審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許異議申立

2022-700552

薬品払出装置、調整方法

審判番号
2022-700552
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-136308
登録番号
6984700
請求日
2022年06月22日
審決日
2024年02月15日
公報発行日
2024年05月31日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社湯山製作所
  • 【権利者代理人】種村 一幸
  • 【権利者代理人】華山 浩伸
  • 【異議申立人】中谷 浩美
審判長/審判官
  • 審判長 佐々木 正章
  • 審判官 村上 聡
  • 審判官 井上 哲男
分類
P1651.121-YAA(A61J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6984700号発明「薬品払出装置、調整方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6984700号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1、2〕、〔3、4〕について訂正することを認める。 特許第6984700号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。

理由

理 由 1 手続の経緯 特許第6984700号の請求項1-4に係る特許についての出願は、2015年(平成27年) 1月30日(パリ条約による優先権主張2014年 2月 6日、日本国)を国際出願日とする特願2015-523735号の一部を、平成27年 8月31日に新たな特許出願とした特願2015-170932号の一部を、平成30年 8月24日に新たな特許出願とした特願2018-157624号の一部を、令和 2年 8月12日に新たな特許出願としたものであって、令和 3年11月29日にその特許権の設定登録がされ、令和 3年12月22日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和 4年 6月22日 :特許異議申立人中谷浩美による請求項1-4に係る特許に対する特許異議の申立て 令和 4年10月12日付け :取消理由通知書 令和 4年12月12日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和 5年 2月 2日 :特許異議申立人中谷浩美による意見書の提出 令和 5年 5月30日付け :取消理由通知書(決定の予告) 令和 5年 7月26日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和 5年10月 3日 :特許異議申立人中谷浩美による意見書の提出 2 訂正の適否 (1)訂正の内容 令和 5年 7月26日提出の訂正請求書による訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)の内容は、以下のとおりである(下線は当審で付した。)。 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、「前記薬品カセットにおける錠剤の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更可能な調整部」と記載されているのを、「前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットにおける錠剤の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター及び前記薬品カセットから錠剤を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを有する調整部」と訂正する。 また、請求項1を引用する請求項2についても同様に訂正する。 イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に、「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更する制御部」と記載されているのを、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ当該薬品カセットについての充填完了操作が行われた後、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出す制御部」と訂正する。 また、請求項1を引用する請求項2についても同様に訂正する。 ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に、「前記薬品カセットにおける薬品の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更可能な調整部」と記載されているのを、「前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットにおける薬品の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター及び前記薬品カセットから錠剤を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを有する調整部」と訂正する。 また、請求項3を引用する請求項4についても同様に訂正する。 エ 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項3に、「前記薬品払出装置の制御部が、前記薬品の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するステップ」と記載されているのを、「前記薬品払出装置の制御部が、錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ当該薬品カセットについての充填完了操作が行われた後、前記薬品の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出すステップ」と訂正する。 また、請求項3を引用する請求項4についても同様に訂正する。 ここで、訂正事項1及び2は、訂正前に引用関係を有する請求項1、2に対して、また、訂正事項3及び4は、訂正前に引用関係を有する請求項3、4に対して請求されたものである。 よって、本件訂正請求の訂正事項1及び2は一群の請求項〔1、2〕、訂正事項3及び4は一群の請求項〔3、4〕に対して請求されたものである。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 ア 訂正事項1 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「前記薬品カセットにおける錠剤の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更可能な調整部」について、「前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットにおける錠剤の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター及び前記薬品カセットから薬品を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを有する調整部」と、調整部の配置を具体的に特定するとともに、調整部の構成として第1駆動モータと第2駆動モータを含むことを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としており、発明の詳細な説明の段落【0038】、【0039】、【0052】-【0054】、【0058】-【0060】の記載に基づくものであるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 イ 訂正事項2 訂正事項2は、訂正前の請求項1の「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更する制御部」について、当該制御部による制御が「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ当該薬品カセットについての充填完了操作が行われた後」に行われることを限定するとともに、当該制御部が「当該薬品カセットから錠剤を払い出す」ことを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としており、発明の詳細な説明の段落【0102】-【0105】、【0124】-【0129】、【0134】、【0143】の記載に基づくものであるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 ウ 訂正事項3 訂正事項3は、訂正前の請求項3の「前記薬品カセットにおける薬品の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更可能な調整部」について、「前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットにおける薬品の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター及び前記薬品カセットから薬品を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを有する調整部」と、調整部の配置を具体的に特定するとともに、調整部の構成として第1駆動モータと第2駆動モータを含むことを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としており、発明の詳細な説明の段落【0038】、【0039】、【0052】~【0054】、【0058】-【0060】の記載に基づくものであるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 エ 訂正事項4 訂正事項4は、訂正前の請求項3の「前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更する制御部」について、当該制御部よる制御が「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ当該薬品カセットについての充填完了操作が行われた後」に行われることを限定するとともに、当該制御部が「当該薬品カセットから錠剤を払い出すステップ」を実行することを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としており、発明の詳細な説明の段落【0102】-【0105】、【0124】-【0129】、【0134】、【0143】の記載に基づくものであるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)小括 上述のとおり、上記の訂正請求による訂正事項1-4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 よって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕、〔3、4〕について訂正することを認める。 3 訂正後の本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1-4に係る発明(以下「本件発明1-4」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1-4に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 <本件発明1> 「錠剤を払い出す払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方が変更可能な薬品カセットが着脱可能であって、前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットにおける錠剤の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター及び前記薬品カセットから錠剤を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを有する調整部と、 錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ当該薬品カセットについての充填完了操作が行われた後、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出す制御部と、 を備え、 前記制御部は、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転速度を、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて変更する薬品払出装置。」 <本件発明2> 「前記制御部は、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転速度を、前記錠剤のサイズが大きいほど早くなり前記錠剤のサイズが小さいほど遅くなるように変更する、 請求項1に記載の薬品払出装置。」 <本件発明3> 「薬品を払い出す払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方が変更可能な薬品カセットと、前記薬品カセットが着脱可能であって、前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットにおける薬品の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター及び前記薬品カセットから錠剤を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを有する調整部とを備える薬品払出装置における調整方法であって、 前記薬品払出装置の制御部が、錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ当該薬品カセットについての充填完了操作が行われた後、前記薬品の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出すステップと、 前記薬品払出装置の制御部が、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転速度を、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて変更する変更ステップと、 を含む調整方法。」 <本件発明4> 「前記変更ステップでは、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転速度が、前記錠剤のサイズが大きいほど早くなり前記錠剤のサイズが小さいほど遅くなるように変更される、 請求項3に記載の調整方法。」 4 取消理由の概要 訂正前の請求項1-4に係る特許に対して、当審が令和5年5月30日付け取消理由通知書(決定の予告)で特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 請求項1-4に係る発明は、甲1発明に甲第2号証及び甲第6号証に記載された技術的事項を組み合わせることにより、また、甲6発明に甲第2号証に記載された技術的事項を組み合わせることにより、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、請求項1-4に係る発明は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 甲第1号証:国際公開第2013/118838号 甲第2号証:国際公開第2013/141130号 甲第6号証:国際公開第2013/035692号 5 当審の判断 (1)各甲号証の記載 ア 甲第1号証の記載について 甲第1号証には、以下の事項が記載されている(なお、下線は当審で付した。以下同様。)。 「[0022] (1.全体構成) 図1から図4は、本発明の薬剤カセットが採用される薬剤充填装置1を示す。薬剤充填装置1は、図4に示すように、バイアル瓶供給ユニット2、ラベリングユニット3、バイアル瓶リフター4、薬剤供給ユニット5、搬送ユニット6、排出ユニット7及び制御ユニット80(図27参照)を備える。なお、この薬剤充填装置1の装置本体8において、バイアル瓶9の排出窓10A,10B,10Cが設けられた面を正面とする。」 「[0031] (1-4.薬剤供給ユニット5) 薬剤供給ユニット5は、図10に示すように、装置本体8の両側の支持パネル101に複数のカセット装着部102を形成し(図10では1箇所のみ図示)、各カセット装着部102に薬剤カセット103をそれぞれ着脱可能としたものである。」 「[0036] 収容部108からは、図11(b)に示すように、軸部108aの一端部に一体化した駆動ギア108bが突出している。駆動ギア108bは、ばね108cによって付勢されて押込可能となっており、後述する薬剤カセット103の昇降機構153に設けた従動ギア159aに噛合する。 [0037] また、収容部108には、軸部108aの途中に設けたベベルギア108dに噛合する中間ギア部材108eのベベルギア108fと、この中間ギア部材108eのピニオンギア108gに噛合するウォームギア108hとが収容されている。ウォームギア108hの回転軸の先端には前記駆動ギア108bと同様な構成の従動ギア108iが一体化され、そこには後述する第1駆動モータ174の回転軸の先端に設けた駆動ギア174aが噛合可能となっている。これにより、第1駆動モータ174を駆動すると、ウォームギア108h、中間ギア部材108eを介して駆動ギア108bに動力が伝達され、薬剤カセット103の昇降機構153が駆動する。なお、ウォームギア108hを介在させることで、第1駆動モータ174からの動力が遮断されたとしても、駆動ギア108bが勝手に回転することはない。 [0038] さらに、収容部108には、第2回転体112の従動ギア112bに噛合する駆動ギア108jが、その一部が露出させた状態で収容されている。駆動ギア108jの回転軸には、ベベルギア108kが固定され、そこには従動ギア部材108lに設けたベベルギア108mが噛合している。従動ギア部材108lの先端には、前記同様、従動ギア108nが一体化され、後述する第2駆動モータ175の回転軸の先端に設けた第2駆動ギア175aが噛合可能となっている。これにより、第2駆動モータ175を駆動すると、従動ギア108n、駆動ギア108jを介して動力が伝達されて第2回転体112が回転する。」 「[0039] (1-4-2.薬剤カセット103) 薬剤カセット103は、図12に示すように、カセット本体109内に筒状体110を収容し、この筒状体110内に第1回転体111を収容し、さらに筒状体110の上端開口部外周に第2回転体112を配置したもので、カセット本体109の上方開口部は蓋体113によって閉鎖されている。第1回転体111の回転軸心方向は、筒状体110の軸心方向と一致している。 [0040] カセット本体109は、図13に示すように、本体部114の上方にカバー部115を固定し、本体部114の下方にベース部116を固定したものである。」 「[0045] 本体部114の上面4隅には、図17Aに示すように、カバー部115をネジ止め固定するための雌ねじ部122がそれぞれ形成されている。また、4隅のうちの1箇所には、高さ規制部材124の筒状部127を保持するための保持用軸部123が突出している。保持用軸部123の外周面には上下方向に延びる複数(ここでは4箇所)の溝123aが周方向に均等に形成されている。 [0046] 高さ規制部材124は、ガイド片部125と、ダイヤル部126とで構成されている。ガイド片部125は、前記保持用軸部123に外装される筒状部127と、この筒状部127から延び、第2回転体112上を搬送される薬剤の高さを規制する規制片128とで構成されている。筒状部127は、内周面に保持用軸部123の溝に合致する複数の突条部127aが形成され、保持用軸部123に、昇降可能であるが回転不能に支持される。筒状部127の外周面には、上下方向に所定間隔で複数の突起127bが形成されている(図17Aでは、突起127bは4つだけ図示されており、他の4つは背面側に形成されている。)。規制片128は、筒状部127から第2回転体112の外周縁に沿い、次いで内側へと延びている。内側に延びた部分は、下面が第2回転体112の上面と平行に形成され、上面には支軸129aを中心として回転可能に補助片129が取り付けられている。補助片129は、図17Bに示すように、一端側に側方に突出するガイド軸129bが形成されている。ガイド軸129bは、カバー部115のガイド壁114aに沿って移動する。これにより、ガイド片部125が上動すると、補助片129は支軸129aを中心として起立角度が小さくなるように回動する。ダイヤル部126は、外周面に形成した複数の縦溝126aによって指で回転操作する際の滑りが防止されている。また、ダイヤル部126の内周面には螺旋溝126bが形成され、回転することにより、前記筒状部127の上下方向の各突起127bへと係合位置を変更させ、ガイド片部125を昇降させる。このように、ガイド片部125は、上方部分が回動可能な補助片129で構成されている。このため、薬剤のサイズに応じて、ガイド片部125を降下させた状態では、補助片129が起立し、蓋体113との間に隙間が発生することを防止する一方、ガイド片部125を上昇させた状態では、補助片129が蓋体113に当接して規制片128側へと折り畳まれる。したがって、薬剤カセット103の上方向へのサイズを大きくすることなく、ガイド片部125と第2回転体112の間に、薬剤のサイズに応じた隙間を形成することができる。」 「[0048] カバー部115は、図18に示すように、ガイド部材135と、その上方を覆うカバー体136とを備える。カバー部115の一部は、円筒面の半分を超える部分を構成する第1ガイド面137で構成されている。第1ガイド面137に沿って、後述する第2回転体112の外周縁が位置している。ガイド部材135の一部は、第1ガイド面137とで円筒面を構成する第2ガイド面138で構成されている。ガイド部材135には、2箇所に長溝135aが形成され、この長溝135aを利用して本体部114に対して位置を調整可能に取り付けられている。ガイド部材135は、その内面が第1ガイド面137が位置する同一円周面から徐々に中心側へとせり出すように取り付けられている。これにより、ガイド部材135によって第2回転体112が搬送可能な薬剤のサイズ(幅寸法)が制限され、薬剤が1つだけ通過可能となる。 [0049] また、ガイド部材135の他端側(薬剤の搬送方向下流側)には、排出部139が設けられている。・・・」 「[0066] (1-5.搬送ユニット6) 搬送ユニット6は、図4に示すように、前記両側の薬剤供給ユニット5の間に設けられ、装置本体8の上下に固定した第1水平レール91と、この第1水平レール91に前後方向に移動可能に取り付けた垂直レール92と、この垂直レール92に上下方向に移動可能に取り付けた第2水平レール93と、この第2水平レール93に左右方向に移動可能に取り付けたアームユニット165とからなる。 [0067] アームユニット165は、図22及び図23に示すように、ユニット本体166にスライダ167を往復移動可能に配置し、このスライダ167にチャック部材168を取り付けた構成である。 ・・・ [0069] ユニット本体166の側方には、図25に示すように、第1駆動モータ174、第2駆動モータ175、及び、第3駆動モータ176が配置されている。」 「[0082] (1-7.制御ユニット80) 制御ユニット80は、図27に示すように、前記第1制御基板172及び前記第2制御基板181を備え、図示しないサーバ等から処方データを受信する。そして、薬剤供給ユニット5では、薬剤カセット103を特定し、前記各センサ178,179からの検出信号に基づいて、前記各モータ174,175,176を駆動制御することにより、薬剤を1つずつ確実に払い出して計数する。 [0083] (2.動作) 次に、前記構成からなる薬剤充填装置の動作について、図28のフローチャートを参照しつつ説明する。 [0084] すなわち、制御ユニット60(当審注:「制御ユニット60」は「制御ユニット80」の誤記である。)では、図示しないサーバ等から処方データを受信し(ステップS1)、その処方データに含まれる薬剤が収容された薬剤カセット103を特定する(ステップS2)。そして、特定された薬剤カセット103で、第2駆動モータ175を駆動して第2回転体112の回転を開始すると共に(ステップS3)、第3駆動モータ176を駆動して第1回転体111の回転を開始する(ステップS4)。これにより、薬剤カセット103内に収容された薬剤は、第1回転体111の回転により回転しながら外周側へと移動する。第1筒状部144及び第2筒状部145は鉛直方向に対して斜めに配置されており、薬剤収容部164に収容された薬剤は、第2筒状部145の最短位置で、最も第2回転体112に接近している。このため、外周側に移動した薬剤は、主に、第2筒状部145の最短位置の近傍で、順次第2回転体112上へと移動する。」 上記の記載からみて、甲第1号証には次の発明(以下、「甲1発明」、「甲1方法発明」という。)が記載されていると認められる。 <甲1発明> 「薬剤充填装置1は装置本体8を備えるものであり、装置本体8の両側の支持パネル101に複数のカセット装着部102が形成され、各カセット装着部102に薬剤カセット103のそれぞれが着脱可能とされ、 薬剤カセット103のカセット本体109は、本体部114の上方にカバー部115を固定し、本体部114の下方にベース部116を固定したものであり、 本体部114には、高さ規制部材124の筒状部127を保持するための保持用軸部123が突出しており、高さ規制部材124は、ガイド片部125とダイヤル部126とで構成され、ダイヤル部126を回転することによりガイド片部125を昇降させ、ガイド片部125は第2回転体112上を搬送される薬剤の高さを規制する規制片128を有し、 カバー部115は、ガイド部材135を備え、ガイド部材135には、2箇所に長溝135aが形成され、この長溝135aを利用して本体部114に対して位置を調整可能に取り付けられ、ガイド部材135によって第2回転体112が搬送可能な薬剤のサイズ(幅寸法)が制限されて薬剤が1つだけ通過させることができ、ガイド部材135の他端側(薬剤の搬送方向下流側)には、排出部139が設けられ、 薬剤カセット103は、カセット本体109内に筒状体110を収容し、この筒状体110の上端開口部外周に第2回転体112を配置し、 搬送ユニット6のユニット本体166の側方には、第2駆動モータ175が配置され、 第2駆動モータ175を駆動して第2回転体112の回転を開始させ、第2駆動モータ175は制御ユニット80によって制御される、 薬剤充填装置1。」 <甲1方法発明> 「甲1発明の薬剤払出装置の調整方法。」 イ 甲第2号証の記載について 甲第2号証には、以下の事項が記載されている。 「[0048] 第2回転体35の下面には、図3及び図5に示すように、円環状をなすギア部材38が固定されている。このギア部材38には、第2駆動手段である第2駆動モータ39の歯車40が、外壁20の第2切欠部22を通して噛み合われている。また、ギア部材38は、外周部が図示しない支持部材によって支持されている。これにより、上側回転部材は、第2回転軸に沿って移動することなく、第2回転軸を中心として回転される。」 「[0050] 高さ規制体41のネジ孔46には、ネジ部材47が貫通されている。ネジ部材47は、外装体本体11の上面板に固定されたブラケットにより、回転可能かつ軸方向に沿って移動不可能に支持されている。また、ネジ部材47の下端には歯車48が連結されている。歯車48には、高さ調整手段である高さ調整モータ49の歯車50に噛み合わされている。高さ調整モータ49の駆動によりネジ部材47を回転させ、高さ規制体41と第2回転体35の上面との間隔が、薬剤高と略同一間隔をあけて位置するように高さ調整される。また、高さ規制体41の下流側には、この高さ規制体41の下部を通過した薬剤を検出する薬剤検出センサ51が配設されている。」 「[0053] 幅規制体52の幅規制部54には、矩形部53に対して平行に延びるように連結部材58が連結されている。連結部材58には、図4に示すように、高さ規制体41と同様に作動受部材59が連結されている。作動受部材59のネジ孔60にはネジ部材61が貫通されている。ネジ部材61は、外装体本体11の上面板に固定されたブラケットに回転可能かつ軸方向に沿って移動不可能に支持されている。ネジ部材47の外端には歯車62が連結されている。歯車62には、幅規制体52を水平方向に移動させる幅調整モータ63の歯車64が噛み合わされている。幅調整モータ63によって幅規制体52が第2回転体35に対して外側に移動されると、幅規制部54と第2回転体35の内周部36との間の移送幅、及び、外側ガイド57と後述する内側ガイド66との間の間隔を広げることができる。また、第2回転体35に対して内側に移動されると、第2回転体35の移送幅、及び、各ガイド57,66間の間隔を狭めることができる。」 「[0061] (1-3.制御部) 薬剤供給装置を含む薬剤計数装置は、図13に示すように、制御部83の指令によって動作する。制御部83は、操作パネル84(ここでは、タッチパネルを使用)からの入力、薬剤検出センサ51や薬剤検出ユニット70での検出信号に基づいて、メモリ87に記憶させたプログラムやデータを呼び出して実行し、切換弁ユニット82A,82Bや各種モータ28,33,39,49,63,75を駆動制御し、処方データに従って必要な数の薬剤を計数して供給する。なお、操作パネル84はモニタ88をタッチパネルで構成することにより兼用することが可能であり、本実施形態では兼用するようにしている。」 「[0064] SPテーブルは、薬剤の形状の違いに応じてそれぞれ設けられるもので、表1に示すように、各テーブルでは、薬剤検出ユニット70で順次検出される薬剤の間隔がいずれの範囲に含まれているのかに応じて第2回転体35の回転速度がそれぞれ設定(紐づけ)されている。ある形状の薬剤に対する第2回転体35の回転速度の設定は、例えば、予め実験等で薬剤の間隔が所望の値でほぼ同じとなるように決定すればよい。なお、薬剤の形状が異なれば、検出される薬剤の間隔が同じでも第2回転体35の回転速度は相違してもよい。」 「[0085] そして、高さ規制体41を徐々に上方向へ移動させる(ステップS23)。薬剤検出センサ51によって高さ規制体41を通過した薬剤が検出されれば(ステップS24)、高さ規制体41の移動を停止し(ステップS25)、この位置を仮の高さ規制位置(規制高さ)とする。そして、この仮の高さ規制位置をメモリ87に記憶させる(ステップS26)。また同時に、第3カメラ89cで、高さ規制体41の付近の薬剤を撮像する(ステップS27)。 [0086] 続いて、幅規制体52を徐々に広がるように外方向へ移動させる(ステップS28)。幅規制体52の下流側に設けたセンサ又は薬剤検出ユニット70によって薬剤が検出されれば(ステップS29)、幅規制体52の移動を停止し(ステップS30)、この位置を仮の幅規制位置(仮の移送幅)とする。そして、この仮の幅規制位置をメモリ87に記憶させる(ステップS31)。この場合、高さ規制体41の仮の高さ規制位置と、幅規制体52の仮の幅規制位置とを、前記バーコードリーダで読み取った薬剤IDと関連付けて記憶させる。」 上記の記載からみて、甲第2号証の段落[0050]、[0053]、[0061]に、高さ規制体41を高さ調整モータ49で駆動させ、幅規制体52を幅調整モータ63で駆動させること、また、高さ調整モータ49及び幅調整モータ63が制御部83で駆動制御されることが記載されている。また、段落[0085]、[0086]に、高さ規制体41を薬剤が通過する高さに移動させ、また、幅規制体52を薬剤が通過できる幅に移動させることが記載されているから、薬剤の形状種別又は寸法に応じて高さ規制体41を駆動する高さ調整モータ49及び幅規制体52を駆動する幅調整モータ63を制御している。したがって、甲第2号証には、次の技術的事項が記載されている。 <甲第2号証に記載された技術的事項1> 「薬剤の形状種別又は寸法に応じて高さ規制体41を駆動する高さ調整モータ49及び幅規制体52を駆動する幅調整モータ63を制御することにより、前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方の又は両方を変更する制御部83。」 ウ 甲第6号証の記載について 甲第6号証には以下の事項が記載されている。 「[0037] (第1実施形態) 図1及び図2は、第1実施形態に係る薬剤供給装置の2つの例を示す。この薬剤供給装置では、装置本体1に設けた棚2に複数の薬剤フィーダ3を設けたもので、薬剤フィーダ3の各駆動部品は制御装置4(図13参照)によって駆動制御されるようになっている。 [0038] 薬剤フィーダ3は、図3に示すように、薬剤カセット5と、この薬剤カセット5を着脱可能なカセット装着部6とで構成されている。 [0039] 薬剤カセット5は、図4に示すように、カセット本体7内に筒状体8を収容し、この筒状体8内に第1回転体9を収容し、さらに筒状体8の上端開口部外周に第2回転体10を配置したものである。 [0040] カセット本体7は、図5に示すように、本体部11の上方にカバー部12を固定し、本体部11の下方にベース部13を固定したものである。」 「[0043] カバー部12の上面には、図4に示すように、円筒状ガイド部23が形成されている。円筒状ガイド部23は、円筒状部分の半分を超える部分を占めるガイド壁24と、円筒状部分の残りを占め、カバー部12にネジ止めされるガイド部材25とで構成されている。ガイド壁24の内周面に沿って、後述する第2回転体10の外周縁が位置している。ガイド部材25には、2箇所に長穴25aが形成され、この長穴25aを利用してカバー部12に対して位置を調整可能に取り付けられている。ガイド部材25は、その内面がガイド壁24の内周面の位置から徐々に中心側へと迫り出し、その後、外周側に広がるように取り付けられている。これにより、ガイド部材25によって第2回転体10が搬送可能な薬剤のサイズ(幅寸法)が制限され、薬剤が1つだけ通過可能となる。つまり、ガイド部材25は、第2回転体10によって搬送可能な薬剤を最終的に1つだけとする幅寸法を規制するための幅規制部として機能する。 [0044] カバー部12に取り付けられたガイド部材25の一端部(薬剤の搬送方向上流側の端部)には、高さ規制部材26が取り付けられている。高さ規制部材26は、カバー部12のガイド壁24の外周側に形成した空洞部内に配置され、図8に示すように、調整ネジ27によってネジ止めされる固定部26aと、この固定部26aから延びるガイド片部26bとで構成されている。ガイド片部26bは、ガイド壁24の内側に、第2回転体10の回転方向に向かうに従って徐々に突出する。そして、ガイド片部26bは、第2回転体10の上面との間に、通過可能な薬剤の高さ寸法を制限する高さ規制部を構成する。なお、ガイド片部26bによって制限する高さ寸法は、前記調整ネジ27によって調整可能となっている。」 「[0045] また、カバー部12に取り付けられたガイド部材25の他端側(薬剤の搬送方向下流側)には、排出部28が設けられている。」 「[0058] カセット装着部6は、薬剤供給装置の棚2に、縦方向及び横方向にマトリックス状に配置されている。カセット装着部6は、図12に示すように、載置部52と背面部53とで構成されている。」 「[0064] ・・・このように、薬剤カセット5を駆動する駆動部材(第1モータ59、第2モータ60、第3モータ62)を全て背面部53に設けて同一面側(背面部53の前面側)で薬剤カセット5側の部材(第1回転体9、第2回転体10)を駆動させることができる。」 「[0068] 特定された薬剤カセット5では、第2モータ60を駆動して第2回転体10の回転を開始すると共に(ステップS3)、第3モータ62を駆動して第1回転体9の回転を開始する(ステップS4)。」 「[0070] ・・・悪化していれば第1モータ59を駆動し(ステップS7)、各種ギアを介して円筒カム部材49を回転させる。そして、円筒カム部材49の傾斜部50を、低い位置から高い位置へと第2リンク48を摺動させ、第2リンク48を回動させる。これにより、第1リンク47を介して第1回転体9が第1筒状部35内を上方へと移動する。」 上記の記載からみて、甲第6号証には次の発明(以下、「甲6発明」、「甲6方法発明」という。)が記載されていると認められる。 <甲6発明> 「薬剤供給装置は、複数の薬剤フィーダ3を設けたもので、薬剤フィーダ3の各駆動部品は制御装置4によって駆動制御され、 薬剤フィーダ3は、薬剤カセット5と、この薬剤カセット5を着脱可能なカセット装着部6とで構成され、 薬剤カセット5は、カセット本体7内に筒状体8を収容し、この筒状体8内に第1回転体9を収容し、さらに筒状体8の上端開口部外周に第2回転体10を配置し、 カセット本体7は、本体部11の上方にカバー部12を固定し、本体部11の下方にベース部13を固定したものであり、 カバー部12の上面には、円筒状部分の半分を超える部分を占めるガイド壁24と、円筒状部分の残りを占め、カバー部12にネジ止めされるガイド部材25とで構成され、ガイド部材25には、2箇所に長穴25aが形成され、この長穴25aを利用してカバー部12に対して位置を調整可能に取り付けられ、ガイド部材25は、第2回転体10によって搬送可能な薬剤を最終的に1つだけとする幅寸法を規制するための幅規制部として機能し、 高さ規制部材26は、調整ネジ27によってネジ止めされる固定部26aと、この固定部26aから延びるガイド片部26bとで構成され、ガイド片部26bは、第2回転体10の上面との間に、通過可能な薬剤の高さ寸法を制限する高さ規制部を構成し、ガイド片部26bによって制限する高さ寸法は、前記調整ネジ27によって調整可能となっており、 カバー部12に取り付けられたガイド部材25の他端側(薬剤の搬送方向下流側)には、排出部28が設けられ、 カセット装着部6は、載置部52と背面部53とを有し、 薬剤カセット5を駆動する駆動部材である第1モータ59、第2モータ60、第3モータ62を全て背面部53に設けて同一面側で薬剤カセット5側の部材である第1回転体9、第2回転体10などを駆動させることができ、 第2モータ60を駆動して第2回転体10の回転を開始すると共に、第3モータ62を駆動して第1回転体9の回転を開始し、第1モータ59を駆動し、各種ギアを介して円筒カム部材49を回転させ、第1リンク47を介して第1回転体9が上方へと移動させる、 薬剤供給装置。」 <甲6方法発明> 「甲6発明の薬剤供給装置の調整方法。」 また、上記甲第6号証には、下記の技術的事項が記載されている。 <甲第6号証に記載された技術的事項> 「薬剤供給装置は、複数の薬剤フィーダ3を設けたもので、薬剤フィーダ3は、薬剤カセット5と、この薬剤カセット5を着脱可能なカセット装着部6とで構成され、このカセット装着部6を載置部52と背面部53とで構成し、薬剤カセット5を駆動する第1モータ59、第2モータ60、第3モータ62を全て背面部53に設け、第2モータ60を駆動して第2回転体10の回転を開始すると共に、第3モータ62を駆動して第1回転体9の回転を開始する点。」 (2)甲1発明を主引用発明とした場合の対比・判断 ア 本件発明1について (ア)本件発明1 本件発明1は、上記3において示したとおりのものである。 (イ)対比 本件発明1と甲1発明を対比する。 i 甲1発明の「薬剤カセット103」は、第2回転体112上を搬送される薬剤の高さを規制する高さ規制部材124と、第2回転体112が搬送可能な薬剤のサイズ(幅寸法)を制限して薬剤を1つだけ通過させるガイド部材135を有するものであり、高さ及びサイズ(幅寸法)を調整可能であって、薬剤が錠剤であることは明らかであるから、本件発明1の「錠剤を払い出す払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方が変更可能な薬品カセット」に相当する。 ii 甲1発明の「各カセット装着部102に薬剤カセット103のそれぞれが着脱可能」な「カセット装着部102」は、本件発明1の「前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットにおける錠剤の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター及び前記薬品カセットから薬品を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを有する調整部」と、「前記薬品カセットの装着位置各々に設けられる装着部」である限度で一致する。 iii 甲1発明の「ダイヤル部126」はガイド部材135のガイド片125を昇降させて搬送される薬剤の高さを規制するものであり、「長溝135a」はガイド部材135の位置を調整可能にして搬送可能な薬剤のサイズ(幅寸法)を制限するものである。したがって、本件発明1の「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更する制御部」と、甲1発明の「ダイヤル部126」又は「長溝135a」は、「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて、前記装着部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更する手段」である限度で一致する。 iv 甲1発明の「制御ユニット80」は、第2駆動モータ175を駆動して第2回転体112の回転を制御するものであり、また、第2回転体112の薬剤の搬送方向の下流側には排出部139が設けられているから、甲1発明の「制御ユニット80」と、本件発明1の「回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転速度を、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて変更する」「制御部」とは、「回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転を制御する」限度で一致する。 v 甲1発明の「薬剤充填装置1」は、本件発明1の「薬剤払出装置」に相当する。 そうすると、本件発明1と甲1発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。 【一致点】 錠剤を払い出す払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方が変更可能な薬品カセットが着脱可能であって、前記薬品カセットの装着位置各々に設けられる装着部と、 前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて、前記装着部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更する手段と、 を備え、 前記制御部は、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転を制御する薬品払出装置。 【相違点1】 装着部について、本件発明1では、「調整部」であって、「前記薬品カセットにおける錠剤の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター及び前記薬品カセットから薬品を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーター」を有するのに対し、甲1発明では、「カセット装着部102」がそのような構成を有さない点。 【相違点2】 本件発明は、「制御部」が、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ当該薬品カセットについて充填完了操作が行われた後、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出す」のに対し、甲1発明の「制御ユニット80」は、そのような制御を行うものでない点。 【相違点3】 本件発明1は、制御部が回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の「回転速度を、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて変更する」のに対し、甲1発明は、制御ユニット80が回転により前記薬剤カセット103の錠剤を排出部139に向けて搬送する第2回転体112の回転を制御する点。 (ウ)判断 事案にかんがみ、上記相違点2から検討する。 本件発明の「制御部」は、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」ることにより、「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更」するものである。 一方、甲第1号証には、段落[0084]に、制御ユニット80に、サーバ等から処方データを受信し、その処方データに含まれる薬剤が収容された薬剤カセット103を特定することは記載されているが、これは処方データと既に薬剤が収容された薬剤カセット103を紐付けるものであり、薬剤を投入する薬品カセット103を決めること、すなわち「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」るものではない。また、甲1発明の高さ規制部材124のガイド片部125や、幅を規制するガイド部材135は、制御ユニット80で制御されるものでなく手動により操作するものであるから、これらを制御する目的で制御ユニット80によって薬剤カセット103に「錠剤の薬品情報を前記薬品カセットに割り当て」る動機もない。 また、甲第2号証には、甲第2号証に記載された技術事項1((1)イ(ア))が記載されているが、甲2号証のものは薬剤計数装置(薬剤カセット)を複数有するものでなく、薬剤を投入する薬剤計数装置(薬剤カセット)を決めるために「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」るという技術思想は存在しない。 さらに、甲第6号証には、甲第6号証に記載された技術的事項((1)ウ)が記載されているが、甲第6号証のものは、幅規制部や高さ規制部は手動によるものであるから、制御装置4によって薬剤フィーダ3に「錠剤の薬品情報を前記薬品カセットに割り当て」るものでない。 そうしてみると、甲1発明と甲第2号証及び甲第6号証に記載された技術的事項に基いて、「制御部」により、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」ることにより、「錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更」することは、当業者が容易に想到し得たものといえない。 よって、相違点1及び3について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明並びに甲第2号証及び甲第6号証に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。 イ 本件発明2について (ア)本件発明2 本件発明2は、上記3において示したとおりのものである。 (イ)検討 本件発明2は、本件発明1の構成の全てを含むものある。そして、上記アで示したとおり、本件発明1は、甲1発明並びに甲第2号証及び甲第6号証に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に想到し得たものといえないから、同様の理由で本件発明2は、甲1発明並びに甲第2号証及び甲第6号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 ウ 本件発明3について (ア)本件発明3 本件発明3は、上記3において示したとおりのものである。 (イ)対比 本件発明3と甲1方法発明を対比する。 i 甲1方法発明の「薬剤カセット103」は、第2回転体112上を搬送される薬剤の高さを規制する高さ規制部材124と、第2回転体112が搬送可能な薬剤のサイズ(幅寸法)を制限して薬剤を1つだけ通過させるガイド部材135を有するものであり、高さ及びサイズ(幅寸法)を調整可能であって、薬剤が薬品であることは明らかであるから、本件発明3の「薬品を払い出す払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方が変更可能な薬品カセット」に相当する。 ii 甲1方法発明の「薬剤充填装置1」は、本件発明3の「薬剤払出装置」に相当する。また、甲1方法発明の「各カセット装着部102に薬剤カセット103のそれぞれが着脱可能」な「カセット装着部102」は、薬剤充填装置1における調整方法に用いられるものであるから、この調整方法は、本件発明3の「前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットにおける錠剤の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター及び前記薬品カセットから薬品を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを有する調整部とを備える薬品払出装置における調整方法」と、「前記薬品カセットの装着位置各々に設けられる装着部とを備える薬品払出装置における調整方法」である限度で一致する。 iii 甲1方法発明の「ダイヤル部126」はガイド部材135のガイド片125を昇降させて搬送される薬剤の高さを規制するものであり、「長溝135a」はガイド部材135の位置を調整可能にして搬送可能な薬剤のサイズ(幅寸法)を制限するステップを実施するものである。また、甲1方法発明のものも、高さや幅寸法を規制したのちに、薬剤カセット103から薬剤を払い出すステップを含むものである。したがって、本件発明3の「前記薬品払出装置の制御部が、錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出すステップ」と、甲1方法発明の「ダイヤル部126」又は「長溝135a」等によるステップは、「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて、前記装着部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出すステップ」である限度で一致する。 iv 甲1方法発明の「制御ユニット80」は、第2駆動モータ175を駆動して第2回転体112の回転を制御するものであり、また、第2回転体112の薬剤の搬送方向の下流側には排出部139が設けられており薬剤を搬送するものであるから、甲1方法発明の「制御ユニット80」による上記の搬送に関するステップと、本件発明3の「前記薬品払出装置の制御部が、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転速度を、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて変更する変更ステップ」とは、「前記薬品払出装置の制御部が、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転を制御する変更ステップ」である限度で一致する。 そうすると、本件発明3と甲1方法発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。 【一致点】 薬品を払い出す払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方が変更可能な薬品カセットと、前記薬品カセットの装着位置各々に設けられる装着部とを備える薬品払出装置における調整方法であって、 前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて、前記装着部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出すステップと、 前記薬品払出装置の制御部が、前記薬品払出装置の制御部が、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転を制御する変更ステップと、 を含む調整方法。 【相違点1’】 装着部について、本件発明3では、「調整部」であって、「前記薬品カセットにおける錠剤の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター及び前記薬品カセットから薬品を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーター」を有するのに対し、甲1方法発明では、「カセット装着部102」がそのような構成を有さない点。 【相違点2’】 本件発明3は、「制御部」が、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ当該薬品カセットについて充填完了操作が行われた後、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出す」のに対し、甲1方法発明の「制御ユニット80」は、そのような制御を行うものでない点。 【相違点3’】 本件発明3は、制御部が回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の「回転速度を、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて変更する」のに対し、甲1方法発明は、制御ユニット80が回転により前記薬剤カセット103の錠剤を排出部139に向けて搬送する第2回転体112の回転を制御する点。 (ウ)判断 事案にかんがみ、上記相違点2’から検討する。 本件発明3の「制御部」は、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」ることにより、「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更」するものである。 一方、甲第1号証には、段落[0084]に、制御ユニット80に、サーバ等から処方データを受信し、その処方データに含まれる薬剤が収容された薬剤カセット103を特定することは記載されているが、これは処方データと既に薬剤が収容された薬剤カセット103を紐付けるものであり、薬剤を投入する薬品カセット103を決めること、すなわち「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」るものではない。また、甲1方法発明の高さ規制部材124のガイド片部125や、幅を規制するガイド部材135は、制御ユニット80で制御されるものでなく手動により操作するものであるから、これらを制御する目的で制御ユニット80によって薬剤カセット103に「錠剤の薬品情報を前記薬品カセットに割り当て」る動機もない。 また、甲第2号証には、甲第2号証に記載された技術事項1((1)イ(ア))が記載されているが、甲2号証のものは薬剤計数装置(薬剤カセット)を複数有するものでなく、薬剤を投入する薬剤計数装置(薬剤カセット)を決めるために「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」るという技術思想は存在しない。 さらに、甲第6号証には、甲第6号証に記載された技術的事項((1)ウ)が記載されているが、甲第6号証のものは、幅規制部や高さ規制部は手動によるものであるから、制御装置4によって薬剤フィーダ3に「錠剤の薬品情報を前記薬品カセットに割り当て」るものでない。 そうしてみると、甲1方法発明と甲第2号証及び甲第6号証に記載された技術的事項に基いて、「制御部」により、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」ることにより、「錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更」することは、当業者が容易に想到し得たものといえない。 よって、相違点1及び3について検討するまでもなく、本件発明3は、甲1方法発明並びに甲第2号証及び甲第6号証に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。 エ 本件発明4について (ア)本件発明4 本件発明4は、上記3において示したとおりのものである。 (イ)検討 本件発明4は、本件発明3の構成の全てを含むものある。そして、上記ウで示したとおり、本件発明3は、甲1方法発明並びに甲第2号証及び甲第6号証に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に想到し得たものといえないから、同様の理由で本件発明4は、甲1方法発明並びに甲第2号証及び甲第6号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 (3)甲6発明を主引用発明とした場合の対比・判断 ア 本件発明1について (ア)本件発明1 本件発明1は、上記3において示したとおりのものである。 (イ)対比 本件発明1と甲6発明を対比する。 i 甲6発明の「薬剤カセット5」は、当該カセット5に設けられた、高さ規制部材26が第2回転体10の上面との間に通過可能な薬剤の高さ寸法を制限し、ガイド部材25が第2回転体10によって搬送可能な薬剤を最終的に1つだけとする幅寸法を規制するものであって、高さ寸法と幅寸法が調整可能であり、薬剤が錠剤であることは明らかであるから、本件発明1の「錠剤を払い出す払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方が変更可能な薬品カセット」に相当する。 ii 甲6発明の「カセット装着部6」は、薬剤供給装置の複数の薬剤フィーダ3を構成する薬剤カセット5を着脱可能とするとともに、載置部52と背面部53とを有し、第2モータ60を背面部53に設け、第2モータ60を駆動して第2回転体10の回転を開始するものであるから、甲6発明の当該事項と、本件発明1の「調整部」とは、「薬品カセットが着脱可能であって、前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットから錠剤を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを有する」「調整部」の限度において一致する。 iii 甲6発明の「調整ネジ27」は、ガイド片部26bによって制限する高さ寸法を調整可能とし、ガイド片部26bが、第2回転体10の上面との間に、通過可能な薬剤の高さ寸法を制限し、また、「長穴25a」は、ガイド部材25に形成され、ガイド部材25は、この長穴25aを利用してカバー部12に対して位置を調整可能に取り付けられ、第2回転体10によって搬送可能な薬剤を最終的に1つだけとする幅寸法を規制するものである。したがって、本件発明1の「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更する制御部」と、甲6発明の「調整ネジ27」又は「ガイド片部26b」は、「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて、前記調整部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更する手段」の限度で一致する。 iv 甲6発明の「制御装置4」は、第2モータ60を駆動して第2回転体10の回転を制御し、薬剤を搬送方向下流側の排出部28に搬送するものであるから、本件発明1の「回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転速度を、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて変更する」「制御部」と、甲6発明の「制御装置4」とは、「回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転を制御する」「制御部」の限度で一致する。 そうすると、本件発明1と甲6発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。 【一致点】 錠剤を払い出す払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方が変更可能な薬品カセットが着脱可能であって、前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットから錠剤を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを有する調整部と、 前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて、前記調整部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更する手段と、 を備え、 前記制御部は、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転を制御する薬品払出装置。 【相違点5】 本件発明1は、「調整部」が、「前記薬品カセットにおける錠剤の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター」を有するの対し、甲6発明は、「カセット装着部102」が、そのような構成を有さない点。 【相違点6】 本件発明は、「制御部」が、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ当該薬品カセットについて充填完了操作が行われた後、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出す」のに対し、甲6発明は、幅規制部のガイド部材25や高さ規制部のガイド片部26bを手動で調整し、制御装置4がそのような制御を行うものでない点。 【相違点7】 本件発明1の制御部は、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の「回転速度を、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて変更する」ものであるのに対し、甲6発明の制御装置4は、回転により前記薬剤カセット5の錠剤を排出部28に向けて搬送する第2回転体10の「回転を制御する」点。 (ウ)判断 事案にかんがみ、上記相違点6から検討する。 本件発明は、「制御部」が、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」ることにより、「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更」することを可能とするものである。 一方、甲6発明の制御装置4は、複数の薬剤フィーダ3を駆動制御するものであるが、薬剤を投入する薬品カセットを決めるために「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」ることは記載も示唆もされていない。また、甲6発明の幅規制部材のガイド部材25や、高さ規制部26のガイド片部26bは、手動により操作するものであるから、これらを制御する目的で「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」る必要もない。 そうしてみると、甲6発明の制御装置4によって、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」ることにより、「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更」することは当業者が容易に想到し得たものといえない。 よって、相違点5及び7について検討するまでもなく、本件発明1は、甲6発明及び甲第2号証に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。 イ 本件発明2について (ア)本件発明2 本件発明2は、上記3において示したとおりのものである。 (イ)検討 本件発明2は、本件発明1の構成の全てを含むものある。そして、上記アで示したとおり、本件発明1は、甲6発明及び甲第2号証に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に想到し得たものといえないから、本件発明2も同様の理由で本件発明2は、甲6発明及び甲第2号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 ウ 本件発明3について (ア)本件発明3 本件発明3は、上記3において示したとおりのものである。 (イ)対比 本件発明3と甲6方法発明を対比する。 i 甲6方法発明の「薬剤カセット5」は、当該カセット5に設けられた、高さ規制部材26が第2回転体10の上面との間に通過可能な薬剤の高さ寸法を制限し、ガイド部材25が第2回転体10によって搬送可能な薬剤を最終的に1つだけとする幅寸法を規制するものであって、高さ寸法と幅寸法が調整可能であり、薬剤が錠剤であることは明らかであるから、本件発明3の「錠剤を払い出す払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方が変更可能な薬品カセット」に相当する。 ii 甲6方法発明の「薬剤供給装置」は、本件発明3の「薬品払出装置」に相当する。また、甲6方法発明の「カセット装着部6」は、薬剤供給装置の複数の薬剤フィーダ3を構成する薬剤カセット5を着脱可能とするとともに、載置部52と背面部53とを有し、第2モータ60を背面部53に設け、第2モータ60を駆動して第2回転体10の回転を開始するものであり、薬剤供給装置における調整方法に用いられるものであるから、甲6方法発明の当該事項と、本件発明3の「前記薬品カセットが着脱可能であって、前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットにおける薬品の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター及び前記薬品カセットから錠剤を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを揺する調整部とを備える薬品払出装置における調整方法」とは、「前記薬品カセットが着脱可能であって、前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットから錠剤を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを有する調整部とを備える薬品払出装置における調整方法」の限度において一致する。 iii 甲6方法発明の「調整ネジ27」は、ガイド片部26bによって制限する高さ寸法を調整可能とし、ガイド片部26bが、第2回転体10の上面との間に、通過可能な薬剤の高さ寸法を制限し、また、「長穴25a」は、ガイド部材25に形成され、ガイド部材25は、この長穴25aを利用してカバー部12に対して位置を調整可能に取り付けられ、第2回転体10によって搬送可能な薬剤を最終的に1つだけとする幅寸法を規制するステップを実施ものである。また、甲6方法発明のものも、高さ寸法や幅寸法を規制したのちに、薬品カセット5から薬品を払い出すステップを実施するものである。したがって、本件発明3の「前記薬品払出装置の制御部が、錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出すステップ」と、甲6方法発明の「調整ネジ27」又は「ガイド片部26b」等によるステップは、「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて、前記調整部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出すステップ」である限度で一致する。 iv 甲6方法発明の「制御装置4」は、第2モータ60を駆動して第2回転体10の回転を制御し、薬剤を搬送方向下流側の排出部28に搬送するステップを含むものであるから、本件発明3の「前記薬品払出装置の制御部が、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転速度を、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて変更する変更ステップ」と、甲6方法発明の「制御装置4」による上記の搬送に関するステップとは、「前記薬品払出装置の制御部が、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転を制御する変更ステップ」である限度で一致する。 そうすると、本件発明3と甲6方法発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。 【一致点】 錠剤を払い出す払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方が変更可能な薬品カセットが着脱可能であって、前記薬品カセットの装着位置各々に設けられ、前記薬品カセットから錠剤を払い出すための駆動力を供給する第2駆動モーターを有する調整部と、 前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて、前記調整部に装着されている前記薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更する手段と、 を備え、 前記制御部は、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の回転を制御する薬品払出装置。 【相違点5’】 本件発明1は、「調整部」が、「前記薬品カセットにおける錠剤の払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更するための駆動力を供給する第1駆動モーター」を有するの対し、甲6発明は、「カセット装着部102」が、そのような構成を有さない点。 【相違点6’】 本件発明は、「制御部」が、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ当該薬品カセットについて充填完了操作が行われた後、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更し、当該薬品カセットから錠剤を払い出す」のに対し、甲6発明は、幅規制部のガイド部材25や高さ規制規制部のガイド片部26bを手動で調整し、制御装置4がそのような制御を行うものでない点。 【相違点7’】 本件発明1の制御部は、回転により前記薬品カセットの錠剤を排出口に向けて搬送する回転体の「回転速度を、前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて変更する」ものであるのに対し、甲6発明の制御装置4は、回転により前記薬剤カセット5の錠剤を排出部28に向けて搬送する第2回転体10の「回転を制御する」点。 (ウ)判断 事案にかんがみ、上記相違点6’から検討する。 本件発明3は、「制御部」が、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」ることにより、「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更」することを可能とするものである。 一方、甲6方法発明の制御装置4は、複数の薬剤フィーダ3を駆動制御するものであるが、薬剤を投入する薬品カセットを決めるために「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」ることは記載も示唆もされていない。また、甲6方法発明の幅規制部材のガイド部材25や、高さ規制部26のガイド片部26bは、手動により操作するものであるから、これらを制御する目的で「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」る必要もない。 そうしてみると、甲6方法発明の制御装置4によって、「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」ることにより、「前記錠剤の形状種別又は寸法に応じて前記調整部を制御し、前記調整部に装着されている当該薬品カセットにおける前記払出経路の高さ及び幅のいずれか一方又は両方を変更」することは当業者が容易に想到し得たものといえない。 よって、相違点5及び7について検討するまでもなく、本件発明3は、甲6方法発明及び甲第2号証に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。 エ 本件発明4について (ア)本件発明4 本件発明4は、上記3において示したとおりのものである。 (イ)検討 本件発明4は、本件発明3の構成の全てを含むものある。そして、上記ウで示したとおり、本件発明3は、甲6方法発明並びに甲第2号証に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に想到し得たものといえないものであるから、同様の理由で本件発明4は、甲6方法発明並びに甲第2号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 (4)異議申立人の主張について なお、異議申立人は、令和5年10月3日付け意見書において、「また甲第2号証(国際公開第2013/141130号)の段落[0075]~段落[0079]には、薬剤計数装置(薬品カセットに対応)の動作について、薬剤を投入(充填)する前に、オペレータによって薬瓶に印刷された薬種ID(バーコード)がバーコードリーダ86で読み取られれば、この薬種IDが処方データに示された薬剤と一致しているか否かを判断し、一致していれば、正しい薬剤であると認定すること、薬剤が投入(充填)された後に、薬剤に応じて各規制体41,52の自動調整(オートキャリブレーション)処理を実行することが記載されている。そうすると、甲第2号証には、錠剤の薬品情報が薬品カセットに割り当てられる点についての示唆がなされており、当該薬品カセットについての充填完了操作が行われた後で、当該薬品カセットの払出経路を調整する点についての示唆もなされている。」と主張している。 しかし、上述したように、甲2号証のものは薬剤計数装置(薬剤カセット)を複数有するものでなく、薬剤を投入する薬剤計数装置(薬剤カセット)を決めるために「錠剤の薬品情報が前記薬品カセットに割り当てられ」るという技術思想は存在しない。 6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件請求項1-4に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1-4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-700552

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決85件(中谷 浩美、株式会社湯山製作所)
  • 2023-700143異議申立 / 2025-07-24 / 訂正認容薬剤払出し装置
    同じ当事者: 中谷 浩美、株式会社湯山製作所
  • 2022-701311異議申立 / 2024-04-11 / 訂正認容薬剤払出し装置、並びに、薬剤払出し方法
    同じ当事者: 中谷 浩美、株式会社湯山製作所
  • 2022-700538異議申立 / 2024-03-28 / 訂正認容薬品秤量装置、薬品秤量システム、薬品秤量プログラム、記録媒体
    同じ当事者: 中谷 浩美、株式会社湯山製作所
  • 2022-701118異議申立 / 2023-12-27 / 請求成立(取消)管理システム、管理プログラム
    同じ当事者: 中谷 浩美、株式会社湯山製作所
  • 2022-701202異議申立 / 2023-03-16 / 維持薬剤払出し装置
    同じ当事者: 中谷 浩美、株式会社湯山製作所
同じ論点・分野の審決(審決分類)256件(121・A61J)
  • 2024-700531異議申立 / 2026-03-24 / 訂正認容薬剤包装装置
    共通の審決分類: 121・A61J
  • 2023-700143異議申立 / 2025-07-24 / 訂正認容薬剤払出し装置
    共通の審決分類: 121・A61J
  • 2024-700567異議申立 / 2025-07-17 / 訂正認容薬剤払出し装置
    共通の審決分類: 121・A61J
  • 2024-701042異議申立 / 2025-06-05 / 訂正認容薬剤フィーダ
    共通の審決分類: 121・A61J
  • 2024-700490異議申立 / 2025-03-25 / 訂正認容薬品払出装置
    共通の審決分類: 121・A61J

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存