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特許訂正審判

2020-390001

遊技機

審判番号
2020-390001
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2018-085530外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年01月10日
審決日
2020年03月18日
公報発行日
2020年06月26日
結論
訂正認容
審判長/審判官
分類
P141 .853-Y (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条5項特許法126条6項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6586596号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
特許第6586596号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。

理由

目次 ▾ 10項目
【理 由】

第1 手続の経緯

本件訂正審判の請求に係る特許第6586596号(以下、「本件特許」という。)は、平成30年4月26日の出願であって、令和1年9月20日に特許権の設定登録がなされ、令和2年1月10日に訂正審判の請求がなされたものである。

第2 請求の趣旨

本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という)及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容

1 訂正事項1

本件特許の特許請求の範囲の請求項1に、

「 遊技者に有利な有利遊技状態に設定可能な設定手段と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、
第1の可動役物および第2の可動役物と、を備え、
前記演出実行手段が実行可能な演出として、低期待度演出と、前記低期待度演出よりも前記有利遊技状態が設定される可能性が高いことを示唆する高期待度演出と、特定演出と、があり、
続きを表示(全15行)
前記演出実行手段は、
前記特定演出の後に前記低期待度演出を実行するときがあり、
前記低期待度演出の後に前記高期待度演出を実行するときがあり、
前記低期待度演出の実行中に、前記高期待度演出が行われることを示唆する確定演出を実行するときがあり、
前記特定演出は、
前記低期待度演出が行われることを示唆すると共に、前記低期待度演出の後に前記高期待度演出が行われる可能性があることを示唆する演出であり、
前記第1の可動役物を用いた第1の態様で行われるときと、前記第2の可動役物を用いた第2の態様で行われるときとがあり、
前記第1の態様で前記特定演出が行われたときの方が、前記第2の態様で前記特定演出が行われたときよりも、前記低期待度演出の後に前記高期待度演出が行われ易く、
前記確定演出は、
前記特定の可動役物を用いた特殊態様で行われるときがあり、
前記第1の態様と前記特殊態様とは、同じ又は類似であることを特徴とする遊技機。」

と記載されているのを、

「 遊技者に有利な有利遊技状態に設定可能な設定手段と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、
第1の可動役物および第2の可動役物と、を備え、
前記演出実行手段が実行可能な演出として、低期待度演出と、前記低期待度演出よりも前記有利遊技状態が設定される可能性が高いことを示唆する高期待度演出と、特定演出と、があり、
続きを表示(全15行)
前記演出実行手段は、
前記特定演出の後に前記低期待度演出を実行するときがあり、
前記低期待度演出の後に前記高期待度演出を実行するときがあり、
前記低期待度演出の実行中に、前記高期待度演出が行われることを示唆する確定演出を実行するときがあり、
前記特定演出は、
前記低期待度演出が行われることを示唆すると共に、前記低期待度演出の後に前記高期待度演出が行われる可能性があることを示唆する演出であり、
前記第1の可動役物を用いた第1の態様で行われるときと、前記第2の可動役物を用いた第2の態様で行われるときとがあり、
前記第1の態様で前記特定演出が行われたときの方が、前記第2の態様で前記特定演出が行われたときよりも、前記低期待度演出の後に前記高期待度演出が行われ易く、
前記確定演出は、
前記第1の可動役物を用いた特殊態様で行われるときがあり、
前記第1の態様と前記特殊態様とは、同じ又は類似であることを特徴とする遊技機。」

に訂正する(なお、下線は当審において付したものであり、訂正箇所を表す。以下同様)。

2 訂正事項2

本件特許明細書の段落【0005】に、

「 本発明の遊技機は、
遊技者に有利な有利遊技状態に設定可能な設定手段と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、
第1の可動役物および第2の可動役物と、を備え、
続きを表示(全16行)
前記演出実行手段が実行可能な演出として、低期待度演出と、前記低期待度演出よりも前記有利遊技状態が設定される可能性が高いことを示唆する高期待度演出と、特定演出と、があり、
前記演出実行手段は、
前記特定演出の後に前記低期待度演出を実行するときがあり、
前記低期待度演出の後に前記高期待度演出を実行するときがあり、
前記低期待度演出の実行中に、前記高期待度演出が行われることを示唆する確定演出を実行するときがあり、
前記特定演出は、
前記低期待度演出が行われることを示唆すると共に、前記低期待度演出の後に前記高期待度演出が行われる可能性があることを示唆する演出であり、
前記第1の可動役物を用いた第1の態様で行われるときと、前記第2の可動役物を用いた第2の態様で行われるときとがあり、
前記第1の態様で前記特定演出が行われたときの方が、前記第2の態様で前記特定演出が行われたときよりも、前記低期待度演出の後に前記高期待度演出が行われ易く、
前記確定演出は、
前記特定の可動役物を用いた特殊態様で行われるときがあり、
前記第1の態様と前記特殊態様とは、同じ又は類似であることを特徴とする。」

と記載されているのを、

「 本発明の遊技機は、
遊技者に有利な有利遊技状態に設定可能な設定手段と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段と、
第1の可動役物および第2の可動役物と、を備え、
続きを表示(全16行)
前記演出実行手段が実行可能な演出として、低期待度演出と、前記低期待度演出よりも前記有利遊技状態が設定される可能性が高いことを示唆する高期待度演出と、特定演出と、があり、
前記演出実行手段は、
前記特定演出の後に前記低期待度演出を実行するときがあり、
前記低期待度演出の後に前記高期待度演出を実行するときがあり、
前記低期待度演出の実行中に、前記高期待度演出が行われることを示唆する確定演出を実行するときがあり、
前記特定演出は、
前記低期待度演出が行われることを示唆すると共に、前記低期待度演出の後に前記高期待度演出が行われる可能性があることを示唆する演出であり、
前記第1の可動役物を用いた第1の態様で行われるときと、前記第2の可動役物を用いた第2の態様で行われるときとがあり、
前記第1の態様で前記特定演出が行われたときの方が、前記第2の態様で前記特定演出が行われたときよりも、前記低期待度演出の後に前記高期待度演出が行われ易く、
前記確定演出は、
前記第1の可動役物を用いた特殊態様で行われるときがあり、
前記第1の態様と前記特殊態様とは、同じ又は類似であることを特徴とする。」

に訂正する。

第4 当審における判断

1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について

(1)訂正事項1

ア 訂正前の請求項1において、「前記特定の可動役物」と記載されているが、それ以前に「特定の可動役物」は記載されておらず、「前記特定の可動役物」が何を示すのか明確でなく、不明瞭な記載であった。

イ 訂正事項1は、「前記特定の可動役物」と記載されているのを、「前記第1の可動役物」と訂正することで、特許請求の範囲の記載を明確にするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(2)訂正事項2

訂正事項1において特許請求の範囲の請求項1を訂正することに伴い、請求項1に対応した事項が記載されている、明細書の段落【0005】について、訂正事項1と同様の訂正をするものである。

したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(3)小括

訂正事項1及び2は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について

(1)訂正事項1について

ア 本件特許明細書には、以下の記載がある(下線は当審が付した。以下同様)。

「【0056】
2.遊技機の電気的構成
次に、図6~図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6~図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、通常ボタン40や特殊ボタン41の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(本発明の演出実行手段に相当、以下「サブ制御基板」ともいう)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。」
「【0147】
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
・・・
【0149】
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。」
「【0248】
図34(A)に示すように、非時短状態のときに特図1の判定結果が「大当たり」の場合には、Nリーチまで行われる特図変動パターン「P03」よりも、Lリーチまで行われる特図変動パターン「P02」が選択され易い。さらに、その特図変動パターン「P02」よりも、SPリーチまで行われる特図変動パターン「P01」等が選択され易い。それに対し、図34(B)に示すように、非時短状態のときに特図1の判定結果が「リーチ有りハズレ」の場合には、Nリーチまで行われる特図変動パターン「P06」が最も選択され易い。そのため、SPリーチの方がNリーチよりも大当たりに当選する可能性が高いことを示唆している。」
「【0254】
SPリーチが実行される特図変動演出の通常変動において、第1煽り演出が行われる確率は、第1煽り演出が行われない確率と同じである(図35(A)参照)。それに対し、SPリーチが実行されない特図変動演出の通常変動において、第1煽り演出が行われない確率の方が、第1煽り演出が行われる確率よりも高い(図35(A)参照)。つまり、そのような場合には第1煽り演出が行われづらい。かくして、本実施形態では、SPリーチが実行される場合には、SPリーチが実行されない場合よりも、第1煽り演出が行われ易い。」
「【0259】
7-4-1.第1煽り演出
第1煽り演出(本発明の示唆演出,第1特別演出に相当)とは、リーチの実行可能性を示唆する演出である。第1煽り演出は、各種可動体(盤上可動体55k、盤左可動体57L又は盤右可動体57R)を用いた演出である。つまり、それら各種可動体のいずれかの可動体の動作を伴う演出になっている。
【0260】
本実施形態の第1煽り演出には、3つの演出態様(第1態様、第2態様および第3態様)がある。第1態様とは、盤上可動体55kの第1動作の後、同じ盤上可動体55kの第2動作を伴う演出態様である。盤上可動体55kの第1動作とは、具体的には、図28に示す盤上可動体55kの初期位置と、図29(A)に示す第1盤上位置との間を複数回往復する動作を指す。盤上可動体55kの第2動作とは、具体的には、図28に示す盤上可動体55kの初期位置と、図29(B)に示す第2盤上位置との間を1往復する動作を指す。なお、第1態様の第1煽り演出が第1示唆演出に相当する。
【0261】
第2態様とは、盤上可動体55kの第1動作の後、盤左可動体57Lの第4動作および盤右可動体57Rの第6動作を伴う演出態様である。盤左可動体57Lの第4動作とは、具体的には、図28に示す盤左可動体57Lの初期位置と、図30(B)に示す第2盤左位置との間を1往復する動作を指す。また、盤右可動体57Rの第6動作とは、具体的には、図28に示す盤右可動体57Rの初期位置と、図31に示す盤右位置との間を1往復する動作を指す。なお、第2態様の第1煽り演出もまた、第1態様の第1煽り演出と同じく、本発明の第1示唆演出に相当する。」
「【0267】
7-4-5.強SP確定演出
強SP確定演出(本発明の複数使用演出,第2示唆演出,第4特別演出に相当)とは、SPリーチのうち強SPリーチ(第2の演出,特殊演出,第2特別演出に相当)の実行を示唆する演出である。すなわち、強SP確定演出が実行された場合には、その後に必ず強SPリーチが行われる。この強SP確定演出は、いずれも上述した、盤左可動体57Lの第4動作、および、盤右可動体57Rの第6動作を伴う演出である。すなわち、上述した第1煽り演出の第2態様と同じような、盤左可動体57Lと盤右可動体57Rとが表示部50aの前方で交差する演出である(図36参照)。つまり、強SP確定演出は、第1煽り演出の第2態様の一部と同じ演出態様となっている。」
「【0273】
次に、第2態様の第1煽り演出について、図38に基づいて説明する。図38に示す例として、例えば、非時短遊技状態で特図1の判定結果が「大当たり」のときに、特図変動パターン「P23」が選択され、さらに、図35(A)に示す第1煽り演出実行選択テーブルに基づいて「実行」が選択され、図35(B)に示す第1煽り演出態様選択テーブルに基づいて「第2態様」が選択された場合が挙げられる。
【0274】
図38に示すように、特図変動パターン「P23」に応じた特図変動演出の通常変動の開始とともに、その通常変動の実行中の時間t01に第2態様での第1煽り演出が開始される。第1煽り演出の第2態様とは、上述したように、盤上可動体55kの第1動作、および、その後の、盤左可動体57Lの第4動作と盤右可動体57Rの第6動作とを組み合わせた動作を伴う演出態様である(図38参照)。なお、図38に示す「時間t02」に、第1動作から第4動作と第6動作とを組み合わせた動作に切り替わる。このような第1煽り演出は、リーチの実行開始時間である時間t03まで行われる(図38参照)。なお、時間t02の第6動作が第1の動作に相当する。
【0275】
第2態様の第1煽り演出は、第1態様の第1煽り演出とは異なり、時間t02に第4動作と第6動作とを組み合わせた動作に切り替わる。第4動作と第6動作とを組み合わせた動作とは、図36に示す、盤左可動体57Lおよび盤右可動体57Rの2つの可動体を用いた演出になっている。表示部50aの前方で交差するため、遊技者の注目を集め易い。よって、そのような第1煽り演出の実行によって、大きなインパクトを遊技者に与えることが可能となっている。
【0276】
また、図38に示すように、強SP確定演出では、第4動作と第6動作とを組み合わせた動作が行われる。第1煽り演出の第2態様には、強SP確定演出の態様と同じ動作が含まれている。よって、強SPリーチの実行を示唆する演出と同じ態様が第1煽り演出で行われることで、その第1煽り演出の実行時点で、強SPリーチの実行を遊技者に期待させることが可能となっている。
【0277】
また、本実施形態の第1煽り演出は、図35(B)に示すように、SPリーチ(強SPリーチ,弱SPリーチ)が行われる場合、第1態様よりも第2態様の方が選択され易い。よって、第2態様の第1煽り演出が行われた場合には、遊技者は、SPリーチの実行、さらには、大当たりの当選を期待し易い。」
「【0281】
上述したように、特図変動パターン「P23」に応じた特図変動演出の通常変動が開始されると、第1態様での第1煽り演出、および、リーチがそれぞれ行われる。そして、リーチ後のNリーチの実行中の時間t05に第2煽り演出の実行が開始される。第2煽り演出とは、通常ボタン40の押下操作を遊技者に促す画像演出である。具体的に例えば、表示部50aに、通常ボタン40を模した画像と、文字列「押せ!」を示す画像とを合わせて表示する演出である。
【0282】
特図変動パターン「P23」では、上記第2煽り演出が行われた後の時間t06に、上述した導入演出が開始される(図37参照)。時間t06は、時間t07に強SP確定演出が行われる前の時間にあたる。導入演出は、上述したように、盤左可動体57Lの第3動作、すなわち、図28に示す盤左可動体57Lの初期位置と、図30(A)に示す第1盤左位置との間を複数回往復する動作を伴う演出である。そのため、このような導入演出の実行によって、遊技者の気を引くことが可能となっている。
【0283】
導入演出の実行後の時間t07に上述した強SP確定演出が開始される(図37参照)。強SP確定演出は、上述したように、盤左可動体57Lの第4動作、および、盤右可動体57Rの第6動作を組み合わせた動作を伴う演出である(図36参照)。2種類の可動体を用いた強SP確定演出の実行によって、遊技者に大きなインパクトを与えつつ、遊技者の気を引くことが可能となっている。
【0284】
強SP確定演出の実行後の時間t08に強SPリーチが開始される。つまり、強SP確定演出の実行に続いて、強SPリーチが行われる。」
「【0291】
そして、第3煽り演出が行われた後の時間t13(所定のタイミング,第1のタイミングに相当)に強SP確定演出が開始される(図41参照)。すなわち、この強SP確定演出の開始タイミングが、上述した図40等の強SP確定演出の開始タイミングよりも後になっている。つまり、本パチンコ遊技機PY1では、Nリーチの実行中に強SP確定演出の実行タイミングが複数あり、バラエティに富んだ特図変動演出となっている。なお、時間t13の第6動作が第2の動作に相当する。」
「【0346】
また、上記第1実施形態では、第1の動作を第6動作とし、第2の動作もまた第1の動作と同様の第6動作とした。しかしながら、第2の動作を第1の動作と類似の動作としてもよい。」

イ 訂正後の請求項1における「前記確定演出は、前記第1の可動役物を用いた特殊態様で行われるときがあり、前記第1の態様と前記特殊態様とは、同じ又は類似であること」(以下、「構成A」という。)が特許法第126条第5項の規定を満たすか否かの検討

(ア)本件特許明細書に記載された、「強SP確定演出」、「盤左可動体57L」及び「盤右可動体57R」は、【0267】の記載から、それぞれ本件訂正後の請求項1の「確定演出」、「第1の可動役物」に対応し、同「第1煽り演出の第2態様」は、【0267】の記載から、その一部に「盤左可動体57Lの第4動作および盤右可動体57Rの第6動作を伴う」態様を含み、上記のとおり、「盤左可動体57L」及び「盤右可動体57R」は、同請求項1の「第1の可動役物」に対応するから、同請求項1の「第1の態様」に対応する。

(イ)また、上記【0267】には、「盤左可動体57Lの第4動作、および、盤右可動体57Rの第6動作を伴う」「強SP確定演出」は、「第1煽り演出の第2態様の一部と同じ演出態様となっている」点が記載されている。

ここで、「盤左可動体57Lの第4動作、および、盤右可動体57Rの第6動作を伴う」「強SP確定演出」は、確定演出における第1の可動役物を用いた演出態様であることから、本件訂正後の請求項1の「特殊態様」に対応する。また、上記(ア)で説示のとおり、「盤左可動体57Lの第4動作および盤右可動体57Rの第6動作を伴う」「第1煽り演出の第2態様」は、本件訂正後の請求項1の「第1の態様」に対応するから、本件特許明細書には、「特殊態様」と「第1の態様」を「同じ」とする点が記載されている。

(ウ)さらに、上記【0346】には、「第2の動作を第1の動作と類似の動作としてもよい。」と記載され、上記【0291】には、第2の動作は強SP確定演出の第6動作に対応し、上記【0274】には、第1の動作は第1煽り演出の第2態様の第6動作に対応することが記載されているから、本件特許明細書には、「強SP確定演出」における「盤左可動体57Lの第4動作、および、盤右可動体57Rの第6動作を伴う演出」(特殊態様)と、「「盤上可動体55kの第1動作の後、盤左可動体57Lの第4動作および盤右可動体57Rの第6動作を伴う」「第2態様」」(第1の態様)を「類似」の動作とする点も記載されているといえる。

(エ)上記(ア)~(ウ)から、上記構成Aは、本件特許明細書に記載されたものである。

ウ してみれば、訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「願書に添付した明細書等」という。)より導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許の願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

(2)訂正事項2について

訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0005】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。

したがって、訂正事項2は、訂正事項1と同様の理由により、本件特許の願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

(3)小括

訂正事項1及び2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について

(1)訂正事項1について

訂正前の請求項1の「前記確定演出は、前記特定の可動役物を用いた特殊態様で行われるときがあり、前記第1の態様と前記特殊態様とは、同じ又は類似である」との記載に関し、「前記特定の可動役物」との記載は、上記第4 1(1)アで示したとおり不明瞭な記載であって、訂正前の請求項1は、「特殊態様」が、どの可動役物によって行われるのか明確でなかったが、訂正事項1により、「前記特定の可動役物」が「前記第1の可動役物」と訂正され、「特殊態様」が「前記第1の可動役物」によって行われることが明らかとなった。

他方、訂正前の請求項1には、「確定演出」における「前記第1の態様と前記特殊態様とは、同じ又は類似である」と特定されていたところ、同請求項1において、「第1の態様」は、「第1の可動役物を用い」て行われていることから、「特殊態様」が「第1の可動役物を用い」て行われる事項は、訂正前の請求項1に含まれていた事項である。

してみれば、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。

(2)訂正事項2について

訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0005】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。

したがって、訂正事項2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。

(3)小括

訂正事項1及び2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

第5 むすび

以上のとおりであるから、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項及び第6項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-390001

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