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商標異議申立

2025-900266

キフォーミー、キフォルミー

審判番号
2025-900266
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2025-016366
登録番号
6971475
請求日
2025年12月04日
審決日
2026年08月18日
公報発行日
2026年09月25日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】科研製薬株式会社
  • 【異議申立人】クレメンティア・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
  • 【異議申立人代理人】弁理士法人深見特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 山田 和彦
  • 審判官 駒井 芳子
  • 審判官 白鳥 幹周
分類
T1651.261-Y (W05) / T1651.262-Y (W05) / T1651.263-Y (W05)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6971475号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6971475号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6971475号商標(以下「本件商標」という。)は、「KIFORMY」の文字を標準文字で表してなり、令和7年2月18日に登録出願、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」を指定商品として、同年8月6日に登録査定、同年9月26日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第6697108号商標(以下「引用商標」という。)は、「KYTOMY」の文字を標準文字で表してなり、2022年(令和4年)7月20日にカナダにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、令和5年1月12日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同年5月10日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 3 本件異議申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである旨、要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号に該当する理由 ア 本件商標及び引用商標の特定 本件商標は、「KIFORMY」の欧文字を標準文字にて間にスペースなく表してなり、引用商標は、「KYTOMY」の欧文字を標準文字で間にスペースなく表してなるものである。 イ 本件商標と引用商標との類否 商標の類否は、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきところ、本件商標と引用商標は、いずれも一般的な辞書に掲載されていない造語であることから観念上対比し得ないものの、その外観及び称呼が顕著に類似していることに加え、指定商品「薬剤」に係る実情を踏まえて考慮した場合、両商標は類似すると判断されるべきである。 (ア)外観上の比較 本件商標と引用商標は、いずれも7文字又は6文字の標準文字として表された欧文字から構成されるところ、需要者の目を最も惹きやすい語頭の「K」、語尾の「MY」に加え、中間に位置する「O」と、構成文字の半数以上が共通する。 また、7文字又は6文字と比較的短い文字構成にあって、語頭と語尾を含む半数以上の文字が共通し、特徴的な書体で表されているともいえず、何らの意味合いも看取させない造語であることから、これを一瞥して正確に記憶することが困難な両商標について、時と場所を異にする離隔観察を行った場合に、需要者に混同を生じさせ得ることは想像に難くなく、両商標は外観において類似するといえる。 (イ)称呼上の比較 我が国の国民が特定の意味を有しない欧文字の羅列に触れた場合、ローマ字読み又は慣れ親しんだ英単語の読みに基づいて称呼するのが一般的である。 本件商標及び引用商標は、いずれも特定の意味を有しない欧文字の羅列により構成されることに鑑みれば、ローマ字読み又は慣れ親しんだ英単語の読みに基づき、本件商標からは「キフォーミ」や「キフォーミー」といった称呼が生じ得る。 一方、引用商標からは、「キトーミ」、「キトーミー」、「キトミー」、「キートミー」、「キートミ」、「キートーミ」、「キートーミー」又は「キトミ」といった称呼が生じ得る。 本件商標の構成音は「キ」、「フォ」及び「ミ」であり、引用商標の構成音は「キ」、「ト」及び「ミ」であるところ、両商標は、長音の有無及び位置が相違する場合があるものの、わずか3つの構成音のうち語頭の「キ」及び語尾の「ミ」の音を共通にし、差異音は中間部分の「フォ」又は「ト」のみである。 本件商標及び引用商標は3音ないし5音という短い構成からなるところ、かかる短い構成の商標は一気に称呼されるのが通常であって、これに接した需要者が中間音の差異を明確に聴別し得るとはいい難い。しかも、両商標は称呼全体の語調及び語感を支配的に形成する部分である語頭音及び語尾音が共通しており、中間音の「フォ」と「ト」の差異は子音の「f」と「t」のみで母音「o」を共通にするため、当該差異が全体の称呼に格別顕著な印象を与えるとはいえない。 以上を踏まえると、両商標は語調及び語感において近似した印象を与え、互いに聴き誤るおそれがあることから、称呼上類似するというべきである。 ウ その他の実情 本件商標と引用商標は、それぞれ、商品「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」(第5類)と商品「薬剤」(第5類)を指定している。 薬剤の分野においては、医師による処方、薬剤師による調剤及び医療機関又は薬局における患者への受け渡し等の場面において処方箋やパッケージに表された商標の外観を視認して目的の薬剤を選択することが一般的である。 しかしながら、特に迅速な判断が求められる医療現場においては、薬剤の投与等の指示が口頭で行われることも少なくなく、このような場合には、商標から生じる称呼が投与すべき薬剤を選択する上での重要な判断材料となる。 薬剤は人の生命・身体に直接作用するような高度に危険性を伴う商品であるから、万一取り違えがあれば、人間の健康・生命に極めて重大な影響を与えるおそれがあることはいうまでもないところ、多忙かつ速やかな判断を要する医療現場又は調剤現場において、外観及び称呼が類似する商標がそれぞれ別の薬剤について使用された場合、これらについて混同が生じ、薬剤が取り違えられるおそれがあることは想像に難くない。 この点、販売名の薬剤について実際に取り違え事故又はその「ヒヤリハット報告」が発生しており、厚生労働省による注意喚起がなされている(甲3)。 以上を踏まえると、語頭及び語尾を含む半数以上の文字及び音が共通し、外観及び称呼が著しく類似する本件商標及び引用商標についても、上記のような取り違え事故を誘発する可能性が極めて高いといえる。 薬剤という、需要者の混同が生命や身体に直接影響を及ぼすという商品の特殊性に鑑みても、両商標が薬剤の分野において併存して登録されることは許されないものである。 エ 結論 以上のとおり、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察した場合、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において顕著に類似し、上記薬剤の分野における実情に鑑みれば、互いに相紛れるおそれのある商標というべきである。 そして、本件商標は、引用商標よりも後願後登録にかかるものであり、かつ、その指定商品は互いに抵触するものである。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1) 商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、上記1のとおり、「KIFORMY」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「キフォーミー」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に掲載されているものではなく、また、特定の意味合いを認識させるものとして我が国において広く知られている実情も認められないから、特定の観念は生じない。 イ 引用商標 引用商標は、上記2のとおり、「KYTOMY」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「キトミー」及び「キートミー」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に掲載されているものではなく、また、特定の意味合いを認識させるものとして我が国において広く知られている実情も認められないから、特定の観念は生じない。 ウ 本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標は、外観においては、語頭の「K」、語尾「MY」及び中間の「O」の文字を共通にするとしても、7文字又は6文字と比較的短い文字構成において、これら以外の「IF」及び「R」と「YT」の文字の差異を有するものであり、構成文字の差異により互いに異なる語を表したものと看取できるから、容易に判別できるものである。 また、本件商標から生じる「キフォーミー」の称呼と、引用商標から生じる「キトミー」の称呼とは、語頭の「キ」と末尾の「ミー」の音を共通にするとしても、中間において「フォー」と「ト」の音の差異を有するものであり、また、引用商標から生じる「キートミー」の称呼とは、「フォー」と「ート」の差異を有するものであり、いずれも、比較的短い音構成からなるものであるから、両者をそれぞれに称呼しても、語調、語感が異なり容易に聴別できるものである。 さらに、本件商標と引用商標は、いずれも観念を生じないものであるから、観念において比較することができないものである。 そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において、判別及び聴別は容易であるから、その外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考慮すれば、両商標は非類似の商標というべきである。 エ 小括 したがって、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似するものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)申立人の主張について 申立人は、薬剤は人の生命・身体に直接作用するような高度に危険性を伴う商品で、取り違えで、人間の健康・生命に極めて重大な影響を与えるおそれがあり、販売名の薬剤について実際に取り違え事故又はその「ヒヤリハット報告」が発生し、厚生労働省による注意喚起がされており、語頭及び語尾を含む半数以上の文字及び音が共通し、外観及び称呼が著しく類似する本件商標と引用商標も、取り違え事故を誘発する可能性が極めて高く、薬剤という、需要者の混同が生命や身体に直接影響を及ぼすという商品の特殊性を踏まえても、両商標が薬剤の分野において併存して登録されることは許されない旨主張する。 しかしながら、上記主張によれば、生命や健康に影響を及ぼす薬剤の名称は、混同しやすいものが好ましくないことは明らかであるものの、上記(1)ウのとおり、本件商標は、引用商標とは外観及び称呼において、判別及び聴別は容易にできる非類似の商標であって、これら両商標間にその商品の出所について混同が生じるおそれはないものである。 また、「商標の類否判断は、上記の社会的要請をも考慮しなければならないとしても、混同しやすい名称の薬剤から生じるであろう危険を回避し、国民の生命、健康を保護するのは、薬剤の製造承認の権限を有する厚生労働省の所管に属することであるから、どのような薬剤に類似した名称を使用した場合に、混同を生じて国民の生命、健康に影響を及ぼすかは、これを所管する厚生労働省に判断を委ねるべきであり、商品の出所について誤認混同を生じるおそれを防止すべき商標の類否の判断に、かかる事項までをも考慮し、一般の商標の類否判断とは異なる基準に基づき判断すべきではないというべきである(東京高裁平成2年(行ケ)第72号参照)」ことからすれば、この点についての申立人の上記主張は採用することができない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-900266

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