特許拒絶査定不服審判
2021-015430
透過率可変装置
- 審判番号
- 2021-015430
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-558679外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年11月11日
- 審決日
- 2022年11月14日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】エルジー・ケム・リミテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (G02F) / P18 .16 -Z (G02F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条の2、特許法第184条の4第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-558679「透過率可変装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年11月 1日国際公開、WO2018/199614、令和 2年 6月18日国内公表、特表2020-518032〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)4月25日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2017年4月28日、韓国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。
令和 2年10月13日付け:拒絶理由通知書
令和 3年 1月20日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年 7月 7日付け:拒絶査定(原査定)
令和 3年11月11日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 4年 4月20日 :上申書の提出
第2 本願発明
本願の請求項に係る発明は、令和3年11月11日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
互いに重なって配置されている第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層を含む透過率可変装置であって、
前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層はそれぞれ液晶ホストおよび二色性染料ゲストを含み、
電圧無印加または電圧印加状態で前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層の液晶ホストは互いの光軸が平行となるように水平配向されており、
前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層の間には位相差素子が配置され、
前記位相差素子は、550nmの波長の光に対する面上位相差が200nm~350nmの範囲内であり、
電圧の印加によりクリア状態とブラック状態の間をスイッチングでき、
クリア状態でゲストホスト層の表面の法線と20度の角度をなす入射光の透過率(Tc)とブラック状態での前記入射光の透過率(Tb)の比(Tc/Tb)が7.5以上であり、
前記透過率可変装置は、互いに対向配置されている第1基板および第2基板と互いに対向配置されている第3基板および第4基板をさらに含み、
前記第1ゲストホスト層が前記第1基板および第2基板の間に位置し、
前記第2ゲストホスト層が前記第3基板および第4基板の間に存在し、
前記第2基板および第3基板が互いに対向して配置されており、
前記位相差素子が前記第2基板と前記第3基板とからなり、
前記第2基板および第3基板の550nmの波長の光に対する面上位相差の合計値が2 00nm~350nmの範囲内である、
透過率可変装置。」
第3 原査定の拒絶の理由
原査定の請求項11に係る発明の拒絶の理由の概要は、
1.(進歩性)この出願の請求項11に係る発明は、その出願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、
2.(拡大先願)この出願の請求項11に係る発明は、その出願の優先日前の外国語特許出願(特許法第184条の4第3項の規定により取り下げられたものとみなされたものを除く。)であって、その出願後に国際公開がされた下記の外国語特許出願の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の外国語特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない(同法第184条の13参照)、
というものである。
記
引用文献1.特開昭49-46954号公報
先願.PCT/US2017/020957号(国際公開第2017/172277号、特表2019-511750号公報)
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開昭49-46954号公報には、図面とともに、次の記載がある(下線は、当審で付した。以下同じ。)。
「特許請求の範囲
1. 2分の1波長板の前面及び背面に、導電膜を形成した2枚の透明な電極板間の間隙に液晶を注入したものを重ね合わせ、上記2枚の電極板の少なくとも1枚の内面に上記液晶分子を一定方向に揃える処理を施こし、上記液晶を二色性をもった液晶あるいは二色性色素を添加した液晶とした液晶を用いた表示装置。」
「そこでコントラストを大きくするために、2枚の偏光板を用いて光の向きを変えコントラストを大きくするものがあったが、これでは入射光の少なくとも50%は偏光板で吸収され、入射光の弱い時にはコントラストが十分に大きくとれなかった。
本発明は上記欠陥を除去するもので以下図面について説明する。」(1頁右欄下から7~1行)
「第4図示の例では、液晶(3)、(3’)の液晶分子及び色素がたとえば第3A図のように電極板(1)、(2)、(1’)、(2’)に平行に揃っているとき、すなわち電場のないとき入射光は液晶(3)を通過する間に、液晶分子(3a′)の長軸および二色性色素(3b′)の長軸と同方向に電気ベクトルをもつ光は吸収され、残余の光が通過する。そしてこの残余の光は2分の1波長板(6)を通過する間にその電気ベクトルを90度変化し、さらに液晶(3′)を通過したときは液晶分子(3a′)および二色性色素(3b′)の長軸と同方向の電気ベクトルになるのでこんどは吸収される。この場合も二色性色素(3b’)および入射光を適当に選べば最初の入射光のほとんどが吸収されるので、黒くなるか色素の色が非常に濃くみえる。また液晶(3)に電場をかけず、第3B図のように液晶分子(3a′)および二色性色素(3b′)が電極板(1)、(2)、(1’)、(2’)に直角に揃っているときは光は吸収されないで透過しほとんど色がなくみえる。」(3頁右上欄9行~左下欄5行)
第3A図、第3B図及び第4図は、以下のとおりである。
[図:0001395785000001.jpg]
[図:0001395785000002.jpg]
(イ)引用発明
したがって、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「2分の1波長板の前面及び背面に、導電膜を形成した2枚の透明な電極板間の間隙に液晶を注入したものを重ね合わせ、上記2枚の電極板の少なくとも1枚の内面に上記液晶分子を一定方向に揃える処理を施こし、上記液晶を二色性をもった液晶あるいは二色性色素を添加した液晶とした液晶を用いた表示装置であって、
液晶の液晶分子及び色素がたとえば電極板に平行に揃っているとき、すなわち電場のないとき入射光は液晶(3)を通過する間に、液晶分子の長軸および二色性色素の長軸と同方向に電気ベクトルをもつ光は吸収され、残余の光が通過し、この残余の光は2分の1波長板を通過する間にその電気ベクトルを90度変化し、さらに液晶(3′)を通過したときは、当該残余の光は液晶分子および二色性色素の長軸と同方向の電気ベクトルをもつことになって吸収され、黒くなるか色素の色が非常に濃くみえる表示装置。」
2 先願
(ア)原査定の拒絶の理由に先願として引用された、PCT/US2017/020957号(国際出願日2017年3月6日、国際公開第2017/172277号、特表2019-511750号公報)の明細書、請求の範囲又は図面(以下「先願明細書等」という。)には、以下の事項が記載されている。
ここで,先願に係る発明をした者と本願の発明者とは同一ではなく,また、本願の出願時において,本願の出願人と先願の出願人とは同一ではない。
「
[図:0001395785000003.jpg]
[図:0001395785000004.jpg]
」
(訳は特表2019-511750号公報をもとに作成、以下同じ。:
【0006】 本開示の可変透過フィルタの好ましい実施形態は、一方をその光軸を中心に他方に対して180°回転させて逆配置になるように配置された第1及び第2のゲストホスト液晶装置を光学的に直列に組み合わせる。第1のゲストホスト装置は内部表面間に液晶ダイレクタを有する液晶材料を含有する第1の電極構造を含む。液晶ダイレクタは内部表面への投影を有する。半波長光学リターダ等の偏光状態変化装置が第1及び第2のゲストホスト液晶装置の間に置かれる。第1及び第2のゲストホスト液晶装置の液晶ダイレクタの逆配列は可変透過フィルタの視角範囲を改善するが、結果として及び偏光状態変化装置がなければコントラスト比の減少をもたらす。このコントラスト比の減少の理由は、以下の通りである。可変透過フィルタに入射する非偏光は第1及び第2の直交した直線偏光状態とみなせ、第1の偏光状態及び第2の偏光状態はそれぞれ第1のゲストホスト液晶装置の液晶ダイレクタの投影に平行及び直角である。補償がない場合、第1及び第2のゲストホスト液晶装置に印加される電界に応答して可変透過フィルタを伝搬する第2の偏光状態の光の透過に明らかな変化は生じないので、可変透過フィルタのコントラスト比は常に2より小さい。逆配列により生じるコントラスト比の減少は、第1及び第2のゲストホスト液晶装置の間に偏光状態変化装置を配置して、第1のゲストホスト装置を出射する光の偏光状態に変化を導入し、第1のゲストホスト液晶装置に入射する第1の偏光状態及び第2の偏光状態の光の透過率がそれぞれ第1のゲストホスト液晶装置に印加される電界及び第2のゲストホスト液晶装置に印加される電界に応答するようにすることによって、補償することができる。偏光状態変化装置は、逆配列によって提供される視角範囲の改善を維持したまま、第1及び第2のゲストホスト液晶装置の逆配列により生じるコントラスト比の減少を相殺する。(特表2019-511750号公報【0005】))
「
[図:0001395785000005.jpg]
[図:0001395785000006.jpg]
」
(【0063】 図1は本開示のゲストホスト液晶可変透過フィルタ10の好ましい実施形態の簡略図であり、この可変透過フィルタ10は、第1のVANゲストホスト液晶装置12と第2のVANゲストホスト液晶装置14とを備え、各液晶装置は2色性染料又は染料混合物が添加された負の誘電異方性を有するホスト液晶を含む。液晶装置12及び14は電気制御複屈折(ECB)タイプであり、負の誘電異方性を有するホスト液晶の場合には、垂直配向ネマティック(VAN)ゲストホスト液晶装置とも称される。簡単にするために、VANゲストホスト液晶装置12及び14の各々の屈折率整合膜は図から省略されている。VANゲストホスト液晶装置12及び14はそれぞれ、液晶ダイレクタ18からなる配向場16及び液晶ダイレクタ22からなる配向場20を有する。配向場16及び20の各々は中間駆動電圧Vでの状態を示す。VANゲストホスト液晶装置14の配向場20は、VANゲストホスト液晶装置14はその垂直軸を中心に180°回転されている点を除いて、VANゲストホスト液晶装置14の配向場16と同様である。言い換えれば、配向場20内の液晶ダイレクタ22は配向場16内の対応する液晶ダイレクタ18と比較して逆に配列される。第1のVANゲストホスト装置12の配向場16内に埋め込まれた太い黒線断片19及び第2のVANゲストホスト装置14の配向場20内に埋め込まれた太い黒線分23は溶存する2色性染料又は染料の混合物を示す。
【0064】 VAN液晶装置12は、基板プレート241及び242を含む、離間した対をなす第1の電極構造を有する。基板プレート241上に形成される光学的に透明な電極261は、対をなす第1の電極構造の一方の内面を構成し、この内面上に配向層281が形成される。基板プレート242上に形成される光学的に透明な電極262は、対をなす第1の電極構造の他方の内面を構成し、この内面上に配向層282が形成される。配向層281及び282は、それぞれ配向面301及び302を有する。
【0065】 VAN液晶装置14は、基板プレート321及び322を含む、離間した対をなす第2の電極構造を有する。基板プレート321上に形成される光学的に透明な電極341は、対をなす第2の電極構造の一方の内面を構成し、この内面上に配向層361が形成される。基板プレート322上に形成される光学的に透明な電極342は、対をなす第2の電極構造の他方の内面を構成し、この内面上に配向層362が形成される。配向層361及び362は、それぞれ配向面381及び382を有する。(特表2019-511750号公報【0011】、【0012】、【0013】))
「
[図:0001395785000007.jpg]
」
(【0070】 第4の実施形態では、図1の光学素子44は、日本国東京所在の帝人株式会社で製造される材料を用いる帝人型の広帯域半波長光学リターダ膜である。これらの光学リターダ膜は光学的に正又は光学的に負のモノマー単位を含む混合ポリマー又はコポリマーから製造される。これらの広帯域偏光状態変化膜は広い波長範囲に亘って実質的に波長と無関係の位相遅延を示す固有特性を有する。この半波長光学リターダは単層リターダ膜が好ましいが、互いに平行に配置された光軸を有する2層の四分の一波長光学リターダ膜の積層スタックとして構成してもよい。このような積層スタックの外面は第1の主表面及び第2の主表面を有する。第1の実施形態と同様に、この半波長光学リターダはVANゲストホスト液晶装置12及び14の間に配置し、その光軸を配向面302及び381における表面接触ダイレクタ18c及び22cの方位角方向である矢印42に対して45°に向ける。(特表2019-511750号公報【0018】))
「
[図:0001395785000008.jpg]
」
(【0085】 図25は開示のゲストホスト液晶可変透過フィルタ10の代替好適実施形態の簡略図である。この代替実施形態では、図1に示す実施形態の2つの内部基板242及び321が第1のゲストホスト装置12及び第2のゲストホスト装置14から除去され、単一の光学素子44と代替され、この場合にはこの光学素子44は半波長光学リターダとしてのみならず、第1のゲストホスト装置12a及び第2のゲストホスト装置14aの内部基板として機能する。この代替実施形態はより薄くより軽量のゲストホスト液晶可変透過フィルタ10aをもたらし、このフィルタは第1のゲストホスト装置12a及び第2のゲストホスト装置14aを含み、特に外部基板241及び322が湾曲した形状に形成し得る可撓性プラスチック材料からなる場合には、特にアイウェアに適している。図25の他の番号の要素は図1につき既に記載したものと同じである。(特表2019-511750号公報【0033】))
図25から、第1のゲストホスト装置12aと第2のゲストホスト装置14aは重なって配置されていることが、見て取れる。
[図:0001395785000009.jpg]
(イ)したがって、先願には、次の発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認められる。
「第1のゲストホスト液晶装置と第2のゲストホスト液晶装置とを備え、各液晶装置は2色性染料又は染料混合物が添加された負の誘電異方性を有するホスト液晶を含み、
第1のゲストホスト装置と第2のゲストホスト装置は重なって配置され、
第2のゲストホスト液晶装置の配向場は、第2のゲストホスト液晶装置はその垂直軸を中心に180°回転されている点を除いて、第1のゲストホスト液晶装置の配向場と同様であり、
第1のゲストホスト液晶装置は、基板プレート241を含み、配向場、及び配向層281及び282が形成される離間した対をなす第1の電極構造を有し、
第2のゲストホスト液晶装置は、基板プレート322を含み、配向場、及び配向層361及び362が形成される離間した対をなす第2の電極構造を有し、
光学素子44は第1のゲストホスト装置及び第2のゲストホスト装置の内部基板として機能し、
光学素子44の半波長光学リターダは互いに平行に配置された光軸を有する2層の四分の一波長光学リターダ膜の積層スタックとして構成してもよく、
第1のゲストホスト液晶装置に入射する第1の偏光状態及び第2の偏光状態の光の透過率がそれぞれ第1のゲストホスト液晶装置に印加される電界及び第2のゲストホスト液晶装置に印加される電界に応答するようにすることによって、補償することができ、偏光状態変化装置は、逆配列によって提供される視角範囲の改善を維持したまま、第1及び第2のゲストホスト液晶装置の逆配列により生じるコントラスト比の減少を相殺する、
ゲストホスト液晶可変透過フィルタ。」
第5 進歩性について
1 対比
本願発明と引用発明を対比する。
(1)引用発明の「表示装置」は、本願発明の「透過率可変装置」に、
引用発明の「液晶」は、本願発明の「液晶ホスト」に、
引用発明の「二色性色素」は、本願発明の「二色性染料ゲスト」に、
引用発明の「2分の1波長板」は、本願発明の「位相差素子」に、
それぞれ相当する。
(2)本願発明の「互いに重なって配置されている第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層を含む透過率可変装置であって、前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層はそれぞれ液晶ホストおよび二色性染料ゲストを含み」の構成について
引用発明は「2分の1波長板の前面及び背面に、導電膜を形成した2枚の透明な電極板間の間隙に液晶を注入したものを重ね合わせ、上記2枚の電極板の少なくとも1枚の内面に上記液晶分子を一定方向に揃える処理を施こし、上記液晶を二色性をもった液晶あるいは二色性色素を添加した液晶とした液晶を用い」ていることから、引用発明の「『2分の1波長板の前面』に『導電膜を形成した2枚の透明な電極板間の間隙に液晶を注入したもの』」が、本願発明の「第1ゲストホスト層」に、引用発明の「『2分の1波長板』の『背面に、導電膜を形成した2枚の透明な電極板間の間隙に液晶を注入したもの』」が、本願発明の「第2ゲストホスト層」に、それぞれ相当し、引用発明の「液晶」は「二色性色素を添加した液晶とし」ていることから、上記注入した液晶は、「二色性色素を添加した液晶とし」ているといえる。
したがって、引用発明は上記構成を備えている。
(3)本願発明の「電圧無印加または電圧印加状態で前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層の液晶ホストは互いの光軸が平行となるように水平配向されており」の構成について
引用発明において、「液晶の液晶分子及び色素がたとえば電極板に平行に揃っているとき、すなわち電場のないとき入射光は液晶(3)を通過する間に、液晶分子の長軸および二色性色素の長軸と同方向に電気ベクトルをもつ光は吸収され、残余の光が通過し、この残余の光は2分の1波長板を通過する間にその電気ベクトルを90度変化し、さらに液晶(3′)を通過したときは、当該残余の光は液晶分子および二色性色素の長軸と同方向の電気ベクトルをもつことになって吸収され、黒くなるか色素の色が非常に濃くみえる」ことから、電場のないとき液晶の液晶分子及び色素が電極板に平行に揃っているといえる。また、液晶(3)で吸収されなった残余の光が、電気ベクトルを90度変化して液晶(3′)を通過したときこんどは吸収されることから、液晶(3)と液晶(3′)は長軸が平行になっているといえる。
したがって、引用発明は上記構成を備えている。
(4)本願発明の「前記位相差素子は、550nmの波長の光に対する面上位相差が200nm~350nmの範囲内であり」の構成について
引用発明は「2分の1波長板」を備えているので、550nmの波長の光に対する面上位相差が275nm程度と考えられ、200nm~350nmの範囲内にあるといえる。
したがって、引用発明は上記構成を備えている。
(5)本願発明の「電圧の印加によりクリア状態とブラック状態の間をスイッチングでき」の構成について
引用発明において、「液晶の液晶分子及び色素がたとえば電極板に平行に揃っているとき、すなわち電場のないとき入射光は液晶(3)を通過する間に、液晶分子の長軸および二色性色素の長軸と同方向に電気ベクトルをもつ光は吸収され、残余の光が通過し、この残余の光は2分の1波長板を通過する間にその電気ベクトルを90度変化し、さらに液晶(3′)を通過したときは、当該残余の光は液晶分子および二色性色素の長軸と同方向の電気ベクトルをもつことになって吸収され、黒くなるか色素の色が非常に濃くみえる」ことから、電場のないときには黒くなるか色素の色が非常に濃くみえ、電場があるときは、クリア状態であると考えるのが自然である。
したがって、引用発明は上記構成を備えている。
(6)本願発明の「前記透過率可変装置は、互いに対向配置されている第1基板および第2基板と互いに対向配置されている第3基板および第4基板をさらに含み、前記第1ゲストホスト層が前記第1基板および第2基板の間に位置し、前記第2ゲストホスト層が前記第3基板および第4基板の間に存在し、前記第2基板および第3基板が互いに対向して配置されており」の構成について
引用発明の表示装置は、「2分の1波長板の前面及び背面に、導電膜を形成した2枚の透明な電極板間の間隙に液晶を注入したものを重ね合わせ、上記2枚の電極板の少なくとも1枚の内面に上記液晶分子を一定方向に揃える処理を施こし」ているので、引用発明の「『2分の1波長板の前面』の『2枚の透明な電極板』」が、本願発明の「互いに対向配置されている第1基板および第2基板」に、引用発明の「『2分の1波長板の』『背面』の『2枚の透明な電極板』」が、本願発明の「互いに対向配置されている第3基板および第4基板」に相当する。
そして、引用発明の「『2分の1波長板の前面』の『2枚の透明な電極板間の間隙に』『二色性色素を添加した液晶とした』『液晶を注入し』」は、本願発明の「前記第1ゲストホスト層が前記第1基板および第2基板の間に位置し」に、引用発明の「『2分の1波長板の』『背面』の『2枚の透明な電極板間の間隙に』『二色性色素を添加した液晶とした』『液晶を注入し』」は、本願発明の「前記第2ゲストホスト層が前記第3基板および第4基板の間に存在し」に相当する。
また、引用発明の「2分の1波長板の前面及び背面に、導電膜を形成した2枚の透明な電極板」の「2分の1波長板の前面」側の「透明な電極板」と、「2分の1波長板の背面」側の「透明な電極板」とは、2分の1波長板を挟んで対向配置しているといえる。
したがって、引用発明は上記構成を備えている。
(7)以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
【一致点】
「互いに重なって配置されている第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層を含む透過率可変装置であって、
前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層はそれぞれ液晶ホストおよび二色性染料ゲストを含み、
電圧無印加または電圧印加状態で前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層の液晶ホストは互いの光軸が平行となるように水平配向されており、
前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層の間には位相差素子が配置され、
前記位相差素子は、550nmの波長の光に対する面上位相差が200nm~350nmの範囲内であり、
電圧の印加によりクリア状態とブラック状態の間をスイッチングでき、
前記透過率可変装置は、互いに対向配置されている第1基板および第2基板と互いに対向配置されている第3基板および第4基板をさらに含み、
前記第1ゲストホスト層が前記第1基板および第2基板の間に位置し、
前記第2ゲストホスト層が前記第3基板および第4基板の間に存在し、
前記第2基板および第3基板が互いに対向して配置されている、
透過率可変装置。」
【相違点1】
本願発明の透過率可変装置は「クリア状態でゲストホスト層の表面の法線と20度の角度をなす入射光の透過率(Tc)とブラック状態での前記入射光の透過率(Tb)の比(Tc/Tb)が7.5以上である」のに対し、引用発明はそのようなものか明らかでない点。
【相違点2】
位相差素子について、本願発明は「第2基板と第3基板とからなり、第2基板および第3基板の550nmの波長の光に対する面上位相差の合計値が200nm~350nmの範囲内である」のに対し、引用発明は、(第2、第3基板に相当する)透明な電極板とは別に、2分の1波長板を用いている点。
2 判断
(1)相違点1について
まず、引用文献1には「そこでコントラストを大きくするために、2枚の偏光板を用いて光の向きを変えコントラストを大きくするものがあったが、これでは入射光の少なくとも50%は偏光板で吸収され、入射光の弱い時にはコントラストが十分に大きくとれなかった。本発明は上記欠陥を除去するもの」との記載があり、引用発明がコントラストを大きくしようとするものであることは明らかである。そして、引用発明において、二色性色素の材料を変えたり、液晶を注入する電極板間の間隙の大きさを変更したり、2分の1波長板の材料を変えたりすることにより、コントラストが変化することは技術常識であるし、液晶を用いた表示装置において、表示装置の面に対して斜め方向のコントラストも良好にすることも技術常識である。
そうすると、引用発明は、相違点1に係る本願発明の構成を有しているといえるし、そこまではいえないとしても、引用発明において、相違点1に係る本願発明の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得たことである。
(2)相違点2について
ア まず、ゲストホスト液晶に関する技術において、基板と基板の間に液晶層を介在させ、基板の一方を1/4波長板とすることは、周知技術(必要ならば、特開昭54-54059号公報(特に、2頁左下欄第8行~右下欄下から3行、第1図参照)、特開平6-222350号公報(特に、請求項2、【0018】参照)、特開平8-313899号公報(特に、【0028】、図1参照。)等を参照されたい)である。
イ そして、表示装置において、薄くすることや製造工程の低減は、周知の課題といえ、引用発明の2枚の電極板に1/4波長板の機能を持たせ、2分の1波長板を除くと薄くなり製造工程の低減になることは明らかであるといえる。
ウ そうすると、当業者にとって、引用発明の電極板に上記周知技術の基板の一方を1/4波長板とする技術を適用する動機があるといえ、引用発明の「『二色性色素を添加した液晶とした』『液晶を注入し』」た層の間にある、電極板、2分の1波長板及び電極板に換えて、1/4波長板を2枚積層したものに換えることは、当業者が容易に想到し得た事項である。
(3)効果について
そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
(4)まとめ
したがって、本願発明は、当業者が引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明することができたものである。
3 審判請求人の主張について
(1)審判請求人は、審判請求書及び上申書において
ア 「引用文献1には、符号3の層と符号3'の層との間の構成を、「550nmの波長の光に対する面上位相差の合計値が200nm~350nmの範囲内である」という要件を満たす第2基板に相当する部材と第3基板に相当する部材とからなる2層構成にすることについては、記載がなく示唆もされていない。」、
イ 「引用文献1には、本願発明に係る透過率可変装置を、左目用レンズおよび右目用レンズとしてアイウェアの一部材として用いること、および、当該アイウェアに含まれるフレームについて、装着時の観察者の正面の視線方向と本願発明に係る透過率可変装置の表面の法線がなす角度が15度~40度の範囲内となるように形成することについては、記載がなく示唆もされていない。」旨主張している。
(2)上記主張について、以下検討する。
ア 上記(1)アについては、上記2で説示したとおりである。
イ 上記(1)イの「左目用レンズおよび右目用レンズとしてアイウェアの一部材として用いること」、「アイウェアに含まれるフレームについて、装着時の観察者の正面の視線方向と本願発明に係る透過率可変装置の表面の法線がなす角度が15度~40度の範囲内となるように形成すること」は、本願発明に特定されておらず、本願発明に基づかない主張である。
したがって、審判請求人の主張は採用することはできない。
第6 拡大先願について
1 対比
本願発明と先願発明を対比する。
(1)先願発明の「『第1のゲストホスト液晶装置』の『配向場、及び配向層281及び282が形成される離間した対をなす第1の電極構造』」は、本願発明の「第1ゲストホスト層」に、
先願発明の「『第2のゲストホスト液晶装置』の『配向場、及び配向層281及び282が形成される離間した対をなす第2の電極構造』」は、本願発明の「第2ゲストホスト層」に、
先願発明の「ゲストホスト液晶可変透過フィルタ」は、本願発明の「透過率可変装置」に、
先願発明の「ホスト液晶」は、本願発明の「液晶ホスト」に、
先願発明の「2色性染料」は、本願発明の「二色性染料ゲスト」に、
先願発明の「『第1のゲストホスト装置及び第2のゲストホスト装置の内部基板として機能』する『光学素子44』」は、本願発明の「第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層の間には位相差素子」に、
先願発明の「基板プレート241」は、本願発明の「第1基板」に、
先願発明の「基板プレート322」は、本願発明の「第4基板」に、
それぞれ相当する。
(2)本願発明の「互いに重なって配置されている第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層」の構成について
先願発明の「第1のゲストホスト装置と第2のゲストホスト装置は重なって配置され」ている。
したがって、先願発明は上記構成を備えている。
(3)本願発明の「前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層はそれぞれ液晶ホストおよび二色性染料ゲストを含み」の構成について
先願発明の「各液晶装置は2色性染料又は染料混合物が添加された負の誘電異方性を有するホスト液晶を含」んでいる。
したがって、先願発明は上記構成を備えている。
(4)本願発明の「電圧無印加または電圧印加状態で前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層の液晶ホストは互いの光軸が平行となるように水平配向されており」の構成について
先願発明の「第2のゲストホスト液晶装置の配向場は、第2のゲストホスト液晶装置はその垂直軸を中心に180°回転されている点を除いて、第1のゲストホスト液晶装置の配向場と同様であ」ることから、電圧無印加または電圧印加状態で第1のゲストホスト液晶装置の配向場のホスト液晶および第2のゲストホスト液晶装置の配向場のホスト液晶は互いの光軸が平行となるように水平配向されていると考えるのが自然である。
したがって、先願発明は上記構成を備えている。
(5)本願発明の「前記位相差素子は、550nmの波長の光に対する面上位相差が200nm~350nmの範囲内であり」の構成について
先願発明の「光学素子44」は、「半波長光学リターダ」であるので、550nmの波長の光に対する面上位相差の合計値が275nm程度と考えられ、200nm~350nmの範囲内にあるといえる。
したがって、先願発明は上記構成を備えている。
(6)本願発明の「電圧の印加によりクリア状態とブラック状態の間をスイッチングでき」の構成について
先願発明の「ゲストホスト液晶可変透過フィルタ」は、「第1のゲストホスト液晶装置に入射する第1の偏光状態及び第2の偏光状態の光の透過率がそれぞれ第1のゲストホスト液晶装置に印加される電界及び第2のゲストホスト液晶装置に印加される電界に応答するようにすることによって、補償することができ」ることから、印加される電界に応答するように光の透過率を異ならせているといえる。
したがって、先願発明は上記構成を備えている。
(7)本願発明の「前記透過率可変装置は、互いに対向配置されている第1基板および第2基板と互いに対向配置されている第3基板および第4基板をさらに含み、
前記第1ゲストホスト層が前記第1基板および第2基板の間に位置し、
前記第2ゲストホスト層が前記第3基板および第4基板の間に存在し、
前記第2基板および第3基板が互いに対向して配置されており、
前記位相差素子が前記第2基板と前記第3基板とからなり、
前記第2基板および第3基板の550nmの波長の光に対する面上位相差の合計値が200nm~350nmの範囲内である」の構成について
先願発明の「光学素子44は第1のゲストホスト装置及び第2のゲストホスト装置の内部基板として機能し、光学素子44の半波長光学リターダは互いに平行に配置された光軸を有する2層の四分の一波長光学リターダ膜の積層スタックとして構成してもよ」いことから、先願発明の「『第1のゲストホスト装置』『の内部基板として機能』する『光学素子44の』1「層の四分の一波長光学リターダ膜」」は、本願発明の「『位相差素子』としての『第2基板』」に、先願発明の「『第2のゲストホスト装置の内部基板として機能』する『光学素子44の』別の1「層の四分の一波長光学リターダ膜」」は、本願発明の「『位相差素子』としての『第3基板』」に、それぞれ相当する。
そして、先願発明の「『第1のゲストホスト液晶装置』の『配向場、及び配向層281及び282が形成される離間した対をなす第1の電極構造』」は、「基板プレート241」と「『第1のゲストホスト装置』『の内部基板として機能』する『光学素子44の』1『層の四分の一波長光学リターダ膜」」との間に位置し、「『第2のゲストホスト液晶装置』の『配向場『第1のゲストホスト液晶装置』の『配向場、及び配向層361及び362が形成される離間した対をなす第2の電極構造』」は、「基板プレート322」と「『第2のゲストホスト装置の内部基板として機能』する『光学素子44の』別の1『層の四分の一波長光学リターダ膜』」との間に存在しているといえる。
また、先願発明の「2層の四分の一波長光学リターダ膜の積層スタック」は、半波長光学リターダとなるので、550nmの波長の光に対する面上位相差の合計値が275nmと考えるのが自然であり、200nm~350nmの範囲内にあるといえる。
したがって、先願発明は上記構成を備えている。
(8)以上のことから、本願発明と先願発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
【一致点】
「互いに重なって配置されている第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層を含む透過率可変装置であって、
前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層はそれぞれ液晶ホストおよび二色性染料ゲストを含み、
電圧無印加または電圧印加状態で前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層の液晶ホストは互いの光軸が平行となるように水平配向されており、
前記第1ゲストホスト層および第2ゲストホスト層の間には位相差素子が配置され、
前記位相差素子は、550nmの波長の光に対する面上位相差が200nm~350nmの範囲内であり、
電圧の印加によりクリア状態とブラック状態の間をスイッチングでき、
前記透過率可変装置は、互いに対向配置されている第1基板および第2基板と互いに対向配置されている第3基板および第4基板をさらに含み、
前記第1ゲストホスト層が前記第1基板および第2基板の間に位置し、
前記第2ゲストホスト層が前記第3基板および第4基板の間に存在し、
前記第2基板および第3基板が互いに対向して配置されており、
前記位相差素子が前記第2基板と前記第3基板とからなり、
前記第2基板および第3基板の550nmの波長の光に対する面上位相差の合計値が200nm~350nmの範囲内である、
透過率可変装置。」
【相違点】
本願発明の透過率可変装置は「クリア状態でゲストホスト層の表面の法線と20度の角度をなす入射光の透過率(Tc)とブラック状態での前記入射光の透過率(Tb)の比(Tc/Tb)が7.5以上である」のに対し、先願発明はそのようなものか明らかでない点。
2 判断
(1)相違点について
まず、先願には「偏光状態変化装置は、逆配列によって提供される視角範囲の改善を維持したまま、第1及び第2のゲストホスト液晶装置の逆配列により生じるコントラスト比の減少を相殺する」旨の記載があり、先願発明がコントラストを大きくしようとするものであることは明らかである。そして、先願発明において、2色性染料の材料を変えたり、液晶を注入する電極板間の間隙の大きさを変更したり、2層の四分の一波長光学リターダ膜の積層スタックの材料を変えたりすることにより、コントラストが変化することは技術常識であるし、液晶を用いた表示装置において、表示装置の面に対して斜め方向のコントラストも良好にすることも技術常識である。
そうすると、先願発明は、相違点に係る本願発明の構成を有しているといえる。
よって,上記相違点は、実質的な相違点ではない。
(2)まとめ
したがって,本件補正発明と先願発明とは実質同一である。
3 審判請求人の主張について
(1)審判請求人は、審判請求書及び上申書において、
ア 「引用文献2には、液晶装置14と液晶装置16との間の構成を、「550nmの波長の光に対する面上位相差の合計値が200nm~350nmの範囲内である」という要件を満たす第2基板と第3基板とからなる2層構成にすることについては、記載がない。」、
イ 「また、引用文献2には、本願発明に係る透過率可変装置を含むアイウェアに含まれるフレームについて、装着時の観察者の正面の視線方向と本願発明に係る透過率可変装置の表面の法線がなす角度が15度~40度の範囲内となるように形成することについては、記載がない。」旨主張している。
(2)上記主張について、以下検討する。
ア 上記(1)アについては、上記1で説示したとおりである。
イ 上記(1)イの「左目用レンズおよび右目用レンズとしてアイウェアの一部材として用いること」、「アイウェアに含まれるフレームについて、装着時の観察者の正面の視線方向と本願発明に係る透過率可変装置の表面の法線がなす角度が15度~40度の範囲内となるように形成すること」は、本願発明に特定されておらず、本願発明に基づかない主張である。
したがって、審判請求人の主張は採用することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。また、本願発明は、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-015430