特許拒絶査定不服審判
2021-003407
ハイダイナミックレンジトーンマッピング
- 審判番号
- 2021-003407
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-166050
- 請求日
- 2021年03月15日
- 審決日
- 2022年05月31日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】浜田 治雄
- 審判長/審判官
- 審判長 畑中 高行
- 審判官 千葉 輝久
- 審判官 木方 庸輔
- 分類
- P18 .121-Z (G06T) / P18 .575-Z (G06T)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2016-166050「ハイダイナミックレンジトーンマッピング」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 3月 9日出願公開、特開2017- 49992〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成28年8月26日(パリ条約による優先権主張2015年(平成27年)9月4日、米国)の出願であって、令和2年7月16日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年10月29日に手続補正がされたが、令和2年11月10日付けで拒絶査定がされたものであり、これを不服として令和3年3月15日に本件審判請求がされ、同時に手続補正がされた。
第2 令和3年3月15日にされた手続補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年3月15日にされた手続補正を却下する。
[理由]
1 補正の内容
令和3年3月15日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲を補正対象とするものであり、令和2年10月29日に補正された特許請求の範囲の請求項1の記載を、本件補正後の請求項1の記載にする補正を含むものである。
本件補正前後の請求項1の記載は、それぞれ、次のとおりである。(下線部は、補正により変更された箇所である。)
[本件補正前の請求項1]
一つのハイダイナミックレンジ(HDR)ビデオの一つのフレームを使用する第1のベースレイヤーを生成すること;
該第1のベースレイヤーから一つのトーンカーブパラメータを導出すること;ここで該トーンカーブパラメータは、第1のベースレイヤーのピクセルから導出された統計値であり、
第2のベースレイヤーから導出された該トーンカーブパラメータの一つの以前に測定された値を使用して該トーンカーブパラメータを時間フィルタリングし、ここで第2のベースレイヤーはHDRビデオの一つの以前のフレームから導出されること;および
該時間フィルタリングされたトーンカーブパラメータから導出された一つのトーンカーブを使用する一つの時間コヒーレントベースレイヤーを生成すること
を含む方法。
[本件補正後の請求項1]
一つのハイダイナミックレンジ(HDR)ビデオの一つのフレームを使用する第1のベースレイヤーを生成すること;
該第1のベースレイヤーから一つのトーンカーブパラメータを導出すること;ここで該トーンカーブパラメータは、第1のベースレイヤーのピクセルから導出された一つの統計的照度値であり、
第2のベースレイヤーから導出された該トーンカーブパラメータの一つの以前に測定された値を使用して該トーンカーブパラメータを時間フィルタリングし、ここで第2のベースレイヤーはHDRビデオの一つの以前のフレームから導出されること;および
該時間フィルタリングされたトーンカーブパラメータから導出された一つのトーンカーブを使用する一つの時間コヒーレントベースレイヤーを生成することを含む方法。
2 補正の適否
(1)補正の目的
上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明特定事項である「統計値」を、「一つの統計的照度値」と限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(2)独立特許要件
本件補正は特許法第17条の2第5項第2号に該当するので、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か)について以下に検討する。
ア 本件補正発明
本件補正発明は、上記本件補正後の請求項1の記載により特定される次のとおりのものである。なお、A、Bの符号は当審により付した。
[本件補正発明]
A 一つのハイダイナミックレンジ(HDR)ビデオの一つのフレームを使用する第1のベースレイヤーを生成すること;
B 該第1のベースレイヤーから一つのトーンカーブパラメータを導出すること;ここで該トーンカーブパラメータは、第1のベースレイヤーのピクセルから導出された一つの統計的照度値であり、
第2のベースレイヤーから導出された該トーンカーブパラメータの一つの以前に測定された値を使用して該トーンカーブパラメータを時間フィルタリングし、ここで第2のベースレイヤーはHDRビデオの一つの以前のフレームから導出されること;および
該時間フィルタリングされたトーンカーブパラメータから導出された一つのトーンカーブを使用する一つの時間コヒーレントベースレイヤーを生成すること
A を含む方法。
イ 引用文献
(ア)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された欧州特許出願公開第2144444号明細書(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。
なお、下線は強調のために当審で付したものである。
「[0001] The present invention relates to the handling of high quality video data.」
(訳:[0001] 本発明は、高品質ビデオデータの処理に関する。)
「[0020] The present invention aims at providing an improved method of compressing a stream of video frame data as well as devices for implementing the method. According to a first basic idea of the present invention, a method of compressing a stream of video frame data is suggested wherein tone mapping functions are determined for video frames of said stream, said tone mapping functions being different from one another for frames relating to different scenes and wherein the tone mapping functions will be altered for frames of the stream relating to the same scene.」
(訳:[0020] 本発明は、ビデオフレームデータのストリームを圧縮する改良された方法と、その方法を実施するための装置を提供することを目的とする。本発明の第1の基本的な考えによれば、ビデオフレームデータのストリームを圧縮する方法が提案され、トーンマッピング関数が前記ストリームのビデオフレームに対して決定され、前記トーンマッピング関数は異なるシーンに関するフレームに対して互いに異なり、トーンマッピング関数は同じシーンに関するストリームのフレームに対して変更されることになる。)
「[0021] It has been found that it is clearly advantageous to determine a different tone mapping function not only for every scene but to change the tone mapping function even while the same scene is shown in a video stream. The method of the present invention thus provides a stream of video data which has a significantly better quality compared to a video stream where a change of tone mapping function is only effected for a change of scene. It is possible and preferred to apply the method of compressing the stream to high definition video data, i.e. images that comprise a large number of pixels. Here, the present invention provides advantages as fine spatial details offered by high definition video data can be more clearly identified while the scene lasts.」
(訳:[0021] シーン毎に異なるトーンマッピング関数を決定するだけでなく、ビデオストリームで同じシーンを表示している間にもトーンマッピング関数を変更することが明らかに有利であることが分かった。したがって、本発明の方法は、トーンマッピング関数の変更がシーンの変更に対してのみ作用するビデオストリームと比較して、著しく優れた品質を有するビデオデータのストリームを提供する。ストリームを圧縮する本方法を、高解像度ビデオデータ、すなわち多数の画素からなる画像に適用することが可能であり好ましい。ここで、本発明は、高解像度ビデオデータによって提供される細かい空間的な詳細が、シーンが持続している間により明確に識別され得るという利点を提供する。)
「[0022] In the present invention, it is highly preferred to alter the tone mapping function within a scene only gradually. By altering the tone mapping function only gradually, the differences from frame to frame will be small and thus the received image will seem to be more natural. It should be noted that in cases where, without a change of scene, the illumination of a scene is altered for example by switching on or off a light, exceptions from the general rule that the tone mapping function is to be altered gradually only, can be made.」
(訳:[0022] 本発明では、シーン内のトーンマッピング関数を徐々にしか変化させないことが非常に好ましい。トーンマッピング関数を徐々にしか変化させないことで、フレーム間の差が小さくなるため、受信画像がより自然なものになるように感じられる。なお、シーンの変更を伴わない、照明のオン・オフなどによるシーンの照明の変更の場合には、トーンマッピング関数を徐々にしか変更しないという一般的な規則からの例外とし得ることに留意すべきである。)
「[0038] According to Fig. 1 a stream of video frame data 1 consisting of high definition high dynamic range video frames is provided.A single HDR frame 2 of the video stream 1 is inputted to a filter 3 which may be implemented by either soft-or hardware and which is used to extract a base frame 4 from the HDR frame 2. The filter 3 may be a bilateral filter.」
(訳:[0038] 図1によれば、高精細なハイダイナミックレンジのビデオフレームからなるビデオフレームデータのストリーム1が提供される。ビデオストリーム1の1つのHDRフレーム2は、ソフトまたはハードウェアのいずれかによって実装されてよい、HDRフレーム2からベースフレーム4を抽出するために使用される、フィルタ3に入力される。フィルタ3は、バイラテラルフィルタであってよい。)
「[0039] The base frame 4 is combined in a combining stage with the initial HDR frame, for example by subtracting the base frame 4 from the HDR frame 2 and/or by dividing the HDR frame 2 by the base frame 4 so as to provide a detail frame 5 relating to the fine details of the HDR frame 2. The base frame 4 is further fed to a tone mapping operation stage 6 wherein one of a plurality of - here predefined tone mapping functions stored in a tone mapping look-up-table 7 is selected for the base frame.」
(訳:[0039] ベースフレーム4は、結合段階において、例えば、HDRフレーム2からベースフレーム4を減算することによって、及び/又はHDRフレーム2をベースフレーム4で除算することによって、初期HDRフレームと結合され、HDRフレーム2の微細な細部に関連するディテールフレーム5が提供される。ベースフレーム4はさらに、トーンマッピング操作段階6に供給され、トーンマッピングルックアップテーブル7に格納された複数の-ここでは予め定義されたトーンマッピング関数のうちの1つがベースフレームに対して選択される。)
「[0040] The tone mapping function 6 selected for a given base frame 4 is altered to a tone mapping function TMO*with respect to the temporal properties of HDR frames and/or previous tone mapping functions as will be described later on. The tone mapping function TMO* is then applied to the base frame 4 so as to obtain a low dynamic range base frame 8. The low dynamic range base frame 8 and the detail frame 5 are subjected to temporal compression algorithms separately at stages 9 and 10 respectively. The temporal compression schemes may be as known per se in the art and may relate inter alia to MPEG encoding and so forth.」
(訳:[0040] 所定のベースフレーム4に対して選択されたトーンマッピング関数6は、後述するように、HDRフレームの時間特性及び/又は以前のトーンマッピング関数に関して、トーンマッピング関数TMO*に変更される。次に、トーンマッピング関数TMO*は、ローダイナミックレンジベースフレーム8を得るように、ベースフレーム4に適用される。ローダイナミックレンジベースフレーム8及びディテールフレーム5は、それぞれ段階9及び10で別々に時間的圧縮アルゴリズムの処理がされる。時間的圧縮スキームは、当該技術分野においてそれ自体既知のものであってよく、特にMPEGエンコーディング等に関するものであってよい。)
「[0041] From the temporally compressed detail frames and base frames 9 and 10 and the temporally corrected tone mapping function TMO*, a final frame is constructed. In order to obtain a high quality compressed video stream, it is suggested in the embodiment described to determine the tone mapping function with respect to tone mapping functions previously obtained for previous frames. Thus, the tone mapping function for a given base frame is fed to a temporal property stage 11 which stores the properties of a number of previous tone mapping functions obtained for previous frames of the same scene. This can be done by storing the number of the previous tone mapping functions in a tone mapping function table 7 and/or by storing the entire tone mapping function. It should be noted that a scene change identifier stage may be provided to reset the temporal property stage on any change of scene (not shown). The temporal property stage 11 on receiving an initial tone mapping function as initially determined for a base frame 4 determines whether or not the change in the tone mapping function compared to prior tone mapping function is large or not. It will be obvious to the skilled person that any such deviation can be weighted so that particular parts of the tone mapping curve have a weight higher than others.」
(訳:[0041] 時間的に圧縮されたディテールフレームとベースフレーム9、10と時間的に補正されたトーンマッピング関数TMO*から、最終フレームが構築される。高品質の圧縮ビデオストリームを得るために、説明した実施形態では、以前のフレームについて以前に得られたトーンマッピング関数に関して、トーンマッピング関数を決定することが提案されている。したがって、所定のベースフレームに対するトーンマッピング関数は、同じシーンの以前のフレームに対して得られた複数の以前のトーンマッピング関数の特性を保存する時間特性段階11に供給される。これは、複数の以前のトーンマッピング関数をトーンマッピング関数テーブル7に格納することによって、及び/又は、トーンマッピング関数全体を格納することによって行うことができる。シーンの任意の変更時に時間的特性段階をリセットするために、シーン変更識別子段階を設けてもよいことに留意されたい(図示せず)。時間的特性段階11は、ベースフレーム4に対して最初に決定された初期トーンマッピング関数を受信すると、前のトーンマッピング関数と比較したトーンマッピング関数の変化が大きいか否かを決定する。トーンマッピング曲線の特定の部分が他の部分よりも高い重みを有するように、任意のそのような偏差を重み付けすることができることは、当業者には明らかであろう。)
「[0042] It would also be possible to store tone mapping functions in tone mapping function table 7 in a way so that small changes of the look-up table-entry number correspond to small changes in the tone mapping function allows for a particularly simple way of determining whether or not the change from one tone mapping function of a given base frame to previous base frames is large or not. If the change in tone mapping function 6 is gradual, then the actual tone mapping function TMO* corresponds to the initial tone mapping function determined for base frame 4. If the changes of the tone mapping function determined for a given base frame 4 are too large, then the initial tone mapping function is corrected to a tone mapping function which corresponds closer to previous tone mapping functions. This can be determined by simple comparators. Accordingly, the change of tone mapping functions is small within a scene and thus the sequence of frames can be shown based on the compressed video data stream 12 which is of high quality.」
(訳:[0042] また、ルックアップテーブルエントリ番号の小さな変化がトーンマッピング関数の小さな変化に対応するようにトーンマッピング関数テーブル7にトーンマッピング関数を格納することが可能であると、あるベースフレームのトーンマッピング機能から以前のベースフレームへの変化が大きいか否かを特に簡単に判断することができるようになる。トーンマッピング関数6の変化が緩やかであれば、実際のトーンマッピング関数TMO*は、ベースフレーム4について決定された初期トーンマッピング関数に対応する。所定のベースフレーム4に対して決定されたトーンマッピング関数の変化が大きすぎる場合には、初期トーンマッピング関数は、以前のトーンマッピング関数により近いトーンマッピング関数に修正される。これは、単純な比較器によって決定することができる。従って、シーン内におけるトーンマッピング関数の変化は小さく、高品質の圧縮ビデオデータストリーム12に基づいてフレームのシーケンスを示すことができる。)
上記記載事項(特に、[0020]、 [0038]- [0042]の下線部)によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、aないしhの符号は、説明のために当審にて付したものである。
[引用発明]
a ビデオフレームデータのストリームを圧縮する改良された方法であって、
b 高精細なハイダイナミックレンジのビデオフレームからなるビデオフレームデータのストリーム1が提供され、ビデオストリーム1の1つのHDRフレーム2は、HDRフレーム2からベースフレーム4を抽出するために使用されるフィルタ3に入力され、
c ベースフレーム4は、結合段階において、例えば、HDRフレーム2からベースフレーム4を減算することによって、及び/又はHDRフレーム2をベースフレーム4で除算することによって、初期HDRフレームと結合され、HDRフレーム2の微細な細部に関連するディテールフレーム5が提供され、
d ベースフレーム4はさらに、トーンマッピング操作段階6に供給され、トーンマッピングルックアップテーブル7に格納された複数のトーンマッピング関数のうちの1つがベースフレームに対して選択され、
e 所定のベースフレーム4に対して選択されたトーンマッピング関数6は、後述するように、トーンマッピング関数TMO*に変更され、トーンマッピング関数TMO*は、ローダイナミックレンジベースフレーム8を得るように、ベースフレーム4に適用され、
f ローダイナミックレンジベースフレーム8及びディテールフレーム5は、それぞれ段階9及び10で別々に時間的圧縮アルゴリズムの処理がされ、
g 時間的特性段階11は、ベースフレーム4に対して最初に決定された初期トーンマッピング関数を受信すると、前のトーンマッピング関数と比較したトーンマッピング関数の変化が大きいか否かを決定し、
h トーンマッピング関数6の変化が緩やかであれば、実際のトーンマッピング関数TMO*は、ベースフレーム4について決定された初期トーンマッピング関数に対応し、所定のベースフレーム4に対して決定されたトーンマッピング関数の変化が大きすぎる場合には、初期トーンマッピング関数は、以前のトーンマッピング関数により近いトーンマッピング関数に修正され、従って、シーン内におけるトーンマッピング関数の変化は小さい方法。
(イ)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された国際公開第2014/198574号(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。
「Advantageously, the method further comprises temporally filtering over at least M high dynamic range pictures of the sequence the values representative of an average luminance determined for the M high dynamic range pictures, where M is an integer strictly superior to 1, wherein the processing of at least one picture of the M high dynamic range pictures uses the filtered value.
According to a variant, the method comprises, before applying a gamma correction, temporally filtering over at least M high dynamic range pictures of the sequence the gamma factors determined for the M high dynamic range pictures, where M is an integer strictly superior to 1, wherein applying a gamma correction on at least one picture of the M high dynamic range pictures uses the filtered gamma factor.
The temporal filtering preserves temporal coherency over the sequence.」(第4頁第5行-第17行)
(訳:有利には、本方法は、M個のハイダイナミックレンジピクチャについて決定された平均輝度の代表値を、シーケンスの少なくともM個のハイダイナミックレンジピクチャにわたって時間的にフィルタリングすることをさらに含み、ここでM個は1より厳密に優れた整数であり、M個のハイダイナミックレンジピクチャの少なくとも1枚の画像の処理は、フィルタリングした値を使用する。
変形例によれば、この方法は、ガンマ補正を適用する前に、シーケンスの少なくともM個の高ダイナミックレンジピクチャに対して、M個の高ダイナミックレンジピクチャについて決定されたガンマ係数を時間的にフィルタリングすることを含み、Mは厳密に1より大きい整数であり、M個の高ダイナミックレンジピクチャの少なくとも1つのピクチャにガンマ補正を適用するには、フィルタリングしたガンマ係数を使用することを含む。
時間的フィルタリングは、シーケンス上の時間的コヒーレンスを保持する。)
「A method for encoding a sequence of N HDR pictures is disclosed. N is an integer number greater than or equal to 1. In a first specific and non- limitative embodiment, the same steps are applied independently on each picture of the sequence in order to encode the whole sequence. Figure 1 thus depicts a flowchart of the encoding method according to the first embodiment of the invention. More precisely, figure 1 depicts the steps of the encoding method applied on a current HDR picture Pi of the sequence, where i is an integer index identifying the position of the picture in the sequence.
In a step 10, a value avg_lum representative of an average luminance of the current HDR picture Pi is obtained. According to a specific embodiment obtaining this value comprises determining the value for example as depicts on Figure 2. According to a variant, this value is obtained from a memory, optionally of a remote equipment of a communication network. Indeed, the value avg_lum can be determined by another application.
In a step 12, the HDR picture Pi is processed on the basis of the value avg_lum and of a defined average luminance value desired_avg_lum to get a well-balanced brightness picture. More precisely, the HDR picture Pi is processed such that the corresponding average luminance value of the processed picture Pi', denoted proc_avg_lum, is close to desired_avg_lum or at least closer than was avg_lum, i.e. |avg_lum- desired_avg_lum|>|proc_avg_lum-desired_avg_lum|. As an example, processing the HDR picture Pi comprises applying a gamma correction. Thus, for each pixel of Pi its value V is changed to Vγ, where γis a gamma factor and equals to log2(desired_avg_value)/log2(avg_lum). By applying a gamma curve to the picture Pi, the average luminance value of the resulting picture is shifted from avg_lum to a value close to desired_median_value. Gamma correction generates well balanced brightness pictures that are more suitable for MPEG encoding, especially for the dark pictures. The defined average luminance value desired_avg_lum is defined such that the processed picture Pi' is less costly to encode than Pi. Indeed, legacy encoders are defined to work in optimal conditions with well-balanced brightness pictures. Consequently, the desired_avg_lum is advantageously defined to be a middle grey also known as 18% grey. This grey is a tone that is perceptually about halfway between black and white on a lightness scale and thus corresponds to a well-balanced brightness picture for the human eye. Other values can be used for desired_avg_lum provided that the brightness of the processed picture Pi' is better balanced than the brightness of Pi. Thus the corresponding average luminance value of the HDR picture is modified from avg_lum to a value proc_avg_lum close to desired_avg_lum.
In a step 14, the processed picture Pi' is decomposed into first and second LDR pictures, wherein the first LDR picture has the same resolution as the HDR picture and wherein the second LDR picture which is of lower resolution than the HDR picture is representative of a global illumination of the HDR picture. The first LDR picture represents structures, details, etc of the scene. As an example, a dual modulation decomposition method is used for that purpose. The method disclosed in the paper from Oh entitled "High dynamic range picture encoding for BrightSide display" is an example of such dual modulation method. The advantage of dual modulation decomposition methods is to provide two 8-bits data planes that can be distributed using a single encoder (respectively decoder). The invention is not limited by a specific dual modulation decomposition method, i.e. it can use any dual modulation decomposition technique or global illumination map technique. More generally, any method providing such first and second LDR pictures from an HDR picture can be used.」(第7頁第28行-第9頁第15行)
(訳:N枚のHDRピクチャーのシーケンスを符号化する方法が開示されている。Nは1以上の整数である。第1の具体的かつ非限定的な実施形態において、シーケンス全体を符号化するために、同じステップがシーケンスの各ピクチャに独立して適用される。図1は、このように、本発明の第1の実施形態による符号化方法のフローチャートである。より正確には、図1は、以下のエンコーディングのステップを示す。ここで、iは、シーケンス内のピクチャの位置を特定する整数のインデックスである。
ステップ10において、現在のHDRピクチャPiの平均輝度を代表する値avg_lumが取得される。特定の実施形態によれば、この値を得ることは、例えば図2に描写されるような値を決定することを含む。変形例によれば、この値は、任意選択的に通信ネットワークのリモート機器のメモリから取得される。実際、値avg_lumは、別のアプリケーションによって決定することができる。
ステップ12において、HDRピクチャPiは、値avg_lumと、定義された平均輝度値desired_avg_lumとに基づいて処理されて、バランスのとれた輝度ピクチャを得る。より正確には、HDRピクチャPiは、proc_avg_lumと示される、処理済みピクチャPi'の対応する平均輝度値が、desired_avg_lumに近いか、少なくともavg_lumだったよりも近い、すなわち|avg_lum- desired_avg_lum|>|proc_avg_lum-desired_avg_lum|となるように処理される。一例として、HDRピクチャPiを処理することは、ガンマ補正を適用することからなる。したがって、Piの各ピクセルについて、その値VはVγに変更され、γはガンマ係数であり、log2(desired_avg_valu)/log2(avg_lum)に等しい。画像Piにガンマカーブを適用することで、画像の平均輝度値をavg_lumからdesired_median_valueに近い値へシフトさせる。ガンマ補正は、特に暗いピクチャに対して、MPEGエンコードに適したバランスの良い明るさのピクチャを生成する。定義された平均輝度値desired_avg_lumは、処理されたピクチャPi'がPiよりもエンコードするコストが低くなるように定義される。実際、レガシーエンコーダは、バランスの良い輝度のピクチャで最適な条件で動作するように定義されている。その結果、所望のdesired_avg_lumは、有利には、18%グレイとも呼ばれる中間グレイであるように定義される。このグレーは、明度スケールで黒と白の間の知覚的に約半分のトーンであり、したがって、人間の目にとってバランスのとれた明るさの画像に相当する。処理されたピクチャPi'の明るさがPiの明るさよりもバランスが良いことを条件として、他の値をdesired_avg_lumに使用することができる。したがって、HDRピクチャの対応する平均輝度値は、avg_lumから、desired_avg_lumに近い値proc_avg_lumに修正される。
ステップ14において、処理されたピクチャPi'は、第1および第2のLDRピクチャに分解され、第1のLDRピクチャはHDRピクチャと同じ解像度を有し、HDRピクチャよりも低い解像度である第2のLDRピクチャはHDRピクチャのグローバルイルミネーションを代表している。第1のLDRピクチャは、シーンの構造、詳細などを表す。そのために、一例として、二重変調分解法が使用される。Ohからの論文 "High dynamic range picture encoding for BrightSide display "に開示されている方法は、そのようなデュアル変調法の一例である。デュアル変調分解法の利点は、単一のエンコーダ(それぞれデコーダ)を用いて分配可能な2つの8ビットデータプレーンを提供することである。本発明は、特定のデュアル変調分解方法によって限定されるものではなく、すなわち、任意のデュアル変調分解技術またはグローバルイルミネーションマップ技術を使用することができる。より一般的には、HDRピクチャからそのような第1及び第2のLDRピクチャを提供する任意の方法を使用することができる。)
「In a step 146, a blur function is applied (for instance a gaussian filter or interpolation filter) to have a coarse and low frequency representation of the luminance.
In a step 148, the blurred picture is downsampled to the LED grid. The step 146 makes the downsampling to the LED grid more robust to peaks (noise).
In a step 150, a scaling is performed on the LED values in order to take into account a further convolution with a LED Point Spread Function that increases each luminance pixel value due to the additive process of the convolution. The output of this step is a picture scale_LED.
In a step 152, the scale_LED picture is scaled between [0..255] in order to produce the LED panel values. The LED panel values and the min and max LED values before the [0..255] scaling are encoded as metadata (e.g. in SEI messages or user data) in the stream F. The LED panel values represent the data of the second LDR picture mentioned in step 16.
With reference to figure 5, in a step 154, the scale_LED picture is used to reconstruct the full resolution backlight picture by first copying each LED value on a full-size picture grid.
In a step 156, each copied value is convoluted with the LED Point Spread Function. The resulting picture is denoted rec_lum. Any PSF (English acronym of Point Spread Function) can be used for instance the PSF of the Sim2 HDR47 display or a PSF designed with a Gaussian kernel.
In a step 158, the rec_lum luminance picture is used to divide the scale_RGB picture to produce the scale_LCD picture.
In a step 160, the scale_LCD picture is finally scaled between [0..255] in order to produce the LCD panel values that are encoded in step 16. The min and max LCD values before the [0..255] scaling are encoded as metadata (e.g. in SEI messages or user data) in the stream F.
The LCD panel values represent the data of the first LDR picture mentioned in step 16.
The encoding method according to the invention is not display dependent, i.e. any LED panel resolution, any LED Point Spread Function and any LCD panel resolution can be used.
Figures 6 and 7 depict the flowchart of the encoding method according to a second non-limitative embodiment. On the figures the functional modules identical to the one of previous figures are identified on these figures with the same numerical references. According to this embodiment, the values avg_lum and possibly min and max values used for the normalization of the pixel log2 values are temporally filtered over the video. The filtered values are then used during the processing step instead of the non-filtered values. By doing so, the avg_lum and possibly min and max values variations are smoothed over the sequence. Consequently, the pictures of the sequence have more brightness coherence which also improves coding efficiency. According to a variant, the gamma factors γare filtered over the video instead of the values avg_lum. The filtered gamma factors are then used during the processing step instead of the non-filtered gamma factors.」(第12頁第9行-第13頁第21行)
(訳:ステップ146では、輝度の粗い低周波表現を持つように、ぼかし関数が適用される(例えば、ガウシアンフィルタまたは補間フィルタ)。
ステップ148では、ぼかした画像をLEDグリッドにダウンサンプリングする。ステップ146は、LEDグリッドへのダウンサンプリングを、ピーク(ノイズ)に対してよりロバストにする。
ステップ150では、コンボリューションの加算プロセスにより各輝度ピクセル値を増加させるLED Point Spread Functionを用いた更なるコンボリューションを考慮するために、LED値に対してスケーリングが実行される。このステップの出力は、画像scale_LEDである。
ステップ152において、LEDパネル値を生成するために、scale_LEDピクチャは[0..255]の間でスケーリングされる。LEDパネル値、及び[0..255]スケーリング前の最小及び最大LED値は、ストリームFにおいてメタデータとして(例えばSEIメッセージ又はユーザデータにおいて)符号化され、LEDパネル値は、ステップ16で言及した第2のLDRピクチャのデータを表している。
図5を参照すると、ステップ154において、scale_LEDピクチャは、最初にフルサイズピクチャグリッド上に各LED値をコピーすることによって、フル解像度バックライトピクチャを再構成するために使用される。
ステップ156において、コピーされた各値は、LED点拡がり関数で畳み込まれる。得られたピクチャはrec_lumと表記される。任意のPSF(Point Spread Functionの英語の頭文字)が、例えばSim2 HDR47ディスプレイのPSFまたはガウスカーネルで設計されたPSFのように使用され得る。
ステップ158において、rec_lum輝度ピクチャは、scale_RGBピクチャを分割してscale_LCDピクチャを生成するために使用される。
ステップ160では、ステップ16で符号化されるLCDパネル値を生成するために、scale_LCDピクチャは最終的に[0..255]の間でスケーリングされる。このとき[0..255]スケーリング前の最小および最大LCD値は、ストリームFのメタデータ(例えば、SEIメッセージまたはユーザデータ)としてエンコードされる。
LCDパネル値は、ステップ16で述べた第1のLDRピクチャのデータを表す。
本発明による符号化方法は、ディスプレイに依存しない、すなわち、任意のLEDパネル解像度、任意のLEDポイント拡散関数および任意のLCDパネル解像度を使用することができる。
図6及び図7は、第2の非限定的実施形態による符号化方法のフローチャートを示す。図上で、前の図のものと同一の機能モジュールは、これらの図上で同一の数値参照で識別される。この実施形態によれば、画素log2値の正規化に用いられる値avg_lum及び場合によってはmin及びmax値は、ビデオにわたって時間的にフィルタリングされる。そして、フィルタリングされた値は、フィルタリングされていない値の代わりに、処理ステップの間に使用される。そうすることで、avg_lumと場合によってはminとmaxの値の変動がシーケンス上で平滑化される。その結果、シーケンスのピクチャはより多くの輝度コヒーレンスを有し、これはまた符号化効率を向上させる。変形例によれば、ガンマ係数γは、値avg_lumの代わりにビデオ上でフィルタリングされる。そして、フィルタリングされたガンマ係数は、フィルタリングされていないガンマ係数の代わりに、処理ステップの間に使用される。)
(ウ)引用文献3の記載事項
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された特開2005-204195号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。なお、下線は当審により付したものである。
「【0059】
図5は、モノクロ画像である広DR画像に対応したDSP116の第1の構成例を示している。以下、DSP116に入力されるモノクロの広DR画像を、広DR輝度画像Lと記述する。また、広DR輝度画像の画素値(すなわち、輝度値)を、L(p)と記述する。ここで、pは、p=(x,y)のように、画像における画素位置を示すベクトルまたは座標である。したがって、L(p)は、画素位置と輝度値の両方の情報を含むものとして、広DR輝度画像を表すLとは区別して用いることとする。後述するその他の画像とその画素値についても同様である。
【0060】
DSP116には、広DR輝度画像Lの輝度L(p)がラスタスキャン順に入力されるものとする。
【0061】
DSP116の第1の構成例において、対数変換部141は、入力される輝度L(p)を対数変換し、得られる対数輝度logL(p)をトーンカーブ補正部142に出力する。トーンカーブ補正部142は、入力される対数輝度logL(p)に対し、予め用意されているトーンカーブを適用して階調を圧縮する方向に変換し、得られる対数輝度logLc(p)を縮小画像生成部143およびコントラスト補正部145に出力する。また、トーンカーブ補正部142は、適用したトーンカーブの傾きを示す代表値γをコントラスト補正部145に出力する。以下、適用したトーンカーブの傾きを示す代表値γを、単に代表値γとも記述する。」
「【0071】
図6は、トーンカーブ補正部142の第1の構成例を示している。上述の第1の構成例において、LUTメモリ171には、図7に示すような単調増加のトーンカーブに相当するルックアップテーブル(以下、LUTと記述する)とトーンカーブの傾きを示す代表値γが予め保持されている。なお、LUTの代わりに、トーンカーブに相当する関数を保持するようにしてもよい。テーブル参照部172は、LUTメモリ171に保持されているLUTに基づいて対数輝度logL(p)を対数輝度logLc(p)に補正する。
【0072】
図7は、トーンカーブの一例を示しており、横軸が入力輝度L(p)を、縦軸がトーンカーブ補正後の輝度Lc(p)を、それぞれ[0,1]に正規化して対数軸で表示している。この例のように、単調増加であって、緩やかな逆S字形のトーンカーブを適用すると、高輝度領域と低輝度領域では、階調圧縮があまり強く作用しないので、階調圧縮後でも白ツブレや黒ツブレが少ない良好な色調が得られる。逆に中間輝度域は階調圧縮が強く作用するが、その分だけ、中間輝度域に対しては、後述するコントラスト補正が十分に適用されるので、中間輝度域でもコントラスト劣化のない良好な狭DR画像が得られる。
【0073】
なお、トーンカーブの傾きを示す代表値γは、例えば、輝度全域の傾きをそれぞれ求めて、それらの平均値を代表値γとすればよい。図7に示されたトーンカーブの場合、代表値γ=0.67である。
【0074】
図8は、トーンカーブ補正部142の第2の構成例を示している。第2の構成例は、第1の構成例のように予め用意されているLUTを用いるのではなく、フレーム毎に代表値γを算出して、対数輝度logL(p)を、対数輝度logLc(p)に補正するものである。第2の構成例において、平均輝度算出部191は、1フレーム分の対数輝度logL(p)の平均輝度値μを算出し、平均輝度平滑化部192に出力する。
【0075】
平均輝度平滑化部192は、平均輝度算出部191より供給された平均輝度値μを、前後のフレームの平均輝度値μ、または、前後のフレームの平滑化された平均輝度値μを用いて平滑化し、除算器193に供給する。除算器193は、所定の定数logLTを平均輝度値μで除算し、代表値γを算出する。γメモリ194は、除算器193から入力された代表値γを保持する。乗算器195は、現フレームの対数輝度logL(p)に、γメモリ194に保持されている1フレーム前の代表値γを乗算して、トーンカーブ補正後の対数輝度logLc(p)を算出する。
【0076】
ここで、所定の定数logLTを、中央レベルの対数輝度と定めておけば、1フレーム分の対数輝度logL(p)の平均値が、logLTと等しい値のトーンカーブ補正後の対数輝度logLc(p)に変換されることになる。
【0077】
代表値γはフレーム毎に算出されるが、現実的には各フレームの対数輝度logL(p)の平均輝度値μに基づいて決定されるので、前後のフレームではあまり変化がないことが期待できる。したがって、この代表値γも、上述した縮小画像logLclおよび輝度域情報[Yd,Yb]と同様に、1フレーム前のものを、現フレームに対するトーンカーブ補正に用いるようにしている。以下、代表値γも、中間情報に含めることにする。」
(エ)引用文献4の記載事項
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された「Chiris Kiser et al.,"REAL TIME AUTOMATED TONE MAPPING SYSTEM FOR HDR VIDEO",2012 19th IEEE Internatinal Conference on Image Processing,米国,IEEE,2012年9月30日,pp.2749-2752,URL,http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/version?doi=10.1.1.400.979」(以下、「引用文献4」という。)には、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。
「3.2. Tone Mapping
Our tone reproduction operator of choice is the photographic operator, as its parameters can be automated. However, the parameter estimation requires the minimum and maximum luminance of the image Lmin and Lmax, which are by definition outliers. With Lav the geometric mean of the image, the key of the scene a is estimated as:
a = 0.18*22(B-A)/(A+B)(1a)
A = Lmax - Lav (1b)
B = Lav - Lmin (1c)
Photographic tone reproduction then maps the geometric mean of the image to the estimated key value, L(x, y) = a L(x, y)/Lav before applying a non-linear compression:
Ld(x, y) = L(x, y)(1 + L(x,y)/Lwhite2)/1 + L(x, y) (2)
where Lwhite is a user parameter specifying the smallest input value that should be mapped to white.
3.3. HDR Video Flicker Removal
If applied to video, using outliers leads to significant changes in parameter settings from frame to frame, and is therefore the source of flicker in tonemapped video. An example filmstrip of a tone mapped video sequence is shown in figure Fig 3. Fig 3a shows frames 7 - 17 using the unmodified TMO. Frames 8,11,13, and 15 have a noticeable increase of average pixel value which causes visible flicker in the video sequence. The red curve in Fig 4a the upper limit A computed by the TMO for the same frames of 7 - 17. Spiked values correspond to the frames that appear lighter, namely frames 8, 11,13, and 15.
Our tone mapping system seeks to reduce flicker in tone mapped HDR video by using a leaky integrator applied to the parameters of Eq. 1a through Eq. 1c. We use a normalized version of the leaky integrator as a filter to reduce the rapid frame to frame changes in the parameters of the TMO thus giving the TMO algorithm temporal memory. If we applied a leaky integrator to a only, then to eliminate the flicker, αa would need to be set such that the TMO could not quickly adapt to scene changes. The update equations to compute the filtered An, Bn, and an for the nth frames are given in Eq. 3a through Eq. 3c
An = (1 - αA)A(n-1) + (αA)A (3a)
Bn = (1 - αB)B(n-1) + (αB)B (3b)
an = (1 - αa)a(n-1) + (αa)a (3c)
The parameters αA, αB, and αa are time constants ∈ [0, 1] and all are set to 0.98 for our example. They also serve as normalizing factors since the coefficients sum to the value one, i.e. (1 - αA) + (αA) = 1. Eq. 1a through Eq. 1c only need to store a single value for each parameter. Application of the leaky integrator to internal TMO parameters results in reduced flicker shown in the frames of Fig 3b.The blue curve in Fig 4a shows the filtered value An for frames 7 - 17 plotted along with the red curve of the unfiltered A value. Fig 4b shows the entire sequence of 250 values of A in red and An in blue for our HDR movie sequence.」(第3頁左欄第4行-右欄第15行)
(訳:3.2. トーンマッピング
我々が選択した階調再現オペレータは、そのパラメータが自動化できることから、写真オペレータを使用している。しかしながら、パラメータの推定には、定義上、外れ値である最小輝度Lmin と最大輝度 Lmaxが必要である。画像の幾何平均Lavを加えて、シーンのキーaが次のように推定される。
a = 0.18*22(B-A)/(A+B)(1a)
A = Lmax - Lav (1b)
B = Lav - Lmin (1c)
そして写真階調再現では、画像の幾何平均を推定キー値にマッピングし、L(x, y) = a L(x, y)/Lav、その後、非線形圧縮を適用する。
Ld(x, y) = L(x, y)(1 + L(x,y)/Lwhite2)/1 + L(x, y) (2)
ここで、Lwhiteは、白にマッピングすべき最小の入力値を指定するユーザーパラメータである。
3.3. HDR映像のフリッカー除去
ビデオに適用した場合、外れ値を使用するとフレームごとにパラメータ設定が大きく変化することになり、そのことがトーンマッピングされたビデオのフリッカーの原因となる。トーンマッピングされたビデオシーケンスの映写スライドの例を図3に示す。図3aは、未修正のTMOを使用したフレーム7から17を示す。フレーム8,11,13,及び15は、画素の平均値の著しい上昇があり、ビデオシーケンスの目に見えるフリッカーの原因となる。図4aの赤い曲線、映像の上限値Aは、同じフレーム7から17についてTMOで計算されたものである。突出した値は、より明るく見えるフレーム、すなわちフレーム8、11、13、15に対応する。
我々のトーンマッピングシステムは、式1a~式1cのパラメータに適用されるリーキー積分器を用いて、トーンマッピングされたHDRビデオのフリッカーを低減することを目的とする。
一時記憶のTMOアルゴリズムにより得られるTMOのパラメータのフレーム間の急激な変化を低減するためのフィルタとして、正規化したバージョンのリーキー積分器を使用する。仮にリーキー積分器をaのみに適用してフリッカーを低減した場合、αaをTMOがシーンチェンジに素早く対応できないように設定する必要があるだろう。フィルタリングされたnフレーム目のAn, Bn, an を計算するための更新された式は、式3aから式 3cで与えられる。
An = (1 - αA)A(n-1) + (αA)A (3a)
Bn = (1 - αB)B(n-1) + (αB)B (3b)
an = (1 - αa)a(n-1) + (αa)a (3c)
パラメータαA, αB, and αa は、[0, 1]の時定数であり、この例ではすべて0.98に設定されている。また、これらは正規化係数の和が1、つまり (1 - αA) + (αA) = 1. になるので、式1aから式1cは、各パラメータに対して1つの値を格納すればよい。内部のTMOパラメータへリーキー積分器を適用した結果、図3bのフレームに示されるようにフリッカーが低減された。図4aの青い曲線は、フレーム7からフレーム17のフィルタリングされた値Anを示し、フィルタリングなしの値Aの赤い曲線と一緒にプロットされている。図4bは、我々のHDRムービーシーケンスに対する250個の値Aを赤、Anを青でシーケンス全体を示している。)
ウ 本件補正発明と引用発明との対比
(ア)本件補正発明のAについて
引用発明は、a、bによれば、「ビデオフレームデータのストリームを圧縮する改良された方法であって、高精細なハイダイナミックレンジのビデオフレームからなるビデオフレームデータのストリーム1が提供され、ビデオストリーム1の1つのHDRフレーム2は、HDRフレーム2からベースフレーム4を抽出するために使用されるフィルタ3に入力され」るから、換言すれば、ハイダイナミックレンジのビデオフレームからなるビデオフレームデータのストリーム1の1つのHDRフレーム2を使用するベースフレーム4を生成することを含む方法といえる。
引用発明の「ハイダイナミックレンジのビデオフレームからなるビデオフレームデータのストリーム1の1つのHDRフレーム2」、「ベースフレーム4」は、それぞれ、本願補正発明の「一つのハイダイナミックレンジ(HDR)ビデオの一つのフレーム」、「第1のベースレイヤー」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明は、「A 一つのハイダイナミックレンジ(HDR)ビデオの一つのフレームを使用する第1のベースレイヤーを生成すること;」を含む方法である点で一致する。
(イ)本件補正発明のBについて
引用発明のeによれば、「トーンマッピング関数TMO*は、ローダイナミックレンジベースフレーム8を得るように、ベースフレーム4に適用され」る。換言すれば、引用発明は、ベースフレーム4(本願補正発明の「該第1のベースレイヤー」に相当する。)から、トーンマッピング関数TMO*を適用して、ローダイナミックレンジベースフレーム8を生成すること含む方法といえる。
また、「トーンマッピング関数TMO*」は、g、hの「時間的特性段階11は、ベースフレーム4に対して最初に決定された初期トーンマッピング関数を受信すると、前のトーンマッピング関数と比較したトーンマッピング関数の変化が大きいか否かを決定し、トーンマッピング関数6の変化が緩やかであれば、実際のトーンマッピング関数TMO*は、ベースフレーム4について決定された初期トーンマッピング関数に対応し、所定のベースフレーム4に対して決定されたトーンマッピング関数の変化が大きすぎる場合には、初期トーンマッピング関数は、以前のトーンマッピング関数により近いトーンマッピング関数に修正され、従って、シーン内におけるトーンマッピング関数の変化は小さい」との事項によれば、時間変化が小さいものである。その時間変化が小さいトーンマッピング関数TMO*を適用して生成したローダイナミックレンジベースフレーム8も時間変化が小さいものとなるから、引用発明の「ローダイナミックレンジベースフレーム8」は、本願補正発明の「一つの時間コヒーレントベースレイヤー」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明は、「B’ 該第1のベースレイヤーから、一つの時間コヒーレントベースレイヤーを生成すること」を含む方法である点で共通する。
しかしながら、引用発明では、上記共通する「該第1のベースレイヤーから、一つの時間コヒーレントベースレイヤーを生成する」ための方法、すなわち、ベースフレーム4から、ローダイナミックレンジベースフレーム8を生成する方法が、d~hで特定されるもの(以下、「ルックアップテーブル7による時間変化が小さいトーンマッピング関数TMO*を使用する方法」という。)であって、本願補正発明のような「該第1のベースレイヤーから一つのトーンカーブパラメータを導出すること;ここで該トーンカーブパラメータは、第1のベースレイヤーのピクセルから導出された一つの統計的照度値であり、第2のベースレイヤーから導出された該トーンカーブパラメータの一つの以前に測定された値を使用して該トーンカーブパラメータを時間フィルタリングし、ここで第2のベースレイヤーはHDRビデオの一つの以前のフレームから導出されること;および該時間フィルタリングされたトーンカーブパラメータから導出された一つのトーンカーブを使用する一つの時間コヒーレントベースレイヤーを生成する」方法ではない点で両者は相違する。
(ウ)一致点、相違点
以上によれば、本件補正発明と引用発明との間には、次の一致点及び相違点があるといえる。
[一致点]
A 一つのハイダイナミックレンジ(HDR)ビデオの一つのフレームを使用する第1のベースレイヤーを生成すること;
B’ 該第1のベースレイヤーから、一つの時間コヒーレントベースレイヤーを生成すること
A を含む方法。
[相違点]
上記共通点である「B’該第1のベースレイヤーから、一つの時間コヒーレントベースレイヤーを生成する」ための方法が、
本願補正発明では、「B 該第1のベースレイヤーから一つのトーンカーブパラメータを導出すること;ここで該トーンカーブパラメータは、第1のベースレイヤーのピクセルから導出された一つの統計的照度値であり、第2のベースレイヤーから導出された該トーンカーブパラメータの一つの以前に測定された値を使用して該トーンカーブパラメータを時間フィルタリングし、ここで第2のベースレイヤーはHDRビデオの一つの以前のフレームから導出されること;および該時間フィルタリングされたトーンカーブパラメータから導出された一つのトーンカーブを使用する一つの時間コヒーレントベースレイヤーを生成する」方法であるのに対し、
引用発明では、「ルックアップテーブル7による時間変化が小さいトーンマッピング関数TMO*を使用する方法」である点。
エ 判断
上記「ウ(イ)本件補正発明のBについて」で述べたように、引用発明は、ベースフレーム4から、ローダイナミックレンジベースフレーム8を生成する方法が、「ルックアップテーブル7による時間変化が小さいトーンマッピング関数TMO*を使用する方法」であり、また、引用文献1の段落[0022]によれば、「シーン内のトーンマッピング関数を徐々にしか変化させないことが非常に好ましい」、「トーンマッピング関数を徐々にしか変化させないことで、フレーム間の差が小さくなるため、受信画像がより自然なものになるように感じられる」ものであるから、引用発明は、トーンマッピング関数を徐々に変化させるようにすることで画像がより自然なものになるように感じられるようにするために、ベースフレーム4から、ローダイナミックレンジベースフレーム8を生成する方法として、上記「ルックアップテーブル7による時間変化が小さいトーンマッピング関数TMO*を使用する方法」を採用したことを技術的特徴とするものである。
一方、画像処理の技術分野において、フレームのトーンマッピング関数(本願補正発明でいう「トーンカーブ」)を徐々に変化させるように補正する技術として、「フレーム毎に平均輝度値を算出し、算出した平均輝度値を複数のフレームで平滑化し、平滑化した平均輝度値を用いて現在のフレームのトーンカーブを補正する」方法は、当業者に周知の技術であって、例えば、引用文献2ないし4が参照され、特に、引用文献3には、【0074】、【0075】、【0077】の上記下線部によれば、トーンカーブ補正部142の第2の構成例として次の技術が記載されている。
「フレーム毎に代表値γを算出して、対数輝度logL(p)を、対数輝度logLc(p)に補正するものであり、平均輝度算出部191は、1フレーム分の対数輝度logL(p)の平均輝度値μを算出し、平均輝度平滑化部192に出力し、平均輝度平滑化部192は、平均輝度算出部191より供給された平均輝度値μを、前後のフレームの平均輝度値μ、または、前後のフレームの平滑化された平均輝度値μを用いて平滑化し、除算器193に供給し、除算器193は、所定の定数logLTを平均輝度値μで除算し、代表値γを算出し、γメモリ194は、除算器193から入力された代表値γを保持し、乗算器195は、現フレームの対数輝度logL(p)に、γメモリ194に保持されている1フレーム前の代表値γを乗算して、トーンカーブ補正後の対数輝度logLc(p)を算出するトーンカーブ補正の技術。」
上記引用文献3の技術における、「1フレーム分の対数輝度logL(p)の平均輝度値μを算出」、「平均輝度算出部191より供給された平均輝度値μを、前後のフレームの平均輝度値μ、または、前後のフレームの平滑化された平均輝度値μを用いて平滑化」、「現フレームの対数輝度logL(p)に、γメモリ194に保持されている1フレーム前の代表値γを乗算して、トーンカーブ補正後の対数輝度logLc(p)を算出」は、それぞれ、上記周知技術の「フレーム毎に平均輝度値を算出」、「算出した平均輝度値を複数のフレームで平滑化」、「平滑化した平均輝度値を用いて現在のフレームのトーンカーブを補正」に相当する。
引用発明において、トーンマッピング関数を徐々に変化させるようにするための技術として、他の技術を採用することを妨げるような事情は見当たらないから、引用発明における、トーンマッピング関数を徐々に変化させるようにするための技術は、上記周知技術に置き換え可能なものであり、同様の結果を達成する他の技術を採用することとして当業者が上記周知技術への置き換えをする動機はあるというべきである。
したがって、引用発明において、ベースフレーム4のトーンマッピング関数を徐々に変化させるようにするために、ベースフレーム4から、ローダイナミックレンジベースフレーム8を生成する方法を、「ルックアップテーブル7による時間変化が小さいトーンマッピング関数TMO*を使用する方法」から上記周知技術に置き換えて、ベースフレーム4(本願補正発明でいう「ベースレイヤー」)のフレーム毎に代表値γを算出して、対数輝度logL(p)を、対数輝度logLc(p)に補正する技術によりトーンカーブの補正をする方法を採用することは、当業者が容易に想到し得ることであり、このことは、引用発明において、上記相違点に係る本願補正発明の発明特定事項を採用することは当業者が容易に想到し得ることを意味している。
よって、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明および周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(なお、動機付けに関してさらに付言すれば、上記引用文献3の【0074】には、「図8は、トーンカーブ補正部142の第2の構成例を示している。第2の構成例は、第1の構成例のように予め用意されているLUTを用いるのではなく、フレーム毎に代表値γを算出して、対数輝度logL(p)を、対数輝度logLc(p)に補正するものである。」と記載されており、トーンカーブの補正に、予め用意されているLUTを用いる構成(引用発明の構成)を、フレーム毎に代表値γを算出して補正する構成(本願補正発明の構成)に置き換える動機付けとなる記載もある。)
オ 独立特許要件のまとめ
以上のとおりであるから、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 補正却下の決定の理由のまとめ
本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和3年3月15日にされた手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1-20に係る発明は、令和2年10月29日に補正された特許請求の範囲の請求項1-20に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。
[本願発明]
一つのハイダイナミックレンジ(HDR)ビデオの一つのフレームを使用する第1のベースレイヤーを生成すること;
該第1のベースレイヤーから一つのトーンカーブパラメータを導出すること;ここで該トーンカーブパラメータは、第1のベースレイヤーのピクセルから導出された統計値であり、
第2のベースレイヤーから導出された該トーンカーブパラメータの一つの以前に測定された値を使用して該トーンカーブパラメータを時間フィルタリングし、ここで第2のベースレイヤーはHDRビデオの一つの以前のフレームから導出されること;および
該時間フィルタリングされたトーンカーブパラメータから導出された一つのトーンカーブを使用する一つの時間コヒーレントベースレイヤーを生成すること
を含む方法。
2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、この出願の請求項1-20に係る発明は、本願の出願日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
記
引用文献1.欧州特許出願公開第2144444号明細書
引用文献2.国際公開第2014/198574号(周知技術を示す文献)
引用文献3.特開2005-204195号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4.Chiris Kiser et al.,"REAL TIME AUTOMATED TONE MAPPING SYSTEM FOR HDR VIDEO",2012 19th IEEE Internatinal Conference on Image Processing,米国,IEEE,2012年9月30日,pp.2749-2752,
URL,http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/version?doi=10.1.1.400.979(周知技術を示す文献)
3 引用文献
引用文献1ないし4には、上記「第2 2(2)イ(ア)~(エ)」に記載した事項が記載されている。
4 対比・判断
上記「第2 2(2)独立特許要件」で検討した本件補正発明は、本願発明の「統計値」に限定事項を付加して「一つの統計的照度値」とした本願発明の一態様といえるもの、すなわち、本願発明でもあるといえる。
したがって、上記「第2 2(2)独立特許要件」の「ウ 本件補正発明と引用発明との対比」および「エ 判断」と同様の対比、判断により、本願発明は、引用文献1に記載された発明および周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-003407