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特許異議申立

2021-700781

遊技機

審判番号
2021-700781
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-023314外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
6827834
請求日
2021年08月06日
審決日
2022年04月13日
公報発行日
2022年07月29日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.113-YAA(A63F) / P1651.121-YAA(A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項第1号、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(XML)

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特許第6827834号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6827834号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 特許第6827834号の請求項1、2に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6827834号の請求項1、2に係る特許(以下、「本件特許1、2」という。)についての出願(以下、「本件特許出願」という。)は、平成29年2月10日に出願した特願2017-23314であって、令和3年1月22日にその特許権の設定登録がされ、同年2月10日に特許掲載公報が発行された。 その後、その特許に対し、同年8月6日に特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがなされ、当審において同年11月9日付けで取消理由を通知し、特許権者である株式会社三共は、その指定期間内である令和4年1月13日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)を行い、これに対して、申立人は、同年3月2日に意見書を提出した。 第2 本件訂正請求について 1 請求の趣旨 本件訂正請求の趣旨は、特許第6827834号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求める、というものである。 2 訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は、次のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示すために当審で付した。 (1)訂正事項1 願書に添付した特許請求の範囲の請求項1において、 「前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なる、遊技機。」と記載されているのを、 「前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、 前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高く、 前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である、遊技機。」に訂正する。 (2)訂正事項2 願書に添付した特許請求の範囲の請求項2において、 「前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、 前記示唆表示手段は、前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であり、 前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なる、請求項1に記載の遊技機。」と記載されているのを、 「遊技を行うことが可能な遊技機であって、 画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、 音を出力する音出力手段と、 第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、 前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、 前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、 前記示唆表示手段は、 前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、 前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、 前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、 前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、 前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、 前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、 前記示唆表示手段は、前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であり、 前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なる、遊技機。」に訂正する。 (3)訂正事項3 願書に添付した明細書の【0007】において、 「(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(たとえば、スロットマシン1)であって、 画像(たとえば、図11(c)に示す発展アイコン)を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段(たとえば、発展アイコンを表示する示唆表示を行うサブ制御部91)と、 音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ53,54)と、 第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段(たとえば、図11に示す、第1前兆演出および第2前兆演出を実行するサブ制御部91)と、を備え、 前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、 前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、 前記示唆表示手段は、 前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、 前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの演出中であっても、発展アイコンを表示する示唆表示を行うことが可能である)、 前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出においては液晶表示器51の中央よりも上部に発展アイコンが表示されるのに対して、第2前兆演出においては液晶表示器51の中央に発展アイコンが表示されるように示唆表示が実行される)、 前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの演出中であっても、発展アイコンを表示する示唆表示を行うときには、スピーカ53,54からアイコン表示音が出力される)、 前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なる。」と記載されているのを、 「(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(たとえば、スロットマシン1)であって、 画像(たとえば、図11(c)に示す発展アイコン)を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段(たとえば、発展アイコンを表示する示唆表示を行うサブ制御部91)と、 音を出力する音出力手段(たとえば、スピーカ53,54)と、 第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段(たとえば、図11に示す、第1前兆演出および第2前兆演出を実行するサブ制御部91)と、を備え、 前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、 前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、 前記示唆表示手段は、 前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、 前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの演出中であっても、発展アイコンを表示する示唆表示を行うことが可能である)、 前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出においては液晶表示器51の中央よりも上部に発展アイコンが表示されるのに対して、第2前兆演出においては液晶表示器51の中央に発展アイコンが表示されるように示唆表示が実行される)、 前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され(たとえば、図11(c)および(c’)に示すように、第1前兆演出および第2前兆演出のいずれの演出中であっても、発展アイコンを表示する示唆表示を行うときには、スピーカ53,54からアイコン表示音が出力される)、 前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、 前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高く、 前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である。」に訂正する。 (4)訂正事項4 願書に添付した明細書の【0008】において、 「このような構成によれば、第1演出および第2演出のいずれの演出においても示唆表示が実行され、かつ、いずれの演出においても示唆表示が実行されるときに同じ音が出力されるため、興趣の向上を図りつつ、示唆表示が実行されていることを分かりやすくすることができる。また、演出によって、示唆表示において表示される画像の位置が異なるため、遊技の興趣が向上する。 上記(1)に記載の遊技機において、 前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、 前記示唆表示手段は、前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であり、 前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なっていてもよい。」と記載されているのを、 「このような構成によれば、第1演出および第2演出のいずれの演出においても示唆表示が実行され、かつ、いずれの演出においても示唆表示が実行されるときに同じ音が出力されるため、興趣の向上を図りつつ、示唆表示が実行されていることを分かりやすくすることができる。また、演出によって、示唆表示において表示される画像の位置が異なるため、遊技の興趣が向上する。 遊技を行うことが可能な遊技機であって、 画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、 音を出力する音出力手段と、 第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、 前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、 前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、 前記示唆表示手段は、 前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、 前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、 前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、 前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、 前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、 前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、 前記示唆表示手段は、前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であり、 前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なっていてもよい。」に訂正する。 3 訂正の適否 (1)訂正事項1 ア 訂正の目的について 訂正事項1は、「前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高く、前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である」ことを限定することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであると認められる。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項1は、「前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高く、前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である」ことを限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 ウ 本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること (ア)訂正事項1のうち、「前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高」いとする訂正について、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)には、以下の記載がある。 「【0170】 サブ制御部91は、AT抽選時コマンドおよび内部当選コマンドに基づいて、ATおよびBBに当選したか否かを判断することができる。ATおよびBBのそれぞれに当選した場合と、BBのみに当選した場合と、ATだけに当選した場合と、ATおよびBBのいずれにも当選しなかった場合とで、異なる確率で前兆演出の実行に関する決定を行う。たとえば、ATおよびBBのそれぞれに当選した場合に、サブ制御部91は、10%の確率で前兆演出を実行しないことに決定し、70%の確率で第1前兆演出を実行することに決定し、20%の確率で第2前兆演出を実行することに決定する。」 「【0172】 また、ATおよびBBのいずれにも当選した場合は、いずれか一方にしか当選しなかった場合に比べて、第2前兆演出よりも第1前兆演出が実行される確率が高い。そのため、前兆演出が実行されるか否かということ以外にも、いずれの前兆演出が実行されるかにも遊技者の注目を集めることができる。」 これらの記載によれば、本件特許明細書には、ATおよびBB(訂正事項1により訂正される特許請求の範囲の請求項1の「前記特典」に対応する。)に関する期待度は、第1前兆演出(訂正事項1により訂正される特許請求の範囲の請求項1の「前記第1演出」に対応する。)の方が第2前兆演出(訂正事項1の「前記第2演出」に対応する。)よりも高いことが記載されているといえる。 (イ)訂正事項1のうち、「前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である」とする訂正について、本件特許明細書には、以下の記載がある。 「【0114】 図11(a)~(c)を用いて、第1前兆演出について詳細に説明する。第1前兆演出においては、……そして、第3停止したときに、宝箱が開いて、宝箱の中から、連続演出に移行することを示す発展アイコンが出てくるような画像が液晶表示器51に表示されるとともに、スピーカ53,54からアイコン表示音が出力される。 【0115】 次に、図11(a’)~(c’)を用いて、第2前兆演出について詳細に説明する。第2前兆演出においては、……そして、第3停止したときに、カーテンが全部開いて、カーテンで覆われていた連続演出に移行することを示す発展アイコンの全体が視認可能となるような画像が液晶表示器51に表示されるとともに、スピーカ53,54から第1前兆演出において発展アイコンが表示されるときに出力される音と同じアイコン表示音が出力される。……」 「【0127】 [示唆表示において表示されるアイコン(画像)] 示唆表示において表示されるアイコンを詳細に説明する。アイコンの一種である発展アイコンは、緑色の雲の中に発展という文字が描かれた画像である。つまり、発展アイコンは、発展という文字部分と、緑色の雲という形状と色彩とを結合させた意匠部分とから成る。……」 これらの記載によれば、本件特許明細書には、第1前兆演出が実行されるときに表示される発展アイコンの発展という文字(訂正事項1により訂正される特許請求の範囲の請求項1の「前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分」に対応する。)と、第2前兆演出が実行されるときに表示される発展アイコンの発展という文字(訂正事項1により訂正される特許請求の範囲の請求項1の「前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分に対応する。)とは、同一であることが記載されているといえる。 (ウ)以上のことから、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。 よって、訂正事項1は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的について 訂正事項2は、本件訂正前の請求項2の記載が本件訂正前の請求項1の記載を引用する形式であったものを、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へと書き改めるものである。 よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項2は、本件訂正前の請求項2の記載が本件訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式請求項に書き改めるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 ウ 本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項2は、本件訂正前の請求項2の記載が本件訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式請求項に書き改めるものであるから、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正である。 よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)訂正事項3 ア 訂正の目的について 訂正事項3は、訂正事項1に係る訂正により、本件特許明細書の【0007】の記載が特許請求の範囲の請求項1の記載と整合が取れなくなったことを是正することで、明瞭でない記載の釈明をしようとするものであると認められる。 よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項3は、訂正事項1に係る訂正により、本件特許明細書の【0007】の記載が特許請求の範囲の請求項1の記載と整合が取れなくなったことを是正するものであるから、訂正事項1と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 ウ 本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項3は、訂正事項1に係る訂正により、本件特許明細書の【0007】の記載が特許請求の範囲の請求項1の記載と整合が取れなくなったことを是正するものであるから、訂正事項1と同様に、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (4)訂正事項4 ア 訂正の目的について 訂正事項4は、訂正事項2に係る訂正により、本件特許明細書の【0008】の記載が特許請求の範囲の請求項2の記載と整合が取れなくなったことを是正することで、明瞭でない記載の釈明をしようとするものであると認められる。 よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項4は、訂正事項2に係る訂正により、本件特許明細書の【0008】の記載が特許請求の範囲の請求項2の記載と整合が取れなくなったことを是正するものであるから、訂正事項2と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 ウ 本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項4は、訂正事項2に係る訂正により、本件特許明細書の【0008】の記載が特許請求の範囲の請求項2の記載と整合が取れなくなったことを是正するものであるから、訂正事項2と同様に、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。 よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (5)一群の請求項 本件訂正請求による訂正前の請求項1、2について、請求項2は請求項1の記載を引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して請求項2が訂正されるものであるから、請求項1、2は一群の請求項である。 よって、本件訂正請求は、一群の請求項ごとに請求をするものであるから、特許法第120条の5第4項の規定に適合するものである。 (6)小括 上記(1)ないし(5)のとおり、本件訂正請求による訂正事項1ないし4は、特許法第120条の5第2項第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とし、同条第4項の規定に適合し、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件訂正請求に係る訂正を認める。 第3 本件訂正発明 上記第2のとおり、請求項1、2について本件訂正請求が認められるから、本件特許の請求項1、2に係る特許は本件訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項によりそれぞれ特定される次のとおりのものである(以下、本件特許の請求項1、2に係る発明をそれぞれ「本件訂正発明1」、「本件訂正発明2」という。)。なお、符号1A等は、分説するため当審が付した。分説された本件訂正発明の発明特定事項を、符号に基づき以下、「発明特定事項1A」等という。 「【請求項1】 1A 遊技を行うことが可能な遊技機であって、 1B 画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、 1C 音を出力する音出力手段と、 1D 第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、 1E 前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、 1F 前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、 1G 前記示唆表示手段は、 1G1 前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、 1G2 前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、 1G3 前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、 1H 前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、 1I 前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、 1O 前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高く、 1P 前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である、 1J 遊技機。 【請求項2】 2A 遊技を行うことが可能な遊技機であって、 2B 画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、 2C 音を出力する音出力手段と、 2D 第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、 2E 前記第1演出は、第1態様の表示態様で開始されて当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、 2F 前記第2演出は、第2態様の表示態様で開始されて当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、 2G 前記示唆表示手段は、 2G1 前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、 2G2 前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、 2G3 前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、 2H 前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、 2I 前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、 2K 前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、 2L 前記示唆表示手段は、前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であり、 2M 前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なる、 2J 遊技機。」 第4 特許異議の申立てについて 1 申立ての理由の概要 申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出し、本件特許に対し次の理由を申し立てている。 (1)理由1 本件訂正請求前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記録された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する。 よって、本件特許1は、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (2)理由2 本件訂正請求前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記録された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。 よって、本件特許1は、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。 (3)理由3 本件訂正請求前の請求項2に係る発明は、甲第1号証に記録された発明及び甲第2号証に開示された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。 よって、本件特許2は、特許法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。 <証拠方法> 甲第1号証:天下布武3激アツ&コミカル演出集 2016年9月8日 YouTube動画 URL https://www.youtube.com/watch?v=6X7g-nu89hU 甲第2号証:パチスロ必勝本2016年11月号 p28-p31、平成28年11月1日発行 2 取消理由の概要 請求項1に係る特許に対して令和3年11月9日付けで特許権者に通知した取消理由は、概略、次のとおりである。 (進歩性)本件訂正請求前の本件特許の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった上記甲1に開示された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 3 令和4年1月13日付け意見書(特許権者提出)の概要 特許権者は、令和4年1月13日付け意見書において、本件訂正発明1は、当審が通知した取消理由を有しないため、取り消されるべきものではない旨を主張している。 4 令和4年3月2日付け意見書(申立人提出)の概要 申立人は、令和4年3月2日付け意見書において、概ね次の主張をしている。 (1)本件訂正発明1は、申立人が既に提出した甲第1号証に記録された発明と、新たに提出する甲第3号証に記載された発明とに基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。 (2)本件訂正発明2は、甲第1号証に記録された発明及び甲第2号証に開示されている技術事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当する。 <追加証拠方法> 甲第3号証:パチスロ必勝本DX2016年12月号 p111、平成28年12月1日発行 なお、特許異議申立人が提出した「甲第1号証」、「甲第2号証」、「甲第3号証」を、以下、それぞれ、「甲1」、「甲2」、「甲3」という。 第5 取消理由において通知した請求項1に係る発明の進歩性について 1 甲1及び甲3 (1)甲1 取消理由に引用された甲1には、次の事項が開示されている。 ア 甲1動画の0:00~0:18の部分を再生すると、 回転するリールを停止させるスロットマシンである「天下布武3」が、ディスプレイを備えること が把握できる。 0:05 [図:0001386137000001.jpg] イ 甲1動画の0:18~2:00の部分を再生すると、 ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが画面中央に「真」という文字を含む画像を表示し、その後、ディスプレイが「真・天雅モード」を表示すること、及び、 「真」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および銀色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「真」という文字部分とを含んで構成されること が把握できる。 0:29 [図:0001386137000002.jpg] 0:30 [図:0001386137000003.jpg] 0:35 [図:0001386137000004.jpg] 0:41 [図:0001386137000005.jpg] ウ 甲1動画の1:26~1:36の部分を再生すると、 リールが回転すると、ディスプレイが「火遁」と表示される文字を表示し、その後、リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが「天雅20」と表示すること が把握できる。 1:26 [図:0001386137000006.jpg] 1:31 [図:0001386137000007.jpg] 1:32 [図:0001386137000008.jpg] 1:35 [図:0001386137000009.jpg] エ 甲1動画の2:01~2:15の部分を再生すると、 リールが回転すると、ディスプレイが「花吹雪の桃」と表示される文字を表示し、その後、リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが「天雅100」と表示すること が把握できる。 2:04 [図:0001386137000010.jpg] 2:09 [図:0001386137000011.jpg] 2:10 [図:0001386137000012.jpg] 2:12 [図:0001386137000013.jpg] オ 甲1動画の2:16~2:31の部分を再生すると、 リールが回転すると、ディスプレイが「雷撃の白」と表示される文字を表示し、その後、リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが「天雅300」と表示すること が把握できる。 2:19 [図:0001386137000014.jpg] 2:25 [図:0001386137000015.jpg] 2:26 [図:0001386137000016.jpg] 2:29 [図:0001386137000017.jpg] カ 甲1動画の2:31~2:53の部分を再生すると、 リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「熱」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「熱」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「熱」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが画面中央に「当」という文字を含む画像を表示し、その後、ディスプレイが「ボーナス確定」と表示すること、及び、 「当」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および金色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「当」という文字部分とを含んで構成されること が把握できる。 2:38 [図:0001386137000018.jpg] 2:39 [図:0001386137000019.jpg] 2:41 [図:0001386137000020.jpg] 2:51 [図:0001386137000021.jpg] キ 甲1動画の3:27~3:30の部分を再生すると、 ディスプレイが、忍者が巻物を掲げる映像を表示してから忍者が巻物を広げる映像を表示すること が把握できる。 3:27 [図:0001386137000022.jpg] 3:30 [図:0001386137000023.jpg] ク 甲1動画の3:30~3:33の部分を再生すると、 ディスプレイが、画面左寄りの巻物に「対決」という文字を含む画像を重ねて表示すること、及び、 ディスプレイが「対決」という文字を含む画像を表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間に、「レソミソラー」のような音階の音が出力されること が把握できる。 3:33 [図:0001386137000024.jpg] ケ 甲1動画の3:34~4:03の部分を再生すると、 リールが回転を始めた後から、ディスプレイが、「対決 家臣バトル」という文字を表示し、その後、二人の侍が戦い、一人が勝利する映像を表示すること が把握できる。 3:35 [図:0001386137000025.jpg] 3:51 [図:0001386137000026.jpg] 3:56 [図:0001386137000027.jpg] 4:02 [図:0001386137000028.jpg] コ 甲1動画の4:26~4:29の部分を再生すると、 ディスプレイが、武士のキャラクタが登場する映像を表示してから武士のキャラクタが天井に刀を刺す映像を表示すること が把握できる。 4:27 [図:0001386137000029.jpg] 4:29 [図:0001386137000030.jpg] サ 甲1動画の4:29~4:31の部分を再生すると、 ディスプレイが、刀が刺された天井の映像を表示するとともに、画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示すること、及び、 ディスプレイが「戦」という文字を含む画像を表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間に、「レソミソラ」のような音階の音が出力されること が把握できる。 4:30 [図:0001386137000031.jpg] シ 甲1動画の4:31~5:02の部分を再生すると、 リールが回転を始めた後から、ディスプレイが、「合戦 敵武将に勝利せよ!」という文字を表示し、その後、織田軍と明智軍とが戦い、織田軍が勝利する映像を表示すること が把握できる。 4:33 [図:0001386137000032.jpg] 4:33 [図:0001386137000033.jpg] 4:34 [図:0001386137000034.jpg] 4:36 [図:0001386137000035.jpg] 5:01 [図:0001386137000036.jpg] 以上のことから、甲1によれば、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が電気通信回線を利用して利用可能となったと認められる。なお、符号ア等を当審で付与し、甲1動画の再生開始からの経過時間を併記した。 「ア 回転するリールを停止させるスロットマシンである「天下布武3」であって(0:00~0:18)、 イ1 忍者が巻物を掲げる映像を表示してから忍者が巻物を広げる映像を表示し(3:27~3:30)、その後、画面左寄りの巻物に「対決」という文字を含む画像を重ねて表示し(3:30~3:33)、その後、リールが回転を始めた後から、「対決 家臣バトル」という文字を表示し、その後、二人の侍が戦い、一人が勝利する映像を表示し(3:34~4:03)、 イ2 武士のキャラクタが登場する映像を表示してから武士のキャラクタが天井に刀を刺す映像を表示し(4:26~4:29)、その後、刀が刺された天井の映像を表示するとともに、画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示し(4:29~4:31)、その後、リールが回転を始めた後から、「合戦 敵武将に勝利せよ!」という文字を表示し、その後、織田軍と明智軍とが戦い、織田軍が勝利する映像を表示する(4:31~5:02) イ3 ディスプレイを備え(0:00~0:18)、 ウ1 ディスプレイが「対決」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間に、「レソミソラー」のような音階の音が出力され(3:30~3:33)、 ウ2 ディスプレイが「戦」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間に、「レソミソラ」のような音階の音が出力され(4:29~4:31)、 オ ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが画面中央に「真」という文字を含む画像を表示し、その後、ディスプレイが「真・天雅モード」を表示し(0:18~2:00)、 「真」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および銀色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「真」という文字部分とを含んで構成され(0:18~2:00)、 カ リールが回転すると、ディスプレイが「火遁」と表示される文字を表示し、その後、リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが「天雅20」と表示し(1:26~1:36)、 キ リールが回転すると、ディスプレイが「花吹雪の桃」と表示される文字を表示し、その後、リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが「天雅100」と表示し(2:01~2:15)、 ク リールが回転すると、ディスプレイが「雷撃の白」と表示される文字を表示し、その後、リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「怪」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「怪」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「怪」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが「天雅300」と表示し(2:16~2:31)、 ケ リールが停止すると、ディスプレイが画面中央に「熱」という文字を含む画像を表示するとともに、ボタンが「熱」という文字を含む画像を表示し、その後、遊技者が「熱」という文字を含む画像を表示しているボタンを操作すると、ディスプレイが画面中央に「当」という文字を含む画像を表示し、その後、ディスプレイが「ボーナス確定」と表示し(2:31~2:53)、 「当」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および金色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「当」という文字部分とを含んで構成される(2:31~2:53) エ スロットマシンである「天下布武3」(0:00~0:18)。」 (2)甲3 申立人が令和4年3月2日付け意見書において追加証拠方法として提出し、本件特許出願前に頒布された甲3には、次の事項が記載されている。 ア 甲3の第110頁には、スロットマシンである「天下布武3」が記載されている。 [図:0001386137000037.jpg] イ 甲3の第111頁左列における「真・天雅モード中の演出について」の「真・天雅モード中の忍術別 上乗せゲーム数期待度」という表を見ると、 演出が「火遁」であるときに、10Gとなる度合いが16.1%、20Gとなる度合いが70.1%、30Gとなる度合いが11.5%、50Gとなる度合いが2.1%、100Gとなる度合いが0.2%であること が把握できる。 そして、上記のことに基づき、10G×(16.1/100%)+20G×(70.1/100%)+30G×(11.5/100%)+50G×(2.1/100%)+100G×(0.2/100%)を計算すると、 演出が「火遁」であるときに、上乗せゲーム数期待度が約20.3Gであること も把握できる。 [図:0001386137000038.jpg] ウ 甲3の第111頁左列における「真・天雅モード中の演出について」の「大量上乗せに期待できる特殊忍術アリ!」という欄を見ると、 演出が「花吹雪の桃」であるときに、上乗せゲーム数期待度が50G以上であり、演出が「雷撃の白」であるときに、上乗せゲーム数期待度が100G以上であること が把握できる。 [図:0001386137000039.jpg] エ 以上のことから、甲3には、次の技術事項(以下、「甲3の技術事項」という。)が記載されていたと認められる。なお、符号ア等を当審で付与し、甲3の記載位置を併記した。 「ア1 演出が「火遁」であるときに、10Gとなる度合いが16.1%、20Gとなる度合いが70.1%、30Gとなる度合いが11.5%、50Gとなる度合いが2.1%、100Gとなる度合いが0.2%であり(第111頁左列)、 ア2 演出が「火遁」であるときに、上乗せゲーム数期待度が約20.3Gであり(第111頁左列)、 イ 演出が「花吹雪の桃」であるときに、上乗せゲーム数期待度が50G以上であり、演出が「雷撃の白」であるときに、上乗せゲーム数期待度が100G以上である(第111頁左列) ウ スロットマシンである「天下布武3」(第110頁)。」 3 対比 本件訂正発明1と甲1発明とを対比する。なお、本件訂正発明1の発明特定事項1A等に対応させて、見出し(a)等を付与した。 (a)甲1発明の「回転するリールを停止させるスロットマシンである「天下布武3」」が「回転するリールを停止させる」ことによって「遊技を行うことが可能」であることは、技術常識から明らかである。したがって、甲1発明の「回転するリールを停止させるスロットマシンである「天下布武3」」は、本件訂正発明1の「遊技を行うことが可能な遊技機」に相当する。 よって、甲1発明の発明特定事項アは、本件訂正発明1の発明特定事項1Aに相当する構成を含む。 (b)甲1発明の「「対決」という文字を含む画像」及び「「戦」という文字を含む画像」は、いずれも、本件訂正発明1の「画像」に相当する。 また、甲1発明では、「ディスプレイ」が「画面左寄りの巻物に「対決」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めた後から、「対決 家臣バトル」という文字を表示し、その後、二人の侍が戦い、一人が勝利する映像を表示」するから、甲1発明において「ディスプレイ」が「「対決」という文字を含む画像」を表示することは、「二人の侍が戦い、一人が勝利する映像」(以下、「家臣バトルの映像」という。)が表示されることに関する「示唆表示を実行する」ことであると認められる。さらに、甲1発明では、「ディスプレイ」が「画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めた後から、「合戦 敵武将に勝利せよ!」という文字を表示し、その後、織田軍と明智軍とが戦い、織田軍が勝利する映像を表示する」から、甲1発明において「ディスプレイ」が「「戦」という文字を含む画像」を表示することは、「織田軍と明智軍とが戦い、織田軍が勝利する映像」(以下、「合戦の映像」という。)が表示されることに関する「示唆表示を実行する」ことであると認められる。そうすると、「「対決」という文字を含む画像」及び「「戦」という文字を含む画像」を表示する甲1発明の「ディスプレイ」は、「画像を表示することで示唆表示を実行する示唆表示手段」であるといえる。 よって、甲1発明の発明特定事項イ1、イ2、イ3は、本件訂正発明1の発明特定事項1Bと、「画像を表示することで示唆表示を実行する示唆表示手段」である点で共通する。 (c)甲1発明は、「音が出力される」ものであるところ、そのために「音を出力する音出力手段」を備えることは、技術常識から明らかである。 よって、甲1発明の発明特定事項ウ1、ウ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1Cに相当する構成を含む。 (d)甲1発明の発明特定事項イ1における「忍者が巻物を掲げる映像を表示してから忍者が巻物を広げる映像を表示し、その後、画面左寄りの巻物に「対決」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めた後から、「対決 家臣バトル」という文字を表示し、その後、二人の侍が戦い、一人が勝利する映像を表示」すること(以下、「第一の演出」という。)は、本件訂正発明1の「第1演出」に相当する。そして、甲1発明が「第一の演出」を「実行可能」であることは、明らかである。 また、甲1発明の発明特定事項イ2における「武士のキャラクタが登場する映像を表示してから武士のキャラクタが天井に刀を刺す映像を表示し、その後、刀が刺された天井の映像を表示するとともに、画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めた後から、「合戦 敵武将に勝利せよ!」という文字を表示し、その後、織田軍と明智軍とが戦い、織田軍が勝利する映像を表示する」こと(以下、「第二の演出」という。)は、本件訂正発明1の「第2演出」に相当する。そして、甲1発明が「第二の演出」を「実行可能」であることは、明らかである。 また、甲1発明は、本件訂正発明1の「第1演出」及び「第2演出」を「実行」することが可能であるところ、そのために「演出実行手段」を備えることは、技術常識から明らかである。 よって、甲1発明の発明特定事項イ1、イ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1Dに相当する構成を含む。 (e)甲1発明の「忍者が巻物を掲げる映像」は、本件訂正発明1の「第1態様」に相当する。 また、甲1発明の「第一の演出」は、上記(d)で述べたように、本件訂正発明1の「第1演出」に相当する。ここで、甲1発明の「第一の演出」では、「忍者が巻物を掲げる映像を表示してから忍者が巻物を広げる映像を表示」するから、「忍者が巻物を掲げる映像」に「関連した展開で進む」ものといえる。 よって、甲1発明の発明特定事項イ1は、本件訂正発明1の発明特定事項1Eと、「第1演出は、」「第1態様に関連した展開で進む演出」である点で共通する。 (f)甲1発明の「武士のキャラクタが登場する映像」は、本件訂正発明1の「第2態様」に相当する。 また、甲1発明の「第二の演出」は、上記(d)で述べたように、本件訂正発明1の「第2演出」に相当する。ここで、甲1発明の「第二の演出」では、「武士のキャラクタが登場する映像を表示してから武士のキャラクタが天井に刀を刺す映像を表示し、その後、刀が刺された天井の映像を表示する」から、すなわち、武士のキャラクタが登場する映像を表示し、武士のキャラクタが天井に刀を刺す映像を表示し、武士のキャラクタが刀を刺した天井の映像を表示するから、武士のキャラクタに関連した展開で進むものである。したがって、甲1発明の「第二の演出」は、「武士のキャラクタが登場する映像」に「関連した展開で進む」ものといえる。 よって、甲1発明の発明特定事項イ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1Fと、「第2演出は、」「第2態様に関連した展開で進む演出」である点で共通する。 (g1)甲1発明の「第一の演出」、「忍者が巻物を掲げる映像」及び「「対決」という文字を含む画像」は、上記(d)、(e)、(b)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第1演出」、「第1態様」及び「画像」に相当する。 また、上記(e)で述べたことから、「忍者が巻物を広げる映像」は、「忍者が巻物を掲げる映像」に「関連した展開」であるところ、甲1発明の「第一の演出」では、「忍者が巻物を掲げる映像を表示してから忍者が巻物を広げる映像を表示し、その後、画面左寄りの巻物に「対決」という文字を含む画像を重ねて表示」するから、甲1発明は、「第1演出中の第1態様に関連した展開で画像を表示」するといえる。 よって、甲1発明の発明特定事項イ1は、本件訂正発明1の発明特定事項1G1に相当する構成を含む。 (g2)甲1発明の「第二の演出」、「武士のキャラクタが登場する映像」及び「「戦」という文字を含む画像」は、上記(d)、(f)、(b)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第2演出」、「第2態様」及び「画像」に相当する。 また、上記(f)で述べたことから、「刀が刺された天井の映像」は、「武士のキャラクタが登場する映像」に「関連した展開」であるところ、甲1発明の「第二の演出」では、「刀が刺された天井の映像を表示するとともに、画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示」するから、甲1発明は、「前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示」するといえる。 よって、甲1発明の発明特定事項イ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1G2に相当する構成を含む。 (g3)甲1発明の「「対決」という文字を含む画像」及び「「戦」という文字を含む画像」は、上記(b)で述べたように、いずれも、本件訂正発明1の「画像」に相当する。 また、甲1発明の「第一の演出」及び「第二の演出」は、上記(d)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第1演出」及び「第2演出」に相当する。 ここで、甲1発明は、「第一の演出」では「画面左寄りの巻物に「「対決」という文字を含む画像を重ねて表示」し、「第二の演出」では「画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示」するから、「前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示」するといえる。 よって、甲1発明の発明特定事項イ1、イ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1G3に相当する構成を含む。 (h)甲1発明の「「対決」という文字を含む画像」は、上記(b)で述べたように、本件訂正発明1の「画像」に相当する。また、甲1発明の「第一の演出」は、上記(d)で述べたように、本件訂正発明1の「第1演出」に相当する。さらに、甲1発明の「ディスプレイが「対決」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間」は、「第一の演出」中に「「対決」という文字を含む画像」が表示されるときであるといえるから、甲1発明の「ディスプレイが「対決」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間」は、本件訂正発明1の「前記第1演出中に前記画像が表示されるとき」に相当する。 また、甲1発明では、「第一の演出」中に出力される「「レソミソラー」のような音階の音」は、「リールが回転を始めるまで」に「出力され」る一方、家臣バトルの映像は、「リールが回転を始めた後から」表示される(甲1発明の発明特定事項イ1参照。)。したがって、「「レソミソラー」のような音階の音」は、上記(b)で述べた「「対決」という文字を含む画像」と同様に、家臣バトルの映像が表示されることに関する「示唆表示」であると認められる。そうすると、甲1発明の「「レソミソラー」のような音階の音」は、本件訂正発明1の「示唆表示音」に相当する。 また、甲1発明の「「戦」という文字を含む画像」は、上記(b)で述べたように、本件訂正発明1の「画像」に相当する。また、甲1発明の「第二の演出」は、上記(d)で述べたように、本件訂正発明1の「「第2演出」に相当する。さらに、甲1発明の「ディスプレイが「戦」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間」は、「第二の演出」中に「「戦」という文字を含む画像」が表示されるときであるといえるから、甲1発明の「ディスプレイが「戦」という文字を含む画像を重ねて表示し、その後、リールが回転を始めるまでの間」は、本件訂正発明1の「前記第2演出中に前記画像が表示されるとき」に相当する。 また、甲1発明では、「第二の演出」中に出力される「「レソミソラ」のような音階の音」は、「リールが回転を始めるまで」に「出力される」一方、合戦バトルの映像は、「リールが回転を始めた後から」表示される(甲1発明の発明特定事項イ2参照。)。したがって、「「レソミソラ」のような音階の音」は、上記(b)で述べた「「戦」という文字を含む画像」と同様に、合戦バトルの映像が表示されることに関する「示唆表示」であると認められる。そうすると、甲1発明の「「レソミソラ」のような音階の音」は、本件訂正発明1の「示唆表示音」に相当する。 以上のことから、甲1発明では、「第一の演出」中に「画像が表示されるとき」に「出力され」る「音」は、「「レソミソラー」のような音階の音」であるといえる。また、甲1発明では、「第二の演出」中に「画像が表示されるとき」に「出力され」る「音」は、「「レソミソラ」のような音階の音」であるといえる。 ここで、本件特許明細書の【0196】には、「本実施形態において、音が共通するとは、少なくとも音色および音の高さが同じであればよく、音量を変えるようにしてもよい。」と記載されている。そうすると、甲1発明において、「第一の演出」中に「画像が表示するとき」に「出力され」る「「レソミソラー」のような音階の音」と、「第二の演出」中に「画像が表示するとき」に「出力され」る「「レソミソラ」のような音階の音」とは、「同じ示唆表示音」であるといえる。 よって、甲1発明の発明特定事項ウ1、ウ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1Hに相当する構成を含む。 (i)甲1発明の「第一の演出」及び「「対決」という文字を含む画像」は、上記(d)、(b)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第1演出」及び「画像」に相当する。 そして、甲1発明の「第一の演出」では、「画面左寄りの巻物に「対決」という文字を含む画像を重ねて表示」するときに、「忍者が巻物を広げる映像を表示」しているところ、上記(d)、(g1)で述べたことを踏まえると、甲1発明における「「対決」という文字を含む画像」が表示されるときに演出実行手段によって実行される「第一の演出」の「忍者が巻物を広げる映像を表示」するという表示態様は、本件訂正発明1と同様に、「前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様」であるといえる。 また、甲1発明の「第二の演出」及び「「戦」という文字を含む画像」は、上記(d)、(b)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第2演出」及び「画像」に相当する。 そして、甲1発明の「第二の演出」では、「画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示」するときに、「刀が刺された天井の映像を表示」しているところ、上記(d)、(g2)で述べたことを踏まえると、甲1発明における「「戦」という文字を含む画像」が表示されるときに実行される「第二の演出」の「画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示」するという表示態様は、本件訂正発明1と同様に、「前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様」であるといえる。 ここで、甲1発明における「第一の演出」の表示態様は、「忍者が巻物を広げる映像を表示」するものであり、「第二の演出」の表示態様は、「画面中央に「戦」という文字を含む画像を重ねて表示」するものであるから、甲1発明では、本件訂正発明1と同様に、「前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様」が「前記第1演出と前記第2演出とで異なる」といえる。 よって、甲1発明の発明特定事項イ1、イ2は、本件訂正発明1の発明特定事項1Iに相当する構成を含む。 (p)甲1発明の「第一の演出」及び「「対決」という文字を含む画像」は、上記(d)、(b)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第1演出」及び「画像」に相当する。また、甲1発明の「「対決」という文字」は、本件訂正発明1の「前記画像の文字部分」に相当する。 また、甲1発明の「第二の演出」及び「「戦」という文字を含む画像」は、上記(d)、(b)で述べたように、それぞれ、本件訂正発明1の「第2演出」及び「画像」に相当する。また、甲1発明の「「戦」という文字」は、本件訂正発明1の「前記画像の文字部分」に相当する。 以上のことから、甲1発明の「第一の演出」が実行されるときに「表示」される「「対決」という文字」は、本件訂正発明1の「前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分」に相当する。また、甲1発明の「第二の演出」が実行されるときに「表示」される「「戦」という文字」は、本件訂正発明1の「前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分」に相当する。 (j)甲1発明の「スロットマシンである「天下布武3」」は、上記(a)で述べたように、本件訂正発明1の「遊技機」に相当する。 よって、甲1発明の発明特定事項jは、本件訂正発明1の発明特定事項1Jに相当する構成を含む。 上記(a)ないし(j)からみて、本件訂正発明1と甲1発明とは、 「1A 遊技を行うことが可能な遊技機であって、 1B’ 画像を表示することで示唆表示を実行する示唆表示手段と、 1C 音を出力する音出力手段と、 1D 第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、 1E’ 前記第1演出は、当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、 1F’ 前記第2演出は、当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、 1G 前記示唆表示手段は、 1G1 前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、 1G2 前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、 1G3 前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、 1H 前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、 1I 前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なる、 1J 遊技機。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 ・[相違点1](発明特定事項1B) 本件訂正発明1の「示唆表示手段」と、甲1発明の「ディスプレイ」とは、「画像を表示することで示唆表示を実行する」点で共通するものの、「画像を表示することで」「実行する」「示唆表示」が、 本件訂正発明1では、「特典に関する」ものであるのに対し、 甲1発明では、「家臣バトルの映像」又は「合戦の映像」に関するものである点。 ・[相違点2](発明特定事項1E) 本件訂正発明1の「第1演出」と、甲1発明の「第一の演出」とは、「第1態様に関連した展開で進む演出」である点で共通するものの、 本件訂正発明1では、「第1演出」が「第1態様の表示態様で開始され」るのに対し、 甲1発明では、「第一の演出」(第1演出)が「忍者が巻物を掲げる映像」(第1態様)の表示態様で開始されるか否かが明らかでない点。 ・[相違点3](発明特定事項1F) 本件訂正発明1の「第2演出」と、甲1発明の「第二の演出」とは、「第2態様に関連した展開で進む演出」である点で共通するものの、 本件訂正発明1では、「第2演出」が「第2態様の表示態様で開始され」るのに対し、 甲1発明では、「第二の演出」(第2演出)が「武士のキャラクタが登場する映像」(第2態様)の表示態様で開始されるか否かが明らかでない点。 ・[相違点4](発明特定事項1O) 上記相違点1で述べたように、「示唆表示」が、本件訂正発明1では「特典に関する」ものであるのに対し、甲1発明では、「家臣バトルの映像」又は「合戦の映像」に関するものであることに加え、 本件訂正発明1では、「前記特典に関する期待度は、前記第1演出の方が前記第2演出よりも高」いのに対し、 甲1発明では、「家臣バトルの映像」に関する期待度の方が、「合戦の映像」に関する期待度よりも高いか否かが明らかでない点。 ・[相違点5](発明特定事項1P) 本件訂正発明1では、「前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分と、前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分とは、同一である」のに対し、 甲1発明では、「第一の演出」(第1演出)が実行されるときに「表示」される「「対決」という文字」と、「第二の演出」(第2演出)が実行されるときに「表示」される「「戦」という文字」とは、同一でない点。 4 判断 (1)事案に鑑み、相違点5について検討する。 上記2(2)エで示した甲3の技術事項を見ても、甲1発明の「「対決」という文字」と「「戦」という文字」とを同一にするような技術事項は見いだせない。 また、上記3(b)で述べたように、甲1発明の「「対決」という文字」は、「二人の侍が戦い、一人が勝利する映像」(家臣バトルの映像)に関するものであり、甲1発明の「「戦」という文字」は、「織田軍と明智軍とが戦い、織田軍が勝利する映像」(「合戦の映像」)に関するものである。すなわち、甲1発明の「「対決」という文字」と「「戦」という文字」とは、異なる映像に関するものである。したがって、甲1発明の「「対決」という文字」と「「戦」という文字」とを同一にすることには、阻害要因があるといえる。 これらのことから、甲1発明において相違点5に係る本件訂正発明1の発明特定事項1Pのようになすことは、当業者が甲3の技術事項に基づいて容易になし得たとはいえない。 (2)申立人は、令和4年3月2日付け意見書において、 甲1の「花吹雪の桃」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分及び「雷撃の白」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分が本件訂正発明1の「前記第1演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分」に相当すること、及び、甲1の「火遁」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分が本件訂正発明1の「前記第2演出が実行されるときに表示される前記画像の文字部分」に相当するとした上で、 甲1において、「花吹雪の桃」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分及び「雷撃の白」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分と、「火遁」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分とが同一であるから、甲1に本件訂正発明1の発明特定事項1Pが記録されていることを主張する。 しかしながら、甲1の「怪」という文字部分は、いずれも、本件訂正発明1の発明特定事項1Bで特定される「特典に関する示唆表示を実行する」「画像」ではない。また、甲1の「花吹雪の桃」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分及び「雷撃の白」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分と、「火遁」が実行されるときに表示される画像の「怪」という文字部分とが表示される位置は、本件訂正発明1の発明特定事項1G3で特定される「前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示」されるものではない。したがって、甲1の「怪」という文字部分は、いずれも、本件訂正発明1の発明特定事項1Pにおける「前記画像」に相当するとは認められない。よって、甲1に本件訂正発明1の発明特定事項1Pが記録されていることも認められない。 (3)以上のとおり、本件訂正発明1の発明特定事項1Pが進歩性を有することから、他の相違点について検討するまでもなく、本件訂正発明1は甲1発明及び甲3の技術事項に基づいて当業者が容易に発明することができたとは認められない。 第6 取消理由において通知しなかった申立人の申立ての理由について 申立人は、特許異議申立書において、取消理由において通知した理由の他に、本件訂正請求前の請求項1に係る発明は、甲1に記録された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する旨主張したが、本件訂正請求前の請求項1に係る発明と甲1発明とは、上記第5の3で示した相違点1ないし相違点3で相違するから、当該主張を採用できないことは明らかである。 しかしながら、申立人は、特許異議申立書において、取消理由において通知した理由の他に、本件訂正請求前の請求項2に係る発明は、甲1に記録された発明及び甲2に開示されている技術事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、同法第29条第1項第3号の規定に該当する旨主張し、意見書において、本件訂正発明2は、甲1に記録された発明及び甲2に開示されている技術事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、同法第29条第2項の規定に該当する旨主張しているので、この主張について以下検討する。 1 甲2 本件特許出願前に頒布された甲2には、次の事項が記載されている。 ア 甲2の第28頁には、スロットマシンである「天下布武3」が記載されている。 [図:0001386137000040.jpg] イ 甲2の第28頁における「基本的なARTまでの流れ」という図表を見ると、 通常時から、大半は天下ボーナスであるボーナス、または、布武チャレンジ(CZ)に進むことがあり、ボーナスまたは布武チャレンジ(CZ)から、基本仕様が「約+1.7枚/G」のARTに進むことがあること が把握できる。 [図:0001386137000041.jpg] ウ 甲2の第28頁における「真・天雅の上乗せポテンシャルも発覚!」の「ボーナス&小役払い出し構成」という表を見ると、 天下ボーナスは、200枚獲得できること が把握できる。 [図:0001386137000042.jpg] エ 甲2の第31頁における「ARTフロー」の「真・天雅」という図表を見ると、 真・天雅モードでは、1回あたりの平均上乗せゲーム数が60Gであること が把握できる。 [図:0001386137000043.jpg] オ 上記イ及びエから、 真・天雅モードで平均的に上乗せされるゲームは、約100枚獲得できること が認定できる。 オ 以上のことから、甲2には、次の技術事項(以下、「甲2の技術事項」という。)が記載されていたと認められる。なお、符号ア等を当審で付与し、甲2の記載位置を併記した。 「ア 通常時から、大半は天下ボーナスであるボーナス、または、布武チャレンジ(CZ)に進むことがあり、ボーナスまたは布武チャレンジ(CZ)から、基本仕様が「約+1.7枚/G」のARTに進むことがあり(第28頁)、 イ 天下ボーナスは、200枚獲得でき(第28頁)、 ウ 真・天雅モードでは、1回あたりの平均上乗せゲーム数が60Gであり(第28頁)、 エ 真・天雅モードで平均的に上乗せされるゲームは、約100枚獲得できる(第28頁) オ スロットマシンである「天下布武3」(第28頁)。」 2 申立人の主張 申立人は、特許異議申立書の第46頁や第48頁において、申立人が主張する甲1’発明における「真・天雅モード」及び「天下ボーナス」は、それぞれ本件特許発明2の「特典」に相当し、 甲1’発明における「「真」という文字を含む文字画像を表示する第1示唆表示」は、「真・天雅モード」に関する表示であり、甲1’発明における「「当」という文字を含む文字画像を表示する第1示唆表示」は、「天下ボーナス」に関する表示であるから、それぞれ「特典に関する表示」であるところ、 甲1’発明における「第1示唆表示」及び甲1’発明における「第2示唆表示」は、「特典に関する表示」であるものの、「特典に対する期待度が互いに異なる表示」であるか否かが不明である点で、本件特許発明2と甲1'発明とは相違するが(相違点)、 甲2には、「真・天雅モード」に移行すると「少なくとも約119枚の獲得が期待できる」こと、及び、「天下ボーナス」では「200枚の獲得が期待できる」こと、すなわち、特典に対する期待度が互いに異なることが開示されているから、 甲1’発明に甲2に開示の技術事項を適用し、上記相違点に係る構成とすることは当業者が容易に想到し得たものであると主張する。 3 対比・判断 (1)本件訂正発明2と甲1発明とを対比する。 (a、c~i、j)本件訂正発明2の発明特定事項2A、2Cないし2I及び2Jは、本件訂正発明1の発明特定事項1A、2Cないし1I及び1Jと同じである。したがって、本件訂正発明2と甲1発明との対比のうち、本件訂正発明2の発明特定事項2A、2Cないし2I及び2Jに関する対比は、上記第5の3で示したとおりである。 (b)上記第5の3(b)で述べたように、甲1発明における「「対決」という文字を含む画像」及び「「戦」という文字を含む画像」を表示する甲1発明の「ディスプレイ」は、「画像を表示することで示唆表示を実行する示唆表示手段」であるといえる。 また、甲1発明の「家臣バトルの映像」及び「合戦の映像」は、いずれも勝利という結果を有するバトル演出であると認められるところ、バトル演出の結果が勝利であるときに特典が付与されることは技術常識である。そうすると、甲1発明の「家臣バトルの映像」及び「合戦の映像」は、「特典に関する」ものといえる。そして、「家臣バトルの映像」に関する「示唆表示」である「「対決」という文字を含む画像」、及び、「合戦の映像」に関する「示唆表示」である「「戦」という文字を含む画像」は、「特典に関する示唆表示」であるといえる。 これに加えて、甲1発明の「「真」という文字を含む画像」及び「「当」という文字を含む画像」も、いずれも、本件訂正発明2の「画像」に相当する。 また、技術常識を踏まえると、甲1発明の「真・天雅モード」及び「ボーナス」も、いずれも、本件訂正発明2の発明特定事項2Bにおける「特典」に相当するといえる。 また、甲1発明は、「ディスプレイが画面中央に「真」という文字を含む画像を表示」すると、「その後、ディスプレイが「真・天雅モード」を表示」するものであり、「ディスプレイが画面中央に「当」という文字を含む画像を表示」すると、「その後、ディスプレイが「ボーナス確定」と表示」するものであるから、甲1発明の「「真」という文字を含む画像を表示」すること、及び、「「当」という文字を含む画像を表示」することは、それぞれ、「真・天雅モード」及び「ボーナス」を示唆することである。そうすると、甲1発明の「「真」という文字を含む画像を表示」すること、及び、「「当」という文字を含む画像を表示」することは、いずれも、本件訂正発明2の発明特定事項2Bにおける「示唆演出手段」が「画像を表示することで」「実行する」「特典に関する示唆表示」に相当するといえる。 よって、甲1発明の発明特定事項イ1、イ2、イ3、オ、ケは、本件訂正発明2の発明特定事項2Bに相当する構成を含む。 (k)上記(b)で述べたように、甲1発明における「「真」という文字を含む画像」及び「「当」という文字を含む画像」は、いずれも、本件訂正発明2の「前記示唆表示手段が表示する画像」に相当する。 また、甲1発明では、「「真」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および銀色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「真」という文字部分とを含んで構成され」、「「当」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および金色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「当」という文字部分とを含んで構成される」から、甲1発明における「「真」という文字を含む画像」及び「「当」という文字を含む画像」は、いずれも、「色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され」るといえる。 よって、甲1発明の発明特定事項オ、ケは、本件訂正発明2の発明特定事項2Kに相当する構成を含む。 (l)上記(b)で述べたように、甲1発明の「真・天雅モード」及び「ボーナス」は、本件訂正発明2の発明特定事項2Bにおける「特典」に相当するといえ、また、甲1発明の「「真」という文字を含む画像を表示」すること、及び、「「当」という文字を含む画像を表示」することは、いずれも、本件訂正発明2の発明特定事項2Bにおける「示唆演出手段」が「画像を表示することで」「実行する」「特典に関する示唆表示」に相当するといえる。そうすると、甲1発明の「「真」という文字を含む画像を表示」すること、及び、「「当」という文字を含む画像を表示」することは、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおける「示唆表示手段」が「実行可能であ」る「第1示唆表示」及び「第2示唆表示」に相当するといえる。 ここで、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおいて、「前記示唆表示手段」が「実行可能であ」る「前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示」の解釈を検討する。 本件訂正発明2における発明特定事項2Lの「前記特典に対する期待度」とは、「前記特典」の実行を「期待」できることの「度」合い(確率など。)であると認められる。そして、「第1示唆表示」と「第2示唆表示」は、このような「前記特典」の実行を「期待」できることの「度」合い(確率など。)が「互いに異なる」ものであるから、その前提として、実行を「期待」できることの「度」合い(確率など。)を比較すべき「第1示唆表示」の「前記特典」と「第2示唆表示」の「前記特典」は、共通でなくてはならない(「前記特典」が共通でないならば、実行を「期待」できることの「度」合い(確率など。)を「第1示唆表示」と「第2示唆表示」とで、同じか異なるかを評価することができない。)。 また、本件特許明細書の【0166】には、「サブ制御部91は、ボーナス当選したときは第2連続演出よりも高い確率で第1連続演出を実行することに決定し、ボーナス当選しなかったときは第1連続演出よりも高い確率で第2連続演出を実行することに決定する。つまり、第2連続演出が実行されたときよりも、第1連続演出が実行されたときの方が、ボーナスに当選していることに対する期待度が高い。」と記載されている。この記載からは、「第1連続演出」(本件訂正発明2の「第1示唆表示」に対応する。)の「期待度」と「第2連続演出」(本件訂正発明2の「第2示唆表示」に対応する。)の「期待度」は、いずれも、「ボーナス」という共通の「特典」の実行を「期待」できることの「度」合い(確率など。)であるといえる。 したがって、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおいて、「前記示唆表示手段」が「実行可能であ」る「前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示」とは、共通の「前記特典」の実行を「期待」できることの「度」合い(確率など。)が互いに異なる「第1示唆表示と、第2示唆表示」と解するのが相当である。 そうすると、甲1発明の「真・天雅モード」及び「ボーナス」のいずれかを、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおける「前記特典」に相当させることができる。そして、甲1発明の「真・天雅モード」を上記「前記特典」に相当させた場合、甲1発明の「真・天雅モード」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)が、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおける「前記特典に対する期待度」に相当するといえ、一方、甲1発明の「「ボーナス」を上記「前記特典」に相当させた場合、甲1発明の「ボーナス」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)が、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおける「前記特典に対する期待度」に相当するといえる。 まず、甲1発明の「真・天雅モード」を上記「前記特典」に相当させた場合における、「真・天雅モード」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)について検討する。 「「真」という文字を含む画像を表示」(本件訂正発明2の「第1示唆表示」に相当する。)すると「真・天雅モード」が実行されると認められるから、「「真」という文字を含む画像を表示」することには、「真・天雅モード」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)が存在する。しかしながら、「「当」という文字を含む画像を表示」(本件訂正発明2の「第2示唆表示」に相当する。)しても「真・天雅モード」が実行されるとは認められないから、「「当」という文字を含む画像を表示」することには、そもそも、「真・天雅モード」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)という概念が存在しない。 したがって、「真・天雅モード」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)については、「「真」という文字を含む画像を表示」するときと、「「当」という文字を含む画像を表示」するときとで、「互いに異なる」ということはできない。 次に、甲1発明の「「ボーナス」を上記「前記特典」に相当させた場合における、「ボーナス」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)について検討する。 「「当」という文字を含む画像を表示」(本件訂正発明2の「第2示唆表示」に相当する。)すると「ボーナス」が実行されると認められるから、「「当」という文字を含む画像を表示」することには、「ボーナス」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)が存在する。しかしながら、「「真」という文字を含む画像を表示」(本件訂正発明2の「第1示唆表示」に相当する。)しても「ボーナス」が実行されるとは認められないから、「「真」という文字を含む画像を表示」することには、そもそも、「ボーナス」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)という概念が存在しない。 したがって、「ボーナス」に対する期待度については、「「当」という文字を含む画像を表示」するときと、「「真」という文字を含む画像を表示」するときとで、「互いに異なる」ということはできない。 仮に、本件訂正発明2の「第1示唆表示」の「前記特典」と「第2示唆表示」の「前記特典」が共通でないとしても、甲1発明においては、「「真」という文字を含む画像を表示」(本件訂正発明2の「第1示唆表示」に相当する。)すると「真・天雅モード」が実行され、「「当」という文字を含む画像を表示」(本件訂正発明2の「第2示唆表示」に相当する。)すると「ボーナス」が実行されるから、「「真」という文字を含む画像を表示」するときに「真・天雅モード」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)も、「「当」という文字を含む画像を表示」するときに「ボーナス」の実行を「期待」できる「度」合い(確率など。)も、いずれも、100%であると認められる。すなわち、甲1発明は、「前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であ」るとは認められない。 このことからも、甲1発明の「「真」という文字を含む画像を表示」すること、及び、甲1発明の「「当」という文字を含む画像を表示」することからは、本件訂正発明2の発明特定事項2Lにおける「前記特典に対する期待度が互いに異なる第1示唆表示と、第2示唆表示とを実行可能であ」ることが認められない。 よって、甲1発明の発明特定事項オ、ケは、本件発明の発明特定事項2Kと、「前記示唆表示手段は、」「前記特典に対する期待度」を有する「第1示唆表示と、」「前記特典に対する期待度」を有する「第2示唆表示とを実行可能であ」る点で共通する。 (m)上記lで述べたように、甲1発明の「「真」という文字を含む画像を表示」すること、及び、「「当」という文字を含む画像を表示」することは、本件訂正発明2の「第1示唆表示」及び「第2示唆表示」に相当するといえる。 そうすると、甲1発明の「「真」という文字を含む画像」及び「「当」という文字を含む画像」は、それぞれ、本件訂正発明2の「前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像」及び「前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像」に相当するといえる。 ここで、甲1発明の「「真」という文字を含む画像」は、「植物のようなデザインの形状部分および銀色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「真」という文字部分とを含んで構成され」るものであり、また、甲1発明の「「当」という文字を含む画像」は、「「当」という文字を含む画像は、植物のようなデザインの形状部分および金色の色彩部分を含む意匠部分と、前記意匠部分の中に形成された「当」という文字部分とを含んで構成される」ものである。そうすると、甲1発明の「「真」という文字を含む画像」と「「当」という文字を含む画像」とでは、「植物のようなデザインの形状部分」が共通しており、「色彩部分」および「文字部分」が異なるといえる。 よって、甲1発明の発明特定事項オ、ケは、本件訂正発明2の発明特定事項2Mに相当する構成を含む。 上記(a、c~i、j)ないし(m)からみて、本件訂正発明2と甲1発明とは、 「2A 遊技を行うことが可能な遊技機であって、 2B 画像を表示することで特典に関する示唆表示を実行する示唆表示手段と、 2C 音を出力する音出力手段と、 2D 第1演出および第2演出を含む複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、を備え、 2E’ 前記第1演出は、当該第1態様に関連した展開で進む演出であり、 2F’ 前記第2演出は、当該第2態様に関連した展開で進む演出であり、 2G 前記示唆表示手段は、 2G1 前記第1演出中の前記第1態様に関連した展開で前記画像を表示し、 2G2 前記第2演出中の前記第2態様に関連した展開で前記画像を表示し、 2G3 前記第1演出中に前記画像を表示する場合と、前記第2演出中に前記画像を表示する場合とで、当該画像を異なる位置に表示し、 2H 前記第1演出中に前記画像が表示されるときと、前記第2演出中に前記画像が表示されるときとで、前記音出力手段によって同じ示唆表示音が出力され、 2I 前記画像が表示されるときに前記演出実行手段によって実行される演出の表示態様は、前記演出実行手段が実行している演出に応じた展開に沿った態様であって、前記第1演出と前記第2演出とで異なり、 2K 前記示唆表示手段が表示する画像は、形状部分および色彩部分を含む意匠部分と前記意匠部分の中に形成された文字部分とを含んで構成され、 2M 前記第1示唆表示が行われるときに表示される画像と、前記第2示唆表示が行われるときに表示される画像とでは、前記形状部分が共通しており、前記色彩部分および前記文字部分が異なる、 2J 遊技機。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 ・[相違点2-1](発明特定事項2E) 本件訂正発明2の「第1演出」と、甲1発明の「第一の演出」とは、「第1態様に関連した展開で進む演出」である点で共通するものの、 本件訂正発明2では、「第1演出」が「第1態様の表示態様で開始され」るのに対し、 甲1発明では、「第一の演出」(第1演出)が「忍者が巻物を掲げる映像」(第1態様)の表示態様で開始されるか否かが明らかでない点。 ・[相違点2-2](発明特定事項2F) 本件訂正発明2の「第2演出」と、甲1発明の「第二の演出」とは、「第2態様に関連した展開で進む演出」である点で共通するものの、 本件訂正発明2では、「第2演出」が「第2態様の表示態様で開始され」るのに対し、 甲1発明では、「第二の演出」(第2演出)が「武士のキャラクタが登場する映像」(第2態様)の表示態様で開始されるか否かが明らかでない点。 ・[相違点2-3](発明特定事項2L) 本件発明と甲1発明とは、「前記示唆表示手段は、」「前記特典に対する期待度」を有する「第1示唆表示と、」「前記特典に対する期待度」を有する「第2示唆表示とを実行可能であ」る点で共通するものの、 本件訂正発明2では、「第1示唆表示」及び「第2示唆表示」が、「前記特典に対する期待度が互いに異なる」ものであるのに対し、 甲1発明では、「「真」という文字を含む画像を表示」すること(「第1示唆表示」)、及び、甲1発明の「「当」という文字を含む画像を表示」すること(「第2示唆表示」)が、「前記特典に対する期待度が互いに異なる」といえるものではない点。 (2)判断 事案に鑑み、相違点2-3について検討する。 申立人は甲2を提出するものの、甲2に開示されているのは、「真・天雅モード」で上乗せされたゲーム及び「ボーナス」によって獲得できるメダル数に過ぎないから、共通の「特典」(「真・天雅モード」又は「ボーナス」のいずれか)の実行を「期待」できる「度」合いが異なることを開示しない。したがって、甲2は、本件訂正発明2の発明特定事項2Lを開示するものとは認められない。よって、甲1発明に甲2の技術事項を適用しても本件訂正発明2に至ることはできない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した理由及び証拠方法によっては、本件特許の請求項1、2に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1、2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-700781

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