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特許拒絶査定不服審判

2020-014816

不織布およびテキスタイルポリマー網から構成されている外科用綿球

審判番号
2020-014816
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-515839外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年10月23日
審決日
2022年02月08日
公報発行日
2022年07月29日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A61F) / P18 .575-Z (A61F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-515839号「不織布およびテキスタイルポリマー網から構成されている外科用綿球」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 3月24日国際公開、WO2016/042429、平成29年11月24日国内公表、特表2017-534329号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

本件に係る出願は、2015(平成27)年8月24日(優先権主張外国庁受理 2014年9月17日 ポルトガル)を国際出願日とする出願であって、令和元年6月21日付けで拒絶理由通知がされ、同年12月2日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和2年6月12日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)された。

これに対して同年10月23日に審判請求書が提出されると同時に手続補正されたものである。

第2 令和2年10月23日にした手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和2年10月23日にした手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1.本件補正について

(1)本件補正後の特許請求の範囲

本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。

「【請求項1】
繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、網、ベールまたはウェブの中に組織化されている層からなる 、非金属である不織布によって形成されている第1の層であって、ゆるんだ糸および縫い目が存在しない 第1の層と、
以下から選択されるポリマーからなる、非金属であるテキスタイルポリマー網によって形成されている第2の層であって、上記第1の層に近接しており、X線によって検出可能な糸を任意で備えている第2の層と、
エラスタン、
続きを表示(全36行)
ポリアミド、
ポリアミドとポリエステル、および、
ポリアミドとコットン、
繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、網の中に組織化されている層からなる 、非金属である不織布によって形成されている第3の層であって、上記第2の層に近接しており、ゆるんだ糸および縫い目が存在しない第3の層と、を含有しており、
上記第2の層は、上記第1の層と上記第3の層との間に配置されている、ラミネートを形成する外科用綿球。
【請求項2】
上記テキスタイルポリマー網は、エラスタンからなるものである、請求項1に記載の外科用綿球。
【請求項3】
上記テキスタイルポリマー網は、ポリアミド、ポリアミドとポリエステル、または、ポリアミドとコットンのいずれかからなるものである、請求項1に記載の外科用綿球。
【請求項4】
以下に示される(1)~(3)の工程を含有する、請求項1に記載の外科用綿球の製造方法;
(1)非金属である不織布によって形成されている上記第1の層と、当該第1の層に近接する、非金属であるテキスタイルポリマー網によって形成されている上記第2の層と、当該第2の層に近接する、非金属である不織布によって形成されている上記第3の層と、を、加圧ローラーによって接合および重ね合わせる工程、
(2)上記第1の層、上記第2の層、および上記第3の層を超音波によってつなぎ合わせて、ラミネートを形成する工程、および、
(3)上記ラミネートを切断する工程。
【請求項5】
上記テキスタイルポリマー網は、エラスタンからなるものである、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
上記テキスタイルポリマー網は、ポリアミド、ポリアミドとポリエステル、または、ポリアミドとコットンのいずれかからなるものである、請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
上記テキスタイルポリマー網は、織ること、または、編むことによって得られるものである、請求項4に記載の製造方法。
【請求項8】
上記接合、重ね合わせ、および、つなぎ合わせる工程は、張力下で行われる、請求項5に記載の製造方法。
【請求項9】
切断する工程の後、40~80℃の熱処理によって、上記外科用綿球の収縮をもたらす工程をさらに含有する、請求項6に記載の製造方法。
【請求項10】
上記切断する工程は、刃システムによって行われる、請求項4に記載の製造方法。
【請求項11】
安全片を取り付ける工程をさらに含有する、請求項4に記載の製造方法。
【請求項12】
上記外科用綿球を折り畳む工程をさらに含有する、請求項4に記載の製造方法。
【請求項13】
X線によって検出可能な糸または小片を取り付ける工程をさらに含有する、請求項4に記載の製造方法。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲

本件補正前の特許請求の範囲の記載は、令和元年12月2日にした手続補正により補正された特許請求の範囲の記載によって特定される次のとおりである。

「【請求項1】
非金属である不織布によって形成されている第1の層と、
以下から選択されるポリマーを含有している、非金属であるテキスタイルポリマー網によって形成されている第2の層であって、上記第1の層に近接している第2の層と、
エラスタン、
続きを表示(全40行)
ポリアミド、
ポリアミドとポリエステル、および、
ポリアミドとコットン、
非金属である不織布によって形成されている第3の層であって、上記第2の層に近接している第3の層と、を含有しており、
上記第2の層は、上記第1の層と上記第3の層との間に配置されている、外科用綿球。
【請求項2】
上記テキスタイルポリマー網は、エラスタンを含有しているものである、請求項1に記載の外科用綿球。
【請求項3】
上記テキスタイルポリマー網は、ポリアミド、ポリアミドとポリエステル、または、ポリアミドとコットンのいずれかを含有しているものである、請求項1に記載の外科用綿球。
【請求項4】
以下に示される(1)~(3)の工程を含有する、請求項1に記載の外科用綿球の製造方法;
(1)非金属である不織布によって形成されている第1の層と、当該第1の層に近接する、非金属であるテキスタイルポリマー網によって形成されている第2の層と、当該第2の層に近接する、非金属である不織布によって形成されている第3の層と、を、加圧ローラーによって接合および重ね合わせる工程であって、上記第2の層は、上記第1の層と上記第3の層との間に配置され、上記第2の層は、以下から選択されるポリマーを含有している、工程、
エラスタン、
ポリアミド、
ポリアミドとポリエステル、および、
ポリアミドとコットン、
(2)上記第1の層、上記第2の層、および上記第3の層を超音波によってつなぎ合わせて、ラミネートを形成する工程、および、
(3)上記ラミネートを切断する工程。
【請求項5】
上記テキスタイルポリマー網は、エラスタンを含有しているものである、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
上記テキスタイルポリマー網は、ポリアミド、ポリアミドとポリエステル、または、ポリアミドとコットンのいずれかを含有しているものである、請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
上記テキスタイルポリマー網は、織ること、または、編むことによって得られるものである、請求項4に記載の製造方法。
【請求項8】
上記接合、重ね合わせ、および、つなぎ合わせる工程は、張力下で行われる、請求項5に記載の製造方法。
【請求項9】
切断する工程の後、40~80℃の熱処理によって、上記外科用綿球の収縮をもたらす工程をさらに含有する、請求項6に記載の製造方法。
【請求項10】
上記切断する工程は、刃システムによって行われる、請求項4に記載の製造方法。
【請求項11】
安全片を取り付ける工程をさらに含有する、請求項4に記載の製造方法。
【請求項12】
上記外科用綿球を折り畳む工程をさらに含有する、請求項4に記載の製造方法。
【請求項13】
X線によって検出可能な糸または小片を取り付ける工程をさらに含有する、請求項4に記載の製造方法。」

(3)本件補正の適否

ア 請求項1について

請求項1の第1の層について、「繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、網、ベールまたはウェブの中に組織化されている層からなる」こと及び「ゆるんだ糸および縫い目が存在しない」ことを発明特定事項に追加する補正、第3の層について、「繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、網の中に組織化されている層からなる」こと及び「ゆるんだ糸および縫い目が存在しない」ことを発明特定事項に追加する補正、第2の層について「X線によって検出可能な糸を任意で備え」ることを発明特定事項に追加する補正、並びに第1の層~第3の層が「ラミネートを形成する」ことを発明特定事項に追加する補正は、それぞれ、請求項1の第1層及び第3層の不織布の構成を限定し、また、第2層のテキスタイルポリマー網の構成を限定し、さらに第1層~第3層の関係を限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、第2の層について、「以下から選択されるポリマーを含有している」を「以下から選択されるポリマーからなる」とする補正は、請求項1に列挙したポリマー以外の材料を第2の層に含み得る記載であったものを、請求項1に列挙したポリマー以外の材料を第2の層に含み得ないものに限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

第1の層及び第3の層についての補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「当初明細書等」という。)の段落【0003】に「不織布は、あらゆる種類の、または、あらゆる由来の、連続したフィラメント、または、切り刻まれた糸によって形成されている層に相当するものである。そして、不織布では、連続したフィラメント、または、切り刻まれた糸が、全く織ることまたは編むことなく、何らかの手法や技術によって、互いに結合され、網の中に組織化されている。」と記載され、段落【0005】に「不織布から作られた綿球における他の二つの重要な点は、ゆるんだ糸や、縫い目が全く存在しないことである。」と記載されているから、特許法17条の2第3項の規定に適合する。

第2の層についての補正は、当初明細書等の段落【0010】に「(ii)X線により検出可能な糸を備え、または、当該糸を備えず」と記載されており、第2の層のポリマーは、段落【0017】、【0018】に列挙されているから、新規事項の追加に該当しない。

第1の層~第3の層についての補正は、段落【0016】、【0026】~【0027】に「ラミネートを形成する」ことが記載されているから、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。

イ 請求項2、3、5、6について

請求項2、5の「エラスタンを含有している」を「エラスタンからなる」とする補正、請求項3、6の「ポリアミド、ポリアミドとポリエステル、または、ポリアミドとコットンのいずれかを含有している」を「ポリアミド、ポリアミドとポリエステル、または、ポリアミドとコットンのいずれかからなる」とする補正は、請求項2、3、5、6に列挙したポリマー以外の材料を第2の層に含み得る記載であったものを、請求項2、3、5、6に列挙したポリマー以外の材料を第2の層に含み得ないものに限定するものであって、補正前の請求項2、3、5、6に記載された発明と補正後の請求項2、3、5、6に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、第2の層のポリマーが段落【0017】、【0018】に列挙されているから、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。

ウ 請求項4について

請求項4について、「第1の層」、「第2の層」及び「第3の層」に「上記」を追加する補正は、誤記の訂正を目的とするものと認める。

また、請求項4において「上記第2の層は、上記第1の層と上記第3の層との間に配置され、上記第2の層は、以下から選択されるポリマーを含有している」との発明特定事項を削除する補正、並びにポリマーとして「エラスタン、ポリアミド、ポリアミドとポリエステル、および、ポリアミドとコットン、」を削除する補正は、請求項1と発明特定事項と重複する発明特定事項を削除するものであって、誤記の訂正を目的とするものと認める。

請求項4についての補正は、上記のとおりであるから、特許法第17条の2第3項の規定に適合することが明らかである。

上記ア、イのとおり、請求項1、2、3、5、6についての補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

2. 独立特許要件について

2-1 本件補正発明

補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」いう。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される上記1.(1)に記載したとおりのものである。

2-2 引用文献1に記載された事項及び引用発明

原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である米国特許第3683921号明細書(以下、「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。

ア

[図:0001385604000001.jpg]

(当審訳)

「本発明は、体液、血液その他身体からの浸出液を吸収し維持するための吸収性製品に関する。より具体的には、本発明は、柔らかさに優れた、特に濡れた際の、強度、かさ高さ、弾力性および表面の摩耗や毛羽立ちに対する耐性に優れた、外科用スポンジおよびパッド、特に開腹スポンジおよびパッド等の吸収性製品に関する。本発明はまた、このような吸収性製品の製造方法に関する。」(第1欄第2行~第11行)

イ

[図:0001385604000002.jpg]

(当審訳)

「本明細書では、この各図面を参照して、特にそのうちの図1を参照して、繊維材料の外層12と、中心にまたは内部に配置される強化網目可塑性格子状ネット14と、別の繊維材料の外層18とを備える被強化不織布10が説明される。」(第2欄第60行~第65行)

ウ

[図:0001385604000003.jpg]

(当審訳)

「繊維層
外層12および18はそれぞれ、単一の繊維ウェブのみを備えるかまたは通常はより重い層を作るために一体化された幾つかの積層繊維ウェブを備えてもよい。」(第3欄第1行~第5行)

エ

[図:0001385604000004.jpg]

(当審訳)

「外層12および18を構成するために用いられているこれらの繊維は、吸水性が高く、好ましくは、綿またはレーヨン等のセルロース性物質である。しかしながら、合成繊維、人工繊維、天然繊維のいずれかの他の繊維を、特別な目的または特別な効果のために様々な比率で使用してもよい。こうした他の繊維を説明すると、ポリアミド(ナイロン6/6、ナイロン6、ナイロン610、ナイロン11等)、アクリル繊維(アクリラン、クリスラン、オーロン等)、モダクリル繊維(ダイネル、ベレル等)、ポリエステル繊維(ダクロン、コーデル等)、ポリオレフィン繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、セルロースエステル繊維(酢酸セルロース、三酢酸セルロース等)等が挙げられる。」(第3欄第6行~第17行)

オ

[図:0001385604000005.jpg]

(当審訳)

「好適には、当該繊維は、織物の繊維長若しくは同等の長さであるかまたは少なくとも梳綿可能なもの、すなわち、平均長さで約2分の1インチから平均長さで約3インチ以上までとすべきである。平均長さが約16分の3インチ以下のより短い繊維を様々な比率で加え、ウェブの最大約50重量パーセントを構成してもよく、または、当該繊維が、特に元来のウェブ形成方法が、従来のまたは改良された水性製紙工程や空気堆積技術等での繊維の流体堆積を伴う場合、ウェブ全体を構成してもよい。このような流体堆積工程において、約16分の3インチまたは8分の1インチの繊維の平均長さは、製紙用の従来の製紙工程で利用されているもののような、約16分の1インチまたは32分の1インチ若しくはそれ以下の非常に短い繊維長であることが好ましい。しかしながら、従来の製紙工程で見られるような極短繊維は、特に経済的理由のため有用であるかまたは紙および紙製品の薄さに関する特性および特徴を得ようとする傾向に異議がない状況での利用および応用において有用である。」(第3欄第26行~第48行)

カ

[図:0001385604000006.jpg]

(当審訳)

「格子状ネット
繊維層12と18との間に配置される網目格子状ネット14は、熱可塑性合成高分子材料であり、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン(0.91~0.94の低密度、0.94の中密度および0.95~0.96以上の高密度)、ポリアミド、特にナイロン66(ヘキサメチレンジアミン・アジピン酸)、ナイロン610(ヘキサメチレンジアミン・セバシン酸)およびナイロン6(ポリカプロラクタム)、ポリエステル(特にポリエチレングリコールテレフタレート)、ポリアクリル酸またはモダクリル等が挙げられる。これらおよび他の材料は、必要な熱可塑性並びに他の化学的および物理的特徴を必要な程度まで備えていれば有用であり、本明細書に記載の熱または他の活性化が可能である。」(第4欄第47行~第62行)

キ

[図:0001385604000007.jpg]

(当審訳)

「しかしながら、格子状ネット14の物理的性質および化学組成は、それが繊維材料の層の間に挿入される時点で十分な程度の熱可塑性および収縮性がなければならない。」(第5欄第40行~第44行)

ク

[図:0001385604000008.jpg]

(当審訳)

「しかしながら、格子状ネット14の物理的性質および化学組成は、それが繊維材料の層の間に挿入される時点で十分な程度の残留収縮性があるようなものとする。本発明の適用においては、収縮性がわずか約3パーセントであることが有用であるが、約5パーセントから約10パーセントまたは15パーセントの範囲でのより高い収縮性が好ましい。特別な適用においては、最大で20パーセント若しくは25パーセントまたはこれ以上のより高い収縮性が有用である。」(第6欄第6行~第16行)

ケ

[図:0001385604000009.jpg]

(当審訳)

「格子状ネットに見られる残留収縮性または収縮性の程度は、当該格子状ネットの元の形状およびその前処理において用いられる特定の加工技術および製造技術により大幅に制御することができる。これは非常に重要な要因である。例えば、ポリマー材料が最初の製造において伸長、伸張および延伸する程度が大きくなるほど、また、その結果、当該ポリマー材料に形成される分子配向の程度が大きくなるほど、当該ポリマー材料が元の長さの方向に戻るまたは収縮するという特性が強くなることがある。この配向され、伸張されたポリマー材料が収縮するというこの特性、すなわち「弾性記憶」は、本発明の分野では認識されており、この認識により、当該ポリマー材料の収縮特性に影響を与える第二の要因が導かれている。」(第6欄第17行~第32行)

コ

[図:0001385604000010.jpg]

(当審訳)

「被強化不織布の製造
図3では、被強化不織布10’を形成するための、外側繊維層22、強化網目可塑性格子状ネット24および別の外側繊維層28の組み立てて適した方法および装置の好適な実施形態が示されている。様々な層を一体的に加圧し、積層構造33を形成するため、加圧式回転ロール29、30および31、32を稼働する。次に、この積層構造33は、その各繊維を、所定のパターンを有する布開口部と繊維束を有する、結束された不織布である「KEYBAK」に再配列するため、従来式の流体再配列装置36を通過する。この装置は、1958年12月2日にフランク・カルウェイト(Frank Kalwaites)に発行された米国特許第22,862,251号に、特にその図7~図10に詳細が記載されており、これは本出願に援用される。」(第7欄第21行~第39行)

サ

[図:0001385604000011.jpg]

(当審訳)

「実施例I
寸法が約14インチ×14インチである4つの開腹スポンジ(消毒後)が、次の仕様に従って作成された。」(第10欄第25行~第28行)

シ

[図:0001385604000012.jpg]

(当審訳)

「2. 結合および再配列された、4プライの「KEYBAK」被強化不織布であって、各プライは、1-1/2デニールおよび1-9/16インチの繊維長のレーヨン繊維の繊維ウェブにより各面を覆われた、重量が1平方ヤード当たり45グレインである3×5のポリプロピレン強化網目格子状ネットを備え、各繊維ウェブの重量は1平方ヤード当たり185グレインであり、その結果、1プライ当たりの重量は1平方ヤード当たり414グレインまたは総重量(4プライ)では1平方ヤード当たり1,656グレインであった。」(第10欄第35行~第43行)

ス

[図:0001385604000013.jpg]

(当審訳)

「図4で説明される方法に従い、4つのサンプルが開腹スポンジの形状となった。当該サンプルは消毒されるが、そうした消毒の結果、収縮しリップルができるため、表面効果や、柔らかさ、かさ高さおよびリップル効果の程度が変化した。
熱可塑性格子状ネットを含むサンプル2は、図6および図7で説明されているように、当該サンプルの周縁端部およびその内部で自生的に結合した。当該熱可塑性格子状ネットは柔らかくなり、当該結合を引き起こした。熱可塑性格子状ネットを含まないサンプル1、3および4は、自生的に結合せず、当該サンプルの周縁端部およびその内部で縫い合わされた。」(第11欄第4行~第16行)

セ

[図:0001385604000014.jpg]

(当審訳)

「2. サンプル2(結合された4プライの不織布グリッドで、格子状ネットの補強あり)は、おおむね良好であった。引張強度は非常に優れていた。湿潤状態および乾燥状態でのかさ高さおよび弾力性は良好であった。柔らかさは非常に優れていた。パッカリングやリップルの効果により所望の柔らかさ、かさ高さおよび表面効果が得られた。」(第11欄第23行~第28行)

ソ

[図:0001385604000015.jpg]

(当審訳)

「【請求項1】
複数の被強化不織布繊維層を備えた改良された消毒済み外科用スポンジであって、前記層はそれぞれ合成ポリマーの熱可塑性強化格子を備え、前記格子は各面を少なくとも1つの不織布層により覆われ、前記不織布層は、前記格子の個々の要素周りで機械的に撚られた、折り重なり交差する繊維から成り、前記格子は、消毒に先立ち、約3パーセントから約25パーセントの収縮性を有し、前記複数の被強化層は、連続的にその周縁端部でおよび断続的にその内部で一体的に固定され、これにより、熱消毒の結果、前記被強化層のそれぞれに見られる前記格子は、前記不織布に対し収縮し、かさ高い製品を製造することが可能になる、改良された消毒済み外科用スポンジ。」(第17欄第5行~第18欄第4行)

タ Fig.1

[図:0001385604000016.jpg]

チ Fig.1から、網目格子状ネット14は、繊維層12及び繊維層18に近接しており、繊維層12と繊維層18との間に配置されているものと認められる。

ツ 摘記事項コの「様々な層を一体的に加圧し、積層構造33を形成するため、加圧式回転ロール29、30および31、32を稼働する。次に、この積層構造33は、その各繊維を、所定のパターンを有する布開口部と繊維束を有する、結束された不織布である・・・」との記載から、加圧前の繊維層12及び繊維層18も不織布であると認められる。

摘記事項ア~タ及び認定事項チ~ツから、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

(引用発明)

1-9/16インチの繊維長の繊維が、水性製紙工程や空気堆積技術等での繊維の流体堆積によってウェブを構成しており、繊維がレーヨンで形成されている不織布によって形成されている繊維層12と、

ポリプロピレンからなり、繊維層12に近接している網目格子状ネット14と、

1-9/16インチの繊維長の繊維が、水性製紙工程や空気堆積技術等での繊維の流体堆積によって、ウェブを構成しており、繊維がレーヨンで形成されている不織布によって形成されており、網目格子状ネット14に近接している繊維層18とからなり、

網目格子状ネット14は、繊維層12と繊維層18との間に配置されている積層構造33を形成する外科用スポンジ。

2-3 対比・判断

(1)対比

本件補正発明と引用発明とを対比する。

引用発明の「1-9/16インチの繊維長の繊維」は、本件補正発明の「繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸」に相当する。

引用発明の「水性製紙工程や空気堆積技術等での繊維の流体堆積によって、ウェブを構成」は、「織ることまたは編むことのない手法によって、ウェブの中に組織化」の限りにおいて本件補正発明の「織ることまたは編むことのない手法によって、網、ベールまたはウェブの中に組織化」に一致する。

引用発明の「レーヨンで形成されている不織布」は、本件補正発明の「非金属である不織布」に相当する。

してみると、引用発明の「1-9/16インチの繊維長の繊維が、水性製紙工程や空気堆積技術等での繊維の流体堆積によってウェブを構成しており、繊維がレーヨンで形成されている不織布によって形成されている繊維層12」は、「繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、ウェブの中に組織化されている非金属である不織布で形成されている第1の層」の限りにおいて、本件補正発明の「繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、網、ベールまたはウェブの中に組織化されている層からなる、非金属である不織布によって形成されている第1の層であって、ゆるんだ糸および縫目が存在しない第1の層」と一致する。

引用発明の「ポリプロピレン」が「非金属」の「ポリマー」であることは、明らかである。

ここで「テキスタイル」とは「広義の分類で,織物に作られる繊維または糸,製織または編成品,フェルト,網,レース,手芸品などを含む各種の繊維製品をいう.・・・」(井上孝編著、“現代繊維辞典”増補改訂版,株式会社センイ・ジヤァナル,昭和43年12月1日発行)であることが技術常識であるから、引用発明の「ポリプロピレン」からなる「網目格子状ネット14」は、本件補正発明の「非金属であるテキスタイルポリマー網によって形成されている第2の層」に相当する。

したがって、引用発明の「繊維層12に近接している網目格子状ネット14」は、「第1の層に近接した第2の層」の限りにおいて、本件補正発明の「第1の層に近接しており、X線によって検出可能な糸を任意で備えている第2の層」に一致する。

引用発明の「1-9/16インチの繊維長の繊維が、水性製紙工程や空気堆積技術等での繊維の流体堆積によって、ウェブを構成しており、繊維がレーヨンで形成されている不織布によって形成されており、網目格子状ネット14に近接している繊維層18」は、「繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、組織化されている層からなる、非金属である不織布によって形成されている第3の層であって、第2の層に近接している第3の層」の限りにおいて、本件補正発明の「繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、網の中に組織化されている層からなる、非金属である不織布によって形成されている第3の層であって、上記第2の層に近接しており、ゆるんだ糸および縫目が存在しない第3の層」と一致する。

引用発明の「網目格子状ネット14は、繊維層12と繊維層18との間に配置されている積層構造33を形成する外科用スポンジ」は、本件補正発明の「上記第2の層は、上記第1の層と上記第3の層との間に配置されている、ラミネートを形成する外科用綿球」に相当する。

してみると、本件補正発明と引用発明とは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。

(一致点)

繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、ウェブの中に組織化されている非金属である不織布で形成されている第1の層と、

非金属であるテキスタイルポリマー網によって形成されている第2の層であって、上記第1の層に近接している第2の層と、

繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、組織化されている層からなる、非金属である不織布によって形成されている第3の層であって、第2の層に近接している第3の層と、からなり

上記第2の層は、上記第1の層と上記第3の層との間に配置されている、ラミネートを形成する外科用綿球。

(相違点)

相違点1:繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、ウェブの中に組織化されている非金属である不織布で形成されている第1の層及び第3の層について、本件補正発明では、「ゆるんだ糸及び縫い目が存在しない」のに対して、引用発明では、ゆるんだ糸及び縫い目の有無が不明な点。
相違点2:第1の層に近接した第2の層について、本件補正発明では、第2の層が「X線によって検出可能な糸を任意で備えている」のに対して、引用発明では、X線によって検出可能な糸を備えない点。
相違点3:本件補正発明では、第2の層のポリマーが「エラスタン、ポリアミド、ポリアミドとポリエステル、および、ポリアミドとコットン」から選択されるポリマーであるのに対して、引用発明では、網目格子状ネットが「ポリプロピレン」である点。
相違点4:繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、ウェブの中に組織化されている非金属である不織布で形成されている第3の層について、本件補正発明では、第3の層が「網の中に組織化」されるのに対して、引用発明では、繊維層18が「ウェブを構成している」点。

(2)当審の判断

上記相違点1について検討する。

引用発明の繊維層12及び繊維層18は、ともに不織布であるから「縫い目」が存在しないことが技術常識である。

ここで、不織布が「繊維シート、ウェブまたはパットで繊維が一方向またはランダムに配向しており、交絡、融着、接着によって繊維間が結合されたもの。ただし、紙、織物、編み物、タフト及び縮減フェルトを除く。」(JIS L0222を参照。)であることを勘案すると、不織布は、繊維間が結合されることにより、織物のような「ゆるんだ糸」が存在しないものと解される。

してみると、引用発明の繊維層12及び繊維層18についても、「ゆるんだ糸および縫い目が存在しない」ものであるから、上記相違点1は、実質的な相違点ではないといえる。

相違点2について検討すると、本件補正発明における「X線によって検出可能な糸」は、「任意で備える」任意付加的な発明特定事項であることを勘案すると、上記相違点2は、実質的な相違点ではないといえる。

また、仮に「X線で検出可能な糸」を備えるとしても、外科用のスポンジなどにX線で検出可能な糸を含有させることは、例えば、原査定の拒絶の理由で引用された引用文献7である特開昭62-82956号公報(特許請求の範囲第1項など)や引用文献8である特開昭59-183760号公報(第4ページ左上欄第12行~第18行)に例示されるように、従来周知の技術手段に過ぎないものであって、当業者が容易に想到し得た程度の周知技術の付加というべきである。

相違点3について検討すると、引用文献1には、上記2-2の摘記事項カのとおり、網目格子状ネット14を構成する熱可塑性合成高分子材料として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリル酸、モダクリルの6つが例示されているところ、引用文献1に接した当業者であれば、この6つの材料のうちから、その1つであるポリアミドを選択することに格別の困難性があるとは認められないから、引用発明において、相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

相違点4について検討すると、不織布は、「繊維シート、ウェブまたはパットで繊維が一方向またはランダムに配向しており、交絡、融着、接着によって繊維間が結合されたもの。・・・」(JIS L0222を参照。)であるから、ウェブで繊維が互いに絡み合った状態で結合されることが技術常識であることを勘案すると、引用発明の繊維層18も不織布であるのだから、ウェブで繊維が互いに絡み合った状態で結合されることで、網のごとく組織化されているものと解される。よって、上記相違点4は、実質的な相違点ではないといえる。

(3)審判請求人の主張

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審判請求人は、審判請求書において「引用文献1は、伸縮特性を有する熱可塑性エラストマーのネットを覆う、不織布の伸縮層を開示しており、当該伸縮層は、大人用オムツに使用されると考えられます。本願発明と引用文献1に記載の技術とでは、重要な相違点があります。当該相違点は、本願の新請求項1に係る発明では、綿球は伸縮せず、最終製品に伸縮性を付与することを意図していない、という点にあります。本願発明は、伸縮特性を必要とせず、伸縮特性は、最終製品にとっての利点ではありません。

本願の新請求項1に係る外科用綿球は、吸収量が多いです。第2の層は、温度上昇によって殺菌および収縮し、外側の第1の層および第3の層は、収縮せず、外科用綿球を液体に接触させたときに、当該外科用綿球は、他の綿球よりも、より多くの液体を吸収することができます。当該効果は、例えば、中間層がポリアミド等であるときに得られます。」と主張する(3-2.出願人の意見)。

しかしながら、上記2-2の摘記事項アに示したとおり、引用文献1には「外科用スポンジおよびパッド、特に開腹スポンジおよびパッド等の吸収性製品に関する。」ことが明記されている。

また、上記2-2の摘記事項ス及びセに示したとおり、引用文献1には「熱可塑性格子状ネットを含むサンプル2は、・・・当該熱可塑性格子状ネットは柔らかくなり、当該結合を引き起こした」、「湿潤状態および乾燥状態でのかさ高さおよび弾力性は良好であった。柔らかさは非常に優れていた。パッカリングやリップルの効果により所望の柔らかさ、かさ高さおよび表面効果が得られた。」と記載され、摘記事項ソには「・・・合成ポリマーの熱可塑性強化格子を備え、前記格子は各面を少なくとも1つの不織布層により覆われ、・・・前記格子は、消毒に先立ち、約3パーセントから約25パーセントの収縮性を有し、前記複数の被強化層は、連続的にその周縁端部でおよび断続的にその内部で一体的に固定され、これにより、熱消毒の結果、前記被強化層のそれぞれに見られる前記格子は、前記不織布に対し収縮し、かさ高い製品を製造することが可能になる」と記載されている。

また、摘記事項カ、ケに、「網目格子状ネット14は、熱可塑性合成高分子材料であり・・・これらおよび他の材料は、必要な熱可塑性並びに他の化学的および物理的特徴を必要な程度まで備えていれば有用であり」、「・・・ポリマー材料が最初の製造において伸長、伸張および延伸する程度が大きくなるほど、また、その結果、当該ポリマー材料に形成される分子配向の程度が大きくなるほど、当該ポリマー材料が元の長さの方向に戻るまたは収縮するという特性が強くなる・・・」と記載されているように、熱可塑性樹脂であれば収縮する特性を備えるのであるから、審判請求人が主張する有利な効果は、引用文献1の記載から予測できる範囲内にすぎないというほかない。

よって、審判請求人の主張を採用することはできない。

2-4 小括

以上のとおりであるから、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができた発明であるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない発明であって、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合しない。

3.本件補正についてのむすび

よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1.本願発明

本件補正は、上記のとおり却下されたので、本件に係る出願の請求項1~13に係る発明は、令和元年12月2日にした手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1~13に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1.(2)に記載のとおりのものである。

2.原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、本願発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1又は2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができた発明であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:米国特許第3683921号明細書
引用文献2:特表2001-514093号公報

3.引用文献に記載された事項及び引用発明

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、前記第2の[理由]2.2-2に記載したとおりである。

4.対比・判断

本願発明は、前記第2の[理由]2.で検討した本件補正発明から、第1の層が「繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、網、ベールまたはウェブの中に組織化されている層からなる」もので「ゆるんだ糸および縫い目が存在しない」ことを限定する発明特定事項を削除し、第2の層が「X線によって検出可能な糸を任意で備えて」いることを限定する発明特定事項を削除し、第3の層が「繊維、連続したフィラメントまたは切り刻まれた糸が、織ることまたは編むことのない手法によって、網の中に組織化されている層からなる」もので「ゆるんだ糸および縫い目が存在しない」ことを限定する発明特定事項を削除し、さらに第1の層~第3の層が「ラミネートを形成する」ことを限定する発明特定事項を削除したものである。

そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2.2-3に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができた発明であるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができた発明であり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明である。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-014816

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