特許拒絶査定不服審判
2022-003459
地形データ更新方法及びショベル
- 審判番号
- 2022-003459
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-068676外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月07日
- 審決日
- 2023年04月17日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】住友重機械工業株式会社
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 分類
- P18 .161-Z (E02F) / P18 .121-Z (E02F) / P18 .575-Z (E02F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条の2、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020- 68676「地形データ更新方法及びショベル」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 8月20日出願公開、特開2020-125676〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成27年6月17日(優先権主張 平成26年6月20日)を国際出願日とする特願2016-529413号(以下、「原出願」という。)の一部を、平成30年11月26日に新たな特許出願である特願2018-220396号とし、さらにその一部を令和2年4月6日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 3年 4月23日付け :拒絶理由通知書
令和 3年 7月12日 :意見書の提出
令和 3年11月30日付け :拒絶査定
令和 4年 3月 7日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 4年12月 7日 :上申書の提出
第2 令和4年3月7日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年3月7日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正
「本件補正」は、特許請求の範囲の補正を含んでおり、本件補正前と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1及び請求項2の記載は、次のとおりである。
本件補正前:
「【請求項1】
撮像装置を備えたマルチコプタから掘削前の地面の形状に関する情報を取得し、
前記撮像装置を備えた前記マルチコプタからショベルによる掘削後の地面の形状に関する情報を取得し、
前記掘削前の地面の形状に関する情報に基づく地形情報を前記掘削後の地面の形状に関する情報に基づいて更新する地形データ更新方法。
【請求項2】
ショベルに備えた撮像装置により掘削前にショベルの周囲の地面の形状に関する情報を取得し、
前記撮像装置により掘削後にショベルの周囲の地面の形状に関する情報を取得し、
前記掘削前にショベルの周囲の地面の形状に関する情報に基づく地形情報を前記掘削後にショベルの周囲の地面の形状に関する情報に基づいて更新する地形データ更新方法。」
本件補正後(下線は補正箇所である):
「【請求項1】
撮像装置を備えたマルチコプタから掘削前の地面を撮像して前記掘削前の地面までの距離を認識して前記掘削前の地面の形状に関する情報を取得し、
前記撮像装置を備えた前記マルチコプタからショベルによる掘削後の地面を撮像して前記掘削後の地面までの距離を認識して前記掘削後の地面の形状に関する情報を取得し、
前記掘削前の地面の形状に関する情報に基づく地形情報を前記掘削後の地面の形状に関する情報に基づいて更新する地形データ更新方法。
【請求項2】
ショベルに備えた撮像装置により撮像された地面までの距離を認識して地面の形状に関する情報を取得する地形データ更新方法であって、
前記ショベルに備えた前記撮像装置により、前回の掘削動作に対応する空間に対して今回の掘削動作前に前記ショベルの周囲の地面の形状に関する情報を取得し、
前記撮像装置により今回の掘削動作後に前記ショベルの周囲の地面の形状に関する情報を取得し、
今回の前記掘削動作前の前記ショベルの周囲の地面の形状に関する情報に基づく地形情報を今回の前記掘削動作後の前記ショベルの周囲の地面の形状に関する情報に基づいて更新する地形データ更新方法。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1の「掘削前の地面の形状に関する情報」について「掘削前の地面を撮像して前記掘削前の地面までの距離を認識して」取得するものに限定するとともに、「掘削後の地面の形状に関する情報」について「掘削後の地面を撮像して前記掘削後の地面までの距離を認識して」取得するものに限定することを含むものである。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正である。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明1」という。)が、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。
(1)本件補正発明1
本件補正発明1は、前記1の本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。
(2)本願の優先権主張について
本願は、平成26年6月20日の出願である特願2014-127672号(以下、「先の出願」という。)に基いた優先権主張をするものであるが、本願請求項1に記載された「マルチコプタ」との発明特定事項が、先の出願の最初に添付した明細書又は図面に記載されていないから、当該優先権主張は認められず、本件補正発明1に対して、特許法第29条の2等の規定に関する判断の基準日は、分割に係る原出願の出願日である平成27年6月17日である。
(3)先願
ア 記載事項
原査定の拒絶の理由に先願として引用された、原出願の出願日前の特許出願であって、原出願の出願後に出願公開された特願2015-92395号(特開2016-212469号)(出願日:平成27年4月28日、出願公開日:平成28年12月15日、出願人:株式会社小松製作所、発明者:四家千佳史)(以下「先願」という。)の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「先願明細書等」という。)には、「施工計画システム」に関し、次の事項が記載されている(下線は合議体が付した。以下同じ。)。
(ア)「【0011】
[施工計画システムの概要]
図1は、本実施形態に係る施工計画システム1を模式的に示す図である。施工計画システム1は、コンピュータシステム2を含み、土木の施工現場3の施工計画及び施工管理を実施する。施工現場3において、作業機械が稼働する。作業機械は、例えば、施工現場3を掘削したり整地したりすることが可能な建設機械4と、土砂を運搬可能な運搬車両5とを含む。
【0012】
本実施形態において、建設機械4は、例えば、情報化施工を実施可能なICT(Information and Communication Technology)建設機械である。建設機械4は、作業部材を有するブルドーザ4Aと油圧ショベル4Bとを含む。作業部材とは、刃先を有し、施工現場3の現況地形を掘削したり整地したりすることが可能な部材をいう。本実施形態において、作業部材は、ブルドーザ4Aに設けられたブレード及び油圧ショベル4Bに設けられたバケットである。施工現場3において、ブルドーザ4Aは、土砂の掘削、押土、盛土、及び整地を行う。油圧ショベル4Bは、土砂の掘削、切土、盛土、及び整地を行う。」
(イ)「【0015】
また、施工現場3において、施工現場3の現況地形を検出するためのドローン10が稼働する。ドローン10は、無人で飛行する飛行体であり、無線により遠隔操作される飛行体、及び自動的に浮上して予め設定された飛行ルートに従って飛行して所定の位置に降下する飛行体を含む。ドローン10は、カメラ11を有する。ドローン10は、カメラ11を搭載した状態で、施工現場3の上空を飛行する。カメラ11は、施工現場3の現況地形を非接触で検出可能な第1検出装置である。ドローン10に設けられたカメラ11は、施工現場3を空撮して、現況地形を非接触で検出する。」
(ウ)「【0086】
ドローン10を使って施工現場3の測量が行われる。ドローン10のカメラ11は、施工現場3の3次元現況地形データを取得する。現況地形データ取得部22は、カメラ11から現況地形データを取得する(ステップS10)。」
(エ)「【0154】
なお、上述の実施形態においては、建設機械4がICT建設機械である例について説明した。現況地形データを都度、ドローン、ステレオカメラ、及び3次元レーザスキャナ装置のような第1検出装置によって取得するのであれば、ICT建設機械ではなく、情報化施工を可能とする機器を搭載していないような通常の建設機械を用いた施工計画システムにより、管理者又は作業者に施工計画(施工計画データ)を提示することができる。」
イ 先願発明
上記アの記載事項より、先願明細書には、以下の発明(以下「先願発明」という。)が記載されている。
(先願発明)
「コンピュータシステムを含み、建設機械を含む作業機械が稼働する土木の施工現場の施工計画及び施工管理を実施する施工計画システムにおいて、
建設機械は、土砂の掘削を行う油圧ショベルを含み、
施工現場において、施工現場の現況地形を検出するためのドローンが稼働し、
ドローンはカメラを有し、カメラを搭載した状態で施工現場の上空を飛行し、
ドローンを使って施工現場の測量が行われ、
ドローンのカメラは、施工現場の3次元現況地形データを取得し、そして当該現況地形データを施工計画システムの現況地形データ取得部に取得させる方法であって、
現況地形データを都度、ドローンによって取得することにより、建設機械がICT建設機械ではなく、情報化施工を可能とする機器を搭載していないものであっても、施工計画システムにより、管理者又は作業者に施工計画(施工計画データ)を提示することができる、現況地形データ取得方法。」
(4)周知技術
TIME&SPACE ONLINE、「無人の飛行機から走行車までを手がけるパロット社」、平成26年12月26日、[令和5年2月20日検索]、https://www.gqjapan.jp/life/interior/20141226/drone-business03(以下、「周知例1」という。)には、次の事項が記載されている。
「スマートフォンで手軽に飛ばせるドローンが一般にも人気を集めるようになったのには、パロット(Parrot)社の「AR. Drone」の登場が大きく影響しているといっていいだろう。クルマ向けの組み込みオーディオなどの技術を開発してきたフランスの会社が、2010年のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で発表したこの空飛ぶガジェットは、たちまち多くのメディアに取上げられ、ドローンによって撮影された映像や写真がネットに次々とアップされて大きな話題となった。
AR. Droneは、ボディから四方向にローターが伸びたクアッドコプターだ。縦横約50cm、重量は約400gと軽量で、優れたジャイロセンサー等によって、安定感ある操作性で空中を自在に飛び回らせることができる。iPhoneからWi-Fiでコントロールでき、フロントカメラからの映像をiPhoneにストリーミング中継できるというのも大きなインパクトがあった。さらにパロットを含む世界中のデベロッパーが開発したゲーム用のアプリを使えば、AR(拡張現実)機能を使って他のプレイヤーとゲームを楽しめることもできることから、日本でも大ヒットとなった。」
上記周知例1の記載より、
「ボディから四方向にローターが伸びたクアッドコプターである、ドローン、及び当該ドローンに撮像するカメラが搭載されたもの。」
は周知技術(以下、「周知技術1」という。)である。
(5)対比
本件補正発明1と先願発明とを対比する。
(ア)先願発明の「カメラ」、「現況地形」、「現況地形データ」、「油圧ショベル」は、本件補正発明1の「撮像装置」、「地面の形状」、「地面の形状に関する情報」、「ショベル」にそれぞれ相当する。
(イ)本件補正発明1の「撮像装置を備えたマルチコプタ」と先願発明の「カメラを搭載した」「ドローン」とは、「撮像装置を備えた」「飛行体」である点で共通する。
(ウ)先願発明の「現況地形データ取得方法」においては、「現況地形データ」は「都度、ドローンによって取得」され、「現況地形データ取得部に取得させる」ものであるから、「現況地形データ」はその「都度」取得されたものに更新されていることを踏まえると、先願発明の「現況地形データ取得方法」は、本件補正発明1の「地形データ更新方法」に相当する。
(エ)先願発明の「現況地形データ取得方法」において、「ドローン」に搭載した「カメラ」により施工現場の「現況地形データ」を取得するものであるから、施工現場の地面を「カメラ」で撮像しているものであることは明らかである。よって、先願発明の「現況地形データを都度、カメラを有するドローンによって取得する」ことと、本件補正発明1の「撮像装置」を備えた「マルチコプタ」から「地面を撮像」して「地面の形状に関する情報を取得する」ことは、「撮像装置を備えた飛行体から地面を撮像して地面の形状に関する情報を取得する」点で共通する。
(オ)以上によれば、本件補正発明1と先願発明は、
「撮像装置を備えた飛行体から地面を撮像して地面の形状に関する情報を取得する、
地形データ更新方法。」
の点で一致し、以下の点で一応相違する。
(相違点1)
本件補正発明1において、撮像装置を備えるのは「マルチコプタ」であるのに対し、先願発明において、カメラを搭載するのは「ドローン」であり、「マルチコプタ」とは特定されていない点。
(相違点2)
本件補正発明1では「地面の形状に関する情報」を「掘削前」と「ショベルによる掘削後」に取得し、「掘削前」の「地面の形状に関する情報」に基づく「地形情報」を「ショベルによる掘削後」の「地面の形状に関する情報」に基づいて更新するのに対し、先願発明では「現況地形データ」を取得し更新する「都度」が「掘削前」と「ショベルによる掘削後」とは特定されていない点。
(相違点3)
本件補正発明1では「地面の形状に関する情報」を取得するに際し、「地面までの距離」を認識するのに対し、先願発明ではそのように特定されていない点。
(6)検討
上記相違点について検討する。
(ア)相違点1について
上記周知技術1のとおり、「ボディから四方にローターが伸びたクアッドコプターである、ドローン、及び当該ドローンに撮像するカメラが搭載されたもの。」は周知技術である。この周知技術1における「クアッドコプタ-」は「マルチコプタ-」に他ならないから、先願発明におけるカメラを搭載した「ドローン」を、「クアッドコプタ-」すなわち「マルチコプタ-」とすることは、格別な効果を奏するものではない周知技術の付加にすぎない。 よって、相違点1は実質的な相違点とは言えない。
(イ)相違点2について
先願発明の「現況地形データを都度、ドローンによって取得することにより、建設機械がICT建設機械ではなく、情報化施工を可能とする機器を搭載していないものであっても、施工計画システムにより、管理者又は作業者に施工計画(施工計画データ)を提示することができる」点において、「都度」とは施工の進行の「都度」であることは明らかである。そして、先願発明では、どの程度の施工の進行の「都度」であるのかまでは特定されていないにしても、土砂の掘削を行う「油圧ショベル」について見れば、施工でなされていることは土砂の掘削であり、「施工計画システムにより、管理者又は作業者に施工計画(施工計画データ)を提示することができる」ものである以上、少なくとも何らかの掘削がされた「後」に「現況地形」を取得することになることは当然のことであり、その際に、「掘削前」に取得した「現況地形データ」を、「掘削後」に取得した「現況地形データ」で更新することも当然のデータ処理技術の範囲のことにすぎない。してみると、相違点2は実質的な相違点とは言えない。
(ウ)相違点3について
先願発明における「ドローン」の「カメラ」による施工現場の「3次元現況地形データ」の取得は、「ドローン」を使った「施工現場の測量」のために行われるところ、空中からの「3次元現況地形データ」の取得において、当該地形の地面までの距離が認識されることは、測量の原理からみて、当然なし得る程度のことにすぎない。
よって、相違点3は実質的な相違点とは言えない。
(7)小括
よって、本件補正発明1は先願発明と実質同一である。
(8)審判請求書における請求人の主張について
ア 請求人は、令和4年3月7日提出の審判請求書において、次のとおり主張している。
「掘削動作の前後において、地面の形状に関する情報を更新する際には、次の掘削動作のために、前回の掘削動作により掘削された地形の凹凸(例えば、掘削深さや掘削長さ等)を正確に計測する必要があります。 このため、本願の請求項1、2、及び9のそれぞれに係る発明は、掘削動作の前後で、継続的に「撮像した地面までの距離を認識して前記ショベルの周囲の地面の形状に関する情報を取得」することで、正確に前回の掘削により形成された掘削穴の深さ等を計測可能にするものであります。
一方、引用文献1には、本願の請求項1、2、及び9のそれぞれに記載の「撮像した地面までの距離を認識して前記ショベルの周囲の地面の形状に関する情報を取得」については、一切、記載がなく、示唆もされていません。」(審判請求書(3)2-3.ア)20~30行)
イ しかしながら、「撮像した地面までの距離」を認識する点については、上記(6)(ウ)で検討したとおりである。
したがって、審判請求書における上記請求人の主張は採用できない。
(9)上申書における請求人の主張について
ア 請求人は、令和4年12月7日の上申書において、次のとおり主張している。
「このように、本願の請求項1、2、及び9のそれぞれに係る発明は、掘削が行われる度に、掘削前と掘削後の2時点における地面の形状に関する情報に基づき、ショベルの周囲における掘削が行われた部分の地面の形状に関する情報を更新できるという効果をもたらします。
これに対し、引用文献1は、ドローン10のカメラ11によって取得された現況地形の画像データを、3次元画像データに変換する構成、すなわち、1時点に取得された画像データのみに基づいて3次元画像データを生成する構成を開示するのみであり(段落[0079]参照)、掘削が行われる度に、掘削前と掘削後の2時点における地面の形状に関する情報に基づき、ショベルの周囲における掘削が行われた部分の地面の形状に関する情報を更新する構成を開示も示唆もしていません。」(上申書【上申の内容】12~21行)
イ しかしながら、「掘削前」と「掘削後」の「現況地形データ」の取得については、上記(6)(イ)で検討したとおりである。なお、要すれば後記第3の1(5)ウにおける検討も参照されたい。
したがって、上申書における上記請求人の主張は採用できない。
(10)独立特許要件についてのまとめ
したがって、本件補正発明1は、先願発明と同一の発明であり、先願明細書等に記載された発明である。また、本件出願の発明者が先願の発明者と同一ではなく、また本件の出願の時に、本件の出願人と先願の出願人とが同一でもない。
よって、本件補正発明1は、特許法第29条の2の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
事案に鑑み、請求項2に係る発明についても検討する。
本件補正は、本件補正前の請求項2の「地形データ更新方法」について「ショベルに備えた撮像装置により撮像された地面までの距離を認識して地面の形状に関する情報を取得する地形データ更新方法」に限定し、「掘削前にショベルの周囲の地面の形状に関する情報を取得」する点について「前回の掘削動作に対応する空間に対して今回の掘削動作前に前記ショベルの周囲の地面の形状に関する情報を取得」するものに限定し、「掘削後」について「今回の掘削動作後」に限定し、「前記掘削前」について「今回の前記掘削動作前」に限定するものである。
そして、本件補正前の請求項2に記載された発明と本件補正後の請求項2に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を含む補正である。
そこで、本件補正後の請求項2に係る発明(以下「本件補正発明2」という。)が、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。
(11)本件補正発明2
本件補正発明2は、前記1の本件補正後の請求項2に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。
(12)本願の優先権主張について
なお、本願は、平成26年6月20日の出願である先の出願に基いた優先権主張をするものであるが、本願請求項2に記載された「ショベルに備えた撮像装置」との発明特定事項が、先の出願の最初に添付した明細書又は図面に記載されていないから、当該優先権主張は認められず、本件補正発明2に対して、特許法第29条第2項等の規定に関する判断の基準日は、分割に係る原出願の出願日である平成27年6月17日である。
(13)引用発明
ア 引用発明1
(ア)記載事項
韓国公開特許第10-2012-0004132号公報(以下、「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。(なお、翻訳文は、当審において作成した。)
a 「
[図:0001398847000001.jpg]
」
(翻訳文)
「【0017】以下、添付された図面を参照で本発明による掘削機自動化システム及びこれを統合管理するための方法をより詳細に説明する。」
b「
[図:0001398847000002.jpg]
」
(翻訳文)
「【0019】図1及び図2を参照すると、本発明の実施例による掘削機自動化システムはリモートコントロール掘削機(100)、リモートコントロールステーション(200)、TPS(TaskPlanningSystem)サーバー(300)、及び3Dモデリングシステム(400)を含む。」
c 「
[図:0001398847000003.jpg]
」
(翻訳文)
「【0023】前記リモートコントロール掘削機(100)はステレオカメラ、DGPSセンサー、及び前記掘削機のすべての状態をリアルタイムで把握するための統合センサーモジュールを具備して、前記ステレオカメラによって撮影された地形情報、前記DGPSセンサー、及び前記統合センサーモジュールによって感知された感知結果を前記リモートコントロールステーション(200)に転送する。
【0024】前記リモートコントロールステーション(200)は前記ステレオカメラによって撮影された地形情報及び前記DGPSセンサーによって感知された前記掘削機(100)の位置情報に基づいて前記作業領域の前記3次元デジタル地形情報をアップグレードさせる。」
d 「
[図:0001398847000004.jpg]
」
(翻訳文)
「【0033】続いて、前記リモートコントロール掘削機(100)が前記移動を完了すると、前記リモートコントロールステーション(200)は前記リモートコントロール掘削機(100)にローカル領域のスキャニングを命令するスキャニング命令を発生させて、前記スキャニング命令を前記リモートコントロール掘削機(100)に転送する。次に、前記リモートコントロール掘削機(100)は前記ステレオカメラ及び前記DGPSを利用するローカル領域スキャニングをして、スキャニング情報を前記リモートコントロールステーション(200)を通じて前記TPSサーバー(300)に転送する。次に、前記TPSサーバー(300)は前記リモートコントロール掘削機(100)からのローカル領域スキャニング情報に基づいて全体地形情報を連続してアップデートして、前記リモートコントロールステーション(200)はアップデートされる全体地形情報によって前記リモートコントロール掘削機(100)の掘削作業を制御する(S6、S7、S8)。
【0034】前記リモートコントロールステーション(200)は前記アップデートされた情報と作業計画とを対比して作業の進行を判断する。
【0035】判断の結果、作業が完了しない場合、前記リモートコントロールステーション(200)は前記リモートコントロール掘削機(100)に掘削と積み上げ作業の進行を命令する。作業が進行されて、目標とした掘削作業が完了すると、前記リモートコントロールステーションは掘削を終了して、次の作業に待機する(S10ないしS13)。」
(イ)引用発明1
上記(ア)の記載事項より、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。
(なお、「スキャニング情報」は「ローカル領域をスキャニングし」て得られるもので「ローカル領域スキャニング情報」と同じものであるから、「ローカル領域スキャニング情報」に記載を統一した。)
(引用発明1)
「掘削機自動化システムを統合管理するための方法であって、
掘削機自動化システムはリモートコントロール掘削機、リモートコントロールステーション、TPS(TaskPlanningSystem)サーバー、及び3Dモデリングシステムを含み、
前記リモートコントロール掘削機はステレオカメラを具備して、前記ステレオカメラによって撮影された地形情報を前記リモートコントロールステーションに転送し、
前記リモートコントロールステーションは前記ステレオカメラによって撮影された地形情報に基づいて作業領域の3次元デジタル地形情報をアップグレードさせるものであり、
前記リモートコントロール掘削機が移動を完了すると、前記リモートコントロールステーションは前記リモートコントロール掘削機にローカル領域のスキャニングを命令するスキャニング命令を発生させて、前記スキャニング命令を前記リモートコントロール掘削機に転送し、次に、前記リモートコントロール掘削機は前記ステレオカメラを利用するローカル領域スキャニングをして、ローカル領域スキャニング情報を前記リモートコントロールステーションを通じて前記TPSサーバーに転送し、次に、前記TPSサーバーは前記リモートコントロール掘削機からのローカル領域スキャニング情報に基づいて全体地形情報を連続してアップデートして、前記リモートコントロールステーションはアップデートされる全体地形情報によって前記リモートコントロール掘削機の掘削作業を制御し、
前記リモートコントロールステーションは前記アップデートされた情報と作業計画とを対比して作業の進行を判断し、
判断の結果、作業が完了しない場合、前記リモートコントロールステーションは前記リモートコントロール掘削機に掘削と積み上げ作業の進行を命令し、作業が進行されて、目標とした掘削作業が完了すると、前記リモートコントロールステーションは掘削を終了して、次の作業に待機する、
掘削機自動化システムを統合管理するための方法。」
(14)対比
本件補正発明2と引用発明1とを対比する。
(ア)引用発明1の「ステレオカメラ」、「ローカル領域スキャニング情報」、「全体地形情報」、「アップデート」は、本件補正発明2の「撮像装置」、「地面の形状に関する情報」、「地形情報」、「更新」にそれぞれ相当する。
(イ)引用発明1の「スキャニング」は「ステレオカメラ」によって行われていることから「撮像」行為であるといえ、本件補正発明2の「撮像」に相当する。
(ウ)本件補正発明2の「ショベル」と引用発明1の「リモートコントロール掘削機」は、「掘削機」で共通する。
(エ)引用発明1で「ステレオカメラ」が「リモートコントロール掘削機」に具備されているから、引用発明1の「ステレオカメラを利用するローカル領域スキャニング」をして得られる「ローカル領域スキャニング情報」は、「リモートコントロール掘削機」の周囲の「地形情報」であるといえ、本件補正発明2の「ショベルの周囲の地面の形状に関する情報」と引用発明1の「ステレオカメラを利用するローカル領域スキャニング」をして
得られる「ローカル領域スキャニング情報」とは、「掘削機」の周囲の「地面の形状に関する情報」である点で共通する。
(オ)引用発明1において「ローカル領域スキャニング情報」に基づいて「全体地形情報」を「アップデート」することは、本件補正発明2において「地形情報」を「地面の形状に関する情報」に基づいて「更新」することに相当する。
(カ)引用発明1は「TPSサーバー」が「リモートコントロール掘削機」からのローカル領域スキャニング情報に基づいて全体地形情報を連続してアップデートして、「リモートコントロールステーション」はアップデートされる全体地形情報によって「リモートコントロール掘削機」の掘削作業を制御し、「リモートコントロールステーション」はアップデートされた情報と作業計画とを対比して作業の進行を判断し、判断の結果、作業が完了しない場合、「リモートコントロールステーション」は「リモートコントロール掘削機」に掘削と積み上げ作業の進行を命令し、作業が進行されて、目標とした掘削作業が完了すると、「リモートコントロールステーション」は掘削を終了して、次の作業に待機するものであるところ、「アップデートされた情報」と「作業計画」との対比により「作業の進行」の「判断の結果」によって「掘削作業」の進行と終了を決定することから、掘削の度に「全体地形情報」が「アップデート」されるといえ、このことは、本件補正発明2の「今回の前記掘削動作前の」「地形情報」を「今回の前記掘削動作後の」情報に基づいて更新することに相当する。
(キ)引用発明1において、「リモートコントロールステーション」はアップデートされた情報と作業計画とを対比して作業の進行を判断するものであるから、「今回の」掘削動作前に取得される「ローカル領域スキャニング情報」は、作業の進行を把握するために「前回の」掘削動作に対応する空間を含むものであることは当然である。したがって、引用発明1における「ローカル領域スキャニング情報」は、本件補正発明2の「前回の掘削動作に対応する空間に対して今回の掘削動作前に」取得される「ショベルの周囲の地面の形状に関する情報」に相当する。
(ク)引用発明1の「前記リモートコントロール掘削機」が「前記ステレオカメラを利用するローカル領域をスキャニングして」いることと上記(カ)より、引用発明1は「ステレオカメラ」により掘削の度に「ローカル領域スキャニング情報」を取得しているといえ、このことは、上記(キ)より、本件補正発明2が「撮像装置」により今回の掘削動作後に「ショベルの周囲の地面の形状に関する情報」を取得することに相当する。
(ケ)上記(カ)より、引用発明1は掘削の度に「全体地形情報」が「アップデート」される「方法」であるから、本件補正発明2の「地形データ更新方法」に相当する。
(コ)以上によれば、本件補正発明2と引用発明1は、
「掘削機に備えた撮像装置により撮像された地面の形状に関する情報を取得する地形データ更新方法であって、
掘削機に備えた撮像装置により、前回の掘削動作に対応する空間に対して今回の掘削動作前に掘削機の周囲の地面の形状に関する情報を取得し、
撮像装置により今回の掘削動作後にショベルの周囲の地面の形状に関する情報を取得し、
今回の掘削動作前のショベルの周囲の地面の形状に関する情報に基づく地形情報を今回の掘削動作後のショベルの周囲の地面の形状に関する情報に基づいて更新する地形データ更新方法。」
で一致し、以下の点で相違する。
(相違点4)
本件補正発明2の「掘削機」は「ショベル」であるのに対し、引用発明1の「掘削機」は「リモートコントロール掘削機」である点。
(相違点5)
本件補正発明2では「地面の形状に関する情報」を取得するに際し、「地面までの距離」を認識するのに対し、引用発明1ではそのような構成になっているか不明である点。
(15)検討
上記相違点について検討する。
(ア)相違点4について
「掘削機」としてショベルを採用することは、本願出願時において広く知られた技術であるから、引用発明1の「掘削機」としてショベルを採用することは、当業者が容易になし得たことである。
(イ)相違点5について
引用発明1の「ステレオカメラ」は、「リモートコントロール掘削機」に設けられて「3次元デジタル地形情報」の元となる「地形情報」を得るものであるから、地形の地面までの距離が認識されることは当然なし得る程度のことに過ぎない。
よって、相違点5は実質的な相違点とは言えない。
(16)小括
よって、本件補正発明2は、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(17)独立特許要件についてのまとめ
以上より、本件補正発明2は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 補正の却下の決定についてのむすび
上記2より、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
したがって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本件発明について
1 請求項1
(1)本件に係る発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本件の請求項1に係る発明(以下「本件発明1」という。)は、前記第2の1の本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載の事項により特定されるとおりのものであると認める。
(2)原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、先願発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない、というものである。
(3)本願の優先権主張について
本願は、平成26年6月20日の出願である先の出願に基いた優先権主張をするものであるが、本願請求項1に記載された「マルチコプタ」との発明特定事項が、先の出願の最初に添付した明細書又は図面に記載されていないから、当該優先権主張は認められず、本件発明1に対して、特許法第29条の2等の規定に関する判断の基準日は、分割に係る原出願の出願日である平成27年6月17日である。
(4)先願発明
原査定の拒絶の理由で引用された先願には、上記第2の2(3)イに示した先願発明が記載されている。
(5)対比、判断
ア 対比
(ア)本件発明1は、本件補正発明1に係る「掘削前の地面の形状」と「掘削後の地面の形状」について、「地面を撮像して前記掘削前の地面までの距離を認識して」取得するとの限定(すなわち「相違点3」である。上記第2の2(5)(オ)参照。)を省いたものである。
(イ)そうすると、本件発明1と先願発明の相違点は上記第2の2(5)(オ)に示した相違点1及び2と同様である。
イ 判断
相違点1については、上記第2の2(6)(ア)において示したとおり、実質的な相違点とは言えない。
相違点2についても、上記第2の2(6)(イ)において示したとおり、実質的な相違点とは言えない。
したがって、本件発明1は先願発明と実質同一である。
ウ 意見書における請求人の主張について
(ア)請求人は、令和3年7月12日提出の意見書において、次のように主張している。
「本願発明は、撮像装置によりショベルによる掘削前の地面の形状に関する情報を取得し、その後、前記撮像装置によりショベルによる掘削後の地面の形状に関する情報を取得することを特徴としています。 これにより、本願発明は、掘削作業により作業対象の地面の形状が変化しても、作業前だけでなく作業後も撮像装置により地面の形状に関する情報を取得することで、掘削直後であっても最新の地面の形状をリアルタイムで把握することができます(段落[0042]及び[0043]参照。)。」(意見書[2](2-1)、2~7行)
「引用文献1には、本願発明の如く「撮像装置によりショベルによる掘削前の地面の形状に関する情報を取得し、その後、前記撮像装置によりショベルによる掘削後の地面の形状に関する情報を取得する」ことは、一切、記載されていません。上述の如く、本願発明と引用文献1に開示された発明とは異なる発明であります。」(意見書[2](2-2)、21~24行)
(イ)しかしながら、上記第2の2(6)(イ)で検討したとおり、この点は先願発明との実質的な相違点とは認められず、上記請求人の主張は採用できない。
なお、請求人の主張が、本願発明は各回の掘削動作の都度撮像装置により地面の形状に関する情報を取得するのに対して、先願発明はそうではないというものであるとした場合、本件発明1は「掘削前の地面の形状に関する情報を取得」、「掘削後の地面の形状に関する情報を取得」というものであって、(各回の)掘削動作前、後の地面の形状に関する情報を取得するとされていない。その上、本願明細書の発明の詳細な説明を参照しても、各回の掘削動作による地面の形状は、姿勢検出装置M3による検出から導き出される旨の説明であり、撮像装置M4による地形情報取得について各回の掘削動作の前後と結びつけた例は説明されておらず、やはり上記請求人の主張を採用することはできない。
2 請求項2
(1)本件に係る発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本件の請求項2に係る発明(以下「本件発明2」という。)は、前記第2の1の本件補正前の特許請求の範囲の請求項2に記載の事項により特定されるとおりのものと認める。
(2)原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項2に係る発明は、原出願の出願日前に頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である引用文献1に記載された発明に基いて、その原出願の出願日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることがでいない、というものである。
(3)本願の優先権主張について
なお、本願は、平成26年6月20日の出願である先の出願に基いた優先権主張をするものであるが、本願請求項2に記載された「ショベルに備えた撮像装置」との発明特定事項が、先の出願の最初に添付した明細書又は図面に記載されていないから、当該優先権主張は認められず、本件発明2に対して、特許法第29条第2項等の規定に関する判断の基準日は、分割に係る原出願の出願日である平成27年6月17日である。
(4)引用発明1
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1には、上記第2の2(13)(イ)に示した引用発明1が記載されている。
(5)対比、判断
ア 対比
(ア)本件発明2は、本件補正発明2に係る「地形データ更新方法」について、「ショベルに備えた撮像装置により撮像された地面までの距離を認識して地面の形状に関する情報を取得する」との限定(すなわち「相違点5」である。上記第2の2(14)(コ)参照。)、「掘削前」について、「今回の」掘削「動作」前との限定、「掘削前」に取得する「ショベルの周囲の地面の形状に関する情報」について、「前回の掘削動作に対応する空間に対」するものであるとの限定、「掘削後」について、「今回の」掘削「動作」後との限定を省いたものである。
(イ)そうすると、本件発明2と引用発明1の相違点は上記第2の2(14)(コ)に示した相違点4と同様である。
イ 判断
相違点4については、上記第2の2(15)(ア)において示したとおり、当業者が容易になし得たことである。
したがって、本件発明2は、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
ウ 意見書における請求人の主張について
(ア)請求人は、令和3年7月12日提出の意見書において、次のように主張している。(なお、下記請求人の主張中の「引用文献3」は、本審決における引用文献1を指す。)
「引用文献3にも本願発明の特徴である「撮像装置によりショベルによる掘削前の地面の形状に関する情報を取得し、その後、前記撮像装置によりショベルによる掘削後の地面の形状に関する情報を取得する」ことは、一切、記載されていません。
具体的に引用文献3を確認しても、『「ステレオカメラ」を利用して「ローカル領域のスキャニング情報」を生成すること』、そして、『「ローカル領域のスキャニング情報」を「全体地形情報」へ統合すること』が開示されているに過ぎません(段落[0033]参照)。 このため、引用文献3に開示された発明を用いても本願発明の如く「掘削作業により作業対象の地面の形状が変化しても、作業前だけでなく作業後も撮像装置により地面の形状に関する情報を取得することで、掘削直後であっても最新の地面の形状をリアルタイムで把握することができる」と言う効果を奏することはできません。」(意見書[3](3-2)、3~12行)
(イ)しかしながら、上記第2の2(14)(カ)で検討したとおり、この点は引用文献1に記載されていると認められ、上記請求人の主張は採用できない。
第4 むすび
以上のとおり、本件発明1は先願発明と同一であり、しかも、この出願の発明者が先願発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が特許出願1の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。
また、本件発明2は、引用発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-003459