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特許拒絶査定不服審判

2021-003623

光書込装置及び画像形成装置

審判番号
2021-003623
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-043376外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年03月19日
審決日
2022年03月22日
公報発行日
2022年04月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (B41J) / P18 .537-WY (B41J)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条6項1号特許法36条6項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017- 43376「光書込装置及び画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 9月20日出願公開、特開2018-144401、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成29年3月8日を出願日とする出願であって、令和2年10月22日付けで拒絶理由が通知され、同年12月25日に手続補正書及び意見書が提出され、同年12月28日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対し、令和3年3月19日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、同年10月26日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年12月8日に手続補正書及び意見書が提出されたものである。 第2 本願発明 1.本願発明の内容 本願の請求項1乃至5に係る発明(以下、「本願発明1」乃至「本願発明5」という。)は、令和3年12月8日に提出された手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1乃至5に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 複数の発光素子をグループ化した発光素子群を複数配置した発光基板と、 複数の結像レンズを含んで構成され、前記発光素子から出射された光を像担持体上に集光させるレンズアレイと、 を備える光書込装置において、 前記発光素子は、OLEDであり、 前記発光素子群は、前記発光素子が、主走査方向及び副走査方向の二次元状に並べられて配置され、 前記発光素子群内の発光素子は、当該発光素子を主走査方向の直線上に射影した際、前記主走査方向に等間隔に配置され、 前記発光素子群の各々は、それぞれ対応する前記結像レンズと正対するように配置され、 前記発光素子群内の発光素子は、発光タイミングごとにチャネルとしてグループ化され、 前記チャネル内の発光素子の重心は、前記主走査方向と平行な直線上に並んでおり、 前記チャネル内の発光素子の重心を結ぶ直線を重心線としたとき、隣接する前記重心線の前記副走査方向の間隔は、前記副走査方向の解像度で決まる間隔の整数倍を前記結像レンズの倍率で割ったものに決定され、 前記発光素子群内の発光素子のうち前記主走査方向に最も離れた2つの発光素子をそれぞれ第1発光素子及び第2発光素子とし、前記結像レンズの重心点を前記発光基板上に射影した点をレンズ重心点としたとき、 前記第1発光素子又は前記第2発光素子は、前記発光素子群内の発光素子のうち最も前記レンズ重心点から離れた位置に配置され、 前記発光素子群内のチャネル数は4又は5であり、 前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、前記チャネルのうち、最も前記レンズ重心点に近く、発光素子数が奇数であるチャネル内に配置されており、 前記チャネルが前記レンズ重心点から遠ざかるにつれて、当該チャネル内の発光素子数が少なくなることを特徴とする光書込装置。 【請求項2】 前記発光素子は、面積光源であり、 前記レンズ重心点を通る前記主走査方向と平行な直線をレンズ重心線とし、前記発光素子の重心点から当該発光素子の発光領域の前記副走査方向端部までの距離を発光距離としたとき、 前記第1発光素子及び前記第2発光素子を含むチャネルの重心線と前記レンズ重心線との間隔は、前記発光距離よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の光書込装置。 【請求項3】 前記第1発光素子及び前記第2発光素子を含むチャネルの重心線と前記レンズ重心線とが一致していることを特徴とする請求項2に記載の光書込装置。 【請求項4】 前記発光素子群内のチャネル数は、5であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の光書込装置。 【請求項5】 像担持体と、 前記像担持体を帯電させる帯電部と、 前記帯電部により帯電された前記像担持体に対して光を照射することで前記像担持体上に静電潜像を形成する請求項1~4のいずれか一項に記載の光書込装置と、 前記光を照射された前記像担持体に現像剤を供給することで前記静電潜像を現像剤による像に顕像化する現像部と、 前記現像剤による像を用紙に転写する転写部と、 前記転写部により転写された前記現像剤による像を前記用紙に定着する定着部と、 を備えることを特徴とする画像形成装置。」 第3 原査定の概要 原査定(令和2年12月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 令和2年12月25日に提出された手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1乃至6に係る発明は、以下の引用文献1及び2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 引用文献1.特開2008-62468号公報 引用文献2.特開2016-135546号公報 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について (1)引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由において引用文献1として引用され、本願の出願日前である平成20年3月21日に頒布された刊行物である特開2008-62468号公報(以下、「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。 ア 「【0001】 この発明は、被走査面に対して光ビームを走査するラインヘッド及び該ラインヘッドを用いた画像形成装置に関するものである。」 イ 「【0005】 この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、複数の発光素子から射出された光ビームを、該複数の発光素子に対応する結像レンズで被走査面に結像するラインヘッドにおいて、最外素子に対応するスポットの形成に関わる光ビームの光量の減少を抑制して、良好なスポット形成の実現を可能にする技術を提供することを目的とする。」 ウ 「【0016】 この実施形態にかかる画像形成装置が有するハウジング本体3内には、電源回路基板、メインコントローラMC、エンジンコントローラECおよびヘッドコントローラHCを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット2、転写ベルトユニット8および給紙ユニット7もハウジング本体3内に配設されている。また、図1においてハウジング本体3内右側には、二次転写ユニット12、定着ユニット13およびシート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット7は、ハウジング本体3に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット7および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。 【0017】 画像形成ユニット2は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーション2Y(イエロー用)、2M(マゼンタ用)、2C(シアン用)および2K(ブラック用)を備えている。なお、図1においては、画像形成ユニット2の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号を付し、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。 【0018】 各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kには、それぞれの色のトナー像がその表面に形成される感光体ドラム21が設けられている。各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モータに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。また、感光体ドラム21の周囲には、その回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナ27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作およびトナー現像動作が実行される。カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8に設けた転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成する。また、モノクロモード実行時は、画像形成ステーション2Kのみを動作させてブラック単色画像を形成する。」 エ 「【0026】 いわゆるタンデム方式の画像形成装置では、感光体ドラム21から転写ベルト81にトナー像が一次転写される一次転写位置は、各画像形成ステーションごとに異なった位置となる。この実施形態においては、イエロー用画像形成ステーション2Y、マゼンタ用画像形成ステーション2M、シアン用画像形成ステーション2Cおよびブラック用画像形成ステーション2Kが転写ベルト81の移動方向に沿ってこの順番に配置されている。したがって、イエロー一次転写位置TR1yとマゼンタ一次転写位置TR1mとは距離Lym、マゼンタ一次転写位置TR1mとシアン一次転写位置TR1cとは距離Lmc、シアン一次転写位置TR1cとブラック一次転写位置TR1kとは距離Lckだけ離隔している。」 オ 「【0035】 図4は、本発明にかかるラインヘッドの一実施形態の概略を示す斜視図である。また、図5は、本発明にかかるラインヘッドの一実施形態の副走査方向の断面図である。本実施形態におけるラインヘッド29(露光手段)は、主走査方向MDを長手方向とするケース291を備えるとともに、かかるケース291の両端には、位置決めピン2911とねじ挿入孔2912が設けられている。そして、かかる位置決めピン2911を、感光体ドラム21を覆うとともに感光体ドラム21に対して位置決めされた感光体カバー(図示省略)に穿設された位置決め孔(図示省略)に嵌め込むことで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決めされる。そして更に、ねじ挿入孔2912を介して固定ねじを感光体カバーのねじ孔(図示省略)にねじ込んで固定することで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決め固定される。 【0036】 ケース291は、その内部にガラス基板293を有する。そして、該ガラス基板293の表面には、感光体ドラム21の表面に対向してマイクロレンズアレイ299が形成されている。また、ガラス基板293の裏面(ガラス基板293が有する2つの面のうちマイクロレンズアレイ299が形成された面と逆側の面)には、複数の発光素子グループ295が設けられている。即ち、複数の発光素子グループ295は、ガラス基板293の裏面に、主走査方向MD及び副走査方向SDに互いに所定間隔だけ離れて2次元的に配置されている。ここで、複数の発光素子グループ295の各々は、複数の発光素子を2次元的に配列して構成されている。また、本実施形態では、発光素子として有機EL(Electro-Luminescence)を用いる。つまり、本実施形態では、ガラス基板293の裏面に有機ELを発光素子として配置している。そして、複数の発光素子それぞれから感光体ドラム21の方向に射出される光ビームは、ガラス基板293(透明基板)を介してマイクロレンズアレイ299へと向う。そして、かかるマイクロレンズアレイ299に入射した光ビームは、感光体ドラム21の表面にスポットとして結像されることとなる。」 カ 「【0051】 図10及び図11は、本実施形態におけるラインヘッドの動作説明図である。以下に、図3、図10、図11を用いて本実施形態におけるラインヘッド29によるスポット形成動作を説明する。また、発明の理解を容易にするため、ここでは主走査方向MDに伸びる直線上に複数のスポットを等間隔で並べて形成する場合について説明する。本実施形態では、感光体ドラム21(潜像担持体)の表面(被走査面)を副走査方向SDに搬送しながら、ヘッド制御モジュール54により複数の発光素子2951を所定のタイミングで発光させることで、主走査方向MDに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する。 【0052】 つまり、本実施形態のラインヘッド29では、副走査方向位置SD1~SD6の各位置に対応して、副走査方向SDに6個の発光素子列R2951が並べて配置されている(図10)。そこで、本実施形態では、同一の副走査方向位置にある発光素子列R2951は、略同一のタイミングで発光させるとともに、異なる副走査方向位置にある発光素子列R2951は、互いに異なるタイミングで発光させる。より具体的には、副走査方向位置SD1~SD6の順番で、発光素子列R2951を発光させる。そして、感光体ドラム21の表面を副走査方向SDに搬送しながら、上述の順番で発光素子列R2951を発光させることで、該表面の主走査方向MDに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する。 【0053】 かかる動作を、図10,11を用いて説明する。まず最初に、副走査方向SDに最上流の発光素子グループ295A1,295A2,295A3,…に属する副走査方向位置SD1の発光素子列R2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するマイクロレンズMLにより、反転されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図11の「1回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。なお、同図において、白抜きの丸印は、未だ形成されておらず今後形成される予定のスポットを表す。また、同図において、符号295C1,295B1,295A1,295C2でラベルされたスポットは、それぞれに付された符号に対応する発光素子グループ295により形成されるスポットであることを示す。 【0054】 次に、同発光素子グループ295A1,295A2,295A3,…に属する副走査方向位置SD2の発光素子列R2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するマイクロレンズMLにより、反転されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図11の「2回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。ここで、感光体ドラム21の表面の搬送方向が副走査方向SDであるのに対して、副走査方向SDの下流側の発光素子列R2951から順番に(つまり、副走査方向位置SD1,SD2の順番に)発光させたのは、マイクロレンズMLが反転特性を有することに対応するためである。 【0055】 次に、副走査方向上流側から2番目の発光素子グループ295B1,295B2,295B3,…に属する副走査方向位置SD3の発光素子列R2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するマイクロレンズMLにより、反転されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図11の「3回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。 【0056】 次に、同発光素子グループ295B1,295B2,295B3,…に属する副走査方向位置SD4の発光素子列R2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するマイクロレンズMLにより、反転されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図11の「4回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。 【0057】 次に、副走査方向最下流の発光素子グループ295C1,295C2,295C3,…に属する副走査方向位置SD5の発光素子列R2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するマイクロレンズMLにより、反転されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図11の「5回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。 【0058】 そして最後に、同発光素子グループ295C1,295C2,295C3,…に属する副走査方向位置SD6の発光素子列R2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するマイクロレンズMLにより、反転されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図11の「6回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。このように、1~6回目までの発光動作を実行することで、主走査方向MDに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する。」 キ 「【0069】 図13は、本発明にかかるラインヘッドの別の実施形態を示す図である。図13に示すように、別の実施形態では、主走査方向MDに発光素子2951を並べて構成される発光素子列R2951を副走査方向SDに3列並べて、発光素子グループ295を構成している。詳述すると、図13に示す実施形態では、同図の上段と下段とに、5個の発光素子2951を主走査方向MDに並べて構成される発光素子列R2951を配置するとともに、同図中段に、6個の発光素子2951を主走査方向MDに並べて構成される発光素子列R2951を配置している。つまり、図13に示す実施形態では、16個の発光素子2951により発光素子グループ295を構成している。すなわち、図13に示す実施形態では1つの発光素子グループ295における発光素子数kが16に設定されている。」 ク 「【0071】 また、図13に示す実施形態においても、複数の発光素子2951が対応するマイクロレンズMLの光軸OAに対して対称に配置されており好適である。なんとなれば、これにより距離aが極小値をとり、数1を満足させるのに有利に作用するからである。」 ケ 「【0077】 また、上記実施形態では、本発明にかかるラインヘッドを用いて、図11に示すような主走査方向MDに直線状に複数個のスポットを等間隔で並べて形成している。しかしながら、かかるスポット形成動作は、本発明にかかるラインヘッドの動作の一例を示すものであり、該ラインヘッドが実行可能な動作はこれに限られるものではない。つまり、ラインヘッド29の具体的動作に関わらず、最外通過領域OMTAを対応するマイクロレンズMLが覆うように、最外素子OM2951と該最外素子OM2951に対応するマイクロレンズMLの径との関係を規定することで、最外素子OM2951に対応するスポットの形成に関わる光ビームの光量の減少を抑制して良好なスポット形成を実現するという本発明の効果を奏することができる。」 コ 図13より、「中段」を構成する「発光素子列R2951」は、「上段」及び「下段」を構成する「発光素子列R2951」よりも「マイクロレンズMLの光軸OA」に近いものであり、中段を構成する「発光素子列R2951」の両端の「発光素子2951」は、「発光素子グループ295」内の発光素子の中で、主走査方向に最も離れており、かつ、最も「マイクロレンズMLの光軸OA」から離れた位置に配置されていることが看取される。 サ 上記【0051】~【0058】より、発光素子グループ295の複数の発光素子2951は副走査方向位置ごとに順次発光するものと認められる。 (2)引用発明1 したがって、上記(1)より、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「画像形成ユニット2、転写ベルトユニット8、二次転写ユニット12及び定着ユニット13を備え、前記画像形成ユニット2に感光体ドラム21、帯電部23、ラインヘッド29及び現像部25を有している画像形成装置のラインヘッド29であって、 ガラス基板293とマイクロレンズアレイ299を有しており、 ガラス基板293の裏面に複数の発光素子グループ295が設けられてなり、該複数の発光素子グループ295の各々が複数の発光素子を2次元的に配列して構成されていて、発光素子として有機ELが用いられ、該複数の発光素子それぞれから射出されマイクロレンズアレイ299に入射した光ビームが、感光体ドラム21の表面にスポットとして結像するものであって、 発光素子グループ295が、上段と下段とに5個の発光素子2951を主走査方向MDに並べて構成される発光素子列R2951を配置するとともに、中段に6個の発光素子2951を主走査方向MDに並べて構成される発光素子列R2951を配置することにより、16個の発光素子2951によって構成されており、 前記複数の発光素子2951が対応するマイクロレンズMLの光軸OAに対して対称に配置されているものであり、 主走査方向MDに、直線状に複数個のスポットを等間隔で並んで形成し、 中段を構成する発光素子列R2951は、上段及び下段を構成する発光素子列R2951よりもマイクロレンズMLの光軸OAに近いものであり、 中段を構成する発光素子列R2951の両端の発光素子2951は、発光素子グループ295内の発光素子の中で、主走査方向に最も離れており、かつ、最もマイクロレンズMLの光軸OAから離れた位置に配置されており、 発光素子グループ295の複数の発光素子2951は副走査方向位置ごとに順次発光するものである ラインヘッド29。」 2.引用文献2について (1)引用文献2の記載事項 原査定の拒絶の理由において引用文献2として引用され、本願の出願日前である平成28年7月28日に頒布された刊行物である特開2016-135546号公報(以下、「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。 ア 「【0001】 本発明は、光書込装置及び当該光書込装置を備える画像形成装置に関する。」 イ 「【0005】 本発明は、結像レンズの画角の増大を抑制して画像形成装置の大型化を抑制することが可能な光書込装置及び当該光書込装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。」 ウ 「【0018】 画像形成装置1000は、光プリントヘッド100より照射される光によって像担持体200に静電潜像を形成させる。次に、画像形成装置1000は、静電潜像が形成された像担持体200に現像剤を供給することで当該静電潜像を現像剤による像に顕像化し、中間転写ベルト300上に当該現像剤による像を転写させる。次に、画像形成装置1000は、中間転写ベルト300に転写された現像剤による像を転写ローラー400によって用紙Pに押圧して転写させる。次に、画像形成装置1000は、定着部500によって用紙Pを加熱及び加圧することで、現像剤による像を用紙P上に定着する。そして、画像形成装置1000は、用紙Pを排紙ローラー(図示省略)等により搬送してトレイ(図示省略)に排紙することで画像形成処理を行う。なお、ここでは、中間転写ベルト300に転写された像を用紙Pに転写するようにしているが、像担持体200から直接、像担持体200に形成された像を用紙Pに転写するようにしてもよい。 【0019】 光プリントヘッド100は、図1~図4に示すように、帯電部210により帯電された像担持体200に対して光Lを照射することで像担持体200上に静電潜像を形成する装置である。光プリントヘッド100は、光Lを出射させる複数の発光素子(光源)111からなる発光素子群112を複数配置した光源基板11と、複数の発光素子111から出射された光Lを像担持体200上に集光させる光学系12と、を備えて構成されている。」 エ 「【0023】 発光素子群112は、具体的には、図5に示すように、複数の発光素子111が、X方向にm列(ここでは、5列)、Y方向にn列(ここでは、4行)の二次元状に並べられて配置されている。本実施形態では、n=m又はn=m-1を満たすものとする。発光素子群112は、複数の発光素子111をn=m又はn=m-1を満たすように配置することで、nとmの個数差が最小となるので、容易に正方形に近い形状に配置することができる。結像レンズ121の画角αは、発光素子群112のX方向の長さsx及びY方向の長さsyからなる四角形の対角線の半分の長さ(光軸L1から頂点までの長さ)に対応するので、複数の発光素子111を正方形に近い形状に配置することで、結像レンズ121の画角αを小さくすることができる。 【0024】 また、本実施形態では、発光素子群112は、sxとsyが略等しくなるように発光素子111が配置されている。 発光素子群112の主走査方向(X方向)ピッチをpx、副走査方向(Y方向)ピッチをpy、光源像の書込みピッチをp0としたとき、結像レンズ121の倍率をβとすると発光素子ピッチp0’=p0/βで表される。また、発光素子径をd0とすると、X方向の長さsx=(m-1)*px+(n-1)*p0’+d0、Y方向の長さsy=(n-1)*py+d0で表される。ここで、sx=syの場合、py=(nm-1/n-1)*p0’(式1)となる。即ち、式1を満たすように発光素子111を配置することで、sx=syを満たすことができる。 式1を適用した実施例を図6に示す。なお、図6の実施例では、d0=57μm、p0’=21.17μmとしている。 図6に示すように、発光素子群112の発光素子111の数が同数の場合、例えば、n=4、m=5の場合とn=5、m=4の場合とを比較した場合、前者の画角は「0.324706」であり、後者の画角は「0.324707」である。即ち、発光素子群112の発光素子111の数が同数の場合、n<mの方が結像レンズ121の画角を小さくすることができる。 なお、n=m又はn=m-1を満たさない条件であっても、発光素子群112の発光素子111の数が同数の場合、例えば、n=5、m=7の場合とn=7、m=5の場合とを比較した場合、前者の画角は「0.549231」であり、後者の画角は「0.549233」である。即ち、発光素子群112の発光素子111の数が同数の場合、n<mの方が結像レンズ121の画角を小さくすることができる。 【0025】 また、比較例を図7に示す。なお、図7の比較例でも、図6の実施例と同様、d0=57μm、p0’=21.17μmとしている。図7の比較例では、図6の実施例と比べ、n=m又はn=m-1を満たす条件において、sx<syとなるようにしている。 図7に示すように、例えば、n=4、m=5の場合の画角は「0.364029」であり、n=5、m=4の場合の画角は「0.506818」である。これらはいずれも図6の実施例よりも大きい値となっている。即ち、比較例の場合よりも実施例の場合の方が、結像レンズ121の画角を小さくすることができることがわかった。 【0026】 以上のように、本実施形態に係る光プリントヘッド100によれば、光学系12は、複数の結像レンズ121を含んで構成されるレンズアレイ122を備える。また、複数の発光素子111からなる発光素子群112の各々は、それぞれ対応する結像レンズ121と正対するように配置される。また、発光素子群112は、複数の発光素子111が、主走査方向にm列、副走査方向にn列の二次元状に並べられて配置される。また、n=m又はn=m-1を満たす。 従って、本実施形態に係る光プリントヘッド100によれば、結像レンズ121の画角の増大を抑制することができるので、結像レンズ121の外形を小さくすることができ、画像形成装置の大型化を抑制することができる。 【0027】 また、本実施形態に係る光プリントヘッド100によれば、発光素子群112は、主走査方向の長さと副走査方向の長さとが略等しくなるように複数の発光素子111が配置されるので、より確実に結像レンズ121の画角の増大を抑制することができ、画像形成装置の大型化をより確実に抑制することができる。 【0028】 また、本実施形態に係る光プリントヘッド100によれば、発光素子群112は、副走査方向ピッチをpy、像担持体200上に形成される光源像の書込みピッチをp0、結像レンズ121の倍率をβ、発光素子ピッチをp0’としたとき、py=(nm-1/n-1)*p0’を満たすように複数の発光素子111が配置されるので、各結像レンズ121に割り当てられた発光素子111の数を変化させた場合においても結像レンズ121の画角の増大を抑制することができ、光源の設計の自由度を確保しつつ、画像形成装置の大型化を抑制することができる。」 オ 図5及び段落【0024】の(式1)の導出方法からみて、発光素子群112の複数の発光素子111は、平行四辺形状に並べられて配置されることを前提としているものと認められる。 カ 図5、図9乃至図11より、引用文献2には、発光素子群112の複数の発光素子111を副走査方向に4列または5列設ける例が開示されているといえる。 (2)引用発明2 上記(1)より、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 「画像形成装置100の光プリントヘッド100であって、 複数の発光素子111からなる発光素子群112を複数配置した光源基板11と、複数の発光素子111から出射された光Lを像担持体200上に集光させる光学系12と、を備えて構成されており、 発光素子群112は、副走査方向ピッチをpy、像担持体200上に形成される光源像の書込みピッチをp0、結像レンズ121の倍率をβ、発光素子ピッチをp0'としたとき、py=(nm-1/n-1)*p0’を満たすように複数の発光素子111が配置され、 発光素子群112の複数の発光素子111は、平行四辺形状に並べられて配置され、 発光素子群112の複数の発光素子111が副走査方向に4列または5列設けられた 光プリントヘッド100。」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)本願発明1と引用発明1との対比 本願発明1と、引用発明1とを対比すると、以下のことがいえる。 ア 引用文献1に記載された発明における「感光体ドラム21」、「ラインヘッド29」、「マイクロレンズアレイ299」、「発光素子グループ295」及び「マイクロレンズML」は、それぞれ本願発明1の「像担持体」、「光書込装置」、「レンズアレイ」、「発光素子群」及び「結像レンズ」に相当する。 イ 引用発明1の「ガラス基板293」は、裏面に複数の発光素子グループ295が設けられてなるものであるから、本願発明1の「発光基板」と、引用発明1の「ガラス基板293」は、「複数の発光素子をグループ化した発光素子群を複数配置した」ものである点で共通する。 ウ 引用発明1の「マイクロレンズアレイ299」は、複数の発光素子それぞれから射出される光ビームを感光体ドラム21の表面にスポットとして結像するものであるから、本願発明1の「レンズアレイ」と、引用発明1の「マイクロレンズアレイ299」は、「複数の結像レンズを含んで構成され、前記発光素子から出射された光を像担持体上に集光させる」点で共通する。 エ 引用発明1の「発光素子111」として「有機EL」が用いられているのであるから、本願発明1の「発光素子」と、引用発明1の「発光素子」は「OLED」である点で共通する。 オ 引用発明1の「発光素子グループ295」は、複数の発光素子を2次元的に配列して構成されているものであるから、本願発明1の「発光素子群」と、引用発明1の「発光素子グループ295」は、「発光素子が、主走査方向及び副走査方向の二次元状に並べられて配置され」たものである点で共通する。 カ 引用発明1の「発光素子グループ295」の「発光素子111」は、主走査方向MDに、直線状に複数個のスポットを等間隔で並んで形成するものであるから、本願発明1の「発光素子群内の発光素子」と、「発光素子グループ295」の「発光素子111」は、「発光素子を主走査方向の直線上に射影した際、前記主走査方向に等間隔に配置され」る点で共通する。 キ 引用発明1の「複数の発光素子2951」は、対応するマイクロレンズMLの光軸OAに対して対称に配置されているものであるから、本願発明1の「複数の素子群」と引用発明1の「複数の発光素子2951」は、「各々」が「それぞれ対応する前記結像レンズと正対するように配置され」る点で共通する。 ク 引用発明1の「発光素子グループ295」は、「上段と下段とに5個の発光素子2951を主走査方向MDに並べて構成される発光素子列R2951を配置するとともに、中段に6個の発光素子2951を主走査方向MDに並べて構成される発光素子列R2951を配置することにより、16個の発光素子2951によって構成されて」おり、発光素子グループの複数の発光素子は副走査方向位置ごとに順次発光するものであるから、本願発明1の「発光素子群内の発光素子」と引用発明1の「発光素子グループ295」の「発光素子」は、「発光タイミングごとにチャネルとしてグループ化され」、「チャネル内の発光素子の重心」が「前記主走査方向と平行な直線上に並んで」いる点で共通する。 ケ 引用発明1において、中段を構成する発光素子列R2951は、上段及び下段を構成する発光素子列R2951よりもマイクロレンズMLの光軸OAに近いものであり、中段を構成する発光素子列R2951の両端の発光素子2951は、発光素子グループ295内の発光素子の中で、主走査方向に最も離れており、かつ、最もマイクロレンズMLの光軸OAから離れた位置に配置されているものであり、「マイクロレンズMLの光軸OA」の位置は、「結像レンズの重心点を前記発光基板上に射影した点」である「レンズの重心点」と一致すると認められることから、引用発明1において中段を構成する「発光素子列R2951」の両端の「発光素子2951」と、本願発明1の「第1発光素子」及び「第2発光素子」は、「前記発光素子群内の発光素子のうち前記主走査方向に最も離れ」ている点、「発光素子群内の発光素子のうち最も前記レンズ重心点から離れた位置に配置され」る点、及び、「チャネルのうち、最も前記レンズ重心点に近」い「チャネル内に配置されて」いる点で共通する。 コ 引用発明1は、「発光素子グループ295が、上段と下段とに5個の発光素子2951を主走査方向MDに並べて構成される発光素子列R2951を配置するとともに、中段に6個の発光素子2951を主走査方向MDに並べて構成される発光素子列R2951を配置することにより、16個の発光素子2951によって構成されて」いるものであるから、本願発明1の「ラインヘッド29」と、引用発明1の「光書込装置」は、「チャネルが前記レンズ重心点から遠ざかるにつれて、当該チャネル内の発光素子数が少なくなる」点で共通する。 サ 上記アないしコから、本願発明1と引用発明1とは、以下の点で一致する。 [一致点] 「複数の発光素子をグループ化した発光素子群を複数配置した発光基板と、 複数の結像レンズを含んで構成され、前記発光素子から出射された光を像担持体上に集光させるレンズアレイと、 を備える光書込装置において、 前記発光素子は、OLEDであり、 前記発光素子群は、前記発光素子が、主走査方向及び副走査方向の二次元状に並べられて配置され、 前記発光素子群内の発光素子は、当該発光素子を主走査方向の直線上に射影した際、前記主走査方向に等間隔に配置され、 前記発光素子群の各々は、それぞれ対応する前記結像レンズと正対するように配置され、 前記発光素子群内の発光素子は、発光タイミングごとにチャネルとしてグループ化され、 前記チャネル内の発光素子の重心は、前記主走査方向と平行な直線上に並んでおり、 前記発光素子群内の発光素子のうち前記主走査方向に最も離れた2つの発光素子をそれぞれ第1発光素子及び第2発光素子とし、前記結像レンズの重心点を前記発光基板上に射影した点をレンズ重心点としたとき、 前記第1発光素子又は前記第2発光素子は、前記発光素子群内の発光素子のうち最も前記レンズ重心点から離れた位置に配置され、 前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、前記チャネルのうち、最も前記レンズ重心点に近く、 前記チャネルが前記レンズ重心点から遠ざかるにつれて、当該チャネル内の発光素子数が少なくなることを特徴とする光書込装置。」 シ そして、本願発明1と引用発明1とは、以下の点で相違する。 [相違点1] 本願発明1において、チャネル内の発光素子の重心を結ぶ直線を重心線としたとき、隣接する重心線の副走査方向の間隔は、副走査方向の解像度で決まる間隔の整数倍を結像レンズの倍率で割ったものに決定されるのに対し、引用発明1はそのような特定を有していない点。 [相違点2] 本願発明1において、発光素子群内のチャネル数は4又は5であるのに対し、引用発明1は発光素子グループ295の発光素子列R2951が3列である点。 [相違点3] 本願発明1において、第1発光素子及び第2発光素子は、発光素子数が奇数であるチャネル内に配置されているのに対し、引用発明1は発光素子数が偶数(6個)の発光素子列R2951に配置されている点。 (2)相違点についての判断 上記各相違点について以下検討する。 ア [相違点1]について (ア)引用発明2は、「発光素子群112は、副走査方向ピッチをpy、像担持体200上に形成される光源像の書込みピッチをp0、結像レンズ121の倍率をβ、発光素子ピッチをp0’としたとき、py=(nm-1/n-1)*p0’を満たすように複数の発光素子111が配置され」るという構成を有するものの、「チャネル内の発光素子の重心を結ぶ直線を重心線としたとき、隣接する重心線の副走査方向の間隔は、副走査方向の解像度で決まる間隔の整数倍を結像レンズの倍率で割ったものに決定される」構成に相当する構成を有していない。 (イ)上記(ア)で指摘したように、引用発明2は、そもそも「チャネル内の発光素子の重心を結ぶ直線を重心線としたとき、隣接する重心線の副走査方向の間隔は、副走査方向の解像度で決まる間隔の整数倍を結像レンズの倍率で割ったものに決定される」構成に相当する構成を有するものではないが、引用発明1に引用発明2の上記構成を適用することが容易であるか否かについて以下において一応検討する。 引用発明1は、「画像形成装置のラインヘッド29」の発明であり、と引用発明2は、「画像形成装置100の光プリントヘッド100」の発明であるから、引用発明1と引用発明2はともに、画像形成装置の光書込装置という共通の技術分野に属するものである。 しかしながら、引用発明2の上記構成は、発光素子群112の複数の発光素子111が平行四辺形状に並べられて配置されることを前提としており、発光素子グループ295が、上段と下段とに5個の発光素子2951を主走査方向MDに並べて構成される発光素子列R2951を配置するとともに、中段に6個の発光素子2951を主走査方向MDに並べて構成される発光素子列R2951を配置することにより、16個の発光素子2951によって構成され、平行四辺形状に並べられるものとはなり得ない引用発明1に引用発明2の上記構成を適用することには阻害要因があると言わざるを得ない。 (ウ)さらに、上記相違点1の構成が当業者の設計的事項であるということもできない。 (エ)よって、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項は、当業者であっても引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に想到し得たことであるとはいえない。 イ [相違点2]について (ア)引用発明2は、「発光素子群112の複数の発光素子111が副走査方向に4列または5列設けられる」という構成を有するものであり、当該構成は、「発光素子群内のチャネル数は4又は5である」という構成に相当する。 (イ)引用発明1と引用発明2は、ともに、画像形成装置の光書込装置という共通の技術分野に属するものである。 しかしながら、引用発明2の「発光素子群112の複数の発光素子111が副走査方向に4列または5列設けられる」という構成を、発光素子グループ295が上段、中段及び下段の3段により構成される引用発明1に適用する十分な動機付けがあるとは言えない。 また、仮に、引用発明2の構成を引用発明1に適用し、「発光素子群内のチャネル数は4又は5である」という構成を採用することが当業者にとって容易であったとしても、「前記チャネルが前記レンズ重心点から遠ざかるにつれて、当該チャネル内の発光素子数が少なくなる」という構成を維持したまま「発光素子群内のチャネル数は4又は5である」という構成を採用することが、当業者にとって容易であったとはいえない。 (ウ)さらに、上記相違点2の構成が当業者の設計的事項であるということもできない。 (エ)よって、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項は、当業者であっても引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に想到し得たことであるとはいえない。 ウ [相違点3]について (ア)引用発明2は上記相違点3に相当する構成を有していない。 (イ)また、上記相違点3の構成が当業者の設計的事項であるということはできない。 (ウ)よって、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項は、当業者であっても引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に想到し得たことであるとはいえない。 (3)小括 したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 2.本願発明2乃至5について 本願発明2乃至5は、本願発明1をさらに減縮した発明であり、本願発明1の上記相違点1ないし3に係る発明特定事項を備えるものである。 よって、本願発明2乃至5は、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 3.まとめ 上記1.及び2.より、本願発明1ないし5は、当業者であっても、引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 当審拒絶理由についての判断 1.特許法第36条第6項第2号について (1)当審拒絶理由の概要 ア 当審では、令和2年12月25日に提出された手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1には、「当該発光素子を主線上に射影した際、」と記載されているが、「主線上」の定義が不明確であり、請求項1を直接的または間接的に引用する請求項2-6についても同様である、との拒絶の理由を通知している。 イ 当審では、令和2年12月25日に提出された手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1には、「前記発光素子群内の発光素子は、発光時間ごとにチャネルとしてグループ化され」と記載されており、当該記載は、発明の詳細な説明の段落[0024]等の記載から、「前記発光素子群内の発光素子は、発光タイミングごとにチャネルとしてグループ化され」ることを意味していると考えられる一方で、「時間」とは長さを有するものであり、「タイミング」とは異なる概念であることを考慮すると、請求項1の上記記載は日本語として不適切であり、請求項1を直接的または間接的に引用する請求項2-6についても同様である、との拒絶の理由を通知している。 ウ 当審では、令和2年12月25日に提出された手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1には、「隣接する前記重心線の前記副走査方向の間隔は、前記副走査方向の解像度及び前記結像レンズの倍率に基づいて決定され」と記載されているが、当該記載には、「隣接する前記重心線の前記副走査方向の間隔」が、「前記副走査方向の解像度及び前記結像レンズの倍率」とどのような関係を有するように決定されることを意味しているのか不明確であり、請求項1を直接的または間接的に引用する請求項2-6についても同様である、との拒絶の理由を通知している。 エ 当審では、令和2年12月25日に提出された手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項4には、「前記発光素子群内のチャネル数は、奇数である」と記載されているが、請求項4が引用する請求項1には、「前記発光素子群内のチャネル数は4又は5であり」と記載されていることを考慮すると、請求項4の「前記発光素子群内のチャネル数は、奇数である」との記載は、「前記発光素子群内のチャネル数は、5である」ことを意味していると解釈できる一方で、請求項4において、あえて「前記発光素子群内のチャネル数は、5である」と記載しないことを考慮すると、「前記発光素子群内のチャネル数は、5である」もの以外も含めようとしているとも解釈でき、請求項4に係る発明の範囲が不明確であり、請求項4を直接的または間接的に引用する請求項5-6についても同様である、との拒絶の理由を通知している。 (2)本願発明1乃至5が当審拒絶理由を解消しているか否かについて ア 上記(1)アの理由に対して、令和3年12月8日に提出された手続補正書でした補正によって、「当該発光素子を主線上に射影した際、」との記載は、本願発明1乃至5において「当該発光素子を主走査方向の直線上に射影した際、」と補正されたことから、上記(1)アの拒絶理由は解消した。 イ 上記(1)イの理由に対して、令和3年12月8日に提出された手続補正書でした補正によって、令和3年12月8日付け手続補正書でした補正によって、「前記発光素子群内の発光素子は、発光時間ごとにチャネルとしてグループ化され」との記載は、本願発明1乃至5において「前記発光素子群内の発光素子は、発光タイミングごとにチャネルとしてグループ化され」と補正されたことから、上記(1)イの拒絶理由は解消した。 ウ 上記(1)ウの理由に対して、令和3年12月8日に提出された手続補正書でした補正によって、「隣接する前記重心線の前記副走査方向の間隔は、前記副走査方向の解像度及び前記結像レンズの倍率に基づいて決定され」との記載は、本願発明1乃至5において「隣接する前記重心線の前記副走査方向の間隔は、前記副走査方向の解像度で決まる間隔の整数倍を前記結像レンズの倍率で割ったものに決定され」と補正されたことから、上記(1)ウの拒絶理由は解消した。 エ 上記(1)エの理由に対して、令和3年12月8日に提出された手続補正書でした補正によって、「前記発光素子群内のチャネル数は、奇数である」との記載は削除され、本願発明1乃至5は当該記載を含まないものとなっていることから、上記(1)エの拒絶理由は解消した。 2.特許法第36条第6項第1号について (1)当審拒絶理由の概要 ア 当審では、本願の請求項1には、発光素子がOLEDであることは記載されておらず、出願時の技術常識に照らしても、請求項1に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえず、請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2-6についても同様である、との拒絶の理由を通知している。 イ 当審では、本願の請求項5には、「前記チャネル内の発光素子は、前記主走査方向に等間隔に配置されている」と記載されており、請求項5が引用する請求項1には、「前記発光素子群内のチャネル数は4又は5であり、前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、前記チャネルのうち、最も前記レンズ重心点に近く、発光素子数が奇数であるチャネル内に配置されており、前記チャネルが前記レンズ重心点から遠ざかるにつれて、当該チャネル内の発光素子数が少なくなる」と記載されている一方で、発明の詳細な説明の実施例には、「前記チャネル内の発光素子は、前記主走査方向に等間隔に配置されている」という条件、及び、「前記発光素子群内のチャネル数は4又は5であり、前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、前記チャネルのうち、最も前記レンズ重心点に近く、発光素子数が奇数であるチャネル内に配置されており、前記チャネルが前記レンズ重心点から遠ざかるにつれて、当該チャネル内の発光素子数が少なくなる」という条件を満たすものは記載されておらず、請求項5に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものとは言えず、請求項5を引用する請求項6についても同様である、との拒絶の理由を通知している。 (2)本願発明1乃至5が当審拒絶理由を解消しているか否かについて ア 上記(1)アの理由に対して、令和3年12月8日に提出された手続補正書でした補正によって、本願発明1乃至5に「前記発光素子は、OLEDであり」との記載が加えられたことから、上記(1)アの拒絶理由は解消した。 イ 上記(1)イの理由に対して、令和3年12月8日に提出された手続補正書でした補正によって、「前記チャネル内の発光素子は、前記主走査方向に等間隔に配置されている」との記載が削除され、本願発明1乃至5は当該記載を含まないものとなっていることから、上記(1)イの拒絶理由は解消した。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明1乃至5は、当業者が引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものではなく、本願発明1乃至5の記載は、特許法第36条第6項第2号及び第1号に規定する要件を満たしている。 したがって、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-003623

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