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特許拒絶査定不服審判

2022-001516

商品またはサービスを顧客に提案するためのコンピュータシステム、方法、およびプログラム

審判番号
2022-001516
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-048207外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年02月01日
審決日
2022年12月21日
公報発行日
2023年03月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .55 -WZ (G06Q)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法17条の2第3項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019- 48207「商品またはサービスを顧客に提案するためのコンピュータシステム、方法、およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月22日出願公開、特開2019-139782〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 6項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成29年9月11日に出願した特願2017-174019号の一部を平成30年3月27日に新たな特許出願(特願2018―60463号)とし、さらに、その一部を平成31年3月15日に新たな特許出願としたものであって、令和3年8月27日付けの拒絶理由の通知に対し、同年10月28日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、同年11月11日付けで拒絶査定がされ、これに対して令和4年2月1日に審判請求がされると同時に手続補正がされたものである。そして、その後、当審から同年9月12日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)を通知したが、請求人からの応答はなかった。

第2 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由は、令和4年2月1日に提出された手続補正書(以下、「本件補正書」という。)でした補正及び令和3年10月28日に提出された手続補正書でした補正は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない、というものである。

第3 当審の判断

1 特許法第17条の2第3項について

特許法17条の2第3項は、明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をするときは、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしなければならない旨規定している。上記にいう「当初明細書等に記載した事項」とは、当業者によって、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項であり、補正が、このようにして導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるときは、当該補正は、「当初明細書等に記載した事項」の範囲内においてするものということができると解するのが相当である(知的財産高等裁判所平成18年(行ケ)第10563号同20年5月30日特別部判決参照)。

このため、本件補正書でした補正及び令和3年10月28日に提出された手続補正書でした補正が、当業者によって、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項であり、補正が、このようにして導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるか、検討する。

2 判断

本件補正書でした補正は、令和3年10月28日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の全文を変更するものである。

なお、本件補正書でした補正は、請求項10の記載に読点を加入したのみであるから、令和3年10月28日に提出された手続補正書でした補正の内容と実質的な変更のないものである。

そこで、本件補正書の特許請求の範囲について、以下判断する。

(1) 特許請求の範囲の請求項1について

ア 請求項1の記載は次のとおりである(下線加筆。以下同じ。)

「 顧客の個人情報を受信する手段と、
前記顧客に対する質問に対する回答を受信する手段であって、前記質問は、未必的なリスクと、前記未必的なリスクに関する事象が将来発生した後の前記顧客の生活状態とに関する質問である、受信する手段と、
金融商品と顧客の個人情報と前記質問に対する回答との関連付けに基づいて、前記受信された個人情報と前記受信された回答とに関連付けられた少なくとも1つの金融商品を特定することによって、前記顧客に提案すべき少なくとも1つの金融商品を決定する手段と
を備える、コンピュータシステム。」

イ 上記アのとおり、請求項1には、「金融商品と顧客の個人情報と前記質問に対する回答との関連付けに基づいて、前記受信された個人情報と前記受信された回答とに関連付けられた少なくとも1つの金融商品を特定することによって、前記顧客に提案すべき少なくとも1つの金融商品を決定する手段」と記載されている。

そして、「質問に対する回答」の「質問」とは、請求項1の第2段落の「受信する手段」によれば、「未必的なリスク」と「前記未必的なリスクに関する事象が将来発生した後の前記顧客の生活状態」に関する「質問」である(以下、「未必的なリスクに関する事象が将来発生した後の前記顧客の生活状態」に関する「質問」を単に「顧客の生活状態に関する質問」ともいう。)。

そうすると、請求項1における「金融商品と顧客の個人情報と前記質問に対する回答との関連付け」という発明特定事項は、「金融商品」と「質問に対する回答」とを「関連付け」ているものであるところ、上述のとおり、「質問」は「顧客の生活状態に関する質問」を含むものであるから、当該発明特定事項は、「金融商品」と「顧客の生活状態に関する質問に対する回答」とを「関連付け」ていることになる。

しかしながら、当初明細書等には、「金融商品」と「顧客の生活状態に関する質問に対する回答」とを「関連付け」ていることは記載も示唆もされていない。

すなわち、当初明細書等の【0117】には「上述した例では、コンピュータシステム100を用いて保険商品を顧客に提案することを例に説明したが、提案される対象は保険商品に限定されない。任意の商品またはサービスを顧客に提案することができるコンピュータシステムも本発明の範囲内である。・・・」、同【0118】には「任意の商品またはサービスは、例えば、時間の経過につれて価格が変動するリスクを伴う商品またはサービスであってもよい。時間の経過につれて価格が変動するリスクを伴う商品またはサービスは、例えば、預金、投資信託、株式、国債、外国通貨、コモディティ等の金融商品を含む。」と記載されているように、「保険商品」と「金融商品」は明確に区別されている。

そして、本願の原出願である特願2017-174019号の審査過程における平成29年11月15日に提出された意見書で、請求人が補正の根拠として【図1E】等を挙げ、「病気やけがというリスクに関する事象が将来発生した後、すなわち、将来病気やけがになった後に、どのような入院生活を送りたいかについての質問51」が上記「顧客の生活状態に関する質問」であると主張しているように、当初明細書等には、「商品またはサービス」が「保険商品」の場合において、「顧客の生活状態に関する質問」が記載されているかもしれないが、「金融商品」の場合における「顧客の生活状態に関する質問」や、「金融商品」と「顧客の生活状態に関する質問に対する回答」とを「関連付け」ていることについては記載も示唆もなく、そのことが本願の発明における技術分野において、技術常識であったということもできない。

したがって、請求項1における「金融商品と顧客の個人情報と前記質問に対する回答との関連付け」をするとの発明特定事項は、当業者によって、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項の範囲内のものであるとはいえない。そして、その「関連付け」に基づき、「前記受信された個人情報と前記受信された回答とに関連付けられた少なくとも1つの金融商品を特定すること」や、それによって「前記顧客に提案すべき少なくとも1つの金融商品を決定する」との発明特定事項も、当業者によって、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項の範囲内のものであるとはいえない。

(2) 特許請求の範囲の請求項2~12について

請求項2~6は、請求項1を引用する請求項であり、上記発明特定事項を含んでいるから、当該請求項における発明特定事項も、上記(1)と同様、当業者によって、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項の範囲内のものであるとはいえない。

そして、請求項7及び8、請求項9及び10、請求項11及び12についても、請求項1及び2に係る発明とカテゴリーが異なる発明であって、同様の発明特定事項を含んでいるから、当該請求項における発明特定事項も、上記(1)と同様、当業者によって、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項の範囲内のものであるとはいえない。

(3) 小括

したがって、本件補正書でした補正及び令和3年10月28日に提出された手続補正書でした補正は、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるから、当該補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものではない。

第4 むすび

以上のとおり、令和4年2月1日に提出された手続補正書でした補正及び令和3年10月28日に提出された手続補正書でした補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしておらず、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2022-001516

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