすると、引用発明は、本件補正発明の特定事項B(「特定演出の内容を示すとともに前記特定演出の実行を予告する予告画像を、前記第1表示領域に表示した後、前記第2表示領域に移動表示させる画像移動表示演出と、」)を備えている。 (ウ) 特定事項Cについて 引用発明は、「ストックアイコン212bが、演出表示部200aの上部から中央に・・・移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示され」た「後」に、「要素演出」(特定演出)が実行されるものであるところ、「演出表示部200aに「放出」と表示され」ることは、本件補正発明の特定事項Cにおいて、「特定演出の実行が確定したことを報知する実行確定演出」を「実行」することに相当する。 そして、上記したように、引用発明における「放出」の表示は、「ストックアイコン212b」が「演出表示部200aの上部から中央に」「移動表示される」ことに伴うものであり、当該「移動表示」が、本件補正発明における、「予告画像」を「第1表示領域から第2表示領域に移動表示させる画像移動表示演出」の「実行」に相当することは、上記(イ)で述べたとおりであるから、引用発明は、本件補正発明の特定事項Cにおける、「画像移動表示演出によって予告画像が第1表示領域から第2表示領域へ移動した場合」に「実行確定演出」を実行する構成を備えているといえる。 そうすると、引用発明は、本件補正発明の特定事項C(「前記画像移動表示演出によって前記予告画像が前記第1表示領域から前記第2表示領域へ移動した場合、前記特定演出の実行が確定したことを報知する実行確定演出と、を実行可能であり、」)を備えている。 (エ) 特定事項Dについて 引用発明において、「演出表示部200aに「放出」と表示され」た「後」に、「要素演出」(特定演出)として、「会話予告」を経て「リーチ発展演出」が実行されることは、上記(ウ)における検討(実行確定演出)を踏まえると、本件補正発明の特定事項Dの「実行確定演出の実行後」に「特定演出」を「実行」することに相当する。 そうすると、引用発明は、本件補正発明の特定事項Dと、「実行確定演出の実行後、特定演出を実行する」点で共通する。 (オ) 特定事項Eについて 上記(ア)で述べたように、引用発明の「遊技機100」は、本件補正発明の「遊技機」に相当するから、引用発明は、本件補正発明の特定事項E(「遊技機。」)を備えている。 イ 本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点 上記アにおける検討を踏まえると、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「A 画像を表示して演出をおこなうことが可能な第1表示領域および第2表示領域を有する表示装置を備えた遊技機であって、 B 特定演出の内容を示すとともに前記特定演出の実行を予告する予告画像を、前記第1表示領域に表示した後、前記第2表示領域に移動表示させる画像移動表示演出と、 C 前記画像移動表示演出によって前記予告画像が前記第1表示領域から前記第2表示領域へ移動した場合、前記特定演出の実行が確定したことを報知する実行確定演出と、を実行可能であり、 D’ 前記実行確定演出の実行後、前記特定演出を実行する、 E 遊技機。」 <相違点>(特定事項Dについて) 本件補正発明における「特定演出」は、「擬似連演出またはSPリーチ演出のいずれか」であるのに対し、引用発明における「要素演出」は、「リーチ発展演出」を含むものの、「擬似連演出またはSPリーチ演出のいずれか」ではない点。 (5) 当審合議体の判断 上記相違点について検討する。 遊技機の表示装置で実行される、大当たりの期待を高める演出として、「リーチ発展演出」、「SPリーチ演出」、「擬似連演出」等の演出は、例を挙げるまでもなく、いずれも本願出願前の周知技術(以下「周知技術1」という。)であり、さらには、上記(3)エに周知技術2として示したように、「赤色の画像の表示により、SPリーチ演出の実行が確定すること」は本願出願前の周知技術であるから、引用発明において実行される「リーチ発展演出」に換えて周知技術を採用することで、「赤色」の「ストックアイコン212b」に対応する「要素演出」を「擬似連演出またはSPリーチ演出のいずれか」として、相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者であれば想到容易である。 (6) 請求人の主張について 審判請求人(以下「請求人」という。)は、審判請求書の「4 本願発明が特許されるべき理由」において、以下のとおり主張する。 「本願発明では、実行確定演出の実行後、擬似連演出またはSPリーチ演出のいずれかである特定演出を実行します(本願発明の構成[4])。 引用文献1に記載された発明(引用発明)は、その後に実行される予告演出の色情報を示すストックアイコン212b、212cを、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示するとともに、演出表示部200aに「放出」と表示します。しかしながら、引用発明において「放出」という表示の後に実行される予告演出は、会話予告や、カットイン予告となっています(引用文献1の図55(b)(e)(j))。つまり、引用発明は、本願発明と異なり、演出表示部200aに「放出」と表示した後、擬似連演出またはSPリーチ演出のいずれかである特定演出を実行する構成ではありません。引用文献1には、本願発明の構成[4]について、開示も示唆もありません。 本願発明では、実行確定演出の実行後、擬似連演出またはSPリーチ演出のいずれかである特定演出を実行します(本願発明の構成[4])。つまり、特定演出の内容を表す本願発明の予告画像は、擬似連演出を示唆する「継続」や「NEXT」と書かれた画像であったり、SPリーチ演出を示唆する「SP」と書かれた画像であったりします(当初明細書の[0994]、[1008])。 このように予告画像によって擬似連演出またはSPリーチ演出のいずれかの実行が予告されるため、演出の予告が分かり易いものとなり、遊技の興趣を向上させることができます。 このような本願発明の技術思想は、引用発明にはありません。したがって、引用文献1が、本願発明への動機付けとなることはありません。」(下線は当審合議体が付した。) しかし、引用発明では、「赤色」の色情報を示し「赤色」で表示される「ストックアイコン212b」の「移動表示」と、「放出」の表示の後に、「要素演出」として、「吹き出しの色が赤色」の「会話予告」を経て「リーチ発展演出」が実行されており、「放出」の表示(実行確定演出)の後に実行される当該「要素演出」は、本件補正発明の「特定演出」に相当し、大当たりの期待を高める演出として、「リーチ発展演出」に換えて、周知技術としての「擬似連演出またはSPリーチ演出のいずれか」を採用することが、当業者であれば想到容易であるといえることは、上記(4)及び(5)で述べたとおりである。 したがって、審判請求書における請求人の主張を採用することはできない。 (7) まとめ したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術(周知技術1、2)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項の規定に違反するので、特許法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものであり、仮にそうでないとしても特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和5年6月29日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、その請求項1の記載は前記第2[理由]1(1)に(本件補正前)として記載したとおりのものであるところ、以下に再掲する。 (本願発明) 「【請求項1】 A 画像を表示して演出をおこなうことが可能な第1表示領域および第2表示領域を有する表示装置を備えた遊技機であって、 B 特定演出の内容を示すとともに前記特定演出の実行を予告する予告画像を、前記第1表示領域に表示した後、前記第2表示領域に移動表示させる画像移動表示演出と、 C” 前記画像移動表示演出によって前記予告画像が前記第1表示領域から前記第2表示領域へ移動した場合、前記特定演出の実行が確定したことを前記第2表示領域への移動に合わせて報知する実行確定演出と、を実行可能である、 E ことを特徴とする遊技機。」 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、次の理由を含んでいる。 「1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。 ●理由1(新規性)について ・請求項1 ・引用文献等1 <引用文献等一覧> 1.特開2017-189418号公報」 3 引用文献について (1) 記載事項 引用文献1の記載事項は、前記第2[理由]3(2)アに示したとおりである。 (2) 引用発明 引用文献1の記載事項から認定される引用発明は、前記第2[理由]3(2)イに示したとおりである。 4 本願発明と引用発明の対比 (1) 特定事項A及び特定事項Eについて 特定事項A及び特定事項Eについては、前記第2[理由]3(4)アの「本件補正発明と引用発明の対比」で、特定事項A及び特定事項Eについて述べたとおりであり、引用発明は、本願発明の特定事項A及び特定事項Eを備えている。 (2) 特定事項Bについて 引用発明は、「ストックアイコン212b」の「移動表示」と、「放出」の表示の後に、「要素演出」として、「吹き出しの色が赤色」の「会話予告」が実行されるものであり、また、引用発明では、「デフォルト→青→緑→赤→金→虎の順で大当たりの信頼度が高くなる」とされているように、色が「大当たりの信頼度」を示している。 そうすると、引用発明の「ストックアイコン212b」は、「赤色」の色情報を示し「赤色」で表示されることで、対象の「要素演出」(「会話予告」)が「所定の大当たりの信頼度」を有すること、及び、対象の「要素演出」の「吹き出しの色が赤色であること」を示すとともに、当該「要素演出」の実行を予告するものであるといえるから、上記「要素演出」、上記「ストックアイコン212b」は、それぞれ、本願発明の特定事項Bの「特定演出」、「特定演出の内容を示すとともに前記特定演出の実行を予告する予告画像」に相当し、また、引用発明において、「ストックアイコン212b」が「演出表示部200aの上部から中央に」「移動表示される」ことは、本願発明の特定事項Bにおける、「予告画像」を「第1表示領域から第2表示領域に移動表示させる画像移動表示演出」を「実行」することに相当する。 そうすると、引用発明は、本願発明の特定事項B(「特定演出の内容を示すとともに前記特定演出の実行を予告する予告画像を、前記第1表示領域に表示した後、前記第2表示領域に移動表示させる画像移動表示演出と、」)を備えている。 (3) 特定事項C”について 引用発明では、「対象の要素演出の開始2秒前に、・・・ストックアイコン212bが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示され」るところ、「演出表示部200aに「放出」と表示され」ることは、上記イにおける検討(特定演出)も踏まえると、本願発明の特定事項C”において、「特定演出の実行が確定したことを報知する実行確定演出」を「実行」することに相当する。 そして、引用発明において、当該「放出」の表示が、「ストックアイコン212bが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに」なされることは、本願発明の特定事項C”の、「前記画像移動表示演出によって前記予告画像が前記第1表示領域から前記第2表示領域へ移動した場合、前記特定演出の実行が確定したことを前記第2表示領域への移動に合わせて報知する」ことに相当する。 そうすると、引用発明は、本願発明の特定事項C”(「前記画像移動表示演出によって前記予告画像が前記第1表示領域から前記第2表示領域へ移動した場合、前記特定演出の実行が確定したことを前記第2表示領域への移動に合わせて報知する実行確定演出と、を実行可能である、」)を備えている。 5 当審合議体の判断 上記4からみて、引用発明は、本願発明の特定事項A、特定事項B、特定事項C”及び特定事項Eの全てを備えていることから、本願発明と引用発明とは相違するところがない。 したがって、本願発明は引用発明である。 6 請求人の主張について 請求人は、令和5年10月24日提出の意見書において、次の主張をしている。 「本願発明では、画像移動表示演出において、どのような演出が実行されるかという特定演出の種類を示すとともに特定演出の実行を予告する予告画像を、第1表示領域に表示した後、第2表示領域に移動表示させます(本願発明の構成(B))。 引用文献1に記載された発明(引用発明)は、予告演出の色情報を示すストックアイコン212b、212cを、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示します。引用発明のストックアイコン212b、212cは、予告演出の色情報を示す画像であり、予告演出の種類を示すものではありません。つまり、引用発明は、本願発明と異なり、どのような演出が実行されるかという予告演出の種類を示す予告画像を移動させる構成ではありません。したがって、引用文献1には、本願発明の構成(B)について、開示も示唆もありません。」(下線は当審合議体が付した。) しかし、引用発明の「ストックアイコン212b」は、「赤色」の色情報を示し「赤色」で表示されることで、対象の要素演出としての「会話予告」(特定演出)が、「所定の大当たりの信頼度」を有し、「吹き出しの色が赤色であること」を示すものであるから、本願発明の「予告画像」とは、「特定演出の内容を示す」点で相違しない。 よって、審判請求書における請求人の主張を採用することはできない。 7 まとめ 以上のとおり、本願発明と引用発明とは相違するところがなく、本願発明は引用文献1に記載された発明である。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。 したがって、他の理由について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-007297

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