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特許異議申立

2021-700498

散薬秤量装置及び薬剤分包システム

審判番号
2021-700498
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-184321外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
6788813
請求日
2021年05月24日
審決日
2022年06月30日
公報発行日
2022年09月30日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-YAA(A61J) / P1651.537-YAA(A61J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第5項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第5項、特許法第36条第6項、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6788813号発明「散薬秤量装置及び薬剤分包システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6788813号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕、〔8~16〕、〔17~19〕、20について訂正することを認める。 特許第6788813号の請求項1~20に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6788813号(以下「本件特許」という。)の請求項1~20に係る特許についての出願は、2018年(平成30年)12月28日(優先権主張 平成30年1月11日)を国際出願日とする特願2019-564653号の一部を、令和元年10月7日に新たな特許出願としたものであって、令和2年11月5日にその特許権の設定登録がされ、同年11月25日に特許掲載公報が発行された。その後、令和3年5月24日にその請求項1~20に係る特許について、特許異議申立人中谷浩美(以下「特許異議申立人」という。)より特許異議申立書が提出された。 特許異議の申立て以降の手続きの経緯は以下のとおりである。 令和3年 5月24日 特許異議申立書の提出 同年 9月28日付け 取消理由通知書 同年12月 3日 意見書(特許権者)・訂正請求書の提出 令和4年 1月19日付け 訂正請求があった旨の通知書 (特許法第120条の5第5項) 同年 2月21日 意見書(特許異議申立人)の提出 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和3年12月3日提出の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の請求は、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕、〔8~16〕、〔17~19〕、20について訂正することを求めるものであり、その内容は以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部と、薬剤容器保管部を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、」と記載されているのを、 「散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、」に訂正する(請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項4~7も同様に訂正する。)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部と、薬剤容器保管部を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、」と記載されているのを、 「散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、」に訂正する(請求項2の記載を直接的又は間接的に引用する請求項3~7も同様に訂正する。)。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項7に「薬剤容器を設置する薬剤容器設置部を有するものであり、 薬剤容器移動手段は、移動台を有し、当該移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、前記移動台は前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動及び昇降移動するものであり、」と記載されているのを、 「薬剤容器を設置する薬剤容器設置部を有するものであり、 前記移動台は、さらに前記開口に薬剤容器を保持した状態で昇降移動するものであり、」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項8に「前記散薬秤量装置は、散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部と、薬剤容器保管部を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、」と記載されているのを、 「前記散薬秤量装置は、散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、」に訂正する(請求項8の記載を直接的又は間接的に引用する請求項11、14~16も同様に訂正する。)。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項9に「薬剤秤量手段は、散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部と、薬剤容器保管部を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部を有し、 薬剤容器保管部を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、」と記載されているのを、 「薬剤秤量手段は、散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、 薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、」に訂正する(請求項9の記載を直接的又は間接的に引用する請求項10、11、14~16も同様に訂正する。)。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項12に「散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を複数収容する薬剤容器保管部と、秤量容器と、秤量容器を収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、散薬を所定の数に分割する薬剤分割手段と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段と、薬剤を個別に包装する薬剤分包手段を有し、前記薬剤容器保管部を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段を有し、薬剤容器保管部を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動可能であり、」と記載されているのを、 「散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、秤量容器と、秤量容器を収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、散薬を所定の数に分割する薬剤分割手段と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段と、薬剤を個別に包装する薬剤分包手段を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、 前記薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段を有し、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動可能であり、」に訂正する(請求項12の記載を直接的又は間接的に引用する請求項13~16も同様に訂正する。)。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項17に「前記薬剤秤量装置は、散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部と、薬剤容器保管部を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、」と記載されているのを、 「前記薬剤秤量装置は、散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、」に訂正する(請求項17の記載を直接的又は間接的に引用する請求項18~19も同様に訂正する。)。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項20に「前記薬剤秤量装置は、散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部と、薬剤容器保管部を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、」と記載されているのを、 「前記薬剤秤量装置は、散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、」に訂正する。 (9)一群の請求項について ア 訂正前の請求項4~7はそれぞれ請求項1を直接又は間接的に引用し、訂正前の請求項3~7はそれぞれ請求項2を直接又は間接的に引用するものであって、訂正事項1及び訂正事項2によって記載が訂正される請求項1及び請求項2に連動して訂正されるものであるから、請求項1、4~7及び請求項2~7は、それぞれ一群の請求項である。そして、共通する請求項4~7を有するこれらの一群の請求項は組み合わされて、請求項1~7が1つの一群の請求項となる。 したがって、訂正前の請求項1~7は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 イ 訂正前の請求項11、14~16はそれぞれ請求項8を直接又は間接的に引用し、訂正前の請求項10、11、14~16はそれぞれ請求項9を直接又は間接的に引用し、訂正前の請求項13~16はそれぞれ請求項12を直接又は間接的に引用するものであって、訂正事項4、5及び6によって記載が訂正される請求項8、9、12に連動して訂正されるものであるから、請求項8、11、14~16と、請求項9~11、14~16と、請求項12~16は、それぞれ一群の請求項である。そして、共通する請求項14~16を有するこれらの一群の請求項は組み合わされて、請求項8~16が1つの一群の請求項となる。 したがって、訂正前の請求項8~16は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 ウ 訂正前の請求項18~19はそれぞれ請求項17を直接又は間接的に引用するものであって、訂正事項7によって記載が訂正される請求項17に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項17~19は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 エ 訂正前の請求項20は、引用する請求項はなく、単独で訂正されるものである。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的の適否 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「薬剤容器保管部」を、「薬剤容器保管部である移動台」に限定し、さらに「前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、」と限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」といい、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲及び図面も合わせたものを「本件明細書等」という。)の段落【0064】の「本実施形態では、移動台70は、開口72を3個有し、各開口72に、薬剤容器30の下部が嵌まり込んだ状態となっている。本実施形態では、移動台70は、薬剤容器保管部としても機能する。移動台70は、複数の薬剤容器30を同一平面に並べて複数収容すると共に薬剤容器30を水平移動して姿勢変更する薬剤容器保管部である。」なる記載(下線は当審にて付した。以下同様である。)及び段落【0066】の「・・・この状態で移動台(薬剤容器保管部)70を水平移動させ、必要な薬剤容器30を薬剤容器設置台18の真上の位置に移動させる。・・・」なる記載に基づいて導き出される事項であるから、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項1は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的の適否 訂正事項2は、訂正前の請求項2の「薬剤容器保管部」を、「薬剤容器保管部である移動台」に限定し、さらに「前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、」と限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項2は、本件明細書の段落【0064】の「本実施形態では、移動台70は、開口72を3個有し、各開口72に、薬剤容器30の下部が嵌まり込んだ状態となっている。本実施形態では、移動台70は、薬剤容器保管部としても機能する。移動台70は、複数の薬剤容器30を同一平面に並べて複数収容すると共に薬剤容器30を水平移動して姿勢変更する薬剤容器保管部である。」なる記載及び段落【0066】の「・・・この状態で移動台(薬剤容器保管部)70を水平移動させ、必要な薬剤容器30を薬剤容器設置台18の真上の位置に移動させる。・・・」なる記載に基づいて導き出される事項であるから、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的の適否 訂正事項3は、訂正事項1及び2において、請求項7が引用する請求項1及び2の「薬剤容器保管部」が「薬剤容器保管部である移動台」に限定され、さらに、「前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、」と限定されたことに伴い、訂正前の請求項7の「薬剤容器移動手段は、移動台を有し、当該移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、前記移動台は前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動及び昇降移動するものであり、」から、上記訂正事項1及び2にて限定された事項を削除し、「前記移動台は、さらに前記開口に薬剤容器を保持した状態で昇降移動するものであり、」とすることで、訂正後の請求項1及び2との整合を図るものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項3は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」といい、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲及び図面も合わせたものを「本件明細書等」という。)の段落【0064】の「本実施形態では、移動台70は、開口72を3個有し、各開口72に、薬剤容器30の下部が嵌まり込んだ状態となっている。本実施形態では、移動台70は、薬剤容器保管部としても機能する。移動台70は、複数の薬剤容器30を同一平面に並べて複数収容すると共に薬剤容器30を水平移動して姿勢変更する薬剤容器保管部である。」なる記載及び段落【0066】の「・・・この状態で移動台(薬剤容器保管部)70を水平移動させ、必要な薬剤容器30を薬剤容器設置台18の真上の位置に移動させる。・・・」なる記載に基づいて導き出される事項であるから、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項3は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的の適否 訂正事項4は、訂正前の請求項8の「薬剤容器保管部」を、「薬剤容器保管部である移動台」に限定し、さらに「前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、」と限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項4は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」といい、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲及び図面も合わせたものを「本件明細書等」という。)の段落【0064】の「本実施形態では、移動台70は、開口72を3個有し、各開口72に、薬剤容器30の下部が嵌まり込んだ状態となっている。本実施形態では、移動台70は、薬剤容器保管部としても機能する。移動台70は、複数の薬剤容器30を同一平面に並べて複数収容すると共に薬剤容器30を水平移動して姿勢変更する薬剤容器保管部である。」なる記載及び段落【0066】の「・・・この状態で移動台(薬剤容器保管部)70を水平移動させ、必要な薬剤容器30を薬剤容器設置台18の真上の位置に移動させる。・・・」なる記載に基づいて導き出される事項であるから、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項4は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (5)訂正事項5について ア 訂正の目的の適否 訂正事項5は、訂正前の請求項9の「薬剤容器保管部」を、「薬剤容器保管部である移動台」に限定し、さらに「前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、」と限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項5は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」といい、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲及び図面も合わせたものを「本件明細書等」という。)の段落【0064】の「本実施形態では、移動台70は、開口72を3個有し、各開口72に、薬剤容器30の下部が嵌まり込んだ状態となっている。本実施形態では、移動台70は、薬剤容器保管部としても機能する。移動台70は、複数の薬剤容器30を同一平面に並べて複数収容すると共に薬剤容器30を水平移動して姿勢変更する薬剤容器保管部である。」なる記載及び段落【0066】の「・・・この状態で移動台(薬剤容器保管部)70を水平移動させ、必要な薬剤容器30を薬剤容器設置台18の真上の位置に移動させる。・・・」なる記載に基づいて導き出される事項であるから、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項5は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (6)訂正事項6について ア 訂正の目的の適否 訂正事項6は、訂正前の請求項12の「薬剤容器保管部」を、「薬剤容器保管部である移動台」に限定し、さらに「前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、」と限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項6は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」といい、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲及び図面も合わせたものを「本件明細書等」という。)の段落【0064】の「本実施形態では、移動台70は、開口72を3個有し、各開口72に、薬剤容器30の下部が嵌まり込んだ状態となっている。本実施形態では、移動台70は、薬剤容器保管部としても機能する。移動台70は、複数の薬剤容器30を同一平面に並べて複数収容すると共に薬剤容器30を水平移動して姿勢変更する薬剤容器保管部である。」なる記載及び段落【0066】の「・・・この状態で移動台(薬剤容器保管部)70を水平移動させ、必要な薬剤容器30を薬剤容器設置台18の真上の位置に移動させる。・・・」なる記載に基づいて導き出される事項であるから、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項6は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (7)訂正事項7について ア 訂正の目的の適否 訂正事項7は、訂正前の請求項17の「薬剤容器保管部」を、「薬剤容器保管部である移動台」に限定し、さらに「前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、」と限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項7は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」といい、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲及び図面も合わせたものを「本件明細書等」という。)の段落【0064】の「本実施形態では、移動台70は、開口72を3個有し、各開口72に、薬剤容器30の下部が嵌まり込んだ状態となっている。本実施形態では、移動台70は、薬剤容器保管部としても機能する。移動台70は、複数の薬剤容器30を同一平面に並べて複数収容すると共に薬剤容器30を水平移動して姿勢変更する薬剤容器保管部である。」なる記載及び段落【0066】の「・・・この状態で移動台(薬剤容器保管部)70を水平移動させ、必要な薬剤容器30を薬剤容器設置台18の真上の位置に移動させる。・・・」なる記載に基づいて導き出される事項であるから、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項7は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項7は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (8)訂正事項8について ア 訂正の目的の適否 訂正事項8は、訂正前の請求項20の「薬剤容器保管部」を、「薬剤容器保管部である移動台」に限定し、さらに「前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであり、」と限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項8は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」といい、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲及び図面も合わせたものを「本件明細書等」という。)の段落【0064】の「本実施形態では、移動台70は、開口72を3個有し、各開口72に、薬剤容器30の下部が嵌まり込んだ状態となっている。本実施形態では、移動台70は、薬剤容器保管部としても機能する。移動台70は、複数の薬剤容器30を同一平面に並べて複数収容すると共に薬剤容器30を水平移動して姿勢変更する薬剤容器保管部である。」なる記載及び段落【0066】の「・・・この状態で移動台(薬剤容器保管部)70を水平移動させ、必要な薬剤容器30を薬剤容器設置台18の真上の位置に移動させる。・・・」なる記載に基づいて導き出される事項であるから、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 また、訂正事項8は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 以上を踏まえると、訂正事項8は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に規定する特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、同法第120条の5第4項並びに第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕、〔8~16〕、〔17~19〕、20について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 上記のとおり本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1~20に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明20」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし20に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状熊で水平移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移し、秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視し、所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止する散薬秤量装置であって、 秤量容器保管部に使用済みの秤量容器が戻される、散薬秤量装置。」 【請求項2】 散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状熊で水平移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移し、秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視し、所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止する散薬秤量装置であって、 秤量容器から散薬を排出する秤量容器反転装置を有する散薬秤量装置。 【請求項3】 秤量容器反転装置は、秤量容器を傾斜姿勢にするものである請求項2に記載の散薬秤量装置。 【請求項4】 薬剤容器は、散薬を貯留する散薬貯留部と、散薬を排出する散薬排出部を有し、 前記薬剤容器内に薬剤排出手段の一部又は全部があり、薬剤容器内で薬剤排出手段を駆動することによって散薬排出部から散薬を取り出す請求項1乃至3のいずれかに記載の散薬秤量装置。 【請求項5】 薬剤容器を設置する薬剤容器設置部を有するものであり、 薬剤排出手段は、薬剤容器に外力を加える外力付与手段を有し、薬剤排出手段によって薬剤容器に外力を加えて散薬を排出する請求項1乃至4のいずれかに記載の散薬秤量装置。 【請求項6】 薬剤容器は、散薬を貯留する散薬貯留部と、散薬を排出する散薬排出部を有し、 薬剤排出手段は、薬剤容器設置部を振動させる振動手段であり、重量測定手段は、薬剤容器の重量変化から秤量容器に移された散薬の重量を間接的に監視するものである請求項1乃至5のいずれかに記載の散薬秤量装置。 【請求項7】 薬剤容器を設置する薬剤容器設置部を有するものであり、 前記移動台は、さらに前記開口に薬剤容器を保持した状態で昇降移動するものであり、移動台を水平移動して所望の薬剤容器を薬剤容器設置部の上に移動し、移動台を降下して薬剤容器を薬剤容器設置部に着地させることが可能である請求項1乃至6のいずれかに記載の散薬秤量装置。 【請求項8】 散薬秤量装置と、薬剤を所望の個数に分割して個別に包装する薬剤分包装置とを有し、 前記散薬秤量装置は、散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状熊で水平移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移し、秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視し、所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止するものであり、 秤量容器内の散薬を手動又は自動的に薬剤分包装置に投入することが可能である薬剤分包システム。 【請求項9】 薬剤秤量手段と、秤量容器搬送手段と、薬剤分割手段と、薬剤分包手段を有し、 薬剤秤量手段は、散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状熊で水平移動するものであり、 薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移し、秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視し、所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止するものであり、 前記薬剤分割手段は散薬を投入する薬剤投入部を有し、当該薬剤投入部に投入された散薬を所定の数に分割するものであり、 前記薬剤分包手段は、分割された散薬を個別に包装するものであり、 前記薬剤秤量手段によって所定量の散薬が秤量容器に移され、当該秤量容器を前記秤量容器搬送手段によって前記薬剤分割手段の薬剤投入部に移動して散薬を投入し、前記薬剤分割手段によって散薬を所定の数に分割し、 前記薬剤分包手段によって個別に包装される薬剤分包システム。 【請求項10】 前記薬剤分割手段と薬剤分包手段が組み合わされて一つの薬剤分包装置を構成し、前記薬剤秤量手段と前記薬剤分包装置に対して患者情報が送信される請求項9に記載の薬剤分包システム。 【請求項11】 外郭を構成する外郭構成体を有し、請求項8乃至10のいずれかに記載の薬剤分包システムを構成する部材が、前記外郭構成体の中に収容されている薬剤分包システム。 【請求項12】 散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、秤量容器と、秤量容器を収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、散薬を所定の数に分割する薬剤分割手段と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段と、薬剤を個別に包装する薬剤分包手段を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状熊で水平移動するものであり、 薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段を有し、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動可能であり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移し、秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視し、所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止し、散薬が入った秤量容器を秤量容器搬送手段で移動し、散薬を薬剤分割手段に投入して分割し、薬剤分包手段で包装するものであり、上記した各手段が共通の筐体内に収容されている薬剤分包システム。 【請求項13】 秤量容器保管部は秤量容器を複数収容可能である請求項12に記載の薬剤分包システム。 【請求項14】 秤量容器保管部は複数段の棚を有し、未使用の秤量容器及び/又は使用後の秤量容器を収容可能である請求項8、10,11,12、13のいずれかに記載の薬剤分包システム。 【請求項15】 秤量容器搬送手段によって使用後の秤量容器が所定の位置に移動される請求項8乃至14のいずれかに記載の薬剤分包システム。 【請求項16】 粉体フィーダを有し、薬剤分割手段は回転する分配皿を有し、粉体フィーダを介して分配皿に散薬が投入されるものである請求項12乃至15のいずれかに記載の薬剤分包システム。 【請求項17】 外郭を構成する外郭構成体内に、散薬秤量装置と、散薬を所定の数に分割する薬剤分割手段が収容された薬剤払い出し装置であって、 前記薬剤秤量装置は、散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状熊で水平移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移し、秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視し、所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止するものである薬剤払い出し装置。 【請求項18】 前記薬剤秤量装置から薬剤分割手段側に秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有する請求項17に記載の薬剤払い出し装置。 【請求項19】 同一の秤量容器搬送手段によって秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器設置部に移動させる動作と、前記薬剤秤量装置から薬剤分割手段側に秤量容器を移動させる動作が行われる請求項18に記載の薬剤払い出し装置。 【請求項20】 外郭を構成する外郭構成体内に、散薬秤量装置と、薬剤を個別に包装する薬剤分包手段が収容された薬剤払い出し装置であって、 前記薬剤秤量装置は、散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台と、薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有し、 前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状熊で水平移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移し、秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視し、所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止するものである薬剤払い出し装置。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由の概要 令和3年9月28日付けで特許権者に通知した取消理由(申立ての理由の理由1)の要旨は、本件特許の請求項1~6、8~20に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものであるというものである。 記 <刊行物等> 引用文献1:特開平11-114020号公報(特許異議申立人が提出した 甲第1号証) 引用文献2:特開平5-285199号公報(同甲第2号証) 引用文献3:特開平5-285202号公報(同甲第3号証) 引用文献4:特開平7-80043号公報(同甲第4号証) 引用文献5:特開平5-8842号公報(同甲第5号証) 引用文献6:特開平6-117906号公報(同甲第6号証) 引用文献7:国際公開第2015/076267号(同甲第7号証) 引用文献8:特開平11-226087号公報(同甲第8号証) 引用文献9:特開平11-226086号公報(同甲第9号証) 第5 当審の判断 1 引用文献の記載事項、認定事項及び引用発明 (1)引用文献1について (1-1)引用文献1の記載事項 引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、散薬供給装置に関し、詳しくは、ストックしている多くの散薬から適宜の散薬を散薬分包処理へ適量供給する散薬供給装置に関する。」 「【0014】この散薬供給装置は、図中、左から右に、カップ供給ユニットA、カセット収納ユニットB(収納庫)、カセット収納ユニットC(収納庫)、カップ昇降ユニットD、カセット収納ユニットE(収納庫)、カセット収納ユニットF(収納庫)、そしてカップ収容ユニットGが順に配置連結されたものであり、さらにカセット収納ユニットE及びカセット収納ユニットFの下方には散薬分包ユニットHも配置されている(図1参照)。 【0015】カップ供給ユニットAには、調剤のためにカセット30から取り出した散薬を入れて搬送したり計量したりするためのカップ1(散薬容器および計量容器)を供給するカップ供給機構14が設けられている(図1参照)。その反対側のカップ収容ユニットGには、使用済みのカップ1を重ねて収容するカップ収容機構16が設けられている。また、中間のカップ昇降ユニットDには、カップ1を乗せて上下移動するカップ昇降機構15が設けられている。なお、カップ供給ユニットA上部やカップ収容ユニットG上部の空いているところには、電源部2やコントローラ80が格納されている。 【0016】カセット収納ユニットBには、下方に横たわる搬送機構10(散薬容器の移動手段および計量容器の搬送手段)と、縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)と、カセット循環機構20に対しほぼ等間隔で取着された複数個のカセット30(散薬カセット)と、電子秤50(計量装置)とが設けられている。さらに、駆動部40(散薬取り出しの駆動機構)や、リーダライタ52(データアクセス装置)、リーダライタ54(データ読取装置)、リーダ56(データ読取装置)、リーダ58(データ読取装置)なども設けられている(図1参照)。」 「【0019】散薬分包機70は、その本体部71内に、断面が円弧状に窪んだ環状凹溝72を具えた回転体と、散薬の配分時に回転体を定速回転させるとともに散薬の分割時に分割数に応じた角度ずつ回転体を回動させる図示しない駆動装置とを具えている。また、散薬分包機70は、回転体の内側から環状凹溝上へ突き出して設けられた切出装置73も具えており、この切出装置73は、環状凹溝72の円弧状内側面に接触する円形の仕切板の側面に、所定幅の切出板が形成されたものであり、仕切板が環状凹溝72の円弧状内側面に治って1回転すると、切出板がその幅相当分に集められた散薬を環状凹溝72から切り出して包装装置のホッパ74に導入するようになっている(図1参照)。 【0020】また、散薬分包機70は、散薬の分割時に切出装置73を1回転ずつ繰り返し回転させるとともに、散薬の配分時には邪魔にならないよう切出装置73を上方へ退避させるようになった図示しない駆動装置も具えている。そして、本体部71は、正面方向への引き出しの可能な搭載板75上に、回転板76(回転台)を介して載置されており、回転板76のロックを解除すると搭載板75上で回転させ得るようになっている(図1,図6参照)。 【0021】カップ1は、散薬の計量や搬送の際に散薬が舞い散らないように深めに形成された容器であり、その底部には、収容した散薬についての薬剤情報や計量値などを記憶させるためのデータキャリア3(データ記憶体)が取り付けられている(図3参照)。データキャリア3は、後述の非接触結合素子53,59に近接すると磁気的結合等に基づいてエネルギー供給を伴ったリーダライタ52やリーダ58によるデータアクセスを受ける。このように、カップ1(計量容器)は、データ記憶体の付いたものとなっている。 【0022】搬送機構10は、カップ1をベルト11に乗せて横に搬送するために、各カセット収納ユニットB,C,E,F内の下部において両側端に配設された駆動輪12及び従動輪13に対してベルト11が張設されたベルトコンベア等である(図2参照)。カセット収納ユニットB,Cの搬送機構10は両者の端部が近接していて、カセット収納ユニットBの搬送機構10によって搬送されてきたカップ1は、そのまま続けて、隣のカセット収納ユニットCの搬送機構10によって更にカップ昇降ユニットDへと搬送することが可能である(図1参照)。同様に、カセット収納ユニットE,Fの搬送機構10も、カップ昇降ユニットDから搬入されたカップ1をカップ収容ユニットGまで必要に応じて連続的に搬送する。これにより、搬送機構10は、カップ1(散薬容器)を収納庫内に限らず収納庫間でも移動させるものとなっている。 【0023】カップ供給機構14は、使用前のカップ1を積み重ねておいて、上から順に一つづつ図示しないアーム等によってカセット収納ユニットBの搬送機構10上へ供給するものである(図1参照)。カップ昇降機構15は、その昇降板が下降した状態でカセット収納ユニットCの搬送機構10からカップ1を受け取り、昇降板が上昇したときにカップ1をカセット収納ユニットEの搬送機構10へ送り出すものである(図1参照)。 【0024】カップ収容機構16は、カセット収納ユニットFの搬送機構10からカップ1を受け取って収容するものであるが(図1参照)、その際に、図示しないアーム等によって、カップ1のデータキャリア3とリーダ58の非接触結合素子59との結合可能なところへカップ1を運び、さらに、カップ1内の散薬をフィーダ60のホッパ61内へ移し替えるようになっている(図4参照)。このように、リーダ58(データ読取装置)は、計量容器の搬送終端に配置されたものとなっている。 【0025】カセット30は、散薬を取り出し可能にストックするために、散薬ストック部33と、その下方の排出部とから構成されている(図3参照)。散薬ストック部33は、縦向きの円筒形に構成され、その底部に撹拌羽根32が配置されている。撹拌羽根32は、円錐形部分を中心としてそれから2枚が互いに180゜隔てて半径方向外方へ延び、しかも、外方へ行くにしたがって回転方向に対して後退する方向に湾曲して形成されている。カセット30の排出部には、散薬ストック部33の下方正面においてその半径方向に沿って横向きに小径円筒の排出路35が形成されており、この排出路35と散薬ストック部33とは、散薬ストック部33の底面外周付近に形成された連通路34によって互いに通じている。 【0026】排出路35の反対側には、散薬ストック部33の下方背面にまで延びた従動シャフト31が回転可能に設けられている(図3参照)。この従動シャフト31は、前方の排出路35内から、散薬ストック部33の中心に位置する撹拌羽根32の回転軸の真下を通って、後方へ延びている。従動シャフト31の前端は排出路35内の図示しない散薬排出用スクリューに連結され、従動シャフト31の中間部分は撹拌羽根32の回転支軸にギヤ結合させられ、従動シャフト31の後端には駆動シャフト41の挿抜可能なように穿孔が行われ、その穿孔内面には駆動シャフト41の挿入時に駆動シャフト41の外歯と噛合する内歯が形成されている。これにより、散薬カセット30は、散薬取り出しの従動機構の組み込まれたものとなっている。そして、従動シャフト31が回転させられると、撹拌羽根32及び排出路35内のスクリューも連動して回転させられて、散薬ストック部33内の散薬が連通路34及び排出路35を経て円滑に排出されるようになっている。 【0027】また、カセット30は、図示は割愛したが、その排出路35の正面に、その円筒先端からなる出口を開閉するシャッタも設けられており、このシャッタは、その支軸に設けたバネによって強制的に閉鎖状態を維持するように構成されている。そして、排出路35の側方をスクリューや従動シャフト31と平行に延びたレバーの後瑞が前方へ押されているとき、その前瑞がシャッタの側方に張り出した部分を前方へ押して、シャッタを開放するようになっている。しかも、カセット30は、散薬ストック部33の正面に図示しないラベルが貼られ、収容した散薬の薬品名をそのラベルに記入して表示しうるようにもなっている。 【0028】さらに、カセット30は、それぞれ、その底部等に、ストックしている散薬についての薬剤情報やストック量などを記憶させるためのデータキャリア36(データ記憶体)が取り付けられている(図3参照)。データキャリア36は、後述の非接触結合素子55,57に近接すると磁気的結合等に基づいてエネルギー供給を伴ったリーダライタ54やリーダ56によるデータアクセスを受ける(図1参照)。このように、カセット30(散薬カセット)は、個々に、データ記憶体の付いたものとなっている。 【0029】カセット循環機構20は、収納庫B,C,E,Fのそれぞれに設けられており、いずれにも、複数のカセット30のうち該当収納庫内のものが取着されている(図1参照)。各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図2参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。その循環ループの最下方で搬送機構10に最接近するところは、散薬取り出し位置とされる。これにより、カセット循環機構20(カセット移動機構)は、散薬カセットのうち該当収納庫内のものを順に散薬取り出し位置へ移動させるものとなっている。 【0030】その散薬取り出し位置の後方には、駆動部40が設けられている(図2(b),(c)参照)。駆動部40は、駆動シャフト41に加え、駆動シャフト41を回転させる電動モータ42と、駆動シャフト41を前進・後退させる進退用モータ43とを具えていて、散薬取り出し位置に来たカセット30の従動機構に対し駆動シャフト41を前進させて結合を確立する(すなわち図2(b)の状態から同(c)の状態にする)一方、駆動シャフト41を後退させてカセット30との結合を解除する(すなわち図2(c)の状態から同(b)の状態にする)ものである。これにより、駆動部40(散薬取り出しの駆動機構)は、それぞれ、該当するカセット収納ユニットB,C,E,Fにおいて、散薬取り出し位置の近傍に配置されたものとなっている。 【0031】電子秤50は、散薬取り出し位置に来たカセット30の少し下のところで、搬送機構10の上下のベルト11の間に設置されている(図2参照)。電子秤50には、単独で或いは本体と共に昇降しうる支承片51が設けられていて、上昇したときだけ、ベルト11でカセット30の排出路35の出口直下へ搬送されて来たカップ1を、ベルト11の切れ目から支承して、その重さを秤量する(図3参照)。そして、カセット30からそこのカップ1へ散薬が取り出されると、その散薬の分だけ秤量値も増加する。これにより、電子秤50(計量装置)は、散薬カセット30から取り出した散薬を計量するものとなっている。」 「【0035】フィーダ60は、カセット30(散薬カセット)からカップ1へ取り出されカップ1と共に搬送機構10等によって搬送されて来た散薬を散薬分包機70(分割装置)へ送り込むため、カセット収納ユニットFの搬送機構10の終端の近傍であって散薬分包機70の上方に当たるところに設けられる(図1参照)。このフィーダ60は、カップ1から移された散薬を受けるホッパ61と、ホッパ61から散薬を散薬分包機70の環状凹溝72へ送り込むための案内部62と、その送り込みを定量で均一に行わせるため案内部62等へ与える振動を発生する振動体63とからなっており、振動体63は発振回路64から受けた発振信号と同じ周波数で振動する。この発振回路64は、コントローラ80からの制御信号に従って発振周波数を変えるものである。これにより、フィーダ60(振動フィーダ)は、振動周波数の可変なものとなっている。」 「【0044】また、これらのカップ搬送と並行して、カセット移動ルーチン84の制御によって、カセット収納ユニットC,Eのカセット循環機構20が作動し、それぞれ第3のカセット30及び第1のカセット30が該当する散薬取り出し位置へ移動させられる。こうして、速やかに、散薬をカセット30からカップ1へ取り出す用意ができあがる。 【0045】そうすると、カセット収納ユニットC,Eのリーダライタ54によって第3,第1のカセット30のデータキャリア36から薬剤情報が読み出される。そして、散薬取出ルーチン85によってその薬剤情報と散薬データ91や処方データ92とのつき合わせチェックが行われ、不一致のときにはエラー処理に移行する。こうして、散薬取り出し位置のカセット30が適切なものか否かの確認がなされる。例えば、コントローラ80のダウン中など管理不能な状態でカセット30の不適切な入れ替え等が行われていたような場合、エラーとなる。 【0046】散薬取り出し位置のカセット30に誤りが見つからなければ、散薬取出ルーチン85の制御によって、該当する駆動部40が散薬取り出し位置のカセット30に結合してそれを駆動する。こうして、カセット収納ユニットCでは、第3のカセット30から第2のカップ1へ散薬が取り出され、カセット収納ユニットEでは、第1のカセット30から第1のカップ1へ散薬が取り出される。 【0047】このとき同時に、計量ルーチン86の制御に従い、該当する電子秤50によって、第1,第3のカップ1の計量も行われる。そして、散薬の取り出し量が所要量に達すると、計量ルーチン86及び散薬取出ルーチン85の協動によって散薬の取り出しが止められる。さらに、計量ルーチン86の処理によって、その取り出した散薬の量が各カップ1のデータキャリア3に書き込まれる。散薬データ91等に保持されている他の関連情報、例えば、その散薬をフィーダ60で送給するのに適したフィーダ60の振動周波数の範囲などの情報も、併せて書き込まれる。 【0048】こうして、所要の散薬を収容した第2のカップ1は、カセット収納ユニットCの搬送機構10及びカップ昇降ユニットDのカップ昇降機構15によってカセット収納ユニットEへ向けて搬送される。一方、カセット収納ユニットEでは、そこのカセット循環機構20によって散薬取り出し位置へ第2のカセット30が移動させられ、散薬取出ルーチン85や計量ルーチン86の処理によって、第2のカセット30の散薬が第1のカップ1へ取り出されて追加される。 【0049】そして、やはり所要の散薬を収容し終えた第1のカップ1は、カセット収納ユニットE,Fの搬送機構によってフィーダ60のところへ運ばれ、カップ収容ユニットGのカップ収容機構16によって、中の散薬がフィーダ60へ移し替えられる。続けて、第2のカップ1も、同様にしてフィーダ60のところへ運ばれ、収容中の散薬がフィーダ60へ移し替えられる。こうして、処方箋に基づき、第1~第3のカセット30の散薬が、所定量だけ取り出されて、フィーダ60へ収集される。 【0050】また、この移し替えに際し、第1,第2のカップ1のそれぞれのデータキャリア3から収容した散薬についての薬剤情報がリーダ58によって読み出され、フィーダ制御ルーチン88によって、容器データ93等と一致しているか否か等の確認処理が行われる。そして、不一致のときにはエラー処理に移行する。こうして、散薬を運んできたカップ1が適切なものか否かの確認がなされる。例えば、カップ1の有無を検出するセンサの無いところでカップ1がベルト11から落下して適切なカップ1がフィーダ60に届かなかったような場合、エラーとして検知される。 【0051】フィーダ60に到達したカップ1に誤りが見つからなければ、フィーダ制御ルーチン88の処理によって、収集した各散薬についての薬剤情報から、発振回路64への制御信号を生成するためのデータが設定される。具体的には、フィーダ60の振動周波数の好適範囲として、第1のカセット30からの散薬については周波数範囲“150”~“200”が読みとられ、第2のカセット30からの散薬については周波数範囲“170”~“250”が読みとられ、第3のカセット30からの散薬については周波数範囲“400”~“460”が読みとられたとする。 【0052】このような場合、重複部分が纏められて、周波数範囲“150”~“250”と周波数範囲“400”~“460”とが発振回路64への制御信号を生成するためのデータ値とされる(図4(a)参照)。こうして、フィーダ制御ルーチン88(振動フィーダの制御手段)等の処理によって、振動フィーダ60の振動周波数が所定範囲で掃引される際に、取り出した散薬に応じてその所定範囲が分散するように設定変更がなされる。 【0053】そして、フィーダ制御ルーチン88の制御に従って、フィーダ60は振動しながら散薬を散薬分包機70の定速回転している環状凹溝72へ送り込む。その際におけるフィーダ60の振動周波数は、値“150”から値“250”まで逐次変化した後、一気に値“400”へ跳んで、そこから値“460”まで逐次変化する。その後、値“150”へ跳んで戻り、再び同様の変化を繰り返す(図4(b)参照)。そのサイクル数は、散薬の量等に応じてフィーダ制御ルーチン88により適宜設定される。 【0054】こうして、各種の散薬がそれぞれの共振周波数で速やかに且つ円滑に散薬分包機70の環状凹溝72の全周にわたって実質的に均等に配分される。そして、配分が終了したら、環状凹溝72を所定の包数に相当する分割数に応じた角度ずつ回転させながら、切出装置73の切出板を1回転ずつ繰り返し回転させ、それにより、環状凹溝72内の散薬を1包相当分ずつ切り出して、包装装置のホッパ74に順次投入する。これを受けて、散薬分包機70内の包装装置は、その散薬を1包分ずつ分包する。」 引用文献1には、以下の図が示されている。 【図1】 [図:0001388357000001.jpg] 【図2】 [図:0001388357000002.jpg] 【図3】 [図:0001388357000003.jpg] (1-2)引用文献1の認定事項 上記「(1-1)引用文献1の記載事項」から、以下の事項が認定できる。 <主に本件発明1及び2に係る認定事項> ア 段落【0016】の「カセット収納ユニットBには、下方に横たわる搬送機構10(散薬容器の移動手段および計量容器の搬送手段)と、縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)と、カセット循環機構20に対しほぼ等間隔で取着された複数個のカセット30(散薬カセット)と、・・・なども設けられている(図1参照)。」、段落【0029】の「・・・各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、・・・」なる記載を踏まえると、引用文献1記載の散薬供給装置が、複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21等からなるカセット循環機構20を有することが理解できる。 イ 段落【0029】の「・・・各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図2参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献1記載の散薬供給装置が、カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24を有することが理解できる。 ウ 段落【0026】の「・・・従動シャフト31の前端は排出路35内の図示しない散薬排出用スクリューに連結され、従動シャフト31の中間部分は撹拌羽根32の回転支軸にギヤ結合させられ、従動シャフト31の後端には駆動シャフト41の挿抜可能なように穿孔が行われ、その穿孔内面には駆動シャフト41の挿入時に駆動シャフト41の外歯と噛合する内歯が形成されている。これにより、散薬カセット30は、散薬取り出しの従動機構の組み込まれたものとなっている。そして、従動シャフト31が回転させられると、撹拌羽根32及び排出路35内のスクリューも連動して回転させられて、散薬ストック部33内の散薬が連通路34及び排出路35を経て円滑に排出されるようになっている。」なる記載を踏まえると、引用文献1記載の散薬供給装置が、薬剤排出手段を有することが理解できる。 エ 段落【0029】の「・・・各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図2参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献1記載のカセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有することが理解できる。 オ 段落【0016】の「・・・縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)と、・・・」、段落【0029】の「・・・また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献1記載のカセット循環機構20は、支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであることが理解できる。 カ 段落【0023】の「カップ供給機構14は、使用前のカップ1を積み重ねておいて、上から順に一つづつ図示しないアーム等によってカセット収納ユニットBの搬送機構10上へ供給するものである(図1参照)。・・・」、段落【0031】の「電子秤50は、散薬取り出し位置に来たカセット30の少し下のところで、搬送機構10の上下のベルト11の間に設置されている(図2参照)。電子秤50には、単独で或いは本体と共に昇降しうる支承片51が設けられていて、上昇したときだけ、ベルト11でカセット30の排出路35の出口直下へ搬送されて来たカップ1を、ベルト11の切れ目から支承して、その重さを秤量する(図3参照)。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献1記載の散薬供給装置が、カップ供給機構14に積み重ねられたカップ1を、搬送機構10によって支承片51に移動することが理解できる。 キ 段落【0016】の「・・・縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)・・・」、段落【0029】の「・・・各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図2参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。その循環ループの最下方で搬送機構10に最接近するところは、散薬取り出し位置とされる。これにより、カセット循環機構20(カセット移動機構)は、散薬カセットのうち該当収納庫内のものを順に散薬取り出し位置へ移動させるものとなっている。」、段落【0044】の「また、これらのカップ搬送と並行して、カセット移動ルーチン84の制御によって、カセット収納ユニットC,Eのカセット循環機構20が作動し、それぞれ第3のカセット30及び第1のカセット30が該当する散薬取り出し位置へ移動させられる。・・・」、段落【0046】の「・・・カセット収納ユニットCでは、第3のカセット30から第2のカップ1へ散薬が取り出され、カセット収納ユニットEでは、第1のカセット30から第1のカップ1へ散薬が取り出される。」、段落【0047】の「・・・該当する電子秤50によって、第1,第3のカップ1の計量も行われる。そして、散薬の取り出し量が所要量に達すると、計量ルーチン86及び散薬取出ルーチン85の協動によって散薬の取り出しが止められる。・・・」、段落【0031】の「電子秤50は、散薬取り出し位置に来たカセット30の少し下のところで、搬送機構10の上下のベルト11の間に設置されている(図2参照)。電子秤50には、単独で或いは本体と共に昇降しうる支承片51が設けられていて、上昇したときだけ、ベルト11でカセット30の排出路35の出口直下へ搬送されて来たカップ1を、ベルト11の切れ目から支承して、その重さを秤量する(図3参照)。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献1記載の散薬供給装置が、これらのカップ搬送と並行して、カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動し、薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移し、散薬の取り出し量を電子秤50によって計量し、散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止することが理解できる。 <主に本件発明8に係る認定事項> ク 引用文献1記載の「カセット30」、「カセット循環機構20」、「電動モータ24」、「カップ1」、「カップ供給機構14」、上記ウで認定した「薬剤排出手段」、「電子秤50」、「支承片51」、「搬送機構10」を合わせたものは、電子秤50を備えるから、散薬秤量装置といえる。 ケ 段落【0054】の「こうして、各種の散薬がそれぞれの共振周波数で速やかに且つ円滑に散薬分包機70の環状凹溝72の全周にわたって実質的に均等に配分される。そして、配分が終了したら、環状凹溝72を所定の包数に相当する分割数に応じた角度ずつ回転させながら、切出装置73の切出板を1回転ずつ繰り返し回転させ、それにより、環状凹溝72内の散薬を1包相当分ずつ切り出して、包装装置のホッパ74に順次投入する。これを受けて、散薬分包機70内の包装装置は、その散薬を1包分ずつ分包する。」なる記載を踏まえると、引用文献1記載の散薬分包機70は、散薬を所定の包数に分割して1包分ずつ分包するものであることが理解できる。 コ 段落【0024】の「カップ収容機構16は、・・・アーム等によって、・・・カップ1内の散薬をフィーダ60のホッパ61内へ移し替えるようになっている・・・」なる記載、段落【0035】の「・・・このフィーダ60は、カップ1から移された散薬を受けるホッパ61と、ホッパ61から散薬を散薬分包機70の環状凹溝72へ送り込むための案内部62と、・・・とからなっており、」なる記載を踏まえると、引用文献1記載の散薬供給装置は、アーム等によって、カップ1内の散薬をフィーダ60のホッパ61内へ移し替え、案内部62により散薬を薬剤分包機70に送り込むようになっていることが理解できる。 <主に本件発明9に係る認定事項> サ 引用文献1記載の「カセット30」、「カセット循環機構20」、「電動モータ24」、「カップ1」、上記ウで認定した「薬剤排出手段」、「電子秤50」、「支承片51」を合わせたものは、電子秤50を備えるから、薬剤秤量手段といえる。 シ 段落【0054】の「こうして、各種の散薬がそれぞれの共振周波数で速やかに且つ円滑に散薬分包機70の環状凹溝72の全周にわたって実質的に均等に配分される。そして、配分が終了したら、環状凹溝72を所定の包数に相当する分割数に応じた角度ずつ回転させながら、切出装置73の切出板を1回転ずつ繰り返し回転させ、それにより、環状凹溝72内の散薬を1包相当分ずつ切り出して、包装装置のホッパ74に順次投入する。これを受けて、散薬分包機70内の包装装置は、その散薬を1包分ずつ分包する。」なる記載を踏まえると、引用文献1記載の散薬分包機70は、薬剤分割手段と、包装装置を有することが理解できる。 ス 段落【0049】の「・・・第1のカップ1は、カセット収納ユニットE,Fの搬送機構によってフィーダ60のところへ運ばれ、カップ収容ユニットGのカップ収容機構16によって、中の散薬がフィーダ60へ移し替えられる。・・・」、段落【0053】の「・・・フィーダ60は振動しながら散薬を散薬分包機70の定速回転している環状凹溝72へ送り込む。・・・」及び段落【0054】の「・・・環状凹溝72を所定の包数に相当する分割数に応じた角度ずつ回転させながら、切出装置73の切出板を1回転ずつ繰り返し回転させ、それにより、環状凹溝72内の散薬を1包相当分ずつ切り出して、包装装置のホッパ74に順次投入する。これを受けて、散薬分包機70内の包装装置は、その散薬を1包分ずつ分包する。」なる記載を踏まえると、上記シで認定した薬剤分割手段は、さらに、散薬を投入するフィーダ60を有し、当該フィーダ60に投入された散薬を所定の包数に相当する分割数に切り出すものであり、同様に上記シで認定した包装装置は、分割された散薬を1包分ずつ分包するものであることが理解できる。 よって、以上を総合すると、引用文献1記載の散薬供給装置が、カップ1を搬送機構10によって薬剤分割手段のフィーダ60のところへ運んで散薬を移し替え、薬剤分割手段によって散薬を所定の包数に相当する分割数に切り出し、包装装置によって1包分ずつ分包することが理解できる。 セ 上記サで認定した薬剤秤量手段は、「薬剤排出手段」、「電子秤50」及び「支承片51」を含むものであり、段落【0047】に「・・・該当する電子秤50によって、第1,第3のカップ1の計量も行われる。そして、散薬の取り出し量が所要量に達すると・・・」と記載されていることを踏まえると、薬剤秤量手段によって所定量の散薬がカップ1に移されることが理解できる。 <主に本件発明12に係る認定事項> ソ 段落【0049】の「そして、やはり所要の散薬を収容し終えた第1のカップ1は、カセット収納ユニットE,Fの搬送機構によってフィーダ60のところへ運ばれ、カップ収容ユニットGのカップ収容機構16によって、中の散薬がフィーダ60へ移し替えられる。・・・」及び段落【0054】の「・・・環状凹溝72を所定の包数に相当する分割数に応じた角度ずつ回転させながら、切出装置73の切出板を1回転ずつ繰り返し回転させ、それにより、環状凹溝72内の散薬を1包相当分ずつ切り出して、包装装置のホッパ74に順次投入する。これを受けて、散薬分包機70内の包装装置は、その散薬を1包分ずつ分包する。」なる記載を踏まえると、引用文献1記載の散薬供給装置が、散薬を収容し終えたカップ1を搬送機構10によって運び、散薬をフィーダ60へ移し替えて1包相当分ずつ切り出して、包装装置でその散薬を1包分ずつ分包するものであることが理解できる。 タ 図1から、引用文献1記載の散薬供給装置が、筐体を有する一体の装置として構成されていることが理解できる。 <主に本件発明17及び20に係る認定事項> チ 引用文献1の「カセット30」、「カセット循環機構20」、「電動モータ24」、「カップ1」、「カップ供給機構14」、「薬剤排出手段」、「電子秤50」、「支承片51」及び「搬送機構10」を合わせたものは、電子秤50を備えるから、散薬秤量装置といえる。 ツ 図1から、引用文献1記載の散薬供給装置は、筐体を有する一体の装置として構成されていることが看取できるから、上記チで検討した散薬秤量装置は、外郭を構成する筐体内に収容されているといえる。 よって、上記シ、ス、ソ、チも踏まえると、引用文献1記載の散薬供給装置は、外郭を構成する筐体内に、散薬秤量装置と、散薬を所定の包数に相当する分割数に切り出す薬剤分割手段と、散薬を1包分ずつ分包する包装装置が収容されたものであるといえる。 (1-3)引用発明 上記「(1-1)引用文献1の記載事項」、「(1-2)引用文献1の認定事項」から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明1A~1E」という。)が記載されていると認められる。 <引用発明1A>(本件発明1及び2に倣って整理した発明) 「散薬を取り出し可能にストックするカセット30と、複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21等からなるカセット循環機構20と、カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24と、重さが秤量されるカップ1と、使用前のカップ1を積み重ねておくカップ供給機構14と、薬剤排出手段と、カセット30から取り出した散薬を計量する電子秤50と、カップ1を支承する支承片51と、カップ1を搬送する搬送機構10を有し、 カセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有し、 カセット循環機構20は、支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであり、 カップ供給機構14に積み重ねられたカップ1を、搬送機構10によって支承片51に移動し、これらのカップ搬送と並行して、カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動し、薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移し、散薬の取り出し量を電子秤50によって計量し、散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止する散薬供給装置であって、 カップ収容機構16に搬送機構10からカップ1を受け取って収容するものであり、さらに、アーム等によって、カップ1内の散薬をフィーダ60のホッパ61内へ移し替えるようになっている散薬供給装置。」 <引用発明1B>(本件発明8に倣って整理した発明) 「散薬秤量装置と、散薬を所定の包数に分割して1包分ずつ分包する散薬分包機70とを有し、 散薬秤量装置は、散薬を取り出し可能にストックするカセット30と、複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21等からなるカセット循環機構20と、カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24と、重さが秤量されるカップ1と、使用前のカップ1を積み重ねておくカップ供給機構14と、薬剤排出手段と、カセット30から取り出した散薬を計量する電子秤50と、カップ1を支承する支承片51と、カップ1を搬送する搬送機構10を有し、 カセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有し、 カセット循環機構20は、支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであり、 カップ供給機構14に積み重ねられたカップ1を、搬送機構10によって支承片51に移動し、これらのカップ搬送と並行して、カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動し、薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移し、散薬の取り出し量を電子秤50によって計量し、散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止するものであり、 アーム等によって、カップ1内の散薬をフィーダ60のホッパ61内へ移し替え、案内部62により散薬を薬剤分包機70に送り込むようになっている散薬供給装置。」 <引用発明1C>(本件発明9に倣って整理した発明) 「薬剤秤量手段と、カップ1を搬送する搬送機構10と、薬剤分割手段と、包装装置を有し、 薬剤秤量手段は、散薬を取り出し可能にストックするカセット30と、複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21等からなるカセット循環機構20と、カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24と、重さが秤量されるカップ1と、薬剤排出手段と、カセット30から取り出した散薬を計量する電子秤50と、カップ1を支承する支承片51を有し、 カセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有し、 カセット循環機構20は、支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであり、 カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動し、薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移し、散薬の取り出し量を電子秤50によって計量し、散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止するものであり、 薬剤分割手段は、散薬を投入するフィーダ60を有し、当該フィーダ60に投入された散薬を所定の包数に相当する分割数に切り出すものであり、 包装装置は、分割された散薬を1包分ずつ分包するものであり、 薬剤秤量手段によって所定量の散薬がカップ1に移され、カップ1を搬送機構10によって薬剤分割手段のフィーダ60のところへ運んで散薬を移し替え、散薬分割手段によって散薬を所定の包数に相当する分割数に切り出し、包装装置によって1包分ずつ分包する散薬供給装置。」 <引用発明1D>(本件発明12に倣って整理した発明) 「散薬を取り出し可能にストックするカセット30と、複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21等からなるカセット循環機構20と、重さが秤量されるカップ1と、使用前のカップ1を積み重ねておくカップ供給機構14と、薬剤排出手段と、カセット30から取り出した散薬を計量する電子秤50と、カップ1を支承する支承片51と、散薬を投入するフィーダ60を有し、散薬を所定の包数に相当する分割数に切り出す薬剤分割手段と、カップ1を搬送する搬送機構10と、分割された散薬を1包分ずつ分包する包装装置を有し、 カセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有し、 カセット循環機構20は、支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであり、 カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24を有し、カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動し、 カップ供給機構14に積み重ねられたカップ1を、搬送機構10によって支承片51に移動し、薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移し、散薬の取り出し量を電子秤50によって計量し、散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止し、散薬を収容し終えたカップ1を搬送機構10によって運び、散薬をフィーダ60へ移し替えて1包相当分ずつ切り出して、包装装置でその散薬を1包分ずつ分包するものであり、散薬供給装置が、筐体を有する一体の装置として構成されている散薬供給装置。」 <引用発明1E>(本件発明17及び20に倣って整理した発明) 「外郭を構成する筐体内に、散薬秤量装置と、散薬を所定の包数に相当する分割数に切り出す薬剤分割手段と、散薬を1包分ずつ分包する包装装置が収容された散薬供給装置であって、 散薬秤量装置は、散薬を取り出し可能にストックするカセット30と、複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21等からなるカセット循環機構20と、カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24と、重さが秤量されるカップ1と、使用前のカップ1を積み重ねておくカップ供給機構14と、薬剤排出手段と、カセット30から取り出した散薬を計量する電子秤50と、カップ1を支承する支承片51と、カップ1を搬送する搬送機構10を有し、 カセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有し、 カセット循環機構20は、支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであり、 カップ供給機構14に積み重ねられたカップ1を、搬送機構10によって支承片51に移動し、これらのカップ搬送と並行して、カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動し、薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移し、散薬の取り出し量を電子秤50によって計量し、散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止する散薬供給装置。」 (2)引用文献2について 引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0007】 【実施例】・・・移動手段3は、以下に説明するように、循環装置6と、昇降装置7とから構成されている。散薬収容器1、1、…は、図2の平面図に示すように、複数個の散薬収容器1、1、…が散薬収容器群1Aとして、左右方向に延びた循環路に沿って配置されている。この循環路には、それを一方向または両方向に循環(または反転移動)させるようになった循環装置6が設けられ、そのため、散薬収容器群1Aの各散薬収容器1、1、…は、循環装置6の作動によって、一方向または両方向に循環(または反転移動)するように一体的に組み合わされている。・・・」 引用文献2には、以下の図が示されている。 【図2】 [図:0001388357000004.jpg] (3)引用文献3について 引用文献3には、図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0007】 【実施例】・・・散薬収容器1、1、…は、所定の軸線のまわりに環状に形成された環状路に沿って配置されている。この環状路には、それを一方向または両方向に循環(または反転移動)させるようになった循環装置6が設けられ、そのため、各散薬収容器1、1、…は、循環装置6の作動によって、一方向または両方向に循環(または反転移動)するように一体的に組み合わされている。」 引用文献3には、以下の図が示されている。 【図1】 [図:0001388357000005.jpg] (4)引用文献4について 引用文献4には、図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0009】散薬収納庫20は、散薬をカセット21に収容して、このようなカセット21を散薬の種類に応じて多数具えたものであり、どのカセット21に収容された散薬でも分割包装機2の配分/分割装置3に配分するため、左右の配分/分割装置3a、3bに対応した供給位置40a、40bのいずれにもすべてのカセット21を移動させることのできる移動機構41を具えている。」 「【0011】散薬収納庫20内において、各カセット21は、左右の反転輪間に張設したチエーン等の無端条帯42に所定のピッチで設けた各支持体43に着脱可能に装着して配置され、無端条帯42の内側空間に設けたモータ44が無端条帯42を正逆任意の方向に回転させることにより、各カセット21は左右いずれの方向にも循環されるようになっている。・・・」 引用文献4には、以下の図が示されている。 【図2】 [図:0001388357000006.jpg] (5)引用文献5について 引用文献5には、図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0012】図3に示す振動フィーダ装置は前述の粉粒体容器を装着するように構成されている。符号10は振動フィーダ装置を示し、符号5はこの装置の基台であってガイドウエイ20に沿って図示しない駆動装置により前進・後退するようになっている。6は基台5上に載置固定されている振動発生部であって、例えば交流電圧を印加することによりこの交流周波数に対応して振動するように構成されている。7は振動発生部に載置固定されている振動部材であって振動発生部6の作動によって振動するように構成されている。またこの振動部材7は粉粒体容器1の着脱が行えるよう、次のような構造を有している。」 「【0022】・・・この間振動フィーダ装置10は停止することなく更に前進し、この結果振動部材7に固定された粉粒体容器1はドラム14の収納筒16から引き出され、図5の粉粒体排出位置10Cまで前進する。粉粒体排出位置についた振動フィーダ10は振動を開始し容器本体1a内に収納されている粉粒体が排出パイプ4を経て排出される。・・・」 引用文献5には、以下の図が示されている。 【図3】 [図:0001388357000007.jpg] 【図5】 [図:0001388357000008.jpg] (6)引用文献6について 引用文献6には、図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0009】・・・駆動装置6は、上部に本体部係合片15を収納して原料容器1を装着するための係合片収納部16を有する連結部7を備えており、電磁式の振動フィーダを用いて横倒しにした原料容器1内から原料3を振動によって強制的に排出させるように構成してなるものである。」 引用文献6には、以下の図が示されている。 【図1】 [図:0001388357000009.jpg] (7)引用文献7について 引用文献7には、図面とともに以下の事項が記載されている。 「[0068]・・・そして散薬の総落下量Hが所望の重量となったところで、振動台20の振動を停止する。 即ち重量測定手段25が測定する薬剤容器2の現重量gが、重量測定手段25によって測定された振動開始前の原重量Gに対して所望の重量だけ少なくなると、振動台20の振動を停止する。・・・」 「[0099] (3)薬剤フィーダ 本実施形態の薬剤払出し装置1では、薬剤容器2と、容器載置装置3によって一組の薬剤フィーダ50が構成される。 即ち薬剤容器2と、容器載置装置3とが別々のものであり、散薬を分包する際に、両者が結合されて薬剤フィーダ50を構成する。 薬剤フィーダ50は、振動台20に内蔵された自己保持ソレノイド30に対する通電を停止して薬剤容器2を振動台20に固定し、薬剤容器2を振動させて散薬を排出させる機能を持つ。 即ち本実施形態では、薬剤容器2は縦姿勢で保管され、散薬は、散薬貯留部17に貯留されている。本実施形態では、ロボット702のハンド部707で薬剤容器2を保持し、薬剤容器2を移動し、図3の様に容器載置装置3に載置する。 より具体的には、図2の様に、薬剤容器2を移動させると共に姿勢変更する。即ち、薬剤容器2を容器載置装置3の近傍に移動させ、さらに、薬剤容器2を水平姿勢に寝かせ、振動台20に載せる。」 引用文献7には、以下の図が示されている。 【図3】 [図:0001388357000010.jpg] (8)引用文献8について (8-1)引用文献8の記載事項 引用文献8には、図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、散薬取出装置および散薬容器搬送装置に関し、詳しくは、散薬分包処理等に供給する種々の散薬を取り出すための散薬取出装置および散薬容器搬送装置に関する。」 「【0028】カップ供給ユニットAには、調剤のためにカセット30から取り出した散薬を入れて搬送したり計量したりするためのカップ1(散薬容器)を供給するカップ供給機構14が設けられている(図2参照)。そして、カップ供給機構14の上等にゴミ除け等のため逆さ状態で積み重ねられた多数のカップ1を、順に一つずつ、図示しないアーム等にて反転させながら、カセット収納ユニットBの搬送機構10へ供給するようになっている。なお、カップ供給ユニットA上部の空いているところには、電源部2や散薬取出装置のコントローラ80も格納されている。 【0029】カセット収納ユニットBには、下方に横たわる搬送機構10(散薬容器供給用搬送装置)と、縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)と、カセット循環機構20に対しほぼ等間隔で取着された複数個のカセット30(散薬カセット)と、電子秤50(計量装置)とが設けられている。さらに、駆動部40(散薬取り出しの駆動機構)や、リーダライタ52(データアクセス装置)、リーダライタ54(データ読取装置)、リーダ56(データ読取装置)なども設けられている(図2参照)。」 「【0033】搬送機構10は、カップ1をベルト11に乗せて横に搬送するために、各カセット収納ユニットB,C,及びカップ搬送ユニットD内の下部において両側端に配設された駆動輪12及び従動輪13に対してベルト11が張設されたベルトコンベア等である(図3参照)。カセット収納ユニットB,Cの搬送機構10は両者の端部が近接していて、カセット収納ユニットBの搬送機構10によって搬送されてきたカップ1は、そのまま続けて、隣のカセット収納ユニットCの搬送機構10によって更にカップ搬送ユニットDへと搬送することが可能である(図2参照)。同様に、カップ搬送ユニットDの搬送機構10も、カセット収納ユニットCから搬入されたカップ1をカップ昇降機構115のところまで搬送する。これにより、搬送機構10は、カップ1(散薬容器)を収納庫内に限らず収納庫間でも移動させるものとなっている。」 「【0036】カセット30は、散薬を取り出し可能にストックするために、散薬ストック部33と、その下方の排出部とから構成されている(図4参照)。・・・ 【0037】排出路35の反対側には、散薬ストック部33の下方背面にまで延びた従動シャフト31が回転可能に設けられている(図4参照)。この従動シャフト31は、前方の排出路35内から、散薬ストック部33の中心に位置する撹拌羽根32の回転軸の真下を通って、後方へ延びている。従動シャフト31の前端は排出路35内の図示しない散薬排出用スクリューに連結され、従動シャフト31の中間部分は撹拌羽根32の回転支軸にギヤ結合させられ、従動シャフト31の後端には駆動シャフト41の挿抜可能なように穿孔が行われ、その穿孔内面には駆動シャフト41の挿入時に駆動シャフト41の外歯と噛合する内歯が形成されている。これにより、散薬カセット30は、散薬取り出しの従動機構の組み込まれたものとなっている。そして、従動シャフト31が回転させられると、撹拌羽根32及び排出路35内のスクリューも連動して回転させられて、散薬ストック部33内の散薬が連通路34及び排出路35を経て円滑に排出されるようになっている。」 「【0040】カセット循環機構20は、収納庫B,Cのそれぞれに設けられており、いずれにも、複数のカセット30のうち該当収納庫内のものが取着されている(図2参照)。各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図3参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。その循環ループの最下方で搬送機構10に最接近するところは、散薬取り出し位置とされる。これにより、カセット循環機構20(カセット移動機構)は、散薬カセットのうち該当収納庫内のものを順に散薬取り出し位置へ移動させるものとなっている。」 「【0042】電子秤50は、散薬取り出し位置に来たカセット30の少し下のところで、搬送機構10の上下のベルト11の間に設置されている(図3参照)。電子秤50には、単独で或いは本体と共に昇降しうる支承片51が設けられていて、上昇したときだけ、ベルト11でカセット30の排出路35の出口直下へ搬送されて来たカップ1を、ベルト11の切れ目から支承して、その重さを秤量する(図4参照)。そして、カセット30からそこのカップ1へ散薬が取り出されると、その散薬の分だけ秤量値も増加する。これにより、電子秤50(計量装置)は、散薬カセット30から取り出した散薬を計量するものとなっている。」 「【0061】また、これらのカップ搬送と並行して、カセット移動ルーチン84の制御によって、カセット収納ユニットB,Cのカセット循環機構20が作動し、それぞれ第3のカセット30及び第1のカセット30が該当する散薬取り出し位置へ移動させられる。それから、計量ルーチン86の制御に従い、該当する電子秤50によって、未だ空のうちに第1,第3のカップ1の計量が行われる。そして、個々のカップそれ自体の重量がそれぞれのデータキャリア3に書き込まれる。こうして、散薬投入前の散薬容器を計量すること及びその計測値を計量の直後にデータアクセス装置にて該当散薬容器のデータ記憶体へ書き込むことも行われて、散薬をカセット30からカップ1へ取り出す用意が速やかに調う。」 「【0063】散薬取り出し位置のカセット30に誤りが見つからなければ、散薬取出ルーチン85の制御によって、該当する駆動部40が散薬取り出し位置のカセット30に結合してそれを駆動する。こうして、カセット収納ユニットBでは、第3のカセット30から第2のカップ1へ散薬が取り出され、カセット収納ユニットCでは、第1のカセット30から第1のカップ1へ散薬が取り出される。 【0064】このとき同時に、計量ルーチン86の制御に従い、該当する電子秤50によって、第1,第3のカップ1の計量も行われる。そして、散薬の取り出し量が所要量に達すると、計量ルーチン86及び散薬取出ルーチン85の協動によって散薬の取り出しが止められる。さらに、計量ルーチン86の処理によって、その取り出した散薬の量が各カップ1のデータキャリア3に書き込まれる。散薬データ91等に保持されている他の関連情報、例えば、その散薬をフィーダ60で送給するのに適したフィーダ60の振動周波数などの情報も、併せて書き込まれる。」 「【0070】・・・こうして、散薬を自動収集した各カップ1が揃うと、作業者は、散薬取出装置の散薬容器搬送装置のカバー147を開けて先頭のカップ1から順に取り出し、調剤指示箋を参照しながら適宜の散薬分包機70のところへ持っていき、その散薬を該当するフィーダ60に投入する。なお、カップ1は5個まで纏めて取り出せるので、カバー147は速やかに閉じられる。」 引用文献8には、以下の図が示されている。 【図1】 [図:0001388357000011.jpg] 【図2】 [図:0001388357000012.jpg] 【図4】 [図:0001388357000013.jpg] 【図6】 [図:0001388357000014.jpg] (8-2)引用文献8の認定事項 ア 段落【0029】の「カセット収納ユニットBには、下方に横たわる搬送機構10(散薬容器供給用搬送装置)と、縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)と、カセット循環機構20に対しほぼ等間隔で取着された複数個のカセット30(散薬カセット)と、・・・とが設けられている。・・・」、段落【0040】の「・・・各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、・・・」なる記載を踏まえると、引用文献8記載の散薬取出装置が、複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21等からなるカセット循環機構20を有することが理解できる。 イ 段落【0040】の「・・・各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図3参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献8記載の散薬取出装置が、カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24を有することが理解できる。 ウ 段落【0037】の「・・・従動シャフト31の前端は排出路35内の図示しない散薬排出用スクリューに連結され、従動シャフト31の中間部分は撹拌羽根32の回転支軸にギヤ結合させられ、従動シャフト31の後端には駆動シャフト41の挿抜可能なように穿孔が行われ、その穿孔内面には駆動シャフト41の挿入時に駆動シャフト41の外歯と噛合する内歯が形成されている。これにより、散薬カセット30は、散薬取り出しの従動機構の組み込まれたものとなっている。そして、従動シャフト31が回転させられると、撹拌羽根32及び排出路35内のスクリューも連動して回転させられて、散薬ストック部33内の散薬が連通路34及び排出路35を経て円滑に排出されるようになっている。」なる記載を踏まえると、引用文献8記載の散薬取出装置が、薬剤排出手段を有することが理解できる。 エ 段落【0040】の「・・・各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図2参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献8記載のカセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有することが理解できる。 オ 段落【0029】の「・・・縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)と、・・・」、段落【0040】の「・・・また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献8記載のカセット循環機構20は、支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであることが理解できる。 カ 段落【0028】の「・・・カップ供給機構14の上等にゴミ除け等のため逆さ状態で積み重ねられた多数のカップ1を、順に一つずつ、図示しないアーム等にて反転させながら、カセット収納ユニットBの搬送機構10へ供給するようになっている。・・・」、段落【0042】の「電子秤50は、散薬取り出し位置に来たカセット30の少し下のところで、搬送機構10の上下のベルト11の間に設置されている(図2参照)。電子秤50には、単独で或いは本体と共に昇降しうる支承片51が設けられていて、上昇したときだけ、ベルト11でカセット30の排出路35の出口直下へ搬送されて来たカップ1を、ベルト11の切れ目から支承して、その重さを秤量する(図4参照)。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献8記載の散薬取出装置が、カップ供給機構14に積み重ねられたカップ1を、搬送機構10によって支承片51に移動することが理解できる。 キ 段落【0029】の「縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)」、段落【0040】の「各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図3参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。その循環ループの最下方で搬送機構10に最接近するところは、散薬取り出し位置とされる。これにより、カセット循環機構20(カセット移動機構)は、散薬カセットのうち該当収納庫内のものを順に散薬取り出し位置へ移動させるものとなっている。」、段落【0061】の「また、これらのカップ搬送と並行して、カセット移動ルーチン84の制御によって、カセット収納ユニットC,Eのカセット循環機構20が作動し、それぞれ第3のカセット30及び第1のカセット30が該当する散薬取り出し位置へ移動させられる。・・・」、段落【0063】の「・・・カセット収納ユニットBでは、第3のカセット30から第2のカップ1へ散薬が取り出され、カセット収納ユニットCでは、第1のカセット30から第1のカップ1へ散薬が取り出される。」、段落【0064】の「・・・該当する電子秤50によって、第1,第3のカップ1の計量も行われる。そして、散薬の取り出し量が所要量に達すると、計量ルーチン86及び散薬取出ルーチン85の協動によって散薬の取り出しが止められる。・・・」、段落【0042】の「電子秤50は、散薬取り出し位置に来たカセット30の少し下のところで、搬送機構10の上下のベルト11の間に設置されている(図3参照)。電子秤50には、単独で或いは本体と共に昇降しうる支承片51が設けられていて、上昇したときだけ、ベルト11でカセット30の排出路35の出口直下へ搬送されて来たカップ1を、ベルト11の切れ目から支承して、その重さを秤量する(図4参照)。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献8記載の散薬取出装置が、これらのカップ搬送と並行して、カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動し、薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移し、散薬の取り出し量を電子秤50によって計量し、散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止することが理解できる。 (8-3)引用発明 上記「(8-1)引用文献8の記載事項」、「(8-2)引用文献8の認定事項」から、引用文献8には、以下の発明(以下「引用発明8」という。)が記載されていると認められる。 <引用発明8>(本件発明1に倣って整理した発明) 「散薬を取り出し可能にストックするカセット30と、複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21等からなるカセット循環機構20と、カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24と、重さが秤量されるカップ1と、多数のカップ1が積み重ねられたカップ供給機構14と、薬剤排出手段と、カセット30から取り出した散薬を計量する電子秤50と、カップ1を支承する支承片51と、カップ1を搬送する搬送機構10を有し、 カセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有し、 カセット循環機構20は、支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであり、 カップ供給機構14に積み重ねられたカップ1を、搬送機構10によって支承片51に移動し、これらのカップ搬送と並行して、カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動し、薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移し、散薬の取り出し量を電子秤50によって計量し、散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止する散薬取出装置であって、 作業者は、散薬取出装置の散薬容器搬送装置のカバー147を開けて先頭のカップ1から順に取り出し、調剤指示箋を参照しながら適宜の散薬分包機70のところへ持っていき、その散薬を該当するフィーダ60に投入する散薬取出装置。」 (9)引用文献9について (9-1)引用文献9の記載事項 引用文献9には、図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、散薬供給装置に関し、詳しくは、ストックしている多くの散薬から適宜の散薬を散薬分包処理等へ適量供給する散薬供給装置に関する。」 「【0021】カップ供給ユニットAには、調剤のためにカセット30から取り出した散薬を入れて搬送したり計量したりするためのカップ1(散薬容器)を供給するカップ供給機構14が設けられている(図2参照)。また、その上方には、カップ1を収容する際にその上下を反転させるカップ収納機構114も設けられている。そして、カップ供給機構14とカップ収納機構114との間に、供給を待つ多数のカップ1が逆さに積み重なって保持されるようになっている。 【0022】カセット収納ユニットBには、下方に横たわる搬送機構10(散薬容器供給用搬送装置)と、縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)と、カセット循環機構20に対しほぼ等間隔で取着された複数個のカセット30(散薬カセット)と、電子秤50(計量装置)とが設けられている。さらに、駆動部40(散薬取り出しの駆動機構)や、リーダライタ52(データアクセス装置)、リーダライタ54(データ読取装置)、リーダ56(データ読取装置)、リーダ58(データ読取装置)なども設けられている(図2参照)。」 「【0028】搬送機構10は、カップ1をベルト11に乗せて横に搬送するために、各カセット収納ユニットB,C,及びカップ還流ユニットE内の下部において両側端に配設された駆動輪12及び従動輪13に対してベルト11が張設されたベルトコンベア等である(図3参照)。カセット収納ユニットB,Cの搬送機構10は両者の端部が近接していて、カセット収納ユニットBの搬送機構10によって搬送されてきたカップ1は、そのまま続けて、隣のカセット収納ユニットCの搬送機構10によって更にカップ昇降ユニットDへと搬送することが可能である(図2参照)。同様に、カセット収納ユニットEの搬送機構10も、カップ昇降ユニットDから搬入されたカップ1をフィーダ60さらには搬送機構110のところまで搬送する。これにより、搬送機構10は、カップ1(散薬容器)を収納庫内に限らず収納庫間でも移動させるものとなっている。」 「【0030】カップ供給機構14は、逆さに積み重ねられている使用前のカップ1を、上または下から順に一つづつ図示しないアーム等によってカセット収納ユニットBの搬送機構10上へ供給するものである(図1,図2参照)。カップ昇降機構15は、その昇降板が下降した状態でカセット収納ユニットCの搬送機構10からカップ1を受け取り、昇降板が上昇したときにカップ1をカップ還流ユニットEの搬送機構10へ送り出すものである(図1,図2参照)。 【0031】カップ昇降機構115は、その昇降板が下降した状態でカップ還流ユニットEの搬送機構110からカップ1を受け取り、昇降板が上昇したときにカップ1をカセット収納ユニットCの搬送機構110へ送り出すものである(図1,図2参照)。カップ収納機構114は、カセット収納ユニットBの搬送機構110からカップ1を受け取ってカップ供給機構14上の積み重ねのところに戻すものであるが(図1,図2参照)、その際に、カップ1を把持した図示しないアームを180゜回転させること等によって、カップ1を上下反転させる処理も行う。これにより、搬送機構10,110は、その搬送経路における清掃手段より後のところであって散薬カセットからの散薬取り出し位置より前のところに散薬容器1を反転させる手段が設けられたものとなっている。」 「【0032】カセット30は、散薬を取り出し可能にストックするために、散薬ストック部33と、その下方の排出部とから構成されている(図4参照)。・・・」 「【0033】排出路35の反対側には、散薬ストック部33の下方背面にまで延びた従動シャフト31が回転可能に設けられている(図4参照)。この従動シャフト31は、前方の排出路35内から、散薬ストック部33の中心に位置する撹拌羽根32の回転軸の真下を通って、後方へ延びている。従動シャフト31の前端は排出路35内の図示しない散薬排出用スクリューに連結され、従動シャフト31の中間部分は撹拌羽根32の回転支軸にギヤ結合させられ、従動シャフト31の後端には駆動シャフト41の挿抜可能なように穿孔が行われ、その穿孔内面には駆動シャフト41の挿入時に駆動シャフト41の外歯と噛合する内歯が形成されている。これにより、散薬カセット30は、散薬取り出しの従動機構の組み込まれたものとなっている。そして、従動シャフト31が回転させられると、撹拌羽根32及び排出路35内のスクリューも連動して回転させられて、散薬ストック部33内の散薬が連通路34及び排出路35を経て円滑に排出されるようになっている。」 「【0036】カセット循環機構20は、収納庫B,Cのそれぞれに設けられており、いずれにも、複数のカセット30のうち該当収納庫内のものが取着されている(図2参照)。各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図3参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。その循環ループの最下方で搬送機構10に最接近するところは、散薬取り出し位置とされる。これにより、カセット循環機構20(カセット移動機構)は、散薬カセットのうち該当収納庫内のものを順に散薬取り出し位置へ移動させるものとなっている。」 「【0038】電子秤50は、散薬取り出し位置に来たカセット30の少し下のところで、搬送機構10の上下のベルト11の間に設置されている(図3参照)。電子秤50には、単独で或いは本体と共に昇降しうる支承片51が設けられていて、上昇したときだけ、ベルト11でカセット30の排出路35の出口直下へ搬送されて来たカップ1を、ベルト11の切れ目から支承して、その重さを秤量する(図4参照)。そして、カセット30からそこのカップ1へ散薬が取り出されると、その散薬の分だけ秤量値も増加する。これにより、電子秤50(計量装置)は、散薬カセット30から取り出した散薬を計量するものとなっている。」 「【0055】また、これらのカップ搬送と並行して、カセット移動ルーチン84の制御によって、カセット収納ユニットB,Cのカセット循環機構20が作動し、それぞれ第3のカセット30及び第1のカセット30が該当する散薬取り出し位置へ移動させられる。それから、計量ルーチン86の制御に従い、該当する電子秤50によって、未だ空のうちに第1,第3のカップ1の計量が行われる。そして、個々のカップそれ自体の重量がそれぞれのデータキャリア3に書き込まれる。こうして、散薬投入前の散薬容器を計量すること及びその計測値を計量の直後にデータアクセス装置にて該当散薬容器のデータ記憶体へ書き込むことも行われて、散薬をカセット30からカップ1へ取り出す用意が速やかに調う。」 「【0057】散薬取り出し位置のカセット30に誤りが見つからなければ、散薬取出ルーチン85の制御によって、該当する駆動部40が散薬取り出し位置のカセット30に結合してそれを駆動する。こうして、カセット収納ユニットBでは、第3のカセット30から第2のカップ1へ散薬が取り出され、カセット収納ユニットCでは、第1のカセット30から第1のカップ1へ散薬が取り出される。 【0058】このとき同時に、計量ルーチン86の制御に従い、該当する電子秤50によって、第1,第3のカップ1の計量も行われる。そして、散薬の取り出し量が所要量に達すると、計量ルーチン86及び散薬取出ルーチン85の協動によって散薬の取り出しが止められる。さらに、計量ルーチン86の処理によって、その取り出した散薬の量が各カップ1のデータキャリア3に書き込まれる。散薬データ91等に保持されている他の関連情報、例えば、その散薬をフィーダ60で送給するのに適したフィーダ60の振動周波数の範囲などの情報も、併せて書き込まれる。」 イ 引用文献9には、以下の図が示されている。 【図1】 [図:0001388357000015.jpg] 【図2】 [図:0001388357000016.jpg] 【図4】 [図:0001388357000017.jpg] (9-2)引用文献9の認定事項 上記「(9-1)引用文献9の記載事項」から、以下の事項が認定できる。 ア 段落【0022】の「カセット収納ユニットBには、下方に横たわる搬送機構10(散薬容器供給用搬送装置)と、縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)と、カセット循環機構20に対しほぼ等間隔で取着された複数個のカセット30(散薬カセット)と、・・・なども設けられている(図2参照)。」、段落【0036】の「・・・各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、・・・」なる記載を踏まえると、引用文献9記載の散薬供給装置が、複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21等からなるカセット循環機構20を有することが理解できる。 イ 段落【0036】の「・・・各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図3参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献9記載の散薬供給装置が、カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24を有することが理解できる。 ウ 段落【0033】の「・・・従動シャフト31の前端は排出路35内の図示しない散薬排出用スクリューに連結され、従動シャフト31の中間部分は撹拌羽根32の回転支軸ギヤ結合させられ、従動シャフト31の後端には駆動シャフト41の挿抜可能なように穿孔が行われ、その穿孔内面には駆動シャフト41の挿入時に駆動シャフト41の外歯と噛合する内歯が形成されている。これにより、散薬カセット30は、散薬取り出しの従動機構の組み込まれたものとなっている。そして、従動シャフト31が回転させられると、撹拌羽根32及び排出路35内のスクリューも連動して回転させられて、散薬ストック部33内の散薬が連通路34及び排出路35を経て円滑に排出されるようになっている。」なる記載を踏まえると、引用文献9記載の散薬供給装置が、薬剤排出手段を有することが理解できる。 エ 段落【0036】の「・・・各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図3参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献9記載のカセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有することが理解できる。 オ 段落【0022】の「・・・縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)と、・・・」、段落【0036】の「・・・また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献9記載のカセット循環機構20は、支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであることが理解できる。 カ 段落【0030】の「カップ供給機構14は、逆さに積み重ねられている使用前のカップ1を、上または下から順に一つづつ図示しないアーム等によってカセット収納ユニットBの搬送機構10上へ供給するものである(図1,図2参照)。・・・」、段落【0038】の「電子秤50は、散薬取り出し位置に来たカセット30の少し下のところで、搬送機構10の上下のベルト11の間に設置されている(図3参照)。電子秤50には、単独で或いは本体と共に昇降しうる支承片51が設けられていて、上昇したときだけ、ベルト11でカセット30の排出路35の出口直下へ搬送されて来たカップ1を、ベルト11の切れ目から支承して、その重さを秤量する(図4参照)。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献9記載の散薬供給装置が、カップ供給機構14に積み重ねられたカップ1を、搬送機構10によって支承片51に移動することが理解できる。 キ 段落【0022】の「・・・縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)・・・」、段落【0036】の「・・・各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図3参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。その循環ループの最下方で搬送機構10に最接近するところは、散薬取り出し位置とされる。これにより、カセット循環機構20(カセット移動機構)は、散薬カセットのうち該当収納庫内のものを順に散薬取り出し位置へ移動させるものとなっている。」、段落【0055】の「また、これらのカップ搬送と並行して、カセット移動ルーチン84の制御によって、カセット収納ユニットB,Cのカセット循環機構20が作動し、それぞれ第3のカセット30及び第1のカセット30が該当する散薬取り出し位置へ移動させられる。・・・」、段落【0057】の「・・・カセット収納ユニットBでは、第3のカセット30から第2のカップ1へ散薬が取り出され、カセット収納ユニットCでは、第1のカセット30から第1のカップ1へ散薬が取り出される。」、段落【0058】の「・・・該当する電子秤50によって、第1,第3のカップ1の計量も行われる。そして、散薬の取り出し量が所要量に達すると、計量ルーチン86及び散薬取出ルーチン85の協動によって散薬の取り出しが止められる。・・・」、段落【0038】の「電子秤50は、散薬取り出し位置に来たカセット30の少し下のところで、搬送機構10の上下のベルト11の間に設置されている(図3参照)。電子秤50には、単独で或いは本体と共に昇降しうる支承片51が設けられていて、上昇したときだけ、ベルト11でカセット30の排出路35の出口直下へ搬送されて来たカップ1を、ベルト11の切れ目から支承して、その重さを秤量する(図4参照)。・・・」なる記載を踏まえると、引用文献9記載の散薬供給装置が、これらのカップ搬送と並行して、カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動し、薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移し、散薬の取り出し量を電子秤50によって計量し、散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止することが理解できる。 (9-3)引用発明 上記「(9-1)引用文献9の記載事項」、「(9-2)引用文献9の認定事項」から、引用文献9には、以下の発明(以下「引用発明9」という。)が記載されていると認められる。 <引用発明9>(本件発明1に倣って整理した発明) 「散薬を取り出し可能にストックするカセット30と、複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21等からなるカセット循環機構20と、カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24と、重さが秤量されるカップ1と、使用前のカップ1が積み重ねられているカップ供給機構14と、薬剤排出手段と、カセット30から取り出した散薬を計量する電子秤50と、カップ1を支承する支承片51と、カップ1を搬送する搬送機構10を有し、 カセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有し、 カセット循環機構20は、支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであり、 カップ供給機構14に積み重ねられたカップ1を、搬送機構10によって支承片51に移動し、これらのカップ搬送と並行して、カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動し、薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移し、散薬の取り出し量を電子秤50によって計量し、散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止する散薬供給装置であって、 カップ収納機構114は、カセット収納ユニットBの搬送機構110からカップ1を受け取ってカップ供給機構14上の積み重ねのところに戻すものである散薬供給装置。」 2 対比・判断 (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と引用発明1Aとを対比する。 (ア)引用発明1Aの「散薬を取り出し可能にストックする」ことは本件発明1の「散薬が貯留される」ことに相当し、同様に、「カセット30」は「薬剤容器」に相当する。 よって、引用発明1Aの「散薬を取り出し可能にストックするカセット30」は本件発明1の「散薬が貯留される薬剤容器」に相当する。 (イ)引用発明1Aの「複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21からなるカセット循環機構20」は、図1、2を踏まえると、カセット30を縦方向の同一平面に並べて複数収容するカセット保管部である移動機構ということができる。 そうすると、引用発明1Aの「複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21からなるカセット循環機構20」と本件発明1の「薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台」とは、上記(ア)も踏まえると、「薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動機構」という点で共通する。 (ウ)引用発明1Aの「循環」させることは本件発明1の「移動」させることに相当する。また、引用発明1Aの「電動モータ24」は「カセット30を循環させる」ものであるから、上記(ア)も踏まえると、本件発明1の「薬剤容器移動手段」に相当する。 よって、上記(ア)、(イ)も踏まえると、引用発明1Aの「カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24」と、本件発明1の「薬剤容器保管部である移動台を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段」とは、「薬剤容器保管部である移動機構を移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段」という点で共通する。 (エ)引用発明1Aの「カップ1」は、「重さが秤量される」ものであるから、本件発明1の「秤量容器」に相当する。 (オ)引用発明1Aの「積み重ねておく」ことは本件発明1の「複数収容する」ことに相当する。また、引用発明1Aの「カップ供給機構14」は、カップ1を積み重ねて保管するものといえるから、上記(エ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器保管部」に相当する。 よって、引用発明1Aの「使用前のカップ1を積み重ねておくカップ供給機構14」は、本件発明1の「秤量容器を複数収容する秤量容器保管部」に相当する。 (カ)引用発明1Aの「薬剤排出手段」は、本件発明1の「薬剤排出手段」に相当する。 (キ)引用発明1Aの「電子秤50」は、「カセット30から取り出した散薬を計量する」ものであるから、本件発明1の「重量測定手段」に相当する。 (ク)引用発明1Aの「カップ1を支承する支承片51」は、図3も踏まえると、支承片51上にカップ1を支承して設置するといえるから、上記(エ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器設置部」に相当する。 (ケ)引用発明1Aの「搬送する」ことは本件発明1の「移動させる」ことに相当する。よって、引用発明1Aの「カップ1を搬送する搬送機構10」は、上記(エ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段」に相当する。 (コ)引用発明1Aの「カセット循環機構20」は、上記(イ)で検討したとおり「カセット保管部である移動機構」といえるから、引用発明1Aの「カセット循環機構20」と本件発明1の「移動台」とは、「移動機構」という点で共通する。 また、引用発明1Aの「支持する」ことは本件発明1の「保持する」ことに相当する。 そして、引用発明1Aの「支持体」は、カセット30を支持する部分であるから、引用発明1Aの「支持体」と本件発明1の「開口」とは、「保持部」という点で共通する。 よって、上記(ア)も踏まえると、引用発明1Aの「カセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有」することと、本件発明1の「前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有」することとは、「前記移動機構は薬剤容器を保持する保持部を複数有」する点で共通する。 (サ)引用発明1Aの「縦方向に循環する」ことと本件発明1の「水平移動する」こととは、「移動」するという点で共通する。 そうすると、上記(ア)、(コ)も踏まえると、引用発明1Aの「カセット循環機構20は、支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであ」ることと、本件発明1の「前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであ」ることとは、「前記移動機構は、前記保持部に薬剤容器を保持した状態で移動するものであ」るという点で共通する。 (シ)引用発明1Aの「カップ供給機構14に積み重ねられたカップ1を、搬送機構10によって支承片51に移動」することは、上記(エ)、(オ)、(ク)、(ケ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動」することに相当する。 (ス)引用発明1Aの「これらのカップ搬送と並行して」は、カップ搬送と前後してといえるから、本件発明1の「前後して」に相当する。 そうすると、上記(ア)、(イ)、(ク)、(サ)も踏まえると、引用発明1Aの「これらのカップ搬送と並行して、カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動」することと、本件発明1の「前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動」することとは、「前後して薬剤容器保管部である移動機構を移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動」するという点で共通する。 (セ)引用発明1Aの「取り出して」は本件発明1の「排出して」に相当する。 よって、上記(ア)、(エ)、(カ)も踏まえると、引用発明1Aの「薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移」すことは、本件発明1の「薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移」すことに相当する。 (ソ)引用発明1Aの 「散薬の取り出し量を電子秤50によって計量」することは、「散薬をカップ1に移し」て計量を行っているから、上記(エ)、(キ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視」することに相当する。 (タ)引用発明1Aの「散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止する」ことは、「散薬をカップ1に移し」て計量を行っているから、上記(エ)、(キ)も踏まえると、本件発明1の「所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止する」ことに相当する。 (チ)引用発明1Aの「散薬供給装置」は、「散薬の取り出し量を電子秤50によって計量」する装置であるから、本件発明1の「散薬秤量装置」に相当する。 (ツ)引用発明1Aの「カップ収容機構16」は、カップを収容して保管するものといえる。そして、本件明細書の段落【0057】には「散薬秤量部61の両側には、秤量容器収容棚63がある。一方の秤量容器収容棚は未使用の秤量皿52が収容された未使用皿収容棚63aであり、他方の秤量容器収容棚には使用済みの秤量皿52が戻される、秤量済み皿収容棚63bである。」と記載されていることも踏まえると、上記(オ)で検討した「カップ供給機構14」に加えて「カップ収容機構16」も、本件発明1の「秤量容器保管部」に相当するといえる。 よって、引用発明1Aの「カップ収容機構16に搬送機構10からカップ1を受け取って収容する」ことは、本件発明1の「秤量容器保管部に使用済みの秤量容器が戻される」ことに相当するといえる。 以上を踏まえると、本件発明1と引用発明1Aとの一致点、相違点は以下のとおりと認められる。 〔一致点〕 「散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動機構と、薬剤容器保管部である移動機構を移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動機構は薬剤容器を保持する保持部を複数有し、 前記移動機構は、前記保持部に薬剤容器を保持した状態で移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動機構を移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移し、秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視し、所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止する散薬秤量装置であって、 秤量容器保管部に使用済みの秤量容器が戻される、散薬秤量装置。」 〔相違点1-1〕 本件発明1は薬剤容器保管部が「移動台」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「移動台」が「開口」を複数有し、さらに上記「移動台」が「水平移動」するものであるのに対し、引用発明1Aは薬剤容器保管部が「チェーン21等からなるカセット循環機構20」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「支持体」を複数有し、さらに上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「縦方向に循環」するものである点。 イ 判断 上記相違点1-1について検討する。 (ア)引用文献2の段落【0007】には「複数個の散薬収容器1、1、…が散薬収容器群1Aとして、左右方向に延びた循環路に沿って配置されている。この循環路には、それを一方向または両方向に循環(または反転移動)させるようになった循環装置6が設けられ、そのため、散薬収容器群1Aの各散薬収容器1、1、…は、循環装置6の作動によって、一方向または両方向に循環(または反転移動)する」と記載され、引用文献3の段落【0007】には「散薬収容器1、1、…は、所定の軸線のまわりに環状に形成された環状路に沿って配置されている。この環状路には、それを一方向または両方向に循環(または反転移動)させるようになった循環装置6が設けられ、そのため、各散薬収容器1、1、…は、循環装置6の作動によって、一方向または両方向に循環(または反転移動)するように一体的に組み合わされている。」と記載され、引用文献4の段落【0011】には「各カセット21は、左右の反転輪間に張設したチエーン等の無端条帯42に所定のピッチで設けた各支持体43に着脱可能に装着して配置され、無端条帯42の内側空間に設けたモータ44が無端条帯42を正逆任意の方向に回転させることにより、各カセット21は左右いずれの方向にも循環されるようになっている。」と記載されているから、薬剤容器保管部を、水平方向に循環させること、すなわち水平移動させることは、本件優先日前の周知技術といえる。 (イ)しかしながら、薬剤容器保管部を移動台とし、上記移動台に開口を複数設け、さらに、上記移動台を水平移動させることは、引用文献2~4のいずれにも記載も示唆もなく、引用発明1Aにおいて、上記相違点1-1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者にとって容易であったとすることはできない。 ウ 小括 したがって、相違点1-1に係る本件発明1の構成は容易想到とはいえないものであるから、本件発明1は引用発明1A、引用文献2~4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえない。 (2)本件発明2について ア 対比 本件発明2と引用発明1Aとを対比する。 上記「(1)本件発明1について」、「ア 対比」の(ア)~(チ)の相当関係は、本件発明2と引用発明1Aとの対比において援用する。 (テ)引用発明1Aの「アーム等によって、カップ1内の散薬をフィーダ60のホッパ61内へ移し替えるようになっている」ことは、カップ1からホッパ61内に散薬を排出するから、本件発明2の「秤量容器から散薬を排出する秤量容器反転装置を有する」ことに相当する。 したがって、本件発明2と引用発明1Aとは、以下の相違点1-2で相違し、その余の点で一致する。 〔相違点1-2〕 本件発明2は薬剤容器保管部が「移動台」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「移動台」が「開口」を複数有し、さらに上記「移動台」が「水平移動」するものであるのに対し、引用発明1Aは薬剤容器保管部が「チェーン21等からなるカセット循環機構20」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「支持体」を複数有し、さらに上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「縦方向に循環」するものである点。 イ 判断 上記相違点1-2は、上記本件発明1における相違点1-1と同じであり、上記「(1)本件発明1について」、「イ 判断」で示したのと同様の理由により、引用発明1Aにおいて、相違点1-2に係る本件発明2の構成とすることは、当業者にとって容易であったとすることはできない。 ウ 小括 したがって、相違点1-2に係る本件発明2の構成は容易想到とはいえないものであるから、本件発明2は引用発明1A、引用文献2~4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえない。 (3)本件発明3について 本件発明3は、本件発明2の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(2)で検討したとおり、本件発明3と引用発明1Aとは、少なくとも上記相違点1-2において相違し、当該相違点に係る本件発明3の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明3は引用発明1Aと、引用文献2~4に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (4)本件発明4について 本件発明4は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(1)及び(2)で検討したとおり、本件発明4と引用発明1Aとは、少なくとも上記相違点1-1又は相違点1-2において相違し、これらの相違点に係る本件発明4の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明4は引用発明1Aと、引用文献2~4に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (5)本件発明5について 本件発明5は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(1)及び(2)で検討したとおり、本件発明5と引用発明1Aとは、少なくとも上記相違点1-1又は相違点1-2において相違し、これらの相違点に係る本件発明5の構成は容易想到とはいえないものである。 さらに、引用文献5~7についても、引用文献5の段落【0022】に「・・・粉粒体排出位置についた振動フィーダ10は振動を開始し容器本体1a内に収納されている粉粒体が排出パイプ4を経て排出される。・・・」と記載され、引用文献6の段落【0009】に「・・・駆動装置6は、上部に本体部係合片15を収納して原料容器1を装着するための係合片収納部16を有する連結部7を備えており、電磁式の振動フィーダを用いて横倒しにした原料容器1内から原料3を振動によって強制的に排出させる・・・」と記載され、引用文献7の段落[0099]に「・・・薬剤フィーダ50は、振動台20に内蔵された自己保持ソレノイド30に対する通電を停止して薬剤容器2を振動台20に固定し、薬剤容器2を振動させて散薬を排出させる機能を持つ。・・・」と記載されているから、薬剤容器を設置する薬剤容器設置部を設け、薬剤容器設置部を振動させる振動手段によって薬剤容器に振動、すなわち外力を加えて薬剤を排出することは、本件優先日前の周知技術といえるものの、上記相違点1-1又は相違点1-2に係る本件発明5の構成は、引用文献5~7のいずれにも記載も示唆もされていない。 したがって、本件発明5は引用発明1Aと、引用文献2~4に記載された技術的事項と、引用文献5~7に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (6)本件発明6について 本件発明6は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(1)及び(2)で検討したとおり、本件発明6と引用発明1Aとは、少なくとも相違点1-1又は相違点1-2において相違し、これらの相違点に係る本件発明6の構成は容易想到とはいえないものである。 さらに、引用文献7の段落[0068]には「重量測定手段25が測定する薬剤容器2の現重量gが、重量測定手段25によって測定された振動開始前の原重量Gに対して所望の重量だけ少なくなると、振動台20の振動を停止する」と記載されており、これは本件発明6の「重量測定手段は、薬剤容器の重量変化から秤量容器に移された散薬の重量を間接的に監視するものである」ことに相当するといえるものの、上記相違点1-1又は相違点1-2に係る本件発明6の構成は、引用文献7に記載も示唆もされていない。 したがって、本件発明6は引用発明1Aと、引用文献2~4に記載された技術的事項と、引用文献5~7に記載された技術的事項と、引用文献7に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (7)本件発明7について 本件発明7は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(1)及び(2)で検討したとおり、本件発明7と引用発明1Aとは、少なくとも相違点1-1又は相違点1-2において相違し、これらの相違点に係る本件発明7の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明7は引用発明1Aと、引用文献2~4に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (8)本件発明8について ア 対比 本件発明8と引用発明1Bとを対比する。 (ア)引用発明1Bの「散薬秤量装置」は、本件発明8の「散薬秤量装置」に相当する。 (イ)引用発明1Bの「散薬を所定の包数に分割」することは、本件発明8の「薬剤を所望の個数に分割」することに相当し、以下同様に、「1包分ずつ」は「個別に」に、「分包する」は「包装する」に、「散薬分包機70」は「薬剤分包装置」に、それぞれ相当する。 よって、引用発明1Bの「散薬を所定の包数に分割して1包分ずつ分包する散薬分包機70とを有」することは、本件発明8の「薬剤を所望の個数に分割して個別に包装する薬剤分包装置とを有」することに相当する。 (ウ)上記「(1)本件発明1について」の(ア)~(タ)の相当関係は、本件発明8と引用発明1Bとの対比において援用する。 (エ)引用発明1Bの「アーム等によって、」は本件発明8の「自動的に」に相当し、以下同様に、「カップ1内」は「秤量容器内」に、「散薬をフィーダ60のホッパ61内へ移し替え、案内部62により散薬を薬剤分包機70に送り込むようになっている」ことは、「散薬を」「薬剤分包装置に投入することが可能である」ことに、それぞれ相当する。 よって、引用発明1Bの「アーム等によって、カップ1内の散薬をフィーダ60のホッパ61内へ移し替え、案内部62により散薬を薬剤分包機70に送り込むようになっている」ことは、本件発明8の「秤量容器内の散薬を自動的に薬剤分包装置に投入することが可能である」ことに相当する。 (オ)引用発明1Bの「散薬供給装置」は、「薬剤分包機70」を有するから、本件発明8の「薬剤分包システム」に相当する。 したがって、本件発明8と引用発明1Bとは、以下の相違点1-8で相違し、その余の点で一致する。 〔相違点1-8〕 本件発明8は薬剤容器保管部が「移動台」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「移動台」が「開口」を複数有し、さらに上記「移動台」が「水平移動」するものであるのに対し、引用発明1Bは薬剤容器保管部が「チェーン21等からなるカセット循環機構20」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「支持体」を複数有し、さらに上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「縦方向に循環」するものである点。 イ 判断 上記相違点1-8は、上記本件発明1における相違点1-1と同じであり、上記「(1)本件発明1について」、「イ 判断」で示したのと同様の理由により、引用発明1Bにおいて、相違点1-8に係る本件発明8の構成とすることは、当業者にとって容易であったとすることはできない。 ウ 小括 したがって、相違点1-8に係る本件発明8の構成は容易想到とはいえないものであるから、本件発明8は引用発明1B、引用文献2~4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえない。 (9)本件発明9について ア 対比 本件発明9と引用発明1Cとを対比する。 (ア)引用発明1Cの「薬剤秤量手段」は本件発明9の「薬剤秤量手段」に相当し、以下同様に、「カップ1を搬送する搬送機構10」は「秤量容器搬送手段」に、「薬剤分割手段」は「薬剤分割手段」に、「包装装置」は「薬剤分包手段」に、それぞれ相当する。 (イ)上記「(1)本件発明1について」、「ア 対比」の(ア)~(エ)、(カ)~(ク)、(ケ)~(サ)、(セ)~(タ)の相当関係は、本件発明9と引用発明1Cとの対比において援用する。 (ウ)上記「(1)本件発明1について」、「ア 対比」の(ア)、(イ)、(ク)、(サ)も踏まえると、引用発明1Cの「カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動」することと、本件発明9の「薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動」することとは、「薬剤容器保管部である移動機構を移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動」するという点で共通する。 (エ)引用発明1Cの「フィーダ60」は本件発明9の「薬剤投入部」に相当し、以下同様に、「所定の包数に相当する分割数」は「所定の数」に、「切り出す」は「分割する」に、「1包分ずつ」は「個別に」に、「分包する」は「包装する」に、それぞれ相当する。 よって、上記(ア)も踏まえると、引用発明1Cの「薬剤分割手段は、散薬を投入するフィーダ60を有し、当該フィーダ60に投入された散薬を所定の包数に相当する分割数に切り出すものであり、包装装置は、分割された散薬を1包分ずつ分包するものであ」ることは、本件発明9の「前記薬剤分割手段は散薬を投入する薬剤投入部を有し、当該薬剤投入部に投入された散薬を所定の数に分割するものであり、前記薬剤分包手段は、分割された散薬を個別に包装するものであ」ることに相当する。 (オ)引用発明1Cの「ところへ運んで」は本件発明9の「に移動して」に相当し、同様に、「移し替え」は「投入し」に、それぞれ相当する。 よって、上記(ア)、(エ)及び上記「(1)本件発明1について」、「ア 対比」の(エ)も踏まえると、引用発明1Cの「薬剤秤量手段によって所定量の散薬がカップ1に移され、カップ1を搬送機構10によって薬剤分割手段のフィーダ60のところへ運んで散薬を移し替え、散薬分割手段によって散薬を所定の包数に相当する分割数に切り出し、包装装置によって1包分ずつ分包する」ことは、本件発明9の「前記薬剤秤量手段によって所定量の散薬が秤量容器に移され、当該秤量容器を前記秤量容器搬送手段によって前記薬剤分割手段の薬剤投入部に移動して散薬を投入し、前記薬剤分割手段によって散薬を所定の数に分割し、前記薬剤分包手段によって個別に包装される」ことに相当する。 (カ)引用発明1Cの「散薬供給装置」は、「薬剤分割手段と、包装装置を有」するから、本件発明9の「薬剤分包システム」に相当する。 したがって、本件発明9と引用発明1Cとは、以下の相違点1-9で相違し、その余の点で一致する。 〔相違点1-9〕 本件発明9は薬剤容器保管部が「移動台」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「移動台」が「開口」を複数有し、さらに上記「移動台」が「水平移動」するものであるのに対し、引用発明1Cは薬剤容器保管部が「チェーン21等からなるカセット循環機構20」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「支持体」を複数有し、さらに上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「縦方向に循環」するものである点。 イ 判断 上記相違点1-9は、上記本件発明1における相違点1-1と同じであり、上記「(1)本件発明1について」、「イ 判断」で示したのと同様の理由により、引用発明1Cにおいて、相違点1-9に係る本件発明9の構成とすることは、当業者にとって容易であったとすることはできない。 ウ 小括 したがって、相違点1-9に係る本件発明9の構成は容易想到とはいえないものであるから、本件発明9は引用発明1C、引用文献2~4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえない。 (10)本件発明10について 本件発明10は、本件発明9の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(9)で検討したとおり、本件発明10と引用発明1Cとは、少なくとも上記相違点1-9において相違し、当該相違点に係る本件発明10の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明10は引用発明1Cと、引用文献2~4に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (11)本件発明11について 本件発明11は、本件発明8又は9の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(8)及び(9)で検討したとおり、本件発明11と引用発明1Cとは、少なくとも相違点1-8又は相違点1-9において相違し、これらの相違点に係る本件発明11の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明11は引用発明1Cと、引用文献2~4に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (12)本件発明12について ア 対比 本件発明12と引用発明1Dとを対比する。 (ア)上記「(1)本件発明1について」、「ア 対比」の(ア)~(タ)の相当関係は、本件発明12と引用発明1Dとの対比において援用する。 (イ)引用発明1Dの「散薬を所定の包数に相当する分割数に切り出す」ことは本件発明12の「散薬を所定の数に分割する」ことに相当する。 よって、引用発明1Dの「散薬を所定の包数に相当する分割数に切り出す薬剤分割手段」は、本件発明12の「散薬を所定の数に分割する薬剤分割手段」に相当する。 (ウ)引用発明1Dの「分割された散薬を1包分ずつ分包する包装装置」は、本件発明12の「薬剤を個別に包装する薬剤包装手段」に相当する。 (エ)引用発明1Dの「散薬を収容し終えたカップ1を搬送機構10によって運」ぶことは、本件発明12の「散薬が入った秤量容器を秤量容器搬送手段で移動」することに相当する。 (オ)引用発明1Dの「散薬をフィーダ60へ移し替えて1包相当分ずつ切り出」すことは、「フィーダ60」は薬剤分割手段に散薬を投入するものであるから、本件発明12の「散薬を薬剤分割手段に投入して分割」することに相当する。 (カ)引用発明1Dの「包装装置でその散薬を1包分ずつ分包する」ことは、本件発明12の「薬剤分包手段で包装する」ことに相当する。 (キ)引用発明1Dの「散薬供給装置が、筐体を有する一体の装置として構成されている」ことと、本件発明12の「各手段が共通の筐体内に収容されている」こととは、各手段が筐体内に収容されているという点で共通する。 (ク)引用発明1Dの「散薬供給装置」は、「薬剤分割手段」と「包装装置」とを有するから、本件発明12の「薬剤分包システム」に相当する。 したがって、本件発明12と引用発明1Dとは、以下の相違点1-12及び相違点2で相違し、その余の点で一致する。 〔相違点1-12〕 本件発明12は薬剤容器保管部が「移動台」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「移動台」が「開口」を複数有し、さらに上記「移動台」が「水平移動」するものであるのに対し、引用発明1Dは薬剤容器保管部が「チェーン21等からなるカセット循環機構20」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「支持体」を複数有し、さらに上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「縦方向に循環」するものである点。 〔相違点2〕 筐体に関し、本件発明12は「各手段が共通の筐体内に収容されている」のに対し、引用発明1Dは筐体を有する一体の装置として構成されているものの、共通の筐体であるか明らかでない点。 イ 判断 上記相違点1-12は、上記本件発明1における相違点1-1と同じであり、上記「(1)本件発明1について」、「イ 判断」で示したのと同様の理由により、引用発明1Dにおいて、相違点1-12に係る本件発明12の構成とすることは、当業者にとって容易であったとすることはできない。 ウ 小括 したがって、本件発明12と引用発明1Dとは、上記1-12及び相違点2で相違するところ、相違点1-12に係る本件発明12の構成は容易想到とはいえないものであるから、上記相違点2について検討するまでもなく、本件発明12は引用発明1D、引用文献2~4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえない。 (13)本件発明13について 本件発明13は、本件発明12の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(12)で検討したとおり、本件発明13と引用発明1Dとは、少なくとも上記相違点1-12において相違し、当該相違点に係る本件発明13の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明13は引用発明1Dと、引用文献2~4に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (14)本件発明14について 本件発明14は、本件発明8又は12の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(8)及び(12)で検討したとおり、本件発明14と引用発明1Dとは、少なくとも上記相違点1-8又は相違点1-12において相違し、これらの相違点に係る本件発明14の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明14は引用発明1Dと、引用文献2~4に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (15)本件発明15について 本件発明15は、本件発明8又は12の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(8)及び(12)で検討したとおり、本件発明15と引用発明1Dとは、少なくとも上記相違点1-8又は相違点1-12において相違し、これらの相違点に係る本件発明15の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明15は引用発明1Dと、引用文献2~4に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (16)本件発明16について 本件発明16は、本件発明8又は12の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(8)及び(12)で検討したとおり、本件発明16と引用発明1Dとは、少なくとも上記相違点1-8又は相違点1-12において相違し、これらの相違点に係る本件発明16の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明16は引用発明1Dと、引用文献2~4に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (17)本件発明17について ア 対比 本件発明17と引用発明1Eとを対比する。 (ア)引用発明1Eの「外郭を構成する筐体内」は本件発明17の「外郭を構成する外郭構成体内」に相当する。 (イ)上記「(1)本件発明1について」、「ア 対比」の(ア)~(タ)の相当関係及び上記「(12)本件発明12について」、「ア 対比」の(イ)の相当関係は、本件発明17と引用発明1Eとの対比においても援用する。 (ウ)引用発明1Eの「薬剤供給装置」は、「散薬を1包分ずつ分包する包装装置」が収容されており、分包した散薬を払い出すことは明らかであるから、本件発明17の「薬剤払い出し装置」に相当する。 したがって、本件発明17と引用発明1Eとは、以下の相違点1-17で相違し、その余の点で一致する。 〔相違点1-17〕 本件発明17は薬剤容器保管部が「移動台」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「移動台」が「開口」を複数有し、さらに上記「移動台」が「水平移動」するものであるのに対し、引用発明1Eは薬剤容器保管部が「チェーン21等からなるカセット循環機構20」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「支持体」を複数有し、さらに上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「縦方向に循環」するものである点。 イ 判断 上記相違点1-17は本件発明1における相違点1-1と同じであり、上記「(1)本件発明1について」、「イ 判断」で示したのと同様の理由により、引用発明1Eにおいて、相違点1-17に係る本件発明17の構成とすることは、当業者にとって容易であったとすることはできない。 ウ 小括 したがって、相違点1-17に係る本件発明17の構成は容易想到とはいえないものであるから、本件発明17は引用発明1E、引用文献2~4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえない。 (18)本件発明18について 本件発明18は、本件発明17の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(17)で検討したとおり、本件発明18と引用発明1Eとは、少なくとも上記相違点1-17において相違し、当該相違点に係る本件発明18の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明18は引用発明1Eと、引用文献2~4に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (19)本件発明19について 本件発明19は、本件発明17の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものであるから、上記(17)で検討したとおり、本件発明19と引用発明1Eとは、少なくとも上記相違点1-17において相違し、当該相違点に係る本件発明19の構成は容易想到とはいえないものである。 したがって、本件発明19は引用発明1Eと、引用文献2~4に記載された技術的事項とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (20)本件発明20について ア 対比 本件発明20と引用発明1Eとを対比する。 (ア)上記「(1)本件発明1について」、「ア 対比」の(ア)~(タ)の相当関係、上記「(12)本件発明12について」、「ア 対比」の(イ)、(ウ)の相当関係及び上記「(17)本件発明17について」、「ア 対比」の(ア)、(ウ)の相当関係は、本件発明20と引用発明1Eとの対比において援用する。 したがって、本件発明20と引用発明1Eとは、以下の相違点1-20で相違し、その余の点で一致する。 〔相違点1-20〕 本件発明20は薬剤容器保管部が「移動台」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「移動台」が「開口」を複数有し、さらに上記「移動台」が「水平移動」するものであるのに対し、引用発明1Eは薬剤容器保管部が「チェーン21等からなるカセット循環機構20」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「支持体」を複数有し、さらに上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「縦方向に循環」するものである点。 イ 判断 上記相違点1-20は、上記本件発明1における相違点1-1と同じであり、上記「(1)本件発明1について」、「イ 判断」で示したのと同様の理由により、引用発明1Eにおいて、相違点1-20に係る本件発明20の構成とすることは、当業者にとって容易であったとすることはできない。 ウ 小括 したがって、相違点1-20に係る本件発明20の構成は容易想到とはいえないものであるから、本件発明20は引用発明1E、引用文献2~4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえない。 3 特許異議申立人の主張について 特許異議申立人は、意見書において、移動時に薬剤容器を複数の開口(引用文献5における粉粒体容器主要筒16の開口部分)により保持することは、引用文献5に記載の発明に基づき周知技術である(必要であれば甲10、11も参照)と主張する。 しかしながら、引用発明1A~1Eは「縦に長いループ状のチェーン21等からなるカセット循環機構20」を有するものであるところ、これを引用文献5記載の複数の開口により保持するものに換えた上で、さらに、これを水平移動する移動台に改変する動機付けはない。 また、新たに提示された甲第10号証は、薬液等の液体を充填するための分注装置であって、引用発明1A~1Eの散薬を秤量するものとは排出手段等の具体的構成を異にするものであるから、引用発明1A~1Eに適用する動機付けはなく、甲第11号証についても、医薬品製造ラインの無端状コンベアであって、移動台を開示するものではない。 よって、特許異議申立人の上記主張は採用することができない。 第6 当審で採用しなかった異議申立理由について 1 理由2(引用文献8を主引用例とする特許法第29条第2項の主張)について 特許異議申立人は、本件発明1は、引用文献8(甲第8号証)に記載された発明と、引用文献2~4(甲第2~4号証)に記載された技術的事項とから、当業者が容易に発明をすることができたものであると主張しているので、以下検討する。 ア 対比 本件発明1と引用発明8とを対比する。 (ア)引用発明8の「散薬を取り出し可能にストックする」ことは本件発明1の「散薬が貯留される」ことに相当し、同様に、「カセット30」は「薬剤容器」に相当する。 よって、引用発明8の「散薬を取り出し可能にストックするカセット30」は本件発明1の「散薬が貯留される薬剤容器」に相当する。 (イ)引用発明8の「複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21からなるカセット循環機構20」は、図1、2を踏まえると、カセット30を縦方向の同一平面に並べて複数収容するカセット保管部である移動機構ということができる。 そうすると、引用発明8の「複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21からなるカセット循環機構20」と本件発明1の「薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台」とは、上記(ア)も踏まえると、「薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動機構」という点で共通する。 (ウ)引用発明8の「循環」させることは本件発明1の「移動」させることに相当する。また、引用発明8の「電動モータ24」は「カセット30を循環させる」ものであるから、上記(ア)も踏まえると、本件発明1の「薬剤容器移動手段」に相当する。 よって、上記(ア)、(イ)も踏まえると、引用発明8の「カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24」と、本件発明1の「薬剤容器保管部を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段」とは、「薬剤容器保管部である移動機構を移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段」という点で共通する。 (エ)引用発明8の「カップ1」は、「重さが秤量される」ものであるから、本件発明1の「秤量容器」に相当する。 (オ)引用発明8の「多数のカップ1が積み重ねられた」ことは、上記(エ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器を複数収容する」ことに相当する。また、引用発明8の「カップ供給機構14」は、カップ1を積み重ねて保管するものといえるから、本件発明1の「秤量容器保管部」に相当する。 よって、引用発明8の「多数のカップ1が積み重ねられたカップ供給機構14」は、本件発明1の「秤量容器を複数収容する秤量容器保管部」に相当する。 (カ)引用発明8の「薬剤排出手段」は、本件発明1の「薬剤排出手段」に相当する。 (キ)引用発明8の「電子秤50」は、「散薬カセット30から取り出した散薬を計量する」ものであるから、本件発明1の「重量測定手段」に相当する。 (ク)引用発明8の「カップ1を支承する支承片51」は、図4も踏まえると、支承片51上にカップ1を支承して設置するといえるから、上記(エ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器設置部」に相当する。 (ケ)引用発明8の「搬送する」ことは本件発明1の「移動させる」ことに相当する。 よって、引用発明8の「カップ1を搬送する搬送機構10」は、上記(エ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段」に相当する。 (コ)引用発明8の「カセット循環機構20」は、上記(イ)で検討したとおり「カセット保管部である移動機構」といえるから、引用発明8の「カセット循環機構20」と本件発明1の「移動台」とは、「移動機構」という点で共通する。また、引用発明8の「支持する」ことは本件発明1の「保持する」ことに相当する。さらに、引用発明8の「支持体」は、カセット30を支持する部分であるから、引用発明8の「支持体」と本件発明1の「開口」とは、「保持部」という点で共通する。 よって、上記(ア)も踏まえると、引用発明8の「前記カセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有」することと、本件発明1の「前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有」することとは、「前記移動機構は薬剤容器を保持する保持部を複数有」する点で共通する。 (サ)引用発明8の「縦方向に循環する」ことと本件発明1の「水平移動する」こととは、「移動」するという点で共通する。 そうすると、上記(ア)、(コ)も踏まえると、引用発明8の「前記カセット循環機構20は、前記支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであ」ることと、本件発明1の「前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであ」ることとは、「前記移動機構は、前記保持部に薬剤容器を保持した状態で移動するものであ」るという点で共通する。 (シ)引用発明8の「カップ供給機構14に積み重ねられたカップ1を、搬送機構10によって支承片51に移動」することは、上記(エ)、(オ)、(ク)、(ケ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動」することに相当する。 (ス)引用発明8の「これらのカップ搬送と並行して」は、カップ搬送と前後してといえるから、本件発明1の「前後して」に相当する。 そうすると、上記(ア)、(イ)、(ク)、(サ)も踏まえると、引用発明8の「これらのカップ搬送と並行して、カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動」することと、本件発明1の「前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動」することとは、「前後して薬剤容器保管部である移動機構を移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動」するという点で共通する。 (セ)引用発明8の「取り出して」は本件発明1の「排出して」に相当する。 よって、上記(ア)、(エ)、(カ)も踏まえると、引用発明8の「薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移」すことは、本件発明1の「薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移」すことに相当する。 (ソ)引用発明8の「散薬の取り出し量を電子秤50によって計量」することは、「散薬をカップ1に移し」て計量を行っているから、上記(エ)、(キ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視」することに相当する。 (タ)引用発明8の「散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止する」ことは、「散薬をカップ1に移し」て計量を行っているから、上記(エ)、(キ)も踏まえると、本件発明1の「所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止する」ことに相当する。 (チ)引用発明8の「薬剤取出装置」は、「散薬の取り出し量を電子秤50によって計量」する装置であるから、本件発明1の「散薬秤量装置」に相当する。 以上を踏まえると、本件発明1と引用発明8との一致点、相違点は以下のとおりと認められる。 〔一致点〕 「散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動機構と、薬剤容器保管部である移動機構を移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動機構は薬剤容器を保持する保持部を複数有し、 前記移動機構は、前記保持部に薬剤容器を保持した状態で移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動機構を移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移し、秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視し、所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止する散薬秤量装置。」 〔相違点3〕 本件発明1は薬剤容器保管部が「移動台」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「移動台」が「開口」を複数有し、さらに上記「移動台」が「水平移動」するものであるのに対し、引用発明8は薬剤容器保管部が「チェーン21等からなるカセット循環機構20」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「支持体」を複数有し、さらに上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「縦方向に循環」するものである点。 〔相違点4〕 本件発明1は「秤量容器保管部に使用済みの秤量容器が戻される」ものであるのに対し、引用発明8は「作業者は、散薬取出装置の散薬容器搬送装置のカバー147を開けて先頭のカップ1から順に取り出し、調剤指示箋を参照しながら適宜の散薬分包機70のところへ持っていき、その散薬を該当するフィーダ60に投入する」ものであって、使用済みのカップ1(秤量容器)がカップ供給機構14(秤量容器保管部)に戻されるか明らかでない点。 イ 判断 上記相違点3について検討する。 (ア)引用文献2の段落【0007】には「複数個の散薬収容器1、1、…が散薬収容器群1Aとして、左右方向に延びた循環路に沿って配置されている。この循環路には、それを一方向または両方向に循環(または反転移動)させるようになった循環装置6が設けられ、そのため、散薬収容器群1Aの各散薬収容器1、1、…は、循環装置6の作動によって、一方向または両方向に循環(または反転移動)する」と記載され、引用文献3の段落【0007】には「散薬収容器1、1、…は、所定の軸線のまわりに環状に形成された環状路に沿って配置されている。この環状路には、それを一方向または両方向に循環(または反転移動)させるようになった循環装置6が設けられ、そのため、各散薬収容器1、1、…は、循環装置6の作動によって、一方向または両方向に循環(または反転移動)するように一体的に組み合わされている。」と記載され、引用文献4の段落【0011】には「各カセット21は、左右の反転輪間に張設したチエーン等の無端条帯42に所定のピッチで設けた各支持体43に着脱可能に装着して配置され、無端条帯42の内側空間に設けたモータ44が無端条帯42を正逆任意の方向に回転させることにより、各カセット21は左右いずれの方向にも循環されるようになっている。」と記載されているから、薬剤容器保管部を、水平方向に循環させること、すなわち水平移動させることは、本件優先日前の周知技術といえる。 (イ)しかしながら、薬剤容器保管部を移動台とし、上記移動台に開口を複数設け、さらに、上記移動台を水平移動させることは、引用文献2~4のいずれにも記載も示唆もなく、引用発明8において、相違点3に係る本件発明1の構成とすることは、当業者にとって容易であったとすることはできない。 ウ 小括 したがって、本件発明1と引用発明8とは、上記相違点3及び相違点4で相違するところ、相違点3に係る本件発明1の構成は容易想到とはいえないものであるから、相違点4について検討するまでもなく、本件発明1は引用発明8、引用文献2~4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえない。 2 理由3(引用文献9を主引用例とする特許法第29条第2項の主張)について 特許異議申立人は、本件発明1は、引用文献9(甲第9号証)に記載された発明と、引用文献2~4(甲第2~4号証)に記載された技術的事項とから、当業者が容易に発明をすることができたものであると主張しているので、以下検討する。 ア 対比 本件発明1と引用発明9とを対比する。 (ア)引用発明9の「散薬を取り出し可能にストックする」ことは本件発明1の「散薬が貯留される」ことに相当し、同様に、「カセット30」は「薬剤容器」に相当する。 よって、引用発明9の「散薬を取り出し可能にストックするカセット30」は本件発明1の「散薬が貯留される薬剤容器」に相当する。 (イ)引用発明9の「複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21からなるカセット循環機構20」は、図1、2を踏まえると、カセット30を縦方向の同一平面に並べて複数収容するカセット保管部である移動機構ということができる。 そうすると、引用発明9の「複数個のカセット30をほぼ等間隔で取着する縦に長いループ状のチェーン21からなるカセット循環機構20」と本件発明1の「薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動台」とは、上記(ア)も踏まえると、「薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動機構」という点で共通する。 (ウ)引用発明9の「循環」させることは本件発明1の「移動」させることに相当する。また、引用発明9の「電動モータ24」は「カセット30を循環させる」ものであるから、上記(ア)も踏まえると、本件発明1の「薬剤容器移動手段」に相当する。 よって、上記(ア)、(イ)も踏まえると、引用発明9の「カセット循環機構20を正逆双方向に循環してカセット30を循環させる電動モータ24」と、本件発明1の「薬剤容器保管部を水平移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段」とは、「薬剤容器保管部である移動機構を移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段」という点で共通する。 (エ)引用発明9の「カップ1」は、「重さが秤量される」ものであるから、本件発明1の「秤量容器」に相当する。 (オ)引用発明9の「使用前のカップ1が積み重ねられている」ことは、上記(エ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器を複数収容する」ことに相当する。また、引用発明9の「カップ供給機構14」は、カップ1を積み重ねて保管するものといえるから、本件発明1の「秤量容器保管部」に相当する。 よって、引用発明9の「使用前のカップ1が積み重ねられているカップ供給機構14」は、本件発明1の「秤量容器を複数収容する秤量容器保管部」に相当する。 (カ)引用発明9の「薬剤排出手段」は、本件発明1の「薬剤排出手段」に相当する。 (キ)引用発明9の「電子秤50」は、「散薬カセット30から取り出した散薬を計量する」ものであるから、本件発明1の「重量測定手段」に相当する。 (ク)引用発明9の「カップ1を支承する支承片51」は、図4も踏まえると、支承片51上にカップ1を支承して設置するといえるから、上記(エ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器設置部」に相当する。 (ケ)引用発明9の「搬送する」ことは本件発明1の「移動させる」ことに相当する。 よって、引用発明9の「カップ1を搬送する搬送機構10」は、上記(エ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段」に相当する。 (コ)引用発明9の「カセット循環機構20」は、上記(イ)で検討したとおり「カセット保管部である移動機構」といえるから、引用発明9の「カセット循環機構20」と本件発明1の「移動台」とは、「移動機構」という点で共通する。また、引用発明9の「支持する」ことは本件発明1の「保持する」ことに相当する。さらに、引用発明9の「支持体」は、カセット30を支持する部分であるから、引用発明9の「支持体」と本件発明1の「開口」とは、「保持部」という点で共通する。 よって、上記(ア)も踏まえると、引用発明9の「前記カセット循環機構20はカセット30を支持する支持体を複数有」することと、本件発明1の「前記移動台は薬剤容器を保持する開口を複数有」することとは、「前記移動機構は薬剤容器を保持する保持部を複数有」する点で共通する。 (サ)引用発明9の「縦方向に循環する」ことと本件発明1の「水平移動する」こととは、「移動」するという点で共通する。 そうすると、上記(ア)、(コ)も踏まえると、引用発明9の「前記カセット循環機構20は、前記支持体にカセット30を保持した状態で縦方向に循環するものであ」ることと、本件発明1の「前記移動台は、前記開口に薬剤容器を保持した状態で水平移動するものであ」ることとは、「前記移動機構は、前記保持部に薬剤容器を保持した状態で移動するものであ」るという点で共通する。 (シ)引用発明9の「カップ供給機構14に積み重ねられたカップ1を、搬送機構10によって支承片51に移動」することは、上記(エ)、(オ)、(ク)、(ケ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動」することに相当する。 (ス)引用発明9の「これらのカップ搬送と並行して」は、カップ搬送と前後してといえるから、本件発明1の「前後して」に相当する。 そうすると、上記(ア)、(イ)、(ク)、(サ)も踏まえると、引用発明9の「これらのカップ搬送と並行して、カセット循環機構20のチェーン21等を縦方向に循環させて特定のカセット30を支承片51の上に移動」することと、本件発明1の「前後して薬剤容器保管部である移動台を水平移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動」することとは、「前後して薬剤容器保管部である移動機構を移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動」するという点で共通する。 (セ)引用発明9の「取り出して」は本件発明1の「排出して」に相当する。 よって、上記(ア)、(エ)、(カ)も踏まえると、引用発明9の「薬剤排出手段によってカセット30から散薬を取り出して散薬をカップ1に移」すことは、本件発明1の「薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移」すことに相当する。 (ソ)引用発明9の「散薬の取り出し量を電子秤50によって計量」することは、「散薬をカップ1に移し」て計量を行っているから、上記(エ)、(キ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視」することに相当する。 (タ)引用発明9の「散薬の取り出し量が所要量に達すると、薬剤排出手段を停止する」ことは、「散薬をカップ1に移し」て計量を行っているから、上記(エ)、(キ)も踏まえると、本件発明1の「所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止する」ことに相当する。 (チ)引用発明9の「薬剤供給装置」は、「散薬の取り出し量を電子秤50によって計量」する装置であるから、本件発明1の「散薬秤量装置」に相当する。 (ツ)引用発明9の「カップ収納機構114は、カセット収納ユニットBの搬送機構110からカップ1を受け取ってカップ供給機構14上の積み重ねのところに戻すものである」ことは、上記(エ)、(オ)も踏まえると、本件発明1の「秤量容器保管部に使用済みの秤量容器が戻される」ことに相当する。 以上を踏まえると、本件発明1と引用発明9との一致点、相違点は以下のとおりと認められる。 〔一致点〕 「散薬が貯留される薬剤容器と、薬剤容器を同一平面に並べて複数収容する薬剤容器保管部である移動機構と、薬剤容器保管部である移動機構を移動して薬剤容器を移動させる薬剤容器移動手段と、秤量容器と、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、薬剤排出手段と、重量測定手段と、秤量容器設置部と、秤量容器を移動させる秤量容器搬送手段を有し、 前記移動機構は薬剤容器を保持する保持部を複数有し、 前記移動機構は、前記保持部に薬剤容器を保持した状態で移動するものであり、 秤量容器保管部に収容された秤量容器を秤量容器搬送手段によって秤量容器設置部に移動し、前後して薬剤容器保管部である移動機構を移動して特定の薬剤容器を秤量容器設置部の上に移動し、薬剤排出手段によって薬剤容器から散薬を排出して散薬を秤量容器に移し、秤量容器に移された散薬の重量を重量測定手段で直接的又は間接的に監視し、所定量の散薬が秤量容器に移されたことを条件として薬剤排出手段を停止する散薬秤量装置であって、 秤量容器保管部に使用済みの秤量容器が戻される、散薬秤量装置。」 〔相違点5〕 本件発明1は薬剤容器保管部が「移動台」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「移動台」が「開口」を複数有し、さらに上記「移動台」が「水平移動」するものであるのに対し、引用発明9は薬剤容器保管部が「チェーン21等からなるカセット循環機構20」であって、薬剤容器を保持する保持部として上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「支持体」を複数有し、さらに上記「チェーン21等からなるカセット循環機構20」が「縦方向に循環」するものである点。 イ 判断 上記相違点5について検討する。 (ア)引用文献2の段落【0007】には「複数個の散薬収容器1、1、…が散薬収容器群1Aとして、左右方向に延びた循環路に沿って配置されている。この循環路には、それを一方向または両方向に循環(または反転移動)させるようになった循環装置6が設けられ、そのため、散薬収容器群1Aの各散薬収容器1、1、…は、循環装置6の作動によって、一方向または両方向に循環(または反転移動)する」と記載され、引用文献3の段落【0007】には「散薬収容器1、1、…は、所定の軸線のまわりに環状に形成された環状路に沿って配置されている。この環状路には、それを一方向または両方向に循環(または反転移動)させるようになった循環装置6が設けられ、そのため、各散薬収容器1、1、…は、循環装置6の作動によって、一方向または両方向に循環(または反転移動)するように一体的に組み合わされている。」と記載され、引用文献4の段落【0011】には「各カセット21は、左右の反転輪間に張設したチエーン等の無端条帯42に所定のピッチで設けた各支持体43に着脱可能に装着して配置され、無端条帯42の内側空間に設けたモータ44が無端条帯42を正逆任意の方向に回転させることにより、各カセット21は左右いずれの方向にも循環されるようになっている。」と記載されているから、薬剤容器保管部を、水平方向に循環させること、すなわち水平移動させることは、本件優先日前の周知技術といえる。 (イ)しかしながら、薬剤容器保管部を移動台とし、上記移動台に開口を複数設け、さらに、上記移動台を水平移動させることは、引用文献2~4のいずれにも記載も示唆もなく、引用発明9において、相違点5に係る本件発明1の構成とすることは、当業者にとって容易であったとすることはできない。 ウ 小括 したがって、相違点5に係る本件発明1の構成は容易想到とはいえないものであるから、本件発明1は引用発明9、引用文献2~4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえない。 3 理由4(特許法第36条第6項2号の主張)について 特許異議申立人は、本件発明1、4~7は、「散薬秤量装置における秤量容器保管部の構成上の関連が一切不明瞭である。特に、請求項1における『秤量容器保管部に使用済みの秤量容器が戻される』との記載によって、『散薬秤量装置』がどのような構造・機構に特定されるのかを把握できない。」と主張しているので、以下検討する。 本件発明1は「秤量容器を複数収容する秤量容器保管部と、・・・を有し、」と特定されているから、「秤量容器保管部」が「秤量容器を複数収容する」ものであることが把握でき、さらに、「秤量容器保管部に使用済みの秤量容器が戻される」と特定されているから、本件発明1は、秤量容器を複数収容する秤量容器保管部を有し、当該秤量容器は使用されるものであって、秤量容器保管部に使用済みの秤量容器が戻されるものであることが把握できる。 そして、本件明細書等の段落【0057】には「秤量容器保管部111は、・・・秤量容器収容棚63によって構成されている。即ち散薬秤量部61の両側には、秤量容器収容棚63がある。一方の秤量容器収容棚は未使用の秤量皿52が収容された未使用皿収容棚63aであり、他方の秤量容器収容棚には使用済みの秤量皿52が戻される、秤量済み皿収容棚63bである。」と記載され、段落【0065】には「散薬秤量装置65では、図示しないコンベア(秤量容器搬送手段)によって秤量皿52が秤量容器棚67から取り出され」ることが記載され、段落【0077】には「図8、図9、図10に示した秤量容器収容棚63には複数段の棚板があり、未使用の秤量容器及び使用後の秤量容器(秤量皿52)を複数段に収容することができるものである。」と記載されており、「秤量容器保管部」の具体的な構造・機構も把握することができる。 以上を踏まえると、本件発明1、4~7は明確といえる。 よって、本件発明1、4~7に係る特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものである。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1~20に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明1~20に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-700498

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    共通の審決分類: 121・A61J、537・A61J
  • 2023-700666異議申立 / 2024-11-19 / 訂正認容散薬秤量システム
    共通の審決分類: 121・A61J、537・A61J

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