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特許異議申立

2021-701094

画像復号方法、画像復号システム及び画像復号のためのコンピュータ可読媒体

審判番号
2021-701094
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-145539
登録番号
6875333
請求日
2021年11月19日
審決日
2022年06月21日
公報発行日
2022年07月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】ドルビー・インターナショナル・アーベー
  • 【権利者代理人】弁理士法人プロスペック特許事務所
  • 【異議申立人】ユニファイド パテンツ エルエルシー
  • 【異議申立人代理人】竹本 如洋
審判長/審判官
  • 審判長 清水 正一
  • 審判官 畑中 高行
  • 審判官 川崎 優
分類
P1651.121-Y (H04N)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第6875333号発明「画像復号方法、画像復号システム及び画像復号のためのコンピュータ可読媒体」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6875333号の請求項に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6875333号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~3に係る特許についての出願は、2012年(平成24年)6月20日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2011年6月24日 (FR)フランス国)を国際出願日とする特願2014-516422号の一部を平成28年11月24日に出願した特願2016-228013号の一部を平成30年8月2日に特願2018-145539号として出願したものであって、令和3年4月26日にその特許権の設定登録(特許公報発行日 令和3年5月19日)がされ、令和3年11月19日に特許異議申立人ユニファイド パテンツ エルエルシーにより請求項1~3に対して特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~3に係る発明(以下、それぞれを「本件発明1」~「本件発明3」という。)は、本件特許の特許請求の範囲の請求項1~3に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。(符号A1~F1、A2~F2、A3~F3は合議体が付した。以下、「構成A1」~「構成F3」等という。) (本件発明1) 【請求項1】 A1 少なくとも一つの符号化画像を表すビットストリームを、第1符号化ユニット(UC1)及び第2符号化ユニット(UC2)を有する符号化装置から受信すること、 B1 前記ビットストリームから、少なくとも一つの符号化画像を表す、ブロックの所定の複数のグループを識別すること、 C1-1 ブロックの第1のグループを処理することであって、前記第1のグループのブロック中の連続するブロックの第1の行をエントロピー復号すること、 C1-2 ブロックの第2のグループを処理することであって、前記第2のグループのブロック中の連続するブロックの第2の行をエントロピー復号すること、 C1-3 ブロックの第3のグループを処理することであって、前記第3のグループのブロック中の連続するブロックの第3の行をエントロピー復号すること、 C1-4 ブロックの第4のグループを処理することであって、前記第4のグループのブロック中の連続するブロックの第4の行をエントロピー復号すること、 を含み、 D1-1 前記連続するブロックの第2の行が、前記少なくとも一つの符号化画像から復号された画像のラスタ順において前記連続するブロックの第1の行の直後にあること、 D1-2 前記連続するブロックの第2の行が、前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第1の行の直後にはないこと、 D1-3 前記連続するブロックの第3の行が、前記ラスタ順において前記連続するブロックの第 2の行の直後にあり且つ前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第1の行と前記連続するブロックの第2の行との間にあること、 D1-4 前記連続するブロックの第4の行が、前記ラスタ順において前記連続するブロックの第3の行の直後にあり且つ前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第2の行の直後にあること、 E1-1 前記連続するブロックの第1の行及び前記連続するブロックの第3の行の予測符号化が、前記ラスタ順において前記第1の行及び前記第3の行を含む奇数順位の行を符号化するように構成された前記第1符号化ユニットによって、前記連続するブロックの第1の行及び前記連続するブロックの第3の行の前記ビットストリームにおけるブロック順に実行され、 E1-2 前記連続するブロックの第2の行及び前記連続するブロックの第4の行の予測符号化が、前記ラスタ順において前記第2の行及び前記第4の行を含む偶数順位の行を符号化するように構成された前記第2符号化ユニットによって、前記連続するブロックの第2の行及び前記連続するブロックの第4の行の前記ビットストリームにおけるブロック順に実行されている、 F1 画像復号方法。 (本件発明2) 【請求項2】 A2-1 一つ以上のプロセッサ、及び 前記一つ以上のプロセッサによって実行されるとき、 A2-2 少なくとも一つの符号化画像を表すビットストリームを、第1符号化ユニット(UC1)及び第2符号化ユニット(UC2)を有する符号化装置から受信すること、 B2 前記ビットストリームから、少なくとも一つの符号化画像を表す、ブロックの所定の複数のグループを識別すること、 C2-1 ブロックの第1のグループを処理することであって、前記第1のグループのブロック中の連続するブロックの第1の行をエントロピー復号すること、 C2-2 ブロックの第2のグループを処理することであって、前記第2のグループのブロック中の連続するブロックの第2の行をエントロピー復号すること、 C2-3 ブロックの第3のグループを処理することであって、前記第3のグループのブロック中の連続するブロックの第3の行をエントロピー復号すること、 C2-4 ブロックの第4のグループを処理することであって、前記第4のグループのブロック中の連続するブロックの第4の行をエントロピー復号すること、 を含み、 D2-1 前記連続するブロックの第2の行が、前記少なくとも一つの符号化画像から復号された画像のラスタ順において前記連続するブロックの第1の行の直後にあること、 D2-2 前記連続するブロックの第2の行が、前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第1の行の直後にはないこと、 D2-3 前記連続するブロックの第3の行が、前記ラスタ順において前記連続するブロックの第2の行の直後にあり且つ前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第1の行と前記連続するブロックの第2の行との間にあること、 D2-4 前記連続するブロックの第4の行が、前記ラスタ順において前記連続するブロックの第3の行の直後にあり且つ前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第2の行の直後にあること、 A2-3 を含む動作を前記一つ以上のプロセッサに実行させる命令を格納する一つ以上のストレージ装置、を含むシステムであって、 E2-1 前記連続するブロックの第1の行及び前記連続するブロックの第3の行の予測符号化が、前記第1の行及び前記第3の行を含む奇数順位の行を符号化するように構成された前記第1符号化ユニットによって、前記連続するブロックの第1の行及び前記連続するブロックの第3の行の前記ビットストリームにおけるブロック順に実行され、 E2-2 前記連続するブロックの第2の行及び前記連続するブロックの第4の行の予測符号化が、前記第2の行及び前記第4の行を含む偶数順位の行を符号化するように構成された前記第2符号化ユニットによって、前記連続するブロックの第2の行及び前記連続するブロックの第4の行の前記ビットストリームにおけるブロック順に実行されている、 F2 システム。 (本件発明3) 【請求項3】 A3-1 一つ以上のコンピュータによって実行されるとき、 A3-2 少なくとも一つの符号化画像を表すビットストリームを、第1符号化ユニット(UC1)及び第2符号化ユニット(UC2)を有する符号化装置から受信すること、 B3 前記ビットストリームから、少なくとも一つの符号化画像を表す、ブロックの所定の複数のグループを識別すること、 C3-1 ブロックの第1のグループを処理することであって、前記第1のグループのブロック中の連続するブロックの第1の行をエントロピー復号すること、 C3-2 ブロックの第2のグループを処理することであって、前記第2のグループのブロック中の連続するブロックの第2の行をエントロピー復号すること、 C3-3 ブロックの第3のグループを処理することであって、前記第3のグループのブロック中の連続するブロックの第3の行をエントロピー復号すること、 C3-4 ブロックの第4のグループを処理することであって、前記第4のグループのブロック中の連続するブロックの第4の行をエントロピー復号すること、 を含み、 D3-1前記連続するブロックの第2の行が、前記少なくとも一つの符号化画像から復号された画像のラスタ順において前記連続するブロックの第1の行の直後にあること、 D3-2 前記連続するブロックの第2の行が、前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第1の行の直後にはないこと、 D3-3 前記連続するブロックの第3の行が、前記ラスタ順において前記連続するブロックの第2の行の直後にあり且つ前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第1の行と前記連続するブロックの第2の行との間にあること、 D3-4 前記連続するブロックの第4の行が、前記ラスタ順において前記連続するブロックの第3の行の直後にあり且つ前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第2の行の直後にあること、 A3-3 を含む動作を、前記一つ以上のコンピュータに実行させる命令を含むソフトウェアを格納する媒体であって、 E3-1 前記連続するブロックの第1の行及び前記連続するブロックの第3の行の予測符号化が、前記第1の行及び前記第3の行を含む奇数順位の行を符号化するように構成された前記第1符号化ユニットによって、前記連続するブロックの第1の行及び前記連続するブロックの第3の行の前記ビットストリームにおけるブロック順に実行され、 E3-2 前記連続するブロックの第2の行及び前記連続するブロックの第4の行の予測符号化が、前記第2の行及び前記第4の行を含む偶数順位の行を符号化するように構成された前記第2符号化ユニットによって、前記連続するブロックの第2の行及び前記連続するブロックの第4の行の前記ビットストリームにおけるブロック順に実行されている、 F3 非一時的なコンピュータ可読媒体。 第3 特許異議申立書に記載された取消理由 特許異議申立に記載された取消理由の概要は、以下のとおりである。 1.取消理由 (1)取消理由1 本件発明1~3は、甲第1号証に記載された発明と周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その特許(以下、本件発明1~3に係る特許をそれぞれ「本件特許1」~「本件特許3」という。)は同法第113条第1項第2号に該当し、取り消すべきである。 (2)取消理由2 本件発明1~3は、甲第1号証に記載された発明と甲第2号証に記載された発明及び周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許1~3は同法第113条第1項第2号に該当し、取り消すべきである。 2.証拠方法 (1) 甲第1号証:特開2008-67026号公報 (2) 甲第2号証:特開2005-33336号公報 (3) 甲第3号証:インプレス標準教科書シリーズ 改訂三版 H.264/AVC教科書、第1版、2009年1月1日発行、株式会社インプレスR&D、p.86-87 (特許異議申立書第78ページ 「6 証拠方法」) 第4 各甲号証の記載事項及び各甲号証に記載される発明又は技術 1 甲第1号証 (1)甲第1号証には、以下の記載がある。(下線は合議体が付した。以下同じ。) 「【0008】 図19は第2従来例のMPEGデコーダを説明するための図である。図19(A)中、11はピクチャ、SL0はピクチャ11の上半分のマクロブロックラインMBL0~MBL7を含むスライス、SL1はピクチャ11の下半分のマクロブロックラインMBL8~MBL15を含むスライスである。 【0009】 図19(B)中、12はピクチャ11を含む動画像をMPEG方式で圧縮符号化してなるMPEGストリームの復号を行う第2従来例のMPEGデコーダであり、スライスレベルでの並列化処理を行うものである。13はMPEGデコーダ12が出力するデコード画像を格納するためのフレームメモリ、14はMPEGデコーダ12が出力するデコード画像のフレームメモリ13への格納やフレームメモリ13からの参照画像の読み出し等を制御するメモリ制御部である。 【0010】 また、MPEGデコーダ12において、15はMPEGストリームからスライスを検出するスライス検出部、16_0、16_1はデコード処理部であり、17_0、17_1は可変長復号処理(VLD)部、18_0、18_1は逆量子化(IQ)部、19_0、19_1は逆直交変換(IT)部、20_0、20_1は動き補償(MC)部である。 【0011】 MPEGデコーダ12は、スライスSL0、SL1をスライス検出部15で検出し、これらスライスSL0、SL1を並列化して、スライスSL0の復号処理はデコード処理部16_0で行い、スライスSL1の復号処理はデコード処理部16_1で行うというものである。」 「【0014】 また、MPEGエンコーダにおいても、処理能力向上を図るためには処理の並列化が必要とされるが、処理の依存関係のために処理順序を守る必要があり、処理の単純な並列化は難しいとされている。 【0015】 本発明は、かかる点に鑑み、高い処理性能を実現することができるようにしたMPEGデコーダ及びMPEGエンコーダを提供することを目的とする。」 「【0020】 (本発明のMPEGデコーダの第1実施形態) 図1は本発明のMPEGデコーダの第1実施形態を説明するための図である。図1中、31_0、31_1は連続するピクチャであり、ピクチャ31_0は0番目のアクセスユニットAU0内のピクチャ、ピクチャ31_1は1番目のアクセスユニットAU1内のピクチャである。 【0021】 32は本発明のMPEGデコーダの第1実施形態であり、ピクチャ31_0、31_1を含む動画像をMPEG方式で圧縮符号化してなるMPEGストリームの復号を行うものである。33は本発明のMPEGデコーダの第1実施形態32が出力するデコード画像を格納するためのフレームメモリ、34は本発明のMPEGデコーダの第1実施形態32が出力するデコード画像のフレームメモリ33への格納やフレームメモリ33からの参照画像の読み出しなどを制御するメモリ制御部である。 【0022】 また、本発明のMPEGデコーダの第1実施形態32において、35は復号対象のMPEGストリームからアクセスユニットを検出するAU(アクセスユニット)検出部である。36_0、36_1はアクセスユニット単位で可変長復号処理を行う可変長復号処理(VLD)部である。なお、可変長復号処理部は、2個に限定されず、処理能力に合わせた並列構成又は1個とすることができる。 【0023】 37は可変長復号処理部36_0、36_1が出力する係数データなどの中間データを格納するための中間データバッファ、38は中間データバッファ37に格納されたマクロブロックラインの先頭データ位置を示すマクロブロックラインポインタを記録するためのマクロブロックラインポインタテーブルである。なお、中間データバッファ37は、複数のマクロブロックラインのデータを格納する容量を持つものである。」 「【0025】 39_0は中間データバッファ37から偶数マクロブロックラインの中間データを読み出して偶数マクロブロックラインの画像復号処理を行う画像復号処理部であり、40_0は逆量子化(IQ)部、41_0は逆直交変換(IT)部、42_0は動き補償(MC)部である。 【0026】 39_1は中間データバッファ37から奇数マクロブロックラインの中間データを読み出して奇数マクロブロックラインの画像復号処理を行う画像復号処理部であり、40_1は逆量子化(IQ)部、41_1は逆直交変換(IT)部、42_1は動き補償(MC)部である。」 「【0028】 図2及び図3において、AU0PTRi(但し,i=0、1、…、15である。)、AU1PTRiはマクロブロックラインポインタであり、マクロブロックラインポインタAU0PTRiは、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBLiの中間データバッファ37内の先頭データ位置を示し、マクロブロックラインポインタAU1PTRiは、アクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBLiの中間データバッファ37内の先頭データ位置を示している。 【0029】 この例では、可変長復号処理部36_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャについて可変長復号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ37に書き込むが、その際、マクロブロックラインポインタAU0PTRiを作成し、マクロブロックラインポインタテーブル38に記録する。 【0030】 また、可変長復号処理部36_1は、アクセスユニットAU1内のピクチャについて可変長復号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ37に書き込むが、その際、マクロブロックラインポインタAU1PTRiを作成し、マクロブロックラインポインタテーブル38に記録する。」 「【0032】 そこで、画像復号処理部39_0は、まず、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR0の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR0が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL0の画像復号処理を行う。 【0033】 そして、画像復号処理部39_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR2の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR2が示す中間データバッファ37内のデータ位置からマクロブロックラインMBL2の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL2の画像復号処理を行う。以後、同様にして偶数マクロブロックラインの復号処理を続ける。 【0034】 また、画像復号処理部39_1は、まず、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR1の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR1が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL1の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL1の画像復号処理を行う。 【0035】 そして、画像復号処理部39_1は、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL1の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR3の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR3が示す中間データバッファ37内のデータ位置からマクロブロックラインMBL3の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL3の画像復号処理を行う。以後、同様にして奇数マクロブロックラインの復号処理を続ける。 【0036】 図4は本発明のMPEGデコーダの第1実施形態32の動作例を示すタイミングチャートであり、(A)は可変長復号処理部36_0の処理状況、(B)は可変長復号処理部36_1の処理状況、(C)は画像復号処理部39_0の処理状況、(D)は画像復号処理部39_1の処理状況を示している。 【0037】 この例では、可変長復号処理部36_0は、AU検出部35が先に出力したアクセスユニットAU0内のピクチャについての可変長復号処理を実行し、可変長復号処理部36_1は、AU検出部35がアクセスユニットAU0の次に出力したアクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理を実行しているが、可変長復号処理部36_0によるアクセスユニットAU0内のピクチャについての可変長復号処理が可変長復号処理部36_1によるアクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理よりも先に終了している。 【0038】 そこで、可変長復号処理部36_0は、AU検出部35がアクセスユニットAU1の次に出力したアクセスユニットAU2内のピクチャについての可変長復号処理を実行し、可変長復号処理部36_1は、AU検出部35がアクセスユニットAU2の次に出力したアクセスユニットAU3内のピクチャについての可変長復号処理を実行している。 【0039】 そして、この例の場合には、可変長復号処理部36_0によるアクセスユニットAU0内のピクチャについての可変長復号処理が終了すると、画像復号処理部39_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャの偶数マクロブロックラインについての画像復号処理を開始し、画像復号処理部39_1は、アクセスユニットAU0内のピクチャの奇数マクロブロックラインについての画像復号処理を開始している。 【0040】 そして、その後、画像復号処理部39_0によるアクセスユニットAU0内のピクチャの偶数マクロブロックラインについての画像復号処理が終了し、画像復号処理部39_1によるアクセスユニットAU0内のピクチャの奇数マクロブロックラインについての画像復号処理が終了している。そこで、この場合には、画像復号処理部39_0は、アクセスユニットAU1内のピクチャの偶数マクロブロックラインについて画像復号処理の実行を開始し、画像復号処理部39_1は、アクセスユニットAU1内のピクチャの奇数マクロブロックラインについて画像復号処理の実行を開始している。」 「【0043】 (本発明のMPEGデコーダの第2実施形態) 図5は本発明のMPEGデコーダの第2実施形態を説明するための図である。図5中、52は本発明のMPEGデコーダの第2実施形態、53は本発明のMPEGデコーダの第1実施形態52が出力するデコード画像を格納するためのフレームメモリ、54は本発明のMPEGデコーダの第2実施形態52が出力するデコード画像のフレームメモリ53への格納やフレームメモリ53からの参照画像の読み出しなどを制御するメモリ制御部である。 【0044】 本発明のMPEGデコーダの第2実施形態52は、4個の画像復号処理部39_0~39_3を設け、その他については、図1に示す本発明のMPEGデコーダの第1実施形態32と同様に構成したものである。また、画像復号処理部39_0~39_3において、40_0~40_3は逆量子化(IQ)部、41_0~41_3は逆直交変換(IT)部、42_0~42_3は動き補償(MC)部である。 【0045】 図6は本発明のMPEGデコーダの第2実施形態52におけるマクロブロックラインポインタテーブル38の例を示す図である。なお、図6において、「備考」の欄は、マクロブロックラインポインタテーブル38の内容ではなく、説明のために記載したものである。この例でも、可変長復号処理部36_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャについて可変長復号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ37に書き込むが、その際、マクロブロックラインポインタAU0PTRiを作成し、マクロブロックラインポインタテーブル38に記録する。 【0046】 また、可変長復号処理部36_1は、アクセスユニットAU1内のピクチャについて可変長復号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ37に書き込むが、その際、マクロブロックラインポインタAU1PTRiを作成し、マクロブロックラインポインタテーブル38に記録する。」 「【0051】 そこで、画像復号処理部39_0は、まず、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR0の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR0が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL0の画像復号処理を行う。 【0052】 そして、画像復号処理部39_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR4の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR4が示す中間データバッファ37内のデータ位置からマクロブロックラインMBL4の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL4の画像復号処理を行う。以後、同様にしてマクロブロックラインMBL8、MBL12などの復号処理を続ける。 【0053】 また、画像復号処理部39_1は、まず、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR1の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR1が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL1の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL1の画像復号処理を行う。 【0054】 そして、画像復号処理部39_1は、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL1の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR5の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR5が示す中間データバッファ37内のデータ位置からマクロブロックラインMBL5の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL5の画像復号処理を行う。以後、同様にしてマクロブロックラインMBL9、MBL13などの復号処理を続ける。 【0055】 また、画像復号処理部39_2は、まず、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR2の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR2が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL2の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL2の画像復号処理を行う。 【0056】 そして、画像復号処理部39_2は、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL2の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR6の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR6が示す中間データバッファ37内のデータ位置からマクロブロックラインMBL6の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL6の画像復号処理を行う。以後、同様にしてマクロブロックラインMBL10、MBL14などの復号処理を続ける。 【0057】 また、画像復号処理部39_3は、まず、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR3の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR3が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL3の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL3の画像復号処理を行う。 【0058】 そして、画像復号処理部39_3は、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL3の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR7の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR7が示す中間データバッファ37内のデータ位置からマクロブロックラインMBL7の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL7の画像復号処理を行う。以後、同様にしてマクロブロックラインMBL11、MBL15などの復号処理を続ける。 【0059】 図7は本発明のMPEGデコーダの第2実施形態52の動作例を示すタイミングチャートであり、(A)は可変長復号処理部36_0の処理状況、(B)は可変長復号処理部36_1の処理状況、(C)は画像復号処理部39_0の処理状況、(D)は画像復号処理部39_1の処理状況、(E)は画像復号処理部39_2の処理状況、(F)は画像復号処理部39_3の処理状況を示している。 【0060】 この例では、可変長復号処理部36_0は、AU検出部35が先に出力したアクセスユニットAU0内のピクチャについての可変長復号処理の実行を開始し、可変長復号処理部36_1は、AU検出部35がアクセスユニットAU0の次に出力したアクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理の実行を開始している。 【0061】 その後、可変長復号処理部36_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャについての可変長復号処理を可変長復号処理部36_1によるアクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理よりも先に終了させている。そこで、可変長復号処理部36_0は、AU検出部35がアクセスユニットAU1の次に出力したアクセスユニットAU2内のピクチャについての可変長復号処理の実行を開始している。 【0062】 その後、可変長復号処理部36_0は、アクセスユニットAU2内のピクチャについての可変長復号処理を可変長復号処理部36_1によるアクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理よりも先に終了させている。そこで、可変長復号処理部36_0は、AU検出部35がアクセスユニットAU2の次に出力したアクセスユニットAU3内のピクチャについての可変長復号処理の実行を開始している。 【0063】 その後、可変長復号処理部36_1は、アクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理を終了させている。そこで、可変長復号処理部36_1は、AU検出部35がアクセスユニットAU3の次に出力したアクセスユニットAU4内のピクチャについての可変長復号処理の実行を開始している。 【0064】 そして、この例の場合には、可変長復号処理部36_0によるアクセスユニットAU0内のピクチャについての可変長復号処理が終了すると、画像復号処理部39_0~39_3は、それぞれアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0、MBL1、MBL2、MBL3についての画像復号処理を開始している。 【0065】 その後、可変長復号処理部36_1によるアクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理が終了し、また、画像復号処理部39_0~39_3によるアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL12、MBL13、MBL14、MBL15についての画像復号処理を終了している。 【0066】 そこで、この場合には、画像復号処理部39_0、39_1、39_2、39_3は、それぞれアクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBL0、MBL1、MBL2、MBL3についての画像復号処理を開始している。」 「【0069】 (本発明のMPEGデコーダの第3実施形態) 図8は本発明のMPEGデコーダの第3実施形態を説明するための図である。図8中、62は本発明のMPEGデコーダの第3実施形態、63は本発明のMPEGデコーダの第3実施形態62が出力するデコード画像を格納するためのフレームメモリ、64は本発明のMPEGデコーダの第3実施形態62が出力するデコード画像のフレームメモリ63への格納やフレームメモリ63からの参照画像の読み出しなどを制御するメモリ制御部である。 【0070】 また、本発明のMPEGデコーダの第3実施形態62において、65は復号対象のMPEGストリームからスライスを検出するスライス検出部、66_0、66_1はスライス単位で可変長復号処理を行う可変長復号処理(VLD)部、67は可変長復号処理部66_0、66_1が出力する中間データを格納するための中間データバッファである。なお、中間データバッファ67は、複数のマクロブロックラインのデータを格納する容量を持つものである。 【0071】 68Aは中間データバッファ67に格納されたマクロブロックラインのデータ位置を示すマクロブロックラインポインタを記録するためのマクロブロックラインポインタテーブル、68Bは中間データバッファ67に格納されたスライスの先頭データ位置を示すスライスポインタを記録するためのスライスポインタテーブルである。」 「【0073】 69_0は中間データバッファ67から偶数マクロブロックラインの画像信号を読み出して画像復号処理を行う画像復号処理部であり、70_0は逆量子化(IQ)部、71_0は逆直交変換(IT)部、72_0は動き補償(MC)部である。 【0074】 69_1は中間データバッファ67から奇数マクロブロックラインの画像信号を読み出して画像復号処理を行う画像復号処理部であり、70_1は逆量子化(IQ)部、71_1は逆直交変換(IT)部、72_1は動き補償(MC)部である。 【0075】 図9はスライスによるピクチャの分割例を示す図である。この例では、アクセスユニットAU0のピクチャ31_0は、3個のスライスSL0、SL1、SL2に分割され、アクセスユニットAU1のピクチャ31_1も、3個のスライスSL0、SL1、SL2に分割されている。 【0076】 なお、ピクチャ31_0においては、スライスSL1の先頭はマクロブロックラインMBL4を分断し、スライスSL2の先頭はマクロブロックラインMBL11を分断している。また、ピクチャ31_1においては、スライスSL1の先頭はマクロブロックラインMBL3を分断し、スライスSL2の先頭はマクロブロックラインMBL10を分断している。」 「【0078】 図10及び図12において、マクロブロックラインポインタAU0PTRiは、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBLiの中間データバッファ67内の先頭データ位置を示し、マクロブロックラインポインタAU1PTRiは、アクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBLiの中間データバッファ67内の先頭データ位置を示している。 【0079】 また、図11及び図12において、AU0SLj(但し、j=0、1、2である。)及びAU1SLjはスライスポインタであり、スライスポインタAU0SLjはスライスSLjの中間データバッファ67内の先頭データ位置を示し、スライスポインタAU1SLjはスライスSLjの中間データバッファ67内の先頭データ位置を示している。また、図11において、MBLの欄は、スライスポインタが示す位置がどのマクロブロックラインにあるかを示している。 【0080】 この例では、可変長復号処理部66_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャのスライスSL0、SL2及びアクセスユニットAU1内のピクチャのスライスSL1について可変長復号処理を行い、中間データを中間データバッファ67に書き込み、その際、マクロブロックラインポインタ及びスライスポインタを作成し、これらをマクロブロックラインポインタテーブル68A及びスライスポインタテーブル68Bに記録する。 【0081】 また、可変長復号処理部66_1は、アクセスユニットAU1内のピクチャのスライスSL1及びアクセスユニットAU1内のピクチャのスライスSL0、SL2について可変長復号処理を行い、中間データを中間データバッファ67に書き込むが、その際マクロブロックラインポインタ及びスライスポインタを作成し、これらをマクロブロックラインポインタテーブル68A及びスライスポインタテーブル68Bに記録する。」 「【0085】 そこで、画像復号処理部69_0は、まず、マクロブロックラインポインタテーブル68AからマクロブロックラインポインタAU0PTR0の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR0が示す中間データバッファ67内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL0の画像復号処理を行う。 【0086】 そして、画像復号処理部69_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR2の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR2が示す中間データバッファ67内のデータ位置からマクロブロックラインMBL2の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL2の画像復号処理を行う。 【0087】 そして、画像復号処理部69_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL2の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR4の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR4が示す中間データバッファ67内のデータ位置からマクロブロックラインMBL4の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL4の画像復号処理を開始する。 【0088】 しかしながら、マクロブロックラインMBL4は、スライスで分かれているので、画像復号処理部69_0は、マクロブロックラインポインタAU0PTR4が示す位置からスライスポインタAU0SL2が示す位置までのデータを処理した後、スライスポインタAU0SL1が示す位置に飛び、残りのマクロブロックラインMBL4の復号処理を行う。以後、同様の処理を行いながら、偶数マクロブロックラインの復号処理を行う。画像復号処理部69_1も、奇数マクロブロックラインについて同様にして復号処理を行う。 【0089】 図13は本発明のMPEGデコーダの第3実施形態62の動作例を示すタイミングチャートであり、(A)は可変長復号処理部66_0の処理状況、(B)は可変長復号処理部66_1の処理状況、(C)は画像復号処理部69_0の処理状況、(D)は画像復号処理部69_1の処理状況を示している。 【0090】 この例では、可変長復号処理部66_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャのスライスSL0、SL2及びアクセスユニットAU1内のピクチャのスライスSL1の順に可変長復号処理を行い、可変長復号処理部66_1は、アクセスユニットAU0内のピクチャのスライスSL1及びアクセスユニットAU1内のピクチャのスライスSL0、SL2の順に可変長復号処理を行っている。 【0091】 そこで、この例の場合には、可変長復号処理部66_0によるアクセスユニットAU0内のピクチャのスライスSL0についての可変長復号処理が終了すると、画像復号処理部69_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャの偶数マクロブロックラインについての画像復号処理を開始し、画像復号処理部69_1は、アクセスユニットAU0内のピクチャの奇数マクロブロックラインについての画像復号処理を開始している。 【0092】 そして、その後、画像復号処理部69_0によるアクセスユニットAU0内のピクチャの偶数マクロブロックラインについての画像復号処理が終了し、画像復号処理部69_1によるアクセスユニットAU0内のピクチャの奇数マクロブロックラインについての画像復号処理が終了しているが、このときには、既に可変長復号処理部69_1によるアクセスユニットAU0内のピクチャのスライスSL0の可変長復号処理が終了している。 【0093】 そこで、この場合には、画像復号処理部69_0は、アクセスユニットAU1内のピクチャの偶数マクロブロックラインについて画像復号処理の実行を開始し、画像復号処理部69_1は、アクセスユニットAU1内のピクチャの奇数マクロブロックラインについて画像復号処理の実行を開始している。」 「【0099】 (本発明のMPEGエンコーダの一実施形態) 図14は本発明のMPEGエンコーダの一実施形態を説明するための図である。図14中、82は本発明のMPEGエンコーダの一実施形態であり、入力画像を圧縮符号化してMPEGストリームを作成するものである。 【0100】 83は本発明のMPEGエンコーダの一実施形態82が出力するローカルデコード画像を格納するためのフレームメモリ、84は本発明のMPEGエンコーダの一実施形態82が出力するローカルデコード画像のフレームメモリ83への格納やフレームメモリ83からの参照画像の読み出し等を制御するメモリ制御部である。 【0101】 85_0は入力画像の偶数マクロブロックラインの画像符号処理を行う画像符号処理部であり、86_0は動きベクトル算出部、87_0は動き補償(DIFF)部、88_0は直交変換(T)部、89_0は量子化(Q)部、90_0は逆量子化(IQ)部、91_0は逆直交変換(IT)部、92_0は動き補償(MC)部である。 【0102】 85_1は入力画像の奇数マクロブロックラインの画像符号処理を行う画像符号処理部であり、86_1は動きベクトル算出部、87_1は動き補償(DIFF)部、88_1は直交変換(T)部、89_1は量子化(Q)部、90_1は逆量子化(IQ)部、91_1は逆直交変換(IT)部、92_1は動き補償(MC)部である。 【0103】 93は画像符号処理部85_0、85_1が出力する中間データが格納される中間データバッファ、94は中間データバッファ93に格納されたマクロブロックラインのデータ位置を示すマクロブロックラインポインタを記録するためのマクロブロックラインポインタテーブルである。なお、中間データバッファ93は、複数のマクロブロックラインのデータを格納する容量を持つものである。」 「【0105】 95_0、95_1は中間データバッファ93からピクチャ単位で中間データを読み出して可変長符号処理を行う可変長符号処理部、96_0は可変長符号処理部95_0が出力するストリームが格納されるストリームバッファ、96_1は可変長符号処理部95_1が出力するストリームが格納されるストリームバッファ、97はストリームバッファ96_0に格納されたストリームとストリームバッファ96_1に格納されたストリームとを多重化してMPEGストリームを生成する多重化部である。」 「【0107】 この例では、画像符号処理部85_0は、アクセスユニットAU0のピクチャの偶数マクロブロックラインMBL0、MBL2、…、MBL14及びアクセスユニットAU1のピクチャの偶数マクロブロックラインMBL0、MBL2、…、MBL14の画像符号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ93に書き込むが、その際、マクロブロックラインポインタAU0PTR0、AU0PTR2、…AU0PTR14、AU1PTR0、AU1PTR2、…、AU1PTR14を作成し、マクロブロックラインポインタテーブル94に記録する。 【0108】 また、画像符号処理部85_1は、アクセスユニットAU0のピクチャの奇数マクロブロックラインMBL1、MBL3、…、MBL15及びアクセスユニットAU1のピクチャの奇数マクロブロックラインMBL1、MBL3、…、MBL15の画像符号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ93に書き込むが、その際、マクロブロックラインポインタAU0PTR1、AU0PTR3、…AU0PTR15、AU1PTR1、AU1PTR3、…、AU1PTR15を作成し、マクロブロックラインポインタテーブル94に記録する。」 「【0110】 そこで、可変長符号処理部95_0は、まず、マクロブロックラインポインタテーブル94からマクロブロックラインポインタAU0PTR0の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR0が示す中間データバッファ93内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL0の可変長符号処理を行う。 【0111】 そして、可変長符号処理部95_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の可変長符号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR1の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR1が示す中間データバッファ93内のデータ位置からマクロブロックラインMBL1の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL1の画像符号処理を行う。以後、同様にしてアクセスユニットAU0内のピクチャの可変長符号処理を続ける。 【0112】 また、可変長符号処理部95_1は、まず、マクロブロックラインポインタテーブル94からマクロブロックラインポインタAU1PTR0の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU1PTR0が示す中間データバッファ93内のデータ位置からアクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL0の可変長符号処理を行う。 【0113】 そして、可変長符号処理部95_1は、アクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の可変長符号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU1PTR1の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR1が示す中間データバッファ93内のデータ位置からマクロブロックラインMBL1の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL1の画像復号処理を行う。以後、同様にしてアクセスユニットAU1内のピクチャの可変長符号処理を続ける。 【0114】 図17は本発明のMPEGエンコーダの一実施形態82の動作例を示すタイミングチャートであり、(A)は画像符号処理部85_0の処理状況、(B)は画像符号処理部85_1の処理状況、(C)は可変長符号処理部95_0の処理状況、(D)は可変長符号処理部95_1の処理状況を示している。 【0115】 この例では、画像符号処理部85_0は、アクセスユニットAU0のピクチャの偶数マクロブロックライン、アクセスユニットAU1のピクチャの偶数マクロブロックライン、アクセスユニットAU2のピクチャの偶数マクロブロックライン及びアクセスユニットAU3のピクチャの偶数マクロブロックラインについて順に画像符号処理を実行している。 【0116】 また、画像符号処理部85_1は、アクセスユニットAU0のピクチャの奇数マクロブロックライン、アクセスユニットAU1のピクチャの奇数マクロブロックライン、アクセスユニットAU2のピクチャの奇数マクロブロックライン及びアクセスユニットAU3のピクチャの奇数マクロブロックラインについて順に画像符号処理を実行している。 【0117】 そして、この例の場合には、画像符号処理部85_0、85_1によるアクセスユニットAU0のピクチャについての画像符号処理が終了すると、可変長符号処理部95_0は、アクセスユニットAU0のピクチャについての可変長符号処理を開始している。 【0118】 その後、画像符号処理部85_0、85_1によるアクセスユニットAU1のピクチャについての画像符号処理が終了すると、可変長符号処理部95_1は、アクセスユニットAU1のピクチャについての可変長符号処理を開始している。 【0119】 その後、画像符号処理部85_0、85_1によるアクセスユニットAU2のピクチャについての画像符号処理が終了しているが、このときには、可変長符号処理部95_0は、既にアクセスユニットAU0のピクチャについての可変長符号処理を終了しているので、アクセスユニットAU2のピクチャについての可変長符号処理を開始している。 【0120】 以上のように、本発明のMPEGエンコーダの一実施形態82においては、画像符号処理部85_0、85_1による画像符号処理のマクロブロックラインレベルでの並列化を行うようにしているが、中間データバッファ93を挟んで、画像符号処理部85_0、85_1と可変長符号処理部95_0、95_1を設けるようにし、画像符号処理部85_0、85_1と可変長符号処理部95_0、95_1との処理の進みを合わせながら、可変長符号処理部95_0、95_1によるピクチャレベルでの並列処理を可能としている。なお、可変長符号処理部は、2個に限定されず、処理能力に合わせた並列構成又は1個とすることができる。」 「【0122】 なお、本発明のMPEGエンコーダの一実施形態82においては、可変長符号処理部95_0、95_1はピクチャ単位で処理を行うようにしているが、スライス単位で処理を行い、スライスレベルでの並列処理を行うように構成することもできる。この場合には、スライスの区切りを示すスライスポインタを記録するためのスライスポインタテーブルを設けるようにする。」 「【図1】 [図:0001386157000001.jpg] 」 「【図4】 [図:0001386157000002.jpg] 」 「【図5】 [図:0001386157000003.jpg] 」 「【図7】 [図:0001386157000004.jpg] 」 「【図8】 [図:0001386157000005.jpg] 」 「【図9】 [図:0001386157000006.jpg] 」 「【図13】 [図:0001386157000007.jpg] 」 「【図14】 [図:0001386157000008.jpg] 」 「【図17】 [図:0001386157000009.jpg] 」 「【図19】 [図:0001386157000010.jpg] 」 (2)上記(1)の記載から、甲第1号証には、MPEGデコーダに関する以下の発明及びMPEGエンコーダに関する以下の技術事項が記載されている。(符号a-1~f-1-3、a-2~f-2-3、a-3~f-3-3、a-4~d-4、a-5~g-5は合議体が付した。以下、「構成a-1」~「構成g-5」等という。また、各構成の末尾に、対応する段落番号や図番号を付した。) ア 第1実施形態における発明(以下、「甲1発明1」という。) (甲1発明1) 「a-1 31_0、31_1は連続するピクチャであり、ピクチャ31_0は0番目のアクセスユニットAU0内のピクチャ、ピクチャ31_1は1番目のアクセスユニットAU1内のピクチャであり、ピクチャ31_0、31_1を含む動画像をMPEG方式で圧縮符号化してなるMPEGストリームを入力し復号を行うMPEGデコーダ32において、(【0020】、【0021】、図1) MPEGデコーダ32は、 a-1-1 復号対象のMPEGストリームからアクセスユニットを検出するAU(アクセスユニット)検出部35と、(【0022】) a-1-2 アクセスユニット単位で可変長復号処理を行う可変長復号処理(VLD)部36_0、36_1と、(【0022】) a-1-3 可変長復号処理部36_0、36_1が出力する係数データなどの中間データを格納するための中間データバッファ37と、(【0023】) a-1-4 中間データバッファ37に格納されたマクロブロックラインの先頭データ位置を示すマクロブロックラインポインタを記録するためのマクロブロックラインポインタテーブル38と、(【0023】) a-1-5-1 中間データバッファ37から偶数マクロブロックラインの中間データを読み出して偶数マクロブロックラインの画像復号処理を行う画像復号処理部39_0と、(【0025】) a-1-5-2 中間データバッファ37から奇数マクロブロックラインの中間データを読み出して奇数マクロブロックラインの画像復号処理を行う画像復号処理部39_1と、(【0026】) を備え、 b-1 AU0PTRi(但し,i=0、1、…、15である。)、AU1PTRiはマクロブロックラインポインタであり、マクロブロックラインポインタAU0PTRiは、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBLiの中間データバッファ37内の先頭データ位置を示し、マクロブロックラインポインタAU1PTRiは、アクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBLiの中間データバッファ37内の先頭データ位置を示し、(【0028】) c-1-1 可変長復号処理部36_0は、アクセスユニットAU0内のマクロブロックラインMBL0~MBL15からなるピクチャについて可変長復号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ37に書き込むが、その際、マクロブロックラインポインタAU0PTRiを作成し、マクロブロックラインポインタテーブル38に記録し、(【0029】、図1) c-1-2 可変長復号処理部36_1は、アクセスユニットAU1内のマクロブロックラインMBL0~MBL15からなるピクチャについて可変長復号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ37に書き込むが、その際、マクロブロックラインポインタAU1PTRiを作成し、マクロブロックラインポインタテーブル38に記録し、(【0030】、図1) d-1-1 画像復号処理部39_0は、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR0の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR0が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL0の画像復号処理を行い、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR2の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR2が示す中間データバッファ37内のデータ位置からマクロブロックラインMBL2の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL2の画像復号処理を行い、以後、同様にして偶数マクロブロックラインの復号処理を続け、(【0032】、【0033】) d-1-2 画像復号処理部39_1は、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR1の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR1が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL1の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL1の画像復号処理を行い、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL1の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR3の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR3が示す中間データバッファ37内のデータ位置からマクロブロックラインMBL3の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL3の画像復号処理を行い、以後、同様にして奇数マクロブロックラインの復号処理を続け、(【0034】、【0035】) e-1-1 可変長復号処理部36_0は、AU検出部35が先に出力したアクセスユニットAU0内のピクチャについての可変長復号処理を実行し、可変長復号処理部36_1は、AU検出部35がアクセスユニットAU0の次に出力したアクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理を実行しているが、可変長復号処理部36_0によるアクセスユニットAU0内のピクチャについての可変長復号処理が可変長復号処理部36_1によるアクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理よりも先に終了し、(【0037】、図4) e-1-2 可変長復号処理部36_0は、AU検出部35がアクセスユニットAU1の次に出力したアクセスユニットAU2内のピクチャについての可変長復号処理を実行し、可変長復号処理部36_1は、AU検出部35がアクセスユニットAU2の次に出力したアクセスユニットAU3内のピクチャについての可変長復号処理を実行し、(【0038】、図4) f-1-1 可変長復号処理部36_0によるアクセスユニットAU0内のピクチャについての可変長復号処理が終了すると、画像復号処理部39_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャの偶数マクロブロックラインについての画像復号処理を開始し、同時に画像復号処理部39_1は、アクセスユニットAU0内のピクチャの奇数マクロブロックラインについての画像復号処理を開始し、(【0039】、図4) f-1-2 その後、画像復号処理部39_0によるアクセスユニットAU0内のピクチャの偶数マクロブロックラインについての画像復号処理が終了し、画像復号処理部39_1によるアクセスユニットAU0内のピクチャの奇数マクロブロックラインについての画像復号処理が終了し、(【0040】、図4) f-1-3 この場合には、画像復号処理部39_0は、アクセスユニットAU1内のピクチャの偶数マクロブロックラインについて画像復号処理の実行を開始し、同時に画像復号処理部39_1は、アクセスユニットAU1内のピクチャの奇数マクロブロックラインについて画像復号処理の実行を開始する、(【0040】、図4) a-1 MPEGデコーダ32。」 イ 第2実施形態における発明(以下、「甲1発明2」という。) (甲1発明2) 「a-2 4個の画像復号処理部39_0~39_3を設け、MPEGデコーダ32と同様に構成したものであるMPEGデコーダ52において、(【0044】、図1、図5) c-2-1 可変長復号処理部36_0は、アクセスユニットAU0内のマクロブロックラインMBL0~MBL15からなるピクチャについて可変長復号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ37に書き込むが、その際、マクロブロックラインポインタAU0PTRiを作成し、マクロブロックラインポインタテーブル38に記録し、(【0045】、図1) c-2-2 可変長復号処理部36_1は、アクセスユニットAU1内のマクロブロックラインMBL0~MBL15からなるピクチャについて可変長復号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ37に書き込むが、その際、マクロブロックラインポインタAU1PTRiを作成し、マクロブロックラインポインタテーブル38に記録し、(【0046】、図1) d-2-1 画像復号処理部39_0は、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR0の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR0が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL0の画像復号処理を行い、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR4の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR4が示す中間データバッファ37内のデータ位置からマクロブロックラインMBL4の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL4の画像復号処理を行い、以後、同様にしてマクロブロックラインMBL8、MBL12などの復号処理を続け、(【0051】、【0052】) d-2-2 画像復号処理部39_1は、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR1の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR1が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL1の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL1の画像復号処理を行い、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL1の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR5の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR5が示す中間データバッファ37内のデータ位置からマクロブロックラインMBL5の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL5の画像復号処理を行い、以後、同様にしてマクロブロックラインMBL9、MBL13などの復号処理を続け、(【0053】、【0054】) d-2-3 画像復号処理部39_2は、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR2の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR2が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL2の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL2の画像復号処理を行い、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL2の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR6の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR6が示す中間データバッファ37内のデータ位置からマクロブロックラインMBL6の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL6の画像復号処理を行い、以後、同様にしてマクロブロックラインMBL10、MBL14などの復号処理を続け、(【0055】、【0056】) d-2-4 画像復号処理部39_3は、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR3の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR3が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL3の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL3の画像復号処理を行い、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL3の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR7の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR7が示す中間データバッファ37内のデータ位置からマクロブロックラインMBL7の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL7の画像復号処理を行い、以後、同様にしてマクロブロックラインMBL11、MBL15などの復号処理を続け、(【0057】、【0058】) e-2-1 可変長復号処理部36_0は、AU検出部35が先に出力したアクセスユニットAU0内のピクチャについての可変長復号処理の実行を開始し、可変長復号処理部36_1は、AU検出部35がアクセスユニットAU0の次に出力したアクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理の実行を開始し、(【0060】、図7) e-2-2 可変長復号処理部36_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャについての可変長復号処理を可変長復号処理部36_1によるアクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理よりも先に終了させ、AU検出部35がアクセスユニットAU1の次に出力したアクセスユニットAU2内のピクチャについての可変長復号処理の実行を開始し、(【0061】、図7) e-2-3 可変長復号処理部36_0は、アクセスユニットAU2内のピクチャについての可変長復号処理を可変長復号処理部36_1によるアクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理よりも先に終了させ、AU検出部35がアクセスユニットAU2の次に出力したアクセスユニットAU3内のピクチャについての可変長復号処理の実行を開始し、(【0062】、図7) e-2-4 可変長復号処理部36_1は、アクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理を終了させ、AU検出部35がアクセスユニットAU3の次に出力したアクセスユニットAU4内のピクチャについての可変長復号処理の実行を開始し、(【0063】、図7) f-2-1 可変長復号処理部36_0によるアクセスユニットAU0内のピクチャについての可変長復号処理が終了すると、画像復号処理部39_0~39_3は、それぞれアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0、MBL1、MBL2、MBL3についての画像復号処理を同時に開始し、(【0064】、図7) f-2-2 その後、可変長復号処理部36_1によるアクセスユニットAU1内のピクチャについての可変長復号処理が終了し、また、画像復号処理部39_0~39_3によるアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL12、MBL13、MBL14、MBL15についての画像復号処理を終了し、(【0065】、図7) f-2-3 この場合には、画像復号処理部39_0、39_1、39_2、39_3は、それぞれアクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBL0、MBL1、MBL2、MBL3についての画像復号処理を同時に開始する、(【0066】、図7) a-2 MPEGデコーダ52。」 ウ 第3実施形態における発明(以下、「甲1発明3」という。) 甲第1号証の段落【0081】の「アクセスユニットAU1内のピクチャのスライスSL1及びアクセスユニットAU1内のピクチャのスライスSL0、SL2について」は、「アクセスユニットAU0内のピクチャのスライスSL1及びアクセスユニットAU1内のピクチャのスライスSL0、SL2について」の明らかな誤記であるとして、甲1発明3を認定した。 (甲1発明3) 「a-3 アクセスユニットAU0のピクチャ31_0は、3個のスライスSL0、SL1、SL2に分割され、アクセスユニットAU1のピクチャ31_1も、3個のスライスSL0、SL1、SL2に分割され、ピクチャ31_0においては、スライスSL1の先頭はマクロブロックラインMBL4を分断し、スライスSL2の先頭はマクロブロックラインMBL11を分断し、ピクチャ31_1においては、スライスSL1の先頭はマクロブロックラインMBL3を分断し、スライスSL2の先頭はマクロブロックラインMBL10を分断しているMPEGストリームを入力し復号するMPEGデコーダ62において、(【0070】、【0075】、【0076】、図8、図9) MPEGデコーダ62は、 a-3-1 復号対象のMPEGストリームからスライスを検出するスライス検出部65と、(【0070】) a-3-2 スライス単位で可変長復号処理を行う可変長復号処理(VLD)部66_0、66_1と、(【0070】) a-3-3 可変長復号処理部66_0、66_1が出力する中間データを格納するための中間データバッファ67と、(【0070】) a-3-4-1 中間データバッファ67に格納されたマクロブロックラインのデータ位置を示すマクロブロックラインポインタを記録するためのマクロブロックラインポインタテーブル68Aと、(【0071】) a-3-4-2 中間データバッファ67に格納されたスライスの先頭データ位置を示すスライスポインタを記録するためのスライスポインタテーブル68Bと、(【0071】) a-3-5-1 中間データバッファ67から偶数マクロブロックラインの画像信号を読み出して画像復号処理を行う画像復号処理部69_0と、(【0073】) a-3-5-2 中間データバッファ67から奇数マクロブロックラインの画像信号を読み出して画像復号処理を行う画像復号処理部69_1と、(【0074】) を備え、 b-3-1 マクロブロックラインポインタAU0PTRiは、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBLiの中間データバッファ67内の先頭データ位置を示し、マクロブロックラインポインタAU1PTRiは、アクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBLiの中間データバッファ67内の先頭データ位置を示し、(【0078】) b-3-2 AU0SLj(但し、j=0、1、2である。)及びAU1SLjはスライスポインタであり、スライスポインタAU0SLjはスライスSLjの中間データバッファ67内の先頭データ位置を示し、スライスポインタAU1SLjはスライスSLjの中間データバッファ67内の先頭データ位置を示し、(【0079】) c-3-1 可変長復号処理部66_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0~MBL4の一部からなるスライスSL0、マクロブロックラインMBL11の一部~MBL15からなるSL2及びアクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBL3の一部~MBL10の一部からなるスライスSL1について可変長復号処理を行い、中間データを中間データバッファ67に書き込み、その際、マクロブロックラインポインタ及びスライスポインタを作成し、これらをマクロブロックラインポインタテーブル68A及びスライスポインタテーブル68Bに記録し、(【0080】、図9) c-3-2 可変長復号処理部66_1は、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL4の一部~MBL11の一部からなるスライスSL1及びアクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBL0~MBL3の一部からなるスライスSL0、マクロブロックラインMBL10の一部~MBL15からなるSL2について可変長復号処理を行い、中間データを中間データバッファ67に書き込むが、その際マクロブロックラインポインタ及びスライスポインタを作成し、これらをマクロブロックラインポインタテーブル68A及びスライスポインタテーブル68Bに記録し、(【0081】、図9) d-3-1 画像復号処理部69_0は、マクロブロックラインポインタテーブル68AからマクロブロックラインポインタAU0PTR0の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR0が示す中間データバッファ67内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL0の画像復号処理を行い、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR2の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR2が示す中間データバッファ67内のデータ位置からマクロブロックラインMBL2の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL2の画像復号処理を行い、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL2の画像復号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR4の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR4が示す中間データバッファ67内のデータ位置からマクロブロックラインMBL4の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL4の画像復号処理を開始し、(【0085】~【0087】) g-3-1 マクロブロックラインMBL4は、スライスで分かれているので、画像復号処理部69_0は、マクロブロックラインポインタAU0PTR4が示す位置からスライスポインタAU0SL2が示す位置までのデータを処理した後、スライスポインタAU0SL1が示す位置に飛び、残りのマクロブロックラインMBL4の復号処理を行い、以後、同様の処理を行いながら、偶数マクロブロックラインの復号処理を行い、(【0088】) d-3-2、g-3-2 画像復号処理部69_1も、奇数マクロブロックラインについて同様にして復号処理を行い、(【0088】) e-3 可変長復号処理部66_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャのスライスSL0、SL2及びアクセスユニットAU1内のピクチャのスライスSL1の順に可変長復号処理を行い、可変長復号処理部66_1は、アクセスユニットAU0内のピクチャのスライスSL1及びアクセスユニットAU1内のピクチャのスライスSL0、SL2の順に可変長復号処理を行い、(【0090】、図13) f-3-1 可変長復号処理部66_0によるアクセスユニットAU0内のピクチャのスライスSL0についての可変長復号処理が終了すると、画像復号処理部69_0は、アクセスユニットAU0内のピクチャの偶数マクロブロックラインについての画像復号処理を開始し、画像復号処理部69_1は、アクセスユニットAU0内のピクチャの奇数マクロブロックラインについての画像復号処理を開始し、(【0091】、図13) f-3-2 その後、画像復号処理部69_0によるアクセスユニットAU0内のピクチャの偶数マクロブロックラインについての画像復号処理が終了し、画像復号処理部69_1によるアクセスユニットAU0内のピクチャの奇数マクロブロックラインについての画像復号処理が終了しているが、このときには、既に可変長復号処理部69_1によるアクセスユニットAU0内のピクチャのスライスSL0の可変長復号処理が終了し、(【0092】、図13) f-3-3 この場合には、画像復号処理部69_0は、アクセスユニットAU1内のピクチャの偶数マクロブロックラインについて画像復号処理の実行を開始し、画像復号処理部69_1は、アクセスユニットAU1内のピクチャの奇数マクロブロックラインについて画像復号処理の実行を開始する、(【0093】、図13) a-3 MPEGデコーダ62。」 エ 第2従来例における発明(以下、「甲1発明4」という。) (甲1発明4) 「a-4 上半分のマクロブロックラインMBL0~MBL7を含むスライスSL0及び下半分のマクロブロックラインMBL8~MBL15を含むスライスSL1からなるピクチャ11を含む動画像をMPEG方式で圧縮符号化してなるMPEGストリームを入力し復号を行うMPEGデコーダ12において、(【0008】、【0009】、図19) MPEGデコーダ12は、 a-4-1 MPEGストリームからスライスを検出するスライス検出部15と、(【0010】) a-4-2、a-4-5、a-4-6 デコード処理部16_0、16_1と、(【0010】) a-4-5、a-4-6 デコード処理部16_0、16_1内にある可変長復号処理(VLD)部17_0、17_1と、(【0010】、図19) を備え、 d-4 スライスSL0、SL1をスライス検出部15で検出し、これらスライスSL0、SL1を並列化して、スライスSL0の復号処理はデコード処理部16_0で行い、スライスSL1の復号処理はデコード処理部16_1で行う、(【0011】) a-4 MPEGデコーダ。」 オ MPEGエンコーダに関する技術事項(以下、「甲1エンコーダ」という。) 甲第1号証の段落【0113】の「マクロブロックラインMBL1の画像復号処理を行う。」は、「マクロブロックラインMBL1の画像符号処理を行う。」の明らかな誤記であるとして、甲1エンコーダを認定した。 (甲1エンコーダ) 「a-5 入力画像を圧縮符号化してMPEGストリームを作成するMPEGエンコーダ82において、(【0099】、図14) MPEGエンコーダ82は、 a-5-5 入力画像の偶数マクロブロックラインの画像符号処理を行い、動きベクトル算出部86_0、動き補償(DIFF)部87_0、動き補償(MC)部92_0を備えた画像符号処理部85_0と、(【0101】、図14) a-5-6 入力画像の奇数マクロブロックラインの画像符号処理を行い、動きベクトル算出部86_1、動き補償(DIFF)部87_1、動き補償(MC)部92_1を備えた画像符号処理部85_1と、【0102、図14】 a-5-3 画像符号処理部85_0、85_1が出力する中間データが格納される中間データバッファ93と、(【0103】) a-5-4-1 中間データバッファ93に格納されたマクロブロックラインのデータ位置を示すマクロブロックラインポインタを記録するためのマクロブロックラインポインタテーブル94と、(【0103】) a-5-2 中間データバッファ93からピクチャ単位で中間データを読み出して可変長符号処理を行う可変長符号処理部95_0、95_1と、(【0105】) a-5-7 可変長符号処理部95_0が出力するストリームが格納されるストリームバッファ96_0と、(【0105】) a-5-8 可変長符号処理部95_1が出力するストリームが格納されるストリームバッファ96_1と、(【0105】) a-5-9 ストリームバッファ96_0に格納されたストリームとストリームバッファ96_1に格納されたストリームとを多重化してMPEGストリームを生成する多重化部97と、(【0105】) を備え、 c-5-1 画像符号処理部85_0は、アクセスユニットAU0のピクチャの偶数マクロブロックラインMBL0、MBL2、…、MBL14及びアクセスユニットAU1のピクチャの偶数マクロブロックラインMBL0、MBL2、…、MBL14の画像符号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ93に書き込むが、その際、マクロブロックラインポインタAU0PTR0、AU0PTR2、…AU0PTR14、AU1PTR0、AU1PTR2、…、AU1PTR14を作成し、マクロブロックラインポインタテーブル94に記録し、【0107】 c-5-2 画像符号処理部85_1は、アクセスユニットAU0のピクチャの奇数マクロブロックラインMBL1、MBL3、…、MBL15及びアクセスユニットAU1のピクチャの奇数マクロブロックラインMBL1、MBL3、…、MBL15の画像符号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ93に書き込むが、その際、マクロブロックラインポインタAU0PTR1、AU0PTR3、…AU0PTR15、AU1PTR1、AU1PTR3、…、AU1PTR15を作成し、マクロブロックラインポインタテーブル94に記録し、(【0108】) d-5-1 可変長符号処理部95_0は、マクロブロックラインポインタテーブル94からマクロブロックラインポインタAU0PTR0の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR0が示す中間データバッファ93内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL0の可変長符号処理を行い、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の可変長符号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU0PTR1の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR1が示す中間データバッファ93内のデータ位置からマクロブロックラインMBL1の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL1の画像符号処理を行い、以後、同様にしてアクセスユニットAU0内のピクチャの可変長符号処理を続け、(【0110】、【0111】) d-5-2 可変長符号処理部95_1は、マクロブロックラインポインタテーブル94からマクロブロックラインポインタAU1PTR0の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU1PTR0が示す中間データバッファ93内のデータ位置からアクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL0の可変長符号処理を行い、アクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の可変長符号処理が完了すると、次に、マクロブロックラインポインタAU1PTR1の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR1が示す中間データバッファ93内のデータ位置からマクロブロックラインMBL1の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL1の画像符号処理を行い、以後、同様にしてアクセスユニットAU1内のピクチャの可変長符号処理を続け、(【0112】、【0113】) e-5-1 画像符号処理部85_0は、アクセスユニットAU0のピクチャの偶数マクロブロックライン、アクセスユニットAU1のピクチャの偶数マクロブロックライン、アクセスユニットAU2のピクチャの偶数マクロブロックライン及びアクセスユニットAU3のピクチャの偶数マクロブロックラインについて順に画像符号処理を実行し、(【0115】、図17) e-5-2 画像符号処理部85_1は、アクセスユニットAU0のピクチャの奇数マクロブロックライン、アクセスユニットAU1のピクチャの奇数マクロブロックライン、アクセスユニットAU2のピクチャの奇数マクロブロックライン及びアクセスユニットAU3のピクチャの奇数マクロブロックラインについて順に画像符号処理を実行し、(【0116】、図17) f-5-1 画像符号処理部85_0、85_1によるアクセスユニットAU0のピクチャについての画像符号処理が終了すると、可変長符号処理部95_0は、アクセスユニットAU0のピクチャについての可変長符号処理を開始し、(【0117】、図17) f-5-2 画像符号処理部85_0、85_1によるアクセスユニットAU1のピクチャについての画像符号処理が終了すると、可変長符号処理部95_1は、アクセスユニットAU1のピクチャについての可変長符号処理を開始し、(【0118】、図17) f-5-3 その後、画像符号処理部85_0、85_1によるアクセスユニットAU2のピクチャについての画像符号処理が終了しているが、このときには、可変長符号処理部95_0は、既にアクセスユニットAU0のピクチャについての可変長符号処理を終了しているので、アクセスユニットAU2のピクチャについての可変長符号処理を開始し、(【0119】、図17) g-5 可変長符号処理部は、2個に限定されず、処理能力に合わせた並列構成又は1個とすることができ、(【0120】) a-5-4-2 可変長符号処理部95_0、95_1は、スライス単位で処理を行い、スライスレベルでの並列処理を行うように構成することもでき、この場合には、スライスの区切りを示すスライスポインタを記録するためのスライスポインタテーブルを設けるようにする、(【0122】) a-5 MPEGエンコーダ82。」 2 甲第2号証 (1)甲第2号証には、以下の記載がある。 「【0003】 動画像データの伝送や蓄積を高画質で効率よく行うために、動画像信号の圧縮符号化技術が用いられる。そのような技術としてITU-TとISO/IECとの合同国際標準化が予定されている動画像符号化方式ITU-T Recommendation H.264あるいはISO/IEC International Standard 14496-10(以下、H.264と呼ぶ)が知られている。」 「【0007】 また、図5に示すように、エラーを分散化させるために、マクロブロックを1つおきにまとめて1つのスライスとして符号化・伝送する方法がある(図5においては、フレーム画像501に含まれるマクロブロックが1つおきにまとめてスライス502とスライス503とを構成する)。この場合マクロブロック間の相関を利用できないため符号化効率が低下するが、エラーを分散させることができる。同様に、スライスのデータを走査線順で送るのではなく任意の順番で送ってエラーに強い仕組みが作れる。図6では、通常は、フレーム画像601を構成するスライス602,603,604,605の順に符号化データを送るが、スライス604のデータを先に送ってからスライス602を送ってもよい(ここで、パケット606,607,608,609には、それぞれ、スライス602,603,604,605に対応するデータが含まれる)。また、同じスライスのデータを繰り返して伝送する手法もある。例えば、図7ではスライス702の符号化されたデータを複製してパケット706aとパケット706bに格納して伝送することにより、パケット706aのデータにエラーが生じたり、またはパケット706aそのものが紛失したりしても、パケット706bのデータがあれば、同じスライスの画像を再生することができる。このように、フレーム画像内の各領域を画像の走査順とは異なる順番で符号化したり、符号化手段によって符号化された圧縮データを二重化したりすることによって、符号化に際して符号化画像のエラー耐性を高める機能を「エラー強化ツール」と呼ぶ。」 「【0034】 図6は本実施の形態に用いられる第2のエラー強化ツールの模式図を示す。画像601は602~605の各領域(スライス)に分割され、それぞれのスライスを符号化する。このように符号化されたデータは、従来のように上から順番に送る代わりに、スライス604に対応するパケット606のデータを先に送り、次にスライス602に対応するパケット607のデータを送る、いわゆる任意スライス順番で伝送する。」 「【0046】 図11は、上記実施の形態1ないし2の符号化処理を、上記符号化プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクを用いて、コンピュータシステムにより実施する場合を説明するための図である。 【0047】 図11(b)は、フロッピー(登録商標)ディスクの正面からみた外観、断面構造、及びフロッピー(登録商標)ディスクを示し、図11(a)は、記録媒体本体であるフロッピー(登録商標)ディスクの物理フォーマットの例を示している。フロッピー(登録商標)ディスクFDはケースF内に内蔵され、該ディスクの表面には、同心円状に外周からは内周に向かって複数のトラックTrが形成され、各トラックは角度方向に16のセクタSeに分割されている。従って、上記プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクでは、上記フロッピー(登録商標)ディスクFD上に割り当てられた領域に、上記プログラムとしてのデータが記録されている。 【0048】 また、図11(c)は、フロッピー(登録商標)ディスクFDに上記プログラムの記録再生を行うための構成を示す。上記プログラムをフロッピー(登録商標)ディスクFDに記録する場合は、コンピュータシステムCsから上記プログラムとしてのデータをフロッピー(登録商標)ディスクドライブを介して書き込む。また、フロッピー(登録商標)ディスク内のプログラムにより上記符号化あるいは復号化装置をコンピュータシステム中に構築する場合は、フロッピー(登録商標)ディスクドライブによりプログラムをフロッピー(登録商標)ディスクから読み出し、コンピュータシステムに転送する。 【0049】 なお、上記説明では、データ記録媒体としてフロッピー(登録商標)ディスクを用いて説明を行ったが、光ディスクを用いても同様に行うことができる。また、記録媒体はこれに限らず、ICカード、ROMカセット等、プログラムを記録できるものであれば同様に実施することができる。」 「【図6】 [図:0001386157000011.jpg] 」 3 甲第3号証 (1)甲第3号証には、以下の記載がある。 「最初に、H.264/AVCの全体的な構成を理解するために、図4-1および図4-2に、H.264/AVCのエンコーダ(符号器)およびデコーダ(復号器)のブロック図を示します。H.264/AVCは、MPEG-2、MPEG-4など従来の動画像圧縮符号化方式と同様に、既に符号化された画像フレーム(参照フレーム:動き補償予測に用いられる画像フレーム)からの動きを推定して予測信号を作成し、残差信号(符号化する画像から予測信号を引き算した信号)を離散コサイン変換/量子化した後、エントロピー符号化(可変長符号化とも言う)を行う、「動き補償+DCT」(第2章参照)と呼ばれる技術をベースとしています。」(第86ページ第2行-第8行) 「 [図:0001386157000012.jpg] 」(第86ページ) 「 [図:0001386157000013.jpg] 」(第87ページ) 第5 当審の判断 1 取消理由1について (1)本件発明1について ア 甲1発明1に対して (ア)対比 本件発明1と甲1発明1とを対比する。 a 構成A1について 甲1発明1の構成a-1において、「MPEGデコーダ32」は、「ピクチャ31_0、31_1を含む動画像をMPEG方式で圧縮符号化してなるMPEGストリームを入力し復号を行う」ことから、甲1発明1の「MPEGデコーダ32」は、本件発明1の構成A1と「少なくとも一つの符号化画像を表すビットストリームを」「受信すること」で一致するといえるものの、当該「受信すること」が、本件発明1の構成A1では、「第1符号化ユニット(UC1)及び第2符号化ユニット(UC2)を有する符号化装置から受信すること」によって行われるのに対し、甲1発明1では、どこからの受信であるのか不明であり、また、符号化に際していかなる構成の符号化装置によって符号化されたのか不明である点で相違する。 b 構成B1について (a)甲1発明1の構成a-1-1において、「MPEGデコーダ32」に備えられた「AU(アクセスユニット)検出部35」は、「復号対象のMPEGストリームからアクセスユニットを検出」し、構成a-1に、「31_0、31_1は連続するピクチャであり、ピクチャ31_0は0番目のアクセスユニットAU0内のピクチャ、ピクチャ31_1は1番目のアクセスユニットAU1内のピクチャ」とあるように、アクセスユニットは、その中にピクチャがあることから、甲1発明1の「MPEGデコーダ32」は、本件発明1の構成B1における「前記ビットストリームから、少なくとも一つの符号化画像」について、「識別すること」を行っているといえる。 しかしながら、甲1発明1の構成a-1-1では、「前記ビットストリームから」「ブロックの所定の複数のグループを識別すること」は行っていない。 (b)甲1発明1の構成d-1-1では、「画像復号処理部39_0は、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR0の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR0が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL0の画像復号処理を行い」、構成d-1-2では、「画像復号処理部39_1は、マクロブロックラインポインタテーブル38からマクロブロックラインポインタAU0PTR1の値を取得し、このマクロブロックラインポインタAU0PTR1が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL1の中間データを読み出し、マクロブロックラインMBL1の画像復号処理を行」っており、「マクロブロックラインポインタAU0PTR0」及び「マクロブロックラインポインタAU0PTR1」は、構成b-1によると「マクロブロックラインポインタAU0PTRiは、アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBLiの中間データバッファ37内の先頭データ位置を示し、マクロブロックラインポインタAU1PTRiは、アクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBLiの中間データバッファ37内の先頭データ位置を示す」ことから、「アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBLi」(i=0~15。以下同じ。)及び「アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBLi」は、それぞれ「マクロブロックラインポインタAU0PTRi」及び「マクロブロックラインポインタAU1PTRi」によって示され、当該「アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBLi」及び「アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBLi」は、それぞれのAU内のピクチャにおいて、本件発明1の構成B1における「少なくとも一つの符号化画像を表す、ブロックの所定の複数のグループ」に相当することから、甲1発明1では、本件発明1の構成B1における「少なくとも一つの符号化画像を表す、ブロックの所定の複数のグループ」について、「識別すること」を行っているといえる。 しかしながら、甲1発明1の構成d-1-1では、「マクロブロックラインポインタAU0PTR0が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL0の中間データを読み出し」、構成d-1-2では、「マクロブロックラインポインタAU0PTR1が示す中間データバッファ37内のデータ位置からアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBL1の中間データを読み出」すが、構成c-1-1によれば「可変長復号処理部36_0」が、「可変長復号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ37に書き込」み、「マクロブロックラインポインタAU0PTRiを作成し」、構成c-1-2によれば「可変長復号処理部36_1」が、「可変長復号処理を行い、マクロブロックライン単位で中間データを中間データバッファ37に書き込」み、「マクロブロックラインポインタAU1PTRiを作成し」ており、「アクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックラインMBLi」及び「アクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインMBLi」の識別は、それぞれ「可変長復号処理部36_0」及び「可変長復号処理部36_0」が可変長復号して生成した「中間データバッファ37内のデータ」に対して行っていて、「ビットストリーム」からは行っていない。 (c)上記(a)及び(b)によれば、甲1発明1では、「前記ビットストリームから、少なくとも一つの符号化画像」について、「識別すること」と、中間データバッファ37内のデータに対して「少なくとも一つの符号化画像を表す、ブロックの所定の複数のグループ」について、「識別すること」とを別々に行うものの、本件発明1の構成B1である「前記ビットストリームから、少なくとも一つの符号化画像を表す、ブロックの所定の複数のグループを識別すること」は行っていない点で相違する。 c 構成C1-1~C1-4について 甲1発明1の構成c-1-1において、「可変長復号処理部36_0は、アクセスユニットAU0内のマクロブロックラインMBL0~MBL15からなるピクチャについて可変長復号処理を行い」、構成c-1-2において、「可変長復号処理部36_1は、アクセスユニットAU1内のマクロブロックラインMBL0~MBL15からなるピクチャについて可変長復号処理を行」うが、各「マクロブロックライン」は、本件発明1における「ブロックの」「グループのブロック中の連続するブロックの」「行」に相当するから、アクセスユニットAU0のマクロブロックラインMBL0を「ブロックの第1のグループ」の「ブロック中の連続するブロックの第1の行」のように「第1」番目として順番付けすると、アクセスユニットAU0のマクロブロックラインMBL1、MBL2及びMBL3がそれぞれ本願発明1における「ブロックの第2のグループ」の「ブロック中の連続するブロックの第2の行」、「ブロックの第3のグループ」の「ブロック中の連続するブロックの第3の行」及び「ブロックの第4のグループ」の「ブロック中の連続するブロックの第4の行」に相当する。 また、「可変長復号」は、前記3(1)の甲第3号証の図4-2にあるように「エントロピー復号」である。 してみると、甲1発明1には、本件発明1の構成C1-1~構成C1-4に相当する構成を有しているといえる。 d 構成D1-1について 甲1発明1において、復号された画像は、甲1発明1の構成c-1-1の「アクセスユニットAU0内のマクロブロックラインMBL0~MBL15からなるピクチャ」となって、甲1の図1(A)のような画像となるから、マクロブロックラインMBL1は、復号された画像のラスタ順において、マクロブロックラインMBL0の直後にある。 また、上記cのように、甲1発明1におけるアクセスユニットAU0のマクロブロックラインMBL0を「ブロックの第1のグループ」の「ブロック中の連続するブロックの第1の行」のように「第1」番目として順番付けすると、アクセスユニットAU0のマクロブロックラインMBL1が本件発明1における「ブロックの第2のグループ」の「ブロック中の連続するブロックの第2の行」に相当する。 してみると、甲1発明1には、本件発明1の構成D1-1に相当する構成を有しているといえる。 e 構成D1-2について 甲1発明1では、甲1発明1の構成a-1に「31_0、31_1は連続するピクチャであり、ピクチャ31_0は0番目のアクセスユニットAU0内のピクチャ、ピクチャ31_1は1番目のアクセスユニットAU1内のピクチャであり、ピクチャ31_0、31_1を含む動画像をMPEG方式で圧縮符号化してなるMPEGストリーム」とあるように、復号対象は、「アクセスユニットAU0内のピクチャ」「31_0」、「アクセスユニットAU1内のピクチャ」「31_1」「を含む動画像をMPEG方式で圧縮符号化してなるMPEGストリーム」であり、当該「MPEGストリーム」から「AU検出部35」で検出された各AUは、甲1発明1の構成c-1-1及び構成c-1-2にあるように「可変長復号処理部36_0は、アクセスユニットAU0内のマクロブロックラインMBL0~MBL15からなるピクチャについて可変長復号処理を行い」、「可変長復号処理部36_1は、アクセスユニットAU1内のマクロブロックラインMBL0~MBL15からなるピクチャについて可変長復号処理を行」うことから、当該「MPEGストリーム」は、図1(A)のようなマクロブロックラインの順番で「AU検出部35」に入力される。 そして、上記cのように、甲1発明1におけるアクセスユニットAU0のマクロブロックラインMBL0を「ブロックの第1のグループ」の「ブロック中の連続するブロックの第1の行」のように「第1」番目として順番付けすると、アクセスユニットAU0のマクロブロックラインMBL1が本件発明1における「ブロックの第2のグループ」の「ブロック中の連続するブロックの第2の行」に相当する。 してみると、甲1発明1では、連続するブロックの第2の行が、ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第1の行の直後にあるといえるものの、これは、本件発明1の構成D1-2のように「前記連続するブロックの第2の行が、前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第1の行の直後にはないこと」という配置とは異なる点で本件発明1と相違する。 f 構成D1-3について 上記cを参照すると、甲1発明1におけるアクセスユニットAU0のマクロブロックラインMBL0を「ブロックの第1のグループ」の「ブロック中の連続するブロックの第1の行」のように「第1」番目として順番付けすると、アクセスユニットAU0のマクロブロックラインMBL2が本件発明1における「ブロックの第3のグループ」の「ブロック中の連続するブロックの第3の行」に相当する。 そして、上記dを参照すると、「連続するブロックの第3の行」に関して、甲1発明1は、本件発明1の構成D1-3のように「前記ラスタ順において前記連続するブロックの第2の行の直後にあ」る点で本件発明1と一致するといえる。 しかしながら、上記eを参照すると、甲1発明1では、「前記連続するブロックの第3の行」は、前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第2の行の直後にあるといえるものの、これは、本件発明1の構成D1-3のように「前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第1の行と前記連続するブロックの第2の行との間にある」という配置とは異なる点で本件発明1と相違する。 g 構成D1-4について 上記cを参照すると、甲1発明1におけるアクセスユニットAU0のマクロブロックラインMBL0を「ブロックの第1のグループ」の「ブロック中の連続するブロックの第1の行」のように「第1」番目として順番付けすると、アクセスユニットAU0のマクロブロックラインMBL3が本件発明1における「ブロックの第4のグループ」の「ブロック中の連続するブロックの第4の行」に相当する。 そして、上記dを参照すると、「連続するブロックの第4の行」に関して、甲1発明1は、本件発明1の構成D1-4のように「前記ラスタ順において前記連続するブロックの第3の行の直後にあ」る点で本件発明1と一致するといえる。 しかしながら、上記eを参照すると、甲1発明1では、「前記連続するブロックの第4の行」は、前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第3の行の直後にあるといえるものの、これは、本件発明1の構成D1-4のように「前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第2の行の直後にある」という配置とは異なる点で本件発明1と相違する。 h 構成E1-1及びE1-2について 甲1発明1では、上記aのように、「MPEGデコーダ32」は、「ピクチャ31_0、31_1を含む動画像をMPEG方式で圧縮符号化してなるMPEGストリームを入力し復号を行」っており、MPEG方式での圧縮符号化では、予測符号化が実行されることは周知の事項である。 しかし、甲1発明1では、上記aのように、符号化に際していかなる構成の符号化装置によって符号化されたのか不明であることから、当該予測符号化についてもいかなる予測符号化が行われたのか不明である。 してみると、本件発明1と甲1発明1とは、符号化画像について「予測符号化が」「実行されている」点で一致するといえるものの、当該「予測符号化」が、本件発明1の構成E1-1では、「前記連続するブロックの第1の行及び前記連続するブロックの第3の行の予測符号化が、前記ラスタ順において前記第1の行及び前記第3の行を含む奇数順位の行を符号化するように構成された前記第1符号化ユニットによって、前記連続するブロックの第1の行及び前記連続するブロックの第3の行の前記ビットストリームにおけるブロック順に実行され」、構成E1-2では、「前記連続するブロックの第2の行及び前記連続するブロックの第4の行の予測符号化が、前記ラスタ順において前記第2の行及び前記第4の行を含む偶数順位の行を符号化するように構成された前記第2符号化ユニットによって、前記連続するブロックの第2の行及び前記連続するブロックの第4の行の前記ビットストリームにおけるブロック順に実行されている」点で相違する。 以上のことから、本件発明1と甲1発明1との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点> A1’ 少なくとも一つの符号化画像を表すビットストリームを、受信すること、 C1-1 ブロックの第1のグループを処理することであって、前記第1のグループのブロック中の連続するブロックの第1の行をエントロピー復号すること、 C1-2 ブロックの第2のグループを処理することであって、前記第2のグループのブロック中の連続するブロックの第2の行をエントロピー復号すること、 C1-3 ブロックの第3のグループを処理することであって、前記第3のグループのブロック中の連続するブロックの第3の行をエントロピー復号すること、 C1-4 ブロックの第4のグループを処理することであって、前記第4のグループのブロック中の連続するブロックの第4の行をエントロピー復号すること、 を含み、 D1-1 前記連続するブロックの第2の行が、前記少なくとも一つの符号化画像から復号された画像のラスタ順において前記連続するブロックの第1の行の直後にあること、 D1-3’ 前記連続するブロックの第3の行が、前記ラスタ順において前記連続するブロックの第2の行の直後にあること、 D1-4’ 前記連続するブロックの第4の行が、前記ラスタ順において前記連続するブロックの第3の行の直後にあること、 E1-1’、E1-2’ 符号化画像について予測符号化が実行されている、 F1 画像復号方法。 <相違点> (相違点1) 「少なくとも一つの符号化画像を表すビットストリームを」、「受信すること」が、本件発明1の構成A1では、「第1符号化ユニット(UC1)及び第2符号化ユニット(UC2)を有する符号化装置から受信すること」によって行われるのに対し、甲1発明1では、どこからの受信であるのか不明であり、また、符号化に際していかなる構成の符号化装置によって符号化されたのか不明である点。 (相違点2) 本件発明1の構成B1では、「前記ビットストリームから、少なくとも一つの符号化画像を表す、ブロックの所定の複数のグループを識別する」のに対し、甲1発明1では、「前記ビットストリームから、少なくとも一つの符号化画像」について、「識別する」ことと、中間データバッファ37内のデータに対して「少なくとも一つの符号化画像を表す、ブロックの所定の複数のグループ」について、「識別する」ことを別々に行うものの、上記本件発明1の構成B1のように「識別する」わけではない点。 (相違点3) 「連続するブロックの第2の行」~「第4の行」の「ビットストリーム」における配置が、本件発明1では、 「前記連続するブロックの第2の行が、前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第1の行の直後にはないこと」、 「前記連続するブロックの第3の行が」、「前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第1の行と前記連続するブロックの第2の行との間にあること」、 「前記連続するブロックの第4の行が」、「前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第2の行の直後にあること」、 であるのに対し、甲1発明1では、 前記連続するブロックの第2の行が、前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第1の行の直後にあり、 前記連続するブロックの第3の行が、前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第2の行の直後にあり、 前記連続するブロックの第4の行が、前記ビットストリームにおいて前記連続するブロックの第3の行の直後にある点。 (相違点4) 符号化画像についての「予測符号化」に関して、本件発明1では、 「前記連続するブロックの第1の行及び前記連続するブロックの第3の行の予測符号化が、前記ラスタ順において前記第1の行及び前記第3の行を含む奇数順位の行を符号化するように構成された前記第1符号化ユニットによって、前記連続するブロックの第1の行及び前記連続するブロックの第3の行の前記ビットストリームにおけるブロック順に実行され、 前記連続するブロックの第2の行及び前記連続するブロックの第4の行の予測符号化が、前記ラスタ順において前記第2の行及び前記第4の行を含む偶数順位の行を符号化するように構成された前記第2符号化ユニットによって、前記連続するブロックの第2の行及び前記連続するブロックの第4の行の前記ビットストリームにおけるブロック順に実行されている、」 のに対し、甲1発明1では、予測符号化の処理の具体的内容を特定するものではない点。 (イ)相違点についての判断 a 相違点3について 事案に鑑み、上記相違点のうち相違点3について以下に検討する。 (a)甲1発明1では、構成a-1のように「受信する」「ビットストリーム」は、「MPEGビットストリーム」であることが特定されているだけで、当該「MPEGビットストリーム」における各ブロックの具体的な配置については特定されていない。 甲第1号証には、上記「第4 1(2)オ」のような甲1エンコーダの技術事項が記載されており、当該甲1エンコーダは、構成a-5-5及び構成a-5-6のように「画像符号処理部85_0」及び「画像符号処理部85_1」を備えた、構成a-5のような「MPEGエンコーダ82」である。 ここで、上記「画像符号処理部85_0」、「画像符号処理部85_1」及び「MPEGエンコーダ82」は、それぞれ本件発明1の構成A1の「第1符号化ユニット(UC1)」、「第2符号化ユニット(UC2)」及び「符号化装置」に相当する。 そうすると、上記甲1エンコーダは、本件発明1の構成A1における「符号化装置」に相当するものといえるため、甲第1号証に記載された甲1エンコーダから当該「MPEGビットストリーム」を「受信する」場合について検討する。 (b)甲1エンコーダの構成c-5-1~f-5-2によれば、甲1エンコーダは、画像符号処理部85_0及び85_1が行う、それぞれ偶数マクロブロックライン及び奇数マクロブロックラインに対する画像符号処理で生成した、マクロブロックライン単位での中間データを中間データバッファ93に記録し、可変長符号処理部95_0及び95_1が、中間データバッファ93から、それぞれアクセスユニットAU0内のピクチャのマクロブロックライン及びアクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインをラスタ順のマクロブロックラインの順番(MBL0、MBL1、…、MBL14、MBL15)に従って読み出し、それぞれアクセスユニットAU0内のピクチャ及びアクセスユニットAU1内のピクチャのマクロブロックラインの可変長符号処理を行うものといえる。 (c)そして、甲1エンコーダは、構成a-5-7及びa-5-8のように、ストリームバッファ96_0及び96_1が、それぞれ可変長符号処理部95_0が出力するストリーム及び可変長符号処理部95_1が出力するストリームを格納し、構成a-5-9のように、多重化部97において、ストリームバッファ96_0に格納されたストリームとストリームバッファ96_1に格納されたストリームとを多重化してMPEGストリームを生成することから、甲1エンコーダから出力されるビットストリームである「MPEGストリーム」の各マクロブロックラインの配置は、ラスタ順の配置であるといえる。 (d)したがって、上記(a)で検討したように、甲1発明1において、甲第1号証に記載された甲1エンコーダから当該「MPEGビットストリーム」を「受信する」場合、「連続するブロックの第2の行」~「第4の行」の「ビットストリーム」における配置は、前記連続するブロックの第2の行が、前記連続するブロックの第1の行の直後にあり、前記連続するブロックの第3の行が、前記連続するブロックの第2の行の直後にあり、前記連続するブロックの第4の行が、前記連続するブロックの第3の行の直後にあることになり、本件発明1の構成D1-2~D1-4の配置とはならない。 (e)してみると、甲1発明1に甲1エンコーダの技術を適用したとしても、上記相違点3として記載した本件発明1の構成とすることは、当業者にとって容易ではない。 (f)なお、甲1発明1に甲1エンコーダ以外の一般的なMPEGエンコーダを適用したとしても、「MPEGストリーム」の各マクロブロックラインの配置は、ラスタ順の配置となるだけであるから、上記本件発明1の相違点3に係る構成とならないことは明らかである。 b 甲1発明1についての判断のまとめ 上記aにおける判断のとおり、本件発明1は、少なくとも上記相違点3について、甲1発明1及び甲第1号証記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 甲1発明2に対して 甲1発明2は、構成a-2に「4個の画像復号処理部39_0~39_3を設け、MPEGデコーダ32と同様に構成したものであるMPEGデコーダ52」とあるように、「4個の画像復号処理部39_0~39_3を設け」た点以外は、甲1発明1と同様の発明であることから、本件発明1と甲1発明2との一致点及び相違点は、上記ア(ア)に記載した一致点及び相違点と同様であり、当該相違点についての判断も上記ア(イ)においてした判断と同様である。 したがって、本件発明1は、少なくとも上記相違点3について、甲1発明2及び甲第1号証記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 甲1発明3に対して (ア)甲1発明3では、構成a-3にあるように復号対象は、「アクセスユニットAU0のピクチャ31_0は、3個のスライスSL0、SL1、SL2に分割され、アクセスユニットAU1のピクチャ31_1も、3個のスライスSL0、SL1、SL2に分割され」た「MPEGストリーム」であり、甲1発明3の「MPEGデコーダ62」は、スライス単位での処理を行うために、構成a-3-1、a-3-2及びa-3-4-2にあるように「復号対象のMPEGストリームからスライスを検出するスライス検出部65」、「スライス単位で可変長復号処理を行う可変長復号処理(VLD)部66_0、66_1」及び「中間データバッファ67に格納されたスライスの先頭データ位置を示すスライスポインタを記録するためのスライスポインタテーブル68B」を備える。 (イ)そして、上記「スライス」は、本件発明1の構成B1の「ブロックの所定の」「グループ」に相当し、上記構成a-3の「MPEGストリーム」が「アクセスユニットAU0のピクチャ31_0は、3個のスライスSL0、SL1、SL2に分割され、アクセスユニットAU1のピクチャ31_1も、3個のスライスSL0、SL1、SL2に分割され」ていること、上記構成a-3-1の「復号対象のMPEGストリームからスライスを検出する」ことから、甲1発明3では、本件発明1の構成B1の「前記ビットストリームから、少なくとも一つの符号化画像を表す、ブロックの所定の複数のグループを識別すること」に相当する識別を行っているといえる。 (ウ)ここで、甲1発明3では、「スライス」の個数、すなわち「ブロックの所定の」「グループ」の個数が3個であるが、スライスの個数は画像の特性等に応じて適宜設計選択される事項であるから、個数を4個以上とすることは、適宜選択してなし得ることである。 (エ)そして、上記(ウ)のように「スライス」が「ブロックの所定の」「グループ」に相当する場合、各グループを処理することは、「スライス」単位で処理することであるから、甲1発明3を本件発明1の構成C1-1~C1-4と対比すると、各グループのブロック中の連続するブロックの各行をエントロピー復号する点で、甲1発明3には、本件発明1の構成C1-1~C1-4に相当する構成があるといえる。 (オ)しかしながら、構成C1-1~C1-4に相当する各グループは、別々のスライスであるから、当該別々のスライスのブロック中の第1の行~第4の行も別々のスライスの中にあるといえる。 (カ)ここで、スライスの大きさは1個以上のマクロブロックが含まれていればピクチャ以下の大きさで任意であることが周知の事項であることを踏まえて、甲1発明3を本件発明1の構成D1-1~D1-4と対比すると、1個のスライスが1行のマクロブロックラインからならない場合、甲1発明3の第1の行~第4の行の配置は、本件発明1の構成D1-1~D1-4の配置とはならないことは明らかであり、1個のスライスが1行のマクロブロックラインからなる場合、上記ア(ア)の相違点3と同様の相違点が存在し、甲1エンコーダが構成a-5-4-2のように「可変長符号処理部95_0、95_1は、スライス単位で処理を行い、スライスレベルでの並列処理を行うように構成することもでき、この場合には、スライスの区切りを示すスライスポインタを記録するためのスライスポインタテーブルを設けるように」した場合を適用しても、可変長符号処理部95_0が偶数スライス(偶数マクロブロックライン)担当、可変長符号処理部95_1が奇数スライス(奇数マクロブロックライン)担当となって可変長符号化するから、甲1エンコーダから出力されるビットストリームである「MPEGストリーム」の各マクロブロックラインの配置は、上記ア(イ)a(c)と同様にラスタ順の配置となり、上記ア(イ)a(d)及び(e)においてした判断と同様の判断となる。 (キ)なお、「マクロブロックライン」が「ブロックの所定の」「グループ」に相当する場合、甲1発明3は、スライス単位での処理を行うことに関連した構成以外は、甲1発明1と同様の発明であることから、本件発明1と甲1発明3との相違点は、上記ア(ア)に記載した相違点3を含むことになる。そして、当該相違点3についての判断は、甲1エンコーダが構成a-5-4-2のように「可変長符号処理部95_0、95_1は、スライス単位で処理を行い、スライスレベルでの並列処理を行うように構成することもでき、この場合には、スライスの区切りを示すスライスポインタを記録するためのスライスポインタテーブルを設けるように」した場合を適用しても、上記(カ)と同様に上記ア(イ)a(d)及び(e)においてした判断と同様の判断となる。 (ク)したがって、本件発明1は、少なくとも上記相違点3について、甲1発明3及び甲第1号証記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 エ 甲1発明4に対して (ア)甲1発明4は、甲1発明3から、「中間データバッファ67」、「マクロブロックラインポインタテーブル68A」及び「スライスポインタテーブル68B」を除き、可変長復号処理と画像復号処理との両処理を、それぞれスライス単位で処理するようにしたものである。 (イ)また、甲1発明4の構成a-4に「上半分のマクロブロックラインMBL0~MBL7を含むスライスSL0及び下半分のマクロブロックラインMBL8~MBL15を含むスライスSL1からなるピクチャ11を含む動画像をMPEG方式で圧縮符号化してなるMPEGストリームを入力し復号を行うMPEGデコーダ12」とあるように、「スライス」の個数、すなわち「ブロックの所定の」「グループ」の個数が2個であるが、スライスの個数は画像の特性等に応じて適宜設計選択される事項であるから、個数を4個以上とすることは、適宜選択してなし得ることである。 (ウ)そうすると、上記ウ(ク)と同様に、本件発明1は、少なくとも上記相違点3について、甲1発明4及び甲第1号証記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 オ 特許異議申立人の主張について 以下では、丸数字を丸括弧の数字として表現した。 (ア)特許異議申立人は、特許異議申立書の「4(4)ウ(ア)a(d) 構成要件D1-1~D1-4」において、甲1発明明細書の実施例1に関する【0025】、【0026】及び図1、図4の記載を引用した上で、「すなわち、甲1発明明細書の実施例1には、ラスタ順において第1~第16マクロブロックラインの順に並ぶピクチャのマクロブロックラインの処理順序が、奇数行(第1,3,5,7,9,11,13,15)マクロブロックライン及び、偶数行(第2,4,6,8,10,12,14,16)マクロブロックラインの順であることが記載されている。」(特許異議申立書47ページ9行~13行)と説示している。 しかしながら、実施例1の記載及び図1を参照すると、偶数マクロブロックライン担当の画像復号処理部39_0と奇数マクロブロックライン担当の画像復号処理部39_1とは、両処理部によって並列処理を行う画像復号処理部であり、それぞれの画像復号処理部の処理タイミングは、図4を参照すると、処理のスタート時間が同じであることから、マクロブロックラインの処理順序は、奇数行中及び偶数行中での順が奇数行(第1,3,5,7,9,11,13,15)マクロブロックラインの順及び、偶数行(第2,4,6,8,10,12,14,16)マクロブロックラインの順であるが、奇数行マクロブロックラインと偶数行マクロブロックラインとで、どちらの処理が先後かは不明である。 (イ)また、特許異議申立人は、甲1発明明細書の実施例3に関する【0080】、【0081】及び図9、12、13の記載を引用した上で、「上記図9、図12は実施例3に関するものであって、図9に示される様にラスタ順序であれば(1)(2)(3)(4)(5)(6)の順に並ぶスライスについて、奇数行の(1)(3)(5)行のスライスが可変長復号処理部66_0により処理され、偶数行の(2)(4)(6)行のスライスが可変長復号処理部66_1により処理され、図12に示されるように(1)(3)(5)(2)(4)(6)のような奇数行→偶数行という順序で中間データバッファ67にスライスの情報が格納されている。すなわち、ラスタ順において第1~第6スライスの順に並ぶピクチャのスライスの処理順序が、第1スライス、第3スライス、第5スライス及び第2スライス、第4スライス、第6スライスの順であることが記載されている。」(特許異議申立書49ページ13行~21行)と説示している。 しかしながら、実施例3の記載、図8の記載及び図13の処理タイミングの記載を参照すると、可変長復号処理部66_0と可変長復号処理部66_1とは、入力されるアクセスユニットのスライスを順番に並列処理を行う可変長復号処理部であり、奇数行の(1)(3)(5)行のスライスが可変長復号処理部66_0により処理され、偶数行の(2)(4)(6)行のスライスが可変長復号処理部66_1により処理されることは記載されているものの、実施例3の記載及び図12を参照すると、図12の左側の図は、可変長復号処理部66_0が復号するアクセスユニットのスライスであるAU0SL0、AU0SL2、AU1SL1、…の各マクロブロックラインの先頭アドレスを示すマクロブロックラインポインタAU0PTR0、AU0PTR1、…AU0PTR12、AU0PTR13、…AU1PTR4…、及び各スライスの先頭アドレスを示すスライスポインタAU0SL0、AU1SL1、…について、中間データバッファ67に格納される中間データとの関係を示し、また、図12の右側の図は、可変長復号処理部66_1が復号するアクセスユニットのスライスであるAU0SL1、AU1SL0、AU1SL2、…の各マクロブロックラインの先頭アドレスを示すマクロブロックラインポインタAU0PTR5、AU0PTR6、…AU1PTR0、AU1PTR1、…、及び各スライスの先頭アドレスを示すスライスポインタAU0SL1、AU1SL0、AU1SL2、…について、中間データバッファ67に格納される中間データとの関係を示すものであって、中間データバッファ67に格納される順番を示すものではないから、奇数行の(1)(3)(5)行のスライスと偶数行の(2)(4)(6)行のスライスとで、中間データバッファ67に格納されるタイミングがどちらのスライスで先後かは不明である。 (ウ)さらに、特許異議申立人は、甲1発明明細書の第2従来例に関する図19の記載を引用した上で、「この図19の例では、スライスSL0とSL1の2つしか例示されていないが、実施例3のようにスライスの数を任意に増加させることができることは自明である。すなわち、甲1発明明細書の図19の例には、ラスタ順において第1,2,3,4…の順に並ぶピクチャのスライスの処理順序が、奇数行(第1,3…)スライス及び、偶数行(第2,4…)スライスの順であることが記載されている。」(特許異議申立書50ページ1行~7行)と説示している。 しかしながら、第2従来例の記載及び図19を参照すると、スライスの処理順序は、奇数行中及び偶数行中での順が奇数行(第1,3…)スライスの順及び、偶数行(第2,4…)スライスの順であるが、奇数行スライスと偶数行スライスとで、どちらの処理が先後かは不明である。 (エ)そして、特許異議申立人は、「本件発明1の構成要件D1-1~D1-4と、甲1発明1のd1-1~d1-4を比較すると、「ラスタ順において第1,第2,第3,第4の順となるサブセット(連続するブロックの行)が、処理順において第1,第3,第2,第4(奇数行→偶数行)の順となっている」点において一致する。」(特許異議申立書51ページ7行~11行)、「甲1発明1のd1-1~d1-4は、「d1-1 連続するブロックの第2の行が、少なくとも一つの「符号化画像から復号された画像のラスタ順において連続するブロックの第1の行の直後にあること、d1-2 連続するブロックの第2の行が、処理順において連続するブロックの第1の行の直後にはないこと、d1-3 連続するブロックの第3の行が、ラスタ順において連続するブロックの第2の行の直後にあり且つ処理順において連続するブロックの第1の行と連続するブロックの第2の行との間にあること、d1-4 連続するブロックの第4の行が、ラスタ順において連続するブロックの第3の行の直後にあり且つ処理順において連続する部録の第2の行の直後にあること、」の点において一致し、」(特許異議申立書52ページ4行~16行)と説示している。 しかしながら、上記(ア)~(ウ)に記載したように、実施例1、3及び第2従来例の記載及びその関連図面からでは、「ラスタ順において第1,第2,第3,第4の順となるサブセット(連続するブロックの行)が、処理順において第1,第3,第2,第4(奇数行→偶数行)の順となっている」かは不明であることから、上記特許異議申立人の説示の点を一致点とすることは本願発明1及び甲1発明明細書の記載からすると根拠のないものといえる。 (オ)上記(ア)~(エ)を総合すると、特許異議申立人による、特許異議申立書の「4(4)ウ(ア)b 本件発明1と甲1発明の一致点及び相違点」の(一致点)において、少なくとも構成D1-2’~D1-4の記載を一致点であるとすることは、本件発明1及び甲1発明明細書の記載からすると根拠のないものである。 カ 小括 以上のとおり、本件発明1は、甲1発明1ないし甲1発明4のそれぞれと、甲第1号証記載の事項及び甲第3号証記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、取消理由1は成り立たない。 (2)本件発明2について ア 本件発明2は、本件発明1の「画像復号方法」という方法のカテゴリの発明に対して、A2-1「一つ以上のプロセッサ、及び前記一つ以上のプロセッサによって実行されるとき、」及びA2-3「を含む動作を前記一つ以上のプロセッサに実行させる命令を格納する一つ以上のストレージ装置、を含むシステムであって、」との点を付加した上で、F2「システム」という物のカテゴリの発明として特定したものであり、上記構成A2-1、A2-3及びF2以外は、本件発明1の構成と同一である。 イ ここで、動画像データのデコーダ又はエンコーダをハードウェアで実装するのではなく、ソフトウェアで実装し、一般的なコンピュータのプロセッサにそのソフトウェアを実行させることによって、当該デコーダ又はエンコーダの機能を実現させることは、例えば、上記「第4 2 甲第2号証」の【0046】~【0049】等に記載されているように、周知技術である。 ウ そして、甲1発明1~4及び甲1エンコーダと上記周知技術とは、ともに動画像のデコーダ又はエンコーダに関するものであるから、甲1発明1~4及び甲1エンコーダに上記周知技術を適用することは、当業者にとって容易である。 エ しかしながら、上記アのように、本件発明2は、上記構成A2-1、A2-3及びF2以外は、本件発明1の構成と同一であるから、上記「(1)カ 小括」と同様に、本件発明1は、甲1発明1ないし甲1発明4のそれぞれと、甲第1号証記載の事項及び甲第3号証記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、上記甲第2号証記載の周知技術を考慮したとしても、取消理由1は成り立たない。 (3)本件発明3について ア 本件発明3は、本件発明1の「画像復号方法」という方法のカテゴリの発明に対して、A3-1「一つ以上のコンピュータによって実行されるとき、」及びA3-3「を含む動作を、前記一つ以上のコンピュータに実行させる命令を含むソフトウェアを格納する媒体であって、」との点を付加した上で、F3「非一時的なコンピュータ可読媒体」というソフトウェアを記憶する物のカテゴリの発明として特定したものであり、上記構成A3-1、A3-3及びF3以外は、本件発明1の構成と同一である。 イ ここで、動画像データのデコーダ又はエンコーダをハードウェアで実装するのではなく、ソフトウェアで実装し、一般的なコンピュータのプロセッサにそのソフトウェアを実行させることによって、当該デコーダ又はエンコーダの機能を実現させることは、例えば、上記「第4 2 甲第2号証」の【0046】~【0049】等に記載されているように、周知技術である。 ウ そして、甲1発明1~4及び甲1エンコーダと上記周知技術とは、ともに動画像のデコーダ又はエンコーダに関するものであるから、甲1発明1~4及び甲1エンコーダに上記周知技術を適用することは、当業者にとって容易である。 エ しかしながら、上記アのように、本件発明3は、上記構成A3-1、A3-3及びF3以外は、本件発明1の構成と同一であるから、上記「(1)カ 小括」と同様に、本件発明1は、甲1発明1ないし甲1発明4のそれぞれと、甲第1号証記載の事項及び甲第3号証記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、上記甲第2号証記載の周知技術を考慮したとしても、取消理由1は成り立たない。 2 取消理由2について (1)本件発明1について ア 甲1発明1に対して (ア)対比 本件発明1と甲1発明1との対比は、上記「1(1)ア(ア) 対比」と同一であるから、一致点及び相違点1~4も同一である。 (イ)相違点についての判断 a 相違点3について 事例に鑑み、上記相違点のうち相違点3について以下に検討する。 (a)甲第2号証には、上記「第4 2 甲第2号証」の【0007】及び【0034】に記載されているように、「スライスのデータを走査線順で送るのではなく任意の順番で送ってエラーに強い仕組みが作れ」、「図6では、通常は、フレーム画像601を構成するスライス602,603,604,605の順に符号化データを送るが、スライス604のデータを先に送ってからスライス602を送ってもよ」く、「画像601は602~605の各領域(スライス)に分割され、それぞれのスライスを符号化」し、「このように符号化されたデータは、従来のように上から順番に送る代わりに、スライス604に対応するパケット606のデータを先に送り、次にスライス602に対応するパケット607のデータを送る、いわゆる任意スライス順番で伝送する」ことが記載され、甲第2号証の図6を参照すると、上記「スライス604に対応するパケット606のデータを先に送り、次にスライス602に対応するパケット607のデータを送」った後、その次は、スライス605に対応するパケット608のデータを送り、その後スライス603に対応するパケット609のデータを送ることが記載されている。 (b)そして、上記フレーム画像601を構成するスライス602,603,604,605は、図6によると、それぞれ2ブロックラインからなるが、スライスの大きさは1個以上のマクロブロックが含まれていればピクチャ以下の大きさで任意であることが周知の事項であるから、各スライスが1行のブロックラインからなる場合を考えると、それぞれ本件発明1の構成C1-1~C1-4における「第1のグループのブロック中の連続するブロックの第1の行」、「第2のグループのブロック中の連続するブロックの第2の行」、「第3のグループのブロック中の連続するブロックの第3の行」、「第4のグループのブロック中の連続するブロックの第4の行」に相当するといえ、「パケット」の「データを送」ることは、「ビットストリーム」として送ることといえる。 (c)上記(a)のように甲第2号証では、「スライス604のデータを先に送ってからスライス602を送」り、「スライス604に対応するパケット606のデータを先に送り、次にスライス602に対応するパケット607のデータを送る、いわゆる任意スライス順番で伝送」し、上記「スライス604に対応するパケット606のデータを先に送り、次にスライス602に対応するパケット607のデータを送」った後、その次は、スライス605に対応するパケット608のデータを送り、その後スライス603に対応するパケット609のデータを送る。ここで、上記(b)の相当関係を考慮すると、甲第2号証における「連続するブロックの第1の行」~「第4の行」の「ビットストリーム」における配置は、前記連続するブロックの第1の行が、前記連続するブロックの第3の行の直後にあり、前記連続するブロックの第4の行が、前記連続するブロックの第1の行の直後にあり、前記連続するブロックの第2の行が、前記連続するブロックの第4の行の直後にある配置となって、本件発明1の構成D1-1~D1-4の順番とは異なることになる。 (d)すなわち、甲第2号証に記載された技術事項では、本件発明1の配置とはならないため、甲1発明1に甲第2号証に記載された技術事項を適用したとしても、上記相違点3として記載した本件発明1の構成にはならない。 (e)また、甲第2号証には、上記(a)のように「任意スライス順番で伝送する」ことが記載されているものの、「エラーに強い仕組みを作る」ことという課題を解決するために、スライスに対応するパケットの伝送する順序を「スライス604に対応するパケット606のデータを先に送り、次にスライス602に対応するパケット607のデータを送」るようにしているのであるから、これを本件発明1のような順番とする理由は存在しない。 (f)さらに、甲1発明1の解決しようとする課題は、甲第1号証の【0014】及び【0015】に記載されているように、処理の並列化を行って高い処理性能を実現することができるようにしたMPEGデコーダを提供することである。 (g)そして、上記(e)のように、甲第2号証に記載された技術事項は、「エラーに強い仕組み」を作ることを課題とした技術であり、当該課題を解決するために、データを送信する際のスライスの順番を変えて伝送することから、処理としては、通常の処理よりも重い処理を行うこととなる。 (h)そのため、上記(f)の甲1発明1の解決しようとする課題である高い処理性能を実現することとは相反する処理を甲第2号証では行うこととなるから、甲1発明1には、甲第2号証記載の技術事項を適用する阻害要因があり、甲1発明1に甲第2号証に記載された技術事項を適用すること自体、当業者にとって容易になし得るものではない。 イ 甲1発明2~4に対して 甲1発明2~4に対して検討しても、上記「1(1)イ~エ」及び上記「ア」を参照すると、少なくとも上記相違点3について、甲1発明2~4のそれぞれと、甲第1号証~甲第3号証記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 特許異議申立人の主張について 以下では、丸数字を丸括弧の数字として表現した。 特許異議申立人は、特許異議申立書の「4(4)エ(ア)b 相違点の容易想到性について」において、甲第2号証の【0007】、【0034】及び図6の記載を引用した上で、「甲2発明明細書には、画像の符号化処理について、通常のフレーム画像601を構成するラスタ順で(1)(2)(3)(4)の順位にならぶ複数のスライスを、送信の際には任意のスライス順番(この例では奇数(3)(1)→偶数(4)(2)の順)で送信することが記載されている。甲2発明明細書には、送信の際の順序は「任意」の順番に替えることができる旨が記載されており、図6の一例では奇数(3)(1)→偶数(4)(2)の順であるが、これを奇数(1)(3)→偶数(2)(4)の順にすることも、当業者であれば容易に想到することができるものである。すなわち、甲1発明明細書に記載された画像符号処理部85_0から出力された奇数行(1)(3)と、画像符号処理部85_1から出力された偶数行(2)(4)を可変長復号し、甲2発明明細書に記載の「任意の順番に送信順を変える」ことにより、(1)(3)(2)(4)の順のビットストリームを構築することは、当業者であれば容易に想到できるものである。なお、甲第2号証は、甲1発明と同一の技術内容であるH.264に準拠した符号化・復号化について記載したものであり、両者を組み合わせることに阻害要因も無い。従って、本件発明1は、甲1発明明細書に記載された甲1発明と甲2発明明細書に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。」(特許異議申立書74ページ9行~75ページ10行)と説示している。 しかしながら、上記「ア(イ)a(e)」で検討したように、甲第2号証において「任意スライス順番で伝送する」ことが記載されているものの、「エラーに強い仕組みを作る」ことという課題を解決するために、スライスに対応するパケットの伝送する順序を「スライス604に対応するパケット606のデータを先に送り、次にスライス602に対応するパケット607のデータを送」るようにしているのであるから、これを本件発明1のような順番、すなわち奇数(1)(3)→偶数(2)(4)の順番とする理由は存在しない。また、仮に奇数(1)(3)→偶数(2)(4)の順番とすることが容易であったとしても、甲1発明に甲2発明明細書に記載された発明を組み合わせた上で、さらに順番を変えることになることは、当業者にとって容易とはいえない。さらに、上記「ア(イ)a」の(f)~(h)で検討したように上記甲1発明に甲2発明明細書に記載された発明を組み合わせることに阻害要因があるため、甲1発明に甲2発明明細書に記載された発明を組み合わせて本件発明1を構成することは当業者にとって容易とはいえない。 以上を総合すると、上記特許異議申立人の容易想到性の主張は根拠がないものである。 (2)本件発明2及び3について 本件発明2及び3について検討した場合、上記「1(2)及び(3)」及び上記「(1)」を参照すると、少なくとも上記相違点3について、甲1発明2~4のそれぞれと、甲第1号証~甲第3号証記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 当審における判断のまとめ 以上1及び2のとおり、本件特許1~3について、特許法第29条第2項の規定に反してなされたものであり、取り消されるべきものであるという取消理由1及び2(同法第113条第1項第2号)は、存在しない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載された特許異議申立の取消理由1、2及び証拠によっては、本件特許1~3を取り消すことはできない。 また、他に本件特許1~3を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-701094

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