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特許異議申立

2019-700505

後加工糸を用いた機能性布帛の製造方法

審判番号
2019-700505
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2014-215076
登録番号
特許第6443972号(P6443972)
請求日
2019年06月25日
審決日
2020年04月30日
公報発行日
2020年07月31日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社川島織物セルコン
  • 【権利者代理人】千葉 茂雄
  • 【権利者代理人】堀家 和博
  • 【異議申立人】岡林 茂
  • 【異議申立人代理人】特許業務法人太陽国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 久保 克彦
  • 審判官 佐々木 正章
  • 審判官 中村 一雄
分類
P1652.113-YAA(D03D) / P1652.121-YAA(D03D) / P1652.537-YAA(D03D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6443972号発明「後加工糸を用いた機能性布帛の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6443972号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕、8について訂正することを認める。 特許第6443972号の請求項1、3、8に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第6443972号の請求項1~8に係る特許についての出願は、平成26年10月22日に特許出願したものであって、平成30年12月7日にその特許権の設定登録がされ、平成30年12月26日に特許掲載公報が発行された。その特許についての本件特許異議の申立て以降の経緯は、次のとおりである。 令和元年6月25日:特許異議申立人岡林茂(以下「申立人」という。)による請求項1、3、8係る特許に対する特許異議の申立て 令和元年8月30日付け:取消理由通知書 令和元年10月29日:特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和元年12月23日:申立人による意見書の提出 令和2年1月20日付け:取消理由通知書(決定の予告) 令和2年2月19日:特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和2年3月30日:申立人による意見書の提出 なお、上記令和元年10月29日提出の訂正請求書による訂正の請求は、令和2年2月19日に訂正請求書が提出されたことにより、特許法第120条の5第7項の規定に従い、取り下げられたものとみなす。 第2 訂正の請求についての判断 1 訂正の内容 令和2年2月19日提出の訂正請求書による訂正の請求は、「特許第6443972号の明細書、特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~8について訂正することを求める。」ものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。(下線は訂正箇所を明示するために当審で付与した。) (訂正事項1) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に 「後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を織編込んだ布帛であって、 前記後加工糸のうち、オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、前記機能剤とオイリング剤とが、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与され、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、粒径が0.1μm以上6.0μm以下の機能剤が、略均一に付与され、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を織編込んでいることを特徴とする布帛。」とあるのを、 「後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)を織編込んだ布帛の製造方法であって、 前記機能材は、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のうち少なくとも1つの機能性以外は有さず、 前記後加工のうち、オイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与し、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、平均粒径が0.2μm以上4.0μm以下の前記機能剤が略均一に付与され、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする布帛の製造方法。」に訂正する。(請求項1を引用する請求項2、4~7についても同様に訂正する。) (訂正事項2) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項2に 「後加工による機能剤の付与はされていない繊維糸条で且つ酸化チタンの含有量が0.2質量%以下である光沢糸も織編込んでいることを特徴とする請求項1に記載の布帛。」とあるのを、 「後加工による機能剤の付与はされていない繊維糸条で且つ後加工による付与はされていない酸化チタンの含有量が0.2質量%以下である光沢糸も、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする請求項1に記載の布帛の製造方法。」に訂正する。(請求項2を引用する請求項4~7についても同様に訂正する。) (訂正事項3) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項3に 「前記機能剤の少なくとも1つが、消臭性を有した剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の布帛。」とあるのを、 「後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)を織編込んだ布帛の製造方法であって、 前記機能材は、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性以外は有さない剤又は消臭性と共に難燃性、抗菌性の少なくとも1つの機能性以外は有さない剤であり、 前記後加工のうち、オイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与し、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、平均粒径が0.2μm以上4.0μm以下の前記機能剤が略均一に付与され、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする布帛の製造方法。」に訂正する。(請求項3を引用する請求項4~7についても同様に訂正する。) (訂正事項4) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項4に 「機能剤が付与された繊維糸条である機能糸を少なくとも2種織編込んでいる」とあるのを、 「機能剤が付与された繊維糸条である機能糸を、当該布帛に少なくとも2種織編込んでいる」に訂正し、 「布帛。」とあるのを、 「布帛の製造方法。」に訂正する。(請求項4を引用する請求項5~7についても同様に訂正する。) (訂正事項5) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項5に 「機能剤が付与されていない非機能糸も織編込んでいることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の布帛。」とあるのを、 「機能剤が付与されていない非機能糸も、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の布帛の製造方法。」に訂正する。(請求項5を引用する請求項6及び7についても同様に訂正する。) (訂正事項6) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項6に 「前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、緯糸及び/又は挿入糸として織編込んでいることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の布帛。」とあるのを、 「前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、緯糸及び/又は挿入糸として、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の布帛の製造方法。」に訂正する。(請求項6を引用する請求項7についても同様に訂正する。) (訂正事項7) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項7に 「前記後加工糸のうち、前記オイリング加工以外の後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸も織編込んでいることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の布帛。」とあるのを、 「前記後加工糸のうち、前記オイリング加工以外の後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸も、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の布帛の製造方法。」に訂正する。 (訂正事項8) 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項8に 「後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を織編込んだ布帛の製造方法であって、 前記後加工のうち、染色加工後で同じ浴による一浴二段加工であるオイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に付与し、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、粒径が0.1μm以上6.0μm以下の機能剤が付与され、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする布帛の製造方法。」とあるのを、 「後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)を織編込んだ布帛の製造方法であって、 前記機能材は、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のうち少なくとも1つの機能性以外は有さず、 前記後加工のうち、染色加工後で同じ浴による一浴二段加工であるオイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に付与し、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、平均粒径が0.2μm以上4.0μm以下の前記機能剤が付与され、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする布帛の製造方法。」に訂正する。 (訂正事項9) 本件訂正前の明細書の【発明の名称】に 「後加工糸を用いた機能性布帛、及び、布帛の製造方法」とあるのを、 「後加工糸を用いた機能性布帛の製造方法」に訂正する。 (訂正事項10) 本件訂正前の明細書の【0005】に 「布帛や、布帛の製造方法を提供することを目的とする。」とあるのを、 「布帛の製造方法を提供することを目的とする。」に訂正する。 (訂正事項11) 本件訂正前の明細書の【0006】に 「本発明に係る布帛1は、後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を織編込んだ布帛であって、前記後加工のうち、染色加工後で同じ浴による一浴二段加工であるオイリング加工により機能剤が付与された後加工糸は、前記機能剤とオイリング剤とが、繊維糸条の内部及び/又は表面に付与され、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、粒径が0.1μm以上6.0μm以下の機能剤が、略均一に付与され、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を織編込んでいることを第1の特徴とする。」とあるのを、 「本発明に係る布帛1の製造方法は、後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)を織編込んだ布帛の製造方法であって、前記機能材は、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のうち少なくとも1つの機能性以外は有さず、前記後加工のうち、オイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与し、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、平均粒径が0.2μm以上4.0μm以下の前記機能剤が略均一に付与され、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、当該布帛に織編込んでいることを第1の特徴とする。」に訂正する (訂正事項12) 本件訂正前の明細書の【0007】に 「本発明に係る布帛1の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、後加工による機能剤の付与はされていない繊維糸条で且つ酸化チタンの含有量が0.2質量%以下である光沢糸も織編込んでいる点にある。」とあるのを、 「本発明に係る布帛1の製造方法の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、後加工による機能剤の付与はされていない繊維糸条で且つ後加工による付与はされていない酸化チタンの含有量が0.2質量%以下である光沢糸も、当該布帛に織編込んでいる点にある。」に訂正する。 (訂正事項13の) 本件訂正前の明細書の【0008】に 「本発明に係る布帛1の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記機能剤の少なくとも1つが、消臭性を有した剤である点にある。」とあるのを、 「本発明に係る布帛1の製造方法の第3の特徴は、後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)を織編込んだ布帛の製造方法であって、前記機能材は、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性以外は有さない剤又は消臭性と共に難燃性、抗菌性の少なくとも1つの機能性以外は有さない剤であり、前記後加工のうち、オイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与し、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、平均粒径が0.2μm以上4.0μm以下の前記機能剤が略均一に付与され、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、当該布帛に織編込んでいる点にある。」に訂正する。 (訂正事項14) 本件訂正前の明細書の【0009】に 「本発明に係る布帛1の第4の特徴は、上記第1~3の特徴に加えて、機能剤が付与された繊維糸条である機能糸を少なくとも2種織編込んでいると共に、前記機能糸が、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を少なくとも1つ含んでいる点にある。」とあるのを、 「本発明に係る布帛1の製造方法の第4の特徴は、上記第1~3の特徴に加えて、機能剤が付与された繊維糸条である機能糸を、当該布帛に少なくとも2種織編込んでいると共に、前記機能糸が、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を少なくとも1つ含んでいる点にある。」に訂正する。 (訂正事項15) 本件訂正前の明細書の【0010】に 「本発明に係る布帛1の第5の特徴は、上記第1~4の特徴に加えて、機能剤が付与されていない非機能糸も織編込んでいる点にある。」とあるのを、 「本発明に係る布帛1の製造方法の第5の特徴は、上記第1~4の特徴に加えて、機能剤が付与されていない非機能糸も、当該布帛に織編込んでいる点にある。」に訂正する。 (訂正事項16) 本件訂正前の明細書の【0011】に 「本発明に係る布帛1の第6の特徴は、上記第1~5の特徴に加えて、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、緯糸及び/又は挿入糸として織編込んでいる点にある。」とあるのを、 「本発明に係る布帛1の製造方法の第6の特徴は、上記第1~5の特徴に加えて、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、緯糸及び/又は挿入糸として、当該布帛に織編込んでいる点にある。」に訂正する。 (訂正事項17) 本件訂正前の明細書の【0012】に 「本発明に係る布帛1の第7の特徴は、上記第1~6の特徴に加えて、前記後加工のうち、前記オイリング加工以外の後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸も織編込んでいる点にある。」とあるのを、 「本発明に係る布帛1の製造方法の製造方法の第7の特徴は、上記第1~6の特徴に加えて、前記後加工糸のうち、前記オイリング加工以外の後加工により機能剤が付与された機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸も、当該布帛に織編込んでいる点にある。」に訂正する。 (訂正事項18) 本件訂正前の明細書の【0019】に 「本発明に係る布帛1の製造方法は、後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を織編込んだ布帛の製造方法であって、前記後加工のうち、染色加工後で同じ浴による一浴二段加工であるオイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に付与し、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、粒径が0.1μm以上6.0μm以下の機能剤が付与され、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、当該布帛に織編込んでいることを第1の特徴とする。」とあるのを、 「本発明に係る布帛1の製造方法は、後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)を織編込んだ布帛の製造方法であって、前記機能材は、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のうち少なくとも1つの機能性以外は有さず、前記後加工のうち、染色加工後で同じ浴による一浴二段加工であるオイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に付与し、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、平均粒径が0.2μm以上4.0μm以下の前記機能剤が付与され、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、当該布帛に織編込んでいることを第8の特徴とする。」に訂正する。 ここで、訂正前の請求項1~7は、請求項2~7が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項〔1~7〕について請求されている。 2 訂正の適否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的 上記訂正事項1は、本件訂正前の請求項1が「布帛」という物に係る発明であるところ、製造方法によって物を特定する記載があり不明確であったものを、「布帛の製造方法」とするとともに、「前記後加工糸のうち、オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、前記機能剤とオイリング剤とが、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与され、」を「前記後加工のうち、オイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与し、」に、及び「後加工糸を織編込んでいる」を「後加工糸を、当該布帛に織編込んでいる」に訂正することで請求項1で特定される布帛の製造方法を明確にし、さらに、「後加工糸」について、「(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)」こと、及び機能剤について、「酸化チタン以外であり、且つ、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のうち少なくとも1つの機能性以外は有さ」ないことを限定し、機能材の粒径について「粒径」が「平均粒径」であることを明確にし、その範囲を「0.1μm以上6.0μm以下」から「0.2μm以上4.0μm以下」に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び第3号の明瞭でない記載の釈明に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項1は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項1は、本件特許明細書の【請求項8】及び【0036】~【0042】等に布帛の製造方法が記載されていること、【0032】に「本発明における「機能剤2」は、上述したように、繊維糸条に機能性(消臭性や、難燃性(防炎性)、抗菌性、防汚性、耐熱性、(光触媒効果を有した)光触媒性、蓄熱性、冷感性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、遮熱性、保温性、防カビ性、はっ水性、放湿性、芳香性など)を付与する剤である。」と記載されていること、【0033】に「機能剤2の粒径Lについても、繊維糸条に機能性を付与できるのであれば、何れの値でも構わないが、例えば、・・・、更に好ましくは0.2μm以上4.0μm以下であっても良い。 ここで、本発明における機能剤2の「粒径L」とは、機能剤2が略球形であれば、その直径を平均した値を意味し、略楕円体であれば、その長径又は短径の何れかを平均した値を意味し、長尺体であれば、その長さ又は太さの何れかを平均した値を意味する。」(「・・・」は省略を意味する。以下同じ。)と記載されていること、並びに上記【0032】の機能剤が付与された後加工糸のうち、「(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)」ものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定において準用する第126条第5項に適合するものである。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的 上記訂正事項2は、請求項2が請求項1を引用するものであるところ、上記訂正事項1において、本件訂正前の「布帛」を「布帛の製造方法」に訂正したことに伴い、請求項2も「布帛」を「布帛の製造方法」に訂正するとともに、「光沢糸も織編込んでいる」を「光沢糸も、当該布帛に織編込んでいる」に訂正することで布帛の製造方法を明確にし、さらに、「酸化チタンの含有量が0.2質量%以下である光沢糸」について、上記訂正事項1の「後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸」との関係を明確にするために、「後加工による付与はされていない」ものとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の明瞭でない記載の釈明に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項2は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項2は、本件特許明細書の【請求項8】及び【0036】~【0042】等の布帛の製造方法の記載、及び【0047】の「光沢糸5は、上述したように、光沢を有すると共に、後加工による機能剤の付与はされていない(後加工によっては機能剤が付与されていない)繊維糸条である。」の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的 上記訂正事項3は、請求項3が本件訂正前の請求項1又は2を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1を引用する記載を独立形式の請求項とし、本件訂正前の請求項3が「布帛」という物の発明であるところ、製造方法によって物を特定する記載があり不明確であったものを、「布帛の製造方法」とするとともに、「前記後加工糸のうち、オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、前記機能剤とオイリング剤とが、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与され、」を「前記後加工のうち、オイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与し、」に、及び「後加工糸を織編込んでいる」を「後加工糸を、当該布帛に織編込んでいる」に訂正することで請求項3で特定される布帛の製造方法を明確にし、さらに、「後加工糸」について、「(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)」こと、及び機能剤について、「酸化チタン以外であり、且つ、消臭性以外は有さない剤又は消臭性と共に難燃性、抗菌性の少なくとも1つの機能性以外は有さない剤であ」ることを限定し、機能材の粒径について「粒径」が「平均粒径」であることを明確にし、その範囲を「0.1μm以上6.0μm以下」から「0.2μm以上4.0μm以下」に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮、第3号の明瞭でない記載の釈明及び第4号の他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることに該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項3は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項3は、本件特許明細書の【請求項8】、【0036】~【0042】等の布帛の製造方法の記載及び【0032】、【0033】の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的 上記訂正事項4は、請求項4が請求項1~3を引用するものであるところ、上記訂正事項1~3において、本件訂正前の「布帛」を「布帛の製造方法」に訂正したことに伴い、請求項4も「布帛」を「布帛の製造方法」に訂正するとともに、「繊維糸条である機能糸を少なくとも2種織編込んでいる」を「繊維糸条である機能糸を、当該布帛に少なくとも2種織編込んでいる」に訂正することで布帛の製造方法を明確にするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の明瞭でない記載の釈明に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項4は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項4は、本件特許明細書の【請求項8】及び【0036】~【0042】等の布帛の製造方法の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (5)訂正事項5について ア 訂正の目的 上記訂正事項5は、請求項5が請求項1~4を引用するものであるところ、上記訂正事項1~4において、本件訂正前の「布帛」を「布帛の製造方法」に訂正したことに伴い、請求項5も「布帛」を「布帛の製造方法」に訂正するとともに、「非機能糸も織編込んでいる」を「非機能糸も、当該布帛に織編込んでいる」に訂正することで布帛の製造方法を明確にするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の明瞭でない記載の釈明に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項5は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項5は、本件特許明細書の【請求項8】及び【0036】~【0042】等の布帛の製造方法の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (6)訂正事項6について ア 訂正の目的 上記訂正事項6は、請求項6が請求項1~5を引用するものであるところ、上記訂正事項1~5において、本件訂正前の「布帛」を「布帛の製造方法」に訂正したことに伴い、請求項6も「布帛」を「布帛の製造方法」に訂正するとともに、「緯糸及び/又は挿入糸として織編込んでいる」を「緯糸及び/又は挿入糸として、当該布帛に織編込んでいる」に訂正することで布帛の製造方法を明確にするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の明瞭でない記載の釈明に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項6は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項6は、本件特許明細書の【請求項8】及び【0036】~【0042】等の布帛の製造方法の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (7)訂正事項7について ア 訂正の目的 上記訂正事項7は、請求項7が請求項1~6を引用するものであるところ、上記訂正事項1~6において、本件訂正前の「布帛」を「布帛の製造方法」に訂正したことに伴い、請求項7も「布帛」を「布帛の製造方法」に訂正するとともに、「後加工糸も織編込んでいる」を「後加工糸も、当該布帛に織編込んでいる」に訂正することで布帛の製造方法を明確にするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の明瞭でない記載の釈明に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項7は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項7は、本件特許明細書の【請求項8】及び【0036】~【0042】等の布帛の製造方法の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (8)訂正事項8について ア 訂正の目的 上記訂正事項8は、請求項8の「後加工糸」について、「(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)」ことを限定し、機能剤について、「酸化チタン以外であり、且つ、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のうち少なくとも1つの機能性以外は有さ」ないことを限定し、機能材の粒径について「粒径」が「平均粒径」であることを明確にし、その範囲を「0.1μm以上6.0μm以下」から「0.2μm以上4.0μm以下」に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項8は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項8は、本件特許明細書の【0032】に「本発明における「機能剤2」は、上述したように、繊維糸条に機能性(消臭性や、難燃性(防炎性)、抗菌性、防汚性、耐熱性、(光触媒効果を有した)光触媒性、蓄熱性、冷感性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、遮熱性、保温性、防カビ性、はっ水性、放湿性、芳香性など)を付与する剤である。」と記載されていること、【0033】に「機能剤2の粒径Lについても、繊維糸条に機能性を付与できるのであれば、何れの値でも構わないが、例えば、・・・、更に好ましくは0.2μm以上4.0μm以下であっても良い。 ここで、本発明における機能剤2の「粒径L」とは、機能剤2が略球形であれば、その直径を平均した値を意味し、略楕円体であれば、その長径又は短径の何れかを平均した値を意味し、長尺体であれば、その長さ又は太さの何れかを平均した値を意味する。」と記載されていること、及び上記【0032】の機能剤が付与された後加工糸の内、「(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)」ものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (9)訂正事項9~18について ア 訂正の目的 上記訂正事項9~18は、上記訂正事項1~8において、請求項1~8が訂正されてことに伴い、本件特許明細書の請求項1~8に対応する記載を整合させるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の明瞭でない記載の釈明に該当するものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項9~18は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項9~18は、本件特許明細書の【請求項8】及び【0036】~【0042】等に布帛の製造方法が記載されていること、【0032】に「本発明における「機能剤2」は、上述したように、繊維糸条に機能性(消臭性や、難燃性(防炎性)、抗菌性、防汚性、耐熱性、(光触媒効果を有した)光触媒性、蓄熱性、冷感性、抗ウイルス性、抗アレルゲン性、遮熱性、保温性、防カビ性、はっ水性、放湿性、芳香性など)を付与する剤である。」と記載されていること、【0033】に「機能剤2の粒径Lについても、繊維糸条に機能性を付与できるのであれば、何れの値でも構わないが、例えば、・・・、更に好ましくは0.2μm以上4.0μm以下であっても良い。 ここで、本発明における機能剤2の「粒径L」とは、機能剤2が略球形であれば、その直径を平均した値を意味し、略楕円体であれば、その長径又は短径の何れかを平均した値を意味し、長尺体であれば、その長さ又は太さの何れかを平均した値を意味する。」(「・・・」は省略を意味する。以下同じ。)と記載されていること、並びに上記【0032】の機能剤が付与された後加工糸のうち、「(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)」ものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (10)独立特許要件について 本件特許異議の申立ては、請求項1、3、8を対象とするところ、請求項2、4~7についての訂正事項2、4~7はいずれも特許法第120条の5第2項ただし書第3号を目的とするものであるから、いわゆる独立特許要件は課されない。 (11)小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、並びに同条第9項において準用する同法第126条第4項、第5項及び第6項の規定、並びに同法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1~7〕、8について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 上記のとおり本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1~8に係る発明(以下「本件発明1~8」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】 後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)を織編込んだ布帛の製造方法であって、 前記機能材は、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のうち少なくとも1つの機能性以外は有さず、 前記後加工のうち、オイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与し、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、平均粒径が0.2μm以上4.0μm以下の前記機能剤が略均一に付与され、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする布帛の製造方法。 【請求項2】 後加工による機能剤の付与はされていない繊維糸条で且つ後加工による付与はされていない酸化チタンの含有量が0.2質量%以下である光沢糸も、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする請求項1に記載の布帛の製造方法。 【請求項3】 後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)を織編込んだ布帛の製造方法であって、 前記機能材は、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性以外は有さない剤又は消臭性と共に難燃性、抗菌性の少なくとも1つの機能性以外は有さない剤であり、 前記後加工のうち、オイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与し、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、平均粒径が0.2μm以上4.0μm以下の前記機能剤が略均一に付与され、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする布帛の製造方法。 【請求項4】 機能剤が付与された繊維糸条である機能糸を、当該布帛に少なくとも2種織編込んでいると共に、 前記機能糸が、前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を少なくとも1つ含んでいることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の布帛の製造方法。 【請求項5】 機能剤が付与されていない非機能糸も、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の布帛の製造方法。 【請求項6】 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、緯糸及び/又は挿入糸として、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の布帛の製造方法。 【請求項7】 前記後加工糸のうち、前記オイリング加工以外の後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸も、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の布帛の製造方法。 【請求項8】 後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)を織編込んだ布帛の製造方法であって、 前記機能材は、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のうち少なくとも1つの機能性以外は有さず、 前記後加工のうち、染色加工後で同じ浴による一浴二段加工であるオイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に付与し、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、平均粒径が0.2μm以上4.0μm以下の前記機能剤が付与され、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸を、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする布帛の製造方法。」 第4 当審の判断 1 令和2年1月20日付け取消理由(決定の予告)の概要 本件訂正前の請求項1~8に対して通知した令和2年1月20日付け取消理由(決定の予告)の概要は、以下の通りである。 (明確性要件)本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 請求項1に係る発明の「後加工により酸化チタン以外で且つ牽切工程での牽切紡績性を向上させる機能を有した剤が付与された繊維糸条である後加工糸」は、「牽切工程での牽切紡績性を向上させる機能を有した剤」について、本件特許明細書には、何ら記載がなく、どの範囲の剤を特定しているのか明確でない。 また、請求項1を引用する請求項3、及び請求項8に係る発明も同様に不明確である。 2 令和2年1月20日付け取消理由(決定の予告)についての当審の判断 本件訂正により、本件発明1は、後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸について、「牽切工程での牽切紡績性を向上させる機能を有した剤が付与された繊維糸条である後加工糸を除く」との記載に代えて、「前記機能剤は、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性以外は有さない剤又は消臭性と共に難燃性、抗菌性の少なくとも1つの機能性以外は有さない剤であり、」と訂正することで後加工糸に付与される機能剤を明確にしたものであるから、上記取消理由は解消した。 3 令和元年8月30日付け取消理由の概要 本件訂正前の請求項1、3、8に対して通知した令和元年8月30日付け取消理由の概要は以下の通りである (1)(明確性)本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 (2)(新規性)本件特許の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の甲第2号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 (3)(進歩性)本件特許の請求項1、3、8に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の甲第2号証に記載された発明及び甲第11、12号証に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (1)明確性について 本件特許の請求項1、3に係る発明は布帛の発明であるところ、請求項1には「後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸」及び「オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸」が構成要件として記載されており、当該記載はその布帛について製造方法(布帛の構成要件である糸について、後加工でのオイリング加工により機能剤を付与するという製造方法)が記載されている。 本件特許の請求項1、3は、明細書及び図面の記載並びに出願時の技術常識を考慮しても、前記製造方法が請求項1に係る布帛におけるどのような構造、性質を特定しようとするものか不明であり、当該請求項に係る布帛の構造や性質を理解することができない。 <刊行物> (2)文献 甲第2号証  特開昭60-134069号公報 甲第11号証 特開2012-214955号公報 甲第12号証 特開昭58-126371号公報 4 令和元年8月30日付け取消理由についての当審の判断 (1)明確性について 本件発明1、3は、本件訂正により、「布帛の製造方法。」に訂正されたことにより、上記取り消し理由は解消した。 (2)新規性及び進歩性について ア 本件発明1について (ア)甲第2号証記載の発明 甲第2号証(特に第1頁左下欄第12行~17行、第2頁右上欄第2行~10行、第3頁左上欄第7行~17行、第3頁左下欄表1)には、牽切紡績に供されるポリエステル繊維を処理するための油剤について具体的に記載されており、この油剤で処理されたポリエステル繊維から精紡糸を得ることが記載されている。 また、精紡糸を織編込んで布帛とすることは通常のことであるから、このような技術常識を参酌すれば、甲第2号証には、前記精紡糸を織編込んだ布帛の製造方法が記載されているに等しい。 以上を踏まえ、表1の油剤「No.2」に着目すると、甲2には、次の発明が記載されている。 「平均粒子径5μmの酸化ケイ素を含有させた油剤が付与されたポリエステル繊維を牽切、練条、精紡の各工程を経て得た精紡糸を織編込んだ布帛の製造方法。」(以下「甲2発明」という。) (イ)対比 本件発明1と甲2発明とを対比すると、本件発明1と甲2発明とは、少なくとも以下の点で相違する。 <相違点1> 後加工(オイリング加工時)に付与される機能剤について、本件発明1は、「酸化チタン以外であり、且つ、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のうち少なくとも1つの機能性以外は有さ」ないのに対して、甲2発明は、平均粒子径5μmの酸化ケイ素である点。 (ウ)検討 甲2発明の酸化ケイ素は、甲第2号証の2頁左上欄16行~左下欄7行を参照すると、牽切行程で牽切紡績性を向上させる機能を有するといえるところ、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のいずれにもしないから、上記相違点1は実質的な相違点である。 また、甲第2号証の2頁左上欄16行~左下欄7行には、平滑剤及び帯電防止剤を混入した油剤を用いることが記載されているが、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のうち少なくとも1つの機能性以外は有さない機能剤をオイリング加工時にオイリング剤と用いることは、示唆されていない。また、他に、当該事項を示唆する証拠もない。 したがって、本件発明1は、甲2発明であるとはいえず、甲2発明及び甲第11、12号証記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 イ 本件発明3について 本件発明3と甲2発明とを対比すると、少なくとも以下の点で相違する。 <相違点2> 後加工(オイリング加工時)に付与される機能剤について、本件発明3は、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性以外は有さない剤又は消臭性と共に難燃性、抗菌性の少なくとも1つの機能性以外は有さない剤であるのに対して、甲2発明は、平均粒子径5μmの酸化ケイ素である点。 甲第2号証には、使用する無機微粉末として、酸化ケイ素のほか酸化チタンが挙げられている(第2頁右上欄第8行)。そして、酸化チタンはいわゆる光触媒として消臭性を有することが本件特許出願前に技術常識であるところ、酸化チタン以外の消臭性を有する剤を用いることまでは、記載も示唆もない。 したがって、本件発明3は、甲2発明及び甲第11、12号証記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 ウ 本件発明8について 本件発明8と甲2発明とを対比すると、少なくとも上記相違点1で相違する。 そして、相違点1については、上記ア(ウ)で検討したのと同じ理由により、本件発明8は、甲2発明及び甲第11、12号証記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 5 上記1、3で採用されなかった異議申立理由の概要 申立人がした特許異議の申立は、以下の取り消し理由を含むものである。 (1)(新規性)本件発明1、3,8は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された上記の甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するものである。 (2)(進歩性)本件発明1、3、8は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された上記の甲第1号証に記載された発明及び甲第3~9号証に記載された事項に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反するものである。 6 異議申立理由についての当審の判断 (1)甲第1号証記載の発明 甲第1号証の実施例1~3、5(1頁左欄の「2.特許請求の範囲」の欄、3頁左欄14行~右欄12行、表-1)に着目すると、甲第1号証には以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。 「ポリエステル長繊維延伸糸75d/36fillの糸条に、処理用油剤中に平均粒径0.2~0.7μmの二酸化チタンを添加し、得られた処理剤を付着した後、乾燥した合成繊維の製造方法。」 (2)対比 甲1発明と本件発明1とを対比すると ア 甲1発明の「二酸化チタン」は、殺菌、消臭する機能を有することが技術常識であるから、本件発明1の「機能剤」に相当する。 イ 甲1発明の「処理用油剤中に平均粒径0.2~0.7μmの二酸化チタンを添加し、得られた処理剤を付着した」「ポリエステル長繊維延伸糸75d/36fillの糸条」は、本件発明1の「後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸」に相当する。 ウ 甲1発明の「処理用油剤中に平均粒径0.2~0.7μmの二酸化チタンを添加し、得られた処理剤を付着した」態様は、処理油剤を含む処理剤を付着することはオイリング加工であって、処理剤を糸条の表面に均一に付与するものであるから、本件発明1の「前記後加工のうち、オイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与し」た態様に相当する。 エ 甲1発明の「ポリエステル長繊維延伸糸75d/36fillの糸条に、処理用油剤中に平均粒径0.2~0.7μmの二酸化チタンを添加し、得られた処理剤を付着した」態様は、本件発明1の「前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、平均粒径が0.2μm以上4.0μm以下の前記機能剤が略均一に付与され」た態様に相当する。 オ 甲1発明の「処理用油剤中に平均粒径0.2~0.7μmの二酸化チタンを添加し、得られた処理剤を付着した」「ポリエステル長繊維延伸糸75d/36fillの糸条」は、本件発明1の「前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸」に相当する。 カ 甲1発明の「合成繊維の製造方法」と、本件発明1の「後加工糸を織編込んだ布帛の製造方法」及び「後加工糸を、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする布帛の製造方法」とは、「後加工糸の製造方法」の限りで一致する。 したがって、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で一致し、相違する。 <一致点> 「後加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸の製造方法であって、 前記後加工のうち、オイリング加工時に、前記機能剤とオイリング剤とを、繊維糸条の内部及び/又は表面に、略均一に付与し、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸は、ポリエステル繊維に対して、平均粒径が0.2μm以上4.0μm以下の前記機能剤が略均一に付与され、 前記オイリング加工により機能剤が付与された繊維糸条である後加工糸の製造方法。」 <相違点3> 後加工糸について、本件発明1は、「(後加工により酸化チタンが付与された繊維糸条である後加工糸を除く)」であるのに対して、甲1発明は、二酸化チタンを含む処理剤を付着したポリエステル長繊維延伸糸である点。 <相違点4> 前記機能剤について、本件発明1は、「酸化チタン以外であり、且つ、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のうち少なくとも1つの機能性以外は有さず、」であるのに対して、甲1発明は、二酸化チタンである点。 <相違点5> 後加工糸の製造方法について、本件発明1は、「後加工糸を織編込んだ布帛の製造方法」及び「後加工糸を、当該布帛に織編込んでいることを特徴とする布帛の製造方法」であるのに対して、甲1発明は、合成繊維の製造方法である点。 (3)判断 相違点3及び4について、検討する。 少なくとも上記相違点3及び4は、実質的な相違点であるから、本件発明1は甲1発明であるとはいえない。 そして、甲第1号証には、「本発明者らは二酸化チタンの特性(平滑性)を生かし、かつブライト性を損わない方法として繊維処理用油剤中に二酸化チタンを添加して繊維表面を処理し、ダル繊維と同等の平滑性を有するブライト繊維を製造すべく研究を重ねた結果、本発明に到達したものである。 すなわち、本発明は延伸した合成繊維を平均粒子径0.1~0.7μの二酸化チタンを含有する油剤にて処理し、繊維重量に対して0.005~0.05%の二駿化チタンを付与することを特徴とする合成繊維の処理方法である。」(2頁右上欄4~14行)と記載されており、甲1発明は、二酸化チタンを必須とするものである。 そうすると、甲1発明において、二酸化チタンを含まない処理剤を付与することには、阻害要因があるといえるし、仮に、処理剤を二酸化チタンを含まないものとし、繊維製品として消臭性を有する剤を用いること(甲第3号証~甲第9号証参照。)が記載されているとしても、甲1発明の処理剤として、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性、難燃性、耐熱性、光触媒性、蓄熱性、遮熱性、保温性、芳香性のうち少なくとも1つの機能性以外は有さない機能剤を含有する動機付けは、存在しない。 (4)小括 以上のとおりであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明であるとはいえず、特許法第29条第1項第3号に該当するといえない。 また、本件発明1は、甲1発明及び甲第3号証~甲第9号証に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえず、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないとはいえない。 (5)本件発明3について 本件発明3と甲1発明とを対比すると、少なくとも上記相違点3及び相違点5の点、並びに以下の点で相違する。 <相違点6> 前記機能剤について、本件発明3は、「酸化チタン以外であり、且つ、消臭性以外は有さない剤又は消臭性と共に難燃性、抗菌性の少なくとも1つの機能性以外は有さない剤であ」るのに対して、甲1発明は、二酸化チタンである点。 相違点3及び6について検討する。 少なくとも上記相違点3及び6は、実質的な相違点であるから、本件発明3は甲1発明であるとはいえない。 そして、甲1発明において、二酸化チタンを含まない処理剤を付与することには、阻害要因があるといえるし、仮に、処理剤を二酸化チタンを含まないものとし、繊維製品として消臭性を有する剤を用いること(甲第3号証~甲第9号証参照。)が記載されているとしても、甲1発明の処理剤として、酸化チタン以外であり、且つ、消臭性以外は有さない剤又は消臭性と共に難燃性、抗菌性の少なくとも1つの機能性以外は有さない剤を含有する動機付けは、存在しない。 以上のとおりであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明3は、甲1発明であるとはいえず、特許法第29条第1項第3号に該当するといえない。 また、本件発明3は、甲1発明及び甲第3号証~甲第9号証に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえず、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないとはいえない。 (6) 本件発明8について 本件発明8と甲1発明とを対比すると、少なくとも上記相違点3~相違点5の点で、相違する。 そして、相違点3及び4については、上記(3)で検討したとおりである。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明8は、甲1発明であるとはいえず、特許法第29条第1項第3号に該当するといえない。 また、本件発明8は、甲1発明及び甲第3号証~甲第9号証に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえず、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないとはいえない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、3、8に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1、3、8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2019-700505

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