特許拒絶査定不服審判
2025-007278
プログラム、システム
- 審判番号
- 2025-007278
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-162823
- 請求日
- 2025年05月12日
- 審決日
- 2026年03月31日
- 公報発行日
- 2026年06月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社コロプラ
- 【請求人代理人】山本 実
- 審判長/審判官
- 審判長 秋田 将行
- 審判官 島田 保
- 審判官 蔵野 いづみ
- 分類
- P18 .161-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条の2
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条の2、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-162823「プログラム、システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年 4月13日出願公開、特開2023- 53652〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年10月1日の出願であって、令和5年12月27日に手続補正書が提出され、令和6年11月8日付けで拒絶の理由が通知され、令和7年1月20日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年2月6日付け(送達日:同月12日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年5月12日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和7年5月12日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1 本件補正について
本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、本件補正前の、
「【請求項1】
A コンピュータに、
B 配信者のゲームプレイを含む動画を視聴する視聴者の中から、1以上の視聴者を抽選によって選択することと、
C 前記抽選によって選択された1以上である所定の視聴者に、前記配信者の前記ゲームプレイに特定の効果を発生させる権利を付与することと、
D 前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された前記権利に係る前記特定の効果を、前記配信者の前記ゲームプレイにおいて発生させることと、を実行させる
E プログラム。」
から、
「【請求項1】
A コンピュータに、
B 配信者のゲームプレイを含む動画を視聴する視聴者の中から、1以上の視聴者を抽選によって選択することと、
C 前記抽選によって選択された1以上である所定の視聴者に、前記配信者の前記ゲームプレイに特定の効果を発生させる権利を付与することと、
D1 前記配信者の1の前記ゲームプレイにおいて、前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された前記権利に係る前記特定の効果を発生させることと、を実行させ、
D2 前記所定時間が経過した後も、前記配信者の前記1のゲームプレイが継続して実行される、
E プログラム。」
へと補正された(下線は補正箇所を示す。なお、符号A等は分説のため当審において付し、分説されたそれぞれの発明を特定するために必要な事項を、以下「特定事項A」等という。)。
2 補正の適否について
(1) 補正事項
本件補正のうち、上記1の補正は、以下の補正事項からなる。
ア 補正事項1
本件補正前の請求項1に記載した発明の特定事項Dである「前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された前記権利に係る前記特定の効果を、前記配信者の前記ゲームプレイにおいて発生させることと、を実行させる」という記載を、「前記配信者の1の前記ゲームプレイにおいて、前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された前記権利に係る前記特定の効果を発生させることと、を実行させ、」(特定事項D1)という記載に変更する補正(以下「補正事項1」という。)。
イ 補正事項2
本件補正前の請求項1に記載した発明の特定事項Dの「前記配信者の前記ゲームプレイ」について、「前記所定時間が経過した後も、前記配信者の前記1のゲームプレイが継続して実行される、」(特定事項D2)という記載を追加する補正(以下「補正事項2」という。)。
(2) 新規事項
上記(1)で述べた補正事項1及び補正事項2からなる本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の【0122】~【0137】及び図8の記載に基づくものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
(3) 補正の目的
上記(1)アの補正事項1は、本件補正前の請求項1に記載した発明の特定事項Dの「前記配信者の前記ゲームプレイにおいて」について、その記載位置を特定事項Dの先頭に移動させるとともに、「前記配信者の前記ゲームプレイ」を「前記配信者の前記1のゲームプレイ」に限定することを含むものである。
また、上記(1)イの補正事項2は、上記アの補正事項1において限定された「前記配信者の前記1のゲームプレイ」について、さらに「前記所定時間が経過した後も、」「継続して実行される」ことを限定するものである。
よって、本件補正は、上記のとおり、本件補正前の発明特定事項に限定を加えるものであって、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定するところの特許請求の範囲の減縮(いわゆる「限定的減縮」)を目的とするものに該当する。
3 独立特許要件について
上記2(3)で述べたとおり、本件補正における請求項1の補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるから、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下で検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、上記第2の1に記載したとおりのものである。
(2) 先願発明
ア 先願2に記載された事項
原査定の拒絶理由において、先願2として引用され、本願の出願の日前の他の特許出願であって、その出願後に出願公開がなされた特願2020-178743(特開2022-69850)(以下「先願2」という。)の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「先願明細書等」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
「 【0029】
(13)また本発明に係るゲーム観戦システム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記基準操作内容変更部は、複数の観戦者のうち所定の観戦者条件を満たした観戦者の操作に基づいて、前記基準操作内容又は前記比較結果を変更してもよい。
・・・
【0038】
1.構成
図1は、本実施形態のゲーム観戦システムを示す。本実施形態では、複数の端末10とサーバ20(サーバシステム)とによって構成される。つまり、図1に示すように、本実施形態のゲーム観戦システムは、サービスを提供するサーバ20(サーバ装置)と、端末10(10A、10B、10C・・・)とが、ネットワークに接続可能に構成される。
・・・
【0040】
本実施形態では、プレーヤの端末10においてゲームが実行され、サーバ20において、端末で実行されるゲームの進行制御処理や、プレーヤによりプレイされるゲームを観戦者に観戦させる(観戦者の端末10に当該ゲームの内容を表示させる)処理などが実行される。また、サーバ20では、プレーヤのアカウント情報や、端末10で実行されるゲームのゲーム結果、当該ゲームで使用可能なゲーム媒体(キャラクタ、アイテム等のゲーム媒体)、当該ゲームで使用可能なゲーム内通貨などの情報が管理される。
・・・
【0042】
図2に本実施形態のサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のサーバは図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0043】
記憶部270は、処理部200の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部200のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。記憶部270は、格納部272(例えばデータベース)を含む。
・・・
【0049】
図3に、本実施形態の端末10の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態の端末は図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
・・・
【0051】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。記憶部170は、プレーヤがゲーム中に行うべき基準操作内容を記憶する。
・・・
【0056】
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報(操作情報)、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、ゲームを進行させる処理、画像生成処理、音生成処理、などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部100は、基準操作内容通知部110、ゲーム成績決定部112、画像生成部120、音生成部130を含む。
・・・
【0062】
また、本実施形態のゲーム観戦システムをサーバシステムとして構成してもよい。サーバシステムは、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。この場合には、サーバ観戦システムは、ネットワークを介して接続された1又は複数の端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)から送信された操作入力(端末の入力部に入力されたデータ)に基づいて、処理部100の処理を行って、画像を生成するための画像生成用データを生成し、生成した画像生成用データを各端末に対して送信する。ここで、画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を各端末において表示するためのデータであり、画像データそのものでもよいし、各端末が画像を生成するために用いる各種データ(オブジェクトデータ、ゲーム処理結果データ等)であってもよい。このように、基準操作内容通知部110、ゲーム成績決定部112、観戦制御部210及び基準操作内容変更部212の処理を、全てサーバで実行するように構成してもよいし、全て端末で実行するように構成してもよいし、サーバと端末で分散して実行するように構成してもよい。本発明は、スマートフォンで実行されるゲームアプリ、家庭用ゲーム機用のゲームソフト、PC用のゲームソフト、スマートフォンやPC用のブラウザゲーム、業務用ゲーム機などに適用することができる。
【0063】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。本実施形態のゲーム観戦システムは、プレーヤが楽曲に合わせて操作入力を行うゲーム(音楽ゲーム)を実行し、プレーヤによってプレイされている当該ゲームを観戦者が観戦(視聴)できるように構成されている。
・・・
【0066】
また、ゲーム画面GIには、プレーヤに操作入力のタイミングを指示する指示標識DSが表示される。指示標識DSは、いずれかのボタンBTの上方で発生し、ボタンBTに向けて(下方向に)一定速度で移動する。指示標識DSは、再生中の楽曲データ(ゲームの時系列)に対応付けられた指示標識DSごとの基準タイミングでボタンBTに到達するように移動する。すなわち、指示標識DSとボタンBTは、プレーヤがゲーム中に行うべき基準操作内容のうち操作タイミング(いつ操作すべきか)と操作コマンド(どのボタンBTを操作すべきか)を把握可能に通知する操作指示情報である。
・・・
【0069】
図5は、観戦者の端末10の表示部190に表示されるゲーム画面GIの一例を示す図である。図5に示すゲーム画面GIには、観戦者の観戦対象であるプレーヤによってプレイされているゲームのゲーム画像が表示される。本実施形態のゲーム観戦システムでは、観戦者は観戦中のゲーム画面GIにおいて、ゲームに関与するための所定の操作を行うことで、プレーヤがゲーム中に行うべき基準操作内容を変更することができる。図5に示すゲーム画面GIには、観戦者が観戦中のゲームに対して投稿情報を投稿するための投稿ボタンPBが表示されている。観戦者が投稿ボタンPBを操作すると、図6に示すように、投稿内容を指定するためのダイアログDLが表示される。図6は、投稿情報としてゲーム内通貨を投稿する(投げ銭を行う)場合の例を示しており、ダイアログDLには投げ銭の金額を入力するための入力エリアIAが表示されている。観戦者が入力エリアIAに金額を入力して実行ボタンRBを操作すると、観戦者の保有するゲーム内通貨が入力した額(図6に示す例では、「100」)だけ消費され(減少し)、観戦者によって入力された額に応じた額(入力された額と同額、或いは入力された額よりも少ない額)のゲーム内通貨が観戦対象のプレーヤに付与される。なお、投稿情報として、観戦者が入力したコメントや、観戦者が選択したアイテムやスタンプを投稿できるようにしてもよい。投稿されたアイテムやスタンプは消費されてもよいし消費されなくてもよい。
・・・
【0076】
また、ゲーム中(楽曲が再生される期間)において、基準操作内容(或いは、プレーヤの操作内容と基準操作内容との比較結果、以下同様)を変更可能な期間と変更できない期間とを設けてもよい。例えば、楽曲中の予め定められた期間(楽曲のイントロ、サビ、間奏など)を、基準操作内容を変更可能な期間或いは変更できない期間として設定してもよい。また、ゲーム中に所定の開始条件が満たされた場合に、所定の期間だけ基準操作内容を変更可能にするようにしてもよい。例えば、プレーヤによりプレイされているゲームを観戦する観戦者の人数(視聴数)が所定数に達した場合や、当該観戦者によって入力された投げ銭の総額が所定値に達した場合に、開始条件が満たされたとして、その時点から所定期間だけ当該プレーヤの基準操作内容(当該所定期間に設定された基準操作内容)を変更可能にし、当該観戦者によって投稿された投稿情報の内容に応じて当該プレーヤの基準操作内容を変更するようにしてもよい。また、観戦者の人数の変動(増えたか減ったか、増減の程度など)に基づき開始条件が満たされたか否かを判断し、例えば、観戦者の人数が増えた場合や急増した(直近の所定期間で所定数以上増加した)場合に、開始条件が満たされたと判断してもよいし、観戦者の人数が減った場合や急減(直近の所定期間で所定数以上減少した)場合に、開始条件が満たされたと判断してもよい。
・・・
【0078】
また、観戦中のゲーム画面GIに、図7に示すような、基準操作内容の変更内容を指定するためのウィンドウWDを重畳して表示し、ウィンドウWDにおいて基準操作内容の変更内容を指定する操作を行えるようにしてもよい。ウィンドウWDは、ゲーム画面GIにおいて投稿情報を投稿するための操作が行われた場合に表示するようにしてもよい。なお、ウィンドウWDが表示されている間も、プレーヤがプレイしているゲームの進行は継続する。図7に示すウィンドウWDには、ボタンBT及び指示標識DSに加えて、スライドバーSBが表示されている。スライドバーSBの横軸は再生される楽曲データの時間軸を示しており、スライドバーSBの左端は楽曲の開始時点を示し、右端は楽曲の終了時点を示している。スライドバーSB上には左右方向に移動操作可能なスライダSLが表示されている。スライドバーSBにおけるスライダSLの位置は、楽曲データにおける時間的な位置を示しており、ウィンドウWDには、スライドバーSBにおけるスライダSLの位置に対応する時点に設定された基準操作内容に対応する指示標識DSが表示される。観戦者は、スライダSLを楽曲再生中の現時点の位置よりも右方向に移動させる操作を行うことで、現時点よりも未来の時点に設定された基準操作内容に対応する指示標識DSを表示させることができる。すなわち観戦者は、スライダSLを操作して任意の(未来の)時点の指示標識DSを表示させて、当該指示標識DSを削除したり(既存の基準操作内容の削除)、当該指示標識DSを上下方向に移動させたり(基準タイミングの変更)、当該指示標識DSを左右方向に移動させたり(操作コマンドの変更)、当該指示標識DSで指示されるタッチ操作の種類を変更したり(操作コマンドの変更)、任意の時点に指示標識DSを追加したり(新たな基準操作内容の追加)して基準操作内容の変更内容を指定する操作を行うことができる。
・・・
【0082】
また、楽曲データに対応付けられた基準操作内容のうち、操作指示情報(指示標識DS)により通知されていない基準操作内容(現時点よりも未来の時点に設定された基準操作内容)のみを変更対象とし、操作指示情報により通知されている基準操作内容(現時点でゲーム画面GIに表示されている指示標識DSに対応する基準操作内容)を変更対象としないようにしてもよい。この場合、例えば観戦者によって投稿情報が投稿された場合に、その時点で表示されている指示標識DSに対応する基準操作内容を変更せずに、その時点よりも未来の時点に設定された基準操作内容を変更するようにする。また、プレーヤによるゲームプレイ中にウィンドウWDにおいて基準操作内容の変更内容を指定できる場合、現時点でゲーム画面GIに表示されている指示標識DSがウィンドウWDに表示されないようにスライダSLの位置を制御(スライダSLの移動を制限)するようにしてもよい。このようにすると、プレーヤがゲーム画面GIに表示されている指示標識DSに従ってタッチ操作を行おうとしているときに当該指示標識DSで指示される基準操作内容が突然変更されてしまうことを防止することができ、ゲーム性が破綻しないようにすることができる。
・・・
【0084】
また、複数の観戦者のうち所定の観戦者条件を満たした観戦者のみが基準操作内容(或いは、プレーヤの操作内容と基準操作内容との比較結果、以下同様)を変更できるようにしてもよい。例えば、プレーヤと所定の関係にある観戦者(例えば、プレーヤとフレンド関係にある観戦者、プレーヤとの親密度が所定値以上である観戦者、プレーヤがプレイするゲームにおいて基準操作内容や比較結果の変更を行うことに挙手した(当該変更を行う旨の意思表示をした)観戦者)や、ゲームレベルが所定値に達している観戦者や、当該プレーヤに投稿した投稿情報の数(投稿数)や頻度(投稿頻度)、投げ銭の額が所定値に達している観戦者が、観戦者条件を満たすとして、当該観戦者の操作(投稿情報を投稿する操作、基準操作内容の変更内容を指定する操作など)に基づき当該プレーヤの基準操作内容を変更するようにしてもよい。また、楽曲データが再生される期間のうち基準操作内容を変更できる期間を複数の観戦者で分担し、例えば第1の観戦者が第1の期間に設定された基準操作内容を変更でき、第2の観戦者が第1の期間とは異なる第2の期間に設定された基準操作内容を変更できるようにしてもよい。この場合、観戦者の情報に応じて当該観戦者が基準操作内容を変更できる期間を決定してもよい。例えば、プレーヤと所定の関係にある観戦者(或いは、ゲームレベルや投稿数、投稿頻度、投げ銭の額が所定値に達している観戦者)が、楽曲中の特定の期間に設定された基準操作内容を変更できるようにしてもよいし、観戦者がプレーヤと所定の関係にあると(或いは、観戦者のゲームレベルや投稿数、投稿頻度、投げ銭の額が大きいほど)、当該観戦者が基準操作内容を変更できる期間が長くなるようにしてもよい。
・・・
【0087】
また、複数の観戦者の中から抽選等により1人の観戦者を選択し、選択された観戦者がプレーヤの基準操作内容を変更できるようにしてもよいし、選択された観戦者がプレーヤと協力プレイ(例えば、プレーヤと観戦者が交互にボタンBTを操作するプレイ)を行えるようにしてもよいし、選択された観戦者がプレーヤと対戦プレイを行えるようにしてもよい。また、複数の観戦者の中から1人の観戦者を選択し、選択された観戦者(第1の観戦者)による基準操作内容の変更が行われた後に、第1の観戦者と所定の関係にある他の観戦者(第2の観戦者)を選択し、第2の観戦者による基準操作内容の変更が行われた後に、第2の観戦者と所定の関係にある他の観戦者(第3の観戦者)を選択することを繰り返してもよい。この場合、先に選択された観戦者による基準操作内容の変更内容に応じて、後に選択された観戦者が変更可能な基準操作内容が決まるようにしてもよい。例えば、先に選択された観戦者がタップ操作に係る基準操作内容を変更した場合、後に選択された観戦者が、タップ操作に係る基準操作内容のみを変更できるようにしたり、逆に、タップ操作以外の種類の操作コマンドに係る基準操作内容のみを変更できるようにしてもよい。」
図2
「
[図:0001435998000001.jpg]
」
図3
「
[図:0001435998000002.jpg]
」
イ 認定事項
(ア) 認定事項1
先願2の【0042】には、「図2に本実施形態のサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。」と記載されており、図2の機能ブロック図からは、観戦制御部210と基準操作内容変更部212を備える処理部200、記憶部270が見て取れる。
してみると、先願2には、「サーバ20は、観戦制御部210と基準操作内容変更部212を備える処理部200、記憶部270を備える」こと(認定事項1)が記載されていると認められる。
(イ) 認定事項2
先願2の【0049】には、「図3に、本実施形態の端末10の機能ブロック図の一例を示す。」と記載されており、図3の機能ブロック図からは、処理部100、記憶部170が見て取れる。
してみると、先願2には、「端末10は、処理部100、記憶部170を備える」こと(認定事項2)が記載されていると認められる。
ウ 先願発明
上記ア、イによれば、先願明細書等には、次の発明(以下「先願発明」という。)が記載されていると認められる。なお、先願発明の認定に際し、【0029】の「基準操作内容変更部」という記載は、【0062】、図2の「基準操作内容変更部212」という記載に揃えて認定する。
先願発明
「サービスを提供するサーバ20(サーバ装置)と、端末10(10A、10B、10C・・・)とが、ネットワークに接続可能に構成される、ゲーム観戦システムであって(【0038】)、
プレーヤの端末10においてゲームが実行され、サーバ20において、端末で実行されるゲームの進行制御処理や、プレーヤによりプレイされるゲームを観戦者に観戦させる(観戦者の端末10に当該ゲームの内容を表示させる)処理などが実行され(【0040】)、
サーバ20は、観戦制御部210と基準操作内容変更部212を備える処理部200、記憶部270を備え(認定事項1)、
基準操作内容変更部212は、複数の観戦者のうち所定の観戦者条件を満たした観戦者の操作に基づいて、基準操作内容を変更してもよく【0029】、
記憶部270は、処理部200の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶し(【0043】)、
端末10は、処理部100、記憶部170を備え(認定事項2)、
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶し(【0051】)、
処理部100は、入力部150からの入力情報(操作情報)、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、ゲームを進行させる処理を行い、処理部100の機能はプログラムにより実現でき(【0056】)、
基準操作内容通知部110、ゲーム成績決定部112、観戦制御部210及び基準操作内容変更部212の処理を、全てサーバで実行するように構成してもよいし、全て端末で実行するように構成してもよく(【0062】)、
ゲーム観戦システムは、プレーヤが楽曲に合わせて操作入力を行うゲーム(音楽ゲーム)を実行し、プレーヤによってプレイされている当該ゲームを観戦者が観戦(視聴)できるように構成されており(【0063】)、
ゲーム画面GIには、プレーヤに操作入力のタイミングを指示する指示標識DSが表示され、指示標識DSは、いずれかのボタンBTの上方で発生し、ボタンBTに向けて(下方向に)一定速度で移動し、指示標識DSは、再生中の楽曲データ(ゲームの時系列)に対応付けられた指示標識DSごとの基準タイミングでボタンBTに到達するように移動するものであり、すなわち、指示標識DSとボタンBTは、プレーヤがゲーム中に行うべき基準操作内容のうち操作タイミング(いつ操作すべきか)と操作コマンド(どのボタンBTを操作すべきか)を把握可能に通知する操作指示情報であり(【0066】)、
観戦者の端末10の表示部190に表示されるゲーム画面GIには、観戦者の観戦対象であるプレーヤによってプレイされているゲームのゲーム画像が表示され、観戦者は観戦中のゲーム画面GIにおいて、ゲームに関与するための所定の操作を行うことで、プレーヤがゲーム中に行うべき基準操作内容を変更することができ(【0069】)、
また、観戦中のゲーム画面GIに、基準操作内容の変更内容を指定するためのウィンドウWDを重畳して表示し、ウィンドウWDにおいて基準操作内容の変更内容を指定する操作を行えるようにしてもよく、ウィンドウWDが表示されている間も、プレーヤがプレイしているゲームの進行は継続するものであり(【0078】)、
また、ゲーム中(楽曲が再生される期間)において、基準操作内容を変更可能な期間と変更できない期間とを設けてもよく、例えば、楽曲中の予め定められた期間(楽曲のイントロ、サビ、間奏など)を、基準操作内容を変更可能な期間或いは変更できない期間として設定することができ(【0076】)、
また、楽曲データが再生される期間のうち基準操作内容を変更できる期間を複数の観戦者で分担し、例えば第1の観戦者が第1の期間に設定された基準操作内容を変更でき、第2の観戦者が第1の期間とは異なる第2の期間に設定された基準操作内容を変更できるようにしてもよく(【0084】)、
また、楽曲データに対応付けられた基準操作内容のうち、操作指示情報(指示標識DS)により通知されていない基準操作内容(現時点よりも未来の時点に設定された基準操作内容)のみを変更対象とし、操作指示情報により通知されている基準操作内容(現時点でゲーム画面GIに表示されている指示標識DSに対応する基準操作内容)を変更対象としないようにしてもよく(【0082】)
また、複数の観戦者の中から抽選等により1人の観戦者を選択し、選択された観戦者がプレーヤの基準操作内容を変更できるようにしてもよいし、また、複数の観戦者の中から1人の観戦者を選択し、選択された観戦者(第1の観戦者)による基準操作内容の変更が行われた後に、第1の観戦者と所定の関係にある他の観戦者(第2の観戦者)を選択し、第2の観戦者による基準操作内容の変更が行われた後に、第2の観戦者と所定の関係にある他の観戦者(第3の観戦者)を選択することを繰り返してもよく、この場合、先に選択された観戦者による基準操作内容の変更内容に応じて、後に選択された観戦者が変更可能な基準操作内容が決まるようにしてもよい(【0087】)、
ゲーム観戦システム(【0038】)。」
(3) 対比
本件補正発明と先願発明とを対比する。
ア 特定事項Aについて
(ア) 先願発明の「サーバ20は、観戦制御部210と基準操作内容変更部212を備える処理部200、記憶部270を備え」、「記憶部270は、処理部200の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム」「を記憶し」ているものであるから、先願発明では、コンピュータがプログラムを実行することでサーバ20として機能する。
よって、先願発明の「サーバ20」は、本件補正発明の特定事項Aの「コンピュータ」に相当する。
(イ) 先願発明の「端末10は、処理部100、記憶部170を備え」、「記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム」「を記憶し」ているものであるから、先願発明では、コンピュータがプログラムを実行することで端末10として機能する。
そして、先願発明では「観戦制御部210及び基準操作内容変更部212の処理を、全てサーバで実行するように構成してもよいし、全て端末で実行するように構成してもよ」いものであるから、先願発明の端末10は、サーバ20と同じ技術的役割を果たすものである。
よって、先願発明の「端末10」も、上記(ア)で検討した「サーバ20」と同じく、本件補正発明の特定事項Aの「コンピュータ」に相当する。
(ウ) 上記(ア)、(イ)より、先願発明は、本件補正発明の特定事項Aに相当する構成を備える。
イ 特定事項Bについて
(ア) 先願発明は「複数の観戦者の中から抽選」「により1人の観戦者を選択し、選択された観戦者がプレーヤの基準操作内容を変更できるように」するものであり、「観戦者の観戦対象であるプレーヤによってプレイされているゲームのゲーム画像が表示され」る「観戦中のゲーム画面GIにおいて」、「選択された」「観戦者は」「プレーヤがゲーム中に行うべき基準操作内容を変更することができ」、「ゲーム中(楽曲が再生される期間)において、基準操作内容を変更可能な期間」が設けられる。
そして、先願発明の「観戦者の観戦対象であるプレーヤ」、「プレイされているゲームのゲーム画像」、「観戦中の」「観戦者」はそれぞれ、本件補正発明の特定事項Bの「配信者」、「ゲームプレイを含む動画」、「視聴する視聴者」に相当する。
(イ) 先願発明では「基準操作内容変更部212は、複数の観戦者のうち所定の観戦者条件を満たした観戦者の操作に基づいて、基準操作内容を変更してもよ」いものである。
そうすると、先願発明において「複数の観戦者の中から抽選」「により1人の観戦者を選択し、選択された観戦者がプレーヤの基準操作内容を変更できるように」することは、「所定の観戦者条件」を観戦者が抽選により選択されることとする具体例であり、基準操作内容変更部212が実施する処理である。
そして、上記アの検討から、先願発明の基準操作内容変更部212が実施する処理は、プログラムを実行したコンピュータがサーバ20又は端末10として機能することで実施する処理である。
(ウ) 上記(イ)で述べた、先願発明においてプログラムを実行したコンピュータがサーバ20又は端末10として機能することで基準操作内容変更部212が実施する処理である、「複数の観戦者の中から抽選」「により1人の観戦者を選択」することは、本件補正発明の特定事項Bの「視聴者の中から、1以上の視聴者を抽選によって選択すること」に相当する。
よって、先願発明は、本件補正発明の特定事項Bに相当する構成を備える。
ウ 特定事項Cについて
(ア) 上記イ(ウ)から、先願発明の「複数の観戦者の中から抽選」「により」「選択」された「1人の観戦者」は、本件補正発明の特定事項Cの「前記抽選によって選択された1以上である所定の視聴者」に相当する。
(イ) 上記イ(イ)で検討したとおり、先願発明において「複数の観戦者の中から抽選」「により1人の観戦者を選択し、選択された観戦者がプレーヤの基準操作内容を変更できるように」することは、プログラムにより基準操作内容変更部212が実施する処理である。
そして、先願発明の「基準操作内容」は、「プレーヤがゲーム中に行うべき」ものであるから、基準操作内容変更部212が実施する上記処理における、「プレーヤの基準操作内容」の「変更」は、本件補正発明の特定事項Cの「前記配信者の前記ゲームプレイに」「発生させる」「特定の効果」に相当し、先願発明の上記処理における、「選択された観戦者がプレーヤの基準操作内容を変更できるように」することは、「前記配信者の前記ゲームプレイに特定の効果を発生させる権利を付与すること」に相当する。
(ウ) 上記(ア)、(イ)より、先願発明は、本件補正発明の特定事項Cに相当する構成を備える。
エ 特定事項D1について
(ア) 上記ウ(ア)の検討、及び、先願発明では「選択された観戦者がプレーヤの基準操作内容を変更できるように」することから、先願発明の「複数の観戦者の中から抽選」「により」「選択」された「1人の観戦者」は、本件補正発明の特定事項D1の「前記所定の視聴者」に相当する。
(イ) 上記イ(ア)の検討から、先願発明の「観戦者の観戦対象であるプレーヤによってプレイされている」「ゲーム中(楽曲が再生される期間)において」は、本件補正発明の特定事項D1の「前記配信者の1の前記ゲームプレイにおいて」に相当し、先願発明の「観戦中のゲーム画面GIにおいて」「選択された」「観戦者」が「プレーヤがゲーム中に行うべき基準操作内容を変更すること」は、上記ウ(イ)を踏まえると、本件補正発明の特定事項D1の「前記権利に係る前記特定の効果を発生させること」「を実行させ」ることに相当する。
(ウ) 本件補正発明の特定事項D1の「前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された」についての対比検討を、以下の異なる2つの対比観点A、Bのそれぞれで行う。
a 対比観点A
(a) 先願発明の「ゲーム中(楽曲が再生される期間)において、基準操作内容を変更可能な期間」「として設定」された「楽曲のイントロ、サビ、間奏など」の「楽曲中の予め定められた期間」、及び、先願発明が「楽曲データが再生される期間のうち基準操作内容を変更できる期間を複数の観戦者で分担」し、基準操作内容を変更できる複数の観戦者を選択する構成として「複数の観戦者の中から抽選」「により1人の観戦者を選択し、」「選択された観戦者(第1の観戦者)による基準操作内容の変更が行われた後に、第1の観戦者と所定の関係にある他の観戦者(第2の観戦者)を選択し、第2の観戦者による基準操作内容の変更が行われた後に、第2の観戦者と所定の関係にある他の観戦者(第3の観戦者)を選択することを繰り返」す構成を備える場合における第1の観戦者の分担期間は、いずれも本件補正発明の特定事項D1の「所定時間」に相当する。
そうすると、先願発明の「ゲーム中(楽曲が再生される期間)において、基準操作内容を変更可能な期間」「として設定」された「楽曲のイントロ、サビ、間奏など」の「楽曲中の予め定められた期間」、又は、「楽曲データが再生される期間のうち基準操作内容を変更できる期間を複数の観戦者で分担」したときの第1の観戦者の分担期間のうちに、「観戦中のゲーム画面GIに」「重畳して表示」された「ウィンドウWDにおいて基準操作内容の変更内容を指定する操作」が行われたことは、本件補正発明の特定事項D1の「所定時間内に」「前記特定の効果」が「選択された」ことに相当する。
(b) 上記(ア)、(イ)、(a)から、
先願発明の「プレーヤの基準操作内容を変更できるように」された、「複数の観戦者の中から抽選」「により」「選択」された「1人の観戦者」によって、「ゲーム中(楽曲が再生される期間)において、基準操作内容を変更可能な期間」「として設定」された「楽曲のイントロ、サビ、間奏など」の「楽曲中の予め定められた期間」、又は、「楽曲データが再生される期間のうち基準操作内容を変更できる期間を複数の観戦者で分担」したときの第1の観戦者の分担期間のうちに、「観戦中のゲーム画面GIに」「重畳して表示」された「ウィンドウWDにおいて基準操作内容の変更内容を指定する操作」が行われたことは、
本件補正発明の特定事項D1の「前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された前記権利に係る前記特定の効果を発生させること」「を実行させ」ることに相当する。
b 対比観点B
(a) 先願発明は「観戦中のゲーム画面GIに、基準操作内容の変更内容を指定するためのウィンドウWDを重畳して表示し、ウィンドウWDにおいて基準操作内容の変更内容を指定する操作を行」うことが可能であり、「ウィンドウWDが表示されている間も、プレーヤがプレイしているゲームの進行は継続」し、「楽曲データに対応付けられた基準操作内容のうち、操作指示情報(指示標識DS)により通知されていない基準操作内容(現時点よりも未来の時点に設定された基準操作内容)のみを変更対象とし、操作指示情報により通知されている基準操作内容(現時点でゲーム画面GIに表示されている指示標識DSに対応する基準操作内容)を変更対象としないように」するものである。そのため、先願発明における特定の指示標識DSに対応する基準操作内容の変更内容を指定する操作は、基準操作内容の変更内容を指定するためのウィンドウWDが表示されてから、ゲームの進行により当該特定の指示標識DSがゲーム画面GIに表示されるまでの所定の時間内にのみ可能である。
よって、先願発明の「観戦中のゲーム画面GIに、基準操作内容の変更内容を指定するためのウィンドウWDを重畳して表示」されてから特定の「指示標識DS」がゲーム画面GIに表示されるまでの時間は、本件補正発明の特定事項D1の「所定時間」に相当する。
(b) 上記(ア)、(イ)、(a)から、
先願発明の「プレーヤの基準操作内容を変更できるように」された、「複数の観戦者の中から抽選」「により」「選択」された「1人の観戦者」によって、「観戦中のゲーム画面GIに、基準操作内容の変更内容を指定するためのウィンドウWDを重畳して表示」されてから特定の「指示標識DS」がゲーム画面GIに表示されるまでの時間のうちに、「ウィンドウWDにおいて基準操作内容の変更内容を指定する操作」が行われたことは、
本件補正発明の特定事項D1の「前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された前記権利に係る前記特定の効果を発生させること」「を実行させ」ることに相当する。
c 上記a,bより、先願発明は対比観点A、Bのいずれにおいても、本件補正発明の特定事項D1の「前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された」に相当する構成を備える。
(エ) 上記(ア)~(ウ)より、先願発明は、本件補正発明の特定事項D1に相当する構成を備える。
オ 特定事項D2について
(ア) 先願発明は「サーバ20において、端末で実行されるゲームの進行制御処理」「が実行され」る。そして、上記ア(ア)で検討したとおり、先願発明ではコンピュータがプログラムを実行することでサーバ20として機能するものであるから、上記の「サーバ20において」「実行され」る、「端末で実行されるゲームの進行制御処理」は、プログラムにより実行される処理である。
また、先願発明の「端末10」が備える「処理部100は」「ゲームを進行させる処理を行い、処理部100の機能はプログラムにより実現でき」る。
(イ) 上記エ(ウ)で検討した、異なる2つの対比観点A、Bのそれぞれについて検討する。
a 対比観点A
(a) 上記エ(ウ)aの検討より、先願発明の「ゲーム中(楽曲が再生される期間)において、基準操作内容を変更可能な期間」「として設定」された「楽曲のイントロ」、「間奏」は、本件補正発明の特定事項D2の「前記所定時間」に相当する。そして、音楽ゲームにおいて楽曲が再生される期間はプレーヤのプレイ期間であるから、楽曲の「イントロ」や「間奏」が経過した後の当該楽曲が再生される期間においても、プレーヤの1のプレイが継続することは明らかである。
そして、上記(ア)より、プレーヤのプレイを継続するゲームの進行処理は、プログラムにより実施される処理である。
よって、先願発明において「ゲーム中(楽曲が再生される期間)において、基準操作内容を変更可能な期間」「として設定」された「楽曲のイントロ」、「間奏」が経過した後も、プレーヤの1のプレイが継続されることは、本件補正発明の特定事項D2の「前記所定時間が経過した後も、前記配信者の前記1のゲームプレイが継続して実行される」ことに相当する。
(b) 上記エ(ウ)aの検討より、先願発明が「楽曲データが再生される期間のうち基準操作内容を変更できる期間を複数の観戦者で分担」したときの第1の観戦者の分担期間は、本件補正発明の特定事項D2の「前記所定時間」に相当する。そして、第1の観戦者の分担期間が経過した後の第2の観戦者の分担期間においても楽曲データが再生され、プレーヤの1のプレイが継続することは明らかである。
また、上記(ア)より、プレーヤのプレイを継続するゲームの進行処理は、プログラムにより実施される処理である。
よって、先願発明の「楽曲データが再生される期間のうち基準操作内容を変更できる期間を複数の観戦者で分担」したときの第1の観戦者の分担期間が経過した後も、第2の観戦者の分担期間においてプレーヤの1のプレイが継続することは、本件補正発明の特定事項D2の「前記所定時間が経過した後も、前記配信者の前記1のゲームプレイが継続して実行される」ことに相当する。
b 対比観点B
上記エ(ウ)bの検討により、先願発明の「観戦中のゲーム画面GIに、基準操作内容の変更内容を指定するためのウィンドウWDを重畳して表示」されてから特定の「指示標識DS」がゲーム画面GIに表示されるまでの時間は、本件補正発明の特定事項D2の「前記所定時間」に相当する。
そして、先願発明の「指示標識DSは、いずれかのボタンBTの上方で発生し、ボタンBTに向けて(下方向に)一定速度で移動し、指示標識DSは、再生中の楽曲データ(ゲームの時系列)に対応付けられた指示標識DSごとの基準タイミングでボタンBTに到達するように移動するものであり、すなわち、指示標識DSとボタンBTは、プレーヤがゲーム中に行うべき基準操作内容のうち操作タイミング(いつ操作すべきか)と操作コマンド(どのボタンBTを操作すべきか)を把握可能に通知する操作指示情報である」ことから、先願発明では、指示標識DSがゲーム画面GIに表示された後も、少なくとも当該指示標識DSが移動してボタンBTに到達する基準タイミングまでは、プレーヤの1のプレイは継続する。
また、上記(ア)より、プレーヤのプレイを継続するゲームの進行処理は、プログラムにより実施される処理である。
そうすると、先願発明において「観戦中のゲーム画面GIに、基準操作内容の変更内容を指定するためのウィンドウWDを重畳して表示」されてから特定の「指示標識DS」がゲーム画面GIに表示された後も、プレーヤの1のプレイが継続することは、本件補正発明の特定事項D2の「前記所定時間が経過した後も、前記配信者の前記1のゲームプレイが継続して実行される」ことに相当する。
(ウ) よって、上記(イ)の対比観点A、Bのいずれにおいても、先願発明は、本件補正発明の特定事項D2に相当する構成を備える。
カ 特定事項Eについて
上記イ~オで検討したとおり、先願発明は、プログラムを実行したコンピュータがサーバ20又は端末10として機能することにより、本件補正発明の特定事項B、C、D1、D2に相当する処理を実行する。
よって、先願発明は、本件補正発明の特定事項Eに相当する構成を備える。
キ 一致点及び相違点
上記ア~カより、本件補正発明と先願発明とは、全ての構成において一致し、相違する点はない。
(4) 審判請求人の主張について
ア 審判請求人は、本件補正発明は「配信者の1のゲームプレイにおいて、所定の視聴者によって所定時間内に選択された権利に係る特定の効果を発生させ」、「所定時間が経過した後も、配信者の1のゲームプレイが継続して実行される」という特徴的構成(本件補正発明の特定事項D1、D2)を具備することにより、所定時間が経過するまでに選択が実行されない場合、視聴者は権利を失うこととなるため、所定時間内における権利行使を視聴者に促すことができ、これにより「ゲームの面白さを増すことができる」という優れた効果を奏する、と主張している。
しかし、本件補正発明の上記構成は、「権利に係る特定の効果」の「選択」が「所定時間内」に行われたこと、を特定するに留まっており、請求人が主張する、所定時間が経過するまでに選択が実行されない場合は権利が失われること、を特定していない。
そのため、上記(3)エ(ウ)bでも検討したとおり、原査定において「個々の基準操作内容の表示される時間が所定時間に限定されていることからすれば、本願発明における『選択』に相当する前記記載の『変更』に時間的な制限があることは当業者に明らか」と説示する先願発明の構成は、本件補正発明の特定事項D1、D2を満たしており、本件補正発明は先願発明を排除していない。
イ また、仮に審判請求人が主張するとおり、本件補正発明を、所定時間が経過するまでに選択が実行されない場合、視聴者は権利を失うことになるものと解釈したとしても、上記(3)エ(ウ)aで検討したとおり、先願発明は、基準操作内容を変更可能な期間を、楽曲のイントロや間奏などの一部の期間に設定する構成を備えるものであるから、先願発明は、審判請求人が主張する本件補正発明の特徴的構成に相当する構成を備えている。
ウ そして、上記ア、イのいずれの検討においても、先願発明は本件補正発明に相当する構成を備えることから、審判請求人が主張する本件補正発明の構成により奏する作用効果は、先願発明においても奏するものである。
エ よって、上記ア~ウより、審判請求人の上記主張を採用することはできない。
(5) 小括
以上のとおり、本件補正発明は、先願発明と同一の発明であり、また、本願の発明者が先願2の発明者と同一ではなく、本願の出願の時において、その出願人が先願2の出願人と同一であるともいえないので、特許法第29条の2の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 本件補正についてのむすび
上記3の検討より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和7年5月12日に提出された手続補正書でした手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、同年1月20日に提出された手続補正書でした手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1に本件補正前として記載のとおりのものであり、以下に再掲する。
本願発明
「【請求項1】
A コンピュータに、
B 配信者のゲームプレイを含む動画を視聴する視聴者の中から、1以上の視聴者を抽選によって選択することと、
C 前記抽選によって選択された1以上である所定の視聴者に、前記配信者の前記ゲームプレイに特定の効果を発生させる権利を付与することと、
D 前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された前記権利に係る前記特定の効果を、前記配信者の前記ゲームプレイにおいて発生させることと、を実行させる
E プログラム。」
2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、概略、次のものを含むものである。
この出願の請求項1に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた特許出願(先願2)の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。
3 各引用文献等
原査定の拒絶の理由で引用された先願2の記載事項及び先願発明は、上記第2の[理由]3(2)ア~ウに記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明と先願発明を対比する。
(1) 本願発明の特定事項A~Cについて
本願発明の特定事項A~Cは、本件補正発明の特定事項A~Cと同じであるから、上記第2の[理由]3(3)ア~ウの検討と同様に、先願発明は、本願発明の特定事項A~Cに相当する構成を備える。
(2) 本願発明の特定事項Dについて
ア 上記第2の[理由]3(3)エ(ア)で検討したとおり、先願発明の「複数の観戦者の中から抽選」「により」「選択」された「1人の観戦者」は、本願発明の特定事項Dの「前記所定の視聴者」に相当する。
イ 上記第2の[理由]3(3)エ(イ)の検討から、先願発明の「観戦中のゲーム画面GIにおいて」「選択された」「観戦者」が「プレーヤがゲーム中に行うべき基準操作内容を変更すること」は、本願発明の特定事項Dの「前記権利に係る前記特定の効果を、前記配信者の前記ゲームプレイにおいて発生させること」「を実行させる」ことに相当する。
ウ 本願発明の特定事項Dの「前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された」についての対比検討を、以下の異なる2つの対比観点A、Bのそれぞれで行う。
(ア) 対比観点A
上記第2の[理由]3(3)エ(ウ)aの検討から、
先願発明の「プレーヤの基準操作内容を変更できるように」された、「複数の観戦者の中から抽選」「により」「選択」された「1人の観戦者」によって、「ゲーム中(楽曲が再生される期間)において、基準操作内容を変更可能な期間」「として設定」された「楽曲のイントロ、サビ、間奏など」の「楽曲中の予め定められた期間」、又は、「楽曲データが再生される期間のうち基準操作内容を変更できる期間を複数の観戦者で分担」したときの第1の観戦者の分担期間のうちに、「観戦中のゲーム画面GIに」「重畳して表示」された「ウィンドウWDにおいて基準操作内容の変更内容を指定する操作」が行われたことは、
本願発明の特定事項Dの「前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された前記権利に係る前記特定の効果を」「発生させること」「を実行させる」ことに相当する。
(イ) 対比観点B
上記第2の[理由]3(3)エ(ウ)bの検討から、
先願発明の「プレーヤの基準操作内容を変更できるように」された、「複数の観戦者の中から抽選」「により」「選択」された「1人の観戦者」によって、「観戦中のゲーム画面GIに、基準操作内容の変更内容を指定するためのウィンドウWDを重畳して表示」されてから特定の「指示標識DS」がゲーム画面GIに表示されるまでの時間のうちに、「ウィンドウWDにおいて基準操作内容の変更内容を指定する操作」が行われたことは、
本願発明の特定事項Dの「前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された前記権利に係る前記特定の効果を」「発生させること」「を実行させる」ことに相当する。
(ウ) 上記(ア)、(イ)より、先願発明は対比観点A、Bのいずれにおいても、本願発明の特定事項Dの「前記所定の視聴者によって所定時間内に選択された」に相当する構成を備える。
エ 上記ア~ウより、先願発明は、本願発明の特定事項Dに相当する構成を備える。
(3) 本願発明の特定事項Eについて
上記(1)、(2)で検討したとおり、先願発明は、プログラムを実行したコンピュータがサーバ20又は端末10として機能することにより、本願発明の特定事項A~Dで特定する構成に相当する処理を実行する。
よって、先願発明は、本願発明の特定事項Eに相当する構成を備える。
(4) 一致点及び相違点
上記(1)~(3)より、本願発明と先願発明とは、全ての構成において一致し、相違する点はない。
5 まとめ
以上のとおり、本願発明は、先願発明と同一の発明であり、また、本願の発明者が先願2の発明者と同一ではなく、本願の出願の時において、その出願人が先願2の出願人と同一であるともいえないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができないものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2025-007278