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特許異議申立

2021-700099

電力変換装置

審判番号
2021-700099
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-553711外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
6760516
請求日
2021年01月28日
審決日
2021年10月29日
公報発行日
2022年02月25日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.113-YAA(H02M) / P1651.121-YAA(H02M)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6760516号発明「電力変換装置」の特許異議申立事件について,次のとおり決定する。

結論

結 論
特許第6760516号の明細書,特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書,特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1-8〕,9について訂正することを認める。
特許第6760516号の請求項に係る特許を維持する。

理由

目次 ▾ 10項目
理 由

第1 手続の経緯

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特許第6760516号の請求項1ないし9に係る特許についての出願は,2018年(平成30年)9月12日(優先権主張 平成29年11月14日 日本国)を国際出願日とする出願であって,令和2年9月7日にその特許権の設定登録がされ,令和2年9月23日に特許掲載公報が発行された。

その特許についての本件特許異議の申し立ての経緯は,次のとおりである。

令和3年 1月28日 :特許異議申立人 松本 征二(以下,「申立人」という。)による特許異議の申立て
令和3年 6月 7日付け:取消理由通知書
令和3年 7月26日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和3年 9月21日 :申立人による意見書の提出

第2 訂正の適否についての判断

1 訂正の内容

令和3年7月26日にされた訂正請求(以下,「本件訂正請求」という。)は,特許第6760516号の明細書,特許請求の範囲を,訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1ないし9について訂正することを求めるものであり,その訂正の内容は,以下の訂正事項のとおりである(なお,下線は訂正部分を示す。)。

(1)請求項1-8からなる一群の請求項に係る訂正

ア 訂正事項1

特許請求の範囲の請求項1に

「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、
複数の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されている」

と記載されているのを,

「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、
複数の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、
前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている」に訂正する。

イ 訂正事項2

特許請求の範囲の請求項5に

「前記接続部分は、平板状に形成されるとともに、前記第3方向に沿って延びるように配置されている」

と記載されているのを,

「前記接続部分は、前記第3方向に沿って延びるように配置されている」に訂正する。

ウ 訂正事項3

明細書の段落【0008】に

「複数のバスバーの各々が外線ケーブルと接続される接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、複数のケーブル接続位置の少なくとも一部は、外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されている。」

と記載されているのを,

「複数のバスバーの各々が外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、複数のケーブル接続位置の少なくとも一部は、外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、入力側スイッチング部に接続される複数のバスバーの平板状の接続部分の組と、出力側スイッチ部に接続される複数のバスバーの平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。」に訂正する。

エ 訂正事項4

明細書の段落【0013】に

「上記第1方向に並ぶように配置される1組の接続部分が第2方向に並ぶように複数組配置される構成において、好ましくは、接続部分は、平板状に形成されるとともに、第3方向に沿って延びるように配置されている。」

と記載されているのを,

「上記第1方向に並ぶように配置される1組の接続部分が第2方向に並ぶように複数組配置される構成において、好ましくは、接続部分は、第3方向に沿って延びるように配置されている。」に訂正する。

(2)請求項9に係る訂正

ア 訂正事項5

特許請求の範囲の請求項9に

「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される2以上の接続部分が収納され、前記外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットと、
を備え、
前記2以上の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、
2以上の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されている」

と記載されているのを,

「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される2以上の平板状の接続部分が収納され、前記外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットと、
を備え、
前記2以上の平板状の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、
2以上の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、
前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている」に訂正する。

イ 訂正事項6

明細書の段落【0017】に

「複数のバスバーの各々が外線ケーブルと接続される2以上の接続部分が収納され、外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットと、を備え、2以上の接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、2以上のケーブル接続位置の少なくとも一部は、外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されている。

と記載されているのを,

「複数のバスバーの各々が外線ケーブルと接続される2以上の平板状の接続部分が収納され、外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットと、を備え、2以上の平板状の接続部分のケーブル接続位置が、外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、2以上のケーブル接続位置の少なくとも一部は、外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、入力側スイッチング部に接続される複数のバスバーの平板状の接続部分の組と、出力側スイッチ部に接続される複数のバスバーの平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている。」に訂正する。

2 訂正要件についての判断

(1)請求項1-8からなる一群の請求項に係る訂正

ア 一群の請求項について

訂正前の請求項1ないし8について,請求項2ないし8は,請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって,訂正される請求項1に連動して請求項2ないし8も訂正されるものである。したがって,訂正前の請求項1ないし8に対応する訂正後の請求項1ないし8は,特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

イ 訂正の目的の適否,新規事項の有無,及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否

(ア)訂正事項1について

訂正事項1は,訂正前の請求項1の「接続部分」を,「平板状の接続部分」としてその形状を限定し,さらに,その配置を「前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている」と限定するものであるから,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

そして,「接続部分」の形状に関して,訂正前の請求項5には,「前記接続部分は、平板状に形成されるとともに、前記第3方向に沿って延びるように配置されている」と記載されている。

また,「接続部分」の配置に関して,本件特許の願書に添付した明細書(以下,単に「本件特許明細書」という。)の段落【0038】には,「具体的には、図3に示すように、X方向に並んで配置された3つの接続部分41b各々のケーブル接続位置P11、P12およびP13と、X方向に並んで配置された3つの接続部分42b各々のケーブル接続位置P21、P22およびP23とは、互いに、X方向に離間させて交互に配置されている。」と記載され,さらに,図3によれば,「X方向に並んで配置された3つの接続部分41b」と「X方向に並んで配置された3つの接続部分42b」とは,「X方向に離間させて交互に配置されている」ために,上方(Z方向)から見て,互いにオーバラップしないように配置されていることが看取できる。

したがって,訂正事項1は,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。

さらに,訂正事項1は実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものに該当せず,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。

(イ)訂正事項2について

訂正事項2は,訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲の整合を図るための訂正であるから,訂正事項2は,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

また,訂正事項2は,上記訂正事項1と同様,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではなく,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(ウ)訂正事項3,4について

訂正事項3,4は,上記訂正事項1,2による訂正に伴い,特許請求の範囲(請求項1,5)の記載と明細書の記載との整合を図るためのものであるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

また,訂正事項3,4は,上記訂正事項1,2と同様,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではなく,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

さらに,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するところもない。

(2)請求項9に係る訂正について

(ア)訂正事項5について

訂正事項5は,訂正前の請求項9の「接続部分」を,「平板状の接続部分」としてその形状を限定し,さらに,その配置を「前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている」と限定するものであるから,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

そして,「接続部分」の形状に関して,訂正前の請求項5には,「前記接続部分は、平板状に形成されるとともに、前記第3方向に沿って延びるように配置されている」と記載されている。

さらに,「接続部分」の配置に関して,本件特許の願書に添付した明細書(以下,単に「本件特許明細書」という。)の段落【0038】には,「具体的には、図3に示すように、X方向に並んで配置された3つの接続部分41b各々のケーブル接続位置P11、P12およびP13と、X方向に並んで配置された3つの接続部分42b各々のケーブル接続位置P21、P22およびP23とは、互いに、X方向に離間させて交互に配置されている。」と記載され,また,図3によれば,「X方向に並んで配置された3つの接続部分41b」と「X方向に並んで配置された3つの接続部分42b」は「X方向に離間させて交互に配置されている。」ために,上方(Z方向)から見て,互いにオーバラップしないように配置されていることが看取できる。

したがって,訂正事項5は,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。

さらに,訂正事項5は実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものに該当せず,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。

(イ)訂正事項6について

訂正事項6は,上記訂正事項5による訂正に伴い,特許請求の範囲(請求項9)の記載と明細書の記載との整合を図るためのものであるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

また,訂正事項6は,上記訂正事項5と同様,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではなく,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

さらに,特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するところもない。

3 むすび

以上のとおりであるから,本件訂正請求による訂正は,特許法第120条の5第2項ただし書第1号,及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ,同条第4項,及び同条第9項において準用する同法第126条第4項ないし第6項の規定に適合するから,訂正後の請求項〔1-8〕,9について訂正することを認める。

第3 特許異議の申立について

1 本件発明

本件訂正請求により訂正された請求項1ないし9に係る発明(以下,それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明9」という。)は,その特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
少なくとも、交流電源からの交流電力が入力される入力側スイッチ部と、前記入力側スイッチ部に接続される電力変換部と、前記電力変換部からの交流電力を出力する出力側スイッチ部と、を含む、電力変換モジュールと、
前記電力変換モジュールを収納するモジュール収納用筐体と、
前記モジュール収納用筐体内において、前記電力変換モジュール内の少なくとも、前記入力側スイッチ部および前記出力側スイッチ部に接続され、前記モジュール収納用筐体外において、外線ケーブルと接続される複数のバスバーと、
続きを表示(全35行)
を備え、
前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、
複数の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、
前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている、電力変換装置。
【請求項2】
前記接続部分は、前記モジュール収納用筐体の左右方向である第1方向に並ぶように複数が1組として配置されるとともに、1組としての接続部分が、前記モジュール収納用筐体の上下方向である第2方向に並ぶように複数組配置され、前記外線ケーブルが前記第2方向または前記モジュール収納用筐体の奥行き方向である第3方向に引き出される場合に、前記複数組の前記接続部分の前記ケーブル接続位置が、前記外線ケーブルが引き出される方向である前記第2方向または前記第3方向から見て、互いにオーバラップしないように配置されている、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記複数のバスバーは、それぞれ、前記モジュール収納用筐体外において、互いに異なる方向に延びる部分を含み、
前記互いに異なる方向に延びる部分は、前記複数のバスバーが前記モジュール収納用筐体内から前記モジュール収納用筐体外に突出する部分と、前記接続部分とを含む、請求項1または2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記接続部分は、少なくとも前記モジュール収納用筐体外に突出する部分と別個の部材として設けられるとともに、前記バスバーの前記接続部分以外の部分に締結部材により着脱可能に設けられている、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記接続部分は、前記第3方向に沿って延びるように配置されている、請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記外線ケーブルは、前記ケーブル接続位置から前記第2方向における上方に引き出されるように構成されており、
前記接続部分は、前記第2方向において上側に配置され、前記第1方向から見て前記モジュール収納用筐体の背面側から第1の距離に前記ケーブル接続位置が配置される第1接続部分と、前記第2方向において下側に配置され、前記第1方向から見て前記モジュール収納用筐体の背面側から前記第1の距離よりも大きい第2の距離に前記ケーブル接続位置が配置される第2接続部分とを含む、請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記外線ケーブルは、前記ケーブル接続位置から前記第2方向における下方に引き出されるように構成されており、
前記接続部分は、前記第2方向において下側に配置され、前記第1方向から見て前記モジュール収納用筐体の背面側から第3の距離に前記ケーブル接続位置が配置される第3接続部分と、前記第2方向において上側に配置され、前記第1方向から見て前記モジュール収納用筐体の背面側から前記第3の距離よりも大きい第4の距離に前記ケーブル接続位置が配置される第4接続部分とを含む、請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記外線ケーブルは、前記ケーブル接続位置から前記第3方向における後方に引き出されるように構成されており、
前記ケーブル接続位置は、前記接続部分において、前記接続部分が前記バスバーの前記接続部分以外の部分と繋がる部分側とは反対の端部側に配置されている、請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項9】
少なくとも、交流電源からの交流電力が入力される入力側スイッチ部と、前記入力側スイッチ部に接続される電力変換部と、前記電力変換部からの交流電力を出力する出力側スイッチ部と、を含む、電力変換モジュールと、
前記電力変換モジュールを収納するモジュール収納用筐体と、
前記モジュール収納用筐体内において、前記電力変換モジュール内の少なくとも、前記入力側スイッチ部および前記出力側スイッチ部に接続され、前記モジュール収納用筐体外において、外線ケーブルと接続される複数のバスバーと、
前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される2以上の平板状の接続部分が収納され、前記外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネットと、
を備え、
前記2以上の平板状の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブル引出口から見て、互いにオーバラップしないように配置されており、
2以上の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されており、
前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている、電力変換装置。」

2 取消理由通知に記載した取消理由について

(1)取消理由の概要

訂正前の請求項1ないし7,9に係る発明についての特許に対して令和2年11月18日付けで通知した取消理由の概要は,次のとおりである。

請求項1ないし7,9に係る発明は,下記の引用例に記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,請求項1ないし7,9に係る特許は,特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。

記

引用文献:特開2016-208601号公報(甲第1号証)

(2)引用文献の記載事項,引用発明

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ア 引用文献には,図面とともに,次の事項が記載されている(下線は,当審で付与した。)。

A 「【0005】
本発明の目的は、電気機器の据付け状況に応じて、電線を曲げることなく電気機器と電線とを接続できる、電気機器の接続装置を提供することである。」
B 「【0013】
図1に示すように、無停電電源装置100は、筐体190を備えている。無停電電源装置100を構成する後述するコンバータ105、インバータ107などの各機器は、筐体190の内部に収容されている。筐体190は、略矩形状の外形を有している。筐体190は、天井面191と、前面192と、図示しない側面および底面とを有している。
・・・中略・・・
【0019】
続きを表示(全19行)
バイパス入力端子T1は、交流電源121から交流電力を受ける。交流入力端子T2は、交流電源122から交流電力を受ける。交流電源121,122は、商用交流電源、自家用発電機などである。交流電力は、三相または単相である。本実施の形態では、交流電源は三相である。交流出力端子T3には、負荷123が接続されている。直流入力端子T4は、バッテリ130の正極130aに接続されている。
・・・中略・・・
【0023】
インバータ給電モードにおいて、コンバータ105は、交流電源122から交流電力を受け、交流電力を直流電力に変換して、その直流電力をインバータ107およびバッテリ130に供給する。バッテリ130は、コンバータ105によって生成された直流電力を貯蔵する。バッテリ130は、電力貯蔵装置としての機能を有している。インバータ107は、コンバータ105からの直流電力を交流電力に変換して、交流電力を出力する。インバータ107によって生成された交流電力が、負荷123に供給される。
・・・中略・・・
【0030】
フレーム2の後側の柱部材に、支持部材3,4,5が取り付けられている。支持部材3,4,5は、各々、フレーム2の後側の一対の柱部材間に亘り、一対の柱部材の両方に固定されている。支持部材3、支持部材4および支持部材5は、上から下に向かってこの順に並べられて配置されている。支持部材3,4,5は、略平板状の形状を有している。支持部材3,4,5は、上下方向に延び、かつ左右方向に延びている。
【0031】
上下方向における、支持部材3と同じ位置に、接続導体10U,10V,10Wが配置されている。接続導体10Uは、図2に示す交流入力端子T2に含まれているU相端子に、電気的に接続されている。接続導体10Vは、図2に示す交流入力端子T2に含まれているV相端子に、電気的に接続されている。接続導体10Wは、図2に示す交流入力端子T2に含まれているW相端子に、電気的に接続されている。
・・・中略・・・
【0033】
上下方向における、支持部材5と同じ位置に、接続導体30U,30V,30Wが配置されている。接続導体30Uは、図2に示す交流出力端子T3に含まれているU相端子に、電気的に接続されている。接続導体30Vは、図2に示す交流出力端子T3に含まれているV相端子に、電気的に接続されている。接続導体30Wは、図2に示す交流出力端子T3に含まれているW相端子に、電気的に接続されている。
・・・中略・・・
【0036】
接続導体10Uは、細長平板状の基部11Uと、矩形平板状の屈曲部12Uとを有している。基部11Uは、支持部材3と平行に配置されている。基部11Uは、上下方向に延び、かつ左右方向に延びている。屈曲部12Uは、基部11Uの長手方向における一端部に設けられている。屈曲部12Uは、基部11Uの左側の端部に接合されている。一枚の板材が曲げ変形されて、基部11Uおよび屈曲部12Uが一体に形成されてもよい。」
C 「【0046】
図5は、第1の端子導体40の構成を示す斜視図である。図6は、第2の端子導体50の構成を示す斜視図である。図7は、第3の端子導体60の構成を示す斜視図である。端子導体40,50,60は、導電性材料で形成されている。端子導体40,50,60は、接続導体10U,10V,10Wのいずれか、または、接続導体20U,20V,20Wもしくは接続導体30U,30V,30Wのいずれかに取り付けられる。接続装置1の筐体90内部に引き込まれた電線は、端子導体40,50,60のいずれかに接続される。
【0047】
図5に示すように、端子導体40は、固定部41と、連結部42と、接続部43とを有している。固定部41、連結部42および接続部43は、各々矩形平板状の形状を有している。固定部41は、いずれかの接続導体に取り付けられる。接続部43に電線が接続される。連結部42は、固定部41と接続部43とを繋いでいる。平板状の固定部41、連結部42および接続部43の各々の延びる方向は、互いに異なっている。固定部41と連結部42とは、湾曲部44を介して繋ぎ合わされている。連結部42と接続部43とは、湾曲部45を介して繋ぎ合わされている。
続きを表示(全11行)
・・・中略・・・
【0049】
固定部41は、一方の表面41aと、他方の表面41bとを有している。固定部41には、一方の表面41aから他方の表面41bまで固定部41を厚み方向に貫通する、複数の貫通孔41hが形成されている。接続導体の屈曲部に形成された貫通孔と同数の貫通孔41hが、固定部41に形成されている。接続導体の屈曲部に形成された貫通孔と固定部41に形成された貫通孔41hとの両方を貫通してボルトが締結されることにより、端子導体40が接続導体に固定される。
【0050】
連結部42には、複数の貫通孔42hが形成されている。貫通孔42hは、端子導体40と、端子導体40の隣に配置される他の端子導体とを連結するために用いられる。
【0051】
接続部43には、複数の貫通孔43hが形成されている。貫通孔43hは、電線を接続部43に接続するために用いられる。複数の貫通孔43hのいずれかに、電線の先端部分が接続される。接続部43には、縦横3×3の合計9個の貫通孔43hが形成されている。貫通孔43hが二次元的に配置されているので、電線を接続部43に接続するときに適切な貫通孔43hを選定して、電線と周辺の部材との干渉を容易に回避可能とされている。」

【0052】

図6に示すように、端子導体50は、固定部51と、連結部52と、接続部53とを有している。固定部51、連結部52および接続部53は、各々平板状の形状を有している。固定部51は、いずれかの接続導体に取り付けられる。接続部53に電線が接続される。連結部52は、固定部51と接続部53とを繋いでいる。平板状の固定部51、連結部52および接続部53の各々の延びる方向は、互いに異なっている。固定部51と連結部52とは、湾曲部54を介して繋ぎ合わされている。連結部52と接続部53とは、湾曲部55を介して繋ぎ合わされている。

・・・中略・・・

【0056】

接続部53には、複数の貫通孔53hが形成されている。貫通孔53hは、電線を接続部53に接続するために用いられる。複数の貫通孔53hのいずれかに、電線の先端部分が接続される。接続部53には、縦横3×3の合計9個の貫通孔53hが形成されている。貫通孔53hが二次元的に配置されているので、電線を接続部53に接続するときに適切な貫通孔53hを選定して、電線と周辺の部材との干渉を容易に回避可能とされている。

【0057】

図7に示すように、端子導体60は、固定部61と、連結部62と、接続部63とを有している。固定部61、連結部62および接続部63は、各々平板状の形状を有している。固定部61は、いずれかの接続導体に取り付けられる。接続部63に電線が接続される。連結部62は、固定部61と接続部63とを繋いでいる。平板状の固定部61、連結部62および接続部63の各々の延びる方向は、互いに異なっている。固定部61と連結部62とは、湾曲部64を介して繋ぎ合わされている。連結部62と接続部63とは、湾曲部65を介して繋ぎ合わされている。

・・・中略・・・

【0061】

接続部63には、複数の貫通孔63hが形成されている。貫通孔63hは、電線を接続部63に接続するために用いられる。複数の貫通孔63hのいずれかに、電線の先端部分が接続される。接続部63には、縦横3×3の合計9個の貫通孔63hが形成されている。貫通孔63hが二次元的に配置されているので、電線を接続部63に接続するときに適切な貫通孔63hを選定して、電線と周辺の部材との干渉を容易に回避可能とされている。」

D 「【0064】
端子導体40の固定部41の他方の表面41bが、接続導体10Uの屈曲部12Uの表面12Uaに対向している。固定部41の他方の表面41bは、屈曲部12Uの表面12Uaに面接触している。端子導体40の連結部42は、接続導体10Uの基部11Uと同じ方向に延びている。連結部42は、上下方向に延び、かつ左右方向に延びている。連結部42に対して直交している接続部43は、上下方向に延び、かつ前後方向に延びている。
・・・中略・・・
【0067】
続きを表示(全26行)
接続部43,53,63は、互いに平行に配置されている。接続部43と接続部53とは、左右方向に隣り合って、間隔を空けて並べられている。接続部53と接続部63とは、左右方向に隣り合って、間隔を空けて並べられている。接続部53は、接続部43よりも右側かつ前側に配置されている。接続部63は、接続部53よりも右側かつ前側に配置されている。
【0068】
接続部43,53,63は、前後方向および左右方向において、互いにずれた位置に配置されている。左右方向から見て、接続部43の一部が接続部53と重なり、接続部53の一部が接続部43,63と重なり、接続部63の一部が接続部53と重なっている。
・・・中略・・・
【0075】
図11は、端子導体40,50,60に電線U,V,Wを接続した状態を示す第1の図である。電線U,V,Wは、図1に示す天井面91を貫通して、上方から筐体90の内部へ引き込まれている。電線U,V,Wは、上下方向に延びている。
【0076】
電線Uには、U相の電流が流れる。電線Uは、接続導体10Uに接続された端子導体40の接続部43に、ボルトで接続されている。電線Uから、端子導体40および接続導体10Uを経由して、図2に示す交流入力端子T2へ、交流電力が供給される。
【0077】
電線Vには、V相の電流が流れる。電線Vは、接続導体10Vに接続された端子導体50の接続部53に、ボルトで接続されている。電線Vから、端子導体50および接続導体10Vを経由して、図2に示す交流入力端子T2へ、交流電力が供給される。
【0078】
電線Wには、W相の電流が流れる。電線Wは、接続導体10Wに接続された端子導体60の接続部63に、ボルトで接続されている。電線Wから、端子導体60および接続導体10Wを経由して、図2に示す交流入力端子T2へ、交流電力が供給される。
【0079】
接続部43,53,63が上下方向に延びているために、上下方向に延びる電線U,V,Wを曲げることなく、電線U,V,Wを接続部43,53,63に接続することが可能とされている。接続部43,53,63が前後方向に延びており、左右方向において接続部43,53の間および接続部53,63の間に空間が形成されているために、電線U,V,Wを接続部43,53,63に接続する作業者は、接続装置1の前方から容易に接続作業を行なうことが可能となっている。
【0080】
図12は、端子導体40,50,60に電線U,V,Wを接続した状態を示す第2の図である。電線U,V,Wは、図3に示す底面94を貫通して、下方から筐体90の内部へ引き込まれている。電線U,V,Wは、上下方向に延びている。
【0081】
電線Uは、接続導体30Uに接続された端子導体40の接続部43に、ボルトで接続されている。図2に示す交流出力端子T3から、接続導体30Uおよび端子導体40を経由して、電線Uへ交流電力が出力される。
【0082】
電線Vは、接続導体30Vに接続された端子導体50の接続部53に、ボルトで接続されている。図2に示す交流出力端子T3から、接続導体30Vおよび端子導体50を経由して、電線Vへ交流電力が出力される。
【0083】
電線Wは、接続導体30Wに接続された端子導体60の接続部63に、ボルトで接続されている。図2に示す交流出力端子T3から、接続導体30Wおよび端子導体60を経由して、電線Wへ交流電力が出力される。」
E 「図1
[図:0001381666000001.jpg]
」
F 「図2
[図:0001381666000002.jpg]
」
G 「図3
[図:0001381666000003.jpg]
」
H 「図8
[図:0001381666000004.jpg]
」
I 「図9
[図:0001381666000005.jpg]
」
J 「図10
[図:0001381666000006.jpg]
」
K 「図11
[図:0001381666000007.jpg]
」
L 「図12
[図:0001381666000008.jpg]
」

M 上記Bの段落【0019】,【0023】,及び図2(上記F)には,“交流電源122からの交流電力が入力される交流入力端子T2と,前記交流入力端子T2に接続されるコンバータ105と,コンバータ105に接続されるインバータ107と,前記インバータ107からの交流電力を出力する交流出力端子T3と,を含む,機器”が記載されている。

また,上記Bの段落【0013】,及び図1(上記E)には,“前記機器,前記機器を収納する筐体190を備える無停電電源装置100”が記載されている。

さらに,上記Bの段落【0031】,【0033】,上記Dの段落【0076】-【0078】,【0081】-【0083】,図2(上記F),図3(上記G),及び図10(上記J)には,“無停電電源装置100が,前記筐体190内において,前記機器内の少なくとも,前記交流入力端子T2に接続される接続導体10U,10V,10W,および前記交流出力端子T3に接続される接続導体30U,30V,30W,前記筐体190外において,入力用の電線Uと接続される接続導体10Uに接続された端子導体40と,入力用の電線Vと接続される接続導体10Vに接続された端子導体50と,入力用の電線Wと接続される接続導体10Wに接続された端子導体60,出力用の電線Uと接続される接続導体30Uに接続された端子導体40と,出力用の電線Vと接続される接続導体30Vに接続された端子導体50と,出力用の電線Wと接続される接続導体30Wに接続された端子導体60を備えている”ことが記載されている。

してみると,引用文献には,“交流電源122からの交流電力が入力される交流入力端子T2と,前記交流入力端子T2に接続されるコンバータ105と,コンバータ105に接続されるインバータ107と,前記インバータ107からの交流電力を出力する交流出力端子T3と,を含む,機器と,前記機器を収納する筐体190と,前記筐体190内において,前記機器内の少なくとも,前記交流入力端子T2に接続される接続導体10U,10V,10W,および前記交流出力端子T3に接続される接続導体30U,30V,30W,前記筐体190外において,入力用の電線Uと接続される接続導体10Uに接続された端子導体40と,入力用の電線Vと接続される接続導体10Vに接続された端子導体50と,入力用の電線Wと接続される接続導体10Wに接続された端子導体60,出力用の電線Uと接続される接続導体30Uに接続された端子導体40と,出力用の電線Vと接続される接続導体30Vに接続された端子導体50と,出力用の電線Wと接続される接続導体30Wに接続された端子導体60と,を備える無停電電源装置100”が記載されているといえる。

N 図3(上記G)によれば,“接続導体10U,10V,10Wの組と,接続導体30U,30V,30Wの組は,筐体190上下方向の異なった位置に配置され”ることが看取できる。

O 図3(上記G)及び図11(上記K)によれば,“接続導体10Uに接続された端子導体40と,接続導体10Vに接続された端子導体50と,接続導体10Wに接続された端子導体60とは,筐体190上下方向に同じ位置であって,筐体190の左右方向及び前後方向に異なった位置に配置され”ること,さらに,“接続導体30Uに接続された端子導体40と,接続導体30Vに接続された端子導体50と,接続導体30Wに接続された端子導体60とは,筐体190上下方向に同じ位置であって,筐体190の左右方向及び前後方向に異なった位置に配置され”ることが看取できる。

P 上記Cの段落【0051】,【0056】,【0061】,上記Dの段落【0075】-【0078】,及び図11(上記K)には,“入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,入力用の電線U,V,Wが筐体190の上側から接続される”ことが記載されており,また,出力用の電線U,V,Wに関しても,“出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hにも,各々,出力用の電線U,V,Wが筐体の上側から接続される”ものと認められる。

同様に,上記Cの段落【0051】,【0056】,【0061】,上記Dの段落【0080】-【0083】,及び図12(上記L)には,“出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,出力用の電線U,V,Wが筐体190の下側から接続される”ことが記載されており,また,入力用の電線U,V,Wに関しても,“入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hにも,各々,入力用の電線U,V,Wが筐体の下側から接続される”ものと認められる。

また,上記Cの段落【0047】,【0052】,【0057】には,“接続部43,53,63が平板状である”ことが記載されている。

してみると,引用文献には,“入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,入力用の電線U,V,Wが筐体190の上側または下側から接続され,また,出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,出力用の電線U,V,Wが筐体の上側または下側から接続され”ることが記載されているといえる。

Q さらに,上記Cの段落【0051】,【0056】,【0061】には,“貫通孔43h,53h,63hが二次元的に複数配置されており,電線を接続部43,53,63に接続するときに適切な貫通孔43h,53H,63hを選定され,電線と周辺の部材との干渉を回避して接続されている”ことが記載されている。

R 図11(上記K)から,“入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組と,出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組とは,上方から見て,互いにオーバラップするように配置されている”ことが看取できる。

イ 上記AないしRの記載内容(特に,下線部を参照)からすると,引用文献には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されている。

「交流電源122からの交流電力が入力される交流入力端子T2と,前記交流入力端子T2に接続されるコンバータ105と,コンバータ105に接続されるインバータ107と,前記インバータ107からの交流電力を出力する交流出力端子T3と,を含む,機器と,
前記機器を収納する筐体190と,
前記筐体190内において,前記機器内の少なくとも,前記交流入力端子T2に接続される接続導体10U,10V,10W,および前記交流出力端子T3に接続される接続導体30U,30V,30W,前記筐体190外において,入力用の電線Uと接続される接続導体10Uに接続された端子導体40と,入力用の電線Vと接続される接続導体10Vに接続された端子導体50と,入力用の電線Wと接続される接続導体10Wに接続された端子導体60,出力用の電線Uと接続される接続導体30Uに接続された端子導体40と,出力用の電線Vと接続される接続導体30Vに接続された端子導体50と,出力用の電線Wと接続される接続導体30Wに接続された端子導体60と,を備える無停電電源装置100において,
接続導体10U,10V,10Wの組と,接続導体30U,30V,30Wの組は,筐体190上下方向の異なった位置に配置され,
接続導体10Uに接続された端子導体40と,接続導体10Vに接続された端子導体50と,接続導体10Wに接続された端子導体60とは,筐体190上下方向に同じ位置であって,筐体190の左右方向及び前後方向に異なった位置に配置され,
接続導体30Uに接続された端子導体40と,接続導体30Vに接続された端子導体50と,接続導体30Wに接続された端子導体60とは,筐体190上下方向に同じ位置であって,筐体190の左右方向及び前後方向に異なった位置に配置され,
入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,入力用の電線U,V,Wが筐体190の上側または下側から接続され,また,出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,出力用の電線U,V,Wが筐体の上側または下側から接続され,
貫通孔43h,53h,63hが二次元的に複数配置されており,電線を接続部43,53,63に接続するときに適切な貫通孔43h,53H,63hを選定され,電線と周辺の部材との干渉を回避して接続されて,
入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組と,出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組とは,上方から見て,互いにオーバラップするように配置されている,
無停電電源装置100。」

(3)取消理由通知についての当審の判断

ア 本件発明1について

本件発明1と引用発明とを対比すると以下のとおりである。

(ア)引用発明の「交流入力端子T2」,「交流出力端子T3」,は,各々,「交流電力が入力される」もの,「交流電力を出力する」ものであるから,本件発明1の「交流電力が入力される入力側スイッチ部」,「交流電力を出力する出力側スイッチ部」,に相当する。

また,引用発明の「交流電源122」,「コンバータ105」及び「インバータ107」は,各々,本件発明1の「交流電源」,「電力変換部」に相当する。

そして,引用発明の「機器」は,「交流電源122からの交流電力が入力される交流入力端子T2と,前記交流入力端子T2に接続されるコンバータ105と,コンバータ105に接続されるインバータ107と,前記インバータ107からの交流電力を出力する交流出力端子T3と,を含む」ものであるから,本件発明1の「少なくとも、交流電源からの交流電力が入力される入力側スイッチ部と、前記入力側スイッチ部に接続される電力変換部と、前記電力変換部からの交流電力を出力する出力側スイッチ部と、を含む、電力変換モジュール」に相当する。

(イ)引用発明の「筐体190」は,「前記機器を収納する」ものであるから,本件発明1の「前記電力変換モジュールを収納するジュール収納用筐体」に相当する。

(ウ)引用発明の「入力用の電線U,V,W」及び「出力用の電線U,V,W」は,本件発明1の「外線ケーブル」に相当する。

そして,引用発明の「接続導体10U,10V,10W」は,「前記筐体190内において,前記機器内の少なくとも,前記交流入力端子T2に接続される」ものであって,さらに,引用発明の「接続導体10Uに接続された端子導体40」,「接続導体10Vに接続された端子導体50」,「接続導体10Wに接続された端子導体60」は,各々,「前記筐体190外において」「入力用の電線U」,「入力用の電線V」,「入力用の電線W」に「接続され」,また,引用発明の「接続導体30U,30V,30W」は,「前記筐体190内において,前記機器内の少なくとも,前記交流出力端子T3に接続される」ものであって,さらに,引用発明の「接続導体30Uに接続された端子導体40」,「接続導体30Vに接続された端子導体50」,「接続導体30Wに接続された端子導体60」は,各々,「前記筐体190外において」「出力用の電線U」,「出力用の電線V」,「出力用の電線W」に「接続され」るものである。

してみると,引用発明の「接続導体10U,10V,10W」と「接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60」を合わせたもの,「続導体30U,30V,30W」と「接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60」を合わせたものは,本件発明1の「前記モジュール収納用筐体内において、前記電力変換モジュール内の少なくとも、前記入力側スイッチ部および前記出力側スイッチ部に接続され、前記モジュール収納用筐体外において、外線ケーブルと接続される複数のバスバー」に相当する。

(エ)引用発明は,「入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,入力用の電線U,V,Wが」「接続され」るものであって,また,「出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63hに,各々,出力用の電線U,V,Wが」「接続され」るものである。

したがって,引用発明の「接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63」及び「接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63」は,本件発明1の「複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分」に相当する。

さらに,引用発明の「接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の」「複数配置されている」「貫通孔43h,53h,63h」のうち「入力用の電線U,V,W」と接続された位置,「接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の」「複数配置されている」「貫通孔43h,53h,63h」のうち「出力用の電線U,V,W」と接続された位置は,本件発明1の「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置」に相当する。

そして,引用発明では,「貫通孔43h,53h,63hが二次元的に複数配置されており,電線を接続部43,53,63に接続するときに適切な貫通孔43h,53H,63hを選定され,電線と周辺の部材との干渉を回避して接続されている」ものである。

してみると,「入力用の電線U」が接続される「接続導体10Uに接続された端子導体40の平板状の接続部43の貫通孔43h」,「入力用の電線V」が接続される「接続導体10Vに接続された端子導体50の平板状の接続部53の貫通孔53h」,「入力用の電線W」が接続される「接続導体10Wに接続された端子導体60の平板状の接続部63の貫通孔63h」,「出力用の電線U」が接続される「接続導体30Uに接続された端子導体40の平板状の接続部43の貫通孔43h」,「出力用の電線V」が接続される「接続導体30Vに接続された端子導体50の平板状の接続部53の貫通孔53h」,「出力用の電線W」が接続される「接続導体30Wに接続された端子導体60の平板状の接続部63の貫通孔63h」,のそれぞれは,「筐体190の上側または下側から接続され」る「入力用の電線U,V,W」,及び「出力用の電線U,V,W」が引き出される方向から見て,互いにオーバラップしないように選定され接続されているとものと認められる。

したがって,引用発明は,本件発明1の「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置が、前記外線ケーブルが引き出される方向から見て、互いにオーバラップしないように配置され」ることに相当する構成を有するものである。

(オ)そして,引用発明は「接続導体10U,10V,10Wの組と,接続導体30U,30V,30Wの組は,筐体190上下方向の異なった位置に配置され」るものであるから, 「入力用の電線U,V,W」が接続される「接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63h」と,「出力用の電線U,V,W」が接続 される「接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の貫通孔43h,53h,63h」とでは,「入力用の電線U,V,W」及び「出力用の電線U,V,W」が引き出される方向である上下方向において互いに異なる位置に配置されているといえる。

したがって,引用発明は,本件発明1の「複数の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は、前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置され」るに相当する構成を有するものである。

(カ)引用発明の「無停電電源装置100」は,「コンバータ105」と「インバータ107」を含む「機器」,「筐体190」,「接続導体10U,10V,10W」と「接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60」,「接続導体30U,30V,30W」と「接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60」を備えるものであるから,引用発明の「無停電電源装置100」と,本件発明1の「電力変換装置」とは,後記の相違点で相違するものの,“電力変換装置”の点では共通する。

そうすると,本件発明1と引用発明は,以下の点で一致ないし相違する。

(一致点)

「少なくとも,交流電源からの交流電力が入力される入力側スイッチ部と,前記入力側スイッチ部に接続される電力変換部と,前記電力変換部からの交流電力を出力する出力側スイッチ部と,を含む,電力変換モジュールと,
前記電力変換モジュールを収納するモジュール収納用筐体と,
前記モジュール収納用筐体内において,前記電力変換モジュール内の少なくとも,前記入力側スイッチ部および前記出力側スイッチ部に接続され,前記モジュール収納用筐体外において,外線ケーブルと接続される複数のバスバーと,
を備え,
前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される平板状の接続部分のケーブル接続位置が,前記外線ケーブルが引き出される方向から見て,互いにオーバラップしないように配置されており,
複数の前記ケーブル接続位置の少なくとも一部は,前記外線ケーブルが引き出される方向において互いに異なる位置に配置されている,電力変換装置。」

(相違点)

本件発明1では,「前記入力側スイッチング部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組と、前記出力側スイッチ部に接続される前記複数のバスバーの前記平板状の接続部分の組とは、上方から見て、互いにオーバラップしないように配置されている」のに対して,引用発明では,入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組と,出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組とは,上方から見て,互いにオーバラップするように配置されている点。

したがって,本件発明1は引用発明と相違点において相違するものであることから,引用文献1に記載された発明ではない。

イ 本件発明2ないし7

本件発明2ないし7はいずれも請求項1を直接または間接的に引用するものである。したがって,本件発明2ないし7は,本件発明1の発明特定事項をすべて含みさらに他の発明特定事項を追加して限定したものであるから,上記本件発明1についての判断と同様の理由により,本件発明2ないし7は,引用文献1に記載された発明ではない。

ウ 本件発明9

本件発明9は,概ね,本件発明1の「電力変換装置」が,さらに,「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される2以上の平板状の接続部分が収納され、前記外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネット」に備えるものとして限定したものであるから,上記本件発明1についての判断と同様の理由により,本件発明9は,引用文献1に記載された発明ではない。

3 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由等について

(1)申立理由の概要

請求項1ないし9に係る発明は,下記の甲第1号証に記載された発明に基づいて,本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,請求項1-9に係る特許は,特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

記

甲第1号証:特開2016-208601号公報(引用文献1)

(2)甲第1号証の記載事項

甲第1号証の記載事項及び甲第1号証に記載された発明(引用発明)に関しては,上記「2(2)引用文献の記載事項,引用発明」に記載のとおりである。

(3)対比・判断

ア 本件発明1について

本件発明1と甲第1号証に記載された発明を対比すると,上記「2(3)ア 本件発明1について」で記したように,上記相違点で相違する。

相違点に関して検討する。

上記「2(3)アD」で検討したように,引用発明においては,「電線を接続部43,53,63に接続するときに適切な貫通孔43h,53H,63hを選定され,電線と周辺の部材との干渉を回避して接続する」ものであるから,「入力用の電線U」が接続される「接続導体10Uに接続された端子導体40の平板状の接続部43の貫通孔43h」,「入力用の電線V」が接続される「接続導体10Vに接続された端子導体50の平板状の接続部53の貫通孔53h」,「入力用の電線W」が接続される「接続導体10Wに接続された端子導体60の平板状の接続部63の貫通孔63h」,「出力用の電線U」が接続される「接続導体30Uに接続された端子導体40の平板状の接続部43の貫通孔43h」,「出力用の電線V」が接続される「接続導体30Vに接続された端子導体50の平板状の接続部53の貫通孔45h」,「出力用の電線W」が接続される「接続導体30Wに接続された端子導体60の平板状の接続部63の貫通孔63h」,のそれぞれは,「筐体190の上側または下側から接続され」る「入力用の電線U,V,W」,及び「出力用の電線U,V,W」が引き出される方向から見て,互いにオーバラップしないように選定され接続されているものであって,電線同士,電線と周辺部材は干渉していないものと認められる。

してみると,引用発明において,さらに,「入力側である接続導体10U,10V,10Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組」と,「出力側である接続導体30U,30V,30Wに接続された端子導体40,50,60の平板状の接続部43,53,63の組」とを,上方から見て,互いにオーバラップしないように配置する理由が存在しないことから,本件発明1は,甲第1号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

イ 本件発明2ないし8について

本件発明2ないし8はいずれも請求項1を直接または間接的に引用するものである。したがって,本件発明2ないし8は,本件発明1の発明特定事項をすべて含みさらに他の発明特定事項を追加して限定したものであるから,上記本件発明1と同様の理由により,本件発明2ないし8は,甲第1号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

ウ 本件発明9

本件発明9は,概ね,本件発明1の「電力変換装置」が,さらに,「前記複数のバスバーの各々が前記外線ケーブルと接続される2以上の平板状の接続部分が収納され、前記外線ケーブルが引き出されるための外線ケーブル引出口が設けられた外線接続用キャビネット」に備えるものとして限定したものであるから, 上記本件発明1についての判断と同様の理由により,甲第1号証に記載された発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第4 むすび

以上のとおりであるから,取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した異議申立ての理由によっては,本件請求項1ないし9に係る特許を取り消すことはできない。また,他に取り消すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり決定する。

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2021-700099

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