特許異議申立
2022-701311
薬剤払出し装置、並びに、薬剤払出し方法
- 審判番号
- 2022-701311
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2020-185753
- 登録番号
- 7096982
- 請求日
- 2022年12月27日
- 審決日
- 2024年04月11日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社湯山製作所
- 【権利者代理人】藤田 隆
- 【異議申立人】中谷 浩美
- 審判長/審判官
- 審判長 佐々木 正章
- 審判官 村上 哲
- 審判官 栗山 卓也
- 分類
- P1651.121-YAA(A61J) / P1651.537-YAA(A61J) / P1651.841-YAA(A61J) / P1651.852-YAA(A61J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第4項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7096982号発明「薬剤払出し装置、並びに、薬剤払出し方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7096982号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔5-6〕について訂正することを認める。
特許第7096982号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7096982号の請求項1~8に係る特許についての出願は、2015年(平成27年) 3月17日(優先権主張 平成26年 3月18日)を国際出願日とする出願である特願2016-508729号の一部を、平成31年 3月25日に新たな特許出願とした特願2019-56610号の一部を、令和 1年 9月 4日に新たな特許出願とした特願2019-161189号の一部を、さらに令和 2年11月 6日に新たな特許出願としたものであって、令和 4年 6月29日にその特許権の設定登録がされ、令和 4年 7月 7日に特許掲載公報が発行された。その特許についての本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和 4年12月27日:特許異議申立人中谷浩美(以下「申立人」という。)による請求項1~8に係る特許に対する特許異議の申立て
令和 5年 3月 9日付け:取消理由通知
令和 5年 5月12日:特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和 5年 6月 7日付け:訂正拒絶理由通知
令和 5年 7月 5日:特許権者による意見書及び手続補正書の提出
令和 5年 7月18日:訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)
令和 5年 8月18日:申立人による意見書の提出
第2 補正の適否
令和 5年 5月12日提出の訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という。)を補正する令和 5年 7月 5日提出の手続補正書(以下「本件補正書」という。)による補正の内容は、次のとおりである。
1 本件訂正請求書の「7 請求の理由」における、下記10箇所の「RFID」を「RFIDリーダ」に補正する。
第3ページの第3行目
第3ページの第14行目
第6ページの第17行目
第6ページの第24行目
第6ページの第25行目-第7ページの第1行目
第7ページの第8行目
第9ページの第10行目
第9ページの第18行目
第9ページの第20行目
第10ページの第2行目
2 添付した訂正特許請求の範囲の請求項6における「RFID」(計2箇所)を「RFIDリーダ」に補正する。
本件補正書による上記補正1及び2は、RFIDシステムにおいて、「認識」し、「特定」する手段は、技術常識としてRFIDリーダであることから、「RFID」は「RFIDリーダ」であることは明らかであるから、軽微な瑕疵を補正するものであり、要旨を変更するものではないので、特許法第120条の5第9項で準用する同法第131条の2第1項の規定に適合するから、認める。
第3 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件補正書により補正された本件訂正請求書による訂正の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔5-6〕について訂正することを求めるものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項5に「記録された前記処方情報」と記載されているのを、「記録された処方情報」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項6も同様に訂正する。)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項6に「手動形薬剤容器」と記載されているのを、「手動型薬剤容器」に訂正する(計5カ所)。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項6に「前記処方情報と」と記載されているのを、「処方情報と」に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6に「容器確認手段を」と記載されているのを、「バーコードリーダ又はRFIDリーダを」に訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項6に「容器確認手段によって」と記載されているのを、「薬剤秤量装置が備えるバーコードリーダによって」に訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に「容器確認手段で」と記載されているのを、「本体装置が有するバーコードリーダ又はRFIDリーダで」に訂正する。
2 一群の請求項について
訂正前の請求項5-6について、請求項6は請求項5を引用しているものであって、訂正事項1によって訂正される請求項5に連動して訂正されるものであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項5-6について請求されている。
3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項1は、訂正前の請求項5において「前記処方情報」との記載より前に「処方情報」が記載されていないことに対処して、「処方情報」と訂正して明瞭にするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更について
上記アのとおりであるから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項2は、請求項1-2、4-5、7の「手動型薬剤容器」に用語を統一するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更について
上記アのとおりであるから、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項3は、訂正前の請求項6のうち請求項4を引用するものにおいて「前記処方情報」より前に「処方情報」が記載されていないことに対処して、「処方情報」と訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更について
上記アのとおりであるから、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(4)訂正事項4について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項4は、本体装置に有する「容器確認手段」を「バーコードリーダ又はRFIDリーダ」に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項4に係る事項は、明細書の【0041】の「さらに本体装置2には、容器識別部材を認識する容器確認手段を設ける。容器確認手段は例えばバーコードリーダである。なお手動形薬剤容器5aに設けられたRFIDタグ22を容器識別部材とし、容器確認手段とて前記RFIDリーダ16を使用してもよい。」の記載に基づくものであるから、訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(5)訂正事項5について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項5は、「容器確認手段」を「薬剤秤量装置が備えるバーコードリーダ」に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項5に係る事項は、明細書の【0041】の「そして薬剤秤量装置3は、バーコードリーダ32を秤量装置側情報読み取り手段として機能させて手動形薬剤容器5aを特定する情報を読み取る。」の記載に基づくものであるから、訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(6)訂正事項6について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項6は、「容器確認手段」を「本体装置が有するバーコードリーダ又はRFIDリーダ」に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項6に係る事項は、明細書の【0041】の「さらに本体装置2には、容器識別部材を認識する容器確認手段を設ける。容器確認手段は例えばバーコードリーダである。なお手動形薬剤容器5aに設けられたRFIDタグ22を容器識別部材とし、容器確認手段とて前記RFIDリーダ16を使用してもよい。」の記載に基づくものであるから、訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項において準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
4 むすび
したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するから、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔5-6〕について訂正することを認める。
第4 本件発明
上記第3のとおり、本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1-8に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」-「本件発明8」という。)は、令和 5年 7月 5日提出の手続補正書により補正された令和 5年 5月12日提出の訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】
本体装置と、本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置と、本体装置で保管される以外の薬剤を収容する手動型薬剤容器とを備えた薬剤払出し装置であって、
本体装置は、筐体によって囲まれており、筐体の内部には薬剤棚部領域を有し、薬剤棚部領域には収容形薬剤容器を設置する容器保管装置が設けられており、
本体装置は、手動型薬剤容器を振動させる容器振動台と、散薬分配装置とを有し、
薬剤秤量装置は、処方等情報読取手段と収容薬剤情報読取手段とを有し、
収容薬剤情報読取手段により読み取られた収容薬剤が処方等情報読取手段により読み取られた処方薬剤のいずれかに該当する場合に、当該処方薬剤を秤量対象として選択し、薬剤秤量装置によって選択された薬剤の秤量を実行可能であり、
秤量された薬剤を手動型薬剤容器に手動で投入し、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動し、容器振動台に手動型薬剤容器を載置し、容器振動台で手動型薬剤容器が振動され、手動型薬剤容器から散薬分配装置に薬剤が排出可能であることを特徴とする薬剤払出し装置。
【請求項2】
さらに本体装置に設けられた薬剤容器仮置部と、手動型薬剤容器を移動するロボットとを備え、
手動型薬剤容器は、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動された後、手動で薬剤容器仮置部に装着され、ロボットによって、容器振動台に載置されることを特徴とする請求項1に記載の薬剤払出し装置。
【請求項3】
容器振動台は複数であり、
さらに複数の容器振動台の内、何れの容器振動台を使用するかを表示する表示装置を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤払出し装置。
【請求項4】
本体装置と、本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置と、本体装置で保管される以外の薬剤を収容する手動型薬剤容器とを備えた薬剤払出し装置であって、
本体装置は、筐体によって囲まれており、筐体の内部には薬剤棚部領域を有し、薬剤棚部領域には収容形薬剤容器を設置する容器保管装置が設けられており、
本体装置は、手動型薬剤容器を振動させる容器振動台と、散薬分配装置とを有し、
薬剤秤量装置は、処方等情報読取手段と収容薬剤情報読取手段とを有し、
収容薬剤情報読取手段により読み取られた収容薬剤が処方等情報読取手段により読み取られた処方薬剤のいずれかに該当する場合に、当該処方薬剤を秤量対象として選択し、薬剤秤量装置によって選択された薬剤の秤量を実行可能であり、
薬剤秤量装置に手動型薬剤容器を手動で載置し、手動型薬剤容器内に選択された薬剤を手動で導入して薬剤を秤量し、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動し、容器振動台に手動型薬剤容器を手動で載置し、容器振動台で手動型薬剤容器が振動され、手動型薬剤容器から散薬分配装置に薬剤が排出可能であることを特徴とする薬剤払出し装置。
【請求項5】
さらに手動型薬剤容器は、書き換え可能な情報記録部材を有し、
さらに本体装置に本体側情報読み取り手段を有し、
前記情報記録部材に記録された処方情報が、本体側情報読み取り手段によって読み取られ、前記処方情報が、手動型薬剤容器に関連付けて本体装置に送られることを特徴とする請求項4に記載の薬剤払出し装置。
【請求項6】
さらに本体装置に手動型薬剤容器を認識するバーコードリーダ又はRFIDリーダを有し、
薬剤秤量装置によって薬剤の秤量を実行する際、薬剤秤量装置が備えるバーコードリーダによって手動型薬剤容器を特定する情報を読み取り、処方情報と前記手動型薬剤容器を特定する情報とが関連付けられた情報を薬剤秤量装置から発信し、本体装置で前記関連付けられた情報を受信するとともに、本体装置が有するバーコードリーダ又はRFIDリーダで手動型薬剤容器を個別に特定し、手動型薬剤容器に関連する前記処方情報に則って薬剤を分割し、包装することを特徴とする請求項4又は5に記載の薬剤払出し装置。
【請求項7】
本体装置と、本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置と、本体装置で保管される以外の薬剤を収容する手動型薬剤容器とを備えた薬剤払出し装置であって、
本体装置は、筐体によって囲まれており、筐体の内部には薬剤棚部領域を有し、薬剤棚部領域には収容形薬剤容器を設置する容器保管装置が設けられており、
本体装置は、手動型薬剤容器を振動させる容器振動台と、散薬分配装置とを有し、
薬剤秤量装置は、収容薬剤情報読取手段を有し、
薬剤秤量装置は、処方薬剤を受信し、収容薬剤情報読取手段により読み取られた収容薬剤が、受信した処方薬剤のいずれかに該当する場合に、当該処方薬剤を秤量対象として選択し、薬剤秤量装置によって選択された薬剤の秤量を実行可能であり、
秤量された薬剤を手動型薬剤容器に手動で投入し、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動し、容器振動台に手動型薬剤容器を載置し、容器振動台で手動型薬剤容器が振動され、手動型薬剤容器から散薬分配装置に薬剤が排出可能であることを特徴とする薬剤払出し装置。
【請求項8】
薬剤秤量装置は、処方薬剤が入力されたレセプトコンピュータから処方薬剤を受信する動作を含むことを特徴とする請求項7に記載の薬剤払出し装置。」
第5 取消理由通知の概要と当審の判断
1 令和 5年 3月 9日付け取消理由通知について
当審が令和 5年 3月 9日付けで通知した取消理由の概要は以下のとおりである。
(明確性)本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
(1)請求項5-6
請求項5,6に「前記処方情報」と記載されているが、「処方情報」は当該記載より前に記載されておらず、「前記処方情報」とは何のことかが不明確である。
よって、請求項5-6に係る発明は明確でない。
(2)請求項6
請求項6に「・・本体装置に手動形薬剤容器を認識する容器確認手段を有し、薬剤秤量装置によって薬剤の秤量を実行する際、容器確認手段によって手動形薬剤容器を特定する情報を読み取り、・・、本体装置で・・、容器確認手段で手動形薬剤容器を個別に特定し・・」と記載されているが、「本体装置」が有する「容器確認手段」(発明の詳細な説明の段落【0041】の本体装置2に設けられた容器確認手段として例示されるバーコードリーダ又はRFIDリーダ16)と、「薬剤秤量装置」が備える「容器確認手段」(発明の詳細な説明の段落【0032】,【0042】のバーコードリーダ32)とが、同じ用語により特定されており、両記載の異同が不明確である。
よって、請求項6に係る発明は明確でない。
2 令和 5年 3月 9日付けで通知した取消理由についての当審の判断
(1)について
本件訂正の訂正事項1及び訂正事項3により、不明確な点は解消した。
(2)について
本件訂正の訂正事項4-6により、明確な記載となった。
以上のとおり、本件訂正により、当該取消理由は解消された。
第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由及び当審の判断
1 取消理由通知において採用しなかった異議申立理由について
(1)申立理由1(特許法第29条第2項(進歩性欠如)について)
ア 請求項1、4~8に係る発明は、甲第1号証(特開平3-264068号公報)に記載された発明、甲第3号証(実公平2-42653号公報)の記載事項、及び甲第4号証(国際公開第2013/154202号)の記載事項から、当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ 請求項2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第3号証の記載事項、甲第4号証の記載事項、甲第5号証(特開平4-286526号公報)の記載事項、及び甲第6号証(特開2008-127023号公報)の記載事項から、当業者が容易に発明をすることができたものである。
ウ 請求項3に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第3号証の記載事項、甲第4号証の記載事項、及び甲第7号証(特開平7-132135号公報)の記載事項から、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2)申立理由2(特許法第29条第2項(進歩性欠如)について)
ア 請求項1、4~8に係る発明は、甲第2号証(特開平5-285202号公報)に記載された発明、甲第3号証の記載事項、及び甲第4号証の記載事項から、当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ 請求項2に係る発明は、甲第2号証に記載された発明、甲第3号証の記載事項、甲第4号証の記載事項、甲第5号証の記載事項、及び甲第6号証の記載事項から、当業者が容易に発明をすることができたものである。
ウ 請求項3に係る発明は、甲第2号証に記載された発明、甲第3号証の記載事項、甲第4号証の記載事項、及び甲第7号証の記載事項から、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(3)申立理由3(特許法第36条第6項第2号(明確性違反)について)
請求項1-8に係る発明において、薬剤払出し装置自体の動作ではなく、人による動作を含んでいるから、不明確である。
2 当審の判断
(1)刊行物に記載された発明
ア 甲第1号証
(ア)甲第1号証には、次の記載がある(下線は当審が付した。)。
a 「調剤作業を実行するのに手作業が必要な調剤装置において、所要の手作業の内容を作業者に指示する指示手段を設けたことを特徴とする調剤装置」(特許請求の範囲)
b 「調剤作業を実行するのに必要な手作業の内容を、作業者に知らせることのできる調剤装置を提供することを目的とする」(第2ページ右下欄第9-11行)
c 「調剤装置1は、散薬を1回服用分ずつ分包するようになった散薬分包機であって、散薬分包機1bは、散薬を1回分ずつ分割する多数の分割室を有する分割マスと、分割マスに散薬を供給する振動フィーダとを有する散薬手撒き装置3bと、散薬手撒き装置3bの各分割室から取り出された散薬を1包ずつ包装する包装装置4とを具えた手動式のものでもよいし、または、散薬を多量に収容してそれを所要量ずつ取り出せるようになった散薬フィーダ5bと、各散薬フィーダ5bから取り出された散薬を1包ずつ包装する包装装置4とを具えた自動散薬分包機でもよく、自動散薬分包機の場合、散薬フィーダ5bに収容されていない散薬を、散薬フィーダ5bに収容されている他の通常の散薬とともに分包することができるように、散薬手撒き装置3bを付設することが好ましい。」(第4ページ右上欄第2-17行)
d 「そして、指示手段2は、組み合わせられた調剤装置1(散薬分包機1b)を、処方箋に基づく適宜の処方データまたは調剤データにしたがって作動させる際、必要な手作業の内容を、表示装置7に表示するようになっている。
すなわち、散薬分包機1bを作動させるのに、たとえば、散薬手撒き装置3bへの散薬の手撒き作業が必要である場合、指示手段2は、その処方データまたは調剤データを受け付けて、制御装置8が、散薬の種類および分割すべき総量、分割数すなわち包装数その他、手撒き作業に必要な内容を決定したうえ、これを、作業者にわかりやすいようあらかじめ訣められた表現で、表示装置7に表示する・・」(第4ページ左下欄第5-18行)
e 「また、別々に振動フィーダにかけるべき散薬は的確にその指示を守って、散薬手撒き装置3bへの必要な散薬の手撒き作業を的確に行うことができることとなる。」(第5ページ右上欄第1-5行)
(イ)散薬分包機1bは、散薬フィーダ5bと包装装置4を具えるから、散薬分包機1b本体を備えることは明らかである。
(ウ)上記(ア)(イ)を総合すると、甲第1号証には、以下の発明が記載されている。
[甲1発明]
「散薬分包機1b本体を備えた散薬分包機1bであって、
散薬分包機1b本体には、散薬フィーダ5bが設置されており、
散薬分包機1b本体には、振動フィーダと分割マスとを有する散薬手撒き装置3bが付設され、
指示手段2は散薬の分割すべき総量を表示手段7に表示し、
前記振動フィーダから前記分割マスに散薬が供給される
散薬分包機1b。」
イ 甲第2号証
(ア)甲第2号証には、次の記載がある(下線は当審が付した。)。
a 「【0007】【実施例】図1はこの発明による散薬供給装置の一実施例を示したものであり、この散薬供給装置は、多数の散薬収容器1、1、…と、任意の散薬収容器1に収容された散薬を、所定の軸線のまわりにしかも集団で移動させて、取出位置2に必要量取り出す手段3、9(移動手段3および計量手段9)と、取り出された散薬を一定量ずつに分割する手段11とを具えている。すなわち、移動手段3は、任意の散薬収容器1を取出位置2にもたらすものであり、また、計量装置9は、取出位置2において散薬収容器1から散薬を必要量排出させるものである。・・・移動手段3は、以下に説明するように、循環装置6として構成されている。散薬収容器1、1、…は、所定の軸線のまわりに環状に形成された環状路に沿って配置されている。この環状路には、それを一方向または両方向に循環(または反転移動)させるようになった循環装置6が設けられ、そのため、各散薬収容器1、1、…は、循環装置6の作動によって、一方向または両方向に循環(または反転移動)するように一体的に組み合わされている。・・・散薬収容器1の取り出しに関連した各部の作動、すなわち、循環装置6の作動による取り出すべき散薬収容器1の指定およびその実行は、制御装置10によって制御されるようになっている。すなわち、循環装置6は、散薬収容器1、1、…のなかから、制御装置10で指定された散薬収容器1が、取出位置2に対応した位置にくるように、散薬収容器1、1、…全体を、集団で移動させるように構成されている。このような循環装置6としては、適宜のものが使用可能であるから、その構成についての詳細な説明は省略することとする。また、取出位置2に隣接して、分割装置11が設けられ、分割装置11は、駆動装置8および計量装置9の作動により、散薬収容器1から取り出されたあらかじめ決められた必要量の散薬を、まず、環状または円弧状に配分したうえ、それを放射状に所定角度ずつ分割して、それにより1回服用量ずつに分割された散薬を、包装装置12に供給するように構成されている。このような分割装置11としては、適宜のものが使用可能であるから、その構成についての詳細な説明は省略することとする。計量装置9と、分割装置11との間には、必要に応じて、計量装置9で計量し終わった散薬を分割装置11に導入するための適宜の移送装置を設けることができるが、このような移送装置は、たとえば、計量装置9と一体に構成することもできる。また、分割装置11には、取出位置2から散薬を導入するための移送装置とは別に、散薬の移送に一般によく使われる適宜の振動フィーダを、手撒き装置13として設けておくことが好ましい。そのようにすれば、散薬収容器1、1、…に収容されていない種類の散薬であっても、薬剤師が、手作業で必要量だけ取り出して手撒き装置13に投入することにより、その散薬を、散薬収容器1、1、…に収容されている散薬と同様に取り扱って、分割装置11に導入することができる。また、取出位置2における散薬収容器1に関連した各部の作動、すなわち、駆動装置8および計量装置9の作動による排出すべき散薬の排出量の決定およびその実行は、制御装置10によって制御されるようになっている。また、散薬収容器1から取り出された散薬に関連した各部の作動、すなわち、分割装置11および包装装置12の作動による分割一定量および包装数の決定およびその実行も、制御装置10によって制御されるようになっている。さらに、制御装置10としては、コンピュータ制御方式を利用した適宜のものが使用可能であるから、その構成についての詳細な説明は省略するが、たとえば、医師から発行された処方箋の内容が入力される適宜の調剤システムの一環として構成すると、必要な散薬の調剤から患者への投薬に至るまでの薬局業務全体の流れを、より円滑に行うことが可能となる。」
b 【0008】「・・・そして、散薬収容器1、1、…に収容されていない種類の散薬であっても、薬剤師が、手作業で必要量だけ取り出して手撒き装置13に投入することにより、その散薬を、散薬収容器1、1、…に収容されている散薬と同様に取り扱って、分割装置11に導入して1回服用量ずつに分割したうえ、包装装置12によって1包ずつに分包することができる。・・・」
(イ)散薬供給装置は、環状に形成された環状路に沿って散薬収容器1が配置され、振動フィーダを手撒き装置として設け、分割装置11を有する装置であるから、散薬供給装置本体を備えることは明らかである。
(ウ)上記(ア)(イ)を総合すると、甲第2号証には、以下の発明が記載されている。
[甲2発明]
「散薬供給装置本体を備えた、散薬供給装置であって、
散薬供給装置本体には、環状に形成された環状路に沿って散薬収容器1が配置されており、
散薬供給装置本体は、振動フィーダを手撒き装置13として設け、分割装置11を有し、
散薬を薬剤師が手作業で必要量だけ取り出して手撒き装置13に投入し、振動フィーダである手撒き装置13から分割装置11に散剤を導入することができる
散薬供給装置。」
ウ 甲第3号証には、次のことが記載されている。
(ア)「振動フィーダ本体に対して着脱可能に構成した着脱型のホツパ」(第2ページ第4欄第1-3行)
(イ)「振動フイーダのホツパ部を振動フイーダ本体とは別個に、・・・形成し、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体に取りつけ、所定の粉粒体を振動フイーダにより供給する。この所定の粉粒体の供給が終了したならば、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体から取り外して廃棄し、続いて新しい着脱型ホツパを振動フイーダ本体に装着し、この新しい着脱型ホツパに対して別の粉粒体を充填して新たな粉粒体の供給を開始する。」(第2ページ第3欄第29-38行)
エ 甲第4号証には、次のことが記載されている。
(ア)薬品秤量装置が、処方箋情報を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0052])。
(イ)収容薬品名を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0058])。
(ウ)収容薬品名が処方箋情報に含まれた処方薬品名に一致すれば、秤量対象として選択し([0060]-[0062])、RFIDタグ31が設けられた薬剤シート30上に薬品を乗せ秤量すること([0020])。
オ 甲第5号証には、次のことが記載されている。
容器Tがトラフ容器搬入機構4によって振動駆動部2まで移送されること(【0016】、【0031】-【0045】、【0045】)。
カ 甲第6号証には、次のことが記載されている。
タブレットケースがロボットアームでタブレットケース配置台に設置されること(【0025】)。
キ 甲第7号証には、次のことが記載されている。
手撒き用の振動フィーダを2台具えること(【0008】、図2)。
(2)申立理由1(甲第1号証に記載された発明を主引用発明とする進歩性欠如)について
ア 本件発明1について
本件発明1と甲1発明とを対比すると、
甲1発明の「散薬分包機1b」は、本件発明1の「薬剤払出し装置」に相当し、
甲1発明の「散薬分包機1b本体」は、本件発明1の「本体装置」に相当し、
甲1発明の「分割マス」は、本件発明1の「散薬分配装置」に相当する。
甲1発明の「振動フィーダ」と、本件発明1の「容器振動台」とは、「振動手段」の限りにおいて一致する。
よって、両者は、
「本体装置を備えた薬剤払出し装置であって、
本体装置は、振動手段と、散薬分配装置とを有し、
散薬分配装置に薬剤が排出可能である
薬剤払出し装置。」の点で一致し、
下記の点で相違する。
<相違点>
相違点1
本件発明1の「薬剤払出し装置」は、「本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置」を「備え」、「薬剤秤量装置は、処方等情報読取手段と収容薬剤情報読取手段とを有し、収容薬剤情報読取手段により読み取られた収容薬剤が処方等情報読取手段により読み取られた処方薬剤のいずれかに該当する場合に、当該処方薬剤を秤量対象として選択し、薬剤秤量装置によって選択された薬剤の秤量を実行可能であ」るのに対して、甲1発明は、そのような薬剤秤量装置を備えない点。
相違点2
本件発明1の「薬剤払出し装置」は、「本体装置で保管される以外の薬剤を収容する手動型薬剤容器」を「備え」、「本体装置は、手動型薬剤容器を振動させる容器振動台」「を有し」、「秤量された薬剤を手動型薬剤容器に手動で投入し、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動し、容器振動台に手動型薬剤容器を載置し、容器振動台で手動型薬剤容器が振動され、手動型薬剤容器から散薬分配装置に薬剤が排出可能である」のに対して、甲1発明の散薬分包機1bは、散薬分包機1b本体に、振動フィーダと分割マスとを有する散薬手撒き装置3bが付設され、前記振動フィーダから前記分割マスに散薬が供給される点。
相違点3
本件発明1の「本体装置は、筐体によって囲まれており、筐体の内部には薬剤棚部領域を有し、薬剤棚部領域には収容形薬剤容器を設置する容器保管装置が設けられて」いるのに対して、甲1発明の散薬分包機1b本体は、散薬フィーダ5bが設置されている点。
上記相違点1、2について検討する。
甲第3号証には、「振動フィーダ本体に対して着脱可能に構成した着脱型のホツパ」(第2ページ第4欄第1-3行)が記載され、「振動フイーダのホツパ部を振動フイーダ本体とは別個に、・・・形成し、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体に取りつけ、所定の粉粒体を振動フイーダにより供給する。この所定の粉粒体の供給が終了したならば、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体から取り外して廃棄し、続いて新しい着脱型ホツパを振動フイーダ本体に装着し、この新しい着脱型ホツパに対して別の粉粒体を充填して新たな粉粒体の供給を開始する。」(第2ページ第3欄第29-38行)ことが記載されており、甲第4号証には、薬品秤量装置が、処方箋情報を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0052])、収容薬品名を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0058])、収容薬品名が処方箋情報に含まれた処方薬品名に一致すれば、秤量対象として選択し([0060]-[0062])、RFIDタグ31が設けられた薬剤シート30上に薬品を乗せ秤量すること([0020])が記載されている。
しかし、本件発明1の「本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置」によって「秤量された薬剤」を「投入し、手動で」「本体装置に移動」する「手動型薬剤容器」については、甲第3~7号証のいずれにも記載も示唆もされていない。
さらに、甲1発明は、「振動フィーダ」により手撒き作業を行うことができるものであるところ、甲1発明において振動フィーダを「手動型薬剤容器」を用いるものとし、さらに離れた位置にある薬剤秤量装置で秤量された薬剤を「手動型薬剤容器」に入れて手動で本体装置に移動する動機もない。
したがって、相違点3について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び甲第3~7号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
イ 本件発明2-3について
本件発明2-3は、本件発明1の発明特定事項を全て備え、さらに限定を付したものであるから、上記アと同じ理由で、甲1発明及び甲第3~7号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
ウ 本件発明4について
本件発明4と甲1発明とを対比すると、
甲1発明の「散薬分包機1b」は、本件発明4の「薬剤払出し装置」に相当し、
甲1発明の「散薬分包機1b本体」は、本件発明4の「本体装置」に相当し、
甲1発明の「分割マス」は、本件発明4の「散薬分配装置」に相当する。
甲1発明の「振動フィーダ」と、本件発明4の「容器振動台」とは、「振動手段」の限りにおいて一致する。
よって、両者は、
「本体装置を備えた薬剤払出し装置であって、
本体装置は、振動手段と、散薬分配装置とを有し、
散薬分配装置に薬剤が排出可能である
薬剤払出し装置。」の点で一致し、
下記の点で相違する。
<相違点>
相違点4
本件発明4の「薬剤払出し装置」は、「本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置」を「備え」、「薬剤秤量装置は、処方等情報読取手段と収容薬剤情報読取手段とを有し、収容薬剤情報読取手段により読み取られた収容薬剤が処方等情報読取手段により読み取られた処方薬剤のいずれかに該当する場合に、当該処方薬剤を秤量対象として選択し、薬剤秤量装置によって選択された薬剤の秤量を実行可能であ」るのに対して、甲1発明は、そのような薬剤秤量装置を備えない点。
相違点5
本件発明4の「薬剤払出し装置」は、「本体装置で保管される以外の薬剤を収容する手動型薬剤容器」を「備え」、「本体装置は、手動型薬剤容器を振動させる容器振動台」「を有し」、「薬剤秤量装置に手動型薬剤容器を手動で載置し、手動型薬剤容器内に選択された薬剤を手動で導入して薬剤を秤量し、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動し、容器振動台に手動型薬剤容器を手動で載置し、容器振動台で手動型薬剤容器が振動され、手動型薬剤容器から散薬分配装置に薬剤が排出可能である」のに対して、甲1発明の散薬分包機1bは、散薬分包機1b本体に、振動フィーダと分割マスとを有する散薬手撒き装置3bが付設され、前記振動フィーダから前記分割マスに散薬が供給される点。
相違点6
本件発明4の「本体装置は、筐体によって囲まれており、筐体の内部には薬剤棚部領域を有し、薬剤棚部領域には収容形薬剤容器を設置する容器保管装置が設けられて」いるのに対して、甲1発明の散薬分包機1b本体は、散薬フィーダ5bが設置されている点。
上記相違点4、5について検討する。
甲第3号証には、「振動フィーダ本体に対して着脱可能に構成した着脱型のホツパ」(第2ページ第4欄第1-3行)が記載され、「振動フイーダのホツパ部を振動フイーダ本体とは別個に、・・・形成し、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体に取りつけ、所定の粉粒体を振動フイーダにより供給する。この所定の粉粒体の供給が終了したならば、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体から取り外して廃棄し、続いて新しい着脱型ホツパを振動フイーダ本体に装着し、この新しい着脱型ホツパに対して別の粉粒体を充填して新たな粉粒体の供給を開始する。」(第2ページ第3欄第29-38行)ことが記載されており、甲第4号証には、薬品秤量装置が、処方箋情報を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0052])、収容薬品名を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0058])、収容薬品名が処方箋情報に含まれた処方薬品名に一致すれば、秤量対象として選択し([0060]-[0062])、RFIDタグ31が設けられた薬剤シート30上に薬品を乗せ秤量すること([0020])が記載されている。
しかし、本件発明4の「本体装置と離れた位置にある」「薬剤秤量装置に」「手動で載置し」、「容器内に選択された薬剤を手動で導入して薬剤を秤量し、手動で」「本体装置に移動」する「手動型薬剤容器」については、甲第3~7号証のいずれにも記載も示唆もされていない。
さらに、甲1発明は、「振動フィーダ」により手撒き作業を行うことができるものであるところ、甲1発明において振動フィーダを「手動型薬剤容器」を用いるものとし、さらに離れた位置にある薬剤秤量装置で秤量された薬剤を「手動型薬剤容器」に入れて手動で本体装置に移動する動機もない。
したがって、相違点6について検討するまでもなく、本件発明4は、甲1発明及び甲第3~7号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
エ 本件発明5-6について
本件発明5-6は、本件発明4の発明特定事項を全て備え、さらに限定を付したものであるから、上記ウと同じ理由で、甲1発明及び甲第3~7号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
オ 本件発明7について
本件発明7と甲1発明とを対比すると、
甲1発明の「散薬分包機1b」は、本件発明7の「薬剤払出し装置」に相当し、
甲1発明の「散薬分包機1b本体」は、本件発明7の「本体装置」に相当し、
甲1発明の「分割マス」は、本件発明7の「散薬分配装置」に相当する。
甲1発明の「振動フィーダ」と、本件発明7の「容器振動台」とは、「振動手段」の限りにおいて一致する。
よって、両者は、
「本体装置を備えた薬剤払出し装置であって、
本体装置は、振動手段と、散薬分配装置とを有し、
散薬分配装置に薬剤が排出可能である
薬剤払出し装置。」の点で一致し、
下記の点で相違する。
<相違点>
相違点7
本件発明7の「薬剤払出し装置」は、「本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置」を「備え」、「薬剤秤量装置は、収容薬剤情報読取手段を有し、薬剤秤量装置は、処方薬剤を受信し、収容薬剤情報読取手段により読み取られた収容薬剤が、受信した処方薬剤のいずれかに該当する場合に、当該処方薬剤を秤量対象として選択し、薬剤秤量装置によって選択された薬剤の秤量を実行可能であ」るのに対して、甲1発明は、そのような薬剤秤量装置を備えない点。
相違点8
本件発明7の「薬剤払出し装置」は、「本体装置で保管される以外の薬剤を収容する手動型薬剤容器」を「備え」、「本体装置は、手動型薬剤容器を振動させる容器振動台」「を有し」、「秤量された薬剤を手動型薬剤容器に手動で投入し、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動し、容器振動台に手動型薬剤容器を載置し、容器振動台で手動型薬剤容器が振動され、手動型薬剤容器から散薬分配装置に薬剤が排出可能である」のに対して、甲1発明の散薬分包機1bは、散薬分包機1b本体に、振動フィーダと分割マスとを有する散薬手撒き装置3bが付設され、前記振動フィーダから前記分割マスに散薬が供給される点。
相違点9
本件発明7の「本体装置は、筐体によって囲まれており、筐体の内部には薬剤棚部領域を有し、薬剤棚部領域には収容形薬剤容器を設置する容器保管装置が設けられて」いるのに対して、甲1発明の散薬分包機1b本体は、散薬フィーダ5bが設置されている点。
上記相違点7、8について検討する。
甲第3号証には、「振動フィーダ本体に対して着脱可能に構成した着脱型のホツパ」(第2ページ第4欄第1-3行)が記載され、「振動フイーダのホツパ部を振動フイーダ本体とは別個に、・・・形成し、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体に取りつけ、所定の粉粒体を振動フイーダにより供給する。この所定の粉粒体の供給が終了したならば、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体から取り外して廃棄し、続いて新しい着脱型ホツパを振動フイーダ本体に装着し、この新しい着脱型ホツパに対して別の粉粒体を充填して新たな粉粒体の供給を開始する。」(第2ページ第3欄第29-38行)ことが記載されており、甲第4号証には、薬品秤量装置が、処方箋情報を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0052])、収容薬品名を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0058])、収容薬品名が処方箋情報に含まれた処方薬品名に一致すれば、秤量対象として選択し([0060]-[0062])、RFIDタグ31が設けられた薬剤シート30上に薬品を乗せ秤量すること([0020])が記載されている。
しかし、本件発明7の「本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置」「によって」「秤量された薬剤を」「手動で投入し、手動で」「本体装置に移動」する「手動型薬剤容器」については、甲第3~7号証のいずれにも記載も示唆もされていない。
さらに、甲1発明は、「振動フィーダ」により手撒き作業を行うことができるものであるところ、甲1発明において振動フィーダを「手動型薬剤容器」を用いるものとし、さらに離れた位置にある薬剤秤量装置で秤量された薬剤を「手動型薬剤容器」に入れて手動で本体装置に移動する動機もない。
したがって、相違点9について検討するまでもなく、本件発明7は、甲1発明及び甲第3~7号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
カ 本件発明8について
本件発明8は、本件発明7の発明特定事項を全て備え、さらに限定を付したものであるから、上記オと同じ理由で、甲1発明及び甲第3~7号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
(3)申立理由2(甲第2号証に記載された発明を主引用発明とする進歩性欠如)について
ア 本件発明1について
本件発明1と甲2発明とを対比すると、
甲2発明の「散薬供給装置」は、本件発明1の「薬剤払出し装置」に相当し、
甲2発明の「散薬供給装置本体」は、本件発明1の「本体装置」に相当し、
甲2発明の「分割装置11」は、本件発明1の「散薬分配装置」に相当する。
甲2発明の「振動フィーダ」と、本件発明1の「容器振動台」とは、「振動手段」の限りにおいて一致する。
よって、両者は、
「本体装置を備えた薬剤払出し装置であって、
本体装置は、振動手段と、散薬分配装置とを有し、
散薬分配装置に薬剤が排出可能である
薬剤払出し装置。」の点で一致し、
下記の点で相違する。
<相違点>
相違点10
本件発明1の「薬剤払出し装置」は、「本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置」を「備え」、「薬剤秤量装置は、処方等情報読取手段と収容薬剤情報読取手段とを有し、収容薬剤情報読取手段により読み取られた収容薬剤が処方等情報読取手段により読み取られた処方薬剤のいずれかに該当する場合に、当該処方薬剤を秤量対象として選択し、薬剤秤量装置によって選択された薬剤の秤量を実行可能であ」るのに対して、甲2発明は、そのような薬剤秤量装置を備えない点。
相違点11
本件発明1の「薬剤払出し装置」は、「本体装置で保管される以外の薬剤を収容する手動型薬剤容器」を「備え」、「本体装置は、手動型薬剤容器を振動させる容器振動台」「を有し」、「秤量された薬剤を手動型薬剤容器に手動で投入し、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動し、容器振動台に手動型薬剤容器を載置し、容器振動台で手動型薬剤容器が振動され、手動型薬剤容器から散薬分配装置に薬剤が排出可能である」のに対して、甲2発明の散薬供給装置は、散薬供給装置本体に、振動フィーダを手撒き装置13として設け、散薬を薬剤師が手作業で必要量だけ取り出して手撒き装置13に投入し、振動フィーダである手撒き装置13から分割装置11に散剤を導入することができる点。
相違点12
本件発明1の「本体装置」は、「筐体によって囲まれており、筐体の内部には薬剤棚部領域を有し、薬剤棚部領域には収容形薬剤容器を設置する容器保管装置が設けられて」いるのに対して、甲2発明の散薬供給装置本体は、環状に形成された環状路に沿って散薬収容器1が配置されている点。
上記相違点10、11について検討する。
甲第3号証には、「振動フィーダ本体に対して着脱可能に構成した着脱型のホツパ」(第2ページ第4欄第1-3行)が記載され、「振動フイーダのホツパ部を振動フイーダ本体とは別個に、・・・形成し、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体に取りつけ、所定の粉粒体を振動フイーダにより供給する。この所定の粉粒体の供給が終了したならば、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体から取り外して廃棄し、続いて新しい着脱型ホツパを振動フイーダ本体に装着し、この新しい着脱型ホツパに対して別の粉粒体を充填して新たな粉粒体の供給を開始する。」(第2ページ第3欄第29-38行)ことが記載されており、甲第4号証には、薬品秤量装置が、処方箋情報を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0052])、収容薬品名を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0058])、収容薬品名が処方箋情報に含まれた処方薬品名に一致すれば、秤量対象として選択し([0060]-[0062])、RFIDタグ31が設けられた薬剤シート30上に薬品を乗せ秤量すること([0020])が記載されている。
しかし、本件発明1の「本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置」によって「秤量された薬剤」を「投入し、手動で」「本体装置に移動」する「手動型薬剤容器」については、甲第3~7号証のいずれにも記載も示唆もされていない。
さらに、甲2発明は、「振動フィーダ」により手撒き作業を行うことができるものであるところ、甲2発明において振動フィーダを「手動型薬剤容器」を用いるものとし、さらに離れた位置にある薬剤秤量装置で秤量された薬剤を「手動型薬剤容器」に入れて手動で本体装置に移動する動機もない。
したがって、相違点12について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明及び甲第3~7号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
イ 本件発明2-3について
本件発明2-3は、本件発明1の発明特定事項を全て備え、さらに限定を付したものであるから、上記アと同じ理由で、甲2発明及び甲第3~7号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
ウ 本件発明4について
本件発明4と甲2発明とを対比すると、
甲2発明の「散薬供給装置」は、本件発明4の「薬剤払出し装置」に相当し、
甲2発明の「散薬供給装置本体」は、本件発明4の「本体装置」に相当し、
甲2発明の「分割装置11」は、本件発明4の「散薬分配装置」に相当する。
甲2発明の「振動フィーダ」と、本件発明4の「容器振動台」とは、「振動手段」の限りにおいて一致する。
よって、両者は、
「本体装置を備えた薬剤払出し装置であって、
本体装置は、振動手段と、散薬分配装置とを有し、
散薬分配装置に薬剤が排出可能である
薬剤払出し装置。」の点で一致し、
下記の点で相違する。
<相違点>
相違点13
本件発明4の「薬剤払出し装置」は、「本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置」を「備え」、「薬剤秤量装置は、処方等情報読取手段と収容薬剤情報読取手段とを有し、収容薬剤情報読取手段により読み取られた収容薬剤が処方等情報読取手段により読み取られた処方薬剤のいずれかに該当する場合に、当該処方薬剤を秤量対象として選択し、薬剤秤量装置によって選択された薬剤の秤量を実行可能であ」るのに対して、甲2発明は、そのような薬剤秤量装置を備えない点。
相違点14
本件発明4の「薬剤払出し装置」は、「本体装置で保管される以外の薬剤を収容する手動型薬剤容器」を「備え」、「本体装置は、手動型薬剤容器を振動させる容器振動台」「を有し」、「薬剤秤量装置に手動型薬剤容器を手動で載置し、手動型薬剤容器内に選択された薬剤を手動で導入して薬剤を秤量し、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動し、容器振動台に手動型薬剤容器を手動で載置し、容器振動台で手動型薬剤容器が振動され、手動型薬剤容器から散薬分配装置に薬剤が排出可能である」のに対して、甲2発明の散薬供給装置は、散薬供給装置本体に、振動フィーダを手撒き装置13として設け、散薬を薬剤師が手作業で必要量だけ取り出して手撒き装置13に投入し、振動フィーダである手撒き装置13から分割装置11に散剤を導入することができる点。
相違点15
本件発明4の「本体装置」は、「筐体によって囲まれており、筐体の内部には薬剤棚部領域を有し、薬剤棚部領域には収容形薬剤容器を設置する容器保管装置が設けられて」いるのに対して、甲2発明の散薬供給装置本体は、環状に形成された環状路に沿って散薬収容器1が配置されている点。
上記相違点13、14について検討する。
甲第3号証には、「振動フィーダ本体に対して着脱可能に構成した着脱型のホツパ」(第2ページ第4欄第1-3行)が記載され、「振動フイーダのホツパ部を振動フイーダ本体とは別個に、・・・形成し、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体に取りつけ、所定の粉粒体を振動フイーダにより供給する。この所定の粉粒体の供給が終了したならば、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体から取り外して廃棄し、続いて新しい着脱型ホツパを振動フイーダ本体に装着し、この新しい着脱型ホツパに対して別の粉粒体を充填して新たな粉粒体の供給を開始する。」(第2ページ第3欄第29-38行)ことが記載されており、甲第4号証には、薬品秤量装置が、処方箋情報を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0052])、収容薬品名を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0058])、収容薬品名が処方箋情報に含まれた処方薬品名に一致すれば、秤量対象として選択し([0060]-[0062])、RFIDタグ31が設けられた薬剤シート30上に薬品を乗せ秤量すること([0020])が記載されている。
しかし、本件発明4の「本体装置と離れた位置にある」「薬剤秤量装置に」「手動で載置し」、「容器内に選択された薬剤を手動で導入して薬剤を秤量し、手動で」「本体装置に移動」する「手動型薬剤容器」については、甲第3~7号証のいずれにも記載も示唆もされていない。
さらに、甲2発明は、「振動フィーダ」により手撒き作業を行うことができるものであるところ、甲2発明において振動フィーダを「手動型薬剤容器」を用いるものとし、さらに離れた位置にある薬剤秤量装置で秤量された薬剤を「手動型薬剤容器」に入れて手動で本体装置に移動する動機もない。
したがって、相違点15について検討するまでもなく、本件発明4は、甲2発明及び甲第3~7号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
エ 本件発明5-6について
本件発明5-6は、本件発明4の発明特定事項を全て備え、さらに限定を付したものであるから、上記ウと同じ理由で、甲2発明及び甲第3~7号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
オ 本件発明7について
本件発明7と甲2発明とを対比すると、
甲2発明の「散薬供給装置」は、本件発明7の「薬剤払出し装置」に相当し、
甲2発明の「散薬供給装置本体」は、本件発明7の「本体装置」に相当し、
甲2発明の「分割装置11」は、本件発明7の「散薬分配装置」に相当する。
甲2発明の「振動フィーダ」と、本件発明7の「容器振動台」とは、「振動手段」の限りにおいて一致する。
よって、両者は、
「本体装置を備えた薬剤払出し装置であって、
本体装置は、振動手段と、散薬分配装置とを有し、
散薬分配装置に薬剤が排出可能である
薬剤払出し装置。」の点で一致し、
下記の点で相違する。
<相違点>
相違点16
本件発明7の「薬剤払出し装置」は、「本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置」を「備え」、「薬剤秤量装置は、収容薬剤情報読取手段を有し、薬剤秤量装置は、処方薬剤を受信し、収容薬剤情報読取手段により読み取られた収容薬剤が、受信した処方薬剤のいずれかに該当する場合に、当該処方薬剤を秤量対象として選択し、薬剤秤量装置によって選択された薬剤の秤量を実行可能であ」るのに対して、甲2発明は、そのような薬剤秤量装置を備えない点。
相違点17
本件発明7の「薬剤払出し装置」は、「本体装置で保管される以外の薬剤を収容する手動型薬剤容器」を「備え」、「本体装置は、手動型薬剤容器を振動させる容器振動台」「を有し」、「秤量された薬剤を手動型薬剤容器に手動で投入し、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動し、容器振動台に手動型薬剤容器を載置し、容器振動台で手動型薬剤容器が振動され、手動型薬剤容器から散薬分配装置に薬剤が排出可能である」のに対して、甲2発明の散薬供給装置は、散薬供給装置本体に、振動フィーダを手撒き装置13として設け、散薬を薬剤師が手作業で必要量だけ取り出して手撒き装置13に投入し、振動フィーダである手撒き装置13から分割装置11に散剤を導入することができる点。
相違点18
本件発明7の「本体装置」は、「筐体によって囲まれており、筐体の内部には薬剤棚部領域を有し、薬剤棚部領域には収容形薬剤容器を設置する容器保管装置が設けられて」いるのに対して、甲2発明の散薬供給装置本体は、環状に形成された環状路に沿って散薬収容器1が配置されている点。
上記相違点16、17について検討する。
甲第3号証には、「振動フィーダ本体に対して着脱可能に構成した着脱型のホツパ」(第2ページ第4欄第1-3行)が記載され、「振動フイーダのホツパ部を振動フイーダ本体とは別個に、・・・形成し、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体に取りつけ、所定の粉粒体を振動フイーダにより供給する。この所定の粉粒体の供給が終了したならば、この着脱型ホツパを振動フイーダ本体から取り外して廃棄し、続いて新しい着脱型ホツパを振動フイーダ本体に装着し、この新しい着脱型ホツパに対して別の粉粒体を充填して新たな粉粒体の供給を開始する。」(第2ページ第3欄第29-38行)ことが記載されており、甲第4号証には、薬品秤量装置が、処方箋情報を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0052])、収容薬品名を読み取る手段(バーコードリーダー17)を有すること([0058])、収容薬品名が処方箋情報に含まれた処方薬品名に一致すれば、秤量対象として選択し([0060]-[0062])、RFIDタグ31が設けられた薬剤シート30上に薬品を乗せ秤量すること([0020])が記載されている。
しかし、本件発明7の「本体装置と離れた位置にある薬剤秤量装置」「によって」「秤量された薬剤を」「手動で投入し、手動で」「本体装置に移動」する「手動型薬剤容器」については、甲第3~7号証のいずれにも記載も示唆もされていない。
さらに、甲2発明は、「振動フィーダ」により手撒き作業を行うことができるものであるところ、甲2発明において振動フィーダを「手動型薬剤容器」を用いるものとし、さらに離れた位置にある薬剤秤量装置で秤量された薬剤を「手動型薬剤容器」に入れて手動で本体装置に移動する動機もない。
したがって、相違点18について検討するまでもなく、本件発明7は、甲2発明及び甲第3~7号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
カ 本件発明8について
本件発明8は、本件発明7の発明特定事項を全て備え、さらに限定を付したものであるから、上記オと同じ理由で、甲2発明及び甲第3~7号証の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
(4)申立理由3(特許法第36条第6項第2号(明確性違反))についての当審の判断
請求項1の「秤量された薬剤を手動型薬剤容器に手動で投入し、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動し、容器振動台に手動型薬剤容器を載置し」は、手動型薬剤容器と、秤量された薬剤、本体装置、容器振動台の関係を特定する記載であり、明確である。
請求項2ー3は、請求項1を引用するから、上記と同様である。
請求項4の「薬剤秤量装置に手動型薬剤容器を手動で載置し、手動型薬剤容器内に選択された薬剤を手動で導入して薬剤を秤量し、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動し、容器振動台に手動型薬剤容器を手動で載置し」は、手動型薬剤容器と、薬剤秤量装置、選択された薬剤、本体装置、容器振動台の関係を特定する記載であり、明確である。
請求項5-6は、請求項4を引用するから、上記と同様である。
請求項7の「秤量された薬剤を手動型薬剤容器に手動で投入し、手動で手動型薬剤容器を本体装置に移動し、容器振動台に手動型薬剤容器を載置し」は、手動型薬剤容器と、秤量された薬剤、本体装置、容器振動台の関係を特定する記載であり、明確である。
請求項8は、請求項7を引用するから、上記と同様である。
よって、請求項1-8に係る発明は、明確である。
第7 むすび
以上のとおり、取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件発明5-6に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1-8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-701311