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特許異議申立

2021-700120

遊技機

審判番号
2021-700120
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-099967外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年02月03日
審決日
2021年09月21日
公報発行日
2021年12月24日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-YAA(A63F) / P1651.113-YAA(A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第129条の5第2項、特許法第29条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6735706号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】
特許第6735706号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。
特許第6735706号の請求項1に係る特許を維持する。

理由

目次 ▾ 22項目
【理 由】

第1 手続の経緯

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特許第6735706号の請求項1に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、平成29年5月19日に出願され、令和2年7月16日にその特許権の設定登録がされ、同年8月5日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許について、令和3年2月3日に特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがされ、当審は、同年4月13日付けで取消理由を通知し、特許権者である株式会社三共は、その指定期間内である同年6月16日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)を行い、本件訂正請求に対して、特許異議申立人は、同年8月4日に意見書を提出した。

第2 本件訂正請求について

1 訂正の内容

本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである。

(1)訂正事項1

特許請求の範囲の請求項1に

「複数のメニューからいずれかのメニューを選択可能なメニュー画面を表示させることが可能なメニュー画面表示手段と、」を加える(下線は訂正箇所を示す。以下同じ。)。

(2)訂正事項2

特許請求の範囲の請求項1に

「遊技者による開始操作を受付可能な開始操作受付手段と、」とあるのを、

「遊技者による操作であって、前記メニュー画面に表示されたメニューのうちの開始メニューを選択する開始操作を受付可能な開始操作受付手段と、」に訂正する。

(3)訂正事項3

特許請求の範囲の請求項1に

「前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作が受け付けられたときに、開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示し、確認操作が受け付けられた場合に新たに前記履歴蓄積状態を設定する」とあるのを、

「前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作が受け付けられたときに、開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示し、確認操作が受け付けられた場合に新たに前記履歴蓄積状態を設定し、」に訂正する。

(4)訂正事項4

特許請求の範囲の請求項1に

「前記メニュー画面表示手段は、遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられたときに、前記メニュー画面を表示させることが可能であり、」を加える。

(5)訂正事項5

特許請求の範囲の請求項1に

「前記履歴蓄積状態が設定されていない状態と前記履歴蓄積状態が設定されている状態とで前記メニュー画面の表示態様が異なる」を加える。

(6)訂正事項6

願書に添付した明細書の段落【0006】に

「請求項1の遊技機は、
遊技を行う遊技機において、
遊技者による開始操作を受付可能な開始操作受付手段と、
開始操作が受け付けられたことに基づいて遊技の結果を蓄積する履歴蓄積状態を設定可能な履歴蓄積状態設定手段と、
を備え、
前記開始操作受付手段は、前記履歴蓄積状態が設定されているか否かに関わらず開始操作を受付可能であり、
前記履歴蓄積状態設定手段は、
前記履歴蓄積状態が設定されていない状態で、開始操作が受け付けられたときに、開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示することも確認操作を受け付けることもなく、前記履歴蓄積状態を設定し、
前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作が受け付けられたときに、開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示し、確認操作が受け付けられた場合に新たに前記履歴蓄積状態を設定する
ことを特徴としている。」とあるのを、
「請求項1の遊技機は、
遊技を行う遊技機において、
複数のメニューからいずれかのメニューを選択可能なメニュー画面を表示させることが可能なメニュー画面表示手段と、
遊技者による操作であって、前記メニュー画面に表示されたメニューのうちの開始メニューを選択する開始操作を受付可能な開始操作受付手段と、
続きを表示(全13行)
開始操作が受け付けられたことに基づいて遊技の結果を蓄積する履歴蓄積状態を設定可能な履歴蓄積状態設定手段と、
を備え、
前記開始操作受付手段は、前記履歴蓄積状態が設定されているか否かに関わらず開始操作を受付可能であり、
前記履歴蓄積状態設定手段は、
前記履歴蓄積状態が設定されていない状態で、開始操作が受け付けられたときに、開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示することも確認操作を受け付けることもなく、前記履歴蓄積状態を設定し、
前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作が受け付けられたときに、開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示し、確認操作が受け付けられた場合に新たに前記履歴蓄積状態を設定し、
前記メニュー画面表示手段は、遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられたときに、前記メニュー画面を表示させることが可能であり、
前記履歴蓄積状態が設定されていない状態と前記履歴蓄積状態が設定されている状態とで前記メニュー画面の表示態様が異なる
ことを特徴としている。」に訂正する。

2 訂正の適否

(1)訂正事項1

ア 訂正の目的について

訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「複数のメニューからいずれかのメニューを選択可能なメニュー画面を表示させることが可能なメニュー画面表示手段と、」なる発明特定事項を加えて「遊技機」を限定する訂正であるから、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと

訂正事項1は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加にはあたらず、カテゴリーや対象を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること

願書に添付した明細書の段落【0044】には「図3(d)に示すように、演出用スイッチ有効示唆画像が表示されている状態で、演出用スイッチ24が操作されたことが検出される場合には、演出メニュー状態に移行して、演出メニュー状態である旨を示す演出メニュー画面を液晶表示器22に表示させる。演出メニュー画像では、演出メニュー画像である旨を示す文字画像(本実施例では、「演出メニュー画面」の文字画像)と、選択可能な演出メニューの項目を示す項目画像(本実施例では、「演出設定」「遊技説明」「履歴蓄積開始」「遊技履歴表示」「メニュー画面終了」「戻る」の文字画像)と、演出用方向スイッチ25の左中右スイッチを操作すること、またはタッチ操作により演出メニューを設定できる旨を示す操作案内画像(本実施例では、演出用方向スイッチ25の画像、タッチ操作を行う指を模した画像)と、が表示される。」と記載されており、訂正事項1は、これらの記載から、「複数のメニュー(演出メニュー)からいずれかのメニューを選択可能なメニュー画面(演出メニュー画面)を表示させることが可能なメニュー画面表示手段」を備えることが導き出せることに基づくものである。

したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項1は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(2)訂正事項2

ア 訂正の目的について

訂正前の請求項1の「遊技者による開始操作を受付可能な開始操作受付手段と、」を「遊技者による操作であって、前記メニュー画面に表示されたメニューのうちの開始メニューを選択する開始操作を受付可能な開始操作受付手段と、」とする訂正は、訂正前の請求項1の「遊技者による開始操作」が「遊技者による操作であって、前記メニュー画面に表示されたメニューのうちの開始メニューを選択する開始操作」であることを限定する訂正であるから、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと

訂正事項2は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

願書に添付した明細書の段落【0046】には「演出メニュー画面が表示されている状態で、液晶表示器22の表示領域22aのうち演出メニューの項目画像に対応する領域が遊技者等によりタッチ操作されることでも、上述のように、音量設定画面や輝度設定画面にてタッチ操作が行われる場合と同様にして、演出メニュー項目を選択する選択操作、及び選択されている演出メニュー項目に決定する決定操作とを行うことができ、選択操作と決定操作とを一の操作で行うことができるようになっている。」と記載され、段落【0047】には「演出メニュー画面が表示されている状態で、演出用方向スイッチ25の操作またはタッチ操作により演出メニュー項目のうち「演出設定」が選択されて決定された場合は、上述の音量設定状態や輝度設定状態等の演出に関する設定を行うことが可能な演出設定状態に移行させる。また、演出メニュー項目のうち「遊技説明」が選択されて決定された場合は、遊技機1について、例えば、遊技を進める方法や遊技に関連する情報(例えば、役や配当表等)について説明する遊技説明状態に移行させる。また、演出メニュー項目のうち「履歴蓄積開始」が選択されて決定された場合は、上述の履歴蓄積状態に移行させる。また、演出メニュー項目のうち「遊技履歴表示」が選択されて決定された場合は、当日中の遊技機1における遊技の結果の履歴を表示する遊技履歴表示に移行させる。また、演出メニュー項目のうち「メニュー画面終了」が選択されて決定された場合は、演出メニュー状態及び演出メニュー画面を終了させて、非遊技中演出に戻る。」と記載されており、訂正事項2は、これらの記載から、「遊技者による操作であって、前記メニュー画面(演出メニュー画面)に表示されたメニュー(演出メニュー)のうちの開始メニュー(「履歴蓄積開始」)を選択する開始操作を受付可能な開始操作受付手段」が導き出せることに基づくものである。

したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項2は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)訂正事項3

ア 訂正の目的について

訂正事項3は、以下の訂正事項4、5の訂正を行うことに対して、請求項1の記載を整合させるための訂正であるから、特許法第129条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと

訂正事項3は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項3は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(4)訂正事項4

ア 訂正の目的について

訂正事項4は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記メニュー画面表示手段は、遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられたときに、前記メニュー画面を表示させることが可能であり、」なる発明特定事項を加えて「遊技機」を限定する訂正であるから、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと

訂正事項4は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

願書に添付した明細書の段落【0043】には「図3(c)に示すように、サブ制御部21は、非遊技状態が特定された後、非遊技状態が終了することなく所定時間(本実施例では、10秒)が経過したときに、上述のように、演出用スイッチ24の操作の受け付けを有効化するとともに、・・・」と記載され、段落【0044】には「図3(d)に示すように、演出用スイッチ有効示唆画像が表示されている状態で、演出用スイッチ24が操作されたことが検出される場合には、演出メニュー状態に移行して、演出メニュー状態である旨を示す演出メニュー画面を液晶表示器22に表示させる。・・・」と記載されており、訂正事項4は、これらの記載から、「前記メニュー画面表示手段は、遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作(演出用スイッチ24の操作)が受け付けられたときに、前記メニュー画面(演出メニュー画面)を表示させることが可能であ」ることが導き出せることに基づくものである。

したがって、訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項4は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(5)訂正事項5

ア 訂正の目的について

訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記履歴蓄積状態が設定されていない状態と前記履歴蓄積状態が設定されている状態とで前記メニュー画面の表示態様が異なる」なる発明特定事項を加えて「遊技機」を限定する訂正であるから、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと

訂正事項5は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

願書に添付した明細書の段落【0051】には「図4(c)に示すように、パスワード入力画面において適切にパスワードが入力された場合には、履歴蓄積状態を設定して、当該履歴蓄積状態を開始させた後、演出メニュー画面に戻る。履歴蓄積状態が設定されている状態で表示される演出メニュー画面では、履歴蓄積状態が設定されていない状態で表示される演出メニュー画面に比較して、選択可能な演出メニューの項目を示す項目画像として「履歴蓄積出力」の文字画像と、履歴蓄積状態が設定されている旨を示す履歴蓄積中画像(本実施例では、「~履歴蓄積中~※履歴を出力できます」の文字画像)とが追加されている。このように、履歴蓄積状態が開始された状態で表示される演出メニュー画面では、履歴蓄積状態が開始されていない状態で表示される演出メニュー画面において表示されない選択可能な演出メニューの項目を示す項目画像(「履歴蓄積出力」)及び履歴蓄積中画像が表示されることで、履歴蓄積状態が開始された状態であることを遊技者等が認識できるようになっている。」と記載されており、訂正事項5は、これらの記載から、「前記履歴蓄積状態が設定されていない状態と前記履歴蓄積状態が設定されている状態とで前記メニュー画面(演出メニュー画面)の表示態様が異なる」ことが導き出せることに基づくものである。

したがって、訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項5は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

(6)訂正事項6

ア 訂正の目的について

訂正事項6は、訂正事項1~5に係る訂正により、訂正前の請求項1における特許請求の範囲の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった願書に添付した明細書の段落【0006】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから、当該訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと

訂正事項6は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること

訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。

よって、訂正事項6は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。

3 小括

以上のとおり、本件訂正請求によりなされた訂正(以下「本件訂正」という。)は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び、同第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とし、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

したがって、明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。

第3 本件特許発明

本件訂正後の本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件特許発明」という。)は、本件訂正により訂正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(記号A~Jは、令和3年6月16日提出の意見書における特許権者による分説に従い、請求項1を分説するために当審にて付した。)。

「【請求項1】
A 遊技を行う遊技機において、
B 複数のメニューからいずれかのメニューを選択可能なメニュー画面を表示させることが可能なメニュー画面表示手段と、
C 遊技者による操作であって、前記メニュー画面に表示されたメニューのうちの開始メニューを選択する開始操作を受付可能な開始操作受付手段と、
続きを表示(全12行)
D 開始操作が受け付けられたことに基づいて遊技の結果を蓄積する履歴蓄積状態を設定可能な履歴蓄積状態設定手段と、
を備え、
E 前記開始操作受付手段は、前記履歴蓄積状態が設定されているか否かに関わらず開始操作を受付可能であり、
F 前記履歴蓄積状態設定手段は、
G 前記履歴蓄積状態が設定されていない状態で、開始操作が受け付けられたときに、開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示することも確認操作を受け付けることもなく、前記履歴蓄積状態を設定し、
H 前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作が受け付けられたときに、開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示し、確認操作が受け付けられた場合に新たに前記履歴蓄積状態を設定し、
I 前記メニュー画面表示手段は、遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられたときに、前記メニュー画面を表示させることが可能であり、
J 前記履歴蓄積状態が設定されていない状態と前記履歴蓄積状態が設定されている状態とで前記メニュー画面の表示態様が異なる、遊技機。」

第4 取消理由通知に記載した取消理由について

1 取消理由の概要

本件訂正前の請求項1に係る特許に対して、当審が令和3年4月13日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

請求項1に係る発明は、甲第1号証(特開2017-51796号公報)に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。

2 甲第1号証の記載及び甲1発明

(1)甲第1号証には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。

ア 「【0014】
<機能フロー>
まず、図1を参照して、パチスロの機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。」
イ 「【0025】
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。」
ウ 「【0800】
携帯端末連携機能を使用する場合は、まず、メイン画面111にガイド初期画像を表示させる。単位遊技が終了している状態で「ENTER」ボタン(不図示)又は「SELECT」ボタンに対する押圧操作を行うと、メイン画面111にガイド初期画像が表示される。また、図117に示すように、単位遊技が終了している状態でサブ画面112に表示されるユニメモボタンをタッチした場合においても、メイン画面111にガイド初期画像が表示される。
【0801】
「単位遊技が終了している状態」とは、基本的に、遊技者の停止操作により3つのリール3L,3C,3Rが停止表示されてから、遊技者による遊技媒体(メダル)の投入操作が行われるまでの期間である。なお、3つのリール3L,3C,3Rが停止表示されたときに遊技媒体(メダル)の払出しがある場合は、払出しが終了してから遊技者による遊技媒体の投入操作が行われるまでの期間である。3つのリール3L,3C,3Rが停止表示されたときに再遊技に係る表示役(リプレイ)である場合は、遊技媒体が自動投入されてからスタートレバー16が傾動操作されるまでの期間である。また、3つのリール3L,3C,3Rが停止表示された後に遊技停止期間(演出用ロックなど)がある場合は、その遊技停止期間が終了してから遊技者による遊技媒体の投入操作が行われるまでの期間、又はスタートレバー16が傾動操作されるまでの期間である。
なお、遊技者による遊技媒体の投入操作が行われても、スタートレバー16が傾動操作されるまでの期間を「単位遊技が終了している状態」としてもよい。」
エ 「【0803】
図118に示すように、メイン画面111にガイド初期画像が表示される場合は、サブ画面112にガイドメニューが表示される。ガイドメニューの項目は、「ユニメモを始める」と、「配列・配当」と、「機種サイト」と、「ゲームに戻る」とを含む。
【0804】
ガイドメニューの「ユニメモを始める」にタッチすると、メイン画面111にユニメモ初期画像が表示される(図119参照)。また、「配列・配当」にタッチすると、メイン画面111に配列・配当初期画像が表示される(図130参照)。そして、「機種サイト」にタッチすると、メイン画面111に機種サイト用登録コードが表示される。」
オ 「【0808】
図119に示すように、メイン画面111にユニメモ初期画像が表示される場合は、サブ画面112にユニメモメニューが表示される。ユニメモメニューの項目は、「パスワード入力」と、「記録する」と、「記録して終了する」と、「会員登録」と、「ゲームに戻る」と、「戻る」を含む。
【0809】
「パスワード入力」にタッチすると、メイン画面111にパスワード表示画像が表示される(図120参照)。」
カ 「【0811】
以下、遊技者が行った遊技に関するデータのことを、「プレイデータ」と呼称する。なお、プレイデータとしては、例えば、遊技回数、払出し枚数、小役の入賞回数、実行された発展演出の名称類等を挙げることができる。」
キ 「【0817】
図120は、メイン画面111にパスワード表示画像が表示された状態を示す。
パスワード表示画像は、「パスワードを入力して下さい」という文字を含む。
【0818】
図120に示すように、メイン画面111にパスワード表示画像が表示される場合は、サブ画面112にパスワード入力メニューが表示される。パスワード入力メニューの項目は、「決定」と、「削除」と、「0」~「9」と、「A」~「F」と、「ゲームに戻る」と、「戻る」を含む。
【0819】
パスワード入力メニューの「0」~「9」及び「A」~「F」にタッチすると、タッチした文字が入力され、パスワード表示画像に表示される。パスワード入力メニューの「決定」にタッチすると、パスワード表示画像に表示された複数の文字を、入力するパスワードとして決定する。そして、パスワード入力メニューの「削除」にタッチすると、最後に入力した文字がパスワード表示画像から削除される。
【0820】
なお、既にユニメモを開始している状態において、サブ画面112に表示されるパスワード入力メニューの「決定」、「削除」、「0」~「9」、「A」~「F」の何れかにタッチした場合は、メイン画面111にデータクリア確認画像が表示される(図121参照)。」
ク 「【0823】
図121は、メイン画面111にデータクリア確認画像が表示された状態を示す。
データクリア確認画像は、「パスワード入力を完了するとプレイデータがクリアされます。よろしいですか」という文字を含む。すなわち、既にユニメモを開始している状態において、パスワードの入力を完了すると、それまでのプレイデータがクリアされる。そして、パスワード入力を完了したときからのプレイデータが、パチスロ1に蓄積される。
【0824】
図121に示すように、メイン画面111にデータクリア確認画像が表示される場合は、サブ画面112にデータクリア確認メニューが表示される。データクリア確認メニューの項目は、「決定」と、「ゲームに戻る」と、「戻る」を含む。
【0825】
データクリア確認メニューの「決定」にタッチすると、メイン画面111にパスワード表示画像が表示され、サブ画面112にパスワード入力メニューが表示される。(図120参照)。これにより、遊技者は、パスワードの入力を再開することができる。」

(2)上記ア~クの記載事項から、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が開示されていると認められる。

「遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いるパチスロ1において(【0014】、【0025】)、
基本的に、遊技者の停止操作により3つのリール3L,3C,3Rが停止表示されてから、遊技者による遊技媒体(メダル)の投入操作が行われるまでの期間である単位遊技が終了している状態でサブ画面112に表示されるユニメモボタンをタッチした場合、メイン画面111にガイド初期画像が表示され(【0800】、【0801】)、
メイン画面111にガイド初期画像が表示される場合は、サブ画面112にガイドメニューが表示され、ガイドメニューの項目は、「ユニメモを始める」と、「配列・配当」と、「機種サイト」と、「ゲームに戻る」とを含み(【0803】)、
ガイドメニューの「ユニメモを始める」にタッチすると、メイン画面111にユニメモ初期画像が表示され(【0804】)、
続きを表示(全13行)
メイン画面111にユニメモ初期画像が表示される場合にサブ画面112にユニメモメニューが表示され、ユニメモメニューの項目は、「パスワード入力」と、「記録する」と、「記録して終了する」と、「会員登録」と、「ゲームに戻る」と、「戻る」を含み(【0808】)、
「パスワード入力」にタッチすると、メイン画面111に「パスワードを入力してください」という文字を含むパスワード表示画像が表示され(【0809】、【0817】)、
プレイデータは、遊技者が行った遊技に関するデータであり(【0811】)、
メイン画面111にパスワード表示画像が表示される場合は、サブ画面112にパスワード入力メニューが表示され、
パスワード入力メニューの「0」~「9」及び「A」~「F」にタッチすると、タッチした文字が入力され、パスワード表示画像に表示され、パスワード入力メニューの「決定」にタッチすると、パスワード表示画像に表示された複数の文字を、入力するパスワードとして決定するものであり(【0818】、【0819】)、
既にユニメモを開始している状態において、サブ画面112に表示されるパスワード入力メニューの「決定」、「削除」、「0」~「9」、「A」~「F」の何れかにタッチした場合は、メイン画面111に「パスワード入力を完了するとプレイデータがクリアされます。よろしいですか」という文字を含むデータクリア確認画像が表示され(【0820】、【0823】)、
メイン画面111にデータクリア確認画像が表示される場合に、サブ画面112に表示されるデータクリア確認メニューの「決定」にタッチすると、メイン画面111にパスワード表示画像が表示され、サブ画面112にパスワード入力メニューが表示されることにより、遊技者は、パスワードの入力を再開することができ(【0824】、【0825】)、
パスワードの入力を完了すると、それまでのプレイデータがクリアされ、そして、パスワード入力を完了したときからのプレイデータが、パチスロ1に蓄積される(【0823】)
パチスロ1(【0025】)。」

3 当審の判断

(1)本件特許発明と甲1発明とを対比する。

ア 甲1発明は、本件特許発明の構成Aを備える。

イ 甲1発明の「パスワード入力」、「記録する」、「記録して終了する」、「会員登録」、「ゲームに戻る」及び「戻る」は、「ユニメモメニューの項目」であるから、いずれも、本件特許発明の「メニュー」に相当する。

そして、甲1発明は「「パスワード入力」にタッチすると、メイン画面111に「パスワードを入力してください」という文字を含むパスワード表示画像が表示され」るのであるから、「複数のメニューからいずれかのメニューを選択可能」であるといえる。

そうすると、甲1発明の「パスワード入力」を含む「ユニメモメニューが表示され」ている「サブ画面112」は、本件特許発明の「複数のメニューからいずれかのメニューを選択可能なメニュー画面」に相当する。

したがって、甲1発明は、本件特許発明の「メニュー画面表示手段」に相当する構成を備えていることは明らかである。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成Bを備える。

ウ 甲1発明の「遊技者が行った遊技に関するデータであ」る「プレイデータ」は、本件特許発明の「遊技の結果」に相当するから、甲1発明の「遊技者が行った遊技に関するデータであ」る「プレイデータ」「が蓄積される」ことは、本件特許発明の「遊技の結果を蓄積する」ことに相当する。

また、甲1発明の「プレイデータが」「蓄積される」のは、「パスワード入力を完了したときから」であるから、甲1発明の「パスワードの入力」は、本件特許発明の「開始操作」の「受け付け」に相当し、甲1発明の「パスワード入力を完了したときからのプレイデータが」「蓄積される」ことは、本件特許発明の「開始操作が受け付けられたことに基づいて遊技の結果を蓄積する」ことに相当する。

そして、甲1発明の「パスワード入力を完了したときからのプレイデータが」「蓄積される」ことは、「パスワード入力を完了したとき」、プレイデータが蓄積される状態に設定されることにほかならない。

したがって、甲1発明は、本件特許発明の「履歴蓄積状態設定手段」に相当する構成を備えていることは明らかである。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成Dを備える。

エ 甲1発明の「パスワードの入力」は、本件特許発明の「開始操作」の「受け付け」に相当するから、甲1発明の「サブ画面112に」「表示され」る「「パスワード入力」にタッチすると、メイン画面111に「パスワードを入力して下さい」という文字を含むパスワード表示画像が表示され」、「メイン画面111にパスワード表示画像が表示される場合」に「サブ画面112に」「表示され」る「パスワード入力メニューの「0」~「9」及び「A」~「F」にタッチ」できることは、本件特許発明の「開始操作を受付可能」であることに相当する。

ここで、甲1発明の「パスワードの入力」は、「サブ画面112」「にタッチする」ことから、遊技者による操作であることは明らかである。

したがって、甲1発明は、本件特許発明の「遊技者による操作であ」る「開始操作を受付可能な開始操作受付手段」に相当する構成を備えていることは明らかである。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成Cと「遊技者による操作であ」る「開始操作を受付可能な開始操作受付手段」を備える点で共通する。

オ 上記ウにおいても検討したように、甲1発明は「パスワードの入力を完了したときからのプレイデータが」「蓄積される」ものであるから、「プレイデータが蓄積され」ない状態において、「プレイデータが蓄積される」状態となるためには、「パスワードの入力」が可能であり、「パスワード入力を完了」する必要があることは明らかである。

そして、甲1発明の「パスワードの入力」は、本件特許発明の「開始操作」の「受け付け」に相当するから、「プレイデータが蓄積され」ない状態において、「パスワードの入力」が可能である甲1発明は、本件特許発明の「前記履歴蓄積状態が設定されて」いないときに「開始操作を受付可能」な構成を備えるものである。

また、甲1発明は、「既にユニメモを開始している状態において、サブ画面112に表示されるパスワード入力メニューの「決定」、「削除」、「0」~「9」、「A」~「F」の何れかにタッチした場合は、メイン画面111に「パスワード入力を完了するとプレイデータがクリアされます。よろしいですか」という文字を含むデータクリア確認画像が表示され、メイン画面111にデータクリア確認画像が表示される場合に、サブ画面112に表示されるデータクリア確認メニューの「決定」にタッチすると、メイン画面111にパスワード表示画像が表示され、サブ画面112にパスワード入力メニューが表示されることにより、遊技者は、パスワードの入力を再開することができ」るものであり、「パスワードの入力を完了すると、それまでのプレイデータがクリアされ」ることから、「既にユニメモを開始している状態」では、「パチスロ1に」「プレイデータが」「蓄積され」ているといえる。

そして、甲1発明は、「既にユニメモを開始している状態」、すなわち、「パチスロ1に」「プレイデータが」「蓄積され」ている状態において、「サブ画面112に表示されるパスワード入力メニューの「決定」、「削除」、「0」~「9」、「A」~「F」の何れかにタッチ」できることから、本件特許発明の「前記履歴蓄積状態が設定されている」ときに「開始操作を受付可能」な構成を備えているといえる。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成Eを備える。

カ 上記ウ、オの検討を踏まえると、甲1発明は、本件特許発明の構成F、Gと、「前記履歴蓄積状態が設定されていない状態で、開始操作が受け付けられたときに」、「前記履歴蓄積状態を設定」する「履歴蓄積状態設定手段」を備える点で共通する。

キ 上記オの検討を踏まえると、甲1発明の「既にユニメモを開始している状態」で「サブ画面112に」「パスワード入力メニュー」が「表示され」た「サブ画面112に」「タッチした」ことは、本件特許発明の「前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作が受け付けられた」ことに相当し、甲1発明の「既にユニメモを開始している状態において、サブ画面112に表示されるパスワード入力メニュー」「の何れかにタッチした場合」に、「メイン画面111に」「表示され」る「データクリア確認画像」は、「「パスワード入力を完了するとプレイデータがクリアされます。よろしいですか」という文字を含む」ものであるから、本件特許発明の「開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面」に相当する。

そして、甲1発明の「メイン画面111にデータクリア確認画像が表示される場合に、サブ画面112に表示されるデータクリア確認メニューの「決定」にタッチする」ことは、本件特許発明の「確認操作」に相当する。

さらに、甲1発明の「データクリア確認メニューの「決定」にタッチすると、メイン画面111にパスワード表示画像が表示され、サブ画面112にパスワード入力メニューが表示されること」は、本件特許発明の「確認操作が受け付けられた」ことに相当し、甲1発明の「遊技者は、パスワードの入力を再開することができ」、「パスワードの入力を完了すると、それまでのプレイデータがクリアされ、そして、パスワード入力を完了したときからのプレイデータが」「蓄積される」ことは、本件特許発明の「新たに前記履歴蓄積状態を設定する」ことに相当する。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成F、Hを備える。

ク 甲1発明の「遊技者の停止操作により3つのリール3L,3C,3Rが停止表示されてから、遊技者による遊技媒体(メダル)の投入操作が行われるまでの期間である単位遊技が終了している状態」は、本件特許発明の「遊技が行われていない非遊技状態」に相当する。

そして、甲1発明は「単位遊技が終了している状態でサブ画面112に表示されるユニメモボタンをタッチした場合、メイン画面111にガイド初期画像が表示され」、「メイン画面111にガイド初期画像が表示される場合は、サブ画面112にガイドメニューが表示され」ることから、甲1発明の「ユニメモボタンをタッチ」することは、本件特許発明の「遊技が行われていない非遊技状態において」「受け付けられ」る「メニュー表示操作」に相当する。

また、上記イより甲1発明の「ユニメモメニューが表示され」ている「サブ画面112」は、本件特許発明の「メニュー画面」に相当する。

そうすると、甲1発明の「単位遊技が終了している状態でサブ画面112に表示されるユニメモボタンをタッチした場合、メイン画面111にガイド初期画像が表示され、メイン画面111にガイド初期画像が表示される場合は、サブ画面112にガイドメニューが表示され、」「ガイドメニューの「ユニメモを始める」にタッチすると、メイン画面111にユニメモ初期画像が表示され、メイン画面111にユニメモ初期画像が表示される場合にサブ画面112にユニメモメニューが表示され」ることは、本件特許発明の構成Iと「遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられた」ことに基づいて「前記メニュー画面を表示させることが可能であ」ることで共通する。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成Iと、「前記メニュー画面表示手段は、遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられた」ことに基づいて「前記メニュー画面を表示させることが可能であ」る点で共通する

ケ 上記オにおいて検討したように、甲1発明は、「プレイデータが蓄積され」ない状態において、「パスワードの入力」が可能であり、「プレイデータが」「蓄積され」ている状態において、「サブ画面112に表示されるパスワード入力メニューの「決定」、「削除」、「0」~「9」、「A」~「F」の何れかにタッチ」できるものである。

甲1発明の「パスワードの入力」は、「パスワード入力メニューの「0」~「9」及び「A」~「F」にタッチする」ことであって、「既にユニメモを開始している状態において、サブ画面112に表示されるパスワード入力メニュー」においても、「「0」~「9」、「A」~「F」の何れかにタッチ」することができるから、甲1発明は、「プレイデータが蓄積され」ない状態においても、「プレイデータが」「蓄積され」ている状態においても、「サブ画面112に」「パスワード入力メニュー」が「表示される」ものである。

そして、甲1発明において、「プレイデータが蓄積され」ない状態か「プレイデータが」「蓄積され」ている状態かに関わらず、「パスワード入力メニュー」は、「ユニメモメニュー」の「「パスワード入力」にタッチすると、メイン画面111に「パスワードを入力してください」という文字を含むパスワード表示画像が表示され」、「メイン画面111にパスワード表示画像が表示される場合は、サブ画面112に」「表示され」るのであるから、甲1発明において、「プレイデータが蓄積され」ない状態においても、「プレイデータが」「蓄積され」ている状態においても、「ユニメモメニューが表示され」ている「サブ画面112」が表示されるといえる。

また、甲1発明の「パチスロ1」は、本件特許発明の「遊技機」に相当する。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成Jと、「前記履歴蓄積状態が設定されていない状態と前記履歴蓄積状態が設定されている状態とで前記メニュー画面」が表示される、「遊技機」である点で共通する。

コ したがって、本件特許発明と甲1発明は、

「A 遊技を行う遊技機において、
B 複数のメニューからいずれかのメニューを選択可能なメニュー画面を表示させることが可能なメニュー画面表示手段と、
C’遊技者による操作である開始操作を受付可能な開始操作受付手段と、
D 開始操作が受け付けられたことに基づいて遊技の結果を蓄積する履歴蓄積状態を設定可能な履歴蓄積状態設定手段と、
続きを表示(全11行)
を備え、
E 前記開始操作受付手段は、前記履歴蓄積状態が設定されているか否かに関わらず開始操作を受付可能であり、
F 前記履歴蓄積状態設定手段は、
G’前記履歴蓄積状態が設定されていない状態で、開始操作が受け付けられたときに、前記履歴蓄積状態を設定し、
H 前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作が受け付けられたときに、開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示し、確認操作が受け付けられた場合に新たに前記履歴蓄積状態を設定し、
I’前記メニュー画面表示手段は、遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられたことに基づいて前記メニュー画面を表示させることが可能であり、
J’前記履歴蓄積状態が設定されていない状態と前記履歴蓄積状態が設定されている状態とで前記メニュー画面が表示される、遊技機。」

の点で一致し、下記の点で相違する。

[相違点1](構成C)

開始操作に関して、

本件特許発明は、「前記メニュー画面に表示されたメニューのうちの開始メニューを選択する」ものであるのに対し、

甲1発明は、ユニメモメニューの「パスワード入力」にタッチすると表示されるパスワード入力メニューの「0」~「9」及び「A」~「F」にタッチするものである点。

[相違点2](構成G)

「前記履歴蓄積状態が設定されていない状態で、開始操作が受け付けられたときに、」

本件特許発明は、「開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示することも確認操作を受け付けることもなく、前記履歴蓄積状態を設定」するのに対し、

甲1発明は、データクリア確認画像を表示するか否か、データクリア確認メニューの「決定」にタッチすると、メイン画面111にパスワード表示画像が表示され、サブ画面112にパスワード入力メニューが表示されるか否か、特定されていない点。

[相違点3](構成I)

メニュー画面表示手段に関して、

本件特許発明は、「遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられたときに、前記メニュー画面を表示させることが可能であ」るのに対し、

甲1発明は、単位遊技が終了している状態でサブ画面112に表示されるユニメモボタンをタッチした場合(本件特許発明の「メニュー表示操作が受け付けられたときに」に相当)、メイン画面111にガイド初期画像が表示され、メイン画面111にガイド初期画像が表示される場合は、サブ画面112にガイドメニューが表示され、ガイドメニューの「ユニメモを始める」にタッチすると、メイン画面111にユニメモ初期画像が表示され、メイン画面111にユニメモ初期画像が表示される場合にサブ画面112にユニメモメニューが表示される(本件特許発明の「前記メニュー画面」の「表示」に相当)点、すなわち、単位遊技が終了している状態でサブ画面112に表示される「ユニメモボタン」をタッチした場合、すぐに、サブ画面112には、ユニメモメニューは表示されず、まず、ガイドメニューが表示され、ガイドメニューの「ユニメモを始める」にタッチすると、次に、ユニメモメニューが表示される点。

[相違点4](構成J)

「前記履歴蓄積状態が設定されていない状態と前記履歴蓄積状態が設定されている状態とで」、

本件特許発明は、「前記メニュー画面の表示態様が異なる」のに対し、

甲1発明は、ユニメモメニューが表示されているサブ画面112の表示態様が異なるか否か特定されていない点。

(2)上記相違点について検討する。

ア 相違点1及び相違点3について

相違点1及び相違点3は、結局、本件特許発明と甲1発明において、非遊技状態から開始操作が受け付けられるまでの操作手順と画面遷移が異なることに起因する相違点なので、まとめて検討する。

非遊技状態から開始操作が受け付けられるまでの、本件特許発明と甲1発明の操作手順と画面遷移は以下に示す表1のとおりである。

まず、本件特許発明の構成Iに関して(相違点3)、上記表1に示されるように、本件特許発明は、「非遊技状態」から1回の操作で「メニュー画面」が表示できるのに対し、甲1発明は、「単位遊技が終了している状態」から2回の操作、及び、「ガイドメニュー」の表示を経て、「ユニメモメニューが表示され」ている「サブ画面112」(本件特許発明の「メニュー画面」に相当。)を表示するものである。

次に、本件特許発明の構成Cに関して(相違点1)、上記表1に示されるように、本件特許発明の「開始操作」の「受付」は、表示された「メニュー画面」の「開始メニューを選択する」という1回の操作であるのに対し、甲1発明の「パスワードの入力」(本件特許発明の「開始操作」の「受け付け」に相当。)は、「ユニメモメニューが表示され」ている「サブ画面112」の「「パスワード入力」にタッチ」し、表示された「パスワード入力メニューの「0」~「9」及び「A」~「F」にタッチ」して「パスワード」を「入力」するものであり、「ユニメモメニュー」から「パスワード入力メニュー」への画面遷移を含む、2回の操作を必要とするものである。

このように、本件特許発明の操作手順及び画面遷移は、甲1発明の操作手順及び画面遷移に比較して、操作手順も画面遷移も少なくなっている。

そして、甲1発明は、上記表1に示されるような操作手順及び画面遷移を備えて設計されたものであり、この操作手順及び画面遷移の一部を省いて本件特許発明の操作手順及び画面遷移のようにすることについて、甲1発明及び甲第1号証には、記載も示唆もなく、また、そのようにする動機付けも存在しない。

よって、甲1発明において、上記相違点1及び相違点3に係る本件特許発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことでない。

イ 相違点2について

甲1発明は、「既にユニメモを開始している状態」では、プレイデータが蓄積されているところ、「サブ画面112に表示されるパスワード入力メニューの「決定」、「削除」、「0」~「9」、「A」~「F」の何れかにタッチした場合は、メイン画面111に」「データクリア確認画像が表示される場合に、サブ画面112に表示されるデータクリア確認メニューの「決定」にタッチすると」、「遊技者は、パスワードの入力を再開することができ」、「パスワードの入力を完了すると、それまでのプレイデータがクリアされ、そして、パスワード入力を完了したときからのプレイデータが」「蓄積される」ものであり、このように「データクリア確認画像」を「表示」し、「「決定」にタッチ」させる構成を備えることで、遊技者が意図せずにすでに蓄積されているプレイデータをクリアしてしまうことを防ぐことができるものである。

そうすると、甲1発明において、プレイデータが蓄積されない状態においては、遊技者が意図せずにクリアするプレイデータが蓄積されていないのであるから、プレイデータが蓄積されない状態(本件特許発明の「履歴蓄積状態が設定されていない状態」に相当。)で、パスワード入力メニューの「0」~「9」及び「A」~「F」にタッチしたときに(本件特許発明の「開始操作が受け付けられたとき」に相当。)、データクリア確認画像(本件特許発明の「確認画面」に相当。)を表示する必要がないことは明らかであり、また、甲1発明においては、データクリア確認画像が表示されると、データクリア確認メニューの「決定」が表示されるのであるから、データクリア確認画像が表示されなければ、データクリア確認メニューの「決定」にタッチすることができないことも明らかである。

よって、甲1発明において、プレイデータが蓄積されない状態において、データクリア確認画像を表示することなく、さらに、データクリア確認メニューの「決定」にタッチすることもなく、パスワード入力を完了したときからのプレイデータが蓄積されるようにして、本件特許発明の上記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

ウ 相違点4について

甲1発明は、「ユニメモメニュー」について、プレイデータが蓄積されない状態とプレイデータが蓄積されている状態とで「ユニメモメニュー」の表示態様が異なることは特定されていない。また、甲第1号証にも本件特許発明の構成Jについて記載も示唆もされていない。

そして、本件特許発明は、上記相違点4に係る構成Jを備えることで、「遊技者が履歴蓄積状態を設定したか否かを忘れてしまったような状況であっても、メニュー表示操作を行い、メニュー画面を表示させるだけで履歴蓄積状態が設定されている状態であるか否かを確認可能となり、無駄に開始操作(開始メニューを選択する操作)を行わずに済むという効果を奏する」(令和3年6月16日提出の意見書5.(5)(イ)参照。)ものである。

よって、甲1発明において、上記相違点4に係る本件特許発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことでない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件特許発明は、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

したがって、取消理由通知に記載した取消理由によって、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。

第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について

1 特許法第29条第1項第3号(証拠:甲第1号証)

特許異議申立人は、特許異議申立書において、本件訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証(特開2017-51796号公報)に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するものであるから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである旨主張している。

上記主張について、以下検討する。

(1)甲第1号証の記載及び甲1発明

甲第1号証の記載及び甲1発明は上記「第4 2」に記載したとおりである。

(2)当審の判断

特許異議申立人は、特許異議申立書において、甲第1号証の「パスワード入力メニューの「0」~「9」及び「A」~「F」にタッチする」操作は、本件特許発明の「遊技者による開始操作」に相当すると主張している。

この主張を考慮した上で、本件特許発明と甲1発明とを対比すると、上記「第4 3」にて検討したとおり、両者は相違点1~4において相違する。

よって、本件特許発明は、甲1発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものではない。

2 特許法第29条第2項(証拠:甲第1号証、甲第2号証)

特許異議申立人は、令和3年8月4日提出の意見書において、本件特許発明は、甲第1号証(特開2017-51796号公報)に記載された発明と、甲第2号証(特開2016-174931号公報)に記載された発明とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである旨主張している。

上記主張について、以下検討する。

(1)甲第1号証の記載及び甲1発明

甲第1号証の記載及び甲1発明は上記「第4 2」に記載したとおりである。

(2)甲第2号証の記載及び甲2記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)

甲第2号証には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0012】
図1は、本発明の実施の形態における遊技機を適用して構成した遊技機1の装置構成図の一例であって、図2は、本発明のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図3は、1つの遊技機1の裏面側の斜視図である。」
イ 「【0558】
第1に、遊技者情報を指定した遊技履歴情報の記録指示が行われたことによって行う遊技(本履歴記録遊技)における状態を示す「本履歴記録遊技状態」(第1履歴記録遊技状態)があり、第2に、遊技者情報を指定せずに遊技履歴情報の記録指示が行われたことによって行う遊技(仮履歴記録遊技)における状態を示す「仮履歴記録遊技状態」(第2履歴記録遊技状態)がある。さらに、第3に、「本履歴記録遊技」および「仮履歴記録遊技」以外の遊技の状態を示す「フリープレイ状態」(第3履歴記録遊技状態)がある。」
ウ 「【0637】
図31は、本発明の実施の形態における遊技機において行われる遊技の演出に用いられる演出画像を示す図である。
【0638】
図31では、図31(a)、図31(b)、図31(c)に、3つの履歴記録遊技状態における状態表示を行っている。このときの3つの履歴記録遊技状態とは、上記において示すように、「本履歴記録遊技状態」、「仮履歴記録遊技状態」、「フリープレイ状態」である。
【0639】
図31(a)、図31(b)、図31(c)に示す各画面の左上部分の枠画像内に、履歴記録遊技状態の状態表示を行っており、図31(a)には、左上部分に「フリープレイ中」である旨の状態表示を行っており、図31(b)には、左上部分に「仮履歴記録遊技中」である旨の状態表示を行っており、図31(c)には、左上部分に「本履歴記録遊技中」である旨の状態表示を行っている。
【0640】
これによって、遊技者は、現在の状態を簡単に把握することができ、適宜、状態移行を行わせることができる。すなわち、遊技者により履歴記録遊技状態を選択することができる。」
エ 「【0646】
まず、遊技機において、この遊技機を用いて遊技を行う遊技者が、遊技開始前のデモ画面等が表示されている状態で演出ボタンを押下すること等により、トップメニュー画面を表示させた後に履歴記録メニュー画面を表示させる(S3201)。トップメニュー画面の履歴記録遊技ボタンを指定する操作を、演出ボタンの押下すること等により行うことにより履歴記録メニュー画面が表示されることとなる。」
オ 「【0727】
まず、図36乃至図38は、本履歴記録遊技を開始する際に遊技者が操作する画面である。
【0728】
図36において、図36(a)は、履歴記録遊技を開始する際に最初に表示されるトップメニュー画面を示している。この図36(a)に示すトップメニュー画面では、仮履歴記録遊技および本履歴記録遊技における遊技の開始を指示する「履歴記録遊技」ボタン、「実機カスタマイズ」ボタン、「キャラクタ選択」ボタン、「戻る」ボタンが表示されている。
【0729】
このうち、トップメニュー画面の「履歴記録遊技」ボタンを演出ボタン等を操作すること等によって若しくはタッチパネルにより押圧すること等によって押下すると、遊技機は、図36(b)に示す履歴記録メニュー画面が表示される。このことから、図36(a)に示すトップメニュー画面の「履歴記録遊技」ボタンを押下すると、本履歴記録遊技若しくは仮履歴記録遊技の何れか一方を開始することができる。」
カ 「【0731】
次に、図36(a)に示すトップメニュー画面から「履歴記録遊技」ボタンを押下することによって遷移した図36(b)に示す履歴記録メニュー画面には、「履歴記録遊技開始」ボタン、「履歴記録遊技仮開始」ボタン、「履歴記録遊技確認」ボタン、「履歴記録遊技終了」ボタン、「トップメニューに戻る」ボタンが表示される。」
キ 「【0733】
「履歴記録遊技確認」ボタンは、「履歴記録遊技開始」ボタンが押下されることで開始された本履歴記録遊技における遊技履歴情報、若しくは、「履歴記録遊技仮開始」ボタンが押下されることで開始された仮履歴記録遊技における遊技履歴情報のいずれかを確認する(遊技履歴情報の詳細を表示する)指示を行うボタンである。」
ク 「【0754】
図39および図40は、本履歴記録遊技が行われており、デモ画面等が表示された状態で演出ボタンが押下されると、図39(a)に示すトップメニュー画面を表示する。この図39(a)に示すトップメニュー画面は、図36(a)に示すトップメニュー画面と同一である。
【0755】
図39(a)に示すトップメニュー画面において「履歴記録遊技」ボタンを押下すると、図39(b)に示すような履歴記録メニュー画面が表示される。この図39(b)に示す履歴記録メニュー画面は、図36(b)に示す履歴記録メニュー画面と同一である。この図39(b)に示す履歴記録メニュー画面において、「履歴記録遊技終了」ボタンを押下すると、図39(c)に示すような遊技終了時確認画面(その1)が表示されることとなる。」
ケ 「【図36】
」
コ 「【図39】
」

サ 上記【0727】~【0729】には、「図36乃至図38は、本履歴記録遊技を開始する際に遊技者が操作する画面である。・・・図36において、図36(a)は、履歴記録遊技を開始する際に最初に表示されるトップメニュー画面を示している。・・・トップメニュー画面の「履歴記録遊技」ボタンを演出ボタン等を操作すること等によって・・・図36(b)に示す履歴記録メニュー画面が表示される。」と記載され、上記【0754】、【0755】には、「図39および図40は、本履歴記録遊技が行われており、デモ画面等が表示された状態で演出ボタンが押下されると、図39(a)に示すトップメニュー画面を表示する。・・・図39(a)に示すトップメニュー画面において「履歴記録遊技」ボタンを押下すると、図39(b)に示すような履歴記録メニュー画面が表示される。この図39(b)に示す履歴記録メニュー画面は、図36(b)に示す履歴記録メニュー画面と同一である。」と記載されている。

また、上記図36と上記図39の記載から、図36(b)に示される「履歴記録メニュー画面」と、図39(b)に示される「履歴記録メニュー画面」は、同一であることが見て取れる。

以上のことから、甲第2号証には、「本履歴記録遊技を開始する際の履歴記録メニュー画面と、本履歴記録遊技が行われているときの履歴記録メニュー画面は同一である」ことが記載されていると認められる(認定事項サ)。

カ 上記ア~コの記載事項及び上記認定事項サから、甲第2号証には、次の事項(以下「甲2記載事項」という。)が開示されていると認められる。

「遊技者情報を指定した遊技履歴情報の記録指示が行われたことによって行う遊技(本履歴記録遊技)における状態を示す「本履歴記録遊技状態」、遊技者情報を指定せずに遊技履歴情報の記録指示が行われたことによって行う遊技(仮履歴記録遊技)における状態を示す「仮履歴記録遊技状態」、さらに、「本履歴記録遊技」および「仮履歴記録遊技」以外の遊技の状態を示す「フリープレイ状態」が設けられ(【0558】)、
遊技の演出に用いられる演出画像において、「本履歴記録遊技状態」、「仮履歴記録遊技状態」、「フリープレイ状態」の3つの履歴記録遊技状態における状態表示を行っており(【0637】、【0638】)、
各画面の左上部分の枠画像内に、「フリープレイ中」である旨の状態表示、「仮履歴記録遊技中」である旨の状態表示、「本履歴記録遊技中」である旨の状態表示を行い(【0639】)、
これによって、遊技者は、現在の状態を簡単に把握することができる(【0640】)遊技機1(【0012】)であって、
続きを表示(全12行)
遊技開始前のデモ画面等が表示されている状態で演出ボタンを押下することにより、トップメニュー画面を表示させ(【0646】)、
本履歴記録遊技を開始する際には(【0727】)
トップメニュー画面の「履歴記録遊技」ボタンを、演出ボタンを操作することによって押下して、履歴記録メニュー画面を表示し(【0729】、図36(a)、図36(b))、
履歴記録メニュー画面には、「履歴記録遊技開始」ボタン、「履歴記録遊技仮開始」ボタン、「履歴記録遊技確認」ボタン、「履歴記録遊技終了」ボタン、「トップメニューに戻る」ボタンが表示され(【0731】、図36(b))、
「履歴記録遊技開始」ボタンが押下されることで本履歴記憶遊技が開始され(【0733】)、
本履歴記録遊技が行われており、デモ画面等が表示された状態で演出ボタンが押下されると、トップメニュー画面を表示し(【0754】)、トップメニュー画面において「履歴記録遊技」ボタンを押下すると、履歴記録メニュー画面が表示され(【0755】)、
本履歴記録遊技を開始する際の履歴記録メニュー画面と、本履歴記録遊技が行われているときの履歴記録メニュー画面は同一である(認定事項サ)
遊技機1(【0012】)。」

(3)当審の判断

ア ここで、特許異議申立人は、令和3年8月4日提出の意見書において、甲第1号証の「ユニメモメニュー」、「「パスワード入力」」、「「パスワード入力」にタッチする操作」、「ユニメモボタンをタッチする操作」が、それぞれ、本件特許発明の「メニュー画面」、「開始メニュー」、「開始メニューを選択する開始操作」、「メニュー表示操作」に相当する (以下、「特許異議申立人が令和3年8月4日提出の意見書において主張する相当関係」という。)としている。

そこで、本件特許発明と甲1発明とを、特許異議申立人が令和3年8月4日提出の意見書において主張する相当関係を考慮して対比する。

(ア)甲1発明は、本件特許発明の構成Aを備える。

(イ)甲1発明の「パスワード入力」、「記録する」、「記録して終了する」、「会員登録」、「ゲームに戻る」及び「戻る」は、「ユニメモメニューの項目」であるから、いずれも、本件特許発明の「メニュー」に相当する。

そして、甲1発明は「「パスワード入力」にタッチすると、メイン画面111に「パスワードを入力してください」という文字を含むパスワード表示画像が表示され」るのであるから、「複数のメニューからいずれかのメニューを選択可能」であるといえる。

そうすると、甲1発明の「パスワード入力」を含む「ユニメモメニュー」は、本件特許発明の「複数のメニューからいずれかのメニューを選択可能なメニュー画面」に相当する。

したがって、甲1発明は、本件特許発明の「メニュー画面表示手段」に相当する構成を備えていることは明らかである。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成Bを備える。

(ウ)甲1発明の「遊技者が行った遊技に関するデータであ」る「プレイデータ」は、本件特許発明の「遊技の結果」に相当するから、甲1発明の「遊技者が行った遊技に関するデータであ」る「プレイデータ」「が蓄積される」ことは、本件特許発明の「遊技の結果を蓄積する」ことに相当する。

また、甲1発明の「プレイデータが」「蓄積される」のは、「ユニメモメニュー」の「「パスワード入力」にタッチすると」、「表示され」る「パスワード入力メニュー」に「タッチ」して「パスワード入力を完了したときから」であるから、甲1発明の「「パスワード入力」にタッチする」ことは、本件特許発明の「開始操作」の「受け付け」に相当し、甲1発明の「パスワード入力を完了したときからのプレイデータが」「蓄積される」ことは、本件特許発明の「開始操作が受け付けられたことに基づいて遊技の結果を蓄積する」ことに相当する。

そして、甲1発明の「パスワード入力を完了したときからのプレイデータが」「蓄積される」ことは、「パスワード入力を完了したとき」、プレイデータが蓄積される状態に設定されることにほかならない。

したがって、甲1発明は、本件特許発明の「履歴蓄積状態設定手段」に相当する構成を備えていることは明らかである。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成Dを備える。

(エ)甲1発明の「「パスワード入力」にタッチする」ことは、本件特許発明の「開始操作」の「受け付け」に相当するから、甲1発明の「「パスワード入力」にタッチ」できることは、本件特許発明の「開始操作を受付可能」であることに相当する。

ここで、甲1発明の「パスワードの入力」は、「サブ画面112」「にタッチする」ことから、遊技者による操作であることは明らかである。

また、上記(イ)より、甲1発明の「ユニメモメニュー」は、本件特許発明の「メニュー画面」に相当し、甲1発明の「ユニメモメニューの項目」は、本件特許発明の「メニュー画面に表示されたメニュー」に相当する。そして、甲1発明の「ユニメモメニューの項目」に「含」まれる「「パスワード入力」」は、「「パスワード入力」にタッチする」ことに基づいて「プレイデータ」が「蓄積される」ことから、本件特許発明の「開始メニュー」に相当する。

したがって、甲1発明は、本件特許発明の「開始操作受付手段」に相当する構成を備えていることは明らかである。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成Cを備える。

(オ)上記(ウ)においても検討したように、甲1発明は「パスワード入力を完了したときからのプレイデータが」「蓄積される」ものであるから、「プレイデータが蓄積され」ない状態において、「プレイデータが蓄積される」状態となるためには、「パスワード入力」が可能であり、「パスワード入力を完了」する必要があることは明らかである。

また、甲1発明において「パスワードの入力」をするためには、「「パスワード入力」にタッチする」必要があることも明らかである。

そして、甲1発明の「「パスワード入力」にタッチする」ことは、本件特許発明の「開始操作」の「受け付け」に相当するから、「プレイデータが蓄積され」ない状態において、「「パスワード入力」にタッチする」ことが可能である甲1発明は、本件特許発明の「前記履歴蓄積状態が設定されて」いないときに「開始操作を受付可能」な構成を備えるものである。

また、甲1発明は、「既にユニメモを開始している状態において、サブ画面112に表示されるパスワード入力メニューの「決定」、「削除」、「0」~「9」、「A」~「F」の何れかにタッチした場合は、メイン画面111に「パスワード入力を完了するとプレイデータがクリアされます。よろしいですか」という文字を含むデータクリア確認画像が表示され、メイン画面111にデータクリア確認画像が表示される場合に、サブ画面112に表示されるデータクリア確認メニューの「決定」にタッチすると、メイン画面111にパスワード表示画像が表示され、サブ画面112にパスワード入力メニューが表示されることにより、遊技者は、パスワードの入力を再開することができ」るものであり、「パスワードの入力を完了すると、それまでのプレイデータがクリアされ」ることから、「既にユニメモを開始している状態」では、「パチスロ1に」「プレイデータが」「蓄積され」るといえる。

そして、甲1発明は、「既にユニメモを開始している状態」、すなわち、「パチスロ1に」「プレイデータが」「蓄積され」る状態において、「サブ画面112に表示されるパスワード入力メニューの「決定」、「削除」、「0」~「9」、「A」~「F」の何れかにタッチ」できること、すなわち、「「パスワード入力」にタッチ」して「パスワード入力」ができることから、本件特許発明の「前記履歴蓄積状態が設定されている」ときに「開始操作を受付可能」な構成を備えているといえる。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成Eを備える。

(カ)上記(ウ)、(オ)の検討を踏まえると、甲1発明は、本件特許発明の構成F、Gと、「前記履歴蓄積状態が設定されていない状態で、開始操作が受け付けられたときに」、「前記履歴蓄積状態を設定」する「履歴蓄積状態設定手段」を備える点で共通する。

(キ)上記(オ)の検討を踏まえると、甲1発明の「既にユニメモを開始している状態」は、本件特許発明の「履歴蓄積状態が設定されている状態」に相当する。

そして、甲1発明の「既にユニメモを開始している状態」で「サブ画面112に」「パスワード入力メニュー」が「表示され」た「サブ画面112に」「タッチ」するには、「「パスワード入力」をタッチ」して、「パスワード入力メニュー」を「表示」させることが必要であることは明らかであるから、甲1発明の「既にユニメモを開始している状態」で「サブ画面112に」「パスワード入力メニュー」が「表示され」た「サブ画面112に」「タッチした」ことは、本件特許発明の「前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作が受け付けられた」ことに相当し、甲1発明の「既にユニメモを開始している状態において、サブ画面112に表示されるパスワード入力メニュー」「の何れかにタッチした場合」に、「メイン画面111に」「表示され」る「データクリア確認画像」は、「「パスワード入力を完了するとプレイデータがクリアされます。よろしいですか」という文字を含む」ものであるから、本件特許発明の「確認操作を促す確認画面」に相当する。

そして、甲1発明の「メイン画面111にデータクリア確認画像が表示される場合に、サブ画面112に表示されるデータクリア確認メニューの「決定」にタッチする」ことは、本件特許発明の「確認操作」に相当する。

さらに、甲1発明の「データクリア確認メニューの「決定」にタッチすると、メイン画面111にパスワード表示画像が表示され、サブ画面112にパスワード入力メニューが表示されること」は、本件特許発明の「確認操作が受け付けられた」ことに相当し、甲1発明の「遊技者は、パスワードの入力を再開することができ」、「パスワードの入力を完了すると、それまでのプレイデータがクリアされ、そして、パスワード入力を完了したときからのプレイデータが」「蓄積される」ことは、本件特許発明の「新たに前記履歴蓄積状態を設定する」ことに相当する。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成F、Hと、「前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作が受け付けられたときに」、「確認操作を促す確認画面を表示し、確認操作が受け付けられた場合に新たに前記履歴蓄積状態を設定」する「履歴蓄積状態設定手段」を備える点で共通する。

(ク)甲1発明の「遊技者の停止操作により3つのリール3L,3C,3Rが停止表示されてから、遊技者による遊技媒体(メダル)の投入操作が行われるまでの期間である単位遊技が終了している状態」は、本件特許発明の「遊技が行われていない非遊技状態」に相当する。

そして、甲1発明は「単位遊技が終了している状態でサブ画面112に表示されるユニメモボタンをタッチした場合、メイン画面111にガイド初期画像が表示され」、「メイン画面111にガイド初期画像が表示される場合は、サブ画面112にガイドメニューが表示され」ることから、甲1発明の「ユニメモボタンをタッチ」することは、本件特許発明の「遊技が行われていない非遊技状態において」「受け付けられ」る「メニュー表示操作」に相当する。

また、上記(イ)より甲1発明の「ユニメモメニュー」は、本件特許発明の「メニュー画面」に相当する。

そうすると、甲1発明の「単位遊技が終了している状態で単位遊技が終了している状態でサブ画面112に表示されるユニメモボタンをタッチした場合、メイン画面111にガイド初期画像が表示され、メイン画面111にガイド初期画像が表示される場合は、サブ画面112にガイドメニューが表示され、」「ガイドメニューの「ユニメモを始める」にタッチすると、メイン画面111にユニメモ初期画像が表示され、メイン画面111にユニメモ初期画像が表示される場合にサブ画面112にユニメモメニューが表示され」ることは、本件特許発明の構成Iと「遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられた」ことに基づいて「前記メニュー画面を表示させることが可能であ」ることで共通する。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成Iと、「前記メニュー画面表示手段は、遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられた」ことに基づいて「前記メニュー画面を表示させることが可能であ」る点で共通する。

(ケ)上記(オ)において検討したように、甲1発明は、「プレイデータが蓄積され」ない状態において、「パスワード入力」が可能であり、「プレイデータが」「蓄積され」る状態において、「サブ画面112に表示されるパスワード入力メニューの「決定」、「削除」、「0」~「9」、「A」~「F」の何れかにタッチ」できるものである。

甲1発明の「パスワード入力」は、「パスワード入力メニューの「0」~「9」及び「A」~「F」にタッチする」ことであるから、甲1発明は、「プレイデータが蓄積され」ない状態においても、「プレイデータが」「蓄積され」る状態においても、「サブ画面112に」「パスワード入力メニュー」が「表示される」ものである。

そして、甲1発明において、「パスワード入力メニュー」は、「ユニメモメニュー」の「「パスワード入力」にタッチすると、メイン画面111に「パスワードを入力してください」という文字を含むパスワード表示画像が表示され」、「メイン画面111にパスワード表示画像が表示される場合は、サブ画面112に」「表示され」るのであるから、甲1発明において、「プレイデータが蓄積され」ない状態においても、「プレイデータが」「蓄積され」る状態においても、「ユニメモメニュー」が表示されるといえる。

また、甲1発明の「パチスロ1」は、本件特許発明の「遊技機」に相当する。

よって、甲1発明は、本件特許発明の構成Jと、「前記履歴蓄積状態が設定されていない状態と前記履歴蓄積状態が設定されている状態とで前記メニュー画面」が表示される、「遊技機」である点で共通する。

(コ)したがって、本件特許発明と甲1発明は、

「A 遊技を行う遊技機において、
B 複数のメニューからいずれかのメニューを選択可能なメニュー画面を表示させることが可能なメニュー画面表示手段と、
C 遊技者による操作であって、前記メニュー画面に表示されたメニューのうちの開始メニューを選択する開始操作を受付可能な開始操作受付手段と、
D 開始操作が受け付けられたことに基づいて遊技の結果を蓄積する履歴蓄積状態を設定可能な履歴蓄積状態設定手段と、
続きを表示(全11行)
を備え、
E 前記開始操作受付手段は、前記履歴蓄積状態が設定されているか否かに関わらず開始操作を受付可能であり、
F 前記履歴蓄積状態設定手段は、
G’前記履歴蓄積状態が設定されていない状態で、開始操作が受け付けられたときに、前記履歴蓄積状態を設定し、
H’前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作が受け付けられたときに、確認操作を促す確認画面を表示し、確認操作が受け付けられた場合に新たに前記履歴蓄積状態を設定し、
I’前記メニュー画面表示手段は、遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられたことに基づいて前記メニュー画面を表示させることが可能であり、
J’前記履歴蓄積状態が設定されていない状態と前記履歴蓄積状態が設定されている状態とで前記メニュー画面が表示される、遊技機。」

の点で一致し、下記の点で相違する。

[相違点1](構成G)

「前記履歴蓄積状態が設定されていない状態で、」

本件特許発明は、「開始操作が受け付けられたときに、開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示することも確認操作を受け付けることもなく、前記履歴蓄積状態を設定」するのに対し、

甲1発明は、「パスワード入力」をタッチしたときに、データクリア確認画像を表示するか否か、データクリア確認メニューの「決定」にタッチすると、メイン画面111にパスワード表示画像が表示され、サブ画面112にパスワード入力メニューが表示されるか否か、特定されていない点。

[相違点2](構成H)

「前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、」

本件特許発明は、「開始操作が受け付けられたときに、開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示し、確認操作が受け付けられた場合に新たに前記履歴蓄積状態を設定」するのに対し、

甲1発明は、「パスワード入力」をタッチして、表示させたパスワード入力メニューの何れかにタッチした場合は、データクリア確認画像が表示され、データクリア確認メニューの「決定」にタッチすると、パスワードの入力を再開することができ、パスワードの入力を完了すると、それまでにプレイデータがクリアされ、そして、パスワード入力を完了したときからのプレイデータが蓄積される点。

[相違点3](構成I)

「メニュー画面表示手段」に関して、

本件特許発明は、「遊技が行われていない非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられたときに、前記メニュー画面を表示させることが可能であ」るのに対し、

甲1発明は、単位遊技が終了している状態でサブ画面112に表示されるユニメモボタンをタッチした場合(本件特許発明の「メニュー表示操作が受け付けられたときに」に相当)、メイン画面111にガイド初期画像が表示され、メイン画面111にガイド初期画像が表示される場合は、サブ画面112にガイドメニューが表示され、ガイドメニューの「ユニメモを始める」にタッチすると、メイン画面111にユニメモ初期画像が表示され、メイン画面111にユニメモ初期画像が表示される場合にサブ画面112にユニメモメニューが表示される(本件特許発明の「前記メニュー画面」の「表示」に相当)点、すなわち、単位遊技が終了している状態でサブ画面112に表示される「ユニメモボタン」をタッチした場合、すぐに、サブ画面112には、ユニメモメニューは表示されず、まず、ガイドメニューが表示され、ガイドメニューの「ユニメモを始める」にタッチすると、次に、ユニメモメニューが表示される点。

[相違点4](構成J)

「前記履歴蓄積状態が設定されていない状態と前記履歴蓄積状態が設定されている状態とで、」

本件特許発明は、「前記メニュー画面の表示態様が異なる」のに対し、

甲1発明は、ユニメモメニューが表示されるが、表示態様が異なるか否か特定されていない点。

イ 上記相違点について検討する。

(ア)相違点1について

甲1発明は、「既にユニメモを開始している状態」では、プレイデータが蓄積されるところ、「サブ画面112に表示されるパスワード入力メニューの「決定」、「削除」、「0」~「9」、「A」~「F」の何れかにタッチした場合は、メイン画面111に」「データクリア確認画像が表示される場合に、サブ画面112に表示されるデータクリア確認メニューの「決定」にタッチすると」、「遊技者は、パスワードの入力を再開することができ」、「パスワードの入力を完了すると、それまでのプレイデータがクリアされ、そして、パスワード入力を完了したときからのプレイデータが」「蓄積される」ものであり、このように「データクリア確認画像」を「表示」し、「「決定」にタッチ」させる構成を備えることで、遊技者が意図せずにプレイデータをクリアしてしまうことを防ぐことができるものである。

そうすると、甲1発明において、プレイデータが蓄積されない状態においては、遊技者が意図せずにクリアするプレイデータが蓄積されていないのであるから、プレイデータが蓄積されない状態(本件特許発明の「履歴蓄積状態が設定されていない状態」に相当。)で、「パスワード入力」にタッチしたときに(本件特許発明の「開始操作が受け付けられたとき」に相当。)、データクリア確認画像(本件特許発明の「確認画面」に相当。)を表示する必要がないことは明らかであり、甲1発明においては、データクリア確認画像が表示されると、データクリア確認メニューの「決定」が表示されるのであるから、データクリア確認画像が表示されなければ、データクリア確認メニューの「決定」にタッチすることができないことも明らかである。

よって、甲1発明において、プレイデータが蓄積されない状態において、データクリア確認画像を表示することも、データクリア確認メニューの「決定」にタッチすることもなく、パスワード入力を完了したときからのプレイデータが蓄積されるようにして、本件特許発明の上記相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

(イ)相違点2について

甲2記載事項は、「「履歴記録遊技開始」ボタンが押下されることで」「遊技者情報を指定した遊技履歴情報の記録指示が行われたことによって行う」「本履歴記憶遊技が開始」されることから、甲2記載事項の「「履歴記録遊技開始」ボタンが押下されること」は、本件特許発明の「開始操作が受け付けられ」ることに相当し、甲2記載事項の「本履歴記録遊技が行われて」いることは、本件特許発明の「履歴蓄積状態が設定されている状態」に相当する。

そして、甲2記載事項は、「本履歴記録遊技が行われて」いるときに「「履歴記録遊技開始」ボタンが押下」することが出来るか否か明示的な記載はないが、上記(2)ク、コの記載を参酌すると、「本履歴記録遊技が行われて」いるときに「「履歴記録遊技開始」ボタンが押下」することが出来る蓋然性が高いものと認められる。

しかしながら、甲2記載事項は、本件特許発明の「確認画面」に相当する構成を備えていない。

したがって、甲2記載事項は、「前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作が受け付けられたときに、開始操作を確認するための確認操作を促す確認画面を表示」するものではない。

よって、甲1発明に、甲2記載事項を採用しても、上記相違点2に係る本願特許発明の構成とすることはできない。

(ウ)相違点3について

甲2記載事項の「遊技開始前のデモ画面等が表示されている状態」、「履歴記録メニュー画面」は、それぞれ、本件特許発明の「遊技が行われていない非遊技状態」、「メニュー画面」に相当する。

本件特許発明は、「非遊技状態においてメニュー表示操作が受け付けられたときに、前記メニュー画面を表示させる」ものである。

一方、甲2記載事項は、「遊技開始前のデモ画面等が表示されている状態で演出ボタンを押下することにより、トップメニュー画面を表示させ」、「トップメニュー画面の「履歴記録遊技」ボタンを、演出ボタンを操作することによって押下して、履歴記録メニュー画面を表示」するものであるから、甲2記載事項において、「遊技開始前のデモ画面等が表示されている状態で演出ボタンを押下することにより、トップメニュー画面」が表示され、本件特許発明の「メニュー画面」に相当する構成である「履歴記録メニュー画面」が表示されるものではない。

したがって、甲2記載事項は、本件特許発明の構成Iに相当する構成を備えていない。

よって、甲1発明に、甲2記載事項を採用しても、上記相違点3に係る本願特許発明の構成とすることはできない。

(エ)相違点4について

甲2記載事項は、「本履歴記録遊技を開始する際の履歴記録メニュー画面と、本履歴記録遊技が行われているときの履歴記録メニュー画面は同一である」から、本件特許発明の構成Jに相当する構成は備えていない。

また、甲2記載事項は、「演出画像において、「本履歴記録遊技状態」、「仮履歴記録遊技状態」、「フリープレイ状態」の3つの履歴記録遊技状態における状態表示を行っており、各画面の左上部分の枠画像内に、「フリープレイ中」である旨の状態表示、「仮履歴記録遊技中」である旨の状態表示、「本履歴記録遊技中」である旨の状態表示を行い、これによって、遊技者は、現在の状態を簡単に把握することができる」ものである。

しかしながら、甲2記載事項の「「本履歴記録遊技中」である旨の状態表示」等は、「遊技の演出に用いられる演出画像」における表示であり、本件特許発明の「メニュー画面」に相当する表示とはいえない。

異議申立人は、令和3年8月4日提出の意見書において「メニュー画面でも、演出画像であっても、遊技者は履歴蓄積状態が設定されているか否かを確認することはできるので、メニュー画面を演出画像に置き換えても本件訂正発明が奏する効果と同一の効果を奏するものであり、図31には訂正事項5に係る技術思想が開示されているといえる。」と主張する。

たしかに、異議申立人の主張のとおり、メニュー画面でも、演出画像であっても、遊技者は履歴蓄積状態が設定されているか否かを確認することはできるので、メニュー画面を演出画像に置き換えても本件訂正発明が奏する効果と同一の効果を奏するとはいえるものの、そもそも、「演出画像」の履歴蓄積状態の表示を「メニュー画面」に移行させることは、甲第2号証には、記載も示唆もされていないから、「メニュー画面を演出画像に置き換えて」、「図31には訂正事項5に係る技術思想が開示されているといえる。」という主張は採用できない。

よって、甲1発明に、甲2記載事項を採用しても、上記相違点4に係る本願特許発明の構成とすることはできない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件特許発明は、甲1発明及び甲2記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 特許法第29条第2項(証拠:甲第1号証、甲第3号証)

特許異議申立人は、令和3年8月4日提出の意見書において、本件特許発明は、甲第1号証(特開2017-51796号公報)に記載された発明と、甲第3号証(特開2015-150358号公報)に記載された発明とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである旨主張している。

上記主張について、以下検討する。

(1)甲第1号証の記載及び甲1発明

甲第1号証の記載及び甲1発明は上記「第4 2」に記載したとおりである。

(2)甲第3号証の記載及び甲3記載事項

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甲第3号証には、図面と共に次の事項が記載されている。

ア 「【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。遊技枠には、額縁状に形成されたガラス扉枠2が開閉可能に設けられている。」
イ 「【0133】
図10は、図8のステップS75にて実行されるメニュー処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すメニュー処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1保留記憶数や第2保留記憶数といった保留記憶数(特図保留記憶数)が「0」であるか否かを判定する(ステップS301)。このとき、保留記憶数が「0」であれば、特別図柄や飾り図柄の可変表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。そして、可変表示中ではないと判定されたときに、メインメニューを表示中であるか否かを判定する(ステップS303)。
【0134】
ステップS303にてメインメニューを表示中ではない場合には、メインメニューの表示操作があったか否かを判定する(ステップS304)。演出制御用CPU101は、パチンコ遊技機1における遊技が行われていないときに、例えばプッシュセンサ124からの操作検出信号に基づいて、プッシュボタン120に対する遊技者の押下操作といった、予め定められた特定指示入力が検出されたときに、メインメニューの表示操作があったと判定すればよい。
【0135】
ステップS304にてメインメニューの表示操作があった場合には、パスワードの入力の有無に応じたメインメニューを表示する処理を実行する。すなわち、パスワードを入力済みであるか否かを判定して(ステップS305)、入力が済んでいない場合には、パスワード入力前のメインメニューを演出表示装置9に表示させる(ステップS306)。例えば演出制御用CPU101が演出制御基板80に搭載されたVDP109に所定の表示制御指令を送って、パスワード入力前のメインメニューに対応する画像を、演出表示装置9の画面上に表示させればよい。
【0136】
図11(A)は、パスワード入力前におけるメインメニューの表示例を示している。パスワード入力前のメインメニューには、「会員登録」、「パスワード入力」、「簡単スタート」、「ストックコインのヒント」、「終了」といった項目が設けられている。このメインメニューが表示されたときには、例えばパチンコ遊技機1におけるスティックコントローラ122を用いた所定の指示入力(操作桿の傾倒操作など)により選択対象の項目(白黒反転で表示)を変更することができる。また、スティックコントローラ122を用いた所定の指示入力(トリガボタンの押引操作など)あるいはプッシュボタン120を用いた所定の指示入力(押下操作など)により、選択対象として表示された項目の選択が確定され、その項目に応じた処理が実行される。」
ウ 「【0138】
図11(B)は、パスワード入力後におけるメインメニューの表示例を示している。パスワード入力後のメインメニューには、「データクリア」、「本日の結果」、「2次元コードの作成」、「終了」といった項目が設けられている。パスワード入力後のメインメニューが表示されたときには、パスワード入力前のメインメニューが表示されたときと同様に、例えばパチンコ遊技機1におけるスティックコントローラ122やプッシュボタン120といった、演出用操作部材を用いた所定の指示入力により、選択対象となる項目を変更したり選択対象として表示された項目の選択を確定したりできればよい。」
エ 「【0147】
ステップS323にて「会員登録」の項目に対する選択がない場合には、「簡単スタート」の項目に対する選択があったか否かを判定する(ステップS325)。このとき、「簡単スタート」の項目に対する選択があった場合には、簡単スタート用の演出設定を行う(ステップS326)。例えば、パチンコ遊技機1における演出状態を通常演出モードから特定演出モードに変更する制御を行う。この場合には、特定演出モードであることを示す特定演出モードフラグをオン状態にセットすればよい。また、演出表示装置9の所定表示位置に、デフォルトの演出設定に基づくキャラクタを表示して、デフォルト設定に応じたレベル値や経験値メータを表示する(具体的には、レベル値と経験値メータをともに0として表示する)。この実施の形態では、簡単スタートの設定やパスワードの入力に基づいて、パチンコ遊技機1における遊技履歴の記録が開始される。そして、遊技者がパチンコ遊技機1での遊技を終了するときに、図11(B)に示すメインメニューで「2次元コードの作成」の項目を選択することにより、遊技履歴の記録情報を含んだ2次元コードを、演出表示装置9の画面上に表示させることができる。遊技者は、このとき表示された2次元コードを端末装置に撮像させ、端末装置の記憶部に保存することや、管理サーバにアクセスすることで、遊技履歴の記録を更新することができる。その後、再びパチンコ遊技機1での遊技を行うときには、遊技履歴の記録に基づいて発行されたパスワードを入力することにより、遊技履歴に応じた演出設定などを行うことができる。また、遊技履歴の記録情報に応じて、遊技者に所定の特典が付与されるようにしてもよい。」

オ 上記ア~エの記載事項からみて、甲第3号証には、次の事項(以下「甲3記載事項」という。)が開示されていると認められる。

「保留記憶数が「0」であり、可変表示中ではなく、メインメニューを表示中ではない場合に、プッシュボタン120に対する遊技者の押下操作といった、メインメニューの表示操作があった場合には、パスワードの入力の有無に応じたメインメニューを表示する処理を実行する(【0133】~【0135】)パチンコ遊技機1(【0014】)であって、
パスワード入力前のメインメニューには、「会員登録」、「パスワード入力」、「簡単スタート」、「ストックコインのヒント」、「終了」といった項目が設けられ、スティックコントローラ122を用いた所定の指示入力により選択対象の項目を変更し、選択対象として表示された項目の選択が確定され、その項目に応じた処理が実行され(【0136】)、
パスワード入力後のメインメニューには、「データクリア」、「本日の結果」、「2次元コードの作成」、「終了」といった項目が設けられ、パスワード入力前のメインメニューが表示されたときと同様に、選択対象となる項目を変更したり選択対象として表示された項目の選択を確定したりでき(【0138】)、
パスワードの入力に基づいて、パチンコ遊技機1における遊技履歴の記録が開始される(【0147】)
パチンコ遊技機1(【0014】)。」

(3)当審の判断

特許異議申立人が令和3年8月4日提出の意見書において主張する相当関係を考慮した上で、本件特許発明と甲1発明を対比すると、本件特許発明と甲1発明の一致点、相違点は、上記「2(3)ア」に記載のとおりである。

上記相違点について検討する。

ア 相違点1について

上記「2(3)イ(ア)」に記載のとおり、甲1発明において、本件特許発明の上記相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

イ 相違点2について

甲3記載事項は、「パスワードの入力に基づいて、パチンコ遊技機1における遊技履歴の記録が開始される」ことから、甲3記載事項の「スティックコントローラ122を用いた所定の指示入力により選択対象の項目を変更し、選択対象として表示された」「「パスワード入力」」「の選択が確定され」ることは、本件特許発明の「開始操作が受け付けられ」ることに相当し、甲3記載事項の「パスワード入力後」は、本件特許発明の「履歴蓄積状態が設定されている状態」に相当する。

また、甲3記載事項の「メインメニュー」は、本件特許発明の「メニュー画面」に相当する。

ここで、甲3記載事項の「メインメニュー」は、「パスワード入力前のメインメニューには、「会員登録」、「パスワード入力」、「簡単スタート」、「ストックコインのヒント」、「終了」といった項目が設けられ」、「パスワード入力後のメインメニューには、「データクリア」、「本日の結果」、「2次元コードの作成」、「終了」といった項目が設けられ」るものである。

そして、甲3記載事項の「パスワード入力後(本件特許発明の「履歴蓄積状態が設定されている状態」に相当。)のメインメニュー」には、「「パスワード入力」」の「項目が設けられ」ていないことから、甲3記載事項は、「パスワード入力後」には、「スティックコントローラ122を用いた所定の指示入力により選択対象の項目を変更し、選択対象として表示された」「「パスワード入力」」「の選択が確定」(本件特許発明の「開始操作の受け付け」に相当。)できないものである。

したがって、甲3記載事項は、履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作ができないものであるから、本件特許発明の「前記履歴蓄積状態が設定されている状態で、開始操作が受け付けられたとき」を前提とする、本件特許発明の構成Hを備えるものではない。

よって、甲1発明に、甲3記載事項を採用しても、上記相違点2に係る本願特許発明の構成とすることはできない。

ウ 相違点3について

甲3記載事項の「保留記憶数が「0」であり、可変表示中ではなく、メインメニューを表示中ではない場合」は、本件特許発明の「遊技が行われていない非遊技状態」を含むものである。

また、甲3記載事項の「メインメニュー」は、本件特許発明の「メニュー画面」に相当する。

そして、甲3記載発明は、「保留記憶数が「0」であり、可変表示中ではなく、メインメニューを表示中ではない場合に」、「メインメニューの表示操作があった場合には」、「メインメニューを表示する処理を実行する」のであるから、本件特許発明の構成Iに相当する構成を備えるものといえる。

甲1発明も、甲3記載事項も、いずれも、メニュー画面を表示し、開始操作が受け付けられたことに基づいて遊技の履歴を蓄積する遊技機である点で共通するから、甲1発明に甲3記載事項を適用して上記相違点3に係る本件特許発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

エ 相違点4について

本件特許発明の構成Jの「メニュー画面」は、構成Cの「メニュー画面に表示されたメニューのうちの開始メニューを選択する開始操作を受付可能な開始操作受付手段」、構成Eの「前記開始操作受付手段は、前記履歴蓄積状態が設定されているか否かにかかわらず開始操作を受付可能であり」の記載からみて、「履歴蓄積状態が設定されているか否かにかかわらず」「開始メニュー」が「表示され」ることは明らかである。

そして、甲3記載事項は、「パスワード入力前のメインメニュー」に「設けられ」る「項目」と、「パスワード入力後のメインメニュー」に「設けられ」る「項目」が異なるものである。

しかしながら、上記イにおいて検討したとおり、甲3記載事項の「パスワード入力後のメインメニュー」には、「パスワード入力」の「項目」(本件特許発明の「開始メニュー」に相当。)が「設けられ」ていない。

したがって、甲3記載事項の「メインメニュー」は、「パスワード入力前」と「パスワード入力後」で「設けられ」る「項目」が異なるものではあるが、「パスワード入力後」において「パスワード入力」の「項目」が「設けられ」ていないので、本件特許発明の構成Jの「履歴蓄積状態が設定されている」ときに「開始メニュー」が「表示され」る「メニュー画面」に相当するとはいえない。

よって、甲1発明に、甲3記載事項を採用しても、上記相違点4に係る本願特許発明の構成とすることはできない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件特許発明は、甲1発明及び甲3記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第6 むすび

以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。

また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。

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2021-700120

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