2021-700903
遊技機
- 審判番号
- 2021-700903
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-094721外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6845739
- 請求日
- 2021年09月17日
- 審決日
- 2022年06月07日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社三共
- 【権利者代理人】重信 和男
- 【権利者代理人】石川 好文
- 【権利者代理人】林 修身
- 【権利者代理人】大久保 岳彦
- 【異議申立人】日本電動式遊技機特許 株式会社
- 【異議申立人代理人】弁理士法人武和国際特許事務所
- 分類
- P1651.113-YAA(A63F) / P1651.121-YAA(A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第129条の5第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
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特許第6845739号(以下「本件特許」という。)についての出願(以下「本件特許出願」という。)は、平成29年5月11日に出願した特願2017-94721号であって、令和3年3月2日にその特許権の設定登録がされ、同年同月24日に特許掲載公報が発行された。
その後、その特許に対し、同年9月17日に特許異議申立人である日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがなされ、当審において同年12月7日付けで取消理由を通知し、特許権者である株式会社三共は、その指定期間内である令和4年2月10日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)を行った。
なお、当審において同年3月9日付けで特許異議申立人に期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、その指定期間内に何らの応答もなかった。
第2 本件訂正請求について
1 請求の趣旨
本件訂正請求の趣旨は、特許第6845739号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求める、というものである。
2 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、次のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示すために当審で付した。
(1)訂正事項1
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1に、
「演出の制御を行う演出制御手段とを備え、」とあるのを、
「演出の制御を行う演出制御手段と、」に訂正する。
(2)訂正事項2
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項1の「演出の制御を行う演出制御手段と、」の後に
「前記遊技制御手段により制御される遊技補助表示器とを備え、」を加える。
(3)訂正事項3
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項2の「前記遊技制御手段により制御される遊技補助表示器とを備え、」の後に
「前記遊技補助表示器は、複数のセグメントを有する2つの表示器から構成され、それぞれの表示器に数値を表示させることが可能であり、」を加える。
(4)訂正事項4
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1に、
「前記有利区間であるときに遊技者にとって有利な有利状態に制御する状態制御手段と、」とあるのを、
「前記有利区間であるときに遊技者にとって有利となる有利操作態様を報知可能な有利状態に制御する状態制御手段と、」に訂正する。
(5)訂正事項5
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1の「前記有利状態を継続するための権利を付与する付与手段とを含み、」の後に、
「前記有利操作態様を特定可能なナビ番号を前記遊技補助表示器に表示させることが可能であり、」を加える。
(6)訂正事項6
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項5の「前記有利操作態様を特定可能なナビ番号を前記遊技補助表示器に表示させることが可能であり、」の後に
「遊技用価値が付与されたときに付与された遊技用価値の数を前記遊技補助表示器に表示させることが可能であり、」を加える。
(7)訂正事項7
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項6の「遊技用価値が付与されたときに付与された遊技用価値の数を前記遊技補助表示器に表示させることが可能であり、」の後に
「前記有利操作態様を報知するゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記ナビ番号に対応する前記遊技補助表示器のセグメントを点灯状態とするナビ表示データを出力バッファに設定することで、前記遊技補助表示器に前記ナビ番号を表示させ、」を加える。
(8)訂正事項8
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項7の「前記有利操作態様を報知するゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記ナビ番号に対応する前記遊技補助表示器のセグメントを点灯状態とするナビ表示データを出力バッファに設定することで、前記遊技補助表示器に前記ナビ番号を表示させ、」の後に
「前記有利操作態様を報知しないゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記出力バッファを初期化して、前記遊技補助表示器のセグメント全てを消灯状態とし、」を加える。
(9)訂正事項9
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項8の「前記有利操作態様を報知しないゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記出力バッファを初期化して、前記遊技補助表示器のセグメント全てを消灯状態とし、」の後に
「前記ナビ番号を表示させる場合に、前記2つの表示器のうち一方の表示器に前記ナビ番号を表示させ、前記付与された遊技用価値の数を表示させる場合に、前記2つの表示器のうち他方の表示器に前記付与された遊技用価値の数を表示させ、」を加える。
(10)訂正事項10
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1に、
「前記有利状態における所定時点において、前記付与手段に付与された権利により前記特定値が前記上限値に到達することが確定する場合、特殊制御を行う」とあるのを、
「前記有利状態における所定時点において、前記付与手段に付与された権利により前記特定値が前記上限値に到達することが確定する場合、特殊制御を行い、」に訂正する。
(11)訂正事項11
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項10の「前記有利状態における所定時点において、前記付与手段に付与された権利により前記特定値が前記上限値に到達することが確定する場合、特殊制御を行い、」の後に
「前記有利区間において第1有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第1有利状態に制御可能であり、」を加える。
(12)訂正事項12
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項11の「前記有利区間において第1有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第1有利状態に制御可能であり、」の後に
「前記有利区間において第2有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第2有利状態に制御可能であり、」を加える。
(13)訂正事項13
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1において、
上記訂正事項12の「前記有利区間において第2有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第2有利状態に制御可能であり、」の後に
「前記計数手段によって計数された前記特定値が前記上限値以上であるときは、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれに制御されているかに関わらず、前記第1有利状態カウンタ及び前記第2有利状態カウンタの双方を初期化する」を加える。
(14)訂正事項14
願書に添付した明細書の【0008】に、
「(A) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、遊技の制御を行う遊技制御手段と、演出の制御を行う演出制御手段とを備え、続きを表示(全14行)前記遊技制御手段は、通常区間と有利区間のいずれかに制御する区間制御手段と、前記有利区間であるときに遊技者にとって有利な有利状態に制御する状態制御手段と、前記有利区間中に消化されたゲーム数に対応する特定値を計数する計数手段と、前記有利区間であるときに遊技制御側ランプを点灯させることで前記有利区間中である旨を示唆する遊技制御側示唆手段と、前記有利状態を継続するための権利を付与する付与手段とを含み、前記計数手段によって計数された前記特定値が上限値未満であるときは、前記有利状態に関わる特定処理を実行し、前記計数手段によって計数された前記特定値が前記上限値以上であるときは、前記特定処理を実行することなく、記憶部に記憶された前記有利状態に関わる情報を初期化する初期化処理を実行した後に、前記遊技制御側ランプを消灯させる消灯処理を実行する初期化手段を含み、前記有利状態における所定時点において、前記付与手段に付与された権利により前記特定値が前記上限値に到達することが確定する場合、特殊制御を行う。……」とあるのを、
「(A) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、遊技の制御を行う遊技制御手段と、演出の制御を行う演出制御手段と、続きを表示(全24行)前記遊技制御手段により制御される遊技補助表示器とを備え、前記遊技補助表示器は、複数のセグメントを有する2つの表示器から構成され、それぞれの表示器に数値を表示させることが可能であり、前記遊技制御手段は、通常区間と有利区間のいずれかに制御する区間制御手段と、前記有利区間であるときに遊技者にとって有利となる有利操作態様を報知可能な有利状態に制御する状態制御手段と、前記有利区間中に消化されたゲーム数に対応する特定値を計数する計数手段と、前記有利区間であるときに遊技制御側ランプを点灯させることで前記有利区間中である旨を示唆する遊技制御側示唆手段と、前記有利状態を継続するための権利を付与する付与手段とを含み、前記有利操作態様を特定可能なナビ番号を前記遊技補助表示器に表示させることが可能であり、遊技用価値が付与されたときに付与された遊技用価値の数を前記遊技補助表示器に表示させることが可能であり、前記有利操作態様を報知するゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記ナビ番号に対応する前記遊技補助表示器のセグメントを点灯状態とするナビ表示データを出力バッファに設定することで、前記遊技補助表示器に前記ナビ番号を表示させ、前記有利操作態様を報知しないゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記出力バッファを初期化して、前記遊技補助表示器のセグメント全てを消灯状態とし、前記ナビ番号を表示させる場合に、前記2つの表示器のうち一方の表示器に前記ナビ番号を表示させ、前記付与された遊技用価値の数を表示させる場合に、前記2つの表示器のうち他方の表示器に前記付与された遊技用価値の数を表示させ、前記計数手段によって計数された前記特定値が上限値未満であるときは、前記有利状態に関わる特定処理を実行し、前記計数手段によって計数された前記特定値が前記上限値以上であるときは、前記特定処理を実行することなく、記憶部に記憶された前記有利状態に関わる情報を初期化する初期化処理を実行した後に、前記遊技制御側ランプを消灯させる消灯処理を実行する初期化手段を含み、前記有利状態における所定時点において、前記付与手段に付与された権利により前記特定値が前記上限値に到達することが確定する場合、特殊制御を行い、前記有利区間において第1有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第1有利状態に制御可能であり、前記有利区間において第2有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第2有利状態に制御可能であり、前記計数手段によって計数された前記特定値が前記上限値以上であるときは、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれに制御されているかに関わらず、前記第1有利状態カウンタ及び前記第2有利状態カウンタの双方を初期化する。……」に訂正する。
3 訂正の適否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、「演出の制御を行う演出制御手段とを備え、」とあったものを、訂正事項2の訂正によりその後に「前記遊技制御手段により制御される遊技補助表示器とを備え、」を加えることに伴い、「演出の制御を行う演出制御手段と、」に訂正することで特許請求の範囲の記載を整合させるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項1は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項1は、構成要件の削除や、請求項の追加、発明の詳細な説明又は図面の記載の訂正ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記遊技制御手段により制御される遊技補助表示器とを備え、」なる発明特定事項を加えて「スロットマシン」を限定する訂正であるから、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
本件特許明細書等には、【0020】に「遊技用表示部13には、……メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、……が設けられている。」と記載され、【0034】に「メイン制御部41からは、遊技用表示部13に含まれる各種表示器を点灯制御あるいは表示制御するための制御信号が遊技用表示部13に出力される。遊技用表示部13に含まれる各種表示器は、メイン制御部41からの制御信号に基づき、点灯あるいは所定情報を表示する。」と記載されている。訂正事項2は、これらの記載から、「前記遊技制御手段(メイン制御部41)により制御される遊技補助表示器」を備えることが導き出せることに基づくものである。
したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項2は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項2は、上記アで述べたように特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、「前記遊技補助表示器は、複数のセグメントを有する2つの表示器から構成され、それぞれの表示器に数値を表示させることが可能であり、」なる発明特定事項を加えて「スロットマシン」を限定する訂正であるから、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
本件特許明細書等には、【0077】に「図9(a)は、ナビ対象役の例、正解手順となる押し順、遊技補助表示器12におけるナビ演出の表示例、および液晶表示器51におけるナビ演出の表示例を説明するための図である。たとえば、左ベル1など、正解手順として左第1停止が定められているナビ対象役に当選したときには、遊技補助表示器12において「1-」といった情報が表示されるとともに、……」と記載され、【0083】に「図9(b)に示すように、払出枚数表示データを出力バッファに設定する際には、メダルの払出枚数を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とする払出枚数表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示するように制御する。たとえば、8枚のメダルが払い出されるときには、遊技補助表示器12を構成する左側の表示器と右側の表示器とのうちの右側の表示器の第1~第7セグメントを点灯させる。これにより、遊技補助表示器12に払い出されるメダルの枚数を表示させる。」と記載され、図9(a)(b)に、遊技補助表示器12を構成する左側の表示器と右側の表示器にそれぞれ数値が表示された態様が記載されている。訂正事項3は、これらの記載から、「前記遊技補助表示器は、複数のセグメントを有する2つの表示器(左側の表示器及び右側の表示器)から構成され、それぞれの表示器に数値を表示させることが可能」であることが導き出せることに基づくものである。
したがって、訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項3は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項3は、上記アで述べたように特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4は、請求項1の「遊技者にとって有利な有利状態」が「遊技者にとって有利となる有利操作態様を報知可能な有利状態」であることを限定する訂正であるから、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
本件特許明細書等には、【0089】に「有利区間は、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(操作手順(押し順)、操作タイミング)を遊技者に指示する指示機能に係る性能を持つ区間である。有利区間においては、最大払出枚数が得られる入賞が発生するナビ演出が少なくとも1回実行される。具体的には、押し順ベルに当選したときに、正解手順を報知するナビ演出が実行される。通常区間においては、ナビ演出が実行されない。つまり、有利区間は、最大払出枚数が得られる入賞が発生するナビ演出が少なくとも1回実行される点で、通常区間よりも遊技者にとって有利である。」と記載され、【0090】に「また、「有利区間」には、ATのような報知状態に制御されている区間と、CZ(チャンスゾーン)のような有利状態に制御されている区間とが含まれる。CZとは、報知状態であるATへの制御に関する有利度が通常区間に比べて高い状態である。ATへの制御に関する有利度が高いとは、ATに制御されやすいこと、ATに制御するための権利であるATゲームが多く付与されやすいことが含まれる。」と記載され、【0192】に「……CZやATといった有利区間においては押し順ベル当選時にナビ演出が少なくとも1回実行され、ボーナスに移行する場合には例外的にナビ演出が実行されないようになっている。」と記載されている。訂正事項4は、これらの記載から、「遊技者にとって有利な有利状態」が「遊技者にとって有利となる有利操作態様を報知可能な有利状態(AT、CZ)」であることが導き出せることに基づくものである。
したがって、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項4は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項4は、上記アで述べたように特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(5)訂正事項5
ア 訂正の目的について
訂正事項5は、「前記有利操作態様を特定可能なナビ番号を前記遊技補助表示器に表示させることが可能であり、」なる発明特定事項を加えて「スロットマシン」を限定する訂正であるから、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
本件特許明細書等には、【0077】に「図9(a)は、ナビ対象役の例、正解手順となる押し順、遊技補助表示器12におけるナビ演出の表示例、および液晶表示器51におけるナビ演出の表示例を説明するための図である。たとえば、左ベル1など、正解手順として左第1停止が定められているナビ対象役に当選したときには、遊技補助表示器12において「1-」といった情報が表示されるとともに、……」と記載され、【0079】に「メイン制御部41は、前述したとおり、遊技補助表示器12においてナビ演出(ナビ報知)を行うためのナビ報知表示データを設定する。具体的に、図9(a)に示す表示例(以下ではナビ番号ともいう)となるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とするナビ報知表示データを出力バッファに設定する……」と記載され、図9(a)に、正解手順となる押し順に対応して「1-」、「2-」、「3-」といった情報が表示された態様が記載されている。訂正事項5は、これらの記載から、「前記有利操作態様を特定可能なナビ番号を前記遊技補助表示器に表示させることが可能」であることが導き出せることに基づくものである。
したがって、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項5は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項5は、上記アで述べたように特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(6)訂正事項6
ア 訂正の目的について
訂正事項6は、「遊技用価値が付与されたときに付与された遊技用価値の数を前記遊技補助表示器に表示させることが可能であり、」なる発明特定事項を加えて「スロットマシン」を限定する訂正であるから、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
本件特許明細書等には、【0083】に「図9(b)に示すように、払出枚数表示データを出力バッファに設定する際には、メダルの払出枚数を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とする払出枚数表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示するように制御する。たとえば、8枚のメダルが払い出されるときには、遊技補助表示器12を構成する左側の表示器と右側の表示器とのうちの右側の表示器の第1~第7セグメントを点灯させる。これにより、遊技補助表示器12に払い出されるメダルの枚数を表示させる。」と記載され、図9(b)に、払出枚数が8枚であることに対応して「8」という数値が表示された態様が記載されている。訂正事項6は、これらの記載から、「遊技用価値が付与されたときに付与された遊技用価値の数(払い出されるメダルの枚数)を前記遊技補助表示器に表示させることが可能」であることが導き出せることに基づくものである。
したがって、訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項6は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項6は、上記アで述べたように特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(7)訂正事項7
ア 訂正の目的について
訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記有利操作態様を報知するゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記ナビ番号に対応する前記遊技補助表示器のセグメントを点灯状態とするナビ表示データを出力バッファに設定することで、前記遊技補助表示器に前記ナビ番号を表示させ、」なる発明特定事項を加えて「スロットマシン」を限定する訂正であるから、訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
本件特許明細書等には、【0079】に「メイン制御部41は、前述したとおり、遊技補助表示器12においてナビ演出(ナビ報知)を行うためのナビ報知表示データを設定する。具体的に、図9(a)に示す表示例(以下ではナビ番号ともいう)となるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とするナビ報知表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12においてナビ演出を実行するように制御する。」と記載され、【0177】に「[ゲーム処理]メイン制御部41は、ゲーム処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。」と記載され、【0178】に「賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理が行われる。」と記載され、【0179】に「また、内部抽選処理においては、内部抽選が行われた後、当該内部抽選の結果に応じたコマンドを設定するための内部抽選時コマンド設定処理が実行される。メイン制御部41は、内部抽選により設定された内部当選フラグを読み出し、いずれかの抽選対象役に当選したときには当該抽選対象役が属するグループを特定するための内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。」と記載され、【0180】に「図4のグループ欄に、抽選対象役が属するグループが示されている。たとえば、図4に示すように、ベルに対して“ベル”、左ベル1~右ベル4に対して“押し順ベル”、弱スイカ1~4に対して“弱スイカ”、強スイカに対して“強スイカ”、弱チェリー1~4に対して”弱チェリー”、強チェリー1~3に対して“強チェリー”、中段チェリーに対して“中段チェリー”、ボーナス1~12に対して”BB”がそれぞれ定められている。」と記載され、【0181】に「また、通常リプレイに対して”通常リプレイ”、リプレイGR1~6、11~13、21~23、31~33に対して”押し順リプレイ”、リプレイGR41~43に対して“特別リプレイ”がそれぞれ定められている。メイン制御部41は、内部抽選において当選した抽選対象役が属するグループを特定し、当該グループに対応する内部当選コマンドを送信する。たとえば、メイン制御部41は、“ベル”であれば、「1」を特定可能な内部当選コマンドを送信し、“押し順ベル”であれば「2」を特定可能な内部当選コマンドを送信する。」と記載され、【0182】に「一方、サブ制御部91は、内部当選コマンドから当選したグループを特定し、当該グループに応じた演出を実行する。」と記載され、【0183】に「メイン制御部41は、AT中においてナビ対象役に当選していると判定したときには、当該ナビ対象役に対応する正解手順を特定するための押し順コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、サブ制御部91側においては、押し順コマンドに基づきナビ演出が実行可能となる。」と記載され、【0184】に「一方、メイン制御部41は、AT中でないか、あるいはナビ抽選対象役に当選していないときには、予め定められた標準手順を特定可能な押し順コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、サブ制御部91側において不正が行われた場合であっても正解手順を特定できないようにしつつ、内部当選コマンドから特定されるグループに応じた演出を実行することができる。」と記載され、【0185】に「なお、メイン制御部41は、ナビ演出を実行する場合、遊技補助表示器12の各セグメントのうち、正解手順を特定可能となるように対応するセグメント(「8」を構成する第1~第7セグメント)を点灯状態にするとともに、ナビ報知であるか否かを特定するためのセグメント(右下の「。」を構成する第8セグメント)を点灯状態にするためのナビ報知表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定する。これにより、メイン制御部41側において正解手順を特定するためのナビ演出が実行可能となる。一方、メイン制御部41は、標準手順を報知、つまりナビ演出を実行しない場合には、遊技補助表示器12の全てのセグメント(第1~第8セグメント)を消灯状態にするためのナビ報知表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定する。」と記載され、【0186】に「内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。」と記載されている。訂正事項7は、これらの記載から、「前記有利操作態様を報知するゲーム(ナビ演出を行うゲーム)においては、前記可変表示部の変動表示(リール回転)を開始するときに前記ナビ番号に対応する前記遊技補助表示器のセグメントを点灯状態とするナビ表示データ(ナビ報知表示データ)を出力バッファに設定することで、前記遊技補助表示器に前記ナビ番号を表示させ」ることが導き出せることに基づくものである。
したがって、訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項7は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項7は、上記アで述べたように特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(8)訂正事項8
ア 訂正の目的について
訂正事項8は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記有利操作態様を報知しないゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記出力バッファを初期化して、前記遊技補助表示器のセグメント全てを消灯状態とし、」なる発明特定事項を加えて「スロットマシン」を限定する訂正であるから、訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
本件特許明細書等には、【0079】に「一方、ナビ演出を実行しない場合(標準手順報知時)には、ナビ報知表示データとして出力バッファの初期値を設定、すなわち遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12のセグメントを全て消灯状態に設定することで、遊技補助表示器12を非表示に制御する。」と記載され、【0177】に「[ゲーム処理]メイン制御部41は、ゲーム処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。」と記載され、【0178】に「賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理が行われる。」と記載され、【0179】に「また、内部抽選処理においては、内部抽選が行われた後、当該内部抽選の結果に応じたコマンドを設定するための内部抽選時コマンド設定処理が実行される。メイン制御部41は、内部抽選により設定された内部当選フラグを読み出し、いずれかの抽選対象役に当選したときには当該抽選対象役が属するグループを特定するための内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。」と記載され、【0180】に「図4のグループ欄に、抽選対象役が属するグループが示されている。たとえば、図4に示すように、ベルに対して“ベル”、左ベル1~右ベル4に対して“押し順ベル”、弱スイカ1~4に対して“弱スイカ”、強スイカに対して“強スイカ”、弱チェリー1~4に対して”弱チェリー”、強チェリー1~3に対して“強チェリー”、中段チェリーに対して“中段チェリー”、ボーナス1~12に対して”BB”がそれぞれ定められている。」と記載され、【0181】に「また、通常リプレイに対して”通常リプレイ”、リプレイGR1~6、11~13、21~23、31~33に対して”押し順リプレイ”、リプレイGR41~43に対して“特別リプレイ”がそれぞれ定められている。メイン制御部41は、内部抽選において当選した抽選対象役が属するグループを特定し、当該グループに対応する内部当選コマンドを送信する。たとえば、メイン制御部41は、“ベル”であれば、「1」を特定可能な内部当選コマンドを送信し、“押し順ベル”であれば「2」を特定可能な内部当選コマンドを送信する。」と記載され、【0182】に「一方、サブ制御部91は、内部当選コマンドから当選したグループを特定し、当該グループに応じた演出を実行する。」と記載され、【0183】に「メイン制御部41は、AT中においてナビ対象役に当選していると判定したときには、当該ナビ対象役に対応する正解手順を特定するための押し順コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、サブ制御部91側においては、押し順コマンドに基づきナビ演出が実行可能となる。」と記載され、【0184】に「一方、メイン制御部41は、AT中でないか、あるいはナビ抽選対象役に当選していないときには、予め定められた標準手順を特定可能な押し順コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、サブ制御部91側において不正が行われた場合であっても正解手順を特定できないようにしつつ、内部当選コマンドから特定されるグループに応じた演出を実行することができる。」と記載され、【0185】に「なお、メイン制御部41は、ナビ演出を実行する場合、遊技補助表示器12の各セグメントのうち、正解手順を特定可能となるように対応するセグメント(「8」を構成する第1~第7セグメント)を点灯状態にするとともに、ナビ報知であるか否かを特定するためのセグメント(右下の「。」を構成する第8セグメント)を点灯状態にするためのナビ報知表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定する。これにより、メイン制御部41側において正解手順を特定するためのナビ演出が実行可能となる。一方、メイン制御部41は、標準手順を報知、つまりナビ演出を実行しない場合には、遊技補助表示器12の全てのセグメント(第1~第8セグメント)を消灯状態にするためのナビ報知表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定する。」と記載され、【0186】に「内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。」と記載されている。訂正事項8は、これらの記載から、「前記有利操作態様を報知しないゲーム(ナビ演出を行わないゲーム)においては、前記可変表示部の変動表示(リール回転)を開始するときに前記出力バッファを初期化して、前記遊技補助表示器のセグメント全てを消灯状態と」することが導き出せることに基づくものである。
したがって、訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項8は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項8は、上記アで述べたように特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(9)訂正事項9
ア 訂正の目的について
訂正事項9は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記ナビ番号を表示させる場合に、前記2つの表示器のうち一方の表示器に前記ナビ番号を表示させ、前記付与された遊技用価値の数を表示させる場合に、前記2つの表示器のうち他方の表示器に前記付与された遊技用価値の数を表示させ、」なる発明特定事項を加えて「スロットマシン」を限定する訂正であるから、訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
本件特許明細書等には、【0077】に「図9(a)は、ナビ対象役の例、正解手順となる押し順、遊技補助表示器12におけるナビ演出の表示例、および液晶表示器51におけるナビ演出の表示例を説明するための図である。たとえば、左ベル1など、正解手順として左第1停止が定められているナビ対象役に当選したときには、遊技補助表示器12において「1-」といった情報が表示されるとともに、……」と記載され、【0083】に「図9(b)に示すように、払出枚数表示データを出力バッファに設定する際には、メダルの払出枚数を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とする払出枚数表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示するように制御する。たとえば、8枚のメダルが払い出されるときには、遊技補助表示器12を構成する左側の表示器と右側の表示器とのうちの右側の表示器の第1~第7セグメントを点灯させる。これにより、遊技補助表示器12に払い出されるメダルの枚数を表示させる。」と記載され、図9(a)に、遊技補助表示器12を構成する左側の表示器にナビ番号に対応する数値が表示される態様が記載され、図9(b)に、遊技補助表示器12を構成する右側の表示器に払い出されたメダルの枚数が表示される態様が記載されている。訂正事項9は、これらの記載から、「前記ナビ番号を表示させる場合に、前記2つの表示器のうち一方の表示器(左側の表示器)に前記ナビ番号(1~3)を表示させ、前記付与された遊技用価値の数を表示させる場合に、前記2つの表示器のうち他方の表示器(右側の表示器)に前記付与された遊技用価値の数(払い出されたメダルの枚数)を表示させ」ることが導き出せることに基づくものである。
したがって、訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項9は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項9は、上記アで述べたように特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(10)訂正事項10
ア 訂正の目的について
訂正事項10は、「前記有利状態における所定時点において、前記付与手段に付与された権利により前記特定値が前記上限値に到達することが確定する場合、特殊制御を行う」とあったものを、訂正事項11の訂正によりその後に「前記有利区間において第1有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第1有利状態に制御可能であり、」を加えることに伴い、「前記有利状態における所定時点において、前記付与手段に付与された権利により前記特定値が前記上限値に到達することが確定する場合、特殊制御を行い、」に訂正することで特許請求の範囲の記載を整合させるものであるから、特許法第129条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項10は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項10は、構成要件の削除や、請求項の追加、発明の詳細な説明又は図面の記載の訂正ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(11)訂正事項11
ア 訂正の目的について
訂正事項11は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記有利区間において第1有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第1有利状態に制御可能であり、」なる発明特定事項を加えて「スロットマシン」を限定する訂正であるから、訂正事項11は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
本件特許明細書等には、【0090】に「また、「有利区間」には、ATのような報知状態に制御されている区間と、CZ(チャンスゾーン)のような有利状態に制御されている区間とが含まれる。CZとは、報知状態であるATへの制御に関する有利度が通常区間に比べて高い状態である。ATへの制御に関する有利度が高いとは、ATに制御されやすいこと、ATに制御するための権利であるATゲームが多く付与されやすいことが含まれる。」と記載され、【0116】に「メイン制御部41は、CZゲームカウンタが1以上である場合にCZに制御し、ATゲームカウンタが1以上である場合にATに制御する。」と記載されている。訂正事項11は、これらの記載から、「前記有利区間において第1有利状態カウンタ(ATゲームカウンタ)に1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第1有利状態(AT)に制御可能で」あることが導き出せることに基づくものである。
したがって、訂正事項11は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項11は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項11は、上記アで述べたように特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(12)訂正事項12
ア 訂正の目的について
訂正事項12は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記有利区間において第2有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第2有利状態に制御可能であり、」なる発明特定事項を加えて「スロットマシン」を限定する訂正であるから、訂正事項12は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
本件特許明細書等には、【0090】に「また、「有利区間」には、ATのような報知状態に制御されている区間と、CZ(チャンスゾーン)のような有利状態に制御されている区間とが含まれる。CZとは、報知状態であるATへの制御に関する有利度が通常区間に比べて高い状態である。ATへの制御に関する有利度が高いとは、ATに制御されやすいこと、ATに制御するための権利であるATゲームが多く付与されやすいことが含まれる。」と記載され、【0116】に「メイン制御部41は、CZゲームカウンタが1以上である場合にCZに制御し、ATゲームカウンタが1以上である場合にATに制御する。」と記載されている。訂正事項12は、これらの記載から、「前記有利区間において第2有利状態カウンタ(CZゲームカウンタ)に1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第2有利状態(CZ)に制御可能で」あることが導き出せることに基づくものである。
したがって、訂正事項12は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項12は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項12は、上記アで述べたように特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(13)訂正事項13
ア 訂正の目的について
訂正事項13は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記計数手段によって計数された前記特定値が前記上限値以上であるときは、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれに制御されているかに関わらず、前記第1有利状態カウンタ及び前記第2有利状態カウンタの双方を初期化する」なる発明特定事項を加えて「スロットマシン」を限定する訂正であるから、訂正事項13は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
本件特許明細書等には、【0207】には、「次に、メイン制御部41は、クリアカウンタに1を加算する(S37)。そして、メイン制御部41は、クリアカウンタの値が1500に達していないか否か、すなわちカウントゲーム数が1500ゲームに達していないか否かを判定する(S38)。メイン制御部41は、カウントゲーム数が1500ゲームに達している場合(S38でNO)、リミット処理を実行して(S42)、有利区間処理を終了する。」と記載され、【0212】に「[リミット処理]図18を参照しながら、メイン制御部41が実行するリミット処理について説明する。図18は、メイン制御部41が実行するリミット処理を示すフローチャートである。リミット処理は、有利区間を終了するための終了条件が成立したときに実行される処理である。」と記載され、【0213】に「図18に示すように、メイン制御部41は、クリアカウンタ、ATゲームカウンタ、CZゲームカウンタに0を設定する(S421)。……」と記載されている。訂正事項13は、これらの記載から、「前記計数手段によって計数された前記特定値(カウントゲーム数)が前記上限値(1500ゲーム)以上であるときは、前記第1有利状態(AT)及び前記第2有利状態(CZ)のいずれに制御されているかに関わらず、前記第1有利状態カウンタ(ATゲームカウンタ)及び前記第2有利状態カウンタ(CZゲームカウンタ)の双方を初期化する」ことが導き出せることに基づくものである。
したがって、訂正事項13は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項13は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項13は、上記アで述べたように特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
(14)訂正事項14
ア 訂正の目的について
訂正事項14は、訂正前の請求項1に一致させていた本件特許明細書等の【0008】の記載を、訂正事項1~13により請求項1が訂正されることに伴い、訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから、当該訂正事項14は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
訂正事項14は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、訂正事項14は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項14は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
4 小括
以上のとおり、本件訂正請求による訂正事項1ないし14は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、同条第4項の規定に適合し、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件訂正請求に係る訂正を認める。
第3 本件訂正発明
本件訂正請求により訂正された請求項1に係る発明(以下「本件訂正発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。なお、符号A等は、分説するため当審が付した(以下、分説された本件訂正発明の発明特定事項を、符号に基づき「発明特定事項A」等という。)。
「A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、B 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、C 遊技の制御を行う遊技制御手段と、D 演出の制御を行う演出制御手段と、続きを表示(全24行)E 前記遊技制御手段により制御される遊技補助表示器とを備え、F 前記遊技補助表示器は、複数のセグメントを有する2つの表示器から構成され、それぞれの表示器に数値を表示させることが可能であり、G 前記遊技制御手段は、H 通常区間と有利区間のいずれかに制御する区間制御手段と、I 前記有利区間であるときに遊技者にとって有利となる有利操作態様を報知可能な有利状態に制御する状態制御手段と、J 前記有利区間中に消化されたゲーム数に対応する特定値を計数する計数手段と、K 前記有利区間であるときに遊技制御側ランプを点灯させることで前記有利区間中である旨を示唆する遊技制御側示唆手段と、L 前記有利状態を継続するための権利を付与する付与手段とを含み、M 前記有利操作態様を特定可能なナビ番号を前記遊技補助表示器に表示させることが可能であり、N 遊技用価値が付与されたときに付与された遊技用価値の数を前記遊技補助表示器に表示させることが可能であり、O 前記有利操作態様を報知するゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記ナビ番号に対応する前記遊技補助表示器のセグメントを点灯状態とするナビ表示データを出力バッファに設定することで、前記遊技補助表示器に前記ナビ番号を表示させ、P 前記有利操作態様を報知しないゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記出力バッファを初期化して、前記遊技補助表示器のセグメント全てを消灯状態とし、Q 前記ナビ番号を表示させる場合に、前記2つの表示器のうち一方の表示器に前記ナビ番号を表示させ、前記付与された遊技用価値の数を表示させる場合に、前記2つの表示器のうち他方の表示器に前記付与された遊技用価値の数を表示させ、R 前記計数手段によって計数された前記特定値が上限値未満であるときは、前記有利状態に関わる特定処理を実行し、S 前記計数手段によって計数された前記特定値が前記上限値以上であるときは、前記特定処理を実行することなく、記憶部に記憶された前記有利状態に関わる情報を初期化する初期化処理を実行した後に、前記遊技制御側ランプを消灯させる消灯処理を実行する初期化手段を含み、T 前記有利状態における所定時点において、前記付与手段に付与された権利により前記特定値が前記上限値に到達することが確定する場合、特殊制御を行い、U 前記有利区間において第1有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第1有利状態に制御可能であり、V 前記有利区間において第2有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第2有利状態に制御可能であり、W 前記計数手段によって計数された前記特定値が前記上限値以上であるときは、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれに制御されているかに関わらず、前記第1有利状態カウンタ及び前記第2有利状態カウンタの双方を初期化する、X スロットマシン。」
第4 特許異議の申立てについて
1 申立ての理由の概要
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特許異議申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1号証を提出し、本件訂正請求前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一であるか、甲第1号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件訂正請求前の本件特許は、特許法第29条第1項第3号又は同法同条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである旨主張した。
<証拠方法>
2 取消理由の概要
令和3年12月7日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、本件訂正請求前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件訂正請求前の本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるため、本件訂正請求前の本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきである。
3 特許権者が提出した意見書の概要
特許権者は、令和4年2月9日付け意見書において、本件訂正発明は、進歩性を有しており、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものではないので、同法第113条第2号に該当するものではなく、取り消されるべきものではない旨を主張する。
第5 当審の判断
1 甲第1号証に記載された事項、及び、甲1発明
(1)甲第1号証には、以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。)。
ア 「【0020】以下の実施形態では、「指示機能」は、「有利な操作態様」を遊技者に表示する機能を指すものとし、「指示機能の作動」は、押し順ベル当選時に正解押し順を表示すること、及びリプレイ重複当選時に有利なリプレイを入賞させる正解押し順を表示することの双方を含む意味で使用する。なお、「指示」内容を遊技者に見せることが「表示」であり、指示内容を遊技者に知らせることが「報知」である。よって、「指示機能」は、「表示機能」でもあり、「報知機能」でもある。また、「指示」とは、「命令」の意味合いを有する概念であるが、「指示」に従わなかったからといって、遊技者に何らかのペナルティが課されることはない。ただし、指示機能の作動により表示された正解押し順に従わなければ、押し順ベル当選時に高目ベルが入賞しないことや、リプレイ重複当選時に不利なリプレイが入賞する場合がある。」
イ 「【0022】本実施形態において、「遊技区間」には、「通常区間」、「待機区間」、及び「有利区間」を備える。まず、「通常区間」とは、指示機能に係る信号、具体的には後述する押し順指示番号や入賞及びリプレイ条件装置番号(正解押し順を判別可能な情報)を周辺基板(たとえば、サブ制御基板)に送信することを禁止する遊技区間であり、かつ、指示機能に係る性能に一切影響を及ぼさない(指示機能を作動させない)遊技区間を指す。ただし、条件装置(役)の抽選に加え、有利区間に移行するか否かの決定(抽選等)を行うことができる。通常区間では、指示機能を作動させてはならないため、メイン制御基板と電気的に接続された所定の表示装置(LED等)での押し順指示情報の表示を行うことができないし、指示機能に係る信号を周辺基板に送信しないので、後述するサブ制御基板に電気的に接続された画像表示装置による有利な操作態様の表示(報知)を行うこともできない。」
ウ 「【0028】また、「有利区間」とは、指示機能に係る性能を有する(指示機能を作動させてよい)遊技区間であり、具体的には、指示機能を作動させる場合には、メイン制御基板において指示内容(有利な操作態様)が識別できるように押し順指示情報を表示する場合に限り、指示機能に係る信号をサブ制御基板に送信することができる遊技区間を指す。有利区間中の遊技は、報知可能遊技とも称することがある。逆に、通常区間中の遊技や待機区間中の遊技は、報知不可能遊技と称することがある。ただし、サブ制御基板は、メイン制御基板が行う指示内容や、受信した指示機能に係る信号に反する演出を出力することはできない。」
エ 「【0033】さらにまた、「待機区間」とは、有利区間に移行することに決定した後、未だ有利区間に移行していないときの遊技区間を指す。待機区間は、設けてもよく、設けなくてもよい。すなわち、通常区間から有利区間に移行してもよく、通常区間から待機区間に移行し、さらにこの待機区間から有利区間に移行してもよい。なお、有利区間から待機区間に移行することはできず、有利区間の終了後は常に通常区間に移行する。待機区間は、当選情報を次回遊技以降に持越し可能な特別役が含まれる条件装置の当選に基づき有利区間に移行することに決定したときに限り、移行することができ、当該特別役に対応する図柄の組合せが表示された遊技では必ず終了しなければならない。もちろん、当該特別役に対応する図柄の組合せが表示される遊技よりも前に終了してもよい。また、待機区間では、メイン制御基板において指示機能を作動させることや、指示機能に係る信号をサブ制御基板に送信することはできない。メイン制御基板において指示機能を作動させ、指示機能に係る信号をサブ制御基板に送信する場合には、有利区間中であることが条件となる。」
オ 「【0050】以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。<第1実施形態>図1は、本実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10に設けられた代表的な制御基板として、メイン制御基板50とサブ制御基板80とを備える。メイン制御基板50は、入力ポート51及び出力ポート52を有し、RWM53、ROM54、メインCPU55等を備える(図1で図示したもののみを備える意味ではない)。」
カ 「【0052】RWM53は、遊技の進行等に基づいた各種データ(変数)を記憶(更新)可能な記憶媒体である。後述する管理情報を表示するために必要なデータ(総遊技回数等)は、RWM53に記憶される。……」
キ 「【0053】メインCPU55は、メイン制御基板50上に設けられたCPUを指し、遊技の進行に必要なプログラムの実行、演算等を行い、具体的には、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等を実行する。メインCPU55は、レジスタを内蔵する。特に本実施形態では、複数(たとえばAレジスタ~Lレジスタ、及び送信用レジスタ等)設けられている。」
ク 「【0062】また、図1に示すように、メイン制御基板50には、表示基板75が電気的に接続されている。…………【0063】表示基板75には、貯留数表示LED76、有利区間表示LED77、及び獲得数表示LED78が搭載されている。……」
ケ 「【図1】[図:0001388385000001.jpg]」
上記のとおり、図1には、メイン制御基板50のメインCPU55が、役抽選手段61、有利区間制御手段69、制御コマンド送信手段71、上限カウンタ69bを備えることが記載されていると認められる。
コ 「【0072】また、有利区間表示LED77は、デジット2のセグメントDPによって構成されている。有利区間表示LED77は、通常区間及び待機区間では消灯状態に制御されるが、有利区間中は、その間、点灯状態に制御される。したがって、遊技者は、有利区間表示LED77の点灯/消灯状態を確認すれば、現在、有利区間に滞在しているか否かを一目で判断することができる。」
サ 「【0074】さらにまた、獲得数表示LED78は、役の入賞時に、払出し数(遊技者の獲得数)を表示するLEDであり、上位桁を表示するデジット3と、下位桁を表示するデジット4とから構成されている。したがって、獲得数表示LED78は、貯留数表示LED76と同様に、2桁を表示する。獲得数表示LED78は、払い出されるメダルがないときは、表示は「00」であるが、たとえば後述する9枚役が入賞して9枚のメダルが払い出されると、獲得数表示LED78の表示は、「00」から「09」となる。……続きを表示(全11行)【0075】……さらにまた、獲得数表示LED78は、指示機能を作動させたときに、有利な操作態様(押し順指示情報)を表示するLEDとして機能する。よって、本実施形態における獲得数表示LED78は、獲得数、エラー内容、及び指示機能の作動による有利な操作態様の表示を兼ねるLEDである。なお、指示機能を作動させたときの有利な押し順の報知は、サブ制御基板80に接続された画像表示装置23によっても実行される。【0076】ここで、本明細書では、メイン制御基板50による獲得数表示LED78を用いた押し順の表示を「指示機能の作動」と称し、サブ制御基板80による押し順の表示を「押し順の報知」と称する。また、後述する図20に示すように、有利な押し順に対応する番号を「押し順指示番号」と称する。さらに、指示機能の作動により獲得数表示LED78に表示される押し順であって、たとえば図20中、「=1」のような情報を、「押し順指示情報」と称する。すなわち、指示機能の作動により、獲得数表示LED78に押し順指示情報が表示される。」
シ 「【0087】図1において、メイン制御基板50には、図柄表示装置のモータ32等が電気的に接続されている。図柄表示装置は、図柄を表示する(本実施形態では3つの)リール31と、各リール31をそれぞれ駆動するモータ32と、リール31の位置を検出するためのリールセンサ33とを含む。【0088】モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段65によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。【0089】リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。なお、リール31上の図柄の具体的配列は、後述する。また、各リール31には、1個(2個以上であってもよい)のインデックスが設けられている。インデックスは、リール31のたとえば周側面に凸状に設けられており、リール31が所定位置を通過したか否かや、1回転したか否か等を検出するときに用いられる。そして、各インデックスは、リールセンサ33により検知される。リールセンサ33の信号は、メイン制御基板50に電気的に接続されている。そして、インデックスがリールセンサ33を検知する(切る)と、その入力信号がメイン制御基板50に入力され、そのリール31が所定位置を通過したことが検知される。」
ス 「【0098】図1において、サブ制御基板80は、遊技中及び遊技待機中における演出(情報)の選択や出力等を制御するものである。ここで、メイン制御基板50とサブ制御基板80とは、電気的に接続されており、メイン制御基板50(後述する制御コマンド送信手段71)は、パラレル通信によってサブ制御基板80に一方向で、演出の出力に必要な情報(制御コマンド)を送信する。なお、メイン制御基板50とサブ制御基板80とは、電気的に接続されることに限らず、光通信手段を用いた接続であってもよい。さらに、電気的接続及び光通信接続のいずれも、パラレル通信に限らず、シリアル通信であってもよく、シリアル通信とパラレル通信とを併用してもよい。」
セ 「【0103】また、図6(A)は、スロットマシン10のフロントドア(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)17と、各リール31の位置関係と、有効ライン(図柄の組合せを表示する表示ライン)とを示す図である。各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3つ(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓17から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓17から、合計9個の図柄(コマ)が見えるように配置されている。なお、各図柄の右下の数字は図柄番号を示している。」
ソ 「【0120】遊技を開始するときは、遊技者は、ベットスイッチ40の操作により予め貯留されたメダルを投入するか(貯留ベット)、又はメダル投入口43からメダルを手入れ投入する(手入れベット)。規定数のメダルがベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力される。メイン制御基板50(具体的には、後述するリール制御手段65)は、この信号を受信すると、役抽選手段61による役の抽選を行うとともに、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓17内で上下方向に移動表示される。【0121】そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力される。メイン制御基板50(具体的には、後述するリール制御手段65)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、役抽選手段61の役抽選結果に対応するように、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。【0122】そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、今回遊技の遊技結果を表示する。さらに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。【0123】次に、メイン制御基板50の具体的構成について説明する。図1に示すように、メイン制御基板50のメインCPU55は、以下の役抽選手段61等を備える。本実施形態における以下の各手段は例示であり、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。」
タ 「【0308】有利区間制御手段69は、通常区間から有利区間への移行(待機区間を含む)、有利区間を終了するか否かの判断、有利区間中の上乗せ、指示機能の作動制御等を実行する手段である。まず、有利区間制御手段69は、通常区間かつ非内部中遊技では、有利区間に移行するか否かを決定する。また、有利区間制御手段69は、有利区間かつ非内部中遊技では、有利区間の遊技回数を上乗せするか否かを決定する。」
チ 「【0323】また、有利区間制御手段69は、通常区間から有利区間に移行することに決定したときに、所定のタイミングが到来するまでに、有利区間表示LED77を点灯するように制御し、有利区間以外(通常区間又は待機区間)であるときは、有利区間表示LED77を消灯するように制御する。有利区間制御手段69は、第1に、有利区間に移行することに決定したときは、有利区間に移行することに決定した遊技の終了後(全リール31が停止し、払出しがあるときはメダル払出し後)の次回遊技のメダル投入(ベット)が可能になるまで、及び貯留メダルを有するときは精算スイッチ46の操作(精算処理操作)が可能となるまでに、有利区間表示LED77を点灯するように制御する。」
ツ 「【0339】有利区間表示LED77を点灯させるための具体的処理としては、デジット2を表示するためのセグメントデータの8ビット目を「0」から「1」に変更する。デジット2を表示するためのセグメントデータは、RWM53に記憶されているので、そのセグメントデータの変更を行う。たとえば、それまでのセグメントデータと、「10000000」とをOR演算したデータを、新たなデータとしてRWM53に記憶することが挙げられる。これにより、デジット2のセグメントデータ中、セグメントDPに対応する値が「1」となる。【0340】また、上述したように、本実施形態のデジットは、デジット1~9の合計9個を備えるが、これらのデジットを点灯させる方法としては、以下のように制御することが挙げられる。メイン制御基板50は、毎遊技繰り返す処理である「(遊技進行)メイン処理」の他に、このメイン処理と並行して、2.235msごとに「割込み処理」を実行する。この割込み処理では、LEDの点灯制御、リール31の駆動制御、外部信号の送信処理等を行う。そして、本実施形態では、デジット1~9に対して、一割込み処理ごとに1個のデジットを点灯させるダイナミック点灯を実行する。たとえば、今回の割込み処理ではデジット1のみを点灯し、次回の割込み処理ではデジット2を点灯することである。これを繰り返すことで、9回の割込み処理で1回の割合で1つのデジットを点灯させる。なお、このようなダイナミック点灯に限らず、デジットごとに信号線を接続したスタティック点灯を実行してもよい。【0341】したがって、有利区間表示LED77を点灯させるタイミングとなったときに、上記のようにセグメントデータを変更する。その変更後、割込み処理により、デジット2の点灯タイミングが到来したときに、有利区間表示LED77が点灯する。【0342】また、有利区間制御手段69は、有利区間中において、指示機能を作動させるべき遊技では、後述するサブ制御基板80による正解押し順の報知とは別個に、指示機能を作動させることにより、獲得数表示LED78に押し順指示情報を表示する。たとえば、小役B1に当選したときは、押し順指示番号「A1」に対応する押し順指示情報「=1」を、獲得数表示LED78に表示する。この制御が、本実施形態における「指示機能の作動」に相当するものとなる。」
テ 「【0349】本実施形態では、有利区間に関する遊技回数をカウントするカウンタとして、有利区間カウンタ69a及び上限カウンタ69bを備える(図1参照)。有利区間カウンタ69aは、有利区間に移行することに決定したときに、その時点で決定された遊技回数(たとえば「100」)の初期値をセットする。そして、1遊技消化するごとにカウント値をデクリメントし、「0」になったときは、有利区間を終了する。なお、デクリメントは、有利区間に移行した遊技から行うものもあれば、1BB遊技の終了後から行うものもある。また、有利区間カウンタ69aは、有利区間に移行することに決定したときに、その時点で決定された遊技回数(たとえば「100」)の初期値をセットしなくてもよく、1BB遊技の終了後に初期値をセットするものでもよい。さらに、有利区間中に有利区間が上乗せされたときは、有利区間カウンタ69aの現在のカウント値に、上乗せ値に対応する値を加算する。」
ト 「【0370】図1において、サブ制御基板80のサブCPU85は、演出出力制御手段91を備える。演出出力制御手段91は、上述したように、メイン制御基板50から送信されてくる制御コマンド、具体的には、RT番号、押し順指示番号、演出グループ番号、役物条件装置番号等の各制御コマンドに基づいて、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)等の、具体的な演出内容を抽選によって決定する。」
ナ 「【0385】続いて、指示機能の作動(押し順指示情報の表示)、及び正解押し順の報知を行う場合を、より具体的に説明する。図26は、遊技の流れ(図中、上から下に向かう流れ)と、獲得数表示LED78の表示、及び画像表示装置23の報知例を説明する図である。なお、図26の例は、図24の「例1」に相当するタイミングである。【0386】有利区間中における指示機能作動遊技では、まず、スタートスイッチ41が操作されると、メイン制御基板50は、指示機能を作動させて、獲得数表示LED78に押し順指示情報を表示する。図26の例では、小役B1に当選した例を示している。したがって、獲得数表示LED78は、押し順指示番号「A1」に対応する押し順指示情報、すなわち「=1」と表示する。続きを表示(全11行)そして、リール31が定速回転に到達する前に、画像表示装置23により、正解押し順を報知する。図26の例では、「1○○」と表示した例を示している。……【0391】全リール31が停止すると、入賞判定が行われる。ここで、小役01が入賞し、9枚のメダルが払い出されると、獲得数表示LED78の表示は、押し順指示情報の表示「=1」から、9枚のメダルが払い出されたことを示す「09」に変化する。なお、押し順ミス等により、1枚役が入賞したときは、「01」の表示となり、役のとりこぼし時は、「00」(又は「**」)の表示となる。なお、押し順指示情報の表示「=1」から、メダル払出し枚数「09」を表示するまでの間において、「=1」→「00」(一旦、表示をリセットするため、「00」と表示)→「09」と表示してもよい。【0392】あるいは、「=1」→「**」(一旦、表示をリセットするため、上位桁及び下位桁を消灯する)→「09」と表示してもよい。さらに、遊技者がベットスイッチ40を操作するか、メダルを手入れ投入してメダルがベットされると、獲得数表示LED78に表示した獲得枚数の内容をクリアするため、表示内容を「00」に変化させる(「**」にしてもよい。)。」
ニ 「【図26】[図:0001388385000002.jpg]」
ヌ 「【0501】図41は、スロットマシン10の基体部1を示す外観斜視図である。図41では、フロントドアの図示を省略している。なお、フロントドアは、図41中、「フロントドア開閉軸」(図中、左側)を支持軸として、基体部1の前面を開放/閉塞する。また、図41は、第2実施形態の説明で用いるが、第1実施形態の構造も図41と同一である。図41に示すように、基体部1の内部には、電源スイッチ11を含む電源ユニット、ホッパー35を含むメダル払出し装置、3個のリール31を含む図柄表示装置等が収容されている。また、サブ制御基板80は、基体部1の内面側の左側面に取り付けられている。これに対し、基板ケース16及びその内部に収容されたメイン制御基板50は、基体部1の内面内側の背面に取り付けられている。さらにまた、基板ケース16及びメイン制御基板50は、図柄表示装置よりも上方部に取り付けられ、フロントドアを開放したときに、基板ケース16のかしめ部16aの状態を目視で容易に確認できるようにするために、基体部1内の比較的見やすい位置に取り付けられている。このため、メイン制御基板50上に搭載された管理情報表示LED74についても、目視で比較的容易に確認できるようになっている。」
ネ 「【0551】続いて、本願発明の第3実施形態以降について説明する。第3実施形態以降において、用語の意味は、以下の通りである。「指示遊技区間」とは、有利区間において、ストップスイッチの有利な操作態様を有する遊技で指示機能作動遊技を常に実行するか、又は実行頻度を高くした遊技区間を指す。続きを表示(全15行)「指示遊技区間」は、従来のAT(「アシストタイム」の略称。リプレイ当選確率の高いRTにおいてATを実行する場合にあっては、「ART」。)に類似するものである。なお、以下の説明では、「指示遊技区間」を、必要に応じて「AT」と称する。【0552】「指示機能作動遊技を常に実行する」とは、ストップスイッチの有利な操作態様を有する遊技、具体的には、実施形態のリプレイB群当選時、リプレイC群当選時、小役B群当選時、及び小役C群当選時に、指示機能を必ず作動させることをいう。なお、本実施形態のATは、原則としてRT3(リプレイ高確率)で実行するので、原則「ART」であるが、遊技者のストップスイッチの操作ミスにより、RT2に転落する場合もある。RT3からRT2に転落しても、ATを継続する。さらに、RT3やRT2以外のRTでもATを実行する場合がある。したがって、RT3のようなリプレイ高確率でないRTでのATは、厳密には「ART」ではない。また、AT中にRT3からRT2に転落してしまったときは、リプレイB群当選時に指示機能を作動させることにより、RT3に復帰させるために、指示機能の作動により正解押し順を表示する。【0553】一方、「実行頻度を高くした」とは、たとえば、小役B群当選時や小役C群当選時に、「100%」で指示機能を作動させないこと、たとえば95%で指示機能を作動させるような場合を含む概念である。後述するように、指示遊技期間において、小役B群当選時には、指示機能を作動させるか否かの抽選を行い、この抽選に当選したときは、指示機能を作動させることが考えられるので、このような場合には、「常に指示機能を作動させる」ことにはならないので、「実行頻度を高くした」と規定した。【0554】上述したように、指示遊技区間は、指示機能作動遊技を実行する遊技区間であるので、その前提として、有利区間であることが必要である。したがって、指示遊技区間中は常に有利区間であり、指示遊技区間が通常区間や待機区間(以下、通常区間と待機区間とを総称して「非有利区間」と称する場合がある。)である場合はない。また、指示遊技区間の開始及び終了については、任意に設定することができる。たとえば、有利区間の開始と同時に指示遊技区間を開始してもよい。あるいは、有利区間を開始しても、直ちに指示遊技区間を開始せずに、有利区間において指示遊技区間の開始条件を満たしたときに指示遊技区間を開始することが挙げられる。」
ノ 「【0566】<第3実施形態>第3実施形態は、ATの遊技回数を上乗せ可能にすることを特徴とする。上述したように、ATのパラメータについては種々挙げられるが、第3実施形態では、ATの終了条件は、遊技回数で定められるものとする。続きを表示(全13行)第3実施形態では、メイン制御基板50側の処理として、図43(例1)~図52(例10)について説明する。また、サブ制御基板80側の処理として、例1(図53)及び例2(図54)について説明する。また、以下の例では、有利区間の開始と同時にATを開始する。そして、ATの終了と同時に有利区間を終了する。すなわち、「AT=有利区間」としている。ただし、上述した第1実施形態や後述する第4実施形態等のように、有利区間であるが非AT期間(たとえば前兆、CZ、引戻し期間、特別遊技等)である場合を有することは、もちろんである(この点については後述する)。【0567】さらにまた、以下の例で説明する上限カウンタは、第1実施形態の上限カウンタ69bに相当する。さらに、以下の例1~例10では、ATカウンタ、上乗せカウンタ、有利区間カウンタなどが設けられる(すべての例において、これら3つのカウンタが常に設けられるという意味ではない)。なお、図43(例1)~図52(例10)のフローチャートにおいて、同様の処理については、同一のステップ番号を付している。そして、既に説明したステップ番号と同一のステップ番号については、説明を適宜割愛する。また、カウンタによるカウント値を、「カウンタ値」と略称する。さらにまた、カウンタ値の「クリア」とは、カウンタ値を初期化すること(インクリメントカウンタにおいてはカウンタ値を「0」にすること)を意味する。」
ハ 「【0569】第3実施形態においては、上記のように「AT=有利区間」であり、第1実施形態と同様に、有利区間の上限は、1500遊技である。したがって、ATについても、最長で1500遊技となる。ここで、ATを開始するときは、ATの遊技回数の初期値を定め、AT中には、当選した条件装置に応じてATの(残り)遊技回数を上乗せする。ATの遊技回数を上乗せする場合、ATの総遊技回数(ATの消化遊技回数と残り遊技回数との和を意味する。以下同じ。)が「1500」を超えるか否かにかかわらず、無制限に上乗せを実行する場合と、「1500」を超える上乗せを実行しない場合とが挙げられる。なお、ATの遊技回数を上乗せした結果、ATの総遊技回数が「1500」を超えたとしても、実行されるATの遊技回数は「1500」までに限られる。」
ヒ 「【図43】[図:0001388385000003.jpg]」
フ 「【0579】(例1)図43は、メイン制御基板50側における制御処理の例1を示すフローチャートである。まず、メイン制御基板50は、カウンタとして、AT中の消化遊技回数をカウントするATカウンタと、有利区間の上限遊技回数「1500」をカウントする上限カウンタを備える。続きを表示(全50行)第3実施形態では、AT開始時に、初期値(遊技回数)として「100」が付与される。このため、AT開始時に、ATカウンタには「100」がセットされる。そして、毎遊技、「1」ずつ減算される(デクリメントカウンタ)。【0580】また、上限カウンタは、AT開始時に初期値「1500」がセットされる。そして、毎遊技、「1」ずつ減算される(デクリメントカウンタ)。以上より、ATカウンタ又は上限カウンタが「0」となったときは、ATの終了条件を満たす。なお、AT中に1BBに当選すると、1BB遊技の終了までATカウンタを更新しない(カウントを中断する)。一方、上限カウンタは、1BB遊技中であっても毎遊技更新する。すなわち、内部中遊技と1BB遊技中はATカウンタを更新しないため、1BB終了後は、1BB当選時のATカウンタ値から再開する。さらにまた、有利区間フラグは、第1実施形態において、デジット2のセグメントデータ中、8ビット目に相当するものであり、有利区間中は「1」がセットされ、有利区間でないときは「0」がセットされる。【0581】図43中、(a)において、ステップS401では、メイン制御基板50(メインCPU55)は、サブ制御基板80に対し、遊技開始時のコマンド送信処理を行う。この処理は、後述する図中(b)に示す処理である。次にステップS402に進み、スタートスイッチ41操作時の制御を実行する。ステップS402では、スタートスイッチ41が操作されたか否かを検知し続け、スタートスイッチ41が操作されたと判断したときは、次のステップS403に進む。【0582】ステップS403では、内部抽選処理を実行する。この処理は、第1実施形態において、役抽選手段61による役の抽選と同じである。次のステップS404では、上乗せ抽選を行う。ここで、「上乗せ」とは、ATの遊技回数の上乗せである。したがって、当該遊技がAT中でないとき(通常区間のとき、及び有利区間であるが非ATのとき)は、ステップS404の上乗せ抽選は実行されない。ステップS404の上乗せ抽選は、図中(c)に示す処理である。なお、本実施形態では、第1実施形態の図17で示した条件装置の当選時に、ATの上乗せ抽選を実行するものとする。また、上乗せ数とその当選確率については、後述する抽選テーブルに定められているものとする。【0583】次にステップS405に進み、メイン制御基板50は、サブ制御基板80に対し、スタートスイッチ41操作時のコマンド送信を行う。この処理は、後述する図中(d)に示す処理である。次のステップS406では、全リール31が停止したか否かを判断し続け、全リール31が停止したと判断したときはステップS407に進む。ステップS407では、遊技終了時の処理として、変数更新処理を行う。この処理は、図中(e)に示す処理である。そして、本フローチャートによる処理を終了する。【0584】図43(a)のステップS401に進むと、同図(b)の遊技開始時コマンド送信処理を実行する。まず、ステップS411では、ATカウンタ値を送信する。次のステップS412では、上限カウンタ値を送信する。さらに次のステップS413で、有利区間フラグの値を送信する。有利区間フラグの値は、有利区間中であるときは「1」を送信し、有利区間中でないときは、「0」を送信する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。以上の処理により、メイン制御基板50は、サブ制御基板80に対し、ATカウンタ値、上限カウンタ値、及び有利区間フラグの値の3つのパラメータを送信する。【0585】図43(a)のステップS404に進むと、同図(c)の上乗せ抽選を実行する。まず、ステップS421では、抽選テーブルをセットする。この抽選テーブルは、予めROM54に記憶されているものであり、当選役に対応する上乗せ数とその当選確率を定めたものである。具体的には、たとえば、小役E1単独当選時の置数「250」に当選したときは、上乗せ数を「50」に決定する確率を60%、上乗せ数を「40」に決定する確率を40%に設定することが挙げられる。また、小役E1単独当選時の置数「750」に当選したときは、上乗せ数を「30」に決定する確率を50%、上乗せ数を「20」に決定する確率を50%に設定することが挙げられる。他の条件装置についても、当選確率及び上乗せ数が定められている。【0586】次のステップS422では、ステップS421でセットした抽選テーブルを用いて上乗せ抽選を行う。そして、ステップS423に進み、ステップS422で抽選した結果(決定した上乗せ数)をATカウンタ値に加算する。たとえば、それまでのATカウンタ値が「50」(残り遊技回数)で、上乗せ数を「20」に決定したときは、ATカウンタ値を「70」に更新する。そして本フローチャートによる処理を終了する。【0587】図43(a)のステップS405に進むと、同図(d)のスタートスイッチ操作時コマンド送信を実行する。ここでは、ステップS431において、ATカウンタ値を送信する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。したがって、遊技開始時にステップS411でATカウンタ値を送信するが、ステップS431では、再度、ATカウンタ値を送信する。当該遊技でATの遊技回数を上乗せすることに決定されていないときは、ステップS411とステップS431とで同一値を送信する。【0588】これに対し、ATの遊技回数を上乗せすることに決定されたときは、ステップS431では、更新後のATカウンタ値を送信する。サブ制御基板80では、ステップS411でATカウンタ値を受信した後、ステップS431で再度ATカウンタ値を受信したときは、サブ制御基板80側で記憶しているATカウンタ値を、ステップS431で受信したATカウンタ値に書き換える。なお、ステップS431の前に、当該遊技でATの上乗せが実行されたか否かを判断し、ATの上乗せ実行されたときに限り、ステップS431において当該遊技で2回目のATカウンタ値を送信してもよい。【0589】図43(a)のステップS407に進むと、同図(e)の変数更新処理を実行する。まず、ステップS441では、ATカウンタ値を「1」減算する。次にステップS442に進み、上限カウンタ値を「1」減算する。次のステップS443では、上限カウンタ値が「0」であるか否かを判断する。「0」であると判断したとき(すなわち、有利区間の遊技回数が上限の「1500」に到達したとき)は、AT及び有利区間を終了するために、ステップS445以降の処理に進む。これに対し、「0」でないと判断したときは、ステップS444に進む。【0590】ステップS444では、ATカウンタ値が「0」であり、かつ指示機能作動遊技の実行回数が「1」以上であるか否かを判断する。ここで、ATカウンタ値が「0」であるときは、ATの残り遊技回数が「0」であることを意味している。また、指示機能作動遊技の実行回数が「1」以上であるか否かを判断するためには、たとえば指示機能作動カウンタや、指示機能作動フラグを設けることが挙げられる。指示機能作動カウンタは、たとえば指示機能を作動するごとに「1」ずつ加算していくインクリメントカウンタを挙げることができ、このカウンタ値が「1」以上であれば、指示機能作動遊技の実行回数が「1」以上であると判断することができる。【0591】また、指示機能作動フラグは、有利区間及びATを実行した後、一度も指示機能作動遊技を実行していないときはオフとなり、最初の指示機能作動遊技を実行したときは(その後も)オンになるフラグである。この指示機能作動フラグがオンであるときは、指示機能作動遊技の実行回数が「1」以上であると判断することができる。【0592】なお、第1実施形態でも説明したように、有利区間に移行したときは、少なくとも1回、指示機能作動遊技(ストップスイッチ42の有利な押し順を有する遊技のうち払出し枚数が最も多い役の当選時の遊技。第1実施形態では小役B群当選時の遊技。以下同じ。)を実行しないと、有利区間を終了することはできない。このように、有利区間中に、最低1回の指示機能作動遊技を実行することは、ATの終了条件よりも優先される。【0593】ただし、指示機能作動遊技を1回も実行することなく有利区間の上限である1500遊技に到達したときは、有利区間を終了することが可能である(後述する第11実施形態(図69)参照)。したがって、図43の例1では、最初にステップS443で上限カウンタ値が「0」であるか否かを判断し、「0」であるときは、ステップS444の判断を行うことなく有利区間及びATを終了するようにしている。【0594】ステップS444において、「ATカウンタ値が「0」、かつ指示機能作動遊技の実行回数が「1」以上」であると判断されたときは、有利区間及びATの終了条件を満たすので、ステップS445に進む。これに対し、ステップS444において「No」と判断されたときは、本フローチャートによる処理を終了する(次回遊技もAT及び有利区間を継続する)。【0595】ステップS445では、ATカウンタ値をクリアする(「0」にする)。次にステップS446に進み、上限カウンタ値をクリアする(「0」にする)。さらにステップS447に進み、有利区間フラグの値をクリアする(「0」にする)。このように、有利区間が終了したときは、有利区間に関する全てのパラメータをクリア(リセット)することが必要である。そして本フローチャートによる処理を終了する。」
ヘ 「【0632】以上、図43(例1)から図52(例10)までを説明したが、基本的には、ATの遊技回数をカウントするATカウンタ、ATの遊技回数の上乗せ数をカウントする上乗せカウンタ、有利区間の上限「1500」をカウントする上限カウンタ(有利区間カウンタ)を備える。また、これらのカウンタは、インクリメントでもデクリメントでもよい。さらにまた、ATカウンタは、図46(例4)や図49(例7)のように設けなくてもよい。この場合には、実質的に、他のカウンタでAT遊技回数をカウントする。さらに、上記の例1~例10では、当選した条件装置に応じて上乗せ抽選を行っている。ここで、上乗せの対象となる条件装置に当選したときは、抽選を行うことなく無条件で所定数を上乗せするようにしてもよい。」
ホ 「【0634】一方、図43(例1)のように、上乗せを無制限に実行することも可能である。上乗せを無制限に実行すれば、たとえば、ATの残り遊技回数が「2000」、「3000」等になる場合が生じ得る。しかし、そのような遊技回数になったとしても、有利区間の上限遊技回数「1500」が優先されるので(図43(e)中、ステップS443)、その時点でATは終了する。【0635】しかし、図43(例1)のように無制限にAT遊技回数の上乗せを実行する場合において、その上乗せ数をそのまま遊技者に報知してしまうと、有利区間の上限遊技回数「1500」を超える上乗せ数を報知してしまう場合がある。この場合、遊技者は、上限遊技回数「1500」を超えて遊技を行うことができると誤解してしまうおそれがある。そこで、サブ制御基板80は、上記の点に対応して、AT遊技回数や上乗せ数の報知に関して、以下に示すような種々の制御を行う。」
マ 「【0649】図55は、AT中の上乗せに関して、サブ制御基板80による画像表示装置23の画像表示例を示す図であり、例1~例4を示す図である。まず、例1では、上乗せ前の画像表示装置23には、「消化G(「ATの消化遊技回数」を意味する)1200」、「残G(「ATの残り遊技回数」を意味する)300」と表示されている例を示している。したがって、「ATの消化遊技回数+残り遊技回数=1500」であるので、実行可能なAT遊技回数はすでに上限に到達している。この場合に、例1では、500遊技が内部的に上乗せされても(たとえば、図43(c)のステップS423のような場合を意味する)、上乗せ数の表示変更や、上乗せに関する演出を行わない。したがって、上乗せ後の表示は、上乗せ前の表示のままとなる。」
ミ 「【0651】例2は、ATの消化遊技回数が1200遊技、残り遊技回数が200遊技である場合において、500遊技が内部的に上乗せされたときは、残り遊技回数について、正しい値(上乗せ後の残り遊技回数)を表示せず、他の表示に切り替える例である。例2では、残り遊技回数について、「祝」や「おめでとう」と表示することが挙げられる。その他に、「?」のように表示することが挙げられる。【0652】例2では、ATの消化遊技回数と残り遊技回数の合計が「1500」以下であるときは、残り遊技回数を表示しているが、さらに上乗せが行われることにより、ATの総遊技回数が「1500」を超えると、残り遊技回数の表示を、遊技者が把握できるように表示しない。ATの残り遊技回数の表示が具体的な数値から、数値以外の表示になったことにより、上乗せが行われたことを遊技者は把握することができる。ただし、ATの残り遊技回数については具体的な数値を表示しないので、遊技者は、ATの残り遊技回数を把握することができない。【0653】なお、上乗せ前に、ATの消化遊技回数「1200」、残り遊技回数「200」の場合において、「500」を上乗せしたときは、カウンタ上では、ATの残り遊技回数を「700」としてもよく、あるいは「300」としてもよい。また、ATの残り遊技回数の表示が「祝」や「おめでとう」となった場合には、上限の1500回までATが継続することが確定する仕様であるときは、「1500-ATの消化遊技回数」を遊技者が計算することで、ATの残り遊技回数を把握することが可能となる。さらにまた、「祝」や「おめでとう」の表示により、ATの総遊技回数が「1500」を超えたことを遊技者に知らせ、かつ、それ以上の上乗せは行われないことを示す役割を果たすものとなる。」
(2)上記ア~ミの記載事項から、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が開示されていると認められる。なお、符号a等は、本件訂正発明の分説に対応させて、当審で付与した。分説された甲1発明の発明特定事項を、符号に基づき、以下「発明特定事項a」等という。
「a 基体部1の内部に図柄表示装置等が収容され(【0501】)、図柄表示装置は、図柄を表示する3つのリール31と、各リール31をそれぞれ駆動するモータ32とを含み(【0087】)、リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものであり(【0089】)、各リール31は、横方向に並列に3つ(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられ、各リール31は、表示窓17から、上下に連続する3図柄が見えるように配置され(【0103】)、続きを表示(全21行)規定数のメダルがベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力され、メイン制御基板50(リール制御手段65)は、この信号を受信すると、役抽選手段61による役の抽選を行うとともに、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御し、このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓17内で上下方向に移動表示され(【0120】)、ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力され、メイン制御基板50(リール制御手段65)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、役抽選手段61の役抽選結果に対応するように、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行い(【0121】)、b そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、今回遊技の遊技結果を表示し、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われ(【0122】)、c 代表的な制御基板として、メイン制御基板50とサブ制御基板80とを備え(【0050】)、メインCPU55は、メイン制御基板50上に設けられたCPUを指し、遊技の進行に必要なプログラムの実行、演算等を行い、具体的には、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等を実行し(【0053】)、d メイン制御基板50とサブ制御基板80とは、電気的に接続されており、メイン制御基板50(制御コマンド送信手段71)は、パラレル通信によってサブ制御基板80に一方向で、演出の出力に必要な情報(制御コマンド)を送信し(【0098】)、サブ制御基板80のサブCPU85は、演出出力制御手段91を備え、演出出力制御手段91は、メイン制御基板50から送信されてくる制御コマンドに基づいて、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)等の、具体的な演出内容を決定し(【0370】)、e メイン制御基板50には、表示基板75が電気的に接続されていて(【0062】)、表示基板75には、獲得数表示LED78が搭載されていて(【0063】)、f 獲得数表示LED78は、役の入賞時に、払出し数(遊技者の獲得数)を表示するLEDであり、上位桁を表示するデジット3と、下位桁を表示するデジット4とから構成されていて、2桁を表示し、払い出されるメダルがないときは、表示は「00」であるが、たとえば後述する9枚役が入賞して9枚のメダルが払い出されると、獲得数表示LED78の表示は、「00」から「09」となり(【0074】)、獲得数表示LED78は、指示機能を作動させたときに、有利な操作態様(押し順指示情報)を表示するLEDとして機能し(【0075】)、g メイン制御基板50のメインCPU55は、役抽選手段61、有利区間制御手段69、制御コマンド送信手段71、上限カウンタを備え(【0123】、【0567】、図1)、h 遊技区間には、通常区間及び有利区間を備え、通常区間は、指示機能を作動させない遊技区間であり(【0022】)、有利区間は、指示機能を作動させてよい遊技区間であり(【0028】)、ATはリプレイB群当選時、リプレイC群当選時、小役B群当選時、及び小役C群当選時に、指示機能を作動させる遊技区間であり、常に有利区間であり(【0551】、【0552】、【0554】)、「指示機能の作動」は、押し順ベル当選時に正解押し順を表示すること、及びリプレイ重複当選時に有利なリプレイを入賞させる正解押し順を表示することの双方であり(【0020】)、有利区間フラグは、デジット2のセグメントデータ中、8ビット目に相当するものであり、有利区間中は「1」がセットされ、有利区間でないときは「0」がセットされ、ATカウンタ又は上限カウンタが「0」となったときは、ATの終了条件を満たし(【0580】)、有利区間制御手段69は、通常区間から有利区間に移行することに決定したときに、有利区間表示LED77を点灯するように制御し、有利区間以外(通常区間)であるときは、有利区間表示LED77を消灯するように制御し(【0323】)、有利区間表示LED77を点灯させるための具体的処理としては、デジット2を表示するためのセグメントデータの8ビット目を「0」から「1」に変更し、デジット2を表示するためのセグメントデータは、RWM53に記憶されているので、そのセグメントデータの変更を行い(【0339】)、メイン制御基板50側における制御処理のステップS443では、上限カウンタ値が「0」であるか否かを判断し、「0」であると判断したとき(すなわち、有利区間の遊技回数が上限の「1500」に到達したとき)は、AT及び有利区間を終了するために、ステップS445以降の処理に進み、ステップS445では、ATカウンタ値をクリア(「0」に」)し、ステップS446に進み、上限カウンタ値をクリア(「0」に」)し、ステップS447に進み、有利区間フラグの値をクリア(「0」に」)し(【0579】、【0589】、【0595】)、
メイン制御基板50側における制御処理のステップS444において、ATカウンタ値が「0」であると判断されたときは、ステップS445に進み、ステップS445では、ATカウンタ値をクリア(「0」に」)し、ステップS446に進み、上限カウンタ値をクリア(「0」に」)し、ステップS447に進み、有利区間フラグの値をクリア(「0」に」)し(【0579】、【0594】、【0595】)、
i 有利区間制御手段69は、有利区間中の上乗せ、指示機能の作動制御等を実行する手段であり(【0308】)、
「上乗せ」とは、ATの遊技回数の上乗せであり、通常区間のときは上乗せ実行されず(【0582】)、
j メイン制御基板50は、カウンタとして、AT中の消化遊技回数をカウントするATカウンタと、有利区間の上限遊技回数「1500」をカウントする上限カウンタを備え、AT開始時に、ATカウンタには「100」がセットされ、そして、毎遊技、「1」ずつ減算され、上限カウンタは、AT開始時に初期値「1500」がセットされ、毎遊技、「1」ずつ減算され、ATカウンタ又は上限カウンタが「0」となったときは、ATの終了条件を満たし(【0579】、【0580】)、
k 有利区間制御手段69は、通常区間から有利区間に移行することに決定したときに、有利区間表示LED77を点灯するように、デジット2を表示するためのセグメントデータの8ビット目を「0」から「1」に変更し、メイン制御基板50は、メイン処理と並行して、2.235msごとに「割込み処理」を実行し、デジット1~9に対して、一割込み処理ごとに1個のデジットを点灯させるダイナミック点灯を実行し、これを繰り返すことで、9回の割込み処理で1回の割合で1つのデジットを点灯させ(【0323】、【0339】、【0340】)、
有利区間表示LED77は、デジット2のセグメントDPによって構成され、有利区間表示LED77は、通常区間では消灯状態に制御されるが、有利区間中は、その間、点灯状態に制御され、遊技者は、有利区間表示LED77の点灯/消灯状態を確認すれば、現在、有利区間に滞在しているか否かを一目で判断することができ(【0072】)、
l メイン制御基板50側における制御処理のステップS422で上乗せ抽選を行い、S423に進み、ステップS422で抽選した結果(決定した上乗せ数)をATカウンタ値(ATの残り遊技回数)に加算し(【0579】、【0586】、【0590】)、
m,n,o,p 有利区間中における指示機能作動遊技では、まず、スタートスイッチ41が操作されると、メイン制御基板50は、指示機能を作動させて、獲得数表示LED78に押し順指示情報を表示し、小役B1に当選した場合、獲得数表示LED78は、押し順指示番号「A1」に対応する押し順指示情報、すなわち「=1」と表示し、そして、リール31が定速回転に到達する前に、画像表示装置23により、正解押し順を報知し(【0386】)、
全リール31が停止すると、入賞判定が行われ、ここで、小役01が入賞し、9枚のメダルが払い出されると、獲得数表示LED78の表示は、押し順指示情報の表示「=1」から、9枚のメダルが払い出されたことを示す「09」に変化し、押し順ミス等により、1枚役が入賞したときは、「01」の表示となり、役のとりこぼし時は、「00」(又は「**」)の表示となり(【0391】)、
遊技者がベットスイッチ40を操作するか、メダルを手入れ投入してメダルがベットされると、獲得数表示LED78に表示した獲得枚数の内容をクリアするため、表示内容を「**」に変化させ(上位桁及び下位桁を消灯)(【0392】)、
r メイン制御基板50側における制御処理のステップS443では、上限カウンタ値が「0」であるか否かを判断し、「0」でないと判断したときは、ステップS444に進み(【0579】、【0589】)、
s メイン制御基板50側における制御処理のステップS443では、上限カウンタ値が「0」であるか否かを判断し、「0」であると判断したとき(すなわち、有利区間の遊技回数が上限の「1500」に到達したとき)は、AT及び有利区間を終了するために、ステップS445以降の処理に進み、ステップS445では、ATカウンタ値をクリア(「0」に)し、ステップS446に進み、上限カウンタ値をクリア(「0」に)し、ステップS447に進み、有利区間フラグの値をクリア(「0」に)し(【0579】、【0589】、【0595】)、
t 画像表示装置23に、有利区間の消化遊技回数、残り遊技回数を表示し、有利区間の消化遊技回数が1200遊技、残り遊技回数が200遊技である場合において、500遊技が内部的に上乗せされたときは、残り遊技回数について、正しい値(上乗せ後の残り遊技回数)を表示せず、残り遊技回数について、「祝」や「おめでとう」と表示し、有利区間の消化遊技回数と残り遊技回数の合計が「1500」以下であるときは、残り遊技回数を表示しているが、さらに上乗せが行われることにより、有利区間の総遊技回数が「1500」を超えると、残り遊技回数の表示を、遊技者が把握できるように表示しないものであり、残り遊技回数の表示が「祝」や「おめでとう」となった場合には、上限の1500回まで有利区間が継続することが確定する仕様である(【0569】、【0649】、【0651】、【0652】、【0653】)、
u 有利区間であるが非AT期間(たとえばCZ)である場合を有する(【0566】)、
x スロットマシン10(【0050】)。」
2 対比・判断
本件訂正発明と甲1発明とを対比する。
(1)本件訂正発明の発明特定事項A、B及びXについて
甲1発明の発明特定事項aの「左リール、中リール31、及び右リール31」、「複数種類の図柄」は、それぞれ、本件訂正発明の発明特定事項Aの「可変表示部」、「複数種類の識別情報」に相当する。
また、甲1発明の発明特定事項a及びbの「規定数のメダルがベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力され」、「メイン制御基板50(リール制御手段65)は、この信号を受信すると、役抽選手段61による役の抽選を行うとともに、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御し、このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓17内で上下方向に移動表示され」、「ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力され、メイン制御基板50(リール制御手段65)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、役抽選手段61の役抽選結果に対応するように、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行い」、「そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、今回遊技の遊技結果を表示」することは、本件訂正発明の発明特定事項Bの「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出」することに相当し、甲1発明の発明特定事項bの「いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われ」ることは、本件訂正発明の発明特定事項Bの「該表示結果に応じて入賞が発生」することに相当する。
さらにまた、甲1発明の発明特定事項xの「スロットマシン10」は、本件訂正発明の発明特定事項B及びXの「スロットマシン」に相当する。
したがって、甲1発明の発明特定事項a、b及びxは、本件訂正発明の発明特定事項A、B及びXに相当する構成を含む。
(2)本件訂正発明の発明特定事項Cについて
甲1発明の発明特定事項cの「役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等」の「遊技の進行に必要なプログラムの実行、演算等」は、本件訂正発明の発明特定事項Cの「遊技の制御」に相当する。
そして、甲1発明の発明特定事項cにおける「メイン制御基板50」の「メインCPU55」は、本件訂正発明の発明特定事項Cの「遊技制御手段」に相当する。
したがって、甲1発明の発明特定事項cは、本件訂正発明の発明特定事項Cに相当する構成を含む。
(3)本件訂正発明の発明特定事項Dについて
甲1発明の発明特定事項dの「サブ制御基板80のサブCPU85」は、「メイン制御基板50から送信されてくる制御コマンドに基づいて」「具体的な演出内容を決定」することにより演出の制御を行うものであるから、本件訂正発明の発明特定事項Dの「演出制御手段」に相当する。
したがって、甲1発明の発明特定事項dは、本件訂正発明の発明特定事項Dに相当する構成を含む。
(4)本件訂正発明の発明特定事項Eについて
甲1発明の発明特定事項eの「獲得数表示LED78」は、本件訂正発明の発明特定事項Eの「遊技補助表示器」に相当する。ここで、「獲得数表示LED78」は、「メイン制御基板50に」「電気的に接続されてい」る「表示基板75に」「搭載されてい」るから、「獲得数表示LED78」が「遊技の進行に必要なプログラムの実行、演算等を行」う「メイン制御基板50のメインCPU55」により制御されることも明らかである。
したがって、甲1発明の発明特定事項eは、本件訂正発明の発明特定事項Eに相当する構成を含む。
(5)本件訂正発明の発明特定事項Fについて
甲1発明の発明特定事項fによれば、「獲得数表示LED78」は、「払出し数(遊技者の獲得数)を表示するLEDであり、上位桁を表示するデジット3と、下位桁を表示するデジット4とから構成されていて、2桁を表示し、払い出されるメダルがないときは、表示は「00」であるが、たとえば後述する9枚役が入賞して9枚のメダルが払い出されると、獲得数表示LED78の表示は、「00」から「09」とな」るから、甲1発明の発明特定事項fの「獲得数表示LED78」は、「複数のセグメントを有する2つの表示器から構成され、それぞれの表示器に数値を表示させることが可能であり、」るといえる。
したがって、甲1発明の発明特定事項fは、本件訂正発明の発明特定事項Fに相当する構成を含む。
(6)本件訂正発明の発明特定事項G、H及びIについて
「有利区間制御手段69」を備える甲1発明の発明特定事項gの「メイン制御基板50のメインCPU55」は、本件訂正発明の発明特定事項Gの「遊技制御手段」に相当する。
また、甲1発明の発明特定事項hの「AT」では、「リプレイB群当選時、リプレイC群当選時、小役B群当選時、及び小役C群当選時に、指示機能を作動させる」ところ、甲1発明の発明特定事項hによれば、「「指示機能の作動」は、押し順ベル当選時に正解押し順を表示すること、及びリプレイ重複当選時に有利なリプレイを入賞させる正解押し順を表示することの双方であ」る。ここで、「正解押し順を表示すること」は、有利操作態様を報知することであり、遊技者にとって有利であることも明らかである。そうすると、甲1発明の発明特定事項hの「AT」は、本件訂正発明の発明特定事項Iの「遊技者にとって有利となる有利操作態様を報知可能な有利状態」に相当する。
また、甲1発明の発明特定事項hの「有利区間」、「通常区間」は、それぞれ、本件訂正発明の発明特定事項Hの「有利区間」、「通常区間」に相当する。
また、甲1発明の発明特定事項h及びiの「有利区間フラグ」に「0」又は「1」を「セット」すること、「指示機能の作動制御」「を実行する」ことは、それぞれ、本件訂正発明の発明特定事項H及びIの「通常区間と有利区間のいずれかに制御する」こと、「有利状態に制御する」ことに相当する。そうすると、甲1発明の発明特定事項g、h及びiの「有利区間制御手段69」は、本件訂正発明の発明特定事項H及びIの「区間制御手段」及び「状態制御手段」としての機能を有するものである。
したがって、甲1発明の発明特定事項g、h及びiは、本件訂正発明の発明特定事項G、H及びIに相当する構成を含む。
(7)本件訂正発明の発明特定事項Jについて
甲1発明の発明特定事項jの「有利区間の上限遊技回数「1500」をカウントする上限カウンタ」は、本件訂正発明の発明特定事項Jの「有利区間中に消化されたゲーム数に対応する特定値を計数する計数手段」に相当する。
そして、甲1発明の発明特定事項jの「有利区間の上限遊技回数「1500」をカウントする上限カウンタ」の値は、本件訂正発明の発明特定事項Jの「有利区間中に消化されたゲーム数に対応する特定値」に相当する。
したがって、甲1発明の発明特定事項jは、本件訂正発明の発明特定事項Jに相当する構成を含む。
(8)本件訂正発明の発明特定事項Kについて
甲1発明の発明特定事項kの「有利区間表示LED77」は、本件訂正発明の発明特定事項Kの「遊技制御側ランプ」に相当し、甲1発明の発明特定事項kの「有利区間中」に「有利区間表示LED77」が「点灯状態に制御され」、「遊技者」が、「有利区間表示LED77の点灯」「を確認すれば、現在、有利区間に滞在している」こと「を一目で判断することができ」ることは、本件訂正発明の発明特定事項Kの「有利区間であるときに遊技制御側ランプを点灯させることで前記有利区間中である旨を示唆する」ことに相当する。
そして、甲1発明の発明特定事項kの「有利区間制御手段69」は、本件訂正発明の発明特定事項Kの「遊技制御側示唆手段」に相当する。
したがって、甲1発明の発明特定事項kは、本件訂正発明の発明特定事項Kに相当する構成を含む。
(9)本件訂正発明の発明特定事項Lについて
甲1発明の発明特定事項lの「上乗せ抽選を行い、」「決定した上乗せ数」「をATカウンタ値(ATの残り遊技回数)に加算」することは、本件訂正発明の発明特定事項Lの「有利状態を継続するための権利を付与する」ことに相当する。
そうすると、甲1発明の発明特定事項iの「有利区間中の上乗せ、指示機能の作動制御等を実行する手段であ」る「有利区間制御手段69」は、本件訂正発明の発明特定事項Lの「付与手段」に相当する。
したがって、甲1発明の発明特定事項i及びlは、本件訂正発明の発明特定事項Lに相当する構成を含む。
(10)本件訂正発明の発明特定事項Mについて
甲1発明の発明特定事項m,n,o,pの「押し順指示情報」は、本件訂正発明の発明特定事項Mの「前記有利操作態様を特定可能なナビ番号」に相当する。
また、甲1発明の発明特定事項m,n,o,pの「押し順指示情報を表示」する「獲得数表示LED78」は、本件訂正発明の発明特定事項Mの「前記有利操作態様を特定可能なナビ番号を」「表示させることが可能であ」る「前記遊技補助表示器」に相当する。
したがって、甲1発明の発明特定事項m,n,o,pは、本件訂正発明の発明特定事項Mに相当する構成を含む。
(11)本件訂正発明の発明特定事項Nについて
甲1発明の発明特定事項m,n,o,pの「9枚のメダルが払い出されたことを示す「09」」は、本件訂正発明の発明特定事項Nの「遊技用価値が付与されたときに付与された遊技用価値の数」に相当する。
また、甲1発明の発明特定事項m,n,o,pの「押し順指示情報を表示」する「獲得数表示LED78」は、本件訂正発明の発明特定事項Nの「遊技用価値が付与されたときに付与された遊技用価値の数を」「表示させることが可能であ」る「前記遊技補助表示器」に相当する。
したがって、甲1発明の発明特定事項m,n,o,pは、本件訂正発明の発明特定事項Nに相当する構成を含む。
(12)本件訂正発明の発明特定事項Oについて
甲1発明の発明特定事項fによれば、「獲得数表示LED78」は、「払出し数(遊技者の獲得数)を表示するLEDであり、上位桁を表示するデジット3と、下位桁を表示するデジット4とから構成されていて、2桁を表示」するものであり、甲1発明の発明特定事項m,n,o,pによれば、「有利区間中における指示機能作動遊技では、まず、スタートスイッチ41が操作されると、メイン制御基板50は、指示機能を作動させて、獲得数表示LED78に押し順指示情報を表示」するから、甲1発明では、本件訂正発明の発明特定事項Oと同様に、「前記有利操作態様を報知するゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記ナビ番号に対応する前記遊技補助表示器のセグメントを点灯状態とする」「ことで、前記遊技補助表示器に前記ナビ番号を表示させ」るといえる。
ここで、甲1発明の発明特定事項hによれば、甲1発明では「有利区間表示LED77を点灯させるための具体的処理として」、「デジット2を表示するためのセグメントデータは、RWM53に記憶されているので、そのセグメントデータの変更を行」うことや、技術常識を踏まえると、甲1発明において「獲得数表示LED78に押し順指示情報を表示」するときに、「押し順指示情報」に対応する「獲得数表示LED78」のセグメントを点灯状態とするセグメントデータを出力バッファに設定することは明らかである。
したがって、甲1発明の発明特定事項m,n,o,pは、本件訂正発明の発明特定事項Oに相当する構成を含む。
(13)本件訂正発明の発明特定事項Pについて
甲1発明の発明特定事項m,n,o,pによれば、「有利区間中における指示機能作動遊技では、」「遊技者がベットスイッチ40を操作するか、メダルを手入れ投入してメダルがベットされると、獲得数表示LED78に表示した獲得枚数の内容をクリアするため、」「上位桁及び下位桁を消灯」するから、上記(12)で検討したことを踏まえると、甲1発明では、本件訂正発明の発明特定事項Pと同様に、「前記有利操作態様を報知しないゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記出力バッファを初期化して、前記遊技補助表示器のセグメント全てを消灯状態と」するといえる。
したがって、甲1発明の発明特定事項m,n,o,pは、本件訂正発明の発明特定事項Pに相当する構成を含む。
(14)本件訂正発明の発明特定事項R及びSについて
ア 甲1発明の発明特定事項r及びsの「上限カウンタ」は、上記1(1)フ(【0580】)に示したとおり、「AT開始時に初期値「1500」がセットされ、毎遊技、「1」ずつ減算され」る「カウンタ」であるが、上記1(1)ヘ(【0632】)に示したとおり、「インクリメントでもデクリメントでもよい」「カウンタ」である。ここで、当該「上限カウンタ」を「インクリメント」の「カウンタ」とした場合は、当該「上限カウンタ」が、AT開始時に初期値「0」がセットされ、毎遊技、「1」ずつ加算される「カウンタ」となることは明らかである。
そして、当該「上限カウンタ」を「インクリメント」の「カウンタ」とした場合は、「毎遊技、「1」ずつ減算され」る「カウンタ」である場合と異なり、甲1発明の発明特定事項r及びsの「メイン制御基板50側における制御処理」が、「ステップS443では、上限カウンタ値が」「1500」「であるか否かを判断」し、「1500」「でないと判断したときは、ステップS444に進」むのに対し、「1500」「であると判断したとき(すなわち、有利区間の遊技回数が上限の「1500」に到達したとき)は、AT及び有利区間を終了するために、ステップS445以降の処理に進み、ステップS445では、ATカウンタ値をクリア(「0」に)し、ステップS446に進み、上限カウンタ値をクリア(「0」に)し、ステップS447に進み、有利区間フラグの値をクリア(「0」に)」するという処理になることも明らかである。
そうすると、当該「上限カウンタ」を「インクリメント」の「カウンタ」とした場合は、甲1発明の発明特定事項r及びsの「1500」、「ステップS444」、「ステップS447」は、それぞれ、本件訂正発明の発明特定事項R、Sの「上限値」、「特定処理」、「初期化処理」に相当する。
イ 甲1発明の発明特定事項kによれば、「有利区間制御手段69」が、「通常区間から有利区間に移行することに決定したときに、有利区間表示LED77を点灯するように、デジット2を表示するためのセグメントデータの8ビット目(当審注:「有利区間フラグ」発明特定事項h参照)を「0」から「1」に変更し」たときに、「メイン制御基板50」が、「9回の割込み処理で1回の割合で1つのデジットを点灯させ」るから、甲1発明の発明特定事項sにおける「メイン制御基板50側における制御処理」では、「有利区間フラグの値をクリア(「0」に)し」たときに、「メイン制御基板50」が、「9回の割込み処理で1回の割合で」「有利区間表示LED77」を消灯「させ」ることは明らかである。
そして、甲1発明において、発明特定事項r及びsの「メイン制御基板50側における制御処理」及び発明特定事項kの「割込み処理」を、発明特定事項cの「遊技の進行に必要なプログラムの実行、演算等を行」う「メイン制御基板50のメインCPU55」が行うことも明らかである。
そうすると、甲1発明の発明特定事項gの「メイン制御基板50のメインCPU55」は、本件訂正発明の発明特定事項Sの「初期化手段」に相当する。
ウ したがって、甲1発明の発明特定事項r及びsは、本件訂正発明の発明特定事項R及びSに相当する構成を含む。
(15)本件訂正発明の発明特定事項Tについて
甲1発明の発明特定事項tの「上乗せが行われることにより、有利区間の総遊技回数が「1500」を超え」た時点は、本件訂正発明の発明特定事項Tの「所定時点」に相当し、甲1発明の発明特定事項tの「上乗せが行われることにより、」「上限の1500回まで有利区間が継続することが確定する」ことは、本件訂正発明の発明特定事項Tの「前記付与手段に付与された権利により前記特定値が前記上限値に到達することが確定する」ことに相当する。
したがって、甲1発明の発明特定事項tは、本件訂正発明の発明特定事項Tと、「前記有利状態における所定時点において、前記付与手段に付与された権利により前記特定値が前記上限値に到達することが確定する場合、所定の制御を行う」点で共通する構成を含む。
(16)本件訂正発明の発明特定事項Uについて
甲1発明の発明特定事項uの「有利区間であるが非AT期間(たとえばCZ)」は、本件訂正発明の発明特定事項Uの「前記有利状態のうち第1有利状態」に相当する。そうすると、甲1発明では、本件訂正発明の発明特定事項Uと同様に、「前記有利状態のうち第1有利状態に制御可能であ」るといえる。
したがって、甲1発明の発明特定事項uは、本件訂正発明の発明特定事項Uと、「前記有利区間において前記有利状態のうち第1有利状態に制御可能であ」る点で共通する構成を含む。
(17)本件訂正発明の発明特定事項Vについて
甲1発明の発明特定事項hの「AT」は、本件訂正発明の発明特定事項Vの「前記有利状態のうち第2有利状態」にも相当する。
また、甲1発明の発明特定事項jの「ATカウンタ」は、本件訂正発明の発明特定事項Vの「第2有利状態カウンタ」に相当する。
また、甲1発明の発明特定事項jによれば、「AT開始時に、ATカウンタには「100」がセットされ、そして、毎遊技、「1」ずつ減算され」、「ATカウンタ」「が「0」となったときは、ATの終了条件を満た」すから、甲1発明では、本件訂正発明の発明特定事項Vと同様に、「前記有利区間において第2有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第2有利状態に制御可能であ」るといえる。
したがって、甲1発明の発明特定事項h、jは、本件訂正発明の発明特定事項Vに相当する構成を含む。
(18)本件訂正発明の発明特定事項Wについて
上記(16)及び(17)で検討したように、甲1発明の「有利区間であるが非AT期間(たとえばCZ)」、「AT」、「ATカウンタ」は、それぞれ、本件訂正発明の「前記有利状態のうち第1有利状態」、「前記有利状態のうち第2有利状態」、「第2有利状態カウンタ」に相当する。
また、甲1発明の発明特定事項sによれば、「メイン制御基板50側における制御処理のステップS443では、上限カウンタ値が「0」であるか否かを判断し、「0」であると判断したとき(すなわち、有利区間の遊技回数が上限の「1500」に到達したとき)は、AT及び有利区間を終了するために、ステップS445以降の処理に進み、ステップS445では、ATカウンタ値をクリア(「0」に)」するところ、このときには、「有利区間であるが非AT期間(たとえばCZ)」及び「AT」のいずれに制御されているかを判断していないから、甲1発明では、本件訂正発明の発明特定事項Wと同様に、「前記計数手段によって計数された前記特定値が前記上限値以上であるときは、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれに制御されているかに関わらず、」「前記第2有利状態カウンタ」「を初期化する」といえる。
したがって、甲1発明の発明特定事項sは、本件訂正発明の発明特定事項Wと、「前記計数手段によって計数された前記特定値が前記上限値以上であるときは、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれに制御されているかに関わらず、前記第2有利状態カウンタを初期化する」点で共通する構成を含む。
(19)一致点及び相違点
上記(1)ないし(18)からみて、本件訂正発明と甲1発明は、
「A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、B 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、C 遊技の制御を行う遊技制御手段と、D 演出の制御を行う演出制御手段と、続きを表示(全23行)E 前記遊技制御手段により制御される遊技補助表示器とを備え、F 前記遊技補助表示器は、複数のセグメントを有する2つの表示器から構成され、それぞれの表示器に数値を表示させることが可能であり、G 前記遊技制御手段は、H 通常区間と有利区間のいずれかに制御する区間制御手段と、I 前記有利区間であるときに遊技者にとって有利となる有利操作態様を報知可能な有利状態に制御する状態制御手段と、J 前記有利区間中に消化されたゲーム数に対応する特定値を計数する計数手段と、K 前記有利区間であるときに遊技制御側ランプを点灯させることで前記有利区間中である旨を示唆する遊技制御側示唆手段と、L 前記有利状態を継続するための権利を付与する付与手段とを含み、M 前記有利操作態様を特定可能なナビ番号を前記遊技補助表示器に表示させることが可能であり、N 遊技用価値が付与されたときに付与された遊技用価値の数を前記遊技補助表示器に表示させることが可能であり、O 前記有利操作態様を報知するゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記ナビ番号に対応する前記遊技補助表示器のセグメントを点灯状態とするナビ表示データを出力バッファに設定することで、前記遊技補助表示器に前記ナビ番号を表示させ、P 前記有利操作態様を報知しないゲームにおいては、前記可変表示部の変動表示を開始するときに前記出力バッファを初期化して、前記遊技補助表示器のセグメント全てを消灯状態とし、R 前記計数手段によって計数された前記特定値が上限値未満であるときは、前記有利状態に関わる特定処理を実行し、S 前記計数手段によって計数された前記特定値が前記上限値以上であるときは、前記特定処理を実行することなく、記憶部に記憶された前記有利状態に関わる情報を初期化する初期化処理を実行した後に、前記遊技制御側ランプを消灯させる消灯処理を実行する初期化手段を含み、U’ 前記有利区間において前記有利状態のうち第1有利状態に制御可能であり、V 前記有利区間において第2有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合に、前記有利状態のうち第2有利状態に制御可能であり、W’ 前記計数手段によって計数された前記特定値が前記上限値以上であるときは、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれに制御されているかに関わらず、前記第2有利状態カウンタを初期化する、スロットマシンであって、T’前記有利状態における所定時点において、前記付与手段に付与された権利により前記特定値が前記上限値に到達することが確定する場合、所定の制御を行う、X スロットマシン。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1](発明特定事項Q)
本件訂正発明は、「前記ナビ番号を表示させる場合に、前記2つの表示器のうち一方の表示器に前記ナビ番号を表示させ、前記付与された遊技用価値の数を表示させる場合に、前記2つの表示器のうち他方の表示器に前記付与された遊技用価値の数を表示させ」るのに対し、
甲1発明では、「有利区間中における指示機能作動遊技では、」「小役B1に当選した場合、獲得数表示LED78は、押し順指示番号「A1」に対応する押し順指示情報、すなわち「=1」と表示」するものであり、「9枚のメダルが払い出されると、獲得数表示LED78の表示は、押し順指示情報の表示「=1」から、9枚のメダルが払い出されたことを示す「09」に変化」する点。
[相違点2](発明特定事項T)
「所定時点」において、
本件訂正発明は、「特殊制御」を「遊技制御手段」が行うのに対し、
甲1発明は、「画像表示装置23」に表示された「有利区間」「の残り遊技回数の表示」を「「祝」や「おめでとう」」という表示に「切り替え」るための所定の制御を「メイン制御基板50」が行っているか否かが明らかでない点。
[相違点3](発明特定事項U)
「前記有利区間において前記有利状態のうち第1有利状態に制御可能であ」る場合が、
本件訂正発明では、「第1有利状態カウンタに1以上の値が設定されている場合」であるのに対し、
甲1発明では、どのような場合であるのか明らかでない点。
[相違点4](発明特定事項W)
「前記計数手段によって計数された前記特定値が前記上限値以上であるとき」(甲1発明の「上限カウンタ値が「0」であるか否かを判断し、「0」であると判断したとき(すなわち、有利区間の遊技回数が上限の「1500」に到達したとき)」)において、
本件訂正発明は、「前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれに制御されているかに関わらず、前記第1有利状態カウンタ及び前記第2有利状態カウンタの双方を初期化する」のに対し、
甲1発明は、「有利区間であるが非AT期間(たとえばCZ)」(第1有利状態)及び「AT」(第2有利状態)のいずれに制御されているかに関わらず、「ATカウンタ値をクリア(「0」に)」す」るものの、「非AT期間(たとえばCZ)」のカウンタを有するか否かが明らかでなく、これに加えて、「有利区間であるが非AT期間(たとえばCZ)」及び「AT」のいずれに制御されているかに関わらず、「非AT期間(たとえばCZ)」のカウンタを初期化することも明らかでない点。
(20)検討
事案に鑑み、上記相違点1について検討する。
ア 甲1発明の発明特定事項fによれば、甲1発明の「獲得数表示LED78」は、「上位桁を表示するデジット3と、下位桁を表示するデジット4とから構成されていて、2桁を表示」するものであるところ、甲1発明の発明特定事項m,n,o,pによれば、上記相違点1で示したように、「有利区間中における指示機能作動遊技では、」「小役B1に当選した場合、獲得数表示LED78は、押し順指示番号「A1」に対応する押し順指示情報、すなわち「=1」と表示」するから、甲1発明は、「押し順指示番号「A1」に対応する押し順指示情報」を「表示」させる場合に、「2桁を表示」する「獲得数表示LED78」のうち2つの表示器に「押し順指示番号「A1」に対応する押し順指示情報」を「表示」するものである。
また、甲1発明の発明特定事項m,n,o,pによれば、上記相違点1で示したように、甲1発明では、「9枚のメダルが払い出されると、獲得数表示LED78の表示は、押し順指示情報の表示「=1」から、9枚のメダルが払い出されたことを示す「09」に変化」するから、甲1発明は、「獲得数表示LED78の表示」により「9枚のメダルが払い出されたことを示す」場合に、「2桁を表示」する「獲得数表示LED78」のうち、2つの表示器に「09」を表示させるものである。
このように、甲1発明は、「押し順指示番号「A1」に対応する押し順指示情報」を「表示」させる場合(本件訂正発明の「前記ナビ番号を表示させる場合」に相当する。)、「獲得数表示LED78の表示」により「9枚のメダルが払い出されたことを示す」場合(本件訂正発明の「前記付与された遊技用価値の数を表示させる場合」に相当する。)のいずれにおいても、「獲得数表示LED78」が有する2つの表示器に「=1」や「09」を表示するものである。
イ 甲1発明の「獲得数表示LED78」は、「上位桁を表示するデジット3と、下位桁を表示するデジット4とから構成されてい」るから、桁ごとにデジットに表示させるものである。そうすると、「=1」や「09」という2桁の表示を、1つの表示器(「デジット3」又は「デジット4」)のみに表示することはできないし、ましてや、「=1」や「09」という2桁の表示を一方の表示器と他方の表示器とに異ならせることもできない。
したがって、甲1発明において、上記相違点1に係る本件発明の構成のようになすことは当業者が容易になし得たものであるとはいえない。
ウ よって、他の相違点である上記相違点2、3及び4について検討するまでもなく、本件訂正発明は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明することができたものではない。
第6 取消理由において通知しなかった特許異議申立人の申立ての理由について
特許異議申立人は、特許異議申立書において、取消理由において通知した理由の他に、本件訂正請求前の請求項1に係る発明は、甲1発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する旨主張したが、本件訂正請求前の請求項1に係る発明と甲1発明とは、上記第5の2で示した相違点2で少なくとも相違するから、当該主張を採用できないことは明らかである。
第7 むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した理由及び証拠方法によっては、本件特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-700903