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特許拒絶査定不服審判

2024-015364

情報表示装置、情報表示システム

審判番号
2024-015364
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-123472
請求日
2024年09月25日
審決日
2026年05月28日
公報発行日
2026年08月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ホームネットカーズ株式会社
  • 【請求人代理人】友野 英三
審判長/審判官
  • 審判長 松田 直也
  • 審判官 古川 哲也
  • 審判官 木方 庸輔
分類
P18 .121-WZ (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-123472「情報表示装置、情報表示システム」拒絶査定不服審判事件〔令和4年2月10日出願公開、特開2022-27602〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和3年7月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年12月11日付け 拒絶理由通知書 令和6年 4月17日 意見書、手続補正書の提出 令和6年 6月20日付け 拒絶査定 令和6年 9月25日 審判請求書、手続補正書の提出 令和8年 1月 8日付け 拒絶理由通知書 令和8年 3月16日 意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明(本願発明の認定) 本願の請求項1~17に係る発明は、令和8年3月16日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~17に記載された以下のとおりのものと認められるところ、その請求項12(補正前の請求項15に対応、以下「本願発明12」という。)は、以下のとおりのものである。 「 【請求項12】 -外部との情報の送受信を可能とする配信サーバ通信インターフェース部と、 -配信すべき情報を記憶することができる配信サーバ記憶部と、 -外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した情報をそのままあるいは、選択した、あるいは、編集した配信情報として前記配信サーバ記憶部に記憶し、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の情報表示装置からの要求によって前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報表示装置に配信するように制御する配信サーバ制御部と を有し、前記車両に関連する施設に設けられる前記情報表示装置と接続されることを特徴とする配信サーバ。」(原文ママ) 第3 当審における拒絶理由の概要 当審における令和8年1月8日付け拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は、次のとおりである。 2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 ●理由2(特許法第29条第2項) ・請求項15~17について 引用文献3 <引用文献等一覧> 3.特開2015-56063号公報 第4 引用文献3と引用発明 1 引用文献3の記載事項 本件特許出願前である平成27年3月23日に出願公開された引用文献3には、図面とともに次事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、車両のナンバープレートに表示された自動車識別情報に基づいて車両、商品又はサービス等の情報を提供する情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。」 「【発明を実施するための形態】 【0019】 以下本発明を実施の形態1に係る図面に基づいて詳述する。(略) 実施の形態1 図1は情報処理システムの概要を示す模式図である。図1に示す情報処理システムは、端末装置1、カメラ2、情報処理装置3、サーバ装置4、WEBサーバ5、情報端末6(情報端末装置)を備える。端末装置1、情報処理装置3、サーバ装置4、WEBサーバ5、情報端末6はインターネット、LAN(Local Area Network)または携帯電話網等の通信網Nにより相互に接続されている。 【0020】 以下では情報処理システムの概要を説明する。カメラ2はガソリンスタンド又はサービスステーション等の給油取扱所に入店した車両に搭載されたナンバープレート(標識板)を撮像するための撮像装置であり、(略) 【0021】 (略)端末装置1はカメラ2から送信された画像を受信した場合、受信した画像を解析することにより自動車登録番号を特定する。(略)端末装置1は特定した自動車登録番号及びレーン番号を情報処理装置3に送信する。」 「【0029】 図3は情報処理装置3のハードウェア群を示すブロック図である。図3に示すように情報処理装置3はCPU31、記憶部32(商品記憶部)、通信部33、入力部34、表示部35及び計時部36を備える。CPU31は、バスを介してハードウェア各部と接続されている。記憶部32には、CPU31が処理を行う際に必要とする種々のデータ及びCPU31が実行する制御プログラム32a(プログラム)、車両情報DB32b、対応情報DB32c、推奨日DB32d及び推奨情報DB32eが記憶されている。通信部33は、例えば無線LANカード又は携帯電話用通信モジュール等であり、通信網Nを介して各種情報を例えばHTML(Hyper Text Markup Language)形式のテキストデータをメールにより情報端末6に送信する。また通信部33は情報処理装置3から各種情報の一部のみを送信してもよい。またCPU31は自動車登録番号をCSV形式のテキストデータにより通信部33を介してサーバ装置4に送信する。」 「【0031】 図4は車両情報DB32bのレコードレイアウトを示す説明図である。車両情報DB32bは自動車登録番号、レーン番号、車両の部品の状態及び交換を必要とする車両の部品であるか否か等を含む点検情報、車両に行われた車検に関する車検情報等を含む車両情報を記憶するデータベースである。車検とは、道路運送車両法により義務付けられている検査である。図4に示すように、車両情報DB32bは、自動車登録番号列、車種列、レーン番号列、車検日列、登録日列、前回来店時間列、前回来店日列、点検日列、タイヤ前左列、タイヤ前左点検列、メッセージ列及びお奨め提案列等を備える。」 「【0042】 図7は推奨情報DB32eのレコードレイアウトを示す説明図である。推奨情報DB32eとは自動車登録番号と車両情報に基づいて推奨する商品又はサービスを示す推奨情報とを対応づけたデータベースである。図7に示すように、推奨情報DB32eは、自動車登録番号列、カテゴリ名列、購入推奨日列、NG点検列、お奨め提案列、メッセージ列、交換推奨列及び基本サービス列等を備える。」 「【0052】 図11は情報端末6のハードウェア群を示すブロック図である。図11に示すように情報端末6はCPU61、記憶部62、通信部63、入力部64、表示部65(情報表示部)、計時部66を備える。CPU61は、バスを介してハードウェア各部と接続されている。記憶部62には、CPU61が処理を行う際に必要とする種々のデータ、CPU61が実行する制御プログラム62a、車両情報DB62b、推奨情報DB62c及び点検情報DB62dが記憶されている。通信部63は例えば無線LANカード又は携帯電話用通信モジュール等であり、通信網Nを介して情報処理装置3との間で情報の送受信を行う。通信部63は情報処理装置3から車両情報及び推奨情報をHTML形式のテキストデータにより受信する。CPU61は通信部63で受信した車両情報及び推奨情報を車両情報DB62b及び推奨情報DB62cに記憶する。なお、CPU61は車両情報DB62b及び推奨情報DB62cを参照する際に、毎回情報処理装置3に送信要求を行い、情報処理装置3から車両情報及び推奨情報を受信してもよい。また通信部63は情報処理装置3から車両情報及び推奨情報の一部のみを受信してもよい。」 「【図22】 [図:0001437835000001.jpg] 」 「【図23】 [図:0001437835000002.jpg] 」 「【0109】 図21、図22、図23、図24は情報処理システムの手順の一例を示すフローチャートである。CPU11はカメラ2からレーン番号及び画像が通信部13で受信されたか否かを判定する(ステップS1)。CPU11はカメラ2からレーン番号及び画像が通信部13で受信されなかったと判定した場合(S1:NO)、レーン番号及び画像を受信するまで待機する。 【0110】 CPU11はカメラ2からレーン番号及び画像が通信部13で受信されたと判定した場合(S1:YES)、受信した画像を解析することにより自動車登録番号を特定する(ステップS2)。CPU11は受信したレーン番号及び特定した自動車登録番号を通信部13で情報処理装置3に送信する(ステップS3)。」 「【0112】 CPU31は受信した自動車登録番号が車両情報DB32bに記憶されていると判定した場合(S6:NO)、対応情報DB32cを参照する(ステップS7)。CPU31は対応情報に基づいて車両情報を生成する(ステップS8)。CPU31は受信した自動車登録番号が車両情報DB32bに記憶されていないと判定した場合(S6:YES)、自動車登録番号をサーバ装置4に通信部33で送信する(ステップS9)。 【0113】 サーバ装置4のCPU41は自動車登録番号を通信部43で受信する(ステップS10)。CPU41は自動車登録番号に基づいてWEBサーバ5に車検情報の送信を通信部43で要求する(ステップS11)。 【0114】 WEBサーバ5のCPU51は車検情報の送信要求を通信部53に受信する(ステップS12)。CPU51は車検情報を通信部53で送信する(ステップS13)。 【0115】 サーバ装置4のCPU41は車検情報を通信部43で受信する(ステップS14)。CPU41は車検情報を車検情報DB42bに記憶する(ステップS15)。CPU41は車検情報を通信部43で送信する(ステップS16)。 【0116】 情報処理装置3のCPU31は車検情報を通信部33で受信する(ステップS17)。CPU31はレーン番号及び車検情報に基づいて車両情報を生成する(ステップS18)。CPU31は車両情報を車両情報DB32bに記憶する(ステップS19)。CPU31は推奨情報生成処理を行う(ステップS20)。」 「【0125】 図23に移り、CPU31は車両情報及び推奨情報を情報端末6に通信部33で送信する(ステップS21)。」 「【0133】 CPU61は入力された自動車登録番号を情報処理装置3に通信部63で送信する(ステップS28)。情報処理装置3のCPU31は通信部63で送信された自動車登録番号を通信部33で受信し(ステップS29)、処理をS10に移す。一方、ステップS29の処理を終えたCPU61は車番検索画面620又はレーン情報画面610で車両情報の選択を受け付ける(ステップS30)。」 「【0142】 実施の形態2 以下本発明の実施の形態2をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。 図29は実施の形態2に係る情報処理システムの一構成例を示すブロック図である。以下、特に説明する構成、作用以外の構成及び作用は実施の形態1と同等であり、簡潔のため記載を省略する。 【0143】 実施の形態2に係る情報処理システムはさらに携帯端末7(情報端末装置)及びプリンタ8を備える。携帯端末7は情報処理装置3が提供するサービスの情報を受信する装置である。携帯端末7は例えばタブレット型の情報端末又はノートPC等であり、情報端末6の画面より大きい7~10インチの画面を有している。情報端末6より大きければこのサイズに限るものではない。携帯端末7は消防法による制限により給油取扱所においては給油装置から離隔した室内に設置されている。なお、携帯端末7は駐車場又はインターチェンジにおいては室外に設置してもよい。(略)」 「【0153】 図34は携帯端末7のハードウェア群を示すブロック図である。図34に示すように携帯端末7はCPU71、記憶部72、通信部73、入力部74及び表示部75(表示処理部)を備える。CPU71は、バスを介してハードウェア各部と接続されている。記憶部72には、CPU71が処理を行う際に必要とする種々のデータ、CPU71が実行する制御プログラム72a、車両情報DB72b、商品情報DB72c、商品推奨情報DB72d及び受注情報DB72eが記憶されている。通信部73は例えば無線LANカード又は携帯電話用通信モジュール等であり、通信網Nを介して情報装置3との間で情報の送受信を行う。表示部75は表示部65の画面より大きい画面を有する液晶ディスプレイ(画面)又は有機ELディスプレイである。その他、各部の詳細は端末装置1と実質的に同一であるため詳細な説明は省略する。」 「【0190】 図47、図48及び図49は実施の形態2に係る情報処理システムの手順の一例を示すフローチャートである。S1からS20の処理は上述の実施の形態1に係る情報処理システムと同様であるので、簡潔のため説明を省略する。」 「【0193】 CPU31は車両情報、推奨情報及び商品推奨情報を携帯端末7に通信部33で送信する(ステップS103)。携帯端末7のCPU71は車両情報、推奨情報及び商品推奨情報を通信部73で受信する(ステップS104)。 【0194】 CPU71は受注受付ボタン701又はカーケアボタン704をタップしたか否かを判定する(ステップS105)。CPU71は受注受付ボタン701又はカーケアボタン704をタップしなかったと判定した場合(S105:NO)、受注受付ボタン701又はカーケアボタン704をタップするまで待機する。CPU71は受注受付ボタン701又はカーケアボタン704をタップしたと判定した場合(S105:YES)、車両情報の選択を受け付ける(ステップS106)。CPU71は商品選択欄743でカテゴリの選択を受け付ける(ステップS107)。CPU71は選択されたカテゴリの商品推奨情報を推奨情報画面440に表示する(ステップS108)。 【0195】 CPU71は商品情報の選択を受け付ける(ステップS109)。CPU71は選択された商品情報を受注DB72eに記憶する(ステップS110)。CPU71は精算ボタン705をタップしたか否かを判定する(ステップS111)。CPU71は精算ボタンをタップしなかったと判定した場合(S111:NO)、S106に処理を移す。CPU71は精算ボタンをタップしたと判定した場合(S111:YES)、受注情報を情報処理装置3に通信部73で送信する(ステップS112)。 【0196】 情報処理装置3のCPU31は受注情報を通信部33で受信する(ステップS113)。CPU31は受注情報に基づいて車両情報を更新する(ステップS114)。一方、ステップS112の処理を終えたCPU71は処理をS115に移す。CPU71は精算画面790の画像データをプリンタ8に通信部73で送信する(ステップS115)。プリンタ8のCPU81は精算画面790の画像データを通信部83で受信する(ステップS116)。CPU81は印刷部86で精算画面790の画像を印刷し(ステップS117)、処理を終了する。 【0197】 本実施の形態のCPU31は自動車識別情報及び商品情報を携帯端末7に通信部33で送信する。このことにより、携帯端末7は自動車識別情報と商品情報とを表示部75に対応づけて表示し、容易に車両を所有するユーザに提案をすることができる。」 2 引用文献3に記載されているといえる事項 上記1の【0113】の「サーバ装置4のCPU41は自動車登録番号を通信部43で受信する(ステップS10)」について、上記【0112】、【0133】、【図22】、【図23】を勘案すると、引用文献3には、「CPU61は入力された自動車登録番号を情報処理装置3に通信部63で送信する」と、「サーバ装置4のCPU41は情報処理装置3から自動車登録番号を通信部43で受信する」ことが記載されているといえる。 3 引用文献3に記載された発明 上記1及び2から、引用文献3には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。なお、記載の末尾の括弧内に根拠となる段落番号を記載し、上記2で検討した「引用文献3に記載されているといえる事項」については「上記2」と記載した。 (引用発明) 「 情報処理装置3、サーバ装置4、情報端末6、携帯端末7を備える情報処理システムにおける情報処理装置3であって、(【0019】、【0142】、【0143】) 情報処理装置3は、CPU31、記憶部32、通信部33を備え、(【0029】) 記憶部32には、車両情報DB32b、推奨情報DB32eが記憶され、(【0029】) 車両情報DB32bは、自動車登録番号列、車種列、レーン番号列、車検日列、登録日列、前回来店時間列、前回来店日列、点検日列、タイヤ前左列、タイヤ前左点検列、メッセージ列及びお奨め提案列等を備える車両情報を記憶するデータベースであり、(【0031】) 推奨情報DB32eとは自動車登録番号と車両情報に基づいて推奨する商品又はサービスを示す推奨情報とを対応づけたデータベースであり、(【0042】) 情報端末6は情報表示部を備え、情報処理装置3に送信要求を行い、情報処理装置3から車両情報及び推奨情報を受信し、(【0052】) 情報端末6は入力された自動車登録番号を情報処理装置3に通信部63で送信し、(【0133】) 情報処理装置3は通信部63で送信された自動車登録番号を通信部33で受信し、(【0133】) サーバ装置4は情報処理装置3から自動車登録番号を通信部43で受信し、(上記2) サーバ装置4は車検情報を通信部43で送信し、(【0115】) 情報処理装置3は車検情報を通信部33で受信し、車検情報に基づいて車両情報、推奨情報生成処理を行い、(【0116】) 情報処理装置3は車両情報及び推奨情報を情報端末6に通信部33で送信し、(【0125】) 携帯端末7は、情報処理装置3が提供するサービスの情報を受信する装置であって、給油取扱所においては給油装置から離隔して設置され、(【0143】) 携帯端末7は、CPU71、記憶部72、通信部73及び表示部75を備え、通信部73は、情報処理装置3との間で情報の送受信を行い、(【0153】) 携帯端末7は、受注情報を情報処理装置3に通信部73で送信し、(【0195】) 情報処理装置3は、受注情報を通信部33で受信し、(【0196】) 情報処理装置3は、自動車識別情報及び商品情報を携帯端末7に通信部33で送信し、(【0197】) 携帯端末7は自動車識別情報と商品情報とを表示部75に表示する(【0197】) 情報処理装置3。」 第5 進歩性についての当審の判断 1 対比 以下、本願発明12と引用発明を対比する。 (1) 「配信サーバ」について 引用発明の「情報処理装置3」は、情報端末6から受信した自動車登録番号に基づいて、情報端末6に車両情報及び推奨情報を送信する点で、後述する相違点は別にして、本願発明12の「サーバ装置」に相当する。 (2) 「外部との情報の送受信を可能とする配信サーバ通信インターフェース部」について 引用発明の情報処理装置3における「通信部33」は、「サーバ装置4」と情報の送受信を行う点で、本願発明12における「外部との情報の送受信を可能とする配信サーバ通信インターフェース部」に相当する。 (3) 「配信すべき情報を記憶することができる配信サーバ記憶部」について 引用発明の情報処理装置3の、情報端末6に送信する車両情報及び推奨情報を記憶する「車両情報DB32b」、「推奨情報DB32e」は、本願発明12における「配信すべき情報を記憶することができる配信サーバ記憶部」に相当する。 (4) 「外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した情報をそのままあるいは、選択した、あるいは、編集した配信情報として前記配信サーバ記憶部に記憶し、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の情報表示装置からの要求によって前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報表示装置に配信するように制御する配信サーバ制御部」について ア 引用発明の、情報処理装置3が車検情報を通信部33で受信し、車検情報に基づいて車両情報、推奨情報生成処理を生成することは、上記(3)のとおり、車両情報、推奨情報を「車両情報DB32b」、「推奨情報DB32e」に記憶する点で、本願発明12の「外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した情報をそのままあるいは、選択した、あるいは、編集した配信情報として前記配信サーバ記憶部に記憶」することと、「外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した情報を編集した配信情報として前記配信サーバ記憶部に記憶」する点で共通する。 他方、本願発明12は、外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した情報を「そのままあるいは、選択した」配信情報として前記配信サーバ記憶部に記憶するのに対して、引用発明は、受信した車検情報を「そのままあるいは、選択した」配信情報として記憶しているか定かではない点で相違する。 イ 引用発明の「情報端末6は入力された自動車登録番号を情報処理装置3に通信部63で送信し」、「情報処理装置3は車両情報及び推奨情報を情報端末6に通信部33で送信」するものであるから、引用発明の「入力された自動車登録番号を情報処理装置3に通信部63で送信」することは、本願発明12の「要求」することに相当する。 そうすると、引用発明の「情報端末6は入力された自動車登録番号を情報処理装置3に通信部63で送信し」、「情報処理装置3は車両情報及び推奨情報を情報端末6に通信部33で送信」することは、本願発明12の「請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の情報表示装置からの要求によって前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報表示装置に配信する」ことと、「情報要求端末からの要求によって前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報要求端末に配信する」点で共通する。 他方、本願発明12の「情報表示装置」は「請求項1から4のうちのいずれか1項に記載」のものであるのに対して、引用発明の「情報端末6」は「請求項1から4のうちのいずれか1項に記載」のものでない点で相違する。 ウ そうすると、引用発明の情報処理装置3のCPU31によって、上記ア、イの機能が実現されていることは明らかであるから、引用発明の「CPU31」は、本願発明12の「外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した情報をそのままあるいは、選択した、あるいは、編集した配信情報として前記配信サーバ記憶部に記憶し、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の情報表示装置からの要求によって前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報表示装置に配信するように制御する配信サーバ制御部」と、「外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した情報を編集した配信情報として前記配信サーバ記憶部に記憶し、情報要求端末からの要求によって前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報要求端末に配信するように制御する配信サーバ制御部」との点で共通し、上記ア、イにおいて「相違する」とした点で相違する。 (5) 「前記車両に関連する施設に設けられる前記情報表示装置と接続されること」について 引用発明の「情報端末6は入力された自動車登録番号を情報処理装置3に通信部63で送信し」、「情報処理装置3は車両情報及び推奨情報を情報端末6に通信部33で送信」するものであるから、情報端末6と情報処理装置は接続されている。そうすると、引用発明の「情報端末6と情報処理装置は接続されている」ことは、上記(4)イを踏まえると、本願発明12の「前記車両に関連する施設に設けられる前記情報表示装置と接続されること」と「前記情報要求端末と接続されること」との点で共通する。 他方、本願発明12の「情報表示装置」は「前記車両に関連する施設に設けられる」のに対して、引用発明の「情報端末6」は「前記車両に関連する施設に設けられる」か定かではない点で相違し、さらに、本願発明12と引用発明とは、上記(4)イの「相違する」とした点で相違する。 (6) 上記(1)~(5)のとおりであるから、本願発明12と引用発明との間の一致点及び相違点は次のとおりである。 <一致点> 外部との情報の送受信を可能とする配信サーバ通信インターフェース部と、 配信すべき情報を記憶することができる配信サーバ記憶部と、 外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した情報を編集した配信情報として前記配信サーバ記憶部に記憶し、情報要求端末からの要求によって前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報要求端末に配信するように制御する配信サーバ制御部と、 を有し、前記情報要求端末と接続される 配信サーバ。 <相違点> (相違点1) 本願発明12は、外部から前記配信サーバ通信インターフェース部を介して取得した情報を「そのままあるいは、選択した」配信情報として前記配信サーバ記憶部に記憶するのに対して、引用発明は、受信した車検情報を「そのままあるいは、選択した」配信情報として記憶しているか定かではない点。 (相違点2) 本願発明12の「情報表示装置」は「請求項1から4のうちのいずれか1項に記載」のものであるのに対して、引用発明の「情報端末6」は、「請求項1から4のうちのいずれか1項に記載」のものでない点。 (相違点3) 本願発明12の「情報表示装置」は「前記車両に関連する施設に設けられる」のに対して、引用発明の「情報端末6」は、「前記車両に関連する施設に設けられる」か定かではない点。 2 相違点についての判断 (1) 相違点1について 本願発明12は、「…取得した情報をそのままあるいは、選択した、あるいは、編集した配信情報…」とあるとおり、取得した情報を「そのまま」記憶するか、「選択した」配信情報として記憶するか、編集した配信情報として記憶するかは選択的事項であるから、上記1(4)アを踏まえると、取得した情報を「そのままあるいは、選択した」配信情報として記憶する点について検討するまでもなく、相違点1は実質的な相違点ではない。 他方、配信サーバ記憶部に記憶される情報を、取得した情報を「そのままあるいは、選択した」配信情報として記憶することは、当該情報の要求元の情報表示装置の利用態様によって決定することのできる設計的事項にすぎないことから、当該相違点1に係る構成とすることは、当業者が適宜なし得た事項にすぎない。 (2) 相違点2について ア 本願発明12は「配信サーバ」の発明であるものの、その構成要件である「請求項1から4のうちいずれか1項に記載の情報表示装置」は、「配信サーバ」との技術的な関係はなく、情報処理装置は「外部」から情報が提供されることが特定されるのみで、情報表示装置は、配信サーバの機能、性質、特性等を特定するものではないことから、「情報表示装置」が「請求項1から4のうちいずれか1項に記載」であることは、「配信サーバ」を特定するための意味を有しない。 イ すなわち、本願発明12の配信サーバが情報表示装置からの要求によって記情報表示装置に配信するものは、外部から取得した情報をそのままあるいは、選択した、あるいは、編集した配信情報として配信サーバ記憶部に記憶したものである。 この点、本願の発明の詳細な説明には、次のとおりの記載がある。 「【0134】 図1は、本発明の一実施形態に係る情報表示システムの構成図であり、図5は本発明の一実施形態に係る情報表示システムの配信サーバの構成図である。 【0135】 情報表示システム100は、複数の施設に設置される情報表示装置1と、情報表示装置1の通信インターフェース部50と接続され、情報表示装置1に情報を提供する配信サーバ110とを有する。 【0136】 配信サーバ110は、複数の情報表示装置1に対して1個所設置することが好適であるが、複数の配信サーバ101を連携するように設けてもよい。 【0137】 配信サーバ110は、外部との情報の送受信を可能とする配信サーバ通信インターフェース部111、配信すべき情報を記憶することができる配信サーバ記憶部112、配信サーバへの入力を実行する配信サーバ入力部113、配信サーバ110からの出力を実行する配信サーバ出力部114、配信サーバ110における情報の表示を行う配信サーバ表示部115、上記各部を接続し配信サーバ110全体を制御する配信サーバ制御部116を有する。 【0138】 これらのハードウエア構成は、一般的なサーバ用のコンピュータ機器を用いればよいが、特に高性能を必要とする部分については専用機器を用いてもよい。また、それらの機器は1個所に設置される場合のほか、クラウドコンピューティングとして分散して設置されてもよい。 【0139】 配信サーバ通信インターフェース部111は各施設の情報表示装置1の通信インターフェース部50と接続されて、情報の送受信を行う。 【0140】 更に、配信サーバ110の外部に、配信サーバ通信インターフェース部111に接続される各種のデータベースがある。 【0141】 代表的なものとしては、自動車検査登録情報協会の保有する自動車登録番号データベースDB1、軽自動車検査協会の保有する軽自動車登録番号データベースDB2、あるいは、各社の車両カタログを集約した車両カタログデータベースDB3があり、その他にも車両に関連する情報のデータベースがあり、それらに接続するようにしてもよい。 【0142】 特に、自動車登録番号データベースDB1、軽自動車登録番号データベースDB2からは、自動車登録番号によって、車名、型式、登録年月日、排気量、車検証交付日などの情報を入手することができる。 【0143】 また、車両カタログデータベースDB3には、登録された車両について、グレード、スペック、タイヤサイズ、交換部品・部材の適合型番などの情報が入手できる。 【0144】 これらのデータベースから入手した情報は、配信サーバ記憶部112に記憶されるほか、配信サーバ通信インターフェース部111を介して、情報を必要としている施設の情報表示装置1の表示装置記憶部30へも転送し、記憶させることができる。」 ウ このように、本願の発明の詳細な説明の記載を参照すると、配信サーバは、外部から入手した情報を記憶し、記憶した情報を、情報表示装置に転送することが記載されているものの、情報表示装置への情報の転送処理によって、配信サーバの性質又は特性を特定するものでないことは明らかである。 エ このため、本願の発明の詳細な説明の記載を参照しても、本願発明12の「請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の情報表示装置」からの要求によって、配信サーバの機能、性質、特性等を特定するものではないことは明らかである。なお、配信サーバの「情報表示装置に配信する」機能は、情報を提供するサーバであれば当然有している機能であって、この機能は、「情報表示装置」からの要求によって特徴付けられるものでないことは明らかである。 そうすると、「情報表示装置」に関する事項が配信サーバの発明を特定するための意味を有しないことは明らかである。 オ したがって、相違点2に係る構成は、実質的な相違点ではない。 (3) 相違点3について 引用発明において、「情報処理システム」は、「給油取扱所においては給油装置から離隔して設置され」、「表示部75」を備える「携帯端末7」を備える。 そして、情報処理システムの「情報処理装置3は、自動車識別情報及び商品情報を携帯端末7に通信部33で送信」し、「携帯端末7は自動車識別情報と商品情報とを表示部75に表示する」ことを踏まえると、引用発明の「情報端末6」に代えて「携帯端末7」とすることで、相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものである。 (4) 効果について そして、本願発明12は、上記相違点1~3に係る構成することで、格別顕著な作用効果を奏するものではない(効果について、「車両に関連する施設に設けられる情報表示装置として第1の態様に示されたものに限定せず、どのような情報表示装置であってもよいとしたものであり、配信サーバを広汎に利用することができる。」(本願の段落【0066】参照。)。 3 審判請求人の主張 (1) 請求人の主張の概要 審判請求人は、令和8年3月16日に意見書を提出して、本願発明12について、意見書において以下のように述べている。 「上記に述べた補正により、補正後請求項12-17は、各々、補正後請求項1を直接もしくは間接的に引用する従属項であるから、補正後請求項1に係る発明特定事項をすべて備えております。したがって、補正後請求項12-17に対しても、補正後請求項1についての上記(C)(b)(あ)に係る議論を援用することができます。よって、補正後請求項12-17についての進歩性の拒絶の理由は解消されたものと思料いたします。」 (2) 請求の主張に対する判断 審判請求人の上記主張は、当審拒絶理由に対して、補正後の請求項12(当審拒絶理由の請求項15に相当)が進歩性を有するとの直接の主張ではない。 なお、請求項12の「請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の情報表示装置からの要求によって前記配信サーバ通信インターフェース部を介して前記情報表示装置に配信する」との構成は、上記2(2)で述べたとおり、「情報表示装置」に関する事項が「配信サーバ」の発明を特定するための意味を有しないものである。 4 小括 よって、本願発明12は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 結論 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-015364

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