特許拒絶査定不服審判
2020-016362
発電装置用の排気システム
- 審判番号
- 2020-016362
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-542378外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年11月27日
- 審決日
- 2021年08月03日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー
- 【請求人代理人】園田・小林特許業務法人
- 分類
- P18 .161-Z (F01D) / P18 .537-Z (F01D) / P18 .572-Z (F01D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条の2
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条の2、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第184条の4第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-542378「発電装置用の排気システム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年8月25日国際公開、WO2016/132138、平成30年3月1日国内公表、特表2018-505990〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)2月19日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年2月20日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、令和元年11月22日付け(発送日:同年12月3日)で拒絶理由が通知され、令和2年6月3日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和2年7月13日付け(発送日:同年7月28日)で拒絶査定がされ、これに対して令和2年11月27日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がされたものである。
第2 令和2年11月27日の手続補正についての補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
令和2年11月27日の手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
〔理由〕
1 本件補正発明
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について、本件補正前(令和2年6月3日の手続補正書)の請求項1に、
「【請求項1】
空気中で燃料を燃焼させて電力を発生させる熱源を備えている、発電装置用の排気システムであって、前記排気システムが、流動排気ガスを受け入れるように適合され、且つ前記排気ガスを処理するための触媒システムを備え、前記触媒システムが、第1の酸化触媒及び第2の酸化触媒を備え、前記流動排気ガスが前記第2の酸化触媒に接触する前に前記第1の酸化触媒に接触するように、前記第1の酸化触媒が、前記熱源から下流に位置付けされていて、
前記触媒システムは、第2のブロック内に配置され、且つ第1のブロック内に配置された1つ目の第1の酸化触媒の下流及び前記第2の酸化触媒の上流で前記流動排気ガスを受け入れるように位置付けされた2つ目の第1の酸化触媒をさらに備えており、
前記流動排気ガスは前記1つ目の第1の酸化触媒及び前記2つ目の第1の酸化触媒と比較的高い温度域内で接触し、引き続き前記流動排気ガスは前記第2の酸化触媒と比較的低い温度域内で接触する、排気システム。」
とあったものを、
「【請求項1】
空気中で燃料を燃焼させて電力を発生させる熱源を備えている、発電装置用の排気システムであって、前記排気システムが、流動排気ガスを受け入れるように適合され、且つ前記排気ガスを処理するための触媒システムを備え、前記触媒システムが、第1の酸化触媒及び第2の酸化触媒を備え、前記流動排気ガスが前記第2の酸化触媒に接触する前に前記第1の酸化触媒に接触するように、前記第1の酸化触媒が、前記熱源から下流に位置付けされていて、
前記触媒システムは、第2のブロック内に配置され、且つ第1のブロック内に配置された1つ目の第1の酸化触媒の下流及び前記第2の酸化触媒の上流で前記流動排気ガスを受け入れるように位置付けされた2つ目の第1の酸化触媒をさらに備えており、
前記1つ目の第1の酸化触媒はダクトバーナとスーパヒータとの間に配置され、前記2つ目の第1の酸化触媒は、前記スーパヒータと高圧蒸発器との間に配置され、
前記流動排気ガスは前記1つ目の第1の酸化触媒及び前記2つ目の第1の酸化触媒と比較的高い温度域内で接触し、引き続き前記流動排気ガスは前記第2の酸化触媒と比較的低い温度域内で接触する、排気システム。」
と補正することを含むものである(下線は補正箇所を示すために当審で付与した。)。
上記補正は、本件補正前の請求項1に記載される発明の発明特定事項である「1つ目の第1の酸化触媒」及び「2つ目の第1の酸化触媒」の配置について、「前記1つ目の第1の酸化触媒はダクトバーナとスーパヒータとの間に配置され、前記2つ目の第1の酸化触媒は、前記スーパヒータと高圧蒸発器との間に配置され」ることの限定を付したものであり、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)否かについて検討する。
2 先願明細書の記載事項、先願発明
原査定の拒絶の理由に引用され本願の優先日前の出願であって、その出願後に公開されたPCT/US2015/011563号(国際公開第2015/109072号、特表2017-511854号公報)(国際出願日:2015年1月15日、国際公開日:2015年7月23日。以下、「先願明細書」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(以下、翻訳文として特表2017-511854号公報を採用し、その段落番号とともに記載した。また、下線は当審で付した。)。
ア 「【0004】
図1は、ガスタービン・サイクル1と水/水蒸気サイクル2とを有する従来型コンバインドサイクル発電設備を示している。ガスタービン・サイクル1においては、空気圧縮機10に空気が入り、燃料Fと燃焼室11において混合され、燃焼させられる。燃焼生成物はタービン部13へと供給され、タービンシャフト14に発電機15を回転させ、発電が行われる。
【0005】
ガスタービン13からの排気Eは、移行ダクト19に入り、熱回収水蒸気発生器(HRSG)20へ導かれ、水/水蒸気回路を通過する際に、水を加熱し水蒸気へと沸騰させることで冷却される。実用的量のエネルギーを水/水蒸気サイクルに与えた(冷却された)後、HRSG排気煙突21から排出される。環境保護庁(EPA)への報告と排出規制適合の決定のために、この排出煙突において排出値が計測される。」
イ 「【0023】
【図2】図2は本発明の一実施形態によるコンバインドサイクル発電設備の構成を示す。
【0024】
図1と図2における類似要素を特定するために同じ参照番号を用いた。」
ウ 「【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図2を参照しつつ、本発明の一実施形態につき述べる。この実施形態においては、排出物制御機器が異なる構成で設計され、稼働範囲をより広くし、低負荷時の排出物をより低くするために最適化される。すなわち、ダクトバーナー有りまたは無しで設計され、本発明の前記実施形態に従い運転されるGTPPは、排出物制御機器および他の重要な特徴を特有の形で活用することで、実施例発電設備が50%負荷より低い負荷において煙突排出物の規制適合を維持しつつ稼働することを可能とする。
【0026】
特に、図2に示すように、排出物制御機器は、複数のCO触媒130、140および150を含む。排気経路中の最初の触媒は高温CO触媒140である。この上流の酸化(CO)触媒140は、1つ以上の下流CO触媒130、150の上流(典型的には、排気経路の高温領域(800°F以上))に位置し、排気ガス流におけるCO排出物の最初の低減を行う。これら直列に配置されたCO触媒は不完全燃焼生成物の全体的な低減に顕著な効果をもたらす。」
エ 「【0028】
下流の1つ以上の酸化(CO)触媒130、150は排気経路のより低温域(約800°F以下)に位置し、排気ガス流におけるCO排出物をさらに低減する。」
オ 「【0031】
例えば図2に示すコンバインドサイクル構成設備の運転方法において、通常運転の間、GTからの排気ガスは、先ず高温CO触媒140に接触し、そこでCOが設計に基づきはじめてより低いレベルに低減される。そこを通り過ぎると、排気ガスはHP過加熱器55および再加熱器62を通る間に冷却され、次にHPボイラードラム管54を通ってさらに冷却される。触媒130、140、150および160は、要求される煙突21からの排出物レベルを維持するために、排気温度のこの領域で作用するよう設計される。中間温度CO触媒130は排気ガス中の残留COを許容レベルへと低減する(必要ならば、第3CO触媒150を設置できる)。アンモニア注入網120がその後にガス流中にアンモニアを注入し、混合ガスは次にSCR触媒160へと運ばれ、そこでNOxが規制適合許容レベルまで低減される。」
カ 「【0036】
本発明の他の実施態様によれば、排気ガス流におけるCO排出物レベルの最初の低減を行うために、図2に示されるように、上流酸化(CO)触媒140は1つ以上の下流CO触媒130、150の上流に位置すると記載されたが、必要であれば、排気ガス流中のCO排出物レベルを更に低減するために、追加のCO触媒150を高温CO触媒140の上流に配置することもできる。」
キ 「【符号の説明】
【0041】
19・・・移行ダクト、
(途中省略)
高圧(HP)部
50・・・HPエコノマイザ
51・・・HPエコノマイザ
52・・・HP水蒸気ドラム
53・・・HP降水管
54・・・HP水蒸気発生器
55・・・HP過加熱器
56・・・STのHP部(71)への配管-図2において調整された運転領域を追加した
58・・・HPバイパスバルブおよび脱過加熱器
(以下省略)」
ク 【図2】
[図:0001380590000001.jpg]
ケ 上記アから、空気中で燃料を燃焼させて電力を発生させる熱源があるといえる。
コ 上記ウ(段落【0026】)及び技術常識から、排出物制御機器が、排気ガス流を受け入れるように適合されていることは明らかである。
ケ 上記ウ(段落【0025】)には、ダクトバーナー有りで設計されることが記載されており、この場合、移行ダクト19にダクトバーナーが有ることは、技術常識から明らかである。
コ 上記ウ(段落【0026】)、オ(段落【0031】)、カ(段落【0036】)及び技術常識から、高温CO触媒140及び当該高温CO触媒140の上流に配置された追加のCO触媒150(以下、「追加のCO触媒150」という。)並びに下流CO触媒130、150が、排気ガス流と接触することは明らかである。
サ 図2から、排気経路の上流側から、移行ダクト19、追加のCO触媒150、再加熱部62、HP過加熱器55(以下、「上流側HP過加熱器55」という。)、高温CO触媒140、再加熱部62、HP過加熱器55(以下、「下流側HP過加熱器55」という。)、下流CO触媒150、HP水蒸気発生器54、下流CO触媒130の順に配置されていることが看取できる。
シ 追加のCO触媒150は、高温CO触媒140の上流に配置されるものであり、上流の方が温度が高いことは技術常識であるから、上記ウ(段落【0026】)から、追加のCO触媒150も高温領域に位置するといえる。
上記記載事項、認定事項及び図面の図示内容を総合し、本件補正発明の記載ぶりに則って整理すると、引用文献には、次の発明(以下、「先願発明」という。)が記載されている。
〔先願発明〕
「空気中で燃料を燃焼させて電力を発生させる熱源を備えている、コンバインドサイクル発電設備用の排出物制御機器であって、前記排出物制御機器が、排気ガス流を受け入れるように適合され、且つ前記排気ガス流を処理するための複数のCO触媒を備え、
前記複数のCO触媒は、追加のCO触媒150及び高温CO触媒140並びに下流CO触媒150及び下流CO触媒130を備え、前記排気ガス流が前記下流CO触媒150及び前記下流CO触媒130下流に接触する前に前記追加のCO触媒150及び前記高温CO触媒140に接触するように、前記追加のCO触媒150及び前記高温CO触媒140が、前記熱源から下流に位置付けされていて、
排気経路の上流側から、ダクトバーナーを有する移行ダクト19、前記追加のCO触媒150、再加熱部62、上流側HP過加熱器55、前記高温CO触媒140、再加熱部62、下流側HP過加熱器55、前記下流CO触媒150、HP水蒸気発生器54、前記下流CO触媒130の順に配置され、
前記排気ガス流は前記追加のCO触媒150及び前記高温CO触媒140と高温領域で接触し、引き続き前記排気ガス流は前記下流CO触媒150及び前記下流CO触媒130と低温域で接触する、排出物制御機器。」
3 対比及び判断
本件補正発明と先願発明とを対比する。
(1)先願発明における「コンバインドサイクル発電設備」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本件補正発明における「発電装置」に相当し、以下同様に、「排出物制御機器」は「排気システム」に、「排気ガス流」は「流動排気ガス」に、「複数のCO触媒」は「触媒システム」に、「高温領域」は「比較的高い温度域内」に、「低温域」は「比較的低い温度域内」に、それぞれ相当する。
(2)触媒の位置する温度域に着目すると、先願発明における「追加のCO触媒150及び高温CO触媒140」が本件補正発明における「第1の酸化触媒」に、「下流CO触媒150及び下流CO触媒130」が「第2の酸化触媒」にそれぞれ相当する。そして、先願発明における「追加のCO触媒150」及び「高温CO触媒140」が本件補正発明における「1つ目の第1の酸化触媒」及び「2つ目の第1の酸化触媒」にそれぞれ相当する。
(3)上記(1)及び(2)を踏まえると、先願発明における「前記複数のCO触媒は、追加のCO触媒150及び高温CO触媒140並びに下流CO触媒150及び下流CO触媒130を備え、前記排気ガス流が前記下流CO触媒150及び前記下流CO触媒130下流に接触する前に前記追加のCO触媒150及び前記高温CO触媒140に接触するように、前記追加のCO触媒150及び前記高温CO触媒140が、前記熱源から下流に位置付けされていて、」と、本件補正発明における「触媒システムが、第1の酸化触媒及び第2の酸化触媒を備え、前記流動排気ガスが前記第2の酸化触媒に接触する前に前記第1の酸化触媒に接触するように、前記第1の酸化触媒が、前記熱源から下流に位置付けされていて、前記触媒システムは、第2のブロック内に配置され、且つ第1のブロック内に配置された1つ目の第1の酸化触媒の下流及び前記第2の酸化触媒の上流で前記流動排気ガスを受け入れるように位置付けされた2つ目の第1の酸化触媒をさらに備えており、」とは、「触媒システムが、第1の酸化触媒及び第2の酸化触媒を備え、前記流動排気ガスが前記第2の酸化触媒に接触する前に前記第1の酸化触媒に接触するように、前記第1の酸化触媒が、前記熱源から下流に位置付けされていて、前記触媒システムは、1つ目の第1の酸化触媒の下流及び前記第2の酸化触媒の上流で前記流動排気ガスを受け入れるように位置付けされた2つ目の第1の酸化触媒をさらに備えており、」という限りにおいて一致している。
(4)上記(1)及び(2)を踏まえると、先願発明における「前記排気ガス流は前記追加のCO触媒150及び前記高温CO触媒140と高温領域で接触し、引き続き前記排気ガス流は前記下流CO触媒150及び前記下流CO触媒130と低温域で接触する」は、本件補正発明における「流動排気ガスは前記1つ目の第1の酸化触媒及び前記2つ目の第1の酸化触媒と比較的高い温度域内で接触し、引き続き前記流動排気ガスは前記第2の酸化触媒と比較的低い温度域内で接触する」に相当する。
(5)先願発明は「排気経路の上流側から、ダクトバーナーを有する移行ダクト19、追加のCO触媒150、再加熱部62、上流側HP過加熱器55、高温CO触媒140、再加熱部62、下流側HP過加熱器55、下流CO触媒150、HP水蒸気発生器54、下流CO触媒130の順となるように配置されて」いるから、「追加のCO触媒150」は「ダクトバーナー」と「上流側HP過加熱器55」との間に配置され、「高温CO触媒140」は「上流側HP過加熱器55」と「HP水蒸気発生器54」との間に配置されているといえる。
そして、先願発明における「上流側HP過加熱器55」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本件補正発明における「スーパヒータ」に相当し、同様に、「HP水蒸気発生器54」は「高圧蒸発器」に、それぞれ相当するから、先願発明における「排気経路の上流側から、ダクトバーナーを有する移行ダクト19、前記追加のCO触媒150、再加熱部62、上流側HP過加熱器55、前記高温CO触媒140、再加熱部62、下流側HP過加熱器55、前記下流CO触媒150、HP水蒸気発生器54、前記下流CO触媒130の順に配置され」は、本件補正発明における「前記1つ目の第1の酸化触媒はダクトバーナとスーパヒータとの間に配置され、前記2つ目の第1の酸化触媒は、前記スーパヒータと高圧蒸発器との間に配置され」に相当する。
そうすると、本件補正発明と先願発明との間には、次の一致点及び相違点がある。
〔一致点〕
「空気中で燃料を燃焼させて電力を発生させる熱源を備えている、発電装置用の排気システムであって、前記排気システムが、流動排気ガスを受け入れるように適合され、且つ前記排気ガスを処理するための触媒システムを備え、前記触媒システムが、第1の酸化触媒及び第2の酸化触媒を備え、前記流動排気ガスが前記第2の酸化触媒に接触する前に前記第1の酸化触媒に接触するように、前記第1の酸化触媒が、前記熱源から下流に位置付けされていて、
前記触媒システムは、1つ目の第1の酸化触媒の下流及び前記第2の酸化触媒の上流で前記流動排気ガスを受け入れるように位置付けされた2つ目の第1の酸化触媒をさらに備えており、
前記1つ目の第1の酸化触媒はダクトバーナとスーパヒータとの間に配置され、前記2つ目の第1の酸化触媒は、前記スーパヒータと高圧蒸発器との間に配置され、
前記流動排気ガスは前記1つ目の第1の酸化触媒及び前記2つ目の第1の酸化触媒と比較的高い温度域内で接触し、引き続き前記流動排気ガスは前記第2の酸化触媒と比較的低い温度域内で接触する、排気システム。」
〔相違点〕
本件補正発明においては、1つ目の第1の酸化触媒が「第1のブロック内」に配置され、2つ目の第1の酸化触媒が「第2のブロック内」に配置されているのに対して、先願発明においては、追加のCO触媒150及び高温CO触媒140が、それぞれ、第1のブロック内及び第2のブロック内に配置されているとは、特定されていない点。
相違点について検討する。
本願明細書の発明の詳細な説明に、「第1のブロック」及び「第2のブロック」の「ブロック」の定義について特段の記載はない。そうすると、「ブロック」は、単なる「位置」、「区画」といった意味であるから、先願発明も、追加のCO触媒150及び高温CO触媒140は、それぞれブロック内に配置されているといえる。
そうすると、上記相違点は、実質的な相違点ではない。
したがって、本件補正発明は、先願発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし14に係る発明は、令和2年6月3日の手続補正により補正がされた特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載されたとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、前記「第2〔理由〕1 」に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。
2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定における拒絶の理由(拡大先願)の概要は次のとおりである。
(拡大先願)本願の請求項1ないし12に係る発明は、その出願の日前の外国語特許出願(特許法第184条の4第3項の規定により取り下げられたものとみなされたものを除く。)であって、その出願後に国際公開がされた下記の外国語特許出願の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の外国語特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない(同法第184条の13参照)。
記
<外国語特許出願>
PCT/US2015/011563号
(国際公開第2015/109072号、特表2017-511854号公報)
3 先願明細書、先願発明
原査定の拒絶の理由に引用されたPCT/US2015/011563号(国際公開第2015/109072号、特表2017-511854号公報)の記載事項及び先願発明は、前記「第2 〔理由〕2 」に記載したとおりである。
4 当審の判断
本件補正発明は、上記「第2〔理由〕1 」で述べたように、本願発明における「1つ目の第1の酸化触媒」及び「2つ目の第1の酸化触媒」の配置について、「前記1つ目の第1の酸化触媒はダクトバーナとスーパヒータとの間に配置され、前記2つ目の第1の酸化触媒は、前記スーパヒータと高圧蒸発器との間に配置され」ることの限定を付したものであるから、本願発明の発明特定事項をすべて含んでいる。
そして、本願発明の発明特定事項をすべて含んでいる本件補正発明が、上記「第2〔理由〕3 」に記載したとおり、先願発明と同一であるから、本願発明も、実質的に同様の理由により、先願発明と同一である。
5 まとめ
したがって、本願発明は、先願発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-016362