特許訂正審判
2020-390079
グリコシダーゼ阻害剤
- 審判番号
- 2020-390079
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2017-530424外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年08月28日
- 審決日
- 2020年11月27日
- 公報発行日
- 2021年02月26日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .853-Y (C07D) / P141 .841-Y (C07D) / P141 .854-Y (C07D) / P141 .855-Y (C07D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6563017号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6563017号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6563017号(以下「本件特許」という。)は、2015年8月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年8月28日 インド(IN))を国際出願日とする特願2017-530424号の請求項1~14に係る発明について、令和1年8月2日に特許権の設定登録がなされたものである。
そして、令和2年8月28日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第6563017号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものであり、すなわち、本件特許に係る願書に添付した特許請求の範囲を訂正請求書に記載した、下記の訂正事項1-1~1-2(まとめて、「訂正事項1」ともいう。)、訂正事項2の訂正を行うことで訂正特許請求の範囲のとおりに訂正することを求めるというものである。
[訂正事項1-1]
訂正前の特許請求の範囲の請求項1に「Z2′はCR5′またはNであり;」と記載されているのを削除する。
請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2~7、9~14についても同様についても同様に訂正する。
[訂正事項1-2]
訂正前の特許請求の範囲の請求項1に「R5′は、H、Hal、NR3R4、NO2、2から12個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル、または1から12個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルであって、1から3個のCH2基はO、NR3、S、SO、SO2、CO、COO、OCO、CONR3、NR3COから選択される基によって置き換わっており、および/または1から5個の水素原子がHal、NR3R4、NO2、OR3、Het、ArCycによって置き換わっている直鎖もしくは分岐アルキル、またはR5′はAr、HetもしくはCycを示し;Rがメチル以外であり、および/またはWがCHであり、および/またはAが
【化4】(当審注:式は省略する。)
以外であり、および/またはZ1がOもしくはNR3であり、および/またはZ2がNであり、および/またはZ3がCR5であり、および/またはR5がH以外であり、および/または式(I)の化合物がラセミ体でなない場合、R5′はメチルを示すこともでき;」と記載されているのを削除する。
請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2~7、9~14についても同様に訂正する。
[訂正事項2]訂正前の特許請求の範囲の請求項6に「R5′、」と記載されているのを削除する。
請求項6を直接的又は間接的に引用する請求項7、9~14についても同様に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1-1について
(1)訂正の目的について
審判請求人は、訂正事項1-1について、審判請求書 6 請求の理由の(3)ア(ア)aにおいて、訂正事項1は特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である旨主張しているので、以下検討する。
ア 明瞭でない記載の釈明について
(ア)「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正が認められる前提
特許請求の範囲の訂正が、明瞭でない記載の釈明を目的とするものとして認められるには、特許請求の範囲自体の不明瞭な記載等の特許請求の範囲に生じている記載上の不備を訂正し、本来の意味を明らかにするものであることが必要である。
(イ)判断
そこで、上記のことを前提として、訂正事項1-1について検討する。
訂正前の請求項1の記載をみると、式(I)の構造式及び各基の定義の中に、訂正事項1-1により削除しようとする部分以外に「Z2′」という記載はないから、訂正事項1-1により削除しようとする部分の「Z2′」の定義の記載は、式(I)に存在しない基の定義の記載であって、いかなる技術的事項を意味しているのかが不明であり、不明瞭な記載であるといえる。
そうすると、訂正事項1-1は、式(I)に存在しない基の定義の記載という不明瞭な記載が存在していたところ、この不明瞭な記載を削除し、本来の意味である存在しない状態にするものであるといえる。
したがって、上記訂正事項1-1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であると認められる。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるかについて
訂正事項1-1は、上記(1)で検討したように、訂正前の請求項1の記載の不明瞭な記載を削除し、本来の意味を明らかにしたものであるので、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載された技術的事項からみて、新たな技術的事項を導入しているとはいえない。
したがって、上記訂正事項1-1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項1-1は、上記(1)で検討したように、訂正前の請求項1の記載の不明瞭な記載を削除し、本来の意味を明らかにしたものであるので、発明のカテゴリーを変更するものではなく、特許請求の範囲は実質的に変わらず、特許請求の範囲を、実質上拡張し、又は変更するものではないので、特許法第126条第6項の規定に適合するといえる。
また、請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2~7、9~14についての訂正は、請求項1と同様の訂正であるから、上記(1)~(3)において検討したのと同様に、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合する。
2 訂正事項1-2について
(1)訂正の目的について
審判請求人は、訂正事項1-2について、審判請求書 6 請求の理由の(3)ア(ア)aにおいて、訂正事項1-2は特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である旨主張しているので、以下検討する。
「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正が認められる前提は、前記1(1)ア(ア)において述べたとおりである。
そこで、上記のことを前提として、訂正事項1-2について検討する。
訂正前の請求項1に記載された「R5′」は「Z2′」の定義に用いられているものであるところ、上記1で述べたとおり、「Z2′」の定義の記載は、式(I)に存在しない基の定義の記載であるから、「R5′」に関する記載も、存在しない基に関するものである。
したがって、訂正事項1-2により削除しようとする部分の「R5′」の定義の記載は、式(I)に存在しない基の定義の記載であって、いかなる技術的事項を意味しているのかが不明であり、不明瞭な記載であるといえる。
そうすると、訂正事項1-2は、式(I)に存在しない基の定義の記載という不明瞭な記載が存在していたところ、この不明瞭な記載を削除し、本来の意味である存在しない状態にするものであるといえる。
したがって、上記訂正事項1-2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であると認められる。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるかについて
訂正事項1-2は、上記(1)で検討したように、訂正前の請求項1の記載の不明瞭な記載を削除し、本来の意味を明らかにしたものであるので、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載された技術的事項からみて、新たな技術的事項を導入しているとはいえない。
したがって、上記訂正事項1-2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項1-2は、上記(1)で検討したように、訂正前の請求項1の記載の不明瞭な記載を削除し、本来の意味を明らかにしたものであるので、発明のカテゴリーを変更するものではなく、特許請求の範囲は実質的に変わらず、特許請求の範囲を、実質上拡張し、又は変更するものではないので、特許法第126条第6項の規定に適合するといえる。
また、請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2~7、9~14についての訂正は、請求項1と同様の訂正であるから、上記(1)~(3)において検討したのと同様に、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合する。
3 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
審判請求人は、訂正事項2について、審判請求書 6 請求の理由の(3)ア(イ)aにおいて、訂正事項2は特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である旨主張しているので、以下検討する。
「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正が認められる前提は、前記1(1)ア(ア)において述べたとおりである。
そこで、上記のことを前提として、訂正事項2について検討する。
訂正前の請求項6の記載をみると【化7】に記載された式及びその定義の記載には、訂正事項2により削除しようとする部分以外に「R5′」という記載はない。
さらに、上記2において検討したように、訂正前の請求項6が引用する訂正前の請求項1に記載された「R5′」は「Z2′」の定義に用いられているものであるところ、上記1で述べたとおり、「Z2′」の定義の記載は、式(I)に存在しない基の定義の記載であるから、「R5′」に関する記載も、存在しない基に関するものである。
したがって、訂正前の請求項6の「R5′、」という記載は、式(I)に存在しない基の定義の記載であって、いかなる技術的事項を意味しているのかが不明であり、不明瞭な記載であるといえる。
そうすると、訂正事項2は、式(I)に存在しない基の定義の記載という不明瞭な記載が存在していたところ、この不明瞭な記載を削除し、本来の意味を明らかにするものであるといえる。
したがって、上記訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であると認められる。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるかについて
訂正事項2は、上記(1)で検討したように、特許請求の範囲の訂正前の請求項6の記載の不明瞭な記載を削除し、本来の意味を明らかにしたものであるので、願書に最初に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載された技術的事項からみて、新たな技術的事項を導入しているとはいえない。
したがって、上記訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項2は、上記(1)で検討したように、特許請求の範囲の訂正前の請求項6の記載の不明瞭な記載を削除し、本来の意味を明らかにしたものであるので、発明のカテゴリーを変更するものではなく、特許請求の範囲は実質的に変わらず、特許請求の範囲を、実質上拡張し、又は変更するものではないので、特許法第126条第6項の規定に適合するといえる。
また、請求項6を直接的又は間接的に引用する請求項7、9~14についての訂正は、請求項6と同様の訂正であるから、上記(1)~(3)において検討したのと同様に、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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