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特許異議申立

2021-700542

膨潤抑制澱粉の製造方法

審判番号
2021-700542
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-208713
登録番号
6797502
請求日
2021年06月02日
審決日
2022年11月11日
公報発行日
2023年03月31日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】日本食品化工株式会社
  • 【権利者代理人】特許業務法人創成国際特許事務所
  • 【異議申立人】中嶋 美奈子
  • 【異議申立人】上道 真理子
審判長/審判官
  • 審判長 木村 敏康
  • 審判官 齊藤 真由美
  • 審判官 冨永 保
分類
P1651.537-ZAA(A23L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条6項特許法113条4号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項、特許法第120条の5第9項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6797502号発明「膨潤抑制澱粉の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6797502号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~6について訂正することを認める。 特許第6797502号の請求項1~6に係る特許を取り消す。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6797502号の請求項1~6に係る特許についての出願は、令和元年11月19日の出願であって、令和2年11月20日に特許権の設定登録がされ、令和2年12月9日にその特許掲載公報が発行され、令和3年6月2日に、その請求項1~6に係る発明の特許に対し、中嶋 美奈子(以下「申立人1」という。)により、令和3年6月9日に、その請求項1~6に係る発明の特許に対し、上道 真理子(以下「申立人2」という。)により、それぞれ特許異議の申立て(以下「申立1」、「申立2」という。)がされたものである。 その後の手続の経緯は以下のとおりである。 令和 3年10月29日付け 取消理由通知 同年12月15日 意見書・訂正請求書の提出(特許権者) 令和 4年 2月14日付け 訂正拒絶理由通知 同年 3月 7日 面接 同年 3月22日 意見書・手続補正書の提出(特許権者) 同年 5月 6日付け 取消理由通知(決定の予告) 同年 7月11日 意見書・訂正請求書の提出(特許権者) 同年 7月29日付け 特許法第120条の5第5項の規定に 基づく通知書 同年 8月22日 意見書の提出(申立人1) なお、令和3年12月15日にされた訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 また、令和4年7月29日付けの特許法第120条の5第5項の規定に基づく通知書に対し、申立人2による意見書の提出はなかった。 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 令和4年7月11日付け訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の「請求の趣旨」は、「特許第6797502号の特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の通り、訂正後の請求項1~6について訂正することを求める。」というものであって、その内容は、以下の訂正事項1~6からなるものである(当審注:訂正箇所に下線を付す。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「M1-M0が-10~20の範囲である澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、密閉型加熱設備を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%)」と記載されているのを 「M1-M0が-10~20の範囲である澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%)」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「M1-M0を-10~20の範囲に調整する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の膨潤抑制澱粉の製造方法」と記載されているのを、 「M1-M0を-10~20の範囲に調整する工程と、 M1-M0が-10~20の範囲である澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%)」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「原料澱粉が未加工澱粉である、請求項1又は2に記載の膨潤抑制澱粉の製造方法」と記載されているのを、 「M1-M0が-10~20の範囲である未加工澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%)」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「原料澱粉が未加工イモ類澱粉である、請求項1~3のいずれか1項に記載の膨潤抑制澱粉の製造方法」と記載されているのを、 「M1-M0が-10~20の範囲である未加工イモ類澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%)」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に、「請求項1~4のいずれか1項に記載の方法で膨潤抑制澱粉を製造した後、得られた当該膨潤抑制澱粉を原料として配合する、飲食品の製造方法。」と記載されているのを、 「M1-M0が-10~20の範囲である澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)で膨潤抑制澱粉を製造した後、得られた当該膨潤抑制澱粉を原料として配合する、飲食品の製造方法。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%)」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6に、「前記飲食品がスープ・ソース類、水畜肉加工食品、及びフライ食品の少なくとも1つである、請求項5に記載の飲食品の製造方法。」と記載されているのを、 「M1-M0が-10~20の範囲である澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)で膨潤抑制澱粉を製造した後、得られた当該膨潤抑制澱粉を原料として配合する、飲食品の製造方法であって、 前記飲食品がスープ・ソース類、水畜肉加工食品、及びフライ食品の少なくとも1つである、飲食品の製造方法。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%)」に訂正する。 (7)一群の請求項について 訂正前の請求項1~6について、請求項2~6は請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1~6に対応する、訂正後の請求項1~6は、特許法施行規則第45条の4に規定する関係を有する一群の請求項であって、本件訂正の請求は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に対してなされたものである。 なお、訂正後の請求項2~6については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正する求めがなされている。 2 訂正の適否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的の適否について 訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項1に記載の「密閉型加熱設備」を、訂正後の請求項1に記載の「混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機」という特定の密閉型加熱設備に下位概念化して限定するものであって、訂正後の「混練機、エクストルーダー、撹拌乾燥機」の範囲に「密閉型加熱設備」以外のものが含まれないことは明らかである。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無について 訂正事項1は、願書に添付した明細書の段落【0037】の「・・・一方、混練機、エクストルーダー、撹拌乾燥機といった密閉型加熱設備を使用すると、水分が蒸発する前に澱粉に熱が加わるため比較的膨潤抑制処理は高度なものとなる。」との記載に基づき、訂正前の「密閉型加熱設備」を、より具体的な「混練機、エクストルーダー、撹拌乾燥機」という特定の密閉型加熱設備に下位概念化して限定するものである。 そうすると、訂正事項1に係る訂正は、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲(以下「特許明細書等」という。)に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 前記ア及びイで述べたとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許明細書等に記載した事項の範囲内で特許請求の範囲を減縮するものであるとともに、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲の拡張又は変更するものではない。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 (2)訂正事項2~6について ア 訂正の目的の適否について 訂正事項2に係る訂正は、訂正前の請求項1を直接に引用する請求項2の記載を、独立形式での記載に改めるとともに、訂正前の請求項1の発明特定事項である「密閉型加熱設備」との記載を、「混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機」との記載に限定するものである。 訂正事項3に係る訂正は、訂正前の請求項1を直接に引用する請求項3の記載を、独立形式での記載に改めるとともに、訂正前の請求項1を引用する請求項2を引用する請求項3の記載を削除して、訂正前の請求項1の発明特定事項である「密閉型加熱設備」との記載を、「混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機」との記載に限定するものである。 訂正事項4に係る訂正は、訂正前の請求項1を直接に引用する請求項4の記載を、独立形式での記載に改めるとともに、訂正前の請求項1を引用する請求項2~3を直接又は間接に引用する請求項4の記載を削除して、訂正前の請求項1の発明特定事項である「密閉型加熱設備」との記載を、「混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機」との記載に限定するものである。 訂正事項5に係る訂正は、訂正前の請求項1を直接に引用する請求項5の記載を、独立形式での記載に改めるとともに、訂正前の請求項1を引用する請求項2~4を直接又は間接に引用する請求項5の記載を削除して、訂正前の請求項1の発明特定事項である「密閉型加熱設備」との記載を、「混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機」との記載に限定するものである。 訂正事項6に係る訂正は、訂正前の請求項1を直接に引用する請求項5を引用する請求項6の記載を、独立形式での記載に改めるとともに、訂正前の請求項1を引用する請求項2~4を直接又は間接に引用する請求項5を引用する請求項6の記載を削除して、訂正前の請求項1の発明特定事項である「密閉型加熱設備」との記載を、「混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機」との記載に限定するものである。 そうすると、訂正事項2~6に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び、同法同条同項ただし書第4号に掲げる、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無について 訂正事項2~6は、願書に添付した明細書の段落【0037】の「・・・一方、混練機、エクストルーダー、撹拌乾燥機といった密閉型加熱設備を使用すると、水分が蒸発する前に澱粉に熱が加わるため比較的膨潤抑制処理は高度なものとなる。」との記載に基づき、訂正前の「密閉型加熱設備」を、より具体的な「混練機、エクストルーダー、撹拌乾燥機」という特定の密閉型加熱設備に下位概念化して限定するとともに、訂正前の請求項2~6における従属形式での記載を、独立形式での記載に改め、かつ、訂正前の請求項2~6から訂正前の請求項1以外の請求項を引用する請求項の記載を削除する訂正からなるものであるから、特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 したがって、訂正事項2~6に係る訂正は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 前記ア及びイで述べたとおり、訂正事項2~6に係る訂正は、訂正前の請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2~6の記載を独立形式での記載に改めた上で、特許明細書等に記載した事項の範囲内で特許請求の範囲を減縮するものであるとともに、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲の拡張又は変更するものではない。 したがって、訂正事項2~6に係る訂正は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 3 まとめ 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1及び4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5及び6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1~6についての訂正を認める。 第3 本件発明 本件訂正により訂正された請求項1~6に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明6」ともいい、まとめて「本件発明」ということがある。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「【請求項1】 M1-M0が-10~20の範囲である澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%) 【請求項2】 M1-M0を-10~20の範囲に調整する工程と、 M1-M0が-10~20の範囲である澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%) 【請求項3】 M1-M0が-10~20の範囲である未加工澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%) 【請求項4】 M1-M0が-10~20の範囲である未加工イモ類澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%) 【請求項5】 M1-M0が-10~20の範囲である澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)で膨潤抑制澱粉を製造した後、得られた当該膨潤抑制澱粉を原料として配合する、飲食品の製造方法。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%) 【請求項6】 M1-M0が-10~20の範囲である澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理し、澱粉糊液のブレークダウン値を前記加熱処理前の値の75%以下とする工程を含み、 前記加熱処理は、混練機、エクストルーダー、又は撹拌乾燥機を用いて行うことを特徴とする、膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)で膨潤抑制澱粉を製造した後、得られた当該膨潤抑制澱粉を原料として配合する、飲食品の製造方法であって、 前記飲食品がスープ・ソース類、水畜肉加工食品、及びフライ食品の少なくとも1つである、飲食品の製造方法。 M1:加熱処理前の澱粉の水分(%) M0:常温常湿下における澱粉の平衡水分(%)」 第4 令和4年5月6日付けで当審合議体が通知した取消理由(決定の予告)の概要 令和4年5月6日付けで当審合議体が特許権者に通知した取消理由(決定の予告)は、次の理由1及び2からなるものである。 理由1(明確性要件) 本件発明1~6は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に適合するものではないから、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない。 記 本件特許の請求項1の記載は、その「膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)」という「除くクレーム」によって除かれたあとの「特許を受けようとする発明」の範囲を、明確に把握することができないという点において、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるから、本件特許の請求項1及びその従属項の記載は、特許を受けようとする発明が明確ではなく、特許法第36条第6項第2号に適合するものではない。 理由2(サポート要件) 本件発明1~6は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に適合するものではないから、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない。 記 発明の詳細な説明に、本件発明1の「膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)」という発明が示唆を含めて記載されていないので、当業者が出願時の技術常識を参酌したとしても、特許請求の範囲に記載された本件発明1~6が、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められない。 第5 当審の判断 当審は、本件発明1~6に係る特許は、以下に述べるように、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由の理由1(明確性要件)及び理由2(サポート要件)について、本件訂正によっても、取消理由が解消していないものと判断する。 1 理由1(明確性要件)について (1)明確性要件の観点について 一般に「法36条6項2号は,特許請求の範囲の記載に関し,特許を受けようとする発明が明確でなければならない旨規定する。同号がこのように規定した趣旨は,仮に,特許請求の範囲に記載された発明が明確でない場合には,特許の付与された発明の技術的範囲が不明確となり,第三者に不測の不利益を及ぼすことがあり得るので,そのような不都合な結果を防止することにある。そして,特許を受けようとする発明が明確であるか否かは,特許請求の範囲の記載だけではなく,願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し,また,当業者の出願当時における技術的常識を基礎として,特許請求の範囲の記載が,第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきことはいうまでもない。」とされている(平成21年(行ケ)第10434号判決参照。)。 (2)請求項1に記載の「膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)」について 本件発明1の「膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)」という発明特定事項は、否定的表現(「~を除く」)を含むことから、当該否定的表現によって除かれるものが明確でなければ、その特許を受けようとする発明の範囲を明確に把握できるとはいえない。 そこで、当該否定的表現における、除く製造方法の製造対象である「湿熱処理澱粉」の「湿熱処理」という用語について検討する。 ア 特許明細書等には、「湿熱処理」の定義は、記載されていない。特許明細書等には、【背景技術】として「【0006】例えば、特許文献3には、未加工澱粉をある一定の水分下で高温高圧加熱して湿熱処理する水と澱粉のみで膨潤抑制澱粉を製造する方法が提案されており・・」と記載されているが、「湿熱処理」の定義を示すものではない。 イ 本件出願当時における技術常識を検討すると、申立人1が提出した甲第4~6号証、特許権者が提出した乙第2号証、及び、令和2年2月7日付け拒絶理由通知で引用された引用文献2には、「湿熱処理」について以下のような記載がある。 (ア)特開2016-67336号公報(申立人1提出の甲第4号証)には、「【0019】 湿熱処理澱粉とは、澱粉を糊化しない程度の低水分状態で加熱処理することにより得られる加工澱粉である。「澱粉を糊化させない程度の低水分状態」としては、具体的には、水分含量が50重量%以下程度、好ましくは5~30重量%程度以下、より好ましくは5~25重量%程度、更に好ましくは5~20重量%であることが挙げられる。」と記載されている。 (イ)特開2002-142700号公報(申立人1提出の甲第5号証)には、「【0019】湿熱処理澱粉とは、澱粉が糊化するには不十分な水分の存在下において、加熱処理した澱粉であり、例えば澱粉の水分を18~30%に調製し、これを密閉容器内において約80~140℃で、30分~5時間程度加熱処理することにより得られる。」と記載されている。 (ウ)特開2003-325119号公報(申立人1提出の甲第6号証)には、「【0022】前記湿熱処理は、前記澱粉を水分含量18~30%に調湿した後に、密閉容器中で、相対湿度80~100%の条件下で、30分~1時間、80~140℃に加熱することにより、・・・得られる。」と記載されている。 (エ)「澱粉 第40号」、1995年、日本応用糖質科学会中部支部発行、p.21~32(特許権者提出の乙第2号証)には、以下のことが記載されている。 「湿熱処理澱粉の物性と構造」(p.21標題)、及び、 「しかしながら、通常の湿熱処理条件(温度、100~140℃;時間、1~16h;水分、18~40%)で個々の澱粉粒子を水分の凝縮による部分的糊化なしに均一に処理することは小実験においてさえ達成しがたい(Abraham,1993)課題であったために、1944年、Sairらによる発見以来、その製造は実験室規模を越えることができなかった。しかし、反応の第1段階で、澱粉を充填した反応容器を減圧にし、第2段階で、生蒸気を容器内に導入し急速に澱粉を加湿、加熱処理することにより、実験室のみならず実生産設備においても均一に処理された製品を短時間で効率よく製造することが可能になった(Maruta et al.,1994)。」(p.21下から8行~下から2行) (オ)特開平11-332480号公報(引用文献2)には、「【0012】本発明に用いる湿熱処理澱粉の製造方法は、特開昭平4-130102号公報に開示のように、上記のような澱粉を、減圧ラインと加圧蒸気ラインとの両方を付設し、内圧、外圧共に耐圧性の密閉できる容器内に入れ、容器を密閉し、まず減圧ラインを開けて減圧処理を行う。この時の減圧の程度は約700mmHg(ゲージ圧)以上の真空度にする。その後、減圧ラインを閉じて、加圧蒸気ラインを開けて加圧蒸気を導入し、容器内の温度を80~135℃、好ましくは105~135℃まで上昇させる。上記温度で所定時間、例えば5~120分間、好ましくは10~30分間維持した後、加圧蒸気ラインを閉じて放冷し、湿熱処理された澱粉を取り出す。」と記載されている。 ウ このように、本件出願当時における技術常識を検討しても、「湿熱処理」として意味するものは、具体的には様々な方法があると認められ、「湿熱処理」がどのような処理を意味し、包含するかについて一定の技術的意味が確立していたとも認められない。 それ故、本件発明1の「膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)」において、除く「湿熱処理澱粉の製造方法」には、どのような方法までが含まれるのかが明確ではなく、それ故、「(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)」という発明特定事項が存在する結果、「膨潤抑制澱粉の製造方法」として、どのような方法が含まれるのか否かが不明確になっている。結果として、特許の付与された発明の技術的範囲が不明確となり,第三者に不測の不利益を及ぼすことがあり得るといえる。 そうすると、特許明細書等の記載を考慮し、また、当業者の出願当時における技術的常識を基礎として判断すると、請求項1の「膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)」という記載は、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるといえる。 エ 特許権者の主張について 特許権者は、令和4年7月11日提出の意見書において、 (ア)湿熱処理澱粉について記載された従来の文献のほとんどには、湿熱処理澱粉とは相対湿度100%の条件下で加熱処理された澱粉であることが記載されており、湿熱処理澱粉とは、糊化させない程度の水分を含む澱粉を相対湿度100%の条件下で加熱処理して得られる澱粉であると解釈されていたことがわかること、 (イ)乾熱処理澱粉は、水分を含有する澱粉をそのまま加熱した澱粉であることが、本件特許出願前に当業者にとって技術常識であったといえ、それ故、湿熱処理澱粉とは「澱粉が糊化するには不十分な水分の存在下において、澱粉を加熱処理した澱粉」であると解釈した場合には、乾熱処理澱粉も湿熱処理澱粉に含まれてしまい、業界の概念上矛盾が生じることになることから、業界の概念として判断した場合、「湿熱処理澱粉」とは、「澱粉が糊化するするには不十分な水分を含有する状態で、相対湿度100%の条件下で加熱処理された澱粉である」と解釈するのが妥当であること、 したがって、本件発明1の「膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)」という記載は明確である旨を主張している。 しかしながら、前記主張(ア)については、前記イ(ウ)に示したように、湿熱処理を相対湿度80~100%の条件下で行うことが記載されており、また、前記イ(エ)に示したように、特許権者の提出した前記乙第2号証に記載された湿熱処理も、相対湿度100%の条件下で澱粉を加熱処理するものとして明記されておらず、そもそも、本件発明において「湿熱処理」の条件は何ら特定がなされていないことから、当該「湿熱処理」澱粉を、前記相対湿度100%の条件下で加熱処理された澱粉に限定して解釈すべき根拠があるとはいえない。 また、前記主張(イ)については、湿熱処理澱粉の解釈を乾熱処理澱粉の解釈との関係で判断するべき根拠が不明であるし、上述のとおり、「湿熱処理」澱粉を、前記相対湿度100%の条件下で加熱処理された澱粉に限定して解釈すべき根拠があるとはいえない。 したがって、特許権者の前記主張は採用することができない。 (3)まとめ したがって、本件特許の請求項1の記載は、その「膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)」という「除くクレーム」によって除かれたあとの「特許を受けようとする発明」の範囲を、明確に把握することができないという点において、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるから、本件特許の請求項1の記載は、特許を受けようとする発明が明確ではなく、特許法第36条第6項第2号に適合するものではない。 また、本件訂正により独立形式での記載に改められた本件特許の請求項2~6の記載も、同様の理由により、特許を受けようとする発明が明確ではなく、特許法第36条第6項第2号に適合するものではない。 よって、本件発明1~6に係る特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであって、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。 2 理由2(サポート要件)について (1)特許法第36条第6項第1号の判断の前提について 一般に、「特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきもの」とされている(平成17年(行ケ)第10042号判決参照。)。 以下、この観点に立って、判断する。 (2)特許請求の範囲の記載 前記第3に記載したとおりである。 (3)発明の詳細な説明の記載 発明の詳細な説明には、背景技術(【0002】~【0009】)、発明が解決しようとする課題(【0010】)及び実施例(【0047】~【0074】)に関する各記載がなされており、例えば【0054】には、表2として「 [図:0001395174000001.jpg] 」との記載がなされ、表2に示した水分(M1)に調整し、各澱粉に対し表2に示した条件で加熱処理した試料1~6の実施例が記載されている。 (4)判断 ア 本件発明1~6の解決しようとする課題について 発明の詳細な説明の背景技術の記載(【0002】~【0009】)、発明が解決しようとする課題の記載(【0010】)及び実施例の記載(【0047】~【0074】)からみて、本件発明1~4の解決しようとする課題は、架橋剤や撥水剤等の補助材料が不要で、水と澱粉だけで有意に澱粉の糊液特性を変化させる膨潤抑制澱粉の製造方法を提供すること、並びに、本件発明5及び6の解決しようとする課題は、架橋剤や撥水剤等の補助材料が不要で、水と澱粉だけで有意に澱粉の糊液特性を変化させた膨潤抑制澱粉を原料として配合した、飲食品の製造方法を提供することであると認める。 イ 特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との対比 前記1で述べたとおり、本件発明1の「膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)」における、除く「湿熱処理澱粉の製造方法」には、どのような方法まで含まれるのかが明確ではないが、当該「湿熱処理澱粉の製造方法」という記載は、「湿った状態で加熱処理した澱粉の製造方法」を意味すると、一応理解して、以下検討する。 発明の詳細な説明の【0054】の表2に記載された試料1~6の具体例は、水分(M1)が0.9~30(%)の湿った状態に調整されて、加熱温度130℃の条件での加熱処理がなされているので、これら試料1~6のものは「湿熱処理」による澱粉の製造方法に関するものに該当するといえる。 しかし、このような「湿熱処理澱粉の製造方法」に関するものは、本件発明1の「ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く」という発明特定事項によって、特許を受けようとする発明の範囲から除外されているので、発明の詳細な説明の表2に記載された試料1~6のものは、本件発明1の実施例に相当しない。 同様に、発明の詳細な説明の表3~表6に記載された試料7~30のものも、本件発明1の実施例に相当しない。 してみると、発明の詳細な説明には、本件発明1~6が、上記課題を解決できると認識するのに必要な具体的な試験結果による裏付けが、全く記載されていないといわざるを得ない。 そして、本件発明1の「M1-M0が-10~20の範囲である澱粉を55~205℃の条件下で加熱処理」について、その「M1:加熱処理前の澱粉の水分(%)」がゼロである場合のものは、湿った状態で加熱処理したものではないという点において、本件発明1の「ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く」という除くクレームによって除外されていないといえるが、発明の詳細な説明の【0026】の「本発明に用いる澱粉は、上記通りM1-M0の値が-10~20の範囲のものであればよく、M1の値はM0の値に応じて適宜調整すればよいが、例えば、M1の値が3~37の澱粉を用いることができる。」との記載を含む発明の詳細な説明の全ての記載を精査しても、水分(M1)がゼロのものは、発明の詳細な説明に実質的な記載がない。 してみると、本件特許の特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比するに、特許請求の範囲に記載された本件発明1~6が、発明の詳細な説明に記載された発明であるとは認められない。 また、発明の詳細な説明に、本件発明1の「膨潤抑制澱粉の製造方法(ただし湿熱処理澱粉の製造方法を除く)」という発明が示唆を含めて記載されていないので、当業者が出願時の技術常識を参酌したとしても、特許請求の範囲に記載された本件発明1~6が、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められない。 ウ 特許権者の主張について 特許権者は、令和4年7月11日提出の意見書において、本件明細書の発明の詳細な説明の実施例1に記載の試料22~26及び試料30の膨潤抑制澱粉は、相対湿度100%の環境にはならない混練機を用いて加熱処理して製造したものであり、これらは湿熱処理澱粉ではないこと、また、エクストルーダー又は撹拌乾燥機を用いる澱粉の加熱処理時の相対湿度も100%にならないこと、したがって、本件明細書の発明の詳細な説明には、本件発明1~6が、前記課題を解決できると認識するのに必要な具体的な試験結果による裏付けが記載されているから、本件発明1~6が発明の詳細な説明に記載された発明である旨を主張している。 しかしながら、前記1で検討したように、請求項1の「湿熱処理」澱粉を、前記相対湿度100%の条件下で加熱処理された澱粉に限定して解釈すべき根拠があるとはいえない以上、本件明細書の発明の詳細な説明の実施例1に記載の試料22~26及び試料30の膨潤抑制澱粉は、相対湿度100%の環境にはならない混練機を用いて加熱処理して製造したものであったとしても、特許権者による令和4年7月11日提出の意見書には、実際、試験25の膨張抑制澱粉の製造方法における相対湿度の経時変化を示す図1において、ほとんど相対湿度80%以上の条件下で加熱処理されていることが示されていることから、当該試料22~26及び試料30の膨潤抑制澱粉が湿熱処理澱粉ではないとはいえないし、また、エクストルーダー又は撹拌乾燥機を用いる澱粉の加熱処理時の相対湿度が100%にならないことも、上記判断に影響はない。 したがって、特許権者の前記主張は採用することができない。 (5)まとめ したがって、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号に適合するものではない。 また、本件訂正により独立形式での記載に改められた本件発明2~6も、同様の理由により、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも認められないので、特許法第36条第6項第1号に適合するものではない。 よって、本件発明1~6に係る特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。 第6 むすび 以上総括するに、本件発明1~6に係る特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号の規定により取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-700542

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