特許異議申立
2021-700971
樹脂廃棄物の処理方法、及び樹脂廃棄物の処理システム
- 審判番号
- 2021-700971
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-045329
- 登録番号
- 6860211
- 請求日
- 2021年10月08日
- 審決日
- 2022年01月21日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】住友大阪セメント株式会社
- 【権利者代理人】大谷 保
- 【異議申立人】浜 俊彦
- 審判長/審判官
- 審判長 加藤 友也
- 審判官 岩本 昌大
- 審判官 細井 龍史
- 分類
- P1652.121-Y (B09B) / P1652.537-Y (B09B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6860211号発明「樹脂廃棄物の処理方法、及び樹脂廃棄物の処理システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6860211号の請求項1及び3ないし5に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6860211号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、平成27年 2月12日に出願した特願2015-25793号(以下「原々出願」という。)の一部を平成29年10月27日に新たな特許出願とした特願2017-207977号(以下「原出願」という。)の一部を平成30年 3月13日に新たな特許出願としたものであって、令和3年3月30日にその特許権の設定登録(請求項の数5)がされ、同年4月14日に特許掲載公報が発行された。
その後、その特許に対し、令和3年10月8日に特許異議申立人 浜 俊彦(以下「特許異議申立人」という。)が特許異議の申立て(対象請求項1及び3ないし5)を行った。
第2 本件特許発明
本件特許の請求項1及び3ないし5に係る発明(以下、「本件特許発明1」等という。)は、それぞれ、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1及び3ないし5に記載された次の事項により特定されるものである。
「【請求項1】
セメント製造設備においてPAN系炭素繊維またはピッチ系炭素繊維を含む樹脂廃棄物を処理する方法であって、
前記セメント製造設備が、仮焼炉である加熱手段と、前記加熱手段で発生する排ガスの流れ方向の下流側に設けられる回収手段と、を備え、
前記加熱手段に前記樹脂廃棄物が投入され、前記加熱手段において、前記樹脂廃棄物が800~1300℃に加熱され、前記樹脂廃棄物の樹脂成分が溶融し、該樹脂成分の一部又は全部が燃焼する加熱工程と、
前記加熱工程を経て発生する前記炭素繊維を含む飛散物が、前記排ガスの流れとともに前記回収手段に搬送され、前記回収手段において、バグフィルターによる処理により、前記飛散物を前記排ガスから回収する回収工程とを含む、樹脂廃棄物の処理方法。」
「【請求項3】
前記炭素繊維を含む樹脂廃棄物が自動車シュレッダーダストである請求項1又は2に記載の樹脂廃棄物の処理方法。
【請求項4】
セメント製造設備において炭素繊維を含む樹脂廃棄物を処理する処理システムであって、
仮焼炉である加熱手段と、前記加熱手段で発生する排ガスの流れ方向の下流側に設けられる回収手段と、を備え、前記回収手段がバグフィルターであり、
前記炭素繊維がPAN系炭素繊維またはピッチ系炭素繊維であり、
前記加熱手段に前記樹脂廃棄物が投入され、前記加熱手段が前記樹脂廃棄物を800~1300℃で加熱し、前記樹脂廃棄物の樹脂成分が溶融し、該樹脂成分の一部又は全部を燃焼させ、
前記加熱手段で発生する前記炭素繊維を含む飛散物を、前記排ガスの流れとともに前記回収手段に搬送し、前記回収手段においてフィルター処理して前記排ガスから前記飛散物を回収する、樹脂廃棄物処理システム。
【請求項5】
排気煙突と電気集塵機とを備えてなり、
前記電気集塵機が、前記排気煙突と前記回収手段との間にある請求項4に記載の樹脂廃棄物処理システム。」
第3 特許異議申立理由の要旨及び証拠方法
1 特許異議申立理由の要旨
令和3年10月8日に特許異議申立人が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書」という。)に記載した申立ての理由の要旨は次のとおりである。
(1)申立理由1(甲第1号証を主引用文献とする進歩性欠如)
本件特許の請求項1、3及び4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
(2)申立理由2(明確性要件)
本件特許の請求項4及び5についての特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
具体的理由は、以下のとおり。
「本件特許発明4は、「樹脂廃棄物処理システム」という物の発明であるにもかかわらず、「・・・投入され、・・・加熱し、・・・溶融し、・・・燃焼させ、・・・搬送し、・・・回収する」と経時的要素を含んでおり、方法の記載ぶりで特定されている。物の発明はその物の構造・特性によって特定されるべきであるが、本件特許発明4の「樹脂廃棄物処理システム」を構造・特性によって特定することが不可能であったり、およそ実際的でないといった事情は見当たらない。その結果、本件特許発明4の構成が不明確となっている。
よって、本件特許発明4及び本件特許の請求項4を引用する本件特許発明5は、明確ではない。」
2 証拠方法
特許異議申立人は、証拠として、以下の文書を提出する。証拠の表記は、特許異議申立書の「第5 証拠方法」の記載に基づく。
そして、甲第1ないし9号証は、原々出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である。
甲第1号証 特開2007-131463号公報
甲第2号証 特開2014-193788号公報
甲第3号証 松山卓蔵、青木功、「電気集塵機入門」、環境技術、Vol.2、No.11、1973年、pp.47-57
甲第4号証 柴田尚幸、「炭素繊維および炭素繊維強化複合材料の特性と応用」、繊維機械学会誌、Vol.27、No.10、1974年、pp.38-45
甲第5号証 「廃棄物処理・再資源化技術ハンドブック」、廃棄物処理・再資源化技術ハンドブック編集委員会編、平成5年11月25日
甲第6号証 特開2011-088770号公報
甲第7号証 特開2002-088591号公報
甲第8号証 特開2004-190166号公報
甲第9号証 国際公開第2014/154703号
以下、順に「甲1」のようにいう。
第4 当審の判断
1 申立理由1(甲1を主引用文献とする進歩性欠如)について
(1)主な証拠の記載事項等
ア 甲1の記載事項等
(ア)甲1の記載事項
甲1には、次の記載がある。(下線は、合議体による。以下同じ。)
「【0001】
本発明は、集塵器によりセメントキルン排気ガス中の煤塵を補足するように構成したセメント製造プロセスにおいて、集塵器の荷電異常による発塵を発生させることなく炭素繊維を含む廃プラスチックを処理する方法に関する。」
「【0003】
しかし、炭素繊維を含む廃プラスチックをセメントキルンのキルンバーナに投入して処理しようとした場合、セメントキルン排気ガス中の煤塵を捕集するための集塵器において、煤塵の捕集効率の低下を引き起こして発塵に至るという問題が生じる。このため、炭素繊維を含む廃プラスチックをセメント製造装置において処理する場合に、廃プラスチックから予め炭素繊維を除去する必要があった。
【特許文献1】特開平06-008247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、捕集効率の低下を引き起こすとこなく、炭素繊維を含む廃プラスチックを炭素繊維の分別という特別な前処理を施すことなく、セメント製造装置において大量に安定的に処理することができる炭素繊維を含む廃プラスチックの処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために炭素繊維を含む廃プラスチックの粒径や燃焼温度等の処理条件について鋭意検討を重ねた結果、炭素繊維を完全燃焼せしめて、電気集塵器の荷電異常による捕集効率の低下を防止できる知見を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は炭素繊維を含む廃プラスチックをセメントキルンに供給し燃焼処理を行うことにより生じる排気ガスを集塵器に供給して、前記排気ガス中の煤塵を捕集するようにした炭素繊維を含む廃プラスチックの処理方法において、炭素繊維を含む廃プラスチックを平均粒径が3mm以下になるように粉砕し、セメントキルンの内部温度が1200℃以上である位置に供給することを特徴とする炭素繊維を含む廃プラスチックの処理方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、集塵器の捕集効率の低下を引き起こすとこなく安定化させ、炭素繊維の分別を施すことなく、炭素繊維を含む廃プラスチックをセメント製造装置において大量に安定的に処理することができる。また、炭素繊維を含む廃プラスチックを燃料の一部に使用して得られたセメントの品質は、炭素繊維を含む廃プラスチックを使用しない場合に比べて遜色のないものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1を用いて本発明を詳細に説明する。図1は本発明を実施するセメント製造装置の概略図である。まず、本発明において用いられる炭素繊維を含む廃プラスチックについて説明する。本発明において用いられる炭素繊維とは、グラファイト状の炭素からできた高強度、高剛性等の特性に優れた繊維をいう。炭素繊維の一例としては、ポリアクリルニトル(PAN)やピッチ系繊維等を酸化性雰囲気中で150~400℃に加熱することにより耐炎化処理を行なった後、不活性雰囲気中で800℃~1400℃に加熱し炭化処理することにより得られた全体の90質量%以上が炭素で構成されたものをいう。」
【0008】
ポリエチレン、ポリプロピレン・ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ABSやナイロン等を少なくとも一種類以上含む廃プラスチックに対して、上記の炭素繊維が単に混合されたものや、表面にコーティングされたもの、混練、溶融、溶着されたものなどを本発明で用いられる炭素繊維を含む廃プラスチックという。本発明において用いられる炭素繊維を含むプラスチックの具体例としては、炭素繊維を含むプラスチックコンパウンドを使用しているノートパソコンや液晶プロジェクターの廃棄物等が挙げられる。
炭素繊維を含む廃プラスチック中の炭素繊維の含有率は、特に限定されるものではないが、例えば10~50質量%が好ましく使用される。
【0009】
炭素繊維を含む廃プラスチック用タンク2に貯蔵された炭素繊維を含む廃プラスチックは、ベルトコンベア3によって粉砕装置1に供給される。粉砕装置としては、竪型ローラミルやボールミルなどが挙げられるが、竪型ローラミルが好ましく使用される。炭素繊維を含む廃プラスチックは、粉砕装置1において、平均粒径が3mm以下に破砕される。ここで、平均粒径とは、粉砕品を篩にかけて篩上の質量%を測定し、篩上質量50%に相当する径を算出した平均粒子径をいう。
平均粒径が3mm以下となるように破砕された炭素繊維を含む廃プラスチックは、粉砕装置内を通過する空気によって集塵器4に供給される。集塵器4において捕集された炭素繊維を含む廃プラスチックは、圧縮空気によってキルンバーナ21および/または廃プラバーナ22に供給される。
【0010】
石炭用タンク18に貯蔵された石炭は、ベルトコンベア25によって粉砕装置14に供給される。粉砕装置としては、竪型ローラミルやボールミルなどが挙げられる。破砕された石炭である微粉炭は、粉砕装置内を通過する空気によって集塵器16に供給される。集塵器16において捕集された微粉炭は、圧縮空気によってキルンバーナ21に供給される。
【0011】
上記においては、炭素繊維を含む廃プラスチックと石炭を個別に粉砕してロータリーキルン6に供給する態様について説明したが、図2に示すように炭素繊維を含む廃プラスチック用タンク19に貯蔵された炭素繊維を含む廃プラスチックと、石炭用タンク18に貯蔵された石炭および/またはオイルコークスを混合して粉砕装置14において粉砕することも可能である。また、炭素繊維を含む廃プラスチックと石炭および/またはオイルコークスとを独立して粉砕装置14に供給して混合粉砕することも可能である。これにより、炭素繊維を含む廃プラスチックを単独で粉砕する場合と比べて粉砕装置の構成部品の摩耗を少なくすることができる。また、新たな粉砕装置を設置することなく、既存の石炭の粉砕装置を有効利用することができるので経済的に優れている。
【0012】
本発明において用いられる石炭の種類は、特に制限されず、いかなる種類の石炭を用いても良い。例えば、瀝青炭、無縁炭、泥炭、褐炭及び亜炭から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。また、本発明において用いられるオイルコークスとは、石油精製後、アスファルト、ピッチを更に分留した後の残渣をいう。
【0013】
図1および図2の態様におけるキルンバーナ21に供給される微粉炭と炭素繊維を含む廃プラスチックの供給割合は、微粉炭と炭素繊維を含む廃プラスチックの総質量を100とすると、炭素繊維を含む廃プラスチックは、0を超え10以下、好ましくは0.5以上5以下である。
【0014】
廃プラバーナ22に供給された平均粒径が3mm以下に粉砕された炭素繊維を含む廃プラスチックは、ロータリーキルン6において焼成される。ロータリーキルン6の種類は特に制限されず、例えば、サスペンションプレヒーター(SP)や、ニューサスペンションプレヒーター(NSP)キルンを適用することができる。ロータリーキルン6の温度は、950℃から1500℃である。本発明においては、炭素繊維を含む廃プラスチックをセメントキルン内において温度が1200℃以上で、滞留時間が3秒以上滞留させることが必要である。
【0015】
ロータリーキルン6、窯尻8、仮焼炉9、サイクロン23からの排気ガスは、調湿塔24に供給される。調湿塔24で調湿された排気ガスは、原料粉砕装置10に供給され、セメント原料と熱交換される。熱交換された排気ガスは、電気集塵器11においてダストが除去された後、煙突12から排出される。
【0016】
ここで、電気集塵器11について図3を用いて説明する。
電気集塵機11は、約80kVの直流高電圧を印加した放電極30と集塵極29の間に含塵ガス27を通過させることにより、コロナ放電によってガス中の粒子に電荷をあたえ、帯電粒子を集塵極29に付着せしめ、ガス中の粒子を除去し、浄化ガス28を排出している。電気集塵器による集塵は、コロナ放電を利用している。含塵ガス27中の粒子は負の帯電体となってクーロン力により集塵極に移行する。このようにして無数の粒子が次々に集塵極29に達する。これらが集塵極29で大きな集合体となってガス中から落下してガス中から分離して落下する。電気集塵器は集塵効率を一定に保つ為に、電圧計32で常時電圧を監視し、整流器電圧を一定に保つように努めている。含塵ガス26中に導電性の高いカーボン繊維が混入すると、集塵極に集められた粒子群が局部的に導電性が高くなり、電気集塵器11内の電解強度が著しく不均一になり、電圧計32指示値が低下し、集塵効率低下を招く。特に、電圧計32指示値が5kV以上低下すると、煤塵濃度計33指示値が上昇し、発塵に至る。煤塵濃度計としては、光透過式が挙げられる。
【実施例】
【0017】
[実施例1]
ポリエチレンの表面に炭素繊維が10質量%コーティングされた廃プラスチックを、回転型カッター式剪断粗砕機によって、あらかじめ30mm以下に予備破砕した後、セパレータ付きの竪型ローラミルの粉砕テーブル中央に供給管を通して供給し、上記廃プラスチックを粉砕テーブルに従動する複数のローラで粉砕して粉砕テーブルの外周より排出し、粉砕物を粉砕テーブル外周下方より噴出するガスによりセパレータに導入し、セパレータで微粉と粗粉とに分級し、微粉成分を製品として回収するとともに、粗粉成分を粉砕テーブル中央に戻し粉砕する。
平均粒径が2mm,3mm,3.5mm,4mmの粉砕品は、セパレータに設置された回転羽の回転数と粉砕テーブル外周下方より噴出するガス量を変えることにより得た。具体的には、2mmを得るためには、回転羽の回転数を上げて、噴出するガス量を低下させた。一方、4mmの粉砕品を得るためには、回転羽の回転数を下げて、噴出するガス量を上昇させた。平均粒径は、以下の方法に従い求めた。篩は、JIS Z 8801 に規定された篩網である公称目開き9.5mm、4.75mm、1.18mm、600μm、300μm、150μmのものを使用し、JIS R 5201の7.2.2項の網篩試験操作に従い篩試験を実施した。この篩分け後、篩上の質量%を測定し、篩上質量50%に相当する径を算出した平均粒子径とした。
【0018】
この粉砕品を図1に示すNSPキルンの廃プラバーナ22に粉砕品を1時間あたり100kg投入した。セメント原料、仮焼炉用の微粉炭およびキルンバーナ用微粉炭の1時間あたりの供給量は、それぞれ400t、13t、13tであった。プレヒーターから排出される排気ガスは、400kNm3/時間であった。電気集塵器11において排気ガスに含まれる煤塵を捕集した。煤塵の捕集量は1時間あたり400tであった。操業中における電気集塵器の荷電異常の有無(一時間あたりの変動幅の平均値は、設定電圧±1kV以下であるか否か)を確認した。結果は表1に示す。その結果、平均粒径が3mm以下の場合に、電気集塵器の荷電異常は認められず煤塵の捕集効率が安定化した。また、電気集塵器の排気ガスの出口に設置した光透過式の煤塵濃度計の煤塵濃度指示値も、変化は見られなかった。さらに、セメントクリンカの品質は、廃プラスチックを使用しない場合と比べて同等であった。」
「【0020】
[比較例2]
実施例1における廃プラバーナ22に変えて、仮焼炉9に炭素繊維を含む廃プラスチックを1時間あたり100kg投入した以外は、実施例1と同じ条件で炭素繊維を含む廃プラスチックを燃焼処理した。その結果を表1に示す。その結果、いずれの粉砕品も10kV以上の電圧低下を伴った。
【0021】
【表1】
[図:0001384225000001.jpg]
」
「【図1】
[図:0001384225000002.jpg]
」
(イ)甲1に記載された発明
甲1に記載された事項を、比較例2のうち粉砕品の平均粒径を2mmとした具体例を中心に整理すると、甲1には次の発明が記載されているといえる。
<甲1比較例2-1処理方法発明>
「セメント製造装置において、
ポリエチレンの表面に炭素繊維が10質量%コーティングされた廃プラスチックを、回転型カッター式剪断粗砕機によって、あらかじめ30mm以下に予備破砕した後、セパレータ付きの竪型ローラミルの粉砕テーブル中央に供給管を通して供給し、上記廃プラスチックを粉砕テーブルに従動する複数のローラで粉砕して粉砕テーブルの外周より排出し、粉砕物を粉砕テーブル外周下方より噴出するガスによりセパレータに導入し、セパレータで微粉と粗粉とに分級し、微粉成分を製品として回収するとともに、粗粉成分を粉砕テーブル中央に戻し粉砕することにより、平均粒径が2mmの粉砕品を得た後、
この粉砕品を仮焼炉9に1時間あたり100kg投入するとともに、セメント原料、仮焼炉用の微粉炭およびキルンバーナ用微粉炭の1時間あたり、それぞれ400t、13t、13t供給して燃焼処理を行うものであって、上記仮焼炉9のガス温度は950℃であり、
プレヒーターから排出される排気ガスは400kNm3/時間であり、
電気集塵器11において排気ガスに含まれる煤塵を捕集する
炭素繊維を含む廃プラスチックの処理方法。」
<甲1比較例2-1処理システム発明>
「セメント製造装置において、
ポリエチレンの表面に炭素繊維が10質量%コーティングされた廃プラスチックを、回転型カッター式剪断粗砕機によって、あらかじめ30mm以下に予備破砕した後、セパレータ付きの竪型ローラミルの粉砕テーブル中央に供給管を通して供給し、上記廃プラスチックを粉砕テーブルに従動する複数のローラで粉砕して粉砕テーブルの外周より排出し、粉砕物を粉砕テーブル外周下方より噴出するガスによりセパレータに導入し、セパレータで微粉と粗粉とに分級し、微粉成分を製品として回収するとともに、粗粉成分を粉砕テーブル中央に戻し粉砕することにより、平均粒径が2mmの粉砕品を得た後、
この粉砕品を仮焼炉9に1時間あたり100kg投入するとともに、セメント原料、仮焼炉用の微粉炭およびキルンバーナ用微粉炭の1時間あたり、それぞれ400t、13t、13t供給して燃焼処理を行うものであって、上記仮焼炉9のガス温度は950℃であり、
プレヒーターから排出される排気ガスは400kNm3/時間であり、
電気集塵器11において排気ガスに含まれる煤塵を捕集する
炭素繊維を含む廃プラスチックの処理システム。」
なお、比較例2のうち粉砕品の平均粒径を3mm、3.5mm、4mmとした具体例のそれぞれについても、粉砕品の平均粒径を2mmとした具体例と同様に整理すると、「甲1比較例2-2処理方法発明」ないし「甲1比較例2-4処理方法発明」及び「甲1比較例2-2処理システム発明」ないし「甲1比較例2-4処理システム発明」が記載されているといえる。
イ 甲5の記載事項
甲5には、次の記載がある。
「一方、石炭燃焼ボイラーの排ガスに対するダストの集じん装置としては、比較的装置が大型であることおよび公害防止基準が厳しいことより、高性能の除じんが要求され、一般的には電気集じん装置とろ過集じん装置であるバグフィルターが採用されている。」(714ページ右欄下から4行目~715ページ左欄上から1行目)
「このため、小型の重油焚ボイラーでは規制値によっては特別の集じん装置を設けないものも多い。なお、集じん装置を設ける場合には、乾式電気集じん装置あるいはバグフィルターを使用する。」(722ページ左欄上から8行目~同欄上から11行目)
ウ 甲6の記載事項
甲6には、次の記載がある。
「【0033】
また、セメントキルン2の排ガスに含まれるダストを捕集するために電気集塵装置8を配置するが、電気集塵装置8に代えて、バグフィルタ、サイクロン、移動式集塵装置等を配置し、それら集塵装置によってセメントキルン2の排ガスに含まれるダストを捕集し、ダスト供給装置9を介して抽気ダクト19に搬送するようにしてもよい。」
エ 甲7の記載事項
甲7には、次の記載がある。
「【0021】前記のようにして得た微細炭素繊維を含む熱分解生成物は、これを反応帯域から排出させて、炭化水素の熱分解が生じない温度、通常、600℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは40℃以下に冷却して、微細炭素繊維と排ガスとに分離する。この場合の分離装置としては、気体と固体との分離に従来一般に用いられている各種の装置、例えば、バグフィルターや金網を用いることができる。目詰まりを防止するために回転式ドラム状のフィルターの表面にブラシを接触させて堆積物を掻き落とすことも有効である。」
オ 甲8の記載事項
甲8には、次の記載がある。
「【0040】
[3] 反応後ガスの回収
微細炭素繊維を回収した後、反応後ガス(未反応ガス、反応生成ガス及びキャリアガスを含む)を回収して再利用するのが好ましい。反応炉に再導入するガス中に微細炭素繊維が混入していると、この微細炭素繊維上にさらに炭素が成長することにより、繊維径の大きい微細炭素繊維が生成し、所望の繊維径でない微細炭素繊維が生成するおそれがある。このため再利用に先立って、巻き取り法によって回収されなかった微細炭素繊維をバグフィルター等のフィルターを使用してさらに回収しておくのが好ましい。」
(2)対比・判断
ア 本件特許発明1について
(ア)本件特許発明1と甲1比較例2-1処理方法発明との対比・判断
本件特許発明1と甲1比較例2-1処理方法発明とを対比する。
甲1比較例2-1処理方法発明における「セメント製造装置」は、本件特許発明1における「セメント製造設備」に相当する。
また、甲1比較例2-1処理方法発明の「炭素繊維を含む廃プラスチック」は、本件特許発明1の「樹脂廃棄物」に相当する。
さらに、甲1比較例2-1処理方法発明の「仮焼炉」は、本件特許発明1の「仮焼炉である加熱手段」に相当する。また、甲1比較例2-1処理方法発明の「仮焼炉」のガス温度は950℃であるから、当該「仮焼炉」に投入された炭素繊維を含む廃プラスチックの温度は、本件特許発明1における「800~1300℃」の数値範囲を満足するといえ、本件特許の出願時の技術常識を考慮すれば、上記廃プラスチックの樹脂成分であるポリエチレンは、上記温度で溶融し、その一部又は全部が燃焼するといえる。
そして、甲1比較例2-1処理方法発明は、「仮焼炉」で発生する排気ガスの流れ方向の下流側に「電気集塵器」を備え、排気ガスに含まれる煤塵を捕集しているから、甲1比較例2-1処理方法発明の「排気ガス」、「煤塵」、「捕集」、「電気集塵器」は、それぞれ本件特許発明1の「排ガス」、「炭素繊維を含む飛散物」、「回収」、「回収手段」に相当する。
したがって、両者は次の点で一致する。
<一致点>
セメント製造設備において炭素繊維を含む樹脂廃棄物を処理する方法であって、
前記セメント製造設備が、仮焼炉である加熱手段と、前記加熱手段で発生する排ガスの流れ方向の下流側に設けられる回収手段と、を備え、
前記加熱手段に前記樹脂廃棄物が投入され、前記加熱手段において、前記樹脂廃棄物が800~1300℃に加熱され、前記樹脂廃棄物の樹脂成分が溶融し、該樹脂成分の一部又は全部が燃焼する加熱工程と、
前記加熱工程を経て発生する前記炭素繊維を含む飛散物が、前記排ガスの流れとともに前記回収手段に搬送され、前記回収手段において、前記飛散物を前記排ガスから回収する回収工程とを含む、樹脂廃棄物の処理方法。
そして、両者は次の点で相違する。
<相違点1>
樹脂廃棄物に含まれる炭素繊維に関して、本件特許発明1は「PAN系炭素繊維またはピッチ系炭素繊維」と特定するのに対して、甲1比較例2-1処理方法発明にはそのような特定がない点。
<相違点2>
飛散物の回収工程に関して、本件特許発明1は「前記回収手段において、バグフィルターによる処理により、前記飛散物を前記排ガスから回収する回収工程とを含む」と特定するのに対して、甲1比較例2-1処理方法発明にはそのような特定がない点。
事案に鑑み<相違点2>から検討する。
たとえ甲5ないし8に記載されるように、気体と固体の分離手段としてバグフィルターが周知であったとしても、いずれの証拠にも排気ガスの煤塵の捕集手段としてバグフィルターが電気集塵器よりも優れている等の動機付けとなる記載あるいは示唆はないから、甲1比較例2-1処理方法発明の煤塵の捕集手段として、電気集塵器に加えてバグフィルターを設ける、または、電気集塵器をバグフィルターに置換する動機付けはない。
したがって、甲1比較例2-1処理方法発明において<相違点2>に係る本件特許発明1の発明特定事項を当業者が容易に想到し得たものとすることはできない。
してみれば、上記<相違点1>については検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1比較例2-1処理方法発明、すなわち、甲1に記載された発明及び他の証拠に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(イ)本件特許発明1と甲1比較例2-2処理方法発明ないし甲1比較例2-4処理方法発明のそれぞれとの対比・判断
本件特許発明1と甲1比較例2-2処理方法発明ないし甲1比較例2-4処理方法発明のそれぞれとの対比・判断は、上記(ア)と同様である。
(ウ)特許異議申立人の主張について
特許異議申立人は、上記<相違点2>について「本件特許の課題は、明細書の段落0004,0006に記載されているとおり、炭素繊維を含む廃自動車シュレッダーダストをセメント製造設備で処理する場合、炭素繊維が電気集塵機に付着することで電気集塵機を停止させてしまうことがあるから、炭素繊維を含む樹脂廃棄物を燃料として用いても、セメント設備の操業を阻害することなく、効率的に当該樹脂廃棄物を処理するというものである。この課題は、甲第1号証~甲第4号証にも記載されており、当業者の間で従来から認識されていたものであり、周知の課題であるといえる。すなわち、甲第1号証の段落0001や、甲第2号証の段落0005によれば、炭素繊維が完全に燃焼されないことがあり、燃え残った炭素繊維が電気集塵機に到達すると、炭素繊維が電気集塵機の電極を短絡させてしまい、電気集塵機が正常に機能しなくなる可能性があるというものである。同様に、甲第3号証及び甲第4号証によれば、電気抵抗値がほぼ0Ω・cmである炭素繊維が電気集塵機の電極に付着してもその導電性のために直ちに放電して再飛散してしまうので、電気集塵機による集塵効率が低いというものである。
そうすると、従来から周知である上記課題に当業者が直面した場合、当業者であれば、電気集塵機に代えて、炭素繊維の捕集・回収が可能となる代替品を探したはずであるといえる。現に、甲第5号証及び甲第6号証には、排ガスに含まれるダストを捕集する手段として、バグフィルタが開示されているのである。特に、甲第5号証は、セメントキルン2の排ガスに含まれるダストを捕集する手段として、バグフィルタが電気集塵機の代替となることを開示している。そのため、甲第5号証と同じ技術分野である甲1発明において、構成dの電気集塵機に代えてバグフィルタを採用しようとする動機づけが存在する。しかも、炭素繊維の捕集・回収にあたりバグフィルタを用いるのは、甲第7号証及び甲第8号証に開示されているとおり周知の技術である。
以上より、本件特許発明1は、甲第1号証及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。よって、本件特許発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」と主張している。
しかし、たとえ上記課題が周知であったとしても、甲1には当該課題を解決するための手段として、炭素繊維を含む廃プラスチックを平均粒径が3mm以下になるように粉砕し、セメントキルンの内部温度が1200℃以上である位置に供給することにより、炭素繊維を完全燃焼せしめることが記載されているため、特に甲1の比較例2に接した当業者であれば、上記手段を採用するのが自然であり、あえて、甲1比較例2-1処理方法発明の煤塵の捕集手段として、電気集塵器に加えてバグフィルターを設ける、または、電気集塵器をバグフィルターに置換する動機付けはない。
したがって、特許異議申立人の上記主張は採用することができない。
(エ)本件特許発明1についての小括
本件特許発明1は、甲1に記載された発明及び他の証拠に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 本件特許発明3について
本件特許発明1が、甲1に記載された発明及び他の証拠から当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないのは上記 アのとおりであるから、本件特許発明1の特定事項をすべて有し、更に限定する本件特許発明3についても、甲1に記載された発明及び他の証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
ウ 本件特許発明4について
(ア)本件特許発明4と甲1比較例2-1処理システム発明との対比・判断
本件特許発明1と甲1比較例2-1処理システム発明とを対比する。
甲1比較例2-1処理システム発明における「セメント製造装置」は、本件特許発明4における「セメント製造設備」に相当する。
また、甲1比較例2-1処理システム発明の「炭素繊維を含む廃プラスチック」は、本件特許発明4の「樹脂廃棄物」に相当する。
さらに、甲1比較例2-1処理システム発明の「仮焼炉」は、本件特許発明4の「仮焼炉である加熱手段」に相当する。また、甲1比較例2-1処理システム発明の「仮焼炉」のガス温度は950℃であるから、当該「仮焼炉」に投入された炭素繊維を含む廃プラスチックの温度は、本件特許発明4に係る「800~1300℃」の数値範囲を満足するといえ、本願出願時の技術常識を考慮すれば、上記廃プラスチックの樹脂成分であるポリエチレンは、上記温度で溶融し、その一部又は全部が燃焼するといえる。
そして、甲1比較例2-1処理システム発明は、仮焼炉からの排気ガスに含まれる煤塵を捕集するものであるから、甲1比較例2-1処理システム発明の「排気ガス」、「煤塵」、「捕集」は、それぞれ本件特許発明4の「排ガス」、「炭素繊維を含む飛散物」、「回収」に相当する。
したがって、両者は次の点で一致する。
<一致点>
セメント製造設備において炭素繊維を含む樹脂廃棄物を処理する処理システムであって、
仮焼炉である加熱手段を備え、
前記加熱手段に前記樹脂廃棄物が投入され、前記加熱手段が前記樹脂廃棄物を800~1300℃で加熱し、前記樹脂廃棄物の樹脂成分が溶融し、該樹脂成分の一部又は全部を燃焼させ、
前記加熱手段で発生する前記炭素繊維を含む飛散物を前記排ガスから回収する、樹脂廃棄物処理システム。
そして、両者は次の点で相違する。
<相違点3>
樹脂廃棄物に含まれる炭素繊維に関して、本件特許発明4は「PAN系炭素繊維またはピッチ系炭素繊維」と特定するのに対して、甲1比較例2-1処理システム発明にはそのような特定がない点。
<相違点4>
飛散物の回収手段に関して、本件特許発明4は「前記加熱手段で発生する排ガスの流れ方向の下流側に設けられる回収手段と、を備え、前記回収手段がバグフィルターであり、・・・
前記加熱手段で発生する前記炭素繊維を含む飛散物を、前記排ガスの流れとともに前記回収手段に搬送し、前記回収手段においてフィルター処理して前記排ガスから前記飛散物を回収する」と特定するのに対して、甲1比較例2-1処理システム発明にはそのような特定がない点。
事案に鑑み<相違点4>から検討する。
<相違点4>は上記<相違点2>と実質的に同じであるから、上記ア(ア)における<相違点2>の判断と同様である。
してみれば、上記<相違点3>については検討するまでもなく、本件特許発明4は、甲1比較例2-1処理システム発明、すなわち、甲1に記載された発明及び他の証拠に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(イ)本件特許発明4と甲1比較例2-2処理システム発明ないし甲1比較例2-4処理システム発明のそれぞれとの対比・判断
本件特許発明4と甲1比較例2-2処理システム発明ないし甲1比較例2-4処理システム発明のそれぞれとの対比・判断は、上記(ア)と同様である。
(ウ)特許異議申立人の主張について
特許異議申立人の主張については、上記ア(ウ)と同様の理由により、採用することができない。
(エ)本件特許発明4についての小括
本件特許発明4は、甲1に記載された発明及び他の証拠に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない
(3)申立理由1についてのまとめ
したがって、申立理由1によっては、本件特許の請求項1、3及び4に係る特許を取り消すことはできない。
2 申立理由2(明確性要件)について
(1)明確性要件の判断基準
特許を受けようとする発明が明確であるかは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。
(2)明確性要件の判断
本件特許の請求項4の記載は、上記第2の【請求項4】のとおりであり、「樹脂廃棄物処理システム」という物の発明が実行する具体的な処理工程を特定するものにすぎず、それ自体、物の発明として明確である。
また、本件特許の請求項5の記載は、上記第2の【請求項5】のとおりであり、「樹脂廃棄物処理システム」における「前記集塵器」、「排気煙突」、「回収手段」の位置関係を特定するものであるから、それ自体明確である。
そして、請求項4及び5に記載された用語について、明細書又は図面には、請求項4及び5の記載を不明確にするような定義又は説明はない。
(3)特許異議申立人の主張について
特許異議申立人の主張は、上記第3 1(2)のとおりである。
しかし、物の発明についての請求項にその物の製造方法が記載されている場合において、その請求項の記載が「発明が明確であること」という要件に適合するといえるのは、出願時においてその物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的でないという事情が存在するときに限られ、そうでない場合には、当該物の発明は不明確であると判断される。(最二小判平成27年6月5日平成24年(受)1204号、同2658号)
そして、本件特許の請求項4及び5には、「樹脂廃棄物処理システム」という物の発明について、その物の製造方法は記載されていないため、上記明確性要件の「物の発明についての請求項にその物の製造方法が記載されている場合」には該当しない。
したがって、特許異議申立人の上記主張は採用することができない。
(4)申立理由2についてのまとめ
したがって、申立理由2によっては、本件特許の請求項4及び5に係る特許を取り消すことはできない。
第5 むすび
したがって、特許異議申立人の主張する特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許の請求項1及び3ないし5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1及び3ないし5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2021-700971