特許訂正審判
2019-390091
連続鋳造機の操業方法
- 審判番号
- 2019-390091
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2016-529201外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年07月25日
- 審決日
- 2019年10月16日
- 公報発行日
- 2020年01月31日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .852-Y (B22D) / P141 .841-Y (B22D) / P141 .854-Y (B22D) / P141 .855-Y (B22D) / P141 .856-Y (B22D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6249099号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6249099号の明細書、特許請求の範囲及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
1.手続きの経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6249099号は、平成27年5月26日に出願され、平成29年12月1日に設定登録がされ、平成29年12月20日に特許掲載公報が発行された。令和1年7月25日に本件訂正審判の請求がされ、その後令和1年8月14日付けの訂正拒絶理由通知書に対し、令和1年9月12日付けで手続補正書及び意見書が提出され、審判請求書の「6 請求の理由」が補正されたものである。
2.請求の趣旨
令和1年9月12日付け手続補正書により補正された本件審判の請求の趣旨は、特許第6249099号の明細書、特許請求の範囲及び図面を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり、すなわち、以下の(1)ないし(4)に示す訂正事項のとおり訂正することを求めるものである。(なお、下線部は、訂正の前後での訂正箇所を意味する。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「S:鋳型の振動ストロークS(mm)」と記載されているのを、「S:鋳型の振動ストローク(mm)」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する。)。
(2)訂正事項2
明細書の段落【0016】に記載の「S:鋳型の振動ストロークS(mm)」を「S:鋳型の振動ストローク(mm)」に訂正する。
(3)訂正事項3
明細書の段落【0019】に記載の「33.66」を「-33.66°」に訂正する。明細書の段落【0033】に記載の「φ=33.66°」を「φ=-33.66°」に訂正する。明細書の段落【0019】、【0036】及び【0037】のそれぞれに記載の「16.08」を「-16.08°」に、「20.535」を「-20.535°」に、「24.46」を「-24.46°」に訂正する。
(4)訂正事項4
図面の図3を図5に記載されている図に訂正する。また、図面の図5を図3に記載されている図に訂正する。
3.当審の判断
(1)特許法第126条第1項、第5項ないし第7項について
上記の各訂正事項に係る訂正が、特許法第126条第1項、第5項ないし第7項に適合するかどうかについて、以下に検討する。
ア.訂正事項1について
(ア)訂正の目的について
請求項1に記載された「S:鋳型の振動ストロークS(mm)」のうち、2つめのSは、冒頭のSと重複した記載であるところ、Sは鋳型の振動ストロークを意味する記号であることが明らかであって、それ自体は技術的な意味を成していない。また、請求項1に「t:時間(s)」、「φ:初期位相(°)」等と記載されており、記号が重複する記載とはなっていないことを踏まえると、「S:鋳型の振動ストロークS(mm)」は「S:鋳型の振動ストローク(mm)」の誤記であることは明らかである。請求項1の記載を引用する請求項2においても同様である。
してみると、請求項1、2において「S:鋳型の振動ストロークS(mm)」を「S:鋳型の振動ストローク(mm)」に訂正する訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであるといえる。
(イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1は単に「S:鋳型の振動ストロークS(mm)」と記号Sが重複していた誤記を「S:鋳型の振動ストローク(mm)」に訂正するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかであり、特許法第126条第5項に規定する要件を満たす。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は単に「S:鋳型の振動ストロークS(mm)」と記号Sが重複していた誤記を「S:鋳型の振動ストローク(mm)」に訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことは明らかであり、特許法第126条第6項に規定する要件を満たす。
(エ)独立特許要件について
訂正事項1に係る訂正は、「S:鋳型の振動ストロークS(mm)」と記号Sが重複していた誤記を「S:鋳型の振動ストローク(mm)」に訂正するものであるところ、訂正後の請求項1及び2に係る特許に対して、特許出願の際独立して特許を受けることができなくなる理由は見当たらない。したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
イ.訂正事項2について
(ア)訂正の目的について
訂正事項2は、誤記の訂正を目的とする訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るべく、明細書の段落【0016】に記載の「S:鋳型の振動ストロークS(mm)」を「S:鋳型の振動ストローク(mm)」に訂正するものである。
よって、訂正事項1と同様に訂正事項2は特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであるといえる。
(イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、誤記の訂正を目的とする訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るべく、明細書の段落【0016】に記載の「S:鋳型の振動ストロークS(mm)」を「S:鋳型の振動ストローク(mm)」に訂正するものであるから、訂正事項1と同様に、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかであり、特許法第126条第5項に規定する要件を満たす。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、誤記の訂正を目的とする訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るべく、明細書の段落【0016】に記載の「S:鋳型の振動ストロークS(mm)」を「S:鋳型の振動ストローク(mm)」に訂正するものであるから、訂正事項1と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことは明らかであり、特許法第126条第6項に規定する要件を満たす。
(エ)独立特許要件について
訂正事項2は、誤記の訂正を目的とする訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るべく、明細書の段落【0016】に記載の「S:鋳型の振動ストロークS(mm)」を「S:鋳型の振動ストローク(mm)」に訂正するものであるから、訂正事項1と同様に、訂正後の請求項1及び2に係る特許に対して、特許出願の際独立して特許を受けることができなくなる理由は見当たらない。したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
ウ.訂正事項3について
(ア)訂正の目的について
明細書の段落【0019】には「b=0.40、φ=33.66」、「b=0.15、φ=16.08」、「b=0.20、φ=20.535」、「b=0.25、φ=24.46」という記載がある。また、段落【0033】には「初期位相φ=33.66°」という記載があり、段落【0036】には下記【表1】があり、段落【0037】には、「(b=0.15、φ=16.08)、(b=0.20、φ=20.535)、(b=0.25、φ=24.46)」という記載がある。
ここで、明細書の段落【0025】に記載されているように、初期位相φは、下記(1)式においてr(0)=0になるよう導入されたものであり、段落【0027】~【0030】によって導出される下記(2)式に「b」の値を代入することにより得られるものである。
そして、上記(2)式にb=0.40、0.15、0.20、0.25の各値を代入すると、φ=±33.66°、±16.08°、±20.535°、±24.46°の各値が得られるが、r(0)=0との条件を満たすのは、φ=+33.66°、+16.08°、+20.535°、+24.46°ではなく、φ=-33.66°、-16.08°、-20.535°、-24.46°である。また、図面の図3~5に図示された波形も、φの値がマイナスであることを示しており、上記の計算による結果と整合する。
また、段落【0033】に「初期位相φ=33.66°」と記載されているように、他のφの値についても「°」の単位が抜けていることは明らかである。
よって、明細書の段落【0019】に記載の「φ=33.66」は「φ=-33.66°」、段落【0033】に記載の「φ=33.66°」は「φ=-33.66°」、段落【0019】、【0036】及び【0037】のそれぞれに記載の「16.08」は「-16.08°」、「20.535」は「-20.535°」、「24.46」は「-24.46°」の誤記であることは明らかである。
してみると、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであるといえる。
(イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3は、上記(ア)に記載の通り、願書に添付した明細書の段落【0027】~【0030】の記載に基づいて導き出される事項であるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものといえ、特許法第126条第5項に規定する要件を満たす。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、上記のとおり単に誤記を訂正するものであり、実質的な内容の変更を伴わないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことは明らかである。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第6項に規定する要件を満たす。
(エ)独立特許要件について
訂正事項3に係る訂正は、上記のとおり単に誤記を訂正するものであるところ、訂正後の請求項1及び2に係る特許について、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由を発見しない。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
エ.訂正事項4について
(ア)訂正の目的について
図面の図3には「非サイン係数b=0.25」との記載とともにb=0.25のときの振動波形を示す図が図示されており、図5には「非サイン係数b=0.15」との記載とともにb=0.15のときの振動波形を示す図が図示されている。
一方、明細書の段落【0019】には「【図3】本発明において、b=0.15、φ=16.08のときの振動波形を示す図である。」及び「【図5】本発明において、b=0.25、φ=24.46のときの振動波形を示す図である。」との記載があり、段落【0043】には「図3に示す波形(b=0.15)、および図5に示す波形(b=0.25)」との記載があることから、図面の記載と明細書の記載が整合していない。これについて、図3と図5の二次波形の振幅を見てもわかるように図3と図5が入れ替わって記載された誤記であることは明らかである。
よって、訂正事項4は特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであるといえる。
(イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項4は、明細書の段落【0019】、【0043】の記載と整合するように図面の図3と図5とに記載されている図をそれぞれ入れ替える訂正を行うものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に規定する要件を満たす。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、単に図面の図3と図5とに記載されている図をそれぞれ入れ替えるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当せず、特許法第126条第6項に規定する要件を満たす。
(エ)独立特許要件について
訂正事項4は、明細書の記載と図面の記載との整合を取るための訂正であり、訂正後の請求項1、2に係る特許について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由はない。したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
4.むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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