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特許拒絶査定不服審判

2025-000076

情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム

審判番号
2025-000076
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2023-024738
請求日
2025年01月06日
審決日
2025年10月16日
公報発行日
2025年12月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】LINEヤフー株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 相崎 裕恒
  • 審判官 間野 裕一
  • 審判官 古川 哲也
分類
P18 .55 -Z (G06Q) / P18 .561-Z (G06Q) / P18 .572-Z (G06Q)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法17条の2第3項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2023- 24738「情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 6年 8月30日出願公開、特開2024-118363〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和5年2月20日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 6年 4月 8日付け:拒絶理由通知書 令和 6年 6月17日 :意見書、手続補正書(以下、「1次補正」という。)の提出 令和 6年 6月24日付け:拒絶理由通知書(最後) 令和 6年 9月 2日 :意見書、手続補正書の提出 令和 6年 9月19日付け:補正の却下の決定、拒絶査定 令和 7年 1月 6日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和7年1月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和7年1月6日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。 「所定のサービスにおけるユーザの行動に伴って前記ユーザに付与される特典を示す特典情報を取得する取得部と、 前記特典情報における前記特典の寄付先に関する寄付先情報に基づいて前記特典情報における前記特典の寄付先となる寄付先候補を選択する選択部と、 選択した前記特典情報における前記特典の寄付先となる寄付先候補と、当該寄付先候補の前記寄付先情報とを前記ユーザに提案する提案部と、 を備え、 前記寄付先情報は、 目標募金額に対する現在の達成額の情報を含み、 前記提案部は、 ユーザ端末の表示部に表示された前記所定のサービスにおいて提供する画面のうち、寄付に関するタブが選択された場合に、前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて前記目標募金額の達成までに必要な募金額を示す情報を、前記寄付先候補の情報とともに表示する提案を行う 情報処理装置。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和6年6月17日にされた1次補正による特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである(下線部は、後述の補正事項に関連する箇所である。)。 「所定のサービスにおけるユーザの行動に伴って前記ユーザに付与される特典を示す特典情報を取得する取得部と、 前記特典情報における前記特典の寄付先に関する寄付先情報に基づいて前記特典情報における前記特典の寄付先となる寄付先候補を選択する選択部と、 選択した前記特典情報における前記特典の寄付先となる寄付先候補を前記ユーザに提案する提案部と、 を備え、 前記寄付先情報は、 目標募金額に対する現在の達成額の情報を含み、 前記選択部は、 前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて、前記目標募金額の達成までに必要な募金額が所定値未満の前記寄付先候補を選択する 情報処理装置。」 2 本件補正の適否 (1)補正事項 本件補正は、請求項1について以下の補正事項A~Cを含むものである。 (補正事項A) 本件補正前の「提案部」に関し、ユーザに提案する情報として、「当該寄付先候補の前記寄付先情報」を追加する補正 (補正事項B) 本件補正前の「選択部」に関し、「前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて、前記目標募金額の達成までに必要な募金額が所定値未満の前記寄付先候補を選択する」との事項を削除する補正 (補正事項C) 本件補正前の「提案部」に関し、「ユーザ端末の表示部に表示された前記所定のサービスにおいて提供する画面のうち、寄付に関するタブが選択された場合に、前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて前記目標募金額の達成までに必要な募金額を示す情報を、前記寄付先候補の情報とともに表示する提案を行う」との事項を追加する補正 (2)目的要件について 上記補正事項Bの、「選択部」に関する「前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて、前記目標募金額の達成までに必要な募金額が所定値未満の前記寄付先候補を選択する」との特定事項を削除する補正は、発明特定事項の減縮を目的とする補正に該当せず、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。 また、当該補正が、同項第1号の請求項の削除、同項第3号の誤記の訂正、同項第4号の明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものにも該当しないことは、明らかである。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項各号に掲げるいずれの事項を目的とする補正にも該当しないから、同項の規定に違反するものである。 (3)新規事項の追加について 上記補正事項Cは、本件補正前の「提案部」に関し、「ユーザ端末の表示部に表示された前記所定のサービスにおいて提供する画面のうち、寄付に関するタブが選択された場合に、前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて前記目標募金額の達成までに必要な募金額を示す情報を、前記寄付先候補の情報とともに表示する提案を行う」との特定事項を追加するものである(下線は当審で付した。以下、同様。)。 これに対し、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)には、段落【0023】、【0066】~【0067】、【0089】~【0092】に、「情報処理装置1」が選択した寄付先候補をユーザへ提案する動作、及び当該動作を実行する「提案部33」に関する説明があり、特に段落【0066】には、次のような記載がある。 「提案部33は、選択した寄付先候補を、ユーザ端末100を介してユーザへ提案する。例えば、提案部33は、選択した複数の寄付先候補を一覧で表示することで提案する。また、提案部33は、選択した寄付先候補毎に、ユーザとの関連度を示すスコアを算出し、かかるスコアが閾値以上の関連度が高い寄付先候補を抽出して提案してもよい。」(【0066】) また、当初明細書等の段落【0029】~【0034】及び図1Bには、情報処理装置1からユーザへ提供されるコンテンツのうち、「寄付に関するタブ(おすすめ)が選択された場合の画面SC1,SC3」に関し、次のような記載がある。 「図1Bに示すように、画面SC1,SC3において、寄付に関するタブ(おすすめ)が選択された場合、第1表示領域R1と、第2表示領域R2と、第3表示領域R3とを含むコンテンツが表示される。」(【0031】) 「第1表示領域R1は、例えば、寄付先を紹介する紹介コンテンツが表示される。紹介コンテンツは、寄付先のプロジェクト名や、プロジェクト内容、目標募金額が表示される。・・・また、紹介コンテンツとして紹介される寄付先は、ユーザの行動情報に基づいて選択された寄付先であってもよい。行動情報は、例えば、ユーザの検索行動や、購買行動、寄付行動(過去の寄付履歴)に関する情報を含む。」(【0032】) 「第2表示領域R2は、ユーザの寄付履歴に関する履歴コンテンツが表示される。履歴コンテンツは、例えば、過去に寄付した額の合計値(募金総額)や、過去の寄付履歴の詳細を表示するための表示ボタンBが表示される。(【0033】) 「第3表示領域R3は、寄付先が提供するコンテンツが表示される。・・・そして、画面SC3に示すように、第3表示領域R3は、ユーザが特典を寄付した場合に、寄付先が提供する寄付先コンテンツが表示される。第3表示領域R3に表示された寄付先コンテンツをユーザが選択(タッチ操作)すると、現在の活動の進捗状況等が表示される。なお、寄付先が提供するコンテンツは、ユーザの寄付額(寄付の総額、または、寄付1あたりの額)に応じて、提供する情報量を変えてもよい。」(【0034】) 「【図1B】 [図:0001429837000001.jpg] 」 しかしながら、上記補正事項Cのうち、「前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて前記目標募金額の達成までに必要な募金額を示す情報」を表示するとの事項を追加する補正は、当初明細書等に記載の範囲内においてされたものとはいえない。 この点に関し、当初明細書等には、「提案部33」に関する説明として、「目標募金額の達成までに必要な募金額を示す情報」を表示することは、全く記載されていない。 一方、「寄付に関するタブ(おすすめ)が選択された場合の画面SC1,SC3」に関する説明として、段落【0032】には、第1表示領域R1に寄付先の「目標募金額」が表示されることが、段落【0033】には、第2表示領域R2にユーザの寄付履歴に関し、「過去に寄付した額の合計値(募金総額)」が表示されることが、それぞれ記載されているものの、これらの情報に関しても、上記補正事項Cにおける「目標募金額の達成までに必要な募金額を示す情報」とはいえない。 また、図1Bには、画面SC1、SC3の第1表示領域R1に「あと50000円相当でプロジェクト始動!」と表示される例が記載されているものの、当該「あと50000円」との表示が、段落【0032】に記載された「目標募金額」ではなく、上記補正事項Cの「前記目標募金額の達成までに必要な募金額」であることを示す合理的な説明が、当初明細書等においてされているとはいえない。そして、仮に当該「あと50000円」の表示が、「前記目標募金額の達成までに必要な募金額を示す情報」の表示であるといえたとしても、当該金額が、上記補正事項Cの「前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて」表示されたものであるとの事項は、当初明細書等のいずれにも記載されておらず、また、当初明細書等の記載から当業者において自明の事項であるともいえない。 したがって、本件補正前の請求項1に記載の「提案部」に関し、「ユーザ端末の表示部に表示された前記所定のサービスにおいて提供する画面のうち、寄付に関するタブが選択された場合に、前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて前記目標募金額の達成までに必要な募金額を示す情報を、前記寄付先候補の情報とともに表示する提案を行う」との事項を追加する補正事項Cを含む本件補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内でされたものとはいえない。 (4)審判請求人の主張について 審判請求人は、審判請求書において、本件補正が当初明細書等の段落【0029】~【0032】、図1B等の記載に基づくものである旨主張する。 しかしながら、上記(3)で検討したとおり、段落【0029】~【0034】、図1Bを含め、当初明細書等のいずれにおいても、上記補正事項Cに係る事項が記載されているとはいえず、また、当初明細書等の記載から当業者において自明の事項であるともいえないから、審判請求人の上記主張は採用できない。 3 補正の却下の決定についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項及び同法同条第3項に規定する要件を満たしていないものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 原査定前の補正についての当審の判断 1 原査定前の補正内容 令和7年1月6日にされた手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~10に係る発明は、1次補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1の記載は、1次補正により、次の(1)に示す、一次補正前の特許請求の範囲の請求項1から、次の(2)に示す、一次補正後の特許請求の範囲の請求項1に補正された。 (1)一次補正前の特許請求の範囲の請求項1 「所定のサービスにおけるユーザの行動に伴って前記ユーザに付与される特典を示す特典情報を取得する取得部と、 前記特典情報における前記特典の寄付先に関する寄付先情報に基づいて選択した前記特典情報における前記特典の寄付先となる寄付先候補を前記ユーザに提案する提案部と を備える情報処理装置。」 (2)一次補正後の特許請求の範囲の請求項1(再掲)(下線部は、補正箇所である。) 「所定のサービスにおけるユーザの行動に伴って前記ユーザに付与される特典を示す特典情報を取得する取得部と、 前記特典情報における前記特典の寄付先に関する寄付先情報に基づいて前記特典情報における前記特典の寄付先となる寄付先候補を選択する選択部と、 選択した前記特典情報における前記特典の寄付先となる寄付先候補を前記ユーザに提案する提案部と、 を備え、 前記寄付先情報は、 目標募金額に対する現在の達成額の情報を含み、 前記選択部は、 前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて、前記目標募金額の達成までに必要な募金額が所定値未満の前記寄付先候補を選択する 情報処理装置。」 2 原査定の拒絶理由の概要 原査定(令和6年9月19日付け拒絶査定)の拒絶の理由1は、令和6年6月24日付け拒絶理由通知書に記載した、次のとおりのものである。 「1.(新規事項)令和6年6月17日付け手続補正書でした補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。」 「●理由1(新規事項)について 1.請求項 1-10 「前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて、前記目標募金額の達成までに必要な募金額が所定値未満の前記寄付先候補を選択する」が、当初明細書等に記載した事項の範囲内でない。 意見書で主張する[0021]、図1Bなどに記載されていない。」 3 当審の判断 (1)1次補正の補正事項 1次補正は、請求項1について以下の補正事項1~3を含むものである。 (補正事項1) 1次補正前の「情報処理装置」について、「前記特典情報における前記特典の寄付先となる寄付先候補を選択する選択部」を追加する補正 (補正事項2) 1次補正前の「寄付先情報」について、「前記寄付先情報は、目標募金額に対する現在の達成額の情報を含み」という事項を追加する補正 (補正事項3) 上記補正事項1で追加した「選択部」について、さらに、「前記選択部は、前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて、前記目標募金額の達成までに必要な募金額が所定値未満の前記寄付先候補を選択する」ものである旨を追加する補正 (2)1次補正の適否 上記2で示した原査定の拒絶の理由1は、上記補正事項3について、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないとするものであるから、上記補正事項3に係る補正が、当該要件を満たすものであるか否かについて、以下に検討する。 当初明細書等には、段落【0016】~【0022】、【0061】~【0065】に、「情報処理装置1」が特典情報における特典の寄付先となる複数の寄付先候補を選択する動作、及び当該動作を実行する「選択部32」に関する説明があり、特に段落【0021】、【0065】には、次のような記載がある(下線は当審で付した。以下、同様。)。 「また、情報処理装置1は、寄付先に関連する寄付先情報に基づいて寄付先候補を選択する。寄付先情報は、募金状況に関する募金状況情報や、寄付先の活動内容に関する活動情報を含む。募金状況情報は、例えば、目標募金額や、募金の締切期限、目標募金額に対する現在の達成額の情報等である。活動情報は、活動の時期や、活動の場所(例えば、支援する国や地域)、支援の対象(例えば、植樹等)等を含む。」(【0021】) 「また、選択部32は、は、寄付先に関連する寄付先情報に基づいて寄付先候補を選択する。」(【0065】、原文ママ) そうすると、当初明細書等には、選択部32が寄付先に関連する寄付先情報に基づいて寄付先候補を選択するものであること(【0065】)、寄付先情報は、「目標募金額」や「目標募金額に対する現在の達成額」の情報等を募金状況情報として含むこと(【0021】)が記載されており、上記補正事項3のうち、選択部が「目標募金額に対する現在の達成額に基づいて」「寄付先候補を選択する」事項に関しては、当初明細書等に記載の範囲内において追加された事項であるといえる。 しかしながら、上記補正事項3のうち、選択部が「前記目標募金額の達成までに必要な募金額が所定値未満の前記寄付先候補を選択する」との事項は、段落【0016】~【0022】、【0061】~【0065】には記載されておらず、当初明細書等のその他の箇所においても記載されておらず、また、当該事項が当初明細書等の記載から当業者において自明の事項であるともいえない。 したがって、1次補正において、「選択部」に関し、「前記目標募金額に対する現在の達成額に基づいて、前記目標募金額の達成までに必要な募金額が所定値未満の前記寄付先候補を選択する」との事項を追加する補正事項3の補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内でされたものとはいえない。 (3)審判請求人の主張について 審判請求人は、1次補正と同日に提出した意見書において、当該1次補正が当初明細書等の段落【0021】、図1B等の記載に基づくものである旨主張する。 しかしながら、上記(2)で検討したとおり、段落【0021】、図1Bを含め、当初明細書等のいずれにおいても、上記補正事項3に係る事項が記載されているとはいえず、また、当初明細書等の記載から当業者において自明の事項であるともいえないから、審判請求人の上記主張は採用できない。 第4 むすび 以上のとおり、令和6年6月17日にされた補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであるとはいえないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 したがって、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-000076

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