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特許拒絶査定不服審判

2020-011512

払出装置、及び、払出システム

審判番号
2020-011512
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-543754外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年08月19日
審決日
2021年05月13日
公報発行日
2021年08月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G07F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2018-543754「払出装置、及び、払出システム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月12日国際公開、WO2018/066216〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)8月1日(優先権主張2016年10月7日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成31年3月15日に国内書面が提出され、令和元年8月28日に手続補正書が提出され、令和元年10月14日付けで拒絶理由通知がされ、令和元年12月26日に意見書が提出されるとともに、特許請求の範囲及び明細書について補正する手続補正書が提出されたが、令和2年5月13日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対して令和2年8月19日に拒絶査定に対する審判請求がされると同時に、特許請求の範囲及び明細書について補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1ないし9に係る発明は、国内書面、令和2年8月19日の手続補正書により補正された特許請求の範囲及び国際出願時の図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項2に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。なお、請求項2は、拒絶査定時の請求項5と同じである。 「【請求項2】 複数のたばこ商品を収容する収容部と、 払出命令に応じて前記たばこ商品を前記収容部から払い出す払出部と、 前記収容部に収容されている前記たばこ商品の収容個数を記憶する記憶部と、 前記収容部に収容されている前記たばこ商品の残個数に応じて、補充すべきたばこ商品の種類を報知する報知部と、 制御部と、 を備え、 前記制御部は、前記たばこ商品が当該払出装置から1個払い出される度に、払出対象となった種類のたばこ商品の残個数の情報を1個分減算し、前記収容部における前記たばこ商品の種類毎の残個数の情報が変化する度に、残個数が変化した種類のたばこ商品について、その残個数が補充閾値まで減ったか否かを判定し、残個数が変化した種類のたばこ商品の残個数が補充閾値まで減った場合は、当該種類のたばこ商品を補充すべき旨の報知を 前記報知部に行わせる払出装置。」 第3 引用文献に記載された発明 1 引用文献1の記載事項 原査定で引用され、本願の優先日の前に頒布された特表2015-508200号公報(以下、「引用文献1」という。)には、次の事項が図面とともに記載されている。 (1)「【0069】 ・・・本発明はこのような飲料の分配のみに限定されず、別法として又は加えて、分離される密閉パッケージ内で保管される任意の及びすべての別のスモール・アイテム(small item)(薬剤、玩具、事務用品など)を販売するのにも使用され得る。」 (2)「【0093】 自動販売機が、トレイ・システム20の形態のアイテム・ストレージと、リフト機構30、取り出しロボット装置40及びブリッジ・ユニット50を備える取り出しシステムRSと、ドリンク/飲料処理ステーション70と、自動販売機1の動作を制御するように構成される制御装置200を備える制御モジュールと、を収容するハウジング10を備える。自動販売1は電力ユニット19及び対応する電力コード17をさらに備える。」 (3)「【0096】 次に図2Aから2Dを参照すると、示されるトレイ・システム20が、自動販売機1の高さの大部分に沿って積層式に配置されるコンパートメント化された保管ユニット(CSU)22を各々が構成する複数の保管トレイを備える。」 (4)「【0128】 開示される本主題の特定の実例による後方処理システムの概略的な機能ブロック図を示す図7に注目する。 【0129】 開示される本主題の一部の実例によると、後方処理システム490が、構成要素を管理及び制御して関連する後方処理システム490の動作を実行するように構成される、複数及び/又は並行並びに/或いは分散型処理ユニットを含む1つ又は複数の処理ユニット400を備えることができる(又は、別の形で関連付けられ得る)。」 (5)「【0148】 開示される本主題の一部の実例によると、自動販売機1の制御装置200(例えば、製品処理モジュール220を利用することによる)が、選択された製品種類を指示するデータを含めた、製品分配要求(例えばユーザ・インターフェース230を使用して、ユーザから受信される)を受信するように構成され得る(ブロック600)。制御装置200(例えば、製品処理モジュール220を利用することによる)は、製品分配要求を受信した後、保管トレイ・システム20内の、選択された製品種類の製品を準備することを要求された特定のアイテム100或いは1つ又は複数のアイテム100のロケーションを受信するようにさらに構成され得る(ブロック610)。」 (6)「【0155】 一部の事例では、制御装置200(例えば、製品処理モジュール220を利用することによる)は、消費されたアイテムを指示する消費レポートを後方処理システム490に送信するように構成され得る(ブロック650)。一部の事例では、消費レポートは各製品を販売した後で後方処理システム490に送信され得る。加えて又は別法として、消費レポートは定期的又は継続的に後方処理システム490に送信され得る。加えて又は別法として、消費レポートは、後方処理システム490から要求された後で後方処理システム490に送信され得る(例えば、定期的に、並びに/或いは、供給業者によって配置される及び/又はアドミニスタ・コマンドなどに従って配置される自動販売機ロケーション又は自動販売機が位置するところの特定の領域に訪問する前に、発せられ得る)。加えて又は別法として、消費レポートは、制御装置200が在庫レベルが低いと判断したときに後方処理システム490に送信され得る(例えば、自動販売機1内で利用可能である必要がある各種類のアイテムの最小数を指示する低在庫閾値などの在庫監視基準に従う)。」 (7)「【0171】 一部の事例では、低い在庫レベルが検知される場合に、処理ユニット400(例えば、CSUビルダ・モジュール430を利用することによる)は、自動販売機1のために1つ又は複数の交換用CSU22を準備するように構成され得る(ブロック360)。一部の事例では、処理ユニット400(例えば、CSUビルダ・モジュール430を利用することによる)は、特定の自動販売機1の必要とされる在庫レベル及び実際の在庫レベルを利用しながら、その自動販売機1を補充するためにCSU22を準備するように構成され得る。・・・」 (8) 上記(1)ないし(7)の記載より認められること 上記(2)及び(5)の記載によれば、トレイ・システム20は複数のアイテムを収容すること、及び、制御装置200はユーザからの製品分配要求を受信し、取り出しシステムRSは製品分配要求によって特定されるアイテムをトレイ・システム20から取り出すことが認められる。 2 引用発明 上記(1)ないし(8)を総合すると、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「複数のアイテムを収容するトレイ・システム20と、 製品分配要求によって特定されるアイテムをトレイ・システム20から取り出す取り出しシステムRSと、 制御装置20と、 を備え、 制御装置200がアイテムの在庫レベルが低いと判断したときは、消費レポートを後方処理システム490に送信する自動販売機1。」 第4 対比・判断 1 対比 本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「トレイ・システム20」、「製品分配要求」、「取り出す」こと、「取り出しシステムRS」、「制御装置200」、「自動販売機1」は、その機能、構造又は技術的意義からみて、本願発明における「収容部」、「払出命令」、「払い出す」こと、「払出部」、「制御部」、「払出装置」に、それぞれ相当する。 引用発明における「アイテム」と本願発明における「たばこ商品」は、「商品」という点で共通し、引用発明における「製品分配要求によって特定されるアイテムを」「取り出す」ことと、本願発明における「払出命令に応じて前記たばこ商品を」「払い出す」ことは、「払出命令に応じて前記商品を」「払い出す」ことという点で共通する。 そうすると、本願発明と引用発明とは、 「複数の商品を収容する収容部と、 払出命令に応じて前記商品を前記収容部から払い出す払出部と、 制御部と、 を備える払出装置。」 という点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点1> 商品について、本願発明はたばこ商品であるのに対し、引用発明はたばこ商品とは特定されていない点。 <相違点2> 本願発明は、「収容部に収容されているたばこ商品の収容個数を記憶する記憶部」を備えるのに対し、引用発明は、そのような記憶部を備えるのか不明である点。 <相違点3> 本願発明は、「収容部に収容されているたばこ商品の残個数に応じて、補充すべきたばこ商品の種類を報知する報知部」を備え、「制御部は、前記たばこ商品が当該払出装置から1個払い出される度に、払出対象となった種類のたばこ商品の残個数の情報を1個分減算し、前記収容部における前記たばこ商品の種類毎の残個数の情報が変化する度に、残個数が変化した種類のたばこ商品について、その残個数が補充閾値まで減ったか否かを判定し、残個数が変化した種類のたばこ商品の残個数が補充閾値まで減った場合は、当該種類のたばこ商品を補充すべき旨の報知を前記報知部に行わせる」のに対し、引用発明は、「制御装置200がアイテムの在庫レベルが低いと判断したときは、消費レポートを後方処理システム490に送信する」点。 2 相違点についての判断 (1)相違点1について 自動販売機の扱う商品をたばこ商品とすることは、本願の優先日の前において、例示するまでもない周知技術にすぎず、引用文献1の【0069】(上記「第3 1(1)」)の記載を勘案すれば、引用発明に上記周知技術を適用することへの阻害要因があるとはいえないから、引用発明に上記周知技術を適用することは、当業者が適宜選択し得る設計的事項に過ぎない。 (2)相違点2について 引用発明は、制御装置200がアイテム(商品)の在庫レベルを判断するものであり、商品の在庫レベルを判断するためには、商品の在庫数を把握することが必須であるから、引用発明は、商品の在庫数を記憶する、何らかの記憶手段を有するものであると認められ、相違点2は実施的な相違点ではない。 仮に、相違点2が実質的な相違点であるとしても、引用発明に、商品の在庫数を記憶する記憶手段を設けることは、当業者が適宜なし得る設計的事項に過ぎない。 (3)相違点3について 例えば、特開平6-28558号公報における、「【0013】この自動販売機100は、販売機本体前面を扉100aとし、この扉100aには、商品の販売時に選択的に操作される複数の選択スイッチ(・・・)8が上下に設けられている。・・・各選択スイッチ8には、それぞれ売切れ予告表示部6aと売切れ表示部6bとが設けられている。」、「【0021】図3は自動販売機100による売切れ予告表示の動作(ソフトウェア)をフローチャートにより示したものである。・・・商品の販売が行われる(ステップS2)。商品が販売されると、商品の搬出数がカウントされる(ステップS3)。更に、このカウントが行われると、収納規定数から搬出数を減算して商品収納残数を算出する(ステップS4)。引き続き、商品収納残数が売切れ予告数以下であるか否かを判定する(ステップS5)。この結果、商品収納残数が売切れ予告数以下でなければ商品搬出数のカウント(ステップS3)の前にリターンして待機するが、売切れ予告数以下であれば表示信号の出力を行う(ステップS6)。」等の記載や、特開昭61-91793号公報における、「本発明は、自動販売機の管理者が商品の新規補充の要、不要が容易に確認できるように商品の残数警告を表示するようにした自動販売機の商品収納残数警告装置に関するものである。」(1頁右下欄3~6行)、「前記販売制御回路2は前記商品選択釦7からの信号を受けて選択された商品の搬送を開始させ、販売が終了すると、販売終了を発生し、前記残数記憶部5に残数データを1だけ減算させる信号として加えられる。前記残数記憶部4は残数データが一定値以下になった場合、論理積回路80入力端に、残数警告信号を出力する。」(2頁右上欄10~17行)等の記載を参酌すると、自動販売機において、自動販売機内の商品の在庫管理のために、表示部を設けるとともに、商品の販売の度に、販売された商品の残数を販売数分(通常1個)減算し、その度に残数と基準値を比較して基準値以下の場合に、上記表示部に商品の補充を促すための表示信号を出力することは、本願の優先日前の技術常識といえる。 引用発明は、制御装置200がアイテム(商品)の在庫レベルが低いと判断したときは、消費レポートを後方処理システム490に送信するものであり、引用文献1の【0155】(上記「第3 1(6)」)には、上記判断の際に、商品の種類ごとに設定された低在庫閾値を用いることが開示され、引用文献1の【0171】(上記「第3 1(7)」)には、上記判断が、商品の補充のためにも利用されることが示唆されていることを勘案すると、引用文献に接した当業者であれば、上記技術常識を参酌して、引用発明において、制御装置200による商品の在庫レベルの判断に関して、表示部を設けるとともに、商品の消費(販売)の度に、販売された商品の在庫数を1個分減算し、その度に在庫数と低在庫閾値と比較して低在庫閾値以下の場合に、上記表示部にその商品の補充を促すための表示信号を出力することによって、相違点3に係る本願発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。 そして、本願発明の効果は、引用発明及び上記技術常識から予測し得る程度のものであり、格別なものとは認められない。 (4)小括 以上によれば、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第5 むすび 上記第2ないし第4で述べたとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願のその他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきである。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-011512

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