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商標異議申立

2021-900295

ヘビーデューティーハマー、ヘビーデューティー、ハマー、エイチエイチ、エッチエッチ

審判番号
2021-900295
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-019033
登録番号
6387036
請求日
2021年08月02日
審決日
2022年08月31日
公報発行日
2022年09月30日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】有限会社ホクトセブン
  • 【権利者代理人】宮崎 伊章
  • 【異議申立人】ゼネラル モーターズ エルエルシー
  • 【異議申立人代理人】達野 大輔
  • 【異議申立人代理人】竹中 陽輔
  • 【異議申立人代理人】中山 真理子
  • 【異議申立人代理人】稲垣 朋子
審判長/審判官
  • 審判長 小松 里美
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 青野 紀子
分類
T1652.261-Y (1222) / T1652.262-Y (1222) / T1652.263-Y (1222) / T1652.271-Y (1222)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6387036号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6387036号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6387036号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、令和3年2月18日に登録出願、第12類「自転車,自転車の部品及び附属品」及び第22類「テント」を指定商品として、同年4月20日に登録査定され、同年5月10日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、引用する登録第2682898号商標(以下「引用商標」という。)は、「HUMMER」の欧文字を横書きしてなり、1991年8月20日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成4年1月30日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年6月29日に設定登録され、その後、同16年5月25日、同26年6月24日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。そして、指定商品については、平成17年7月6日に、第6類、第9類、第12類、第13類及び第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標はその指定商品中、第12類「全指定商品」(以下「本件申立商品」ということがある。)について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第59号証を提出した。 1 申立人及び引用商標「HUMMER」について (1)申立人について 申立人(ゼネラルモーターズエルエルシー)は、アメリカ合衆国の自動車メーカーである(甲8)。1908年にアメリカ合衆国ミシガン州で創業され、富裕層から低所得者層までを幅広くカバーするフルラインナップ体制により、1931年には販売台数で世界第一位となった(甲13)。その後、申立人は、1931年から2007年まで販売台数世界第一位の座を守り続け、2012年までの77年間の長期間、生産台数世界第一位の座にあった世界最大の自動車メーカーである(甲10)。2020年度の販売台数は世界第3位、自動車販売シェアは第3位(甲53)又は第4位(甲57)にランキングする世界有数の自動車メーカーである。 日本国内においては、1915年に株式会社ヤナセを通じ、「BUICK(ビュイック)」ブランドと「CADIALLAC(キャデラック)」ブランドの自動車の販売を開始し、1927年に日本ゼネラルモーターズ株式会社を設立し、月産2000から5000台のスピードで、「CHIVORLET(シボレー)」ブランドの自動車を製造し、1941年までの累計販売台数は150,000台にも及んだ(甲8)。その後、いすゞ自動車株式会社・スズキ会社・富士重工業株式会社と資本提携を結ぶが、2009年までに解消している(甲8)。 加えて、申立人は、2009年には、アメリカ合衆国において、連邦倒産法第11章の適用を申請し倒産・国有化されたものの、2013年12月にアメリカ合衆国財務省が保有するすべての株式を売却し、国有化が解消されている(甲7)。 しかしながら、近年は、新型コロナウィルス感染拡大に対して、従業員及び顧客の安全のため、販売手順の改善を行うとともに、医療メーカーのVentecLifeSystemsとともに自動車技術を活用した人工呼吸器を開発・生産したほか、リモートワークができない労働者を支援するためにフェイスマスクを製造し、申立人の社会的存在価値を高めている(甲52)。 さらに、申立人は、2021年10月6日、7日に開催された投資家向けイベントにおいて、今後10年の成長戦略を発表し、利益率の向上により、2030年までに年間収益を倍増するとの発表を行い、EV(電気自動車)の市場投入とシェアの拡大を試みている(甲50)。 より具体的には、2025年までにEV(電気自動車)市場において、シェア第1位の獲得を目標に、EV(電気自動車)及びAV(電動自立走行車)に350億ドルの投資を行うことを発表している(甲50)。 そして、この成長戦略の要となるのが、30車種以上の新型EV(電気自動車)の世界市場への投入と共通化したバッテリーパックを使って幅広いEVポートフォリを構成するために自社開発したモジュール式EVプラットフォームである。モジュール式EVプラットフォーム搭載の新型EV(電気自動車)は、現存する「CADIALLAC(キャデラック)」や「CHIVORLET(シボレー)」といった申立人の代表的な自動車ブランド化で量産化されるほか、2010年以降、四輪駆動車ブランドとしては休眠状態に入っていた「HUMMER(ハマー)」ブランドを復活されることも含まれている(甲50)。 (2)引用商標「HUMMER」について 引用商標「HUMMER」は、1992年にアメリカ合衆国の自動車メーカーであるAMゼネラルが製造・販売を開始した軍用四輪駆動車「ハンヴィー」の民間仕様車に使用されている商標であるが、AMゼネラルは、1999年に引用商標「HUMMER」の使用権及び当該四輪駆動車の販売権を申立人に売却し、それ以降、申立人が、四輪駆動車及びその他の自動車に関するブランド名として引用商標「HUMMER」を維持管理し、継続的に使用している(甲6)。 申立人の四輪駆動自動車のブランド「HUMMER」の起源である軍用四輪駆動車「ハンヴィー」は、1985年以降、アメリカ軍の司令部用・救命用・運搬用車両として使用されてきた。勾配60パーセントの急な坂を上り、30インチ(約76センチメートル)の水中を進み、22インチ(約56センチメートル)の段差を超えることできる「ハンヴィー」は、その驚異的なパワーを評価され、米軍兵士たちに「ステロイドを投与したジープ」と呼ばれていた(甲13)。 上記「ハンヴィー」の民間仕様車である「HUMMER」ブランドの自動車は、重さは約7000ポンド(約3.15トン)、燃費は約10mpg(リッター約4km)で、輸送機で運ばれる固定金具が残されていたほか、オフロード用の機能が満載され、上記「ハンヴィー」とほとんど同じ仕様であった(甲13)。 「HUMMER」ブランドの自動車は、1999年にAMゼネラルが申立人に売却して以降も「HUMMER H1」として、4ドアワゴン・ピックアップトラックがAMゼネラルによって製造され、申立人によって販売されていた。日本国内においては、国土交通省北海道開発局・北海道警察・NTTドコモなどで、災害対策用車両として、採用されていた例がある(甲6)。 2002年以降は、申立人がフルサイズのSUV(四輪駆動車)として、「HUMMER H2」を製造し、日本国内においても高級SUV(四輪駆動車)として人気を博した(甲6)。この「HUMMER H2」は、SUV(四輪駆動車)のほか、ピックアップトラック(四輪駆動車)が販売されている。2006年以降は、「HUMMER H2」をさらに小型化したモデルである「HUMMER H3」が販売された(甲6)。これにより、アメリカ国内だけでなく日本を含む海外でもプレミアムなSUV(四輪駆動車)の地位を確立し(甲14)、時代を経て、その四輪駆動車のモデルは少しずつ変化を遂げているものの、ニッチな車両として、コアな需要者・取引者に存在感を示し続け、結果として「ヘビーデューティな4WD」(甲11)と評されるハイパワーな車両を個性として追求した四輪駆動車に成長したものである。 2010年2月には、日本国内の輸入販売元である上記三井物産オートモーティブにより輸入販売が中止され、2010年5月には、生産終了となったものの、その後も国内の中古車市場に大きな存在感を残すとともに、その歴代の車種等がインターネット記事で紹介されており、生産終了から約10年経過した現在においても、新型EV自動車としての「HUMMER(ハマー)」ブランドを復活に際し、その注目度はさらに高まりを見せている(甲6、甲9~甲14、甲37~甲57)。 (3)「HUMMER」ブランドの「自転車並びにそれらの部品及び附属品」について 申立人のSUV等の四輪駆動自動車ブランドとしての「HUMMER」は、1999年に申立人が引用商標「HUMMER」の使用権及び販売権をAMゼネラルより獲得してから、2010年に「HUMMER」ブランドが廃止されるまでの間に確立され、そのニッチな人気から、現在も引用商標「HUMMER」の周知性は継続している。 2010年以降約10年間の休眠状態を経ても未だに、引用商標「HUMMER」の周知性を保つことができたのは、「HUMMER」ブランドの商品をライセンシーに商品化させるといった活動も積極的に行ってきた結果であり、その一つのライセンス対象商品が「自転車並びにそれらの部品及び附属品」である。 申立人は、「HUMMER」ブランドが休眠状態に入って以降、申立人の保有する引用商標をライセンシーに使用権を許諾することで、「HUMMER」ブランドの「自転車並びにそれらの部品及び附属品」を商品化し、販売している。 具体的には、ライセンス自転車の企画販売を展開するジック株式会社により、電動アシスト自転車2種、自転車8種(子供用1種を含む。)の計10種類のラインナップで、「HUMMER」ブランドの「自転車」が販売されている(甲16)。 上記「HUMMER」ブランドの「自転車並びにそれらの部品及び附属品」は、「自転車並びにそれらの部品及び附属品」に、申立人の保有する引用商標が付されているほか、申立人が保有する引用商標を含むロゴマークがその車体等に使用されている(甲17~甲26)。「HUMMER」ブランドのライセンス商品(「自転車並びにそれらの部品及び附属品」)は、ジック株式会社の直営店のほか、サイクルショップや大手量販店、またはオンラインショップにて、販売されている(甲16)。これらの商品には、引用商標または引用商標を含むロゴマークが付されている(甲27~甲32)。 さらに、甲第33号証ないし甲第36号証からも明らかなように、申立人の商標「HUMMER」は、本件商標の出願日である令和3年2月18日より以前から、「四輪駆動車」及び「自転車並びにそれらの部品及び附属品」の取引者・需要者の間で、周知となっており、「HUMMER」といえば申立人の業務に係る商品(「四輪駆動車」及び「自転車並びにそれらの部品及び附属品」)を容易に想起させるものとして、広く知られるに至っており、その状態が本件商標の登録査定時においても継続していたことは明らかである。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標について 本件商標は、白色と黒色の「H」の英文字を二つ並べた図形の真ん中に、「HEAVYDUTY HUMMER」の英大文字を配してなる商標であり、「HEAVYDUTY HUMMER」の英大文字は、「HEAVYDUT」までが黒色で表され、「Y HUMMER」は、白色で表されているところ、英大文字で表された「HEAVYDUTY」の部分と英大文字で表された「HUMMER」の部分の間には、スペースが配置されていることから、「HEAVYDUTY」の文字部分を一つの単語として無理なく認識できる構成である。 加えて、「HEAVYDUTY」の文字部分は、複数の英和辞書において、主に「極めて丈夫な、頑丈な、過酷な使用に耐える」といった商品の品質を示す意味を有する代名詞であり(甲3~甲5)、本件商標に係る指定商品「自転車,自転車の部品及び附属品」との関係においては、「極めて丈夫な、頑丈な、過酷な使用に耐える」構成を有する商品が一般的に取引されているという取引の実情が存在し、商品の頑丈さは、取引者・需要者が一般的に自転車に求める品質の一つであることが明らかであるから(甲59)、本件商標の構成中、「HEAVYDUTY」の文字は、取引者、需要者をして、その商品の品質を表示するものと認識、把握されるにすぎず、自他商品識別標識として機能しない。 したがって、本件商標は、その構成中、「HUMMER」の文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであって当該文字部分を抽出し、申立人の保有する引用商標と比較することが許されるべきものである。 よって、本件商標の構成中、出所職別標識として強く支配的な印象を与える「HUMMER」の文字部分から、「ハマー」の称呼が生じ、引用商標又は「HUMMER」ブランドを知る需要者・取引者であれば、引用商標の周知性を考慮し、指定商品との関係において、「四輪駆動車」のブランドのHUMMER」という観念を強く想起するものである。 (2)本件商標と引用商標との類否について ア 称呼上の類似 引用商標は、「HUMMER」の英大文字で構成されており、「ハマー」の称呼が生じるのに対し、本件商標の構成中、独立した出所識別標識として強く支配的な印象を与える、白色の「HUMMER」の文字部分からも、「ハマー」の称呼が生じる。 よって、本件商標の当該文字部分は、引用商標と同一の称呼を生ずる。 イ 観念上の類似 引用商標は、「HUMMER」の英大文字で構成されており、引用商標又は「HUMMER」ブランドを知る需要者・取引者であれば、上述した引用商標の周知性を考慮し、指定商品との関係において、「四輪駆動車のブランドのHUMMER」という観念を強く想起するものである。 これに対し、本件商標の構成中、独立した出所識別標織として強く支配的な印象を与える「HUMMER」の文字部分からも、「四輪駆動車のブランドのHUMMER」という観念が生じることから、当該文字部分は、引用商標と同一の観念を生ずる。 ウ 外観上の類似 引用商標は、「HUMMER」の英大文字で構成される商標であるのに対し、本件商標の構成中、独立した出所識別標識として強く支配的な印象を与える「HUMMER」の文字部分は、黒色の「H」の英文字の図形の中に埋め込まれているものの、そのつづりが共通するため、外観上類似する。 (3)小括 本件商標は、称呼、観念、外観のいずれの観点からも引用商標と同一又は類似するものであって、かつ、本件商標に係る第12類の指定商品「自転車,自転車の部品及び附属品」は、引用商標に係る第12類の指定商品「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 商標法第4条第1項第15号について 「四輪駆動車」及び「自転車並びにそれらの部品及び附属品」との関係において、申立人の著名な商標である「HUMMER」と同一の文字から構成された「HUMMER」を含む本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標である。 よって、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (1)商標の類似性 上述のとおり、本件商標の「HUMMER」の英大文字部分は、独立して識別標識として十分に機能するものであるとともに、外観、称呼、観念のいずれの観点においても、引用商標と同一又は類似である。 (2)本件商標の指定商品と申立人保有の引用商標に係る指定商品等との関連性並びに商品の取引者・需要者の共通性 上述のとおり、本件商標に係る指定商品は、引用商標に係る一部の指定商品「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」と同一又は類似である。 よって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の関連性は極めて高いとともに、本件商標に係る指定商品と引用商標に係る指定商品「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」の需要者・取引者は共通する。 (3)出所混同のおそれ 引用商標「HUMMER」の周知性は、上記において既述のとおりである。また、本件商標の指定商品の取引者層・需要者層と申立人の業務に係る商品の取引者層・需要者層は共通しているから、本件商標の指定商品の取引者・需要者が、引用商標及び申立人がその商標を付して提供している商品を知っている可能性は極めて高い。 そして、本件商標は、取引者・需要者において、世界的に広く認識されている引用商標を容易に想起・連想させる類似の商標である。 したがって、本件商標がその指定商品について使用された場合、本件商標に接する取引者・需要者は、本件商標から、これと類似する著名な商標である引用商標を容易に想起、認識し、申立人又はこれに関連する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同して認識するおそれは高いというべきである。 (4)引用商標に化体した信用を害されるおそれ 申立人は自己のブランドイメージを維持し、より一層の発展をさせるため、世界中で展開するあらゆる事業においてその商品の品質、ブランド戦略・運営等について厳重な管理を行っている。 すなわち、引用商標「HUMMER」は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、日本はもとより世界中で一般の取引者・需要者の間に広く認識されている著名商標であり、申立人の提供する商品に係る絶大な信用が化体した重要な財産である。 したがって、本件商標の登録が維持されると、申立人と何ら関係のない者により、申立人の意図とは無関係に、申立人が現に引用商標を付して使用している商品とその取引者層・需要者層を同一にする類似の商品について、引用商標と類似する商標、すなわち本件商標が自由に使用されてしまうことになる。 その結果として、劣悪な品質の商品が引用商標と類似する商標によって提供されるという事態が生じ得ることも否定できない。このような事態が生じた場合、申立人が永年にわたり多大な努力を費やして培ってきた「HUMMER」のブランドイメージが著しく毀損され、申立人が多大な損害を被ることは明白である。 (5)小括 上述の事情及び引用商標の周知性を総合的に勘案すれば、需要者・取引者に対し、引用商標が与える印象は非常に強い。よって、そのために生じる連想作用等により、本件商標が、申立人の業務に係る商品であると誤認し、その商品の需要者・取引者が商品の出所について混同するおそれがあるのみならず、申立人又は申立人と経済的・組織的に関連するものにより提供される商品であるかのような誤認を生じさせ、結果として商品の出所に混同を生じさせるおそれがあることは明白である。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 当審の判断 1 引用商標の周知性について 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 (1)申立人について 申立人は、1908年創業のアメリカ合衆国の自動車メーカーである(甲7)。 (2)引用商標「HUMMER」について ア 引用商標は、アメリカ合衆国の自動車メーカーであるAMゼネラルから、1999年に申立人が権利を購入し、四輪駆動車及びその他の自動車に関するブランド名として使用している(甲6)。 イ 「HUMMER」ブランドの自動車は、1999年以降もAMゼネラルによって製造され、申立人が販売していたところ、2002年からは申立人が製造し、我が国においても販売されていたが(甲6)、2010年2月には、日本国内の輸入販売元により輸入販売が中止され、2010年5月には、生産終了となった。 (3)「HUMMER」の文字を付した「自転車並びにそれらの部品及び附属品」について 申立人は、引用商標をライセンシーに使用権を許諾し、「HUMMER」ブランドの「自転車」を商品化し、販売している(甲16)旨主張しているところ、当該ライセンシーのウェブサイトには、引用商標「HUMMER」を付した商品「自転車」が掲載されていることが認められる(甲17ないし甲26)。 (4)引用商標の周知性について 上記(1)ないし(3)のとおり、申立人はアメリカ合衆国の自動車メーカーであり、引用商標を1999年以降四輪駆動車及びその他の自動車に関するブランド名として使用していること、少なくとも2002年から我が国において輸入販売されていたが、2010年5月には生産終了となったことがうかがえ、申立人がライセンシーであると主張する者のウェブサイトには、引用商標を付した商品「自転車」が掲載されていることが認められるものの、我が国における申立人の業務に係る商品「自動車」及び「自転車」(以下「使用商品」という。)の販売時期、販売台数、売上高、市場シェア、営業の規模(店舗数、営業地域等)、広告宣伝の方法、回数、期間、地域、及び規模等についての具体的な証拠は提出されておらず、また、当審における職権調査によっても、引用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、広く一般に認識されるに至っていると認めるに足る事実を見いだし得なかった。 そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は、別掲のとおり、黒枠で囲った白色の「H」と黒色の「H」(いずれも「H」の縦線は太く描かれている。)を横に連結した図形と、その中央に、横書きで「HEAVYDUTY HUMMER」の欧文字(以下「本件文字部分」という。なお、「HEAVYDUT」までが黒色で表され、「Y HUMMER」の文字は、白色で表されている。)を配してなるところ、その構成態様から、本件文字部分が独立して自他商品の識別標識として機能を果たし得る要部といえるものである。 そして、本件文字部分は、我が国において特定の意味合いを有する語として知られているというべき事情は見いだせないものである。 そうすると、本件商標は、その構成中の本件文字部分「HEAVYDUTY HUMMER」の文字に相応して「ヘビーデューティーハマー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものといえる。 なお、申立人は、本件商標は構成中の「HEAVYDUTY」の文字部分は、「極めて丈夫な、頑丈な、過酷な使用に耐える」といった商品の品質を示す部分であり(甲3~甲5)、本件申立商品との関係においては、自他商品識別標識として機能しないものであるから、「HUMMER」の文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、この部分を抽出し引用商標と比較することが許されるべきものであるとして、「HUMMER」の文字部分から「ハマー」の称呼が生じ、引用商標の周知性を考慮すると「四輪駆動車のブランドのHUMMER」という観念を想起する旨主張する。 しかしながら、本件商標の本件文字部分は、同一の書体、同一の大きさをもって表されているものであって、全体がまとまりのよい一体的な印象を与えるものであり、その構成文字全体より生じる「ヘビーデューティーハマー」の称呼も格別冗長というべきものでなく、無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、たとえ、構成中の「HEAVYDUTY」の文字が、辞書において上記意味を有する語であるとしても、我が国において一般に親しまれた語とはいえないものであり、また、上記1のとおり、「HUMMER」の文字からなる引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものであって、他に本件商標の構成中「HUMMER」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認めるに足りる事情は見いだせない。 そうすると、本件商標は、その構成中「HUMMER」の文字部分を分離抽出し、他の商標と比較検討することは許されないというべきであるから、申立人の上記主張は採用できない。 (2)引用商標 引用商標は、「HUMMER」の欧文字からなるところ、その構成文字に相応して「ハマー」の称呼を生じるものである。 そして、上記1のとおり、引用商標は、我が国の需要者の間で広く認識されているものと認めることはできないものであり、その他に当該文字が特定の意味合いを有する語として知られているというような事情も見いだせないものであることからすれば、引用商標は、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標とを比較すると、まず、外観については、両商標の構成は、上記(1)及び(2)のとおりであって、図形の有無の差異を有するから、全体の構成を異にする。 また、本件商標の要部である本件文字部分と引用商標とを比較しても、「HEAVYDUTY」の語の有無において、相違するものであるから、判然と区別し得るものであって、外観上、相紛れるおそれはないものである。 また、称呼については、本件商標は「ヘビーデューティーハマー」の称呼が生じるのに対し、引用商標は「ハマー」の称呼が生じるものであるから、本件商標と引用商標とは、その音構成及び構成音数に明らかな差異が認められ、十分に聴別し得るものであるから、称呼上、相紛れるおそれはないものである。 そして、観念については、本件商標と引用商標とはともに特定の観念を生じないから、比較できないものである。 (4)小括 以上、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観、称呼において相紛れるおそれがないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、非類似の商標であって、別異のものというのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について (1) 引用商標の周知性について 引用商標は、上記1(4)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。 (2)本件商標と引用商標の類似性の程度 本件商標と引用商標は、上記2(4)のとおり、別異の商標というべきであり、その類似性の程度は低いものといえる。 (3)本件申立商品と引用商標の使用に係る使用商品の関連性、需要者の共通性について 本件申立商品「自転車,自転車の部品及び附属品」と、引用商標の使用商品である「自動車」及び「自転車」は、同一又は類似する商品、又は、関連性が高いものであり、取引者、需要者も共通にすることがある商品である。 (4)出所の混同のおそれについて 上記(3)のとおり、たとえ、本件申立商品と引用商標に係る使用商品との関連性が高く、需要者等が共通することがあるとしても、上記(1)及び(2)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に、広く一般に認識されているとはいえず、かつ、本件商標と引用商標との類似性の程度は低いものである。 そうすると、本件商標は、本件商標権者が、これを本件申立商品について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が申立人若しくは同人らと経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。 その他、本件商標が引用商標と出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (5)まとめ 以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、第12類「自転車、自転車の部品及び付属品」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-900295

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    共通の条文: 43条の3第4項、4条1項11号
  • 2025-900280異議申立 / 2026-08-10 / 維持マシズ、マシス、マッセス、マセス
    共通の条文: 43条の3第4項、4条1項11号
  • 2026-900011異議申立 / 2026-08-07 / 維持ジュレス、ジュールス、ジュールズ
    共通の条文: 43条の3第4項、4条1項11号
  • 2026-900002異議申立 / 2026-07-23 / 維持イブズキス、イブズキッス、イブズ、イブ、イイブイイイ、キス、キッス
    共通の条文: 43条の3第4項、4条1項11号
  • 2025-900279異議申立 / 2026-07-23 / 維持チャジュ、チャシュー、チャゲ
    共通の条文: 43条の3第4項、4条1項11号
同じ・似た商標の審決51件(エイチエイチ、エッチエッチ、ハマー ほか)
  • 2023-900110異議申立 / 2023-11-24 / 維持エッチエッチ、エイチエイチ、ハウスオブエルメ、ハウスオブヘルメ
    同じ商標: エイチエイチ
  • 2025-900118異議申立 / 2025-09-08 / 維持エイエイチサブカルチャー、エイエッチサブカルチャー、エイエイチ、エイエッチ、サブ…
    似た商標: エイエイチ(エイチエイチ との近さ 0.83)
  • 2020-300541取消審判 / 2020-12-24 / 請求成立(取消)エイチケイエイチ、エッチケイエッチ
    似た商標: エイチケイエイチ(エイチエイチ との近さ 0.75)
  • 2018-650028拒絶査定不服審判 / 2018-07-20 / 原査定取消(特許/登録すべき)エファエイチエイチエス、エファエッチエッチエス、エファ、イイエフエイ、エイチエイ…
    似た商標: エイチエイチエス(エイチエイチ との近さ 0.75)
  • 2017-004203拒絶査定不服審判 / 2017-06-02 / 原査定取消(特許/登録すべき)エイチエイチオオリョーホー、エッチエッチオオリョーホー、エイチエイチオオ、エッチ…
    似た商標: エイチエイチオオ(エイチエイチ との近さ 0.75)

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