2020-010660
レーザー点クラウドを用いる物体検出のための方法及びシステム
- 審判番号
- 2020-010660
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-218790外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年07月31日
- 審決日
- 2021年10月22日
- 公報発行日
- 2022年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ウェイモ エルエルシー
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】佐藤 睦
- 分類
- P18 .4 -WZ (G06T) / P18 .575-WZ (G06T)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法39条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第39条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第4項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、平成27年4月24日(パリ条約による優先権主張 2014年4月25日 (US)アメリカ合衆国)に出願された特願2015-89456号の一部を平成29年5月15日に出願した特願2017-96720号の一部を平成30年11月22日に特願2018-218790号として出願したものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 令和3年6月14日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年6月14日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
令和3年6月14日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)は、令和2年7月31日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項(以下、補正前の請求項という)1ないし14を、本件補正による特許請求の範囲の請求項(以下、補正後の請求項という)1ないし14に補正するものであり、本件補正は、補正前の請求項8を補正後の請求項8とする補正事項を含むものである(下線は補正箇所を示す。)
(補正前の請求項8)
システムであって、
少なくとも一つのプロセッサと、
記憶された指令を有するメモリとを備え、その指令は前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されるときに、前記システムに機能を実行させ、その機能は、
車両の環境を示すレーザー・データを受信することであって、そのレーザー・データは前記環境における一つ以上の物体に関連した複数のデータ点を含む、受信することと、
前記複数のデータ点に基づいて、前記車両に対する前記環境における前記一つ以上の物体のそれぞれの位置を示す複数のピクセルを含む二次元距離画像を生成することであって、前記複数のピクセルは、レーザー・データが欠如している前記環境における前記一つ以上の物体の一つ以上の部分をマップする一つ以上のピクセルを含むことと、
前記二次元距離画像において推定及び平滑化される複数の勾配に基づいて、前記環境における前記一つ以上の物体のそれぞれの表面に対応するピクセルの一つ以上のセットの複数の法線ベクトルを決定することと、
前記ピクセルの一つ以上のセットの前記複数の法線ベクトルに基づいて、前記環境における前記一つ以上の物体を示す物体認識情報を、前記車両の一つ以上のシステムへ与えることを含むシステム。
(補正後の請求項8)
システムであって、
少なくとも一つのプロセッサと、
記憶された指令を有するメモリとを備え、その指令は前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されるときに、前記システムに機能を実行させ、その機能は、
車両の環境を示すレーザー・データを受信することであって、そのレーザー・データは前記環境における一つ以上の物体に関連した複数のデータ点を含む、受信することと、
前記複数のデータ点に基づいて、前記車両に対する前記環境における前記一つ以上の物体のそれぞれの位置を示す複数のピクセルを含む二次元距離画像を生成することであって、前記複数のピクセルは、レーザー・データが欠如している前記環境における前記一つ以上の物体の一つ以上の部分をマップする一つ以上のピクセルを含むことと、
前記二次元距離画像において推定及び平滑化される複数の勾配に基づいて、前記環境における前記一つ以上の物体のそれぞれの表面に対応するピクセルの一つ以上のセットの複数の法線ベクトルを決定することと、
前記車両を自律型ナビゲーションで支援するために、前記ピクセルの一つ以上のセットの前記複数の法線ベクトルに基づいて、前記環境における前記一つ以上の物体を示す物体認識情報を、前記車両の一つ以上のシステムへ与えることを含むシステム。
2 補正の適合性
(1)補正の内容について
請求項8に係る補正は、「前記ピクセルの一つ以上のセットの前記複数の法線ベクトルに基づいて、前記環境における前記一つ以上の物体を示す物体認識情報を、前記車両の一つ以上のシステムへ与えること」について、その直前に「前記車両を自律型ナビゲーションで支援するために、」という目的を示す記載を追加する補正である。
(2)補正の範囲及び単一性について
本願出願日における願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲、及び図面(以下、明細書等という)には、以下の記載がある。(下線は、強調のため当審で付したものである。)
「【0095】ブロック308において、この方法300は、修正された二次元距離画像に基づいて、環境における一つ以上の物体のそれぞれの表面に対応する複数のピクセルにおけるピクセルの一つ以上のセットの複数の法線ベクトルを決定することを含むことがある。コンピュータ・デバイスは物体認識目的のために環境における同じ表面に対応するピクセルの法線ベクトルを計算することがあり、これは車両を自律型ナビゲーションで支援することがある。」
上記の明細書の記載によれば、上記(1)の補正事項は、特に【0095】の記載に基づくものであるから、請求項8に係る補正は、本願出願日の明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。
また、請求項8に係る補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正であるといえ、特許法第17条の2第5項第2号の規定に適合するものであり、本件補正前の請求項8に記載された発明と、本件補正後の請求項8に記載された発明は、発明の単一性の要件を満たすものといえ、請求項8に係る補正は、特許法第17条の2第4項の規定に適合するものである。
3 独立特許要件について
以上のように、請求項8に係る補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正であるといえるので、本件補正後の請求項8に記載された発明が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正後の請求項8に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)は、上記第2の1(補正後の請求項8)に記載される、次のとおりのものである。(符号は説明のために合議体が当審において付与したものであり、以下、構成A~構成E2という。以下同じ。)
A システムであって、
少なくとも一つのプロセッサと、
記憶された指令を有するメモリとを備え、
A1 その指令は前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されるときに、前記システムに機能を実行させ、その機能は、
B 車両の環境を示すレーザー・データを受信することであって、そのレーザー・データは前記環境における一つ以上の物体に関連した複数のデータ点を含む、受信することと、
C 前記複数のデータ点に基づいて、前記車両に対する前記環境における前記一つ以上の物体のそれぞれの位置を示す複数のピクセルを含む二次元距離画像を生成することであって、
C1 前記複数のピクセルは、レーザー・データが欠如している前記環境における前記一つ以上の物体の一つ以上の部分をマップする一つ以上のピクセルを含むことと、
D 前記二次元距離画像において推定及び平滑化される複数の勾配に基づいて、前記環境における前記一つ以上の物体のそれぞれの表面に対応するピクセルの一つ以上のセットの複数の法線ベクトルを決定することと、
E1 前記車両を自律型ナビゲーションで支援するために、
E2 前記ピクセルの一つ以上のセットの前記複数の法線ベクトルに基づいて、前記環境における前記一つ以上の物体を示す物体認識情報を、前記車両の一つ以上のシステムへ与えることを含む
A システム。
(2)同日出願に係る特許発明
一方、本願と同日に出願され、既に特許された特願2017-96720号(特許6441993号)に係る特許の請求項10に記載された発明(以下、同日出願に係る特許発明という)は、以下のとおりのものである。(符号は説明のために合議体が当審において付与したものであり、以下、構成a~構成eという。以下同じ。)
【請求項10】
a システムであって、
少なくとも一つのプロセッサと、
記憶された指令を有するメモリとを備え、
a1 その指令は前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されるときに、前記システムに機能を実行させ、その機能は、
b 車両の環境を示すレーザー・データを受信することであって、そのレーザー・データは前記環境における一つ以上の物体に関連した複数のデータ点を含む、受信することと、
c 前記複数のデータ点に基づいて、前記車両に対する前記環境における前記一つ以上の物体のそれぞれの位置を示す複数のピクセルを含む二次元距離画像を生成することであって、
c1 前記二次元距離画像を生成することは受信したレーザー・データが欠如している前記環境の所定の部分をマップする前記二次元距離画像における一つ以上のピクセルに値を与えることを含む、生成することと、
d 前記二次元距離画像において推定及び平滑化される複数の勾配に基づいて、前記環境における前記一つ以上の物体のそれぞれの表面に対応するピクセルの一つ以上のセットの複数の法線ベクトルを決定することと、
e 前記ピクセルの一つ以上のセットの前記複数の法線ベクトルに基づいて、前記環境における前記一つ以上の物体を示す物体認識情報を、前記車両の一つ以上のシステムへ与えることを含む
a システム。
(3)対比
ここで、本件補正発明と同日出願に係る特許発明を比較すると、本件補正発明の構成A、A1、B、C、D、E2と同日出願に係る特許発明の構成a、a1、b、c、d、eとは一致する。
一方、本件補正発明の構成C1と、同日出願に係る特許発明の構成c1とを比較すると、
本件補正発明の構成C1では、構成Cの二次元距離画像に含まれる複数のピクセルを「前記複数のピクセルは、レーザー・データが欠如している前記環境における前記一つ以上の物体の一つ以上の部分をマップする一つ以上のピクセルを含む」と特定しているのに対して、
同日出願に係る特許発明の構成c1では、構成cの二次元距離画像を生成することを「前記二次元距離画像を生成することは受信したレーザー・データが欠如している前記環境の所定の部分をマップする前記二次元距離画像における一つ以上のピクセルに値を与えることを含む」と特定している点で、一応相違する。(以下、「一応の相違点1」という。)
また、本件補正発明は構成E1として「前記車両を自律型ナビゲーションで支援するために、」という発明特定事項を有するのに対して、同日出願に係る特許発明はこのような発明特定事項を有するものではない点で、一応相違する。(以下、「一応の相違点2」という。)
(4)一応の相違点に対する判断
(4-1)まず、一応の相違点1について検討する。
本件補正発明の構成C1における「レーザー・データが欠如している前記環境における前記一つ以上の物体の一つ以上の部分をマップする一つ以上のピクセル」について、同日特許に係る発明の構成c1のうち「受信したレーザー・データが欠如している前記環境の所定の部分をマップする前記二次元距離画像における一つ以上のピクセル」「に値を与えることを含む」処理が「前記二次元距離画像を生成すること」であるから、当該「二次元距離画像における」「一つ以上のピクセル」は「受信したレーザー・データが欠如している前記環境の所定の部分をマップする」処理の結果、「値を与え」られたピクセルである。
すなわち、本件補正発明の構成C1における「一つ以上のピクセル」と、同日出願に係る特許発明の構成c1の「一つ以上のピクセル」は同じ処理によって生成されるといえるから、本件補正発明の構成C、構成C1の「(前記)複数のピクセル」と同日出願に係る特許発明の構成cの「複数のピクセル」も同じ処理によって生成されるといえる。
そうすると、本件補正発明の構成C1と同日出願に係る特許発明の構成c1との違いは、本件補正発明の構成Cであり、同日出願に係る特許発明の構成c1における「複数のピクセルを含む二次元距離画像を生成する」という処理を、本件補正発明の構成C1のように、ピクセルを得るための処理を行った後に得られたピクセルとして間接的に特定するか、同日出願に係る特許発明の構成c1のように、ピクセルを得るための処理として直接的に特定するかの違いでしかなく、実質的に相違するものではない。
したがって、上記一応の相違点1は、実質的な相違点ではない。
(4-2)次に、一応の相違点2について検討する。
上記一応の相違点2に関する本件補正発明の構成E1の「前記車両を自律型ナビゲーションで支援するために、」は、構成A1の「プロセッサにより実行される」の「指令」により「システムに実行させ」る「機能」の1つである、構成E2の「前記ピクセルの一つ以上のセットの前記複数の法線ベクトルに基づいて、前記環境における前記一つ以上の物体を示す物体認識情報を、前記車両の一つ以上のシステムへ与える」という機能についての用途の特定を付したものといえる。
そこで、当該用途の特定を付したことが、その用途に特に適した機能を与えるかどうかについて検討する。
本件明細書及び同日出願に係る明細書には、発明の背景として以下の記載がある。
「【0003】車両は、センサーにより与えられた情報を用いて移動の経路をナビゲートされることがある。車両のコンピュータ・デバイスは、車両センサーから受信された情報を処理して障害物との衝突を回避して、適切なナビゲーションを確実にすることがある。そのような車両には、周囲環境における物体を検出するために、通常は様々な種類のセンサーが装備されている。例えば、自律型車両は、レーザー、ソナー、RADAR、カメラ、及び車両の周囲環境からデータを走査して記録する他のデバイスを含むことがある。これらのデバイスの一つ以上からのセンサー・データは、複数の物体を検出し、それらのそれぞれの特性(位置、形状、機首方位、速度など)を検出するのに用いられることがある。この検出及び識別は、自律型車両の安全な操作に役立つ。」
上記の記載から、本件補正発明及び同日出願に係る特許発明における技術的な背景として、
・「車両は、センサーにより与えられた情報を用いて移動の経路をナビゲートされる」ものであり、「車両のコンピュータ・デバイスは、車両センサーから受信された情報を処理して障害物との衝突を回避して、適切なナビゲーションを確実にする」ものであること、
・「そのような車両には、周囲環境における物体を検出するために、」「様々な種類のセンサーが装備されて」おり、「例えば、自律型車両は、レーザー」のような「車両の周囲環境からデータを走査して記録する」「デバイスを含む」ものであること、
・「これらのデバイスの一つ以上からのセンサー・データは、複数の物体を検出し、」「位置、形状、機首方位、速度など」「を検出するのに用いられ」「この検出及び識別は、自律型車両の安全な操作に役立つ」こと、
がいえる。
これらの背景を踏まえて、【0095】には、「ブロック308において、この方法300は、修正された二次元距離画像に基づいて、環境における一つ以上の物体のそれぞれの表面に対応する複数のピクセルにおけるピクセルの一つ以上のセットの複数の法線ベクトルを決定することを含むことがある。コンピュータ・デバイスは物体認識目的のために環境における同じ表面に対応するピクセルの法線ベクトルを計算することがあり、これは車両を自律型ナビゲーションで支援することがある。」という記載があり、「物体認識目的のために環境における同じ表面に対応するピクセルの法線ベクトルを計算する」ことは、「車両を自律型ナビゲーションで支援する」ものであることが示されているといえる。
これらの記載から、本件補正発明の構成B、C、D、E2及び同日出願に係る特許発明の構成b、c、d、eにおいて、
・「車両の環境を示すレーザー・データを受信することであって、そのレーザー・データは前記環境における一つ以上の物体に関連した複数のデータ点を含む、受信すること」、
・「前記複数のデータ点に基づいて、前記車両に対する前記環境における前記一つ以上の物体のそれぞれの位置を示す複数のピクセルを含む二次元距離画像を生成すること」
・「前記二次元距離画像において推定及び平滑化される複数の勾配に基づいて、前記環境における前記一つ以上の物体のそれぞれの表面に対応するピクセルの一つ以上のセットの複数の法線ベクトルを決定すること」、
・「前記ピクセルの一つ以上のセットの前記複数の法線ベクトルに基づいて、前記環境における前記一つ以上の物体を示す物体認識情報」を得ること、
・得られた当該物体認識情報を、「前記車両の一つ以上のシステムへ与えること」、
は、
・「センサーにより与えられた情報を用いて移動の経路をナビゲート」し、「車両センサーから受信された情報を処理して障害物との衝突を回避して、適切なナビゲーションを確実にする」という用途のために、「複数の物体を検出し、」「位置、形状、機首方位、速度など」「を検出する」るという機能を実現するものであり、「この検出及び識別は、自律型車両の安全な操作に役立つ」ものであること、
・「物体認識目的のために環境における同じ表面に対応するピクセルの法線ベクトルを計算する」という機能を実現することが、「車両を自律型ナビゲーションで支援する」という用途のためものであること、
については、両発明において相違しない。
そうすると、本件補正発明の構成E1において、本件補正発明の「プロセッサにより実行される」の「指令」により「システムに実行させ」る「機能」についての用途を特定しただけでは、その「機能」の用途である「前記車両を自律型ナビゲーションで支援するため」に特に適した事項が含まれていることを意味すると限定的に解釈することはできない。
したがって、構成E1を付加したことによって、本件補正発明が同日出願に係る特許発明と比較して、実質的に異なる事項を含むものであるということはできない。
さらに、本件補正発明の構成E1は、本件補正発明及び同日出願に係る特許発明の自明な用途である「センサーにより与えられた情報を用いて移動の経路をナビゲート」し、「車両センサーから受信された情報を処理して障害物との衝突を回避して、適切なナビゲーションを確実にする」ためのものであって、「自律型車両の安全な操作に役立つ」ものであり、「車両を自律型ナビゲーションで支援する」ものであることを、本件補正発明中においてあらためて明示的に特定したにすぎず、構成E1によって本件補正発明と同日出願に係る特許発明の用途が区別できるようになったわけではない。
すなわち、構成E1を付加したことによって、本件補正発明が同日出願に係る特許発明と比較して新たな用途を提供したというわけではない。
以上を総合すると、構成E1を付加したことにより生じた上記一応の相違点2は、実質的な相違点ではない。
(5)小括
上記(4-1)(4-2)から、本件補正発明と同日出願に係る特許発明は、実質的に同一の発明である。
3 むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反してなされたものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和3年6月14日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項8に係る発明は、令和2年7月31日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定されるものであり、そのうち、請求項8に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の1に示した(補正前の請求項8)に記載された事項により特定されるとおりのものである。
2 当審における拒絶の理由
当審の拒絶の理由は、概略、以下のとおりである。
この出願の請求項1-14に係る発明は、同日出願された下記の出願に係る発明と同一と認められ、かつ、下記の出願に係る発明は特許されており協議を行うことができないから、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
同日出願とそれに係る特許
特願2017-96720号(特許6441993号)
3 同日出願に係る特許発明
当審の拒絶の理由に引用された同日出願に係る特許発明は、上記第2の2(3-2)に認定したとおりである。
4 対比、判断
本願発明は、本件補正発明から、上記第2の1の(補正後の請求項8)で限定された上記第2の3(3)の一応の相違点2に係る、構成E1を除いたものである。
ここで、上記一応の相違点2を含む本件補正発明は、上記第2の3(4-1)(4-2)を踏まえた(5)のとおり、同日出願に係る特許発明と同一の発明である。
そうすると、上記一応の相違点2を除いた本願発明は、上記第2の3(4-1)を踏まえた(5)のとおり、同日出願に係る特許発明と同一の発明である。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、同日出願に係る特許発明と同一の発明であり、かつ同日出願に係る特許発明はすでに特許されており協議を行うことができないから、本願発明は特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について検討するまでもなく、拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2020-010660