2021-016871
パッチテストキットのネット申込システム
- 審判番号
- 2021-016871
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-190624外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年12月07日
- 審決日
- 2023年07月19日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ソフトブレイン
- 【請求人代理人】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WZ (G06Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 17項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成30年10月9日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年12月11日 手続補正書の提出
令和3年 2月10日付け 拒絶理由通知書
令和3年 5月31日 意見書、手続補正書の提出
令和3年 8月30日付け 拒絶査定
令和3年12月 7日 審判請求書、手続補正書の提出
令和5年 3月30日付け 拒絶理由通知書(以下、この拒絶理由通知
書による拒絶理由を「当審拒絶理由」とい
う。)
令和5年 6月 5日 意見書、手続補正書の提出(以下、この意
見書を「意見書」という。また、この手続
補正書による手続補正を「本件補正」とい
う。)
第2 本願発明
本件補正によって補正された特許請求の範囲の請求項4(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「ネットワークを介して接続された端末装置の利用者がヘアカラーの実施の予約を行う予約システムであって、端末装置からヘアカラー実施の予約申込を受け付ける予約受付手段と、端末装置からパッチテストキットの配送申込を受け付ける配送受付手段と、利用者に対してヘアカラーを実施する際に使用するカラー薬剤の成分名を端末装置に表示する成分名表示手段と、予約申込をした利用日時から所定期間前に、パッチテストを行うことを推奨する表示を端末装置に表示する推奨表示手段とを備える、予約システム。」
第3 拒絶の理由
本願発明(本件補正後の請求項4に係る発明)は、本件補正と同日に提出された意見書に、「補正前の請求項6を、補正前の請求項2~4のそれぞれで限定した請求項を、補正後の請求項2~4として追加しました。」とあるから、本件補正前の請求項6に、本件補正前の請求項4にて特定される事項を付加して限定したものであるといえる。
当審拒絶理由で通知した理由のうち、本件補正前の請求項6に係る発明及び本件補正前の請求項4に係る特定事項に対する、進歩性の拒絶の理由は、概略以下のとおりである。
「1(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。(なお、以下において「引用発明」は、引用文献1に記載された発明である。)(1)本願発明4について引用文献:1~7周知技術3にあるように、「ヘアカラーリングの2日前迄に、パッチテストを行うこと」は、周知の技術であるから、そのための推奨、すなわち、「予約申込をした利用日時から所定期間が経過する前に、パッチテストを行うことを推奨する表示を端末装置に表示する」ようにすることは、当業者が容易になし得ることである。そして、その際に、引用発明が、「予約申込をした利用日時から所定期間前に、パッチテストを行うことを推奨する表示を端末装置に表示する推奨表示手段」を備えるようにすることに格別の困難性は認められない。(当審注:この拒絶の理由は、請求項4の「予約申込をした利用日時から所定期間が経過する前に、パッチテストを行うことを行うことを推奨する表示」の記載は、「予約申込をした利用日時から所定期間前に、パッチテストを行うことを推奨する表示」の誤記であるとして判断した。)(2)本願発明6について引用文献:1~3本願発明6は、引用発明及び引用文献2、3記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。」
すなわち、本件補正前の請求項4及び請求項6に係る発明に対する当審が通知した拒絶理由は、引用文献1に記載された発明を主たる引用発明とし、引用発明及び引用文献2~7に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるというものである。
<引用文献等一覧>
1.毛染めの窓口とは,[online],毛染めの窓口,2018年09月25日,<URL https://web.archive.org/web/20180925080151/http://kezomenomadoguchi.com:80/whatis.php>,[検索日 2023.03.23]
2.トップページ,[online],毛染めの窓口,2018年09月10日,<URL https://web.archive.org/web/20180910220420/http://kezomenomadoguchi.com:80/>,[検索日 2023.03.23]
3.初めての方へ,[online],おうちヘナ エリ,2018年08月14日,<URL https://web.archive.org/web/20180814203919/http://home-henna.com/beginner>,[検索日 2021.02.09]
4.特開2006-154925号公報
5.特開2003-199727号公報
6.皮膚アレルギー試験(パッチテスト)の手順,[online],ヘンケルジャパン株式会社,2018年09月10日,<URL https://web.archive.org/web/20180910075310/https://www.schwarzkopf-henkel.jp/haircolor/patchtest.html>,[検索日 2021.08.30]
7.vol.22 ケミカル講座-「パッチテストの手順」,[online],基礎から学ぶ 髪と頭皮の基礎理論,日華化学株式会社,2018年01月08日,<URL https://web.archive.org/web/20180108122941/http://www.demi.nicca.co.jp/salonsupport/beauty3_detail_22.html>,[検索日 2021.08.30]
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1について
(1)引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)
(ア)
「「毛染めの窓口」とはOUTLINE理美容業界の新たなる革命「ヘアカラー専門店」。「毛染めの窓口」はヘアカラー専門店のリーディングブランドです。」
(イ)
「事前のご予約でお待たせ時間を大幅カット!全店舗で事前のご予約をお願いしており、ご清算後の施術となります。カラー選びおよびカラーリングはプロの美容師が行い、シャンプーを自動洗髪機にてブローをお客様ご自身にてお願いしております。」
(ウ)
「安心、安全例えば、紙を染めに行っても「どこのメーカの・・・」「何という製品名のカラー剤で・・・」染めるのか、製品を確認や説明を受けた消費者がいったいどのくらいいるのだろう?様々なアレルギー反応をお持ちの消費者がいるにもかかわらず、皮膚アレルギー試験(パッチテスト)をおすすめしているお店がどのくらいいるんだろう?」
(エ)
「「毛染めの窓口」では、お客様に使用するヘアカラー剤「プロフィールS(製品名)」の使用説明書(ヘアカラー剤パッケージへの記載事項)や成分表示内容をすべて開示します。」
(オ)
また、背景茶色の白抜き文字で、「店舗一覧を見る >」、「もっと見る >」、「カラー薬剤について >」「成分表示一覧 >」、「TOPへ戻る >」の記載がある。
(2)引用文献1に表示されたURLから、引用文献1は、ドメイン「kezomenomadoguchi.com」のwhatis.phpで表示されるweb上のページ(以下webページという。)であることが見て取れるところ、前記webページは、上記webページを提供するサーバ(以下、「毛染めの窓口サーバ」という。)によって、ネットワークを介してユーザの端末に表示されるものであることは、明らかである。
(3)上記(1)の(ア)の記載によれば、上記webページはヘアカラーのサービスを受けるユーザの端末に提供されるwebページであるといえ、同(イ)の記載によれば、ユーザがヘアカラーのサービスを受けるためには、事前に予約することが前提であることが理解できる。
(4)上記(1)の(エ)の「「毛染めの窓口」では、お客様に使用するヘアカラー剤「プロフィールS(製品名)」の・・・成分表示内容をすべて開示します」及び同(オ)の背景茶色の白抜き文字で、「店舗一覧を見る >」、「もっと見る >」、「カラー薬剤について >」「成分表示一覧 >」、「TOPへ戻る >」の記載(表示の態様)からみて、同(オ)の「成分表示一覧 >」の表記は、上記webページから「成分表示一覧」のwebページに移動するリンクであることが理解できる。
(5)上記(1)~(4)から、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「ドメイン「kezomenomadoguchi.com:80」のwhatis.phpで表示されるwebページを提供するサーバであって、上記webページには「「毛染めの窓口」とはOUTLINE理美容業界の新たなる革命「ヘアカラー専門店」。続きを表示(全11行)「毛染めの窓口」はヘアカラー専門店のリーディングブランドです。」「様々なアレルギー反応をお持ちの消費者がいるにもかかわらず、皮膚アレルギー試験(パッチテスト)をおすすめしているお店がどのくらいいるんだろう?」「「毛染めの窓口」では、お客様に使用するヘアカラー剤「プロフィールS(製品名)」の使用説明書(ヘアカラー剤パッケージへの記載事項)や成分表示内容をすべて開示します。」「成分表示一覧」のwebページに移動するリンク、の表示がなされ、上記webページは、ネットワークを介して、事前に予約することが前提であるヘアカラーのサービスを受けるユーザの端末に表示されるものである、webページを提供する毛染めの窓口サーバ。」
2 引用文献2について
(1)引用文献2には、以下の事項が記載されている。
(ア)
「[図:0001402093000001.jpg]」
(イ)
「「毛染めの窓口」とは?理美容業界の新たなる革命「ヘアカラー専門店」。「毛染めの窓口」はヘアカラー専門店のリーディングブランドです。プロの美容師が高品質のヘアカラー剤で染めてくれるからキレイ!そして安くて早い!続きを表示(全11行)そんな日本全国規模のヘアカラー専門店をネットで予約できるのが「毛染めの窓口」。「毛染めの窓口」加盟店舗は全国に拡大中!こんなところがポイント!・面倒な会員登録は一切不要。パソコン・スマホでお近くの専門店を簡単予約!・全ブランド全店舗で同じヘアカラー剤と色メニューを使用!・加盟店舗であれば、いつでもどこでも同じ色が選べて変わらぬ仕上がり!今後も様々なサービスを配信予定!」
(ウ)その最下行に以下の記載がある。
「[図:0001402093000002.jpg]」
(2)引用文献2に表示されたURLから、引用文献2は、ドメイン「kezomenomadoguchi.com:80」で表示されるwebページであることが見て取れる。
(3)上記(1)の(ア)の記載及び同(イ)の「「毛染めの窓口」加盟店舗は全国に拡大中」の記載からみて、「新規加盟店」の記載以下に表示された「Beauty Color Plus アルカキット錦糸町」、「ビーマイル アルク琴芝店」などの記載は、「毛染めの窓口」の新規加盟の加盟店名を示し、その下に記載された背景ピンクに、白抜き文字で記載された「web予約」及び「白丸にピンク→」からなるボタンは、その上に記載された加盟店に対する予約を行うためのwebページに移動するリンクであることは明らかである。
(4)上記(1)の(ウ)の記載の態様から見て、同(ウ)の「毛染めの窓口とは?」の表示は、「毛染めの窓口とは?」というwebページへのリンクであることは明らかであるから、「毛染めの窓口とは?」というwebページへ移動するためのリンクが表示されているといえる。
(5)上記(1)~(4)から、引用文献2には、以下の事項(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。
「ドメイン「kezomenomadoguchi.com:80」で表示されるwebページに、「「毛染めの窓口」とは?理美容業界の新たなる革命「ヘアカラー専門店」。「毛染めの窓口」はヘアカラー専門店のリーディングブランドです。プロの美容師が高品質のヘアカラー剤で染めてくれるからキレイ!そして安くて早い!続きを表示(全13行)そんな日本全国規模のヘアカラー専門店をネットで予約できるのが「毛染めの窓口」。「毛染めの窓口」加盟店舗は全国に拡大中!こんなところがポイント!・面倒な会員登録は一切不要。パソコン・スマホでお近くの専門店を簡単予約!・全ブランド全店舗で同じヘアカラー剤と色メニューを使用!・加盟店舗であれば、いつでもどこでも同じ色が選べて変わらぬ仕上がり!今後も様々なサービスを配信予定!」を表示すると共に、「毛染めの窓口」の新規加盟の加盟店名と、当該加盟店に対する予約を行うためのwebページに移動するリンク、「毛染めの窓口とは?」へのリンクを配置すること。」
3 引用文献3
(1)引用文献3には、以下の事項が記載されている。
(ア)
「パッチテストは、テスト後2日ほどお肌の様子をみていただきますので、ご予約希望日の2日以上前、パッチテストご送付の場合は1週間以上前にお申込み頂きますようお願い致します。」
(イ)
「パッチテストで少しでも痒みや違和感があった場合は、状況に応じて対応をさせて頂きます。」
(ウ)
「当店は、最新技術を用いてアレルギーを回避(軽減)する方法もございますのでご希望の方にはご案内致します。ご来店までの流れまずはお電話、又はお問合せフォームよりメールでパッチテスト希望とご予約希望日をお伝えください。当店にご来店可能な方は、お越し頂きパッチテストを行います。郵送希望の方は、郵便番号・住所・お名前・お電話番号をお知らせいただきます。(お問い合せフォームよりお申込み下さい)パッチテスト結果終了後、異常がなければご予約確定となります。痒みなど異常がみられた場合は、お問合せフォーム、又はお電話でお知らせ下さい。」
(エ)
「当日はカウンセリングをさせていただきます。頭皮、髪の状態を確認してから、ご希望に合わせたメニューをご提案させて頂きます。体調や気候などにより、塗布したヘナが垂れてくる場合がございますので、お越しの際は汚れても構わないお洋服でご来店下さい。」
(オ)
「【90~120分】ヘナ3回 21,600円(税込)ミックス3回 23,940円(税込)※ロング、毛量の多い方は、3,240円プラス」
(カ)
「お客様の声・・・中 略・・・カラーをヘナ染めに変えてから頭皮のかゆみもなくなり、髪が丈夫になったような感じがします。」
(キ)
[図:0001402093000003.jpg]
(2)引用文献3に表示されたURLから、引用文献3は、ドメイン「home-henna.com/beginner」で表示されるwebページであることが見て取れるところ、前記webページは、上記webページを提供するサーバ(以下、「ヘナ染めサーバ」という。)によって、ネットワークを介してユーザの端末に表示されるものであることは、明らかである。
(3)上記(1)の(オ)、(カ)の記載によれば、引用文献3のwebページは、「ヘナ」なるサービスの利用を希望者するユーザの端末に表示されるものであり、上記「ヘナ」なるサービスは、髪をヘナ染めするサービスであることがみて取れる。
(4)上記(1)の(ウ)の記載によれば、「ヘナ」なるサービスを受けるためには、
(i) お電話、又はお問合せフォームよりメールでパッチテスト希望とご予約希望日を伝え、
(ii) 当店にご来店可能な方は、お越し頂きパッチテストを行い、郵送希望の方は、郵便番号・住所・お名前・お電話番号を知らせ、
(iii) パッチテスト結果終了後、異常がなければご予約確定となる
手順が必要であることが理解できる。
(5)上記(1)の(ウ)「まずはお電話、又はお問合せフォームよりメールでパッチテスト希望とご予約希望日をお伝えください」及び同(キ)の記載からみて、モスグリーン背景の「メールでご予約・お問合せ」のボタンは、「パッチテスト希望と予約希望日」などを伝えるためのメールの問合せフォームを立ち上げるためのリンクボタンであることは明らかである。
(6)以上の記載によれば、引用文献3には、以下の技術事項が記載されている。
「髪をヘナ染めするサービスの利用を希望者するユーザの端末に表示されるwebページであって、上記サービスを受けるためには、(i) お電話、又はお問合せフォームよりメールでパッチテスト希望とご予約希望日を伝え、(ii) 当店にご来店可能な方は、お越し頂きパッチテストを行い、郵送希望の方は、郵便番号・住所・お名前・お電話番号を知らせ、続きを表示(全14行)(iii) パッチテスト結果終了後、異常がなければご予約確定となる手順が必要であり、上記webページには、「パッチテストは、テスト後2日ほどお肌の様子をみていただきますので、ご予約希望日の2日以上前、パッチテストご送付の場合は1週間以上前にお申込み頂きますようお願い致します。」「「パッチテスト希望と予約希望日」などを伝えるためのメールの問合せフォームを立ち上げるためのリンクボタン」を表示するwebページをユーザの端末に表示させるヘナ染めサーバ。」
4 引用文献7
引用文献7には、以下の事項が記載されている。
「美容師の皆様へ」
「基礎から学ぶ髪と頭皮の基礎理論」
「vol.22 ケミカル講座 ― 「パッチテストの手順」」
「ヘアカラーリングの2日前(48時間前)には、次の手順に従って毎回必ず皮膚試験(パッチテスト)を行ってください。パッチテストは染毛剤にかぶれる体質か否かを調べるテストです。過去に異常がなく何度も染毛していた方でも、体質の変化でかぶれる場合もありますので、毎回必ず行ってください。」
第5 対比
本願発明と引用発明を対比すると、以下のとおりとなる。
1 引用発明の「毛染めの窓口サーバ」が提供するwebページは、「ネットワークを介して、事前に予約することが前提であるヘアカラーのサービスを受けるユーザの端末に表示される」のであるから、ネットワークを介して接続された端末装置の利用者がヘアカラーの実施を行うための表示がなされているといえ、上記webページを提供する「毛染めの窓口サーバ」は、様々な処理を行う点で「システム」と称しても良いことは明らかである。
以上のことから、引用発明の前記webページを提供する「毛染めの窓口サーバ」と、本願発明の「ネットワークを介して接続された端末装置の利用者がヘアカラーの実施の予約を行う予約システム」とは、「ネットワークを介して接続された端末装置の利用者がヘアカラーの実施を行うためのシステム」である点で共通する。
2 引用発明のwebページには、「「毛染めの窓口」では、お客様に使用するヘアカラー剤「プロフィールS(製品名)」の使用説明書(ヘアカラー剤パッケージへの記載事項)や成分表示内容をすべて開示します。」の記載があり、「成分表示一覧」のwebページに移動するリンクの表示があることから、上記リンクに対して操作を行い「成分表示一覧」のwebページに移動すれば、お客様に使用するヘアカラー剤の成分内容の全てが、ユーザの端末に一覧表示されることが理解でき、毛染めの窓口サーバは、上記表示がなされるような処理をしているといえる。
引用発明の「毛染めの窓口サーバ」は、お客様に使用するヘアカラー剤の成分内容の全てが、ユーザの端末に一覧表示される処理を行っているから、引用発明は当該処理を実施するための「お客様に使用するヘアカラー剤の成分名を端末装置に表示する成分名表示手段」を当然備えていることは明かである。
そして、上記「お客様に使用するヘアカラー剤」は、本願発明の「利用者に対してヘアカラーを実施する際に使用するカラー薬剤」に相当することは明らかであるから、引用発明が当然備える「お客様に使用するヘアカラー剤の成分名を端末装置に表示する成分名表示手段」は、本願発明の「利用者に対してヘアカラーを実施する際に使用するカラー薬剤の成分名を端末装置に表示する成分名表示手段」に相当する。
3 まとめ(一致点・相違点)
そうすると、本願発明と引用発明とは、次の点で一致し、また相違する。
[一致点]
「ネットワークを介して接続された端末装置の利用者がヘアカラーの実施を行うためのシステムであって、利用者に対してヘアカラーを実施する際に使用するカラー薬剤の成分名を端末装置に表示する成分名表示手段を備える、システム。」
[相違点1]
本願発明は、「ネットワークを介して接続された端末装置の利用者がヘアカラーの実施の予約を行う予約システム」であるのに対して、引用発明は「ネットワークを介して接続された端末装置の利用者がヘアカラーの実施を行うためのシステム」とはいえるものの、利用者がヘアカラーの実施の予約を行うシステムであることについて特定がされていない点。
[相違点2]
本願発明は、「端末装置からヘアカラー実施の予約申込を受け付ける予約受付手段」を備えているのに対して、引用発明は対応する特定がされていない点。
[相違点3]
本願発明は、「端末装置からパッチテストキットの配送申込を受け付ける配送受付手段」を備えているのに対して、引用発明は対応する特定がされていない点。
[相違点4]
本願発明は、「予約申込をした利用日時から所定期間前に、パッチテストを行うことを推奨する表示を端末装置に表示する推奨表示手段」を備えているのに対して、引用発明は対応する特定がされていない点。
第6 判断
上記相違点について、判断する。
1 相違点1、2について
引用発明の「毛染めの窓口サーバ」が提供するwebページは、「ネットワークを介して、事前に予約することが前提であるヘアカラーのサービスを受けるユーザの端末に表示されるものである」。そして、引用文献2には引用発明と同一のドメイン(「kezomenomadoguchi.com」)のweb上のページに、「プロの美容師が高品質のヘアカラー剤で染めてくれる」「ヘアカラー専門店」へのweb予約をするためのリンクが設けられていることから、引用発明の「毛染めの窓口サーバ」が、「プロの美容師が高品質のヘアカラー剤で染めてくれる」「ヘアカラー専門店」へのweb予約をするためのリンクを備え、このweb予約を受け付ける手段を設けるようにすること、すなわち、相違点2に係る本願発明の「端末装置からヘアカラー実施の予約申込を受け付ける予約受付手段」を設けるようにすることは、当業者が容易になし得たものである。
その際に、引用発明は、「ネットワークを介して接続された端末装置の利用者がヘアカラーの実施の予約を行う」ことが可能となるから、引用発明のシステムを「ネットワークを介して接続された端末装置の利用者がヘアカラーの実施の予約を行うシステム」と呼ぶことに格別の困難性は認められない。
2 相違点3、4について
(1)まず、相違点4の「予約申込をした利用日時から所定期間前に、パッチテストを行うこと推奨する表示」について検討する。
当該表示について発明の詳細な説明には格別の記載はない。一方、本願図面には以下のア、イの記載がある。
ア 【図5】には、「「毛染めの窓口」加盟店ご利用の2日前(48時間前)には、毎回必ずパッチテストを行う事をお勧めしています。」
イ 【図13】には、「ヘアカラー予定日の2日前(48時間前)までにパッチテストを行ってください。」
そして、令和3年5月31日に提出された意見書によると、本願発明の「推奨表示手段」により端末装置に表示される、「予約申込をした利用日時から所定期間前に、パッチテストを行うこと推奨する表示」は、上記【図5】及び【図13】の記載に対応するといえる。
(2)引用発明では、「毛染めの窓口サーバ」が提供するwebページに「様々なアレルギー反応をお持ちの消費者がいるにもかかわらず、皮膚アレルギー試験(パッチテスト)をおすすめしているお店がどのくらいいるんだろう?」と表記されている。当該記載によれば、ヘアカラーを行う際に、皮膚アレルギー試験(パッチテスト)を行うことが望ましいことが示唆されているといえる。
また、引用文献7の「美容師の皆様へ」、「パッチテストは染毛剤にかぶれる体質か否かを調べるテストです。過去に異常がなく何度も染毛していた方でも、体質の変化でかぶれる場合もありますので、毎回必ず行ってください。」の記載からみて、ヘアカラーサービスを行う美容師などは、ヘアカラーサービスを受けるユーザに対して、パッチテストを必ず行うようにすることが普通であったといえるところ、引用発明は、引用発明が提供するwebページを介して、ユーザにヘアカラーサービスを提供しようとするものであり、そこには、パッチテストを行うことが望ましいことが示唆されているから、当該webページを見てヘアカラーサービスを受けようとするユーザに対して、パッチテストを受けることを推奨し、推奨する以上は当該パッチテストを受けることを簡便にするための手段をwebページに用意することは当業者が普通に想定できたことである。
一方、引用発明と同様、webページを利用してヘアカラーのサービスを利用するユーザに対して情報を提供するサーバにおいて、ヘアカラーサービスの予約に加えパッチテストの希望を受け付け、上記パッチテストの希望を受け付ける時に、郵送希望を可能とし、パッチテストの送付を可能とするために、サーバに「「パッチテスト希望と予約希望日」などを伝えるためのメールの問合せフォームを立ち上げるためのリンクボタン」を表示させる表示手段を設けること、及びパッチテストの希望を受け付けることに関連して「パッチテストは、テスト後2日ほどお肌の様子をみていただきますので、ご予約希望日の2日以上前、パッチテストご送付の場合は1週間以上前にお申込み頂きますようお願い致します。」などの表示を行う表示手段を設けることは、いずれも引用文献3に記載されている。
上記引用文献3に記載された「上記パッチテストの希望を受け付ける時に、郵送希望を可能とし、パッチテストの送付を可能とするために、サーバに「「パッチテスト希望と予約希望日」などを伝えるためのメールの問合せフォームを立ち上げるためのリンクボタン」を表示させる表示手段は、当該手段を介して、パッチテストキットの配送を受け付けているから、上記相違点3の構成に相当するものである。
また、同パッチテストの希望を受け付けることに関連して「「パッチテストは、テスト後2日ほどお肌の様子をみていただきますので、ご予約希望日の2日以上前、パッチテストご送付の場合は1週間以上前にお申込み頂きますようお願い致します。」などの表示を行う表示手段」は、その表示の内容からみて、上記(1)イの記載と同義の表示を行う表示手段といえる。
以上の点を総合的に判断すると、引用発明に、引用文献3に記載されたヘアカラーのサービスを受ける際のパッチテストに関する技術を適用し、相違点3、相違点4の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
3 そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2、3、7に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
4 したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2、3、7に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
5 請求人の主張について
(1)請求人は、意見書の(C)(エ)において、本願発明について、
ア 「引用文献1において引用文献3を適用する際に、「端末装置からパッチテストキットの配送申込を受け付ける配送受付手段」を備えるようにしたうえで、「予約申込をした利用日時から所定期間前に、パッチテストを行うことを推奨する表示を端末装置に表示する推奨表示手段」を備えるようにすることは、引用文献1に基づいて2つの段階を経て「推奨表示手段」に至ることであると言えます。そのため、請求項4に係る発明について、引用文献1に基づいて、前記「配送受付手段」及び前記「推奨表示手段」を備える構成とすることは、格別な努力を要するものといえ、容易に想到するものであるとは言えません。」とし、
イ さらに、「引用文献1において引用文献3を適用し、「端末装置からパッチテストキットの配送申込を受け付ける配送受付手段」を備えるようにした際に、前記「推奨表示手段」を備えるようにするための動機付けや示唆も、引用文献1には存在しません。」
と主張する。
(2)検討するに、そもそも、引用発明の毛染めの窓口サーバにより提供されるwebページは、毛染めに関心があるユーザ向けのものといえる。そして、毛染めを実施する際には、引用発明、引用文献3、引用文献7のとおり、アレルギーなどに気をつけるようにパッチテストを行うことは周知の事項であったといえるから、毛染めに関心があるユーザに対して、毛染めの際にパッチテストを受けることを推奨し、推奨する以上は、当該パッチテストを受けることを簡便にするための手段をwebページに用意することは、当業者が普通に想定し得たことである。
そして、引用文献3には、上記パッチテストの希望を受け付ける時に、郵送希望を可能とし、パッチテストの送付を可能とするために、サーバに「「パッチテスト希望と予約希望日」などを伝えるためのメールの問合せフォームを立ち上げるためのリンクボタン」を表示させる表示手段(相違点3の構成に相当)、「「パッチテストは、テスト後2日ほどお肌の様子をみていただきますので、ご予約希望日の2日以上前、パッチテストご送付の場合は1週間以上前にお申込み頂きますようお願い致します。」などの表示を行う表示手段」(相違点4の構成に相当)を共に設けることが記載されているのであるから、引用発明に引用文献3に記載された技術事項を適用し、相違点3、相違点4の構成とすることは当業者が容易になし得たことであり、請求人の主張を採用することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-016871