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特許拒絶査定不服審判

2021-005940

端末、及び信号受信方法

審判番号
2021-005940
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-203122外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年05月10日
審決日
2022年07月25日
公報発行日
2022年10月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (H04W)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2016-203122「端末、及び信号受信方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年4月19日出願公開、特開2018-64252〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 13項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成28年10月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和2年 5月13日付け 拒絶理由通知書

令和2年 7月20日 意見書及び手続補正書の提出

令和2年 9月16日付け 拒絶理由通知書(最後)

令和2年11月24日 意見書の提出

令和3年 2月 4日付け 拒絶査定

令和3年 5月10日 審判請求書及び手続補正書の提出

令和3年10月20日 上申書の提出

令和4年 1月26日付け 拒絶理由通知書(当審)

令和4年 4月 4日 意見書及び手続補正書の提出

第2 本願発明

本願の請求項1及び2に係る発明は、令和4年4月4日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「 【請求項1】
基地局から、能力の異なるどの端末でも使用できる帯域幅の複数の制御チャネル領域を示す情報を取得する取得部と、
前記複数の制御チャネル領域のそれぞれを、前記複数の制御チャネル領域のそれぞれで別個の、前記基地局から通知された期間においてモニタすることで、制御情報を受信する受信部と、
を有する端末。」

第3 拒絶の理由

令和4年1月26日付けの拒絶理由通知書で通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)のうちの理由3(進歩性)の概要は次のとおりである。

この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・請求項1及び2に対して、引用文献1及び2

引用文献等一覧

1.特開2013-239782号公報

2.国際公開第2016/047729号

第4 引用文献、引用発明及び技術的事項

1 引用文献1について

当審拒絶理由で引用され、本願出願日前に公開された引用文献1(特開2013-239782号公報)には、図面とともに以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)

(1)「【0030】
MTC端末は、上述したように、上り及び下りリンクで対応可能な帯域幅が、LTE端末がサポートする帯域幅(例えば、20MHz)と比較して、より狭い帯域幅に制限されている。つまり、第2の周波数帯域はMTC端末及びLTE端末が利用可能であり、第2の周波数帯域以外の第1の周波数帯域はMTC端末が利用できずLTE端末のみが利用可能となっている。なお、図5では、第2の周波数帯域が第1の周波数帯域内に含まれる場合を示しているが、これに限られない。」
(2)「【0034】
このように、第2の周波数帯域の両端に配置された拡張PDCCHを配置することにより、共通制御信号を第2の周波数帯域の両端にマッピングすることができるため、周波数ダイバーシチ効果を得ることができる。もちろん、拡張PDCCHの割当て単位は1PRBペアに限られない。また、通信環境に応じて拡張PDCCHの割当て単位を動的に変化させることも可能である。」
(3)「【0043】
(第2の態様)
上述したように、Rel.11以降のフレーム構成として、サブフレームの先頭から所定のOFDMシンボル(最大3OFDMシンボル)までの既存PDCCHを持たないニューキャリアタイプ(Extension carrierタイプ)が検討されている(図3C参照)。そこで、第2の態様では、LTE端末及び/又はMTC端末に対して、Extension carrierタイプを適用する場合について説明する。
【0044】
続きを表示(全15行)
図6Aは、Extension carrierタイプが適用されるサブフレーム構成の一例である。図6Aに示すフレーム構成では、基地局装置が、第2の周波数帯域の所定の周波数領域において、サブフレームの先頭から最終シンボルまでに亘って拡張下り制御チャネルを割当てる場合を示している。
【0045】
MTC端末の初期接続処理時には、基地局装置が、第2の周波数帯域の所定の周波数領域(例えば、PRB)に拡張PDCCHを配置すると共に、拡張PDCCHの共通サーチスペース(Common SS)にMTC端末間で共有する共通制御信号をマッピングする。例えば、MTC端末は、拡張PDCCHのブラインド復号により得られた共通制御情報に基づいて、PDSCHに割当てられたシステム情報(例えば、SIB)を受信することができる。
【0046】
一方で、Extension carrierタイプを適用する場合(キャリアアグリゲーション適用時にPCellで適用する場合)、LTE端末も拡張PDCCHを用いて初期接続処理を行う必要がある。したがって、LTE端末の初期接続処理時にも、MTC端末と同様に、拡張PDCCHの共通サーチスペースに割当てられた共通制御信号に基づいて、PDSCHに割当てられたシステム情報(例えば、SIB)等を受信することができる。
【0047】
また、第2の周波数帯域に配置する拡張PDCCHの位置としては、例えば、周波数軸方向において、第2の周波数帯域の両端に拡張PDCCHを配置する構成(図6A参照)とすることができる。また、上記図5Bに示すように、周波数軸方向において、第2の周波数帯域の複数の周波数領域に拡張PDCCHを分散して配置する構成とすることもできる。
【0048】
上述したように、初期接続処理時において、LTE端末及びMTC端末は、拡張PDCCHの共通サーチスペースをブラインド復号することにより得られる共通制御信号に基づいて、PDSCHに割当てられたシステム情報(例えば、SIB)等を受信する。この際、LTE端末とMTC端末に送信されるシステム情報が共通する場合には、図6Aに示すように、LTE端末とMTC端末は、拡張PDCCH(拡張PDCCHの共通サーチスペース)を共有することができる。これにより、無線リソースの利用効率を向上することができる。
【0049】
なお、第2の周波数帯域に配置された拡張PDCCHを利用して初期接続処理を行う場合、LTE端末及びMTC端末は、拡張PDCCHが配置されるリソースの位置(例えば、拡張PDCCHの共通サーチスペース)を把握する必要がある。そのため、基地局装置が、拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置に関する情報を報知信号に含めて、物理報知チャネル(PBCH)を介してLTE端末及びMTC端末に通知する構成とすることができる。」

(4)図6Aとして以下の図が記載されている。

「
[図:0001388803000001.jpg]
」

引用文献1の上記記載、及び無線通信分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。

ア 上記「(3)」の段落【0049】の「基地局装置が、拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置に関する情報を報知信号に含めて、物理報知チャネル(PBCH)を介してLTE端末及びMTC端末に通知する」との記載によれば、引用文献1には、基地局装置が、拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置に関する情報をMTC端末に通知することが記載されている。そうすると、MTC端末は、基地局装置から、拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置に関する情報を取得することは明らかである。

そして、拡張PDCCHは、上記「(2)」の「第2の周波数帯域の両端に配置された拡張PDCCHを配置することにより」との記載、上記「(3)」の段落【0047】の「第2の周波数帯域に配置する拡張PDCCHの位置としては、例えば、周波数軸方向において、第2の周波数帯域の両端に拡張PDCCHを配置する構成(図6A参照)とすることができる。」との記載、及び上記「(4)」の図6Aの記載によれば、第2の周波数帯域の両端に配置されることが記載されている。

また、第2の周波数帯域は、上記「(1)」の「第2の周波数帯域はMTC端末及びLTE端末が利用可能であり」との記載によれば、MTC端末及びLTE端末が利用可能である。

さらに、MTC端末は、上記「(1)」の「MTC端末は、上述したように、上り及び下りリンクで対応可能な帯域幅が、LTE端末がサポートする帯域幅(例えば、20MHz)と比較して、より狭い帯域幅に制限されている。」との記載によれば、上り及び下りリンクで対応可能な帯域幅がLTE端末より狭いものである。

加えて、上記「(2)」の「第2の周波数帯域の両端に配置された拡張PDCCHを配置することにより、共通制御信号を第2の周波数帯域の両端にマッピングすることができるため、周波数ダイバーシチ効果を得ることができる。」との記載によれば、拡張PDCCHが第2の周波数帯域の両端に配置されるようにすることで、周波数ダイバーシチ効果を得ることができる。

したがって、引用文献1には、基地局装置から、MTC端末及びLTE端末が利用可能である第2の周波数帯域の両端に配置される拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置に関する情報を取得し、前記MTC端末は、上り及び下りリンクで対応可能な帯域幅が前記LTE端末より狭いものであり、前記拡張PDCCHが前記第2の周波数帯域の両端に配置されるようにすることで、周波数ダイバーシチ効果を得ることができる、MTC端末が記載されているといえる。

イ 上記「(3)」の【0045】の「MTC端末は、拡張PDCCHのブラインド復号により得られた共通制御情報に基づいて、PDSCHに割当てられたシステム情報(例えば、SIB)を受信することができる。」との記載によれば、MTC端末は、拡張PDCCHをブラインド復号することで、共通制御情報を得るものである。

したがって、上記「ア」及び「イ」を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「基地局装置から、MTC端末及びLTE端末が利用可能である第2の周波数帯域の両端に配置される拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置に関する情報を取得し、前記MTC端末は、上り及び下りリンクで対応可能な帯域幅が前記LTE端末より狭いものであり、前記拡張PDCCHが前記第2の周波数帯域の両端に配置されるようにすることで、周波数ダイバーシチ効果を得ることができ、
前記拡張PDCCHをブラインド復号することで、共通制御情報を得る、
MTC端末。」

2 引用文献2について

当審拒絶理由で引用され、本願出願日前に公開された引用文献2(国際公開第2016/047729号)には、図面とともに以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)

(1)「[0015] ところで、ユーザ端末がシステム帯域幅のうち制限された狭帯域幅で通信を行う場合、当該狭帯域幅を周波数軸方向においてどのように配置するかが問題となる。図1は、帯域幅が制限されたユーザ端末で用いられる狭帯域幅の割り当ての一例を示す図である。例えば、周波数軸方向において狭帯域幅の位置を固定(例えば、システム帯域幅の中心周波数に固定)して通信を行うことが考えられる(図1A参照)。この場合、予め利用する狭帯域幅が決定されているため、ユーザ端末における送受信制御の負荷は小さいが、周波数ダイバーシチ効果が得られないため、周波数利用効率が低下するおそれがある。
[0016] 本発明者らは、ユーザ端末が通信に利用する狭帯域幅を所定タイミングで変更することにより、周波数ダイバーシチ効果が得られる(図1B参照)ことを着想した。また、本発明者らは、データ信号の割り当てについて、従来のLTEシステムにおけるリソース割り当て用の制御チャネル情報(DCI)を用いると、当該DCIはシステム帯域幅全体にリソースをマッピングできるよう設計されていることから、シグナリングオーバヘッドが大きいことが問題となる点に着眼した。
[0017] 当該着眼点に基づいて、本発明者らは、LTEにおいてデータ信号や制御信号の送信に狭帯域幅を用いる場合であっても、これらの信号に対する周波数ダイバーシチ効果を好適に得るリソース割り当て及びその手順について検討し、本発明を見出した。本発明によれば、周波数利用効率を向上させることができる。また、データ信号の割り当てに係るDCIのオーバヘッド量を低減することができる。
[0018] 以下、添付図面を参照して、各態様について具体的な実施形態とともに詳細に説明する。なお、以下では、ユーザ端末として低コストMTC端末を仮定するが、これに限られない。また、周波数位置は、狭帯域幅の周波数リソースを示し、例えば、狭帯域幅を構成する中心周波数、帯域幅などで表されてもよい。」
(2)「[0031] (第2の態様:EPDCCH)
第2の態様は、システム情報を取得しRRC接続(RRC_connection)を確立した後の、物理下り制御チャネルの割り当て方法について説明する。本態様では、ユーザ端末は物理下り制御チャネルを、狭帯域幅を用いて受信する必要があるため、既存のPDCCHではなく、PDSCHと周波数分割多重される拡張PDCCH(EPDCCH)を利用する。このように、EPDCCHを利用することにより、ユーザ端末が当該EPDCCHをモニターする帯域幅を、所定の帯域幅(例えば、1.4MHz)以内に制限することができる。
[0032] 第2の態様では、EPDCCHの周波数位置を、RRCシグナリングで通知する。例えば、所定の時間周期単位で、周波数位置を通知してもよい。一例としては、サブフレーム(SF:Subframe)#0ではサブバンド(SB:Subband)#5、SF#1ではSB#1、SF#2ではSB#10、…、のように、複数のサブフレーム単位で、まとめて周波数位置を通知してもよい。なお、サブフレームに対応付ける周波数帯域はサブバンドに限られず、所定の周波数位置に割り当てられる所定の帯域幅であればよい。あるいは、予めサブフレーム番号と所定の周波数帯域(例えば、サブバンド)を関連付けて定義しておいてもよい。
[0033] 図4は、第2の態様における、EPDCCHの割り当ての一例を示す図である。EPDCCHが割り当てられる周波数位置は、サブフレーム毎にホッピングされている。
[0034] EPDCCHの周波数位置の通知は、例えばサブフレーム毎にEPDCCHを割り当てる無線リソース位置を示したビットマップや、割り当て無線リソースの開始位置や、割り当て無線リソースのRB数を含んでもよい。なお、上記周波数位置の通知は、RRCシグナリングに限られない。例えば、第1の態様で述べたPBCH、SIB-X、SIB-YなどにEPDCCHの周波数位置に関する情報が含まれてもよい。
[0035] なお、EPDCCHをモニターする周波数位置は、サーチスペースとよばれてもよい。第2の態様で割り当てる(設定する)サーチスペースは、複数のユーザ端末に共通の共通サーチスペース(common search space)であってもよいし、ユーザ端末ごとに異なるユーザ端末固有のサーチスペース(UE-specific search space)であってもよい。また、共通サーチスペースとユーザ端末固有サーチスペースは、異なるサブフレームに割り当てられる構成としてもよい。
[0036] 共通サーチスペースが割り当てられるサブフレーム及びユーザ端末固有サーチスペースが割り当てられるサブフレームは、予め決定されていてもよいし、無線基地局から上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)、報知情報(例えば、SIB-X)によってユーザ端末に通知されてもよい。例えば、共通サーチスペースは偶数サブフレーム(サブフレーム#0、#2、…)に割り当て、ユーザ端末固有サーチスペースは奇数サブフレーム(サブフレーム#1、#3、…)に割り当てるようにしてもよい。
[0037] また、各サーチスペースを割り当てるタイミング(サーチスペースを割り当てる周期、サブフレームインデックス、オフセットなど)も、RRCシグナリングでユーザ端末に通知されてもよい。」

(3)図4として以下の図が記載されている。

「
[図:0001388803000002.jpg]
」

引用文献2の上記記載、及び無線通信分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。

ア 上記「(1)」の段落[0016]の「本発明者らは、ユーザ端末が通信に利用する狭帯域幅を所定タイミングで変更することにより、周波数ダイバーシチ効果が得られる(図1B参照)ことを着想した。」との記載、及び上記「(1)」の段落[0018]の「以下では、ユーザ端末として低コストMTC端末を仮定する」との記載によれば、引用文献2には、ユーザ端末が通信に利用する狭帯域幅を所定タイミングで変更することにより、周波数ダイバーシチ効果を得る、低コストMTC端末であるユーザ端末が記載されている。

イ 上記「(2)」の段落[0031]の「本態様では、ユーザ端末は物理下り制御チャネルを、狭帯域幅を用いて受信する必要があるため、既存のPDCCHではなく、PDSCHと周波数分割多重される拡張PDCCH(EPDCCH)を利用する。」との記載によれば、ユーザ端末は、拡張PDCCH(EPDCCH)を利用するものである。

そして、上記「(2)」の段落[0033]の「EPDCCHが割り当てられる周波数位置は、サブフレーム毎にホッピングされている。」との記載、及び上記「(3)」の図4の記載によれば、EPDCCH、すなわち拡張PDCCHが割り当てられる周波数位置は、サブフレーム毎にホッピングされている。

したがって、ユーザ端末が利用する拡張PDCCHが割り当てられる周波数位置は、サブフレーム毎にホッピングされている。

ウ 上記「(2)」の段落[0036]の「共通サーチスペースが割り当てられるサブフレーム及びユーザ端末固有サーチスペースが割り当てられるサブフレームは、・・・(中略)・・・無線基地局から上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)・・・(中略)・・・によってユーザ端末に通知されてもよい。」との記載、及び上記「(2)」の段落[0037]の「各サーチスペースを割り当てるタイミング(サーチスペースを割り当てる周期、サブフレームインデックス、オフセットなど)も、RRCシグナリングでユーザ端末に通知されてもよい。」との記載によれば、共通サーチスペースが割り当てられるサブフレーム及びユーザ端末固有サーチスペースが割り当てられるサブフレーム、並びに各サーチスペースを割り当てるタイミングが、無線基地局からRRCシグナリングでユーザ端末に通知される。

ここで、サーチスペースは、上記「(2)」の段落[0035]の「EPDCCHをモニターする周波数位置は、サーチスペースとよばれてもよい。」との記載によれば、EPDCCH、すなわち拡張PDCCHをモニターする周波数位置である。

したがって、拡張PDCCHをモニターする周波数位置である各サーチスペースを割り当てるタイミングが、無線基地局からユーザ端末に通知されるものである。

また、上記「(2)」の段落[0031]の「ユーザ端末が当該EPDCCHをモニターする」との記載によれば、ユーザ端末は、EPDCCH、すなわち拡張PDCCHをモニターするものである。そして、ユーザ端末は、拡張PDCCHをモニターする周波数位置である各サーチスペースを割り当てるタイミングが無線基地局から通知されるから、ユーザ端末による拡張PDCCHのモニターは、無線基地局から通知された、拡張PDCCHをモニターする周波数位置である各サーチスペースを割り当てるタイミングにおいて行われることは明らかである。

以上のことから、ユーザ端末は、無線基地局からユーザ端末に通知された、拡張PDCCHをモニタする周波数位置である各サーチスペースを割り当てるタイミングにおいて前記拡張PDCCHをモニターするものである。

したがって、上記「ア」ないし「ウ」を総合すると、引用文献2には、次の技術的事項が記載されていると認められる。

「ユーザ端末が通信に利用する狭帯域幅を所定タイミングで変更することにより、周波数ダイバーシチ効果を得る、低コストMTC端末であるユーザ端末において、
ユーザ端末が利用する拡張PDCCHが割り当てられる周波数位置は、サブフレーム毎にホッピングされており、無線基地局からユーザ端末に通知された、前記拡張PDCCHをモニターする周波数位置である各サーチスペースを割り当てるタイミングにおいて前記拡張PDCCHをモニターすること。」

第5 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

1 引用発明の「基地局装置」は、本願発明の「基地局」に相当する。

2 引用発明の「MTC端末及びLTE端末が利用可能である第2の周波数帯域の両端に配置される拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置」に関して、次のことがいえる。

引用発明の「拡張PDCCH」は、制御チャネルの一種であることが技術常識であるから、本願発明の「制御チャネル」に含まれる。また、引用発明の「拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置」は、無線通信リソースの中で拡張PDCCHに割り当てられた領域を意味することが技術常識であるから、本願発明の「制御チャネル領域」に含まれる。

また、引用発明では「前記MTC端末は、上り及び下りリンクで対応可能な帯域幅が前記LTE端末より狭い」ものであるから、MTC端末及びLTE端末の能力は異なるといえる。そうすると、「MTC端末及びLTE端末が利用可能である第2の周波数帯域」の帯域幅は、能力の異なるMTC端末及びLTE端末が利用可能な帯域幅であるいえる。そして、引用発明の「拡張PDCCH」は、「MTC端末及びLTE端末が利用可能である第2の周波数帯域」に配置されるものであるから、引用発明の「拡張PDCCH」の帯域幅も、能力の異なるMTC端末及びLTE端末が利用可能な帯域幅であるといえる。ここで、引用発明では、MTC端末及びLTE端末以外の端末がないから、能力の異なるMTC端末及びLTE端末が利用可能な帯域幅は、能力の異なるどの端末でも利用可能な帯域幅であるといえる。したがって、引用発明の「MTC端末及びLTE端末が利用可能である第2の周波数帯域」「に配置される拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置」は、本願発明の「能力の異なるどの端末でも使用できる帯域幅の」「制御チャネル領域」に含まれる。

さらに、引用発明の「拡張PDCCH」は、「第2の周波数帯域」の「両端」に配置されるものであるから、複数配置されているといえる。したがって、引用発明の「MTC端末及びLTE端末が利用可能である第2の周波数帯域の両端に配置される拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置」は、本願発明の「能力の異なるどの端末でも使用できる帯域幅の複数の制御チャネル領域」に含まれる。

3 上記「2」で説示したように、引用発明の「MTC端末及びLTE端末が利用可能である第2の周波数帯域の両端に配置される拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置」は、本願発明の「能力の異なるどの端末でも使用できる帯域幅の複数の制御チャネル領域」に含まれるから、引用発明の「拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置に関する情報」は、本願発明の「制御チャネル領域を示す情報」に含まれる。

そして、上記「1」で説示した相当関係を踏まえると、引用発明の「基地局装置から、」「拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置に関する情報を取得」することは、本願発明の「基地局から、」「制御チャネル領域を示す情報を取得する」ことに含まれる。

また、引用発明は「拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置に関する情報を取得」することから、当該情報を取得するための取得部を有することは明らかである。

以上のことから、引用発明の「基地局装置から、MTC端末及びLTE端末が利用可能である第2の周波数帯域の両端に配置される拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置に関する情報を取得し、前記MTC端末は、上り及び下りリンクで対応可能な帯域幅が前記LTE端末より狭いものであり」ということは、本願発明の「基地局から、能力の異なるどの端末でも使用できる帯域幅の複数の制御チャネル領域を示す情報を取得する取得部」に含まれる。

4 引用発明において「前記拡張PDCCHをブラインド復号すること」は、ブラインド復号の際に、拡張PDCCHが割当てられるリソースの領域全体をモニタすることが技術常識であること、引用発明の「拡張PDCCH」が「第2の周波数帯域の両端に配置される」ことを勘案すると、本願発明の「前記複数の制御チャネル領域のそれぞれを」「モニタすること」に含まれる。

また、引用発明における「共通制御情報」は、本願発明の「制御情報」に含まれ、引用発明において「共通制御情報を得る」ことは、「拡張PDCCHをブラインド復号することで共通制御情報を得る」ものであるから、共通制御情報を受信することを含むことは明らかであり、本願発明の「制御情報を受信する」ことに含まれる。

そして、上述したように、引用発明は、共通制御情報を受信することを含むことは明らかであるから、当該共通制御情報を受信するための受信部を有することは明らかである。

以上のことから、引用発明の「前記拡張PDCCHをブラインド復号することで、共通制御情報を得る」ことは、本願発明の「前記複数の制御チャネル領域のそれぞれを」「モニタすることで、制御情報を受信する受信部」に含まれる。

5 引用発明の「MTC端末」は、端末の一種であるから、本願発明の「端末」に含まれる。

そして、上記「3」で説示した関係も考慮すると、引用発明の「MTC端末」が「基地局装置から、MTC端末及びLTE端末が利用可能である第2の周波数帯域の両端に配置される拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置に関する情報を取得し、前記MTC端末は、上り及び下りリンクで対応可能な帯域幅が前記LTE端末より狭いものであり」ということは、本願発明の「端末」が「基地局から、能力の異なるどの端末でも使用できる帯域幅の複数の制御チャネル領域を示す情報を取得する取得部」「を有する」ことに含まれる。

また、上記「4」で説示した関係も考慮すると、引用発明の「MTC端末」が「前記拡張PDCCHをブラインド復号することで、共通制御情報を得る」ことは、本願発明の「端末」が「前記複数の制御チャネル領域のそれぞれを」「モニタすることで、制御情報を受信する受信部」「を有する」ことに含まれる。

したがって、上記「1」ないし「5」を総合すれば、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。

<一致点>

「基地局から、能力の異なるどの端末でも使用できる帯域幅の複数の制御チャネル領域を示す情報を取得する取得部と、
前記複数の制御チャネル領域のそれぞれを、モニタすることで、制御情報を受信する受信部と、
を有する端末。」

<相違点>

複数の制御チャネル領域のそれぞれを、モニタすることが、本願発明においては「前記複数の制御チャネル領域のそれぞれで別個の、前記基地局から通知された期間において」行われるのに対して、引用発明においてはそのような特定がなされていない点。

第6 判断

1 上記相違点について

上記「第4」の「2」で説示したとおり、引用文献2には「ユーザ端末が通信に利用する狭帯域幅を所定タイミングで変更することにより、周波数ダイバーシチ効果を得る、低コストMTC端末であるユーザ端末において、ユーザ端末が利用する拡張PDCCHが割り当てられる周波数位置は、サブフレーム毎にホッピングされており、無線基地局からユーザ端末に通知された、前記拡張PDCCHをモニターする周波数位置である各サーチスペースを割り当てるタイミングにおいて前記拡張PDCCHをモニターすること。」という技術的事項が記載されている。

そして、引用発明と引用文献2に記載された技術的事項は、いずれも、MTC端末において、拡張PDCCHを、周波数ダイバーシチ効果を得ることができるように配置し、当該拡張PDCCHが割当てられるリソースの位置に関する情報を基地局から取得するものである点で共通するから、引用発明において、周波数ダイバーシチ効果を得ることのできる拡張PDCCHの配置手法として、第2の周波数帯域の両端に配置する手法を用いることに代えて、引用文献2に記載された技術的事項のように、割り当てられる周波数位置がサブフレーム毎にホッピングされるようにする手法を用いるようにし、それに伴って、引用文献2に記載された技術的事項のように、無線基地局からMTC端末に通知された、拡張PDCCHをモニターする周波数位置である各サーチスペースを割り当てるタイミングにおいて拡張PDCCHをモニターするようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

2 審判請求人の主張について

審判請求人は、令和4年4月4日付け意見書において「引用文献1に記載された発明と請求項1に係る発明(本発明)とを対比すると、引用文献1には、少なくとも、請求項1における「前記複数の制御チャネル領域のそれぞれを、前記複数の制御チャネル領域のそれぞれで別個の、前記基地局から通知された期間においてモニタすることで、制御情報を受信する」が記載も示唆もされていない点で両者間には大きな相違点があります。当該相違点に係る事項は引用文献2にも記載・示唆されていません。引用文献1、2に示唆のない構成を備える本発明が進歩性を有することは明らかであると考えます。」と主張している。

しかしながら、上記主張で相違点とされている、請求項1における「前記複数の制御チャネル領域のそれぞれを、前記複数の制御チャネル領域のそれぞれで別個の、前記基地局から通知された期間においてモニタすることで、制御情報を受信する」のうちの「前記複数の制御チャネル領域のそれぞれを」「モニタすることで、制御情報を受信する」という発明特定事項は、上記「第5」で説示したように、引用文献1に記載されており、相違点ではない。また、請求項1における「前記複数の制御チャネル領域のそれぞれを」「モニタすること」が「前記複数の制御チャネル領域のそれぞれで別個の、前記基地局から通知された期間において」行われるという発明特定事項は、引用文献2に記載されており、上記「第6」で説示したように、引用文献2に記載された技術的事項を引用発明に適用することにより、当業者が容易に想到し得たことである。

したがって、請求項1に係る発明が進歩性を有するとはいえず、審判請求人の上記主張を採用することはできない。

第7 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-005940

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