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商標異議申立

2025-900118

エイエイチサブカルチャー、エイエッチサブカルチャー、エイエイチ、エイエッチ、サブカルチャー、ロットダブリュウエル、ロット、エルオオテイ

審判番号
2025-900118
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2024-052584
登録番号
6911396
請求日
2025年05月30日
審決日
2025年09月08日
公報発行日
2025年10月31日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】塩崎 裕也
  • 【異議申立人】株式会社 サブカルチャー
  • 【異議申立人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
  • 【異議申立人代理人】松永 章吾
  • 【異議申立人代理人】前川 純一
  • 【異議申立人代理人】山崎 和香子
  • 【異議申立人代理人】前川 砂織
  • 【異議申立人代理人】大倉 桂子
  • 【異議申立人代理人】岡野 真未子
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 小田 昌子
分類
T1651.22 -Y (W25) / T1651.25 -Y (W25) / T1651.271-Y (W25)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6911396号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6911396号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6911396号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和6年5月2日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,帽子,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同7年1月23日に登録査定され、同年3月25日に設定登録されたものである。 第2 引用標章 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する標章は、別掲2及び別掲3のとおりの標章(以下、それぞれ「引用標章1」及び「引用標章2」という。)であり、申立人の代表者がデザイナーを務めるアパレルブランド(以下「申立人ブランド」という。)の名称として需要者の間に広く認識されている旨主張するものである。 以下、引用標章1及び引用標章2をまとめていう場合は、以下「引用標章」という。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同項第10号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第23号証を提出した。 以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。 1 申立人の業務に係る「Subculture」について (1)申立人及びアパレルブランド「Subculture」について 申立人は、2020年11月に設立した会社であり、申立人ブランド「Subculture」の製品を主にオンラインにて販売している(甲2)。 「Subculture」製品については、同社Instagram、公式YouTubeチャンネル及び申立人代表者のInstagramにより積極的に宣伝広告活動が行われている(甲3)。 例えば、同社のデニム製品は2022年3月3日に公式Instagramにて販売告知され、同月5日12時に公式オンラインストアにて正式に発売(甲4)、また同社のYouTubeチャンネルでも紹介されている(甲5)。各動画の再生回数は4,752回~約4.3万回にのぼり、極めて多くの需要者の目に触れていることとなる。 さらに雑誌への広告掲載や製品紹介等を通じて(甲6)、「Subculture」の商標は、アパレルブランドの名称として本件商標の登録出願前から需要者の間に広く認識されるに至っており、また現在も広く認識されている。 (2)俳優A氏の「Subculture」製品着用について 「Subculture」製品は俳優A氏が着用することでも広く知られている(甲7)。例えば、前述のデニム製品についても2022年3月5日の販売後、同年5月18日に同氏が着用した姿の写真がInstagramに投稿され、以後複数回にわたり同商品の写真又は着用した姿の写真が投稿されている(甲8)。その他、同氏のInstagramやYouTube番組において「Subculture」製品は頻繁に写し出されている(甲9、甲10)。A氏の継続的な私的着用実績は、申立人ブランドの信用性と周知性を裏付けるものである。 なお、同氏のInstagramのフォロワー数は現在428.3万人(甲11)、YouTubeのチャンネル登録者数は185万人に上り(甲12)、「Subculture」ブランドが需要者の間に広く認識される一因となっている。 (3)申立人のデニム製品及び革パッチについて 前述のA氏のInstagram(2022年11月23日)には申立人のデニム製品及び革パッチが明示されている(甲8)。当該デニム製品及び革パッチは、申立人が有限会社ダニアジャパンに作成させたものであり、遅くとも2021年から企画されたものであり、本件商標の出願以前から存在するものである(甲13)。 2 本件商標について (1)本件商標と引用標章1及び引用標章2について 本件商標(甲1)はデザイン化された欧文字「AH」「Subculture」と「Lot W L」の欧文字を含むデニムのパンツの革パッチのような構成からなる商標である。 本件商標の「Subculture」の部分は申立人の商品に付された「Subculture」の文字からなる商標(引用標章1)(甲2、甲14)と酷似する。 また、本件商標全体は前述の革パッチ(引用標章2)(甲4、甲8、甲13)と「AH」「SC」の部分が異なるものの、その他の部分が酷似する。 (2)商標法第4条第1項第10号が適用されるべき点について 本件商標に含まれる「Subculture」の文字は、申立人ブランドの名称として本件商標の登録出願前より需要者の間に広く認識されている商標「Subculture」と酷似するものである。また、本件商標の指定商品は被服等である。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号(他人の周知商標)に該当する。 (3)商標法第4条第1項第15号が適用されるべき点について 本件商標に含まれる「Subculture」の文字は、申立人ブランドの名称として本件商標の登録出願前より需要者の間に広く認識されている。 仮に本件商標が当該アパレルブランドと類似するものではないとしても、本件商標がその指定商品に使用される場合、その商品があたかも当該アパレルブランド又は申立人の業務に係る商品であるかのように、あるいは申立人と組織的、経済的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。また、実際、申立人のオフィシャルサイトには同社のSubculture製品と「AH Subculture」商品の関係についての問い合わせがあり、商品の出所についての混同が生じている(甲21)。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号(商品又は役務の出所の混同)に該当する。 (4)商標法第4条第1項第7号が適用されるべき点について 本件商標に含まれる「Subculture」の文字は、申立人ブランドの名称として本件商標の登録出願前より需要者の間に広く認識されている。 また、本件商標全体は前述の革パッチ(引用標章2)(甲4、甲8、甲13)と「AH」「SC」の部分が異なるものの、その他の部分が酷似する。 これは本件商標権者が商標を採択するにあたり、申立人ブランドの「Subculture」の文字デザインや革パッチのデザインと偶然に酷似する結果となったというよりは、むしろ、当該ブランドの文字デザインや、革パッチの存在を知った上で、剽窃的に本件商標を使用したと考えるのが自然である。 本件商標権者の活動を含め、本件商標の出願は、申立人ブランドの名声や信用に便乗するものであり、申立人ブランドとの混同、信用の乗っ取りを惹起する不正行為であり、到底容認できるものではない。 また、以下のとおり、本件商標権者の出願には悪意があったと推認される十分な根拠がある。 本件商標権者は、「ANOTHERHEAVEN」の文字及びこれを含む商標を複数登録しているが(商標登録第6021019号、同第6887996号等)、これはA氏が紅白歌合戦のリハーサル時に着用していた帽子に付された商標であり、第三者のブランドである(甲15~甲17)。申立人商標と同じく、A氏が着用しているということにより高められたブランドの名声・信用を乗っ取るために登録したものであることは明らかである。 A氏がドラマやプライベートで着用していた第三者ブランド「TENDERLOIN」(旧TENDERLOINという)が、現在二次流通で高値で販売されているが(甲18)、本件商標権者は「TENDERLOIN」という商標も複数登録(登録第6859194号、同第6887996号等)している。このことにより旧TENDERLOIN商品との間で誤認が生じている。なお、本件商標権者のサイトでは過去に申立人のブランドコンセプトをそのまま使用しており、そのことを申立人のInstagramで発表したところ(甲19)、当該ブランドコンセプトは速やかに消された(甲20)。 本件商標権者は、過去にも、第三者の商標や第三者が作成した図形と同一又は類似の商標、あるいはそれらを含んだ商標を出願しており、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、又は同項第15号に基づき登録が拒絶されている(甲22)。なお、この拒絶された商標の中には、「S06XX」(商願2023-004831)があり、申立人の周知商標であることを理由に拒絶されており、本件商標権者の不正登録は未然に防ぐことができている。 したがって、本件商標は、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものであり、その登録を認めることは商標法の予定する秩序に反するものとして容認できるものではない。本件商標は、商標法第4条第1項第7号(公序良俗違反)に該当する。 第4 当審の判断 1 引用標章の周知性について (1)申立人の主張及び同人の提出した証拠によれば、次のとおりである。 ア 申立人は2020年に設立され、引用標章1が使用された申立人ブランドの被服、帽子等は少なくとも本件商標の登録出願前の2021年5月頃から販売されていたことがうかがえる(甲2、甲14)。 イ 申立人のInstagram及びYouTubeのアイコンや被服等に引用標章2が使用されている(甲3、甲4)。 ウ 複数の他人のYouTube(2022年3月、5月、2023年8月、2025年3月)に、申立人ブランドの被服が紹介されるとともに、引用標章2の図形部分及び「Subculture」の文字が使用されている(甲5)。 エ 複数の雑誌(2021年1月、3月、5月~8月及び11月発売)に、申立人ブランドの被服が紹介されるとともに、紹介記事中に、引用標章1を含む「Subculture」の文字及び使用標章2の図形部分の表示が見受けられるが、当該雑誌は主にサーフィンやバイクの愛好者を対象としたものであり、その種類も4誌にとどまる上、発行部数も不明である(甲6)。 オ ウェブサイトの記事(2024年1月)に申立人ブランドの被服が紹介され、一定程度のフォロワー数を有するA氏のInstagram(2021年2月~2024年7月)において、申立人ブランドの被服を着用した当該俳優の写真が投稿され、一部に「Subculture」の文字が使用された被服の写真が見受けられるものの、それらの投稿及び写真の多くは、申立人ブランドの被服のみが印象付けられるような表示方法ではない(甲7~甲12)。 カ その他、引用標章に対する需要者の認識の程度を判断するための申立人ブランドに係る商品の販売実績、ウェブサイト、Instagram及びYouTube以外の広告宣伝に関する証拠の提出はない。 (2)上記(1)からすれば、申立人は、2020年に設立し、引用標章が付された商品は、少なくとも2021年5月頃から販売されたこと、2021年以降に発売された雑誌、2024年のウェブサイト、2021年以降のInstagram及びYouTubeを通じて申立人ブランドの紹介とともに引用標章が使用されたことはうかがえる。 しかしながら、引用標章の使用期間は、約4年とさほど長い期間とはいえず、申立人ブランドに係る商品の分野における申立人ブランドの販売実績、ウェブサイト、Instagram及びYouTube以外の広告宣伝に関する証拠が確認できない上、引用標章の雑誌、ウェブサイト及びInstagram及びYouTubeでの使用の多くは、「Subculture」の文字のみが印象付けられるように使用されたとはいい難い。 その他、引用標章が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間において、申立人の代表者がデザイナーを務めるアパレルブランドの名称として広く認識されていたものと認めるに足りる事実は見いだせない。 そうすると、申立人提出に係る全証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用標章が申立人の代表者がデザイナーを務めるアパレルブランドの名称として、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第10号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、上段に「AH」をモチーフとした図形、中段に「Subculture」の文字及び下段に「Lot W L」の文字を配してなるところ、その構成中の図形部分、「Subculture」の文字部分及び「Lot W L」の文字部分は重なることなく配置されており、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないものであるから、視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、図形部分及び文字部分は、それぞれが独立して自他商品の識別標識として機能し得るものである。 そうすると、本件商標は、「Subculture」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 してみれば、本件商標は、その要部の「Subculture」の文字に相応して「サブカルチャー」の称呼及び「下位文化」(「ジーニアス英和辞典」第6版)の観念を生じるものである。 (2)引用標章について 引用標章1は、別掲2のとおり、「Subculture」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は、その構成文字に相応して「サブカルチャー」の称呼及び「下位文化」の観念を生じるものである。 また、引用標章2は、別掲3のとおり、鳥の羽を左右対称に広げたような図形の下に「Subculture」の欧文字を配してなるところ、図形部分と文字部分は重なることなく配置されており、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないものであるから、視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、図形部分及び文字部分はそれぞれが独立して自他商品の識別標識として機能し得るものである。 そうすると、引用標章2は、「Subculture」を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 してみれば、引用標章2は、その要部の「Subculture」の文字に相応して「サブカルチャー」の称呼及び「下位文化」の観念を生じるものである。 (3)本件商標と引用標章の類否について 本件商標と引用標章とは、全体の外観の比較において、「Lot W L」の文字の有無及び図形の有無に差異はあるものの、本件商標の要部と引用標章1及び引用標章2の要部の比較において、「Subculture」の文字を共通にするから、外観上近似した印象を与えるものであり、称呼及び観念を共通にするものである。 (4)小括 そうすると、本件商標と引用標章は、外観において近似した印象を与えるものであり、称呼及び観念を共通にするから、両者は称呼及び観念において類似の商標といえる。 しかしながら、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用標章が申立人ブランドの名称として、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号を適用する要件を欠くものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 3 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用標章の周知性について 上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用標章が申立人ブランドの名称として、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものである。 (2)「Subculture」の文字の創造性の程度について 本件商標の「Subculture」の文字は、上記2(1)のとおり、「下位文化」を意味する既成の語であり、創造性の程度は高いものではない。 (3)本件商標と引用標章の類似性について 上記2(3)のとおり、本件商標と引用標章とは、類似の商標といえる。 (4)出所の混同のおそれについて 上記(1)ないし(3)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用標章が申立人ブランドの名称として、我が国の需要者の間に広く認識されていたとは認められず、また、「Subculture」の文字の創造性の程度は高いものではないことに照らすと、たとえ、本件商標と引用標章が類似するとしても、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 (5)小括 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第7号該当性について 申立人は、引用標章が周知であることを前提に、本件商標権者による他人のブランドの登録(甲15~甲18)や他の商標の審査例(甲22)などを挙げ、本件商標権者が剽窃的に本件商標を使用したと主張しているが、上記3(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用標章が申立人の代表者がデザイナーを務めるアパレルブランドの名称として、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないから、引用標章が周知であることを前提として本件商標権者がひょう窃的に本件商標を使用したとはいえず、申立人主張の本件商標権者による他人のブランドの登録や他の商標の審査例などが前記判断に影響を与えるとはいい難い。 そして、本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えることはないものであり、さらに、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標が、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないというべきものであるなど、公序良俗に反するものというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 5 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号及び同項第15号のいずれにも該当するものとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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