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特許拒絶査定不服審判

2019-007296

判定装置、判定方法及び判定プログラム

審判番号
2019-007296
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-157869外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年06月04日
審決日
2020年12月09日
公報発行日
2021年03月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (G06F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-157869「判定装置、判定方法及び判定プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月 7日出願公開、特開2019- 36191〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)8月18日を出願日とする出願であって、その手続きの経緯は以下のとおりである。 平成30年 8月 2日付け:拒絶理由通知書 平成30年10月 5日  :意見書、手続補正書の提出 平成30年11月 1日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書 平成31年 1月10日  :意見書、手続補正書の提出 平成31年 2月25日付け:平成31年1月10日の手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定 令和 元年 6月 4日  :審判請求書、手続補正書の提出 令和 2年 8月13日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書 令和 2年10月19日  :意見書、手続補正書の提出 第2 令和2年10月19日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和2年10月19日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 「複数のユーザが属する所定の空間内に設置された装置が有するセンサが検知した当該空間内の情報であるセンシング情報として、複数の前記ユーザが発した音声に関する情報である音声情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得されたセンシング情報を統計し、所定期間のうちに出現頻度が所定の閾値を超えて上昇したキーワードを当該センシング情報から抽出し、抽出したキーワードに基づいて、前記センサを有する前記装置を利用する複数の前記ユーザ全体の関心を判定する判定部と、前記判定部によって判定された関心と、記憶部に記憶された広告又はレコメンドに予め設定されたターゲット情報に基づいて、前記ユーザに提案する広告又はレコメンドを選択する選択部と、前記選択部によって選択された広告又はレコメンドを、前記ユーザが利用する装置から出力するよう制御する出力制御部と、を備えたことを特徴とする判定装置。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和元年6月4日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「複数のユーザが属する所定の空間内に設置された装置が有するセンサが検知した当該空間内の情報であるセンシング情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得されたセンシング情報の統計に基づいて、前記センサを有する前記装置を利用する複数の前記ユーザ全体の関心を判定する判定部と、前記判定部によって判定された関心と、記憶部に記憶された広告又はレコメンドに予め設定されたターゲット情報に基づいて、前記ユーザに提案する広告又はレコメンドを選択する選択部と、前記選択部によって選択された広告又はレコメンドを、前記ユーザが利用する装置から出力するよう制御する出力制御部と、を備えたことを特徴とする判定装置。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「取得部」が取得する「センシング情報」について「複数の前記ユーザが発した音声に関する情報である音声情報」という限定を付加するとともに、「判定部」がユーザ全体の関心を判定する際の判定処理の内容について「所定期間のうちに出現頻度が所定の閾値を超えて上昇したキーワードを当該センシング情報から抽出し、抽出したキーワード」に基づいて判定を行うという限定を付加するものである。 そして、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項 ア 引用文献1 (ア)当審の拒絶の理由で引用された本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明を記載した引用文献である、特表2015-517709号公報(平成27年6月22日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。なお、下線は当審において付したものであり、以下同様である。 A 「【0005】 概要として、本開示は一般に、ある環境内の1以上のユーザーに対し、該環境および該1以上のユーザーのコンテキスト特性に基づいてメディアを適応配信するシステムおよび方法を対象とする。該システムは、メディア配信システムを有する。該メディア配信システムは、該環境内に配置される1以上のセンサーによってキャプチャされたデータを受信および処理し、該キャプチャされたデータに基づいて、該環境のコンテキスト特性を決定する。該コンテキスト特性としては、例えば1以上のユーザーの個人的特性、1以上のユーザーのジェスチャー等の物理的動作、該環境内の物体、ユーザー間のコミュニケーションの主題が挙げられる。 【0006】該メディア配信システムは更に、少なくとも部分的に該環境の該コンテキスト特性に基づいて、該環境内の1以上のメディアデバイスに提示するメディアを、メディアソースから特定する。該特定されたメディアは、該環境の該コンテキスト特性に関するコンテンツを含む。該メディア配信システムは更に、1以上のユーザーが該1以上のメディアデバイスに提示される該特定されたメディアとインタラクションを行うことを可能にしてもよい。 【0007】本開示に係るシステムは、ある環境内の1以上のユーザーに対し、該環境のコンテキスト特性(例えば、ユーザー間の会話において認識されたコンテンツ)に基づいて関連メディアを配信する、自動的かつ直観的な手段を提供する。該システムは、関連コンテンツを含むメディアをリアルタイムまたは準リアルタイムで環境内のユーザーに適応配信するように、該環境のコンテキスト特性を継続的にモニタリングしてよい。このように、該システムは、インタラクションの向上を促進し、ユーザー間の更なるコミュニケーションを促すことができる。 【0008】図1を参照する。図1は、本開示に係るシステム10の一実施形態を大まかに示す。システム10は、メディア配信システム12と、少なくとも1つのセンサー14と、メディアソース16と、少なくとも1つのメディアデバイス18とを有する。ここで詳述するように、メディア配信システム12は、少なくとも1つのセンサー14によりキャプチャされたデータを受信し、該キャプチャされたデータに基づいて、1以上のユーザーを含む環境の少なくとも1つのコンテキスト特性を特定する。「環境」という用語は、例えば家の共有部屋(居間、ファミリールーム、キッチン等)や、ホテルやオフィスビルの待合室やロビーといった、1以上の人間(例えばユーザー)が集まり互いに交流できる空間を意味する場合がある。コンテキスト特性の例としては、1以上のユーザーの個人的特性、1以上のユーザーのジェスチャー等の物理的動作、環境内の物体、ユーザー間のコミュニケーションの主題が挙げられる。 【0009】メディア配信システム12は更に、メディアソース16と通信を行い、該メディアソース16において、少なくとも1つのコンテキスト特性に関連するコンテンツに関するメディアを検索する。少なくとも1つのコンテキスト特性に関連するメディアコンテンツを特定すると、メディア配信システム12は更に、関連メディアコンテンツを環境内の1以上のユーザーに提示するために、少なくとも1つのメディアデバイス18に送信する。メディア配信システム12は更に、1以上のユーザーがメディアデバイス18に提示される関連メディアコンテンツとインタラクションを行うことを可能にしてよい。」 B 「【0010】図2を参照する。図2は、図1に示すシステム10の一部をより詳細に示す。上述したように、メディア配信システム12は、少なくとも1つのセンサー14によりキャプチャされたデータを受信する。図示されるように、システム10は、環境および環境内のユーザーの各種特性(視覚特性、聴覚特性等)に関するデータをキャプチャする各種センサーを有してよい。例えば、図示の実施形態において、システム10は少なくとも1つのカメラ20を有する。カメラ20は、環境と環境内の1以上のユーザーの画像をキャプチャする。また、システム10は、少なくとも1つのマイク22を有する。マイク22は、1以上のユーザーの声データ等の、環境の音データをキャプチャする。マイク22は更に、後に詳述するように、環境からの周辺雑音をキャプチャしてよい。 【0011】メディア配信システム12は、認識モジュール24,26,28,34,36,38を有してよい。各認識モジュールは、上述のセンサーのうち少なくとも1つによってキャプチャされたデータを受信し、該キャプチャされたデータに基づいて、環境および環境内のユーザーに関連付けられたコンテキスト特性を確立する。この構成について詳述する。 【0012】図示の実施形態において、メディア配信システム12は、ユーザー認識モジュール24、動作認識モジュール34、物体認識モジュール36および音声認識モジュール38を含む。ユーザー認識モジュール24は、少なくとも1つのカメラ20によってキャプチャされた1以上のデジタル画像と、少なくとも1つのマイク22によってキャプチャされた、環境内の1以上のユーザーからの声データとを受信する。ユーザー認識モジュール24は更に、画像および声データを分析し、画像および声データの分析に基づいて、1以上のユーザーを特定する。 【0013】図示のように、ユーザー認識モジュール24は、顔認識モジュール26および声認識モジュール28を含む。顔認識モジュール26は、少なくとも1つのカメラ20によってキャプチャされた1以上のデジタル画像を受信する。カメラ20には、1以上の人間を含む環境を表すデジタル画像をキャプチャする任意のデバイス(既知または後に見いだされる)が含まれる。カメラ20は、本明細書に記載されるような、環境内の1以上の人間の顔分析に適した解像度を有してよい。 【0014】 カメラ20の例としては、静止カメラ(すなわち静止画像をキャプチャするカメラ)やビデオカメラ(すなわち、複数のフレームで複数の動画をキャプチャするカメラ)等が挙げられる。カメラ20は、可視スペクトルで画像をキャプチャしてもよいし、電磁スペクトルの他の部分(赤外線スペクトル、紫外線スペクトル等)でキャプチャしてもよい。なお、カメラ20は、メディア配信システム12またはメディアデバイス18に組み込まれてもよいし、メディア配信システム12および/またはメディアデバイス18と既知の有線通信または無線通信を介して通信を行う別個のデバイスであってもよい。カメラ20には、例えばウェブカメラ(パーソナルコンピューターやテレビモニターと関連付けられてよい)、携帯デバイスのカメラ(例えば携帯電話のカメラ、スマートフォンのカメラ(iPhone(登録商標)、Trio(登録商標)、Blackberry(登録商標)等に関連付けられたカメラ)、ラップトップコンピューターのカメラ、タブレット型コンピューター(iPad(登録商標)、Galaxy Tab(登録商標)等)、電子書籍リーダー(Kindle(登録商標)、Nook(登録商標)等))が含まれる。」 C 「【0019】声認識モジュール28は、少なくとも1つのマイク22によってキャプチャされた、環境内の1以上のユーザーからの声データを受信する。マイク22の例としては、1以上の人間の声データをキャプチャする任意のデバイス(既知または将来見いだされるもの)が挙げられる。マイク22は、1以上の人間の声を分析するのに適したデジタル分解能を有してよい。なお、マイクはメディア配信システム12またはメディアデバイス18に組み込まれてもよいし、メディア配信システム12および/またはメディアデバイス18と既知の有線通信または無線通信を介して通信を行う別個のデバイスであってもよい。 【0020】一実施形態において、システム10は、環境内の全ユーザーを含む声データをキャプチャする単一のマイク22を含んでよい。他の実施形態では、システム10は、環境内のあらゆる場所に配置される複数のマイクを含んでよい。この場合、一部のマイクは1以上の関連メディアデバイス18に隣接してよく、該関連メディアデバイス18に最も近い1以上のユーザーの声データをキャプチャしてよい。例えば、システム10は、複数のメディアデバイス18を含んでよい。この場合、各メディアデバイス18は隣接するマイク22を有してよく、各マイク22は、関連メディアデバイス18に近接する1以上のユーザーの声データをキャプチャしてよい。」 D 「【0025】例えば、動作認識モジュール34は、例えば一連の画像(1秒当たり24フレームの映像フレーム等)を通して、ユーザーの手特性を検出し特定してよい。例えば、動作認識モジュール34は、カスタム、専用、既知および/または後に開発される手追跡のコード(または命令セット)を含んでよく、これらは一般に明確に定義され、一連の画像(例えばRGB色画像)を受信し少なくともある程度は該一連の画像において手を追跡することができる。動作認識モジュール34は更に、カスタム、専用、既知および/または後に開発される手形状のコード(または命令セット)を含んでよく、これらは一般に明確に定義され、手の1以上の形状特性を特定し画像において手のジェスチャーを特定することができる。当業者には当然であるように、メディア配信システム12は、1以上のユーザーの手のジェスチャーによって制御されてよい。 【0026】動作認識モジュール34は、単独で、或いは声認識モジュール28との組み合わせで、システム10の電力状態を制御するために、環境内の任意のユーザーおよび/または物体の検出された動きに関連するデータを提供してよい。より具体的には、システム10は、アクティブ状態(例えば、継続的なモニタリングと、環境および該環境内のユーザーのコンテキスト特性の特定と、コンテキスト特性に基づくメディアコンテンツの提示)と非アクティブ(例えば低電力)状態(例えば、環境のモニタリングと、ユーザーが存在しない場合のメディアコンテンツ提示の停止)との間で移行する手段を提供してよい。例えば、環境内において動作認識モジュール34により検出される動き量と、声認識モジュール28により検出されるノイズ量とを、システム10のアクティブ電力状態と非アクティブ電力状態との移行を決定する際に用いてよい。なお、動作認識モジュール34および声認識モジュール28は、非アクティブ電力状態で動作してよい。 【0027】メディア配信システム12は更に、物体認識モジュール36を含む。物体認識モジュール36は、少なくとも1つのカメラ20によってキャプチャされた1以上のデジタル画像を受信し分析して、画像内の1以上の物体を判別する。より具体的には、物体認識モジュール36は、カスタム、専用、既知および/または後に開発される物体の検出および特定のコード(または命令セット)を含んでよく、これらは一般に明確に定義され、画像内の1以上の物体を検出し該物体の形状の特徴に基づいて該物体を特定することができる。本明細書で詳述されるように、メディア配信システム12は、物体認識モジュール36により特定される1以上の物体に関連するコンテンツを含むメディアを、環境内のユーザーに提示するものとして特定してよい。例えば、ユーザーに対し、特定された物体に対応する情報を含む関連メディアコンテンツを提示してよい。例えば、特定された物体に関する広告を表示してもよいし、類似の物体を表示してもよいし、特定された物体を増補する映像を表示してもよい(例えば、ユーザーがおもちゃ(例えばエルモ)を持っている場合は、そのおもちゃに関連する背景情報(セサミストリート)の画像を画面に表示する)。」 【0028】メディア配信システム12は更に、音声認識モジュール38を有する。音声認識モジュール38は、少なくとも1つのマイク22によってキャプチャされた1以上のユーザーからの声データを受信する。音声認識モジュール38は、マイク22から声データを受信すると、任意の既知の音声分析法を用いて、声データの特有の主題を特定してよい。例えば、音声認識モジュール38は、カスタム、専用、既知および/または後に開発される音声の認識および特性のコード(もしくは命令セット)、ハードウェアおよび/またはファームウェアを含んでよく、これらは一般に明確に定義され、声データを受信し音声をテキストデータに翻訳することができる。音声認識モジュール38は、ユーザー間の会話に関連する声データを受信してよい。この場合、音声認識モジュール38は、該会話の主題を示す1以上のキーワードを特定してよい。また、当業者には当然であるように、音声認識モジュール38は、1以上のユーザーからの、メディア配信システム12を制御するための1以上の音声指示を特定してよい。 【0029】音声認識モジュール38は、マイク22によってキャプチャされた声データから周辺雑音を検出し抽出してよい。音声認識モジュール38は、カスタム、専用、既知および/または後に開発されるノイズの認識および特性のコード(もしくは命令セット)、ハードウェアおよび/またはファームウェアを含んでよく、これらは一般に明確に定義され、声データの周辺雑音を解読し該周辺雑音の主題を特定(例えば、放送されているオーディオコンテンツおよび/またはビデオコンテンツ(音楽、映画、テレビ番組等)の主題を特定)することができる。例えば、音声認識モジュール38は、環境内に流れる音楽を特定(例えば、歌の歌詞を特定)してもよいし、環境内に流れる映画を特定(例えば、映画についての情報を特定)してもよいし、テレビ番組、テレビ放送等を特定してもよい。 【0030】メディア配信システム12は、周辺雑音の特定された主題に関連するコンテンツを含むメディアを、環境内のユーザーに提示するものとして特定してよい。例えば、ユーザーに対し、バックグラウンドで流れている歌の歌詞を提示してもよいし、視聴中のフットボールの試合に出場している選手の統計データを提示してもよい。」 E 「【0031】メディア配信システム12は更に、コンテキスト管理モジュール40を有する。コンテキスト管理モジュール40は、認識モジュール(24,34,36,38)のそれぞれからデータを受信する。より具体的には、認識モジュールはコンテキスト管理モジュール40に、環境および環境内のユーザーのコンテキスト特性を提供してよい。例えば、ユーザー認識モジュール24は、1以上のユーザーの個人的特性に関連するデータを提供してよく、動作認識モジュール34は、1以上のユーザーの検出されたジェスチャーに関連するデータを提供してよい。また、物体認識モジュール36は、環境内の認識された物体に関連するデータを提供してよく、音声認識モジュール38は、環境内におけるユーザー間の1以上の会話の主題に関連するデータを提供してよい。 【0032】システム10が、複数のカメラ20と、複数のマイク22と、関連するメディアデバイス18の範囲内または近接領域に位置する関連認識モジュール(24,34,36,38)とを有する場合、コンテキスト管理モジュール40は、コンテキスト特性が関連する関連メディアデバイス18を判別してよい。 【0033】図3に示すように、コンテキスト管理モジュール40は、テーマ判定モジュール42および検索モジュール44を含んでよい。一般に、テーマ判定モジュール42は、認識モジュール(24,34,36,38)から受信されたコンテキスト特性を分析し、該コンテキスト特性に基づいて、環境内の1以上のユーザーの活動の全体的なテーマ(トピック)を判定してよい。例えば、活動には、単一のユーザーの環境内での活動や、環境とのインタラクション(例えば、おもちゃで遊ぶこと)が含まれる。また、活動には、複数のユーザーの、互いの交流(例えば会話)等の環境内での活動も含まれる。例えば、テーマ判定モジュール42は、認識モジュール(24,34,36,38)のうち少なくとも1つから受信したデータを分析し、該データの分析に基づいて、テーマを判定してよい。コンテキスト管理モジュール40は、コンテキスト特性に関連するデータを分析すると、該データをコンテキストデータベース46に格納してよい。コンテキストデータベース46は、各コンテキスト特性(ユーザーの個人的特性、物体、ジェスチャー、話の主題等)に対応する1以上のプロファイルを有してよい。 【0034】コンテキスト管理モジュール40は、テーマ判定モジュール42により全体テーマが確立されると、メディアソース16と通信を行い、該全体テーマに関連するコンテンツを含むメディアを検索してよい。図示されるように、コンテキスト管理モジュール40は、ネットワーク48を介してメディアソース16と通信を行ってよい。なお、メディアソース16はローカルであってよく、そのようなものとして、コンテキスト管理モジュール40とメディアソース16は、既知の有線通信プロトコルまたは無線プロトコルを用いて互いに通信を行ってよい。 【0035】ネットワーク48は、データを伝送する任意のネットワークであってよい。ネットワーク48として用いるのに適するネットワークの例としては、インターネット、プライベートネットワーク、仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)、総合サービスデジタル通信網(Integrated Services Digital Network:ISDN)、デジタル加入者線(Digital Subscriber Line:DSL)ネットワーク、無線データネットワーク(例えば携帯電話ネットワーク)等の、データを伝送可能なネットワークおよびそれらの組合わせが挙げられる。一部の実施形態では、ネットワーク48は、インターネットと、少なくとも1つの無線ネットワークと、少なくとも1つの携帯電話ネットワークと、それらの組合わせとから選択される。限定ではないが、ネットワーク48は、インターネットであることが好ましい。 【0036】メディアソース16は、環境内の1以上のユーザーにメディアデバイス18を介して提示されるコンテンツを有するメディアの任意のソースであってよい。図示の実施形態において、ソースの例としては、公的ウェブサイトや個人ウェブサイト、ソーシャル・ネットワーキング・ウェブサイト、音楽サイトや動画サイト、気象局、ニュース等の報道機関、それらの組合わせ等がある。 【0037】なお、メディアソース16の例としては、例えば選択可能な種類の消費者電子デバイス(パーソナルコンピューター(PC)、タブレット、ノートパソコン、スマートフォン、ビデオカセットレコーダー(VCR)、CD(Compact Disc)デバイス、DVD(Digital Versatile Disc)デバイス、ケーブルテレビ信号を受信するケーブルデコーダー、パラボラアンテナ信号を受信する衛星デコーダー、様々な選択可能プログラムを格納し提供するメディアサーバー等)のような、メディアのローカルソースが挙げられる。例えば、メディアソース16には、環境内の1以上のユーザーが所有するローカルデバイスが含まれる。 【0038】図示の実施形態において、検索モジュール44は、メディアソース16において、少なくとも環境内の1以上のユーザーの活動の全体テーマに関連するコンテンツを含むメディアを検索してよい。一部の実施形態では、検索モジュール44は、メディアソース16において、コンテキストデータベース46に格納される各コンテキスト特性に関連するコンテンツを含むメディアを検索してよい。当然ながら、検索モジュール44は、カスタム、専用、既知および/または後に開発される検索および認識のコード(もしくは命令セット)、ハードウェアおよび/またはファームウェアを含んでよく、これらは一般に明確に定義され、全体テーマに関連する検索クエリを生成しメディアソース16において検索を行い該検索クエリと全体テーマとに対応するメディアソース16からメディアコンテンツを特定することができる。例えば、検索モジュール44は、検索エンジンを含んでよい。当然ながら、検索モジュール44は、他の既知の検索要素を含んでよい。 【0039】全体テーマに寄与するコンテキスト特性のうち1以上に関連するコンテンツを含むメディアが特定されると、コンテキスト管理モジュール40は、関連メディアコンテンツを受信(ダウンロード、ストリーム等)する。コンテキスト管理モジュール40は更に、コンテキストデータベース46の1以上のプロファイルのエントリーに、関連メディアコンテンツに関連するインデックスを付加してよい。より具体的には、コンテキスト管理モジュール40は、各認識モジュール(24,34,36,38)に認識されるコンテキスト特性を、メディアソース16からの関連メディアコンテンツと統合する。 【0040】コンテキスト管理モジュール40は更に、メディアソース16から得た関連メディアコンテンツに関連するデータを、メディアデバイス18に提示するために、コンテキスト出力モジュール50へ送信する。コンテキスト出力モジュール50は、メディアデバイス18が関連メディアコンテンツをユーザーに提示できるように、関連メディアコンテンツを処理し(適宜)メディアデバイス18へ送信してよい。例えば、コンテキスト出力モジュール50は、データ変換、データ圧縮、データレンダリング、データ媒体変換等、様々な形態のデータ処理を行ってよい。当然ながら、コンテキスト出力モジュール50は、音声および/または映像の処理(圧縮、変換、レンダリング、媒体変換等)を行う既知のソフトウェアおよび/またはハードウェアを有してよい。 【0041】コンテキスト出力モジュール50は、既知の無線伝送プロトコルを用いて、メディアデバイス18と無線で通信(例えば信号の送受信)を行ってよい。例えば、コンテキスト出力モジュール50はWi-Fi対応のハードウェアを含んでよく、これによりIEEE802.11規格の2012年6月時点で直近に公開されたバージョンのひとつに従う無線通信が可能となる。特定されたプロトコルの代替として、或いは特定されたプロトコルに追加して、他の無線ネットワークプロトコル規格を採用してもよい。他のネットワーク規格の例としては、Bluetooth(登録商標)、赤外線伝送プロトコル、他の仕様の無線伝送プロトコル(例えば広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN))等が挙げられる。 【0042】メディアデバイス18は、コンテキスト出力モジュール50から関連メディアコンテンツを受信すると、環境内の1以上のユーザーに関連メディアコンテンツを提示してよい。関連メディアコンテンツには、例えば画像、映像コンテンツ(映画、テレビ番組等)、音声コンテンツ(音楽等)、電子書籍コンテンツ、ソフトウェアアプリケーション、ゲームアプリケーション等の、メディアデバイス18に提示可能な任意の種類のデジタルメディアが含まれてよい。メディアコンテンツは、例えばディスプレイ52および/またはスピーカー(図示なし)を介して、視聴者に対して視覚的かつ/または聴覚的に、メディアデバイス18に提示されてよい。メディアデバイス18は、テレビ、電子掲示板、電子看板、パーソナルコンピューター(デスクトップ型、ラップトップ型、ネットブック、タブレット型等)、電子書籍、携帯電話(スマートフォン等)、音楽プレーヤー等の、任意の種類のディスプレイ52を有してよい。」 F「【0043】次に、図4を参照する。図4は、本開示の様々な実施形態に係るシステム10を含む環境の一般的な図である。図示のように、環境は概して、ユーザー100(1)~100(4)を収容する第1の部屋(部屋A)と、ユーザー100(5)を収容する第2の部屋(部屋B)とを含む。図示の実施形態において、メディア配信システム12aは、部屋A内に配置され、メディアデバイス18(1)~18(3)のうち少なくとも1つと通信(例えば信号の送受信)を行ってよい。 【0044】上述のように、環境内における1以上の所望の場所にセンサー(図示なし)が配置されてよい。一実施形態では、例えばセンサーは、各メディアデバイス 18(1)~18(3)に組み込まれてよい。そのようなものとして、メディアデバイス18(3)はユーザー100(1)およびユーザー100(2)に近接するので、メディアデバイス18(3)のセンサー(例えばカメラおよびマイク)は、ユーザー100(1)およびユーザー100(2)の画像および声データをキャプチャしてよい。同様に、メディアデバイス18(2)のセンサーは、近接を要因として、ユーザー100(3)およびユーザー100(4)に関連するデータをキャプチャしてよい。メディアデバイス18(1)はユーザー100(5)を収容する部屋B内にあるので、メディアデバイス18(1)のセンサーは、部屋Bおよびユーザー100(5)に関連するデータをキャプチャしてよい。 【0045】したがって、メディア配信システム12aは、各メディアデバイス18(1)~18(3)のセンサーによりキャプチャされたデータに関連付けられたコンテキスト特性を特定してよい。例えば、メディア配信システム12aは、ユーザー100(1)およびユーザー100(2)に関連するコンテキスト特性を特定してよく、特に、該ユーザー間の交流(例えば会話)の全体テーマ(トピック)を判定してよい。同様に、メディア配信システム12aは、他のユーザー100(3)~100(5)および全体テーマに関連するコンテキスト特性を特定してよい。メディア配信システム12aは更に、関連デバイス18(1)~18(3)に表示するものとして、全体テーマに関連するコンテンツを含むメディアを検索してよい。 【0046】例えば、ユーザー100(1)およびユーザー100(2)が特定の有名人に関する最近のゴシップについて話しているとする。そのようなものとして、メディア配信システム12aは、少なくとも会話の音声認識に基づいて、会話のトピック(例えば有名人のゴシップ)を特定してよい。次に、メディア配信システム12aは、メディアソースで検索を行い、該有名人のゴシップに関連するコンテンツを含むメディアを特定し、該関連メディアコンテンツをメディアデバイス18(3)に表示するものとして送信してよい。関連メディアコンテンツの例としては、該有名人に関連するオンラインゴシップ誌が提供するデジタルコンテンツ、該有名人の最近の写真等が挙げられる。 【0047】同様に、ユーザー100(3)およびユーザー100(4)が最近のクルージング休暇について話しているとする。メディア配信システム12aは、会話のトピック(例えばクルージングおよび/または目的地)を特定し、クルージングおよび/または目的地に関するコンテンツを有するメディアを検索して特定し、該関連メディアコンテンツをメディアデバイス18(2)に送信してよい。ユーザー100(5)は別の部屋(部屋B)におり、明らかに他のユーザーと会話をしていないが、部屋Bおよびユーザー100(5)の1以上のコンテキスト特性に関連するメディアコンテンツを、ユーザー100(5)に提示してよい。例えば、ユーザー100(5)が食器を洗っており、コンテキスト特性がこの行動に対応するものとする。そのようなものとして、メディア配信システム12aは、食器洗いに関連するコンテンツ(例えば食器用洗剤の広告)を含むメディアを特定してよく、また、そのようなメディアコンテンツを、ユーザー100(5)に提示するためにメディアデバイス18(1)へ送信してよい。 【0048】図5を参照する。図5は、本開示に係る、メディアを適応配信する方法500の一実施形態を示すフローチャートである。方法500は、環境をモニタリングするステップ(510)と、該環境および該環境内の1以上のユーザーに関連するデータをキャプチャするステップ(520)とを含む。データは、複数のセンサーのうち1つによってキャプチャされてよい。該データは、該環境および該環境内の1以上のユーザーの様々な特性を検出する様々なセンサーによってキャプチャされてよい。該センサーには、少なくとも1つのカメラと少なくとも1つのマイクとが含まれてよい。 【0049】環境および該環境内のユーザーの1以上のコンテキスト特性は、キャプチャされたデータから特定されてよい(ステップ530)。具体的には、認識モジュールは、関連センサーによってキャプチャされたデータを受信してよい。この場合、各認識モジュールは、該キャプチャされたデータを分析して、以下のコンテキスト特性のうち1以上、すなわち1以上のユーザーの個人的特性と、1以上のユーザーのジェスチャー等の物理的動作と、環境内の1以上の物体と、1以上のユーザー間の会話の主題とのうち1以上を判定してよい。 【0050】方法300は更に、該コンテキスト特性に関連するコンテンツを含むメディアを特定するステップ(540)を含む。例えば、上述のコンテキスト特性のうち1以上に関連するコンテンツを含むものとして、ウェブコンテンツ(例えばニュース記事、写真、音楽)等のメディアが特定されてよい。関連メディアコンテンツは、環境内のユーザーに対して提示される(ステップ550)」 G「図4 」 ここで、図4の記載から、複数のユーザーを収容する部屋A内にはメディア配信システム12a、メディアデバイス18(2)、及び18(3)が配置されていることが見て取れる。 (イ)上記記載から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「メディア配信システムと、少なくとも1つのセンサーと、メディアソースと、少なくとも1つのメディアデバイスとを有するシステムであって(A)、前記センサーは複数のユーザーを収容する部屋A内に配置されるメディアデバイスに組み込まれるセンサーであって(F、G)、前記センサーはカメラ及びマイクからなり(B、F)、前記メディアデバイスは前記カメラ及び前記マイクによって、前記メディアデバイスに近接するユーザーに関連するデータとして画像および声データをキャプチャするものであって(B、C、F)、前記メディア配信システムは、前記センサーによってキャプチャされたデータに関連付けられたコンテキスト特性を特定してもよく、前記コンテキスト特性は、例えば、1以上のユーザーの個人的特性、1以上のユーザーのジェスチャー等の物理的動作、環境内の物体、ユーザー間のコミュニケーションの主題等であって、前記メディア配信システムは、特に、前記ユーザー間の会話の音声認識に基づいて、例えば、有名人のゴシップ、クルージングおよび/または目的地などの前記会話の全体テーマを判定してもよいものであって(A、D、F)、前記メディア配信システムは音声認識モジュールを備えるものであって(D)、前記音声認識モジュールは前記マイクによってキャプチャされた前記声データを受信し前記会話の全体テーマを示す1以上のキーワードを特定してもよいものであって(D)、更に、前記メディア配信システムはコンテキスト管理モジュールを有するものであり(E)、前記コンテキスト管理モジュールはテーマ判定モジュールおよび検索モジュールを含んでもよいものであって(E)、前記音声認識モジュールは、前記会話の全体テーマに関連するデータを前記コンテキスト管理モジュールに提供してよいものであって(E)、前記コンテキスト管理モジュールに含まれる前記テーマ判定モジュールは、前記音声認識モジュールから受信された前記コンテキスト特性を分析し、該コンテキスト特性に基づいて、前記会話の全体テーマを判定してよいものであって(E)、前記コンテキスト管理モジュールは前記テーマ判定モジュールにより前記会話の全体テーマが判定されると、メディアソースと通信を行い、該全体テーマに関連するコンテンツを含むメディアである関連メディアコンテンツを前記検索モジュールによって検索し特定してよいものであって(E、F)、前記コンテキスト管理モジュールは更に、前記メディアソースから得た前記関連メディアコンテンツを、コンテキスト出力モジュールへ送信するものであって(E、F)、前記コンテキスト出力モジュールは、前記メディアデバイスが前記関連メディアコンテンツを前記ユーザーに提示できるように、関連メディアコンテンツを処理し前記メディアデバイスに送信してよいものであって(E、F)、前記メディアデバイスは、例えばディスプレイおよび/またはスピーカーを介して前記ユーザに対して前記関連メディアコンテンツを視覚的かつ/または聴覚的に提示するものである(E、F)システム。」 イ 引用文献2 (ア)同じく当審の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2009-294790号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。 「【0001】この発明は、自動車用情報提供システムに関する。【背景技術】 【0002】特開2003- 30234号公報 特開2008- 5175号公報 【0003】特許文献1には、職場における社内電子メールや内線電話の利用者が入力ないし発話した自然言語文を形態素解析し、当該言語文に含まれるキーワードの出現頻度に基づいて利用者の個人興味を特定する技術が提案されている。また、特許文献2には、会議出席者の発話情報を音声変換して形態素解析し、含まれるキーワードの出現頻度に基づいて会議情報に対する興味度を特定する技術が提案されている。利用者の発話内容を解析して、その単語頻度に基づき興味情報を特定する上記技術は、自動車内の情報提供システムにも応用できる。すなわち、自動車の乗員の車内発話内容を音声認識し、そのキーワード出現頻度に基づいて乗員の興味対象を特定することにより、適合する情報(例えば、カーナビゲーションシステムの案内対象となる目的地や、情報コンテンツなど)を検索・出力することが可能となる。」 「【0065】辞書登録されているのは、被提供情報ンテンツ内容を絞り込むのに有効なキーワード、例えば、情報のジャンル(カー用品、娯楽、食事など)、商品やサービスの種別(タイヤ、スキーなど)、季節、固有名詞(地名、人名、店名など)等を直接反映したキーワード(上記会話内であれば「」にて囲んだキーワード)のみがキーワード辞書109cに登録されている。従って、上記会話を単語分解してキーワード辞書109cと照合すれば「」にて囲んだキーワードのみが抽出されることになる。 【0066】なお、キーワード辞書109cにはキーワード辞書更新手段として機能する辞書ツールが付随している。該辞書ツールは定期的に実行され、インターネット1170あるいはその他の通信網を介して辞書配信サーバーに、季節、流行ないし最新トピックに関係する新キーワード群を含んだキーワード更新情報の配信を要請するとともに、受信取得したキーワード更新情報によりキーワード辞書109cを更新する。具体的には、キーワード更新情報に新しいキーワードが含まれていればこれを追加し、逆に特定のキーワードの削除指示情報が含まれていればこれを削除する。例えば、季節固有のキーワード(例えば、「雪」、「スキー」、「スタッドレス」などの冬期特有のキーワード)は、その季節に対応付けられた特定期間(例えば、11月~4月)に期間限定して辞書登録し、該特定期間が過ぎれば辞書から削除する。 【0067】キーワードの抽出と並列に、当該キーワードが発話されたときの精神状態が前述のエコー測定により随時モニタリングされている。精神状態分析ソフトウェア109eの実行により、その精神状態に対応する精神ポイントが特定され(図12下参照)、さらに、抽出されたキーワード及び発話したユーザーの特定情報(ユーザー名)と対応付けた形で、フラッシュメモリ109内のキーワードメモリ(興味抽出用母データ蓄積メモリ:興味抽出用母データ蓄積手段)に記憶・蓄積される。なお、車内での話題は刻々移り変わるものなので、ユーザー間で現在注目されている興味対象を的確に特定するために、上記のキーワードメモリは、直近所定期間内に抽出されたキーワードのみを蓄積し、当該所定期間経過後の蓄積済キーワードが順次削除されるようになっている。当該期間は、カレンダークロック153(計時手段)が計時する現在時刻に至る一定期間(例えば5分~60分)として定めることができる。なお、キーワードメモリを一定容量のFIFOメモリと(先入れ/先出しメモリ)として構成し、データ蓄積が進んで残メモリ容量がなくなったとき、最も古い興味抽出用母データから順に排出・消去するようにしてもよい。 【0068】以下、上記自動車用情報提供システム534の動作について説明する。図8は主処理の流れを示すものであり、まず、S205にてキーワード抽出処理が実行される。図9は、S205の流れの詳細を示すものである。車内でユーザーが会話すると、その内容が座席毎のマイク131(図2)により取り込まれ(S301)、会話内容が音声認識により文字列化され単語分解された後、キーワード辞書109c(図1)との照合によりキーワード抽出がなされる(S302)。次に、S303ではエコー測定ユニット112を用いた前述の方法により、そのキーワードを発したユーザーの精神状態を特定する。 【0069】図10及び図11は、精神状態特定処理の流れを示すものである。図10は、前述のごとく、複数用意された第一エコー測定部のうち最適位置のものがどれであるかを特定する処理を示すものである。まず、S501では、着座センサ520により、人(ユーザー)がシートに座ったことを確認するとともに、S502では、その座った人(ユーザー)を顔カメラ521による撮影・照合により特定する。この後、特定されたユーザーの第一エコー測定部の最適位置に係る設定データがあるかどうかをS503で判定し、なければS504に進み、最適位置を特定する処理となる(設定データがあればS504をスキップする)。 【0070】S504では、第二エコー測定部の測定用超音波送信部1090の位置は固定とし、スイッチ1030の切替により複数の第一エコー測定部の測定用超音波送信部1070を順次駆動するとともに、加算器1060の出力を差分波形として取得し、さらに周波数時間変化波形に変換する。そして、その周波数時間変化波形の振幅が最大となる測定用超音波送信部1070を特定し、ユーザー名とともにメモリに保存する。 【0071】S505では、特定されたユーザー名に対応する第一エコー測定部の位置を測定条件として設定し、S506ではその測定条件を保存する。その後、図11に示す測定フローが起動される。S601では、超音波の照射時間を設定する。照射時間は、例えば測定する心拍数または呼吸数の一周期分以上の時間が確保されていればよい(例えば、2~5秒)。その後、S602で特定した測定用超音波送信部1070が動作するようにスイッチ1030(図4)を切り替えた後、超音波を発射する。そして、S603でエコー波形を測定する。S604では経過時間を判断し、S601で設定済の測定時間が経過したかを判断し、経過していればS605で次に図9の主処理が次に起動されるタイミング(例えば1~60秒)を設定して終了する。 【0072】図9に戻り、S304、S306及びS310で、特定された精神状態に対応する精神ポイント値を取得する。S307では、当該のキーワードを、ユーザー名及び精神ポイントと対応付けて、興味抽出用母データとしてキーワードメモリに記憶・蓄積する。図13は第一会話例を、そのキーワード抽出と精神ポイント付与形態とともに示すものである。抽出されたキーワードは「」で囲んで示しており、取得された精神ポイントをその右側に上付き文字で示している。図14は対応するキーワードメモリの蓄積内容を示すものである。興味分析ソフトウェア109aの実行により、該キーワードメモリの蓄積内容は、図15に示すように、キーワード毎に精神ポイントの合計値(総ポイント)が計算され、統計データ化される。 【0073】次に、図8ではS200に進み、精神ポイントの合計値が最も高いキーワード(以下、第一キーワードという)を含む目的地を目的地データベース21d上で検索する。図15からも明らかな通り、該当するキーワードは「雪」及び「タイヤ」である。また、検索サイトを経由したインターネット上での情報検索も行なう。なお、検索開始のトリガは、検索開始用に予め定められたキーワードをユーザーの誰かが発話したとき、これを音声認識することにより与えられる。図13においては、具体的に、TAKASHIが発話した当該キーワードである「検索」を検出して検索が開始されている。 【0074】図13において、単にキーワードの出現頻度にのみ着目してみれば、話題の中心になっている「雪」や「タイヤ」あるいは「スタッドレス」等のキーワードに加え、「バス」の出現頻度もそれらに次いで高い。しかし、会話の流からも明らかなように、「バス」を最初に発話したHITOMIは、おととしの辛いバス旅行の思い出を不愉快に語っており、図12のBないしAの不愉快度の高い精神状態が検出されたことを受けて、該HITOMIの発した「バス」については、精神ポイントが負値である-1が付与されている。これを受けたTAKASHIの発言においても、二度現れる「バス」について精神ポイントは0及び-1となっている。その結果、「バス」については出現頻度は比較的高い3でありながら、精神ポイントの合計値は-2となり、目的地検索には採用されない。 【0075】図8に戻り、S220では、検索された目的地につき、HDD121内の出力履歴データ21d(図9)上の目的地訪問(行先)履歴を参照して、その訪問頻度を調べる。訪問頻度が第一閾値X未満(例えばX=2)のときはであれば直ちにS240に進み、該当する目的地をモニター110上にリスト表示し、ユーザーへの選択を促す(S235)。一方、S220で訪問頻度が第一閾値X以上のときはS225に進み、該訪問頻度が第一閾値Y未満(例えばY=4)であればS250に進む。ここでは、ヒットした目的地が属する分類(サブ分類コード、あるいはジャンルコード)にて、当該のキーワードを含まない目的地も対象とする形で拡張検索を行い、その結果をモニター110上にリスト表示し、ユーザーへの選択を促す。 【0076】また、S225で訪問頻度が第一閾値Y以上になるときは、目的地が陳腐化していると判断し、S230に進む。ここでは、前述の第一キーワードと、精神ポイントの合計値が二番目に高いキーワード(以下、第二キーワードという)の論理和により目的地を拡張して検索を行い、その結果をモニター110上にリスト表示し、ユーザーへの選択を促す。図16は、そのリスト表示例を示すものであり、過去の訪問頻度が識別可能な形で個々の目的地の選択ボタン110Bを表示している(具体的には、目的地の選択ボタン110Bを訪問頻度に応じて色分けしてある)。ユーザーは、タッチパネル112から該当するボタンにタッチすることで、図17に示すように目的地設定画面122に切り替わり、確定ボタン122Fにタッチすることにより目的地設定が確定され、案内を開始させることができる。 【0077】なお、過去のアクセスにて取得した該ウェブサイトのコンテンツファイルがHDD121内のコンテンツデータ21u内に記憶されている場合は、コンテンツ提供サーバー500にはアクセスせず、該HDD121から当該のコンテンツファイルを読み出してモニター110に出力すればよい。ただし、前回のアクセスが予め定められた日時以前にさかのぼる場合には、コンテンツ提供サーバー500へのアクセスによりモニター110への出力を行なう。なお、古いコンテンツファイルは、このとき再ダウンロードしたコンテンツファイルにて上書き更新する。 【0078】ここで、図16に示すように、第一キーワードだけでは閾値以上に多数の目的地が検索され、適切な目的地選択が実行できない場合がある。この場合は、第二キーワードとの論理積により目的地候補の絞込みが可能である。図16では、第二キーワードを「雪」とし、第二キーワードがそれぞれ、「タイヤ」、「温泉」、「スキー」だった場合の、目的地リスト(選択ボタン110B)の表示例を示している。 【0079】図17は、第二キーワードを「タイヤ」として絞り込んだ場合において、タイヤショップの1つを目的地として選んだ場合の目的地設定画面122の表示例を示す。このタイヤショップのウェブサイトにはショッピングページが併設されており、アクセスボタン122sとして、該ショッピングページへのリンクボタンが設けられている。図18は、当該のショッピングページの表示画像122sを示している。」 「図13 」 「図14 」 「図15 」 ここで、図13-15の記載から、TAKASHIとHITOMIとの会話に登場する「12月」、「スキー」等の単語に対して、それぞれの単語が登場するごとに精神ポイントが設定され、各単語についての精神ポイントの累計が総ポイントとして設定されることが見て取れる。 「図16 」 ここで、図16の記載から、第1キーワード=「雪」、第2キーワード=「タイヤ」の場合に、目的地リスト110Bの表示例として「ゆきでリタイヤ」及び「オートキックス」が挙げられていることが見て取れる。 「図17 」 ここで、図17の記載から、目的地設定画面122の表示例として「ゆきでリタイヤ」が示されるとともにショッピングページへのリンクボタンが設けられることが見て取れる。 「図18 」 ここで、図18の記載から、ショッピングページの表示画像122sの表示例として複数のタイヤ製品に関する写真、メーカー、製品名、価格の情報が見て取れる。 (イ)上記記載から、引用文献2には、次の技術的事項が記載されていると認められる。 「会議や自動車内における人間の発話内容を音声変換して形態素解析し、含まれるキーワードの出現頻度、キーワード発話時の発話者の精神状態、キーワードの発話タイミングから現時点までの経過期間等の観点からの統計処理に基づいて、当該人間の興味対象を特定し、特定された興味対象に適合する目的地や製品等の情報コンテンツを検索し、当該人間に対して検索された情報コンテンツを出力すること」 ウ 引用文献3 (ア)同じく当審の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-130170号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。 「【0010】しかしながら、特許文献1~8の従来の広告等の配信システムは、テレビ電話やチャットなどネットワークを介した会話に基づいて広告等のコンテンツを抽出して出力できるものの、現実空間におけるユーザ間の会話から的確なコンテンツを抽出して配信するものではなかった。 【0011】特許文献9では、デジタルサイネージが設置された現実空間におけるユーザ間の会話から、広告対象とする言語モデルや音響モデルに合致する広告を配信するものの、コンテンツ配信の利用を促進する誘因が乏しい、という問題点があった。 【0012】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、広告等のコンテンツ配信の利用が促進されるように誘導する、会話連動システム、会話連動装置、会話連動方法、および、会話連動プログラムを提供するものである。」 「【0049】このうち、音声認識部202aは、ユーザ間の会話音声データに基づいて、音声認識を行う音声認識手段である。具体的には、音声認識部202aは、端末装置100から送信されたユーザ間の会話音声データを受信して、文字列への変換や特徴量の抽出などの音声認識を行う。例えば、音声認識部202aは、公知の音声入力技術により、会話音声データをテキストデータに変換してもよい。一例として、音声認識部202aは、動的時間伸縮法や統計的手法など公知の音声ディクテーション技術を用いて、会話音声から文字列に変換してもよい。ここで、音声認識部202aは、図2に示すように、話者認識を行うユーザ認識部202bを備える。 【0050】ユーザ認識部202bは、ユーザ間の会話音声データに基づいて、話者認識により会話中における第一ユーザを認識するユーザ認識手段である。ユーザ認識部202bは、公知の話者認識手法により、声紋など各人で異なる声の解剖学的特徴や後天的特徴を抽出して、複数のユーザ間の会話中で各ユーザがどの発言をしたかを識別してもよい。 【0051】ここで、ユーザ認識部202bは、事前に登録されたデータに基づきユーザを特定するのではなく、機械学習にて話者認識を行うことにより第一ユーザを自動認識してもよい。例えば、ユーザ認識部202bは、公知の教師無し学習手法により、端末装置100を高頻度で利用するユーザの声や、端末装置100を最初に利用したユーザの声を、第一ユーザとして認識してもよい。端末装置100が個人で所有するスマートフォンなどの電話機能付きの端末である場合、電話発信時に発話する所有者の声を第一ユーザと認識してもよい。なお、端末装置100と第一ユーザの関係は、一対一に限られず、一対多、多対多、または、多対一の関係であってもよい。なお、ユーザ認識部202bは、声紋を用いて、周波数推定、隠れマルコフモデル、パターンマッチング、ニューラルネットワーク、決定木等により話者認識を行ってもよい。 【0052】また、図2において、ユーザ属性取得部202cは、任意ユーザの位置情報、会員履歴情報、性別、年齢、嗜好、職業、その他のユーザ属性情報を取得するユーザ属性取得手段である。例えば、ユーザ属性取得部202cは、ユーザ認識部202bにより認識されたユーザの識別情報(ユーザID)や声紋特徴に基づいて、ユーザデータベース206bからユーザ属性情報を取得してもよい。このほか、ユーザ属性取得部202cは、音声認識部202aによる音声認識技術を利用して、会話音声データから直接、年齢層や性別などデモグラフィック属性情報を取得してもよい。また、ユーザ属性取得部202cは、端末装置100から送信された入力部112を介して得られた位置情報を取得してもよく、ネットワーク300中で端末装置100と接続されたアンテナ基地局や無線LA等のアクセスポイントの位置により位置情報を取得してもよい。 【0053】また、コンテンツ配信部202dは、コンテンツデータベース206aに記憶されたコンテンツデータを抽出して端末装置100に配信するコンテンツ配信手段である。本実施の形態において、コンテンツ配信部202dは、音声認識部202aにより認識された会話中の文字列やキーワード、ユーザ属性等に基づいて、コンテンツデータベース206aからコンテンツを検索して、端末装置100に送信してもよい。ここで、コンテンツ配信部202dは、初期表示のため、ユーザ属性取得部202cにより取得された任意ユーザのユーザ属性情報に基づいてコンテンツの抽出を行い、コンテンツデータを端末装置100に送信してもよい。ここで、コンテンツ配信部202dは、情報コンテンツと広告コンテンツを対応付けて抽出し端末装置100に送信してもよい。」 「【0065】(初期表示/具体化処理) つづいて、上述した基本処理を基礎とした会話連動システムのサーバ装置200の初期表示処理を含む具体化処理について説明する。ここで、図4は、本実施の形態のサーバ装置200の具体化処理の一例を示すフローチャートである。 【0066】図4に示すように、まず、サーバ装置200は、ユーザ属性取得部202cの処理により、ユーザ間の会話音声データ等からユーザ属性情報を取得して、コンテンツデータベース206bからユーザ属性に関する興味関心連動コンテンツを抽出して配信する(ステップSB-1)。ここで、ユーザ属性情報は、会員情報、位置情報、男女性別、年齢等のデモグラフィック情報である。 【0067】つづいて、サーバ装置200の音声認識部202aは、端末装置100から受信した会話音声データに基づいて音声認識を行い、キーワードを抽出する(ステップSB-2)。例えば、音声認識部202aは、動的時間伸縮法や統計的手法など公知の音声ディクテーション技術を用いて、会話音声データをテキストデータに変換してもよい。 【0068】そして、サーバ装置200の会話評価部202eは、音声認識したキーワードのうち、会話量からユーザが関心のある関心キーワードを推定する(ステップSB-3)。 【0069】そして、サーバ装置200のコンテンツ配信部202dは、抽出した関心キーワードに基づいて、コンテンツデータベース206aからコンテンツを選出し、出力部114から表示されるように端末装置100に配信する(ステップSB-4)。 【0070】コンテンツが出力部114に表示された後、更なる会話音声データがあった場合(ステップSB-5,YES)、サーバ装置200は、処理をステップSB-2に戻し、上述したステップSB-2~SB-5の処理を繰り返す。」 【0074】(利用場面におけるフロー) つづいて、本実施の形態の会話連動システムの店舗における利用場面のフローの一例について説明する。ここで、図5は、本実施の形態の会話連動システムにおける、ある利用場面の処理フローである。ここでは、美容院、歯科医院、タクシーなどセミプライベート空間にデジタル情報表示デバイスが出力部114として設置している場面を想定している。 【0075】図5に示すように、まず、本会話連動システムは、セミプライベート空間(美容院の席、歯医者の椅子、タクシー乗車等)に入った任意ユーザ(第三者)の情報(位置情報、会員履歴情報、デモグラフィック情報など)に合わせたコンテンツを表示する(ステップSC-1)。ここで、図5に示すように、本会話連動システムの端末装置100は、出力部114としてのデジタル情報表示デバイスを画面分割し、情報配信枠に情報コンテンツを表示し、広告枠に広告コンテンツを表示させてもよい。 【0076】つぎに、本会話連動システムにおいて、表示されたコンテンツをきっかけに、第一ユーザは、聞き手として、第三者(任意ユーザ)との会話を開始し、興味関心を引き出す(ステップSC-2)。 【0077】そして、本会話連動システムは、ユーザ認識部202bの制御に係る公知の声紋認識技術等により、第一ユーザ(聞き手)の声と、第三者(利用者)の声を認識し、第一ユーザの発言キーワードと、第三者の返答(肯定/否定など)により、コンテンツ配信部202dの処理により、関連するコンテンツを自動検索する(ステップSC-3)。 【0078】そして、本会話連動システムにおいて、端末装置100は、コンテンツ出力制御部102bの処理により、第一ユーザ(聞き手)との会話をトリガとして自動検索されたコンテンツを、第三者(利用者)に表示する(ステップSC-4)。」 「【0097】以上詳述に説明したように、本発明によれば、広告等のコンテンツ配信の利用が促進されるように誘導する、会話連動システム、会話連動装置、会話連動方法、および、会話連動プログラム、ならびに、記録媒体を提供することができる。」 (イ)上記記載から、引用文献3には、次の技術的事項が記載されていると認められる。 「複数のユーザの会話音声データに基づいて音声認識を行い、キーワードを抽出し、音声認識したキーワードのうち、会話量からユーザが関心のある関心キーワードを推定し、抽出した関心キーワードに基づいて、コンテンツデータベースから情報コンテンツ及び広告コンテンツを選出し、出力部から表示されるように端末装置に配信すること」 及び 「コンテンツ配信部が、音声認識部により認識された会話中の文字列やキーワード、ユーザデータベースからの取得または音声認識技術の利用により取得された性別や年齢等のユーザ属性等に基づいて、会話から推定されるユーザの関心やユーザ属性に関する興味関心に連動するコンテンツを抽出して、端末装置に配信すること」 エ 引用文献4 (ア)同じく当審の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-153972号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。 「【0020】そして、広告装置100は、ユーザ端末10から送信されるクエリに基づいて、広告主が設定した条件に沿うか否かにより広告コンテンツを検索する手法(論理演算を用いた手法)と、ユーザの興味関心と広告コンテンツの内容とのマッチングをスコアにより表現することにより広告コンテンツを検索する手法(スコア算出を用いた手法)とを併用する。このように、広告装置100は、上記の2種類の異なる手法を併用させることで、訴求効果の高い広告コンテンツを迅速に抽出する。以下、広告装置100によって行われる広告コンテンツの抽出処理の一例を流れに沿って説明する。 【0021】図1に示すように、ユーザ端末10は、広告装置100に広告コンテンツの配信を要求する(ステップS11)。かかる配信要求は、例えば、ユーザ端末10が広告枠の含まれるウェブページを取得した際に、かかる広告枠への広告コンテンツの配信要求がユーザ端末10から送信されることで発生する。 【0022】なお、ユーザ端末10は、ウェブページを提供するウェブサーバへのアクセスに際して、ウェブブラウザとウェブサーバとの間で送受信される情報であるHTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie:以下、単に「クッキー」と表記する)を送受信する。これにより、ユーザ端末10がインターネットにおいて利用したサービスの内容や、閲覧したウェブページに係る情報などのユーザの情報が記憶される。 【0023】広告装置100は、例えばクッキーに保持されるユーザの情報に基づき、かかる情報をクエリとして取得する(ステップS12)。図1の例では、広告装置100は、広告コンテンツの配信を要求するユーザ端末10のユーザから、「2」件分の広告コンテンツの配信を要求する内容のクエリを取得する。また、広告装置100は、クエリを送信しているユーザのユーザ属性が「男性」であり、「30代」であるといった情報をクエリとして取得する。また、広告装置100は、ユーザの興味関心のある行動(行動属性)として、「スポーツジム」や「筋トレ」といった情報をクエリとして取得する。そして、広告装置100は、ユーザの行動属性を示す単語とともに、ユーザの行動(例えば、ウェブページ閲覧の頻度や、ウェブショッピングにおける購買履歴など)に基づいて、「スポーツジム」や「筋トレ」といった単語毎に設定されるクエリスコアを合わせて取得する。図1の例では、ユーザ端末10を操作するユーザには、「スポーツジム」に「30」というクエリスコアが与えられており、「筋トレ」に「20」というクエリスコアが与えられているものとする。 【0024】そして、広告装置100は、取得したクエリに基づいて、論理演算による検索手法と、スコア算出による検索手法を組み合わせて、ユーザ端末10に配信する広告コンテンツを抽出する(ステップS13)。まず、広告装置100は、広告コンテンツ毎に予め設定されたスタティックスコア(静的スコア)を降順にソート(整列)させる。そして、広告装置100は、ソートさせた配信候補の広告コンテンツに対して、順に、論理演算とスコア算出の2つの手法により、配信に適した広告コンテンツを検索していく。図1では、広告装置100が、入稿された広告コンテンツと、かかる広告コンテンツに対する処理結果が示されるデータテーブル50を用いて広告コンテンツを検索する例を示す。図1に示すように、広告装置100は、まず広告コンテンツC01を処理し(ステップS13-1)、次に、広告コンテンツC02を処理し(ステップS13-2)、次に、広告コンテンツC03を処理する(ステップS13-3)。ここでは、広告コンテンツC01の検索に係る処理について説明する。 【0025】まず、広告装置100は、広告主から広告コンテンツ毎に設定された条件式をユーザ端末10のユーザが満たすか否かを論理演算し、結果を導出する。図1の例では、広告装置100は、ユーザが、広告コンテンツC01に設定された条件式である「(男性) AND (NOT:年齢:10代) AND (NOT:年齢:60代以上)」を満たすユーザか否かを演算する。図1の例では、ユーザは、広告コンテンツC01に係る条件式を満たす。よって、広告装置100は、広告コンテンツC01を配信候補の広告コンテンツとして検索することができる。なお、広告装置100は、上述したintervalアルゴリズムを利用することにより、ソートされた広告コンテンツをソートされた順に論理演算することができる。広告コンテンツC01は、広告装置100により論理条件に適合すると判定されたので、論理条件の項目に「○」が記憶される。 【0026】また、広告装置100は、上記の論理演算と併用して、広告コンテンツのスタティックスコアと、広告コンテンツの特徴を表したキーワードとクエリとの内積との合計値との和を広告コンテンツのスコアとして算出する。すなわち、広告装置100は、スタティックスコア順にソートされた広告コンテンツに対して、広告コンテンツ毎のスコアを算出していく。言い換えれば、広告装置100は、クエリと広告コンテンツの特徴量との一致の度合いをスコアとして算出し、算出されたスコアに基づいて配信に適する広告コンテンツを検索する。 【0027】図1の例では、広告コンテンツC01は、クエリに含まれる行動属性のうち、「スポーツジム」と「筋トレ」という単語に一致する特徴量である「スポーツジム」と「筋トレ」を有している。このとき、広告装置100は、データテーブル50における「特徴量」の項目に「○」を記憶する。続いて、広告装置100は、実際に広告コンテンツC01のスコアを算出する。図1の例では、広告装置100は、広告コンテンツC01に設定されたキーワードである「スポーツジム」と、クエリに含まれる「スポーツジム」との数値の積である「30×10=300」をスコアとして算出する。同様に、広告装置100は、広告コンテンツC01に設定されたキーワードである「筋トレ」と、クエリに含まれる「筋トレ」との数値の積である「20×40=800」をスコアとして算出する。そして、広告装置100は、かかる内積とスタティックスコアとの和である「300+800+90=1190」をユーザに対する広告コンテンツC01のスコアとして算出する。なお、かかる算出には、上述したWANDアルゴリズムが用いられる。このようにして、広告装置100は、高いスコア順に広告コンテンツを検索結果として導出する。図1での図示は省略しているが、広告コンテンツC02や広告コンテンツC03についても、それぞれスタティックスコアや、論理条件(条件式)や、特徴量が設定されている。そして、広告装置100は、広告コンテンツC02や広告コンテンツC03について、順に、論理演算およびスコア算出を行う。そして、広告装置100は、処理結果をデータテーブル50に記憶する。 【0028】そして、広告装置100は、広告コンテンツ毎の処理結果に基づいて、ユーザに配信する広告コンテンツを抽出する。例えば、広告装置100は、上述した2つの検索手法により、配信候補の広告コンテンツ群の中から検索された広告コンテンツC01および広告コンテンツC03を、ユーザに配信する広告コンテンツとして抽出する。そして、広告装置100は、抽出された広告コンテンツC01および広告コンテンツC03をユーザ端末10に配信する(ステップS14)。この場合、広告装置100は、クエリに含まれている配信件数を満たす広告コンテンツを抽出し、配信する。例えば、ユーザ端末10が「2」個の広告コンテンツを配信件数として要求していた場合には、広告装置100は、「2」個の広告コンテンツを抽出し、配信する。 【0029】このように、広告装置100は、広告コンテンツを抽出するためのクエリを取得し、取得されたクエリが、予め広告コンテンツごとに設定されている論理条件を満たすか否かを論理演算し、かつ、クエリと広告コンテンツの特徴量との一致の度合いを示すスコアを算出する。そして、広告装置100は、論理演算およびスコア算出によって求められた各結果を併用することにより、クエリに対応する広告コンテンツを抽出する。 【0030】すなわち、実施形態に係る広告装置100は、広告主の所望する条件式を満たす広告コンテンツか否かと、ユーザの興味関心に沿った広告コンテンツであるか否かと、2つの観点から評価された広告コンテンツを抽出することができる。これにより、広告装置100は、より広告効果が高いと想定される広告コンテンツをユーザに配信させることができる。具体的には、広告装置100は、コンバージョン(Conversion)に至る可能性の高いユーザや、CTR(Click Through Rate)が高くなる可能性の高いユーザに対して、適切な広告コンテンツを配信することができる。また、広告装置100は、上述の論理演算に係るアルゴリズムや、スコア算出に係るWANDアルゴリズムを用いることにより、配信候補である広告コンテンツを順番に処理することができるので、配信件数であるk個の広告コンテンツを迅速に抽出することができる。結果として、広告装置100によれば、訴求効果の高い広告コンテンツを迅速に抽出することができる。」 「【0042】(広告情報記憶部121について) 広告情報記憶部121は、広告主端末20から入稿された広告コンテンツに関する情報を記憶する。また、広告情報記憶部121は、入稿された広告コンテンツに対応付けて、広告主から設定される条件式を記憶する。また、広告情報記憶部121は、広告コンテンツごとに設定される特徴量(例えば、広告コンテンツの内容を示すキーワードにより表される)を記憶する。ここで、図4に、実施形態に係る広告情報記憶部121の一例を示す。図4は、実施形態に係る広告情報記憶部121の一例を示す図である。図4に示した例では、広告情報記憶部121は、「広告コンテンツID」、「スタティックスコア」、「論理条件」、「特徴量」といった項目を有する。 【0043】「広告コンテンツID」は、広告主から広告装置100に入稿された広告コンテンツを識別するための識別情報を示す。なお、実際にユーザ端末10に配信される広告コンテンツのデータは、広告装置100とは別に備えられた所定の広告配信サーバに記憶されてもよい。この場合、広告装置100は、広告情報記憶部121に記憶された広告コンテンツIDに基づいて、外部の広告配信サーバに記憶された広告コンテンツを特定する。そして、広告装置100は、広告配信サーバに対して、特定された広告コンテンツをユーザ端末10に対して配信するよう制御する。 【0044】また、以下では、図4に示した広告コンテンツIDに記憶されている識別情報を広告コンテンツの参照符号として用いる場合がある。例えば、広告コンテンツID「C11」によって識別される広告コンテンツを「広告コンテンツC11」と表記する場合がある。 【0045】「スタティックスコア」は、広告コンテンツに設定されたスタティックスコアの値を示す。スタティックスコアは、広告コンテンツ毎に予め与えられるスコアであって、例えば、広告入札額などに基づいて設定される。なお、スタティックスコアは、広告装置100の管理者等によって人為的に設定されてもよい。 【0046】「論理条件」は、広告コンテンツ毎に設定される、論理式を用いた条件式を示す。広告主は、広告コンテンツを入稿する際に論理条件を設定する。これにより、広告主は、広告コンテンツを配信させるユーザを選択したり、特定の属性を有するユーザのみに広告コンテンツを配信させるよう配信対象を絞り込んだりすることができる。 【0047】「特徴量」は、単語(キーワード)と数値の組み合わせによって、広告コンテンツの特徴を示す情報である。特徴量に係るキーワードは、広告コンテンツの内容を説明する単語であり、例えば、広告コンテンツが配信対象として抽出される際に参照される。また、特徴量に係る数値は、例えば、クエリスコアと掛け合わされることにより、広告コンテンツの抽出の際のスコアを形成する要素として用いられる。すなわち、特徴量に係る数値が高いほど、広告コンテンツの特徴を強く表すものといえる。特徴量は、入稿された広告コンテンツに含まれるテキストや画像が示す宣伝内容等に基づいて、自動的に設定される。例えば、特徴量は、広告コンテンツに含まれるテキストデータを形態素解析することによって得られる。なお、特徴量は、広告主や広告装置100の管理者等によって人為的に設定されてもよい。 【0048】すなわち、図4では、広告コンテンツID「C11」によって識別される広告コンテンツは、スタティックスコアが「80」であり、設定されている論理条件が「(年齢:10代or20代or30代) AND (性別:男性)」であり、特徴量は「サーフィン:10」と「海:5」で表されていることを示している。 【0049】(ユーザ情報記憶部122について) ユーザ情報記憶部122は、ユーザに関する情報を記憶する。具体的には、ユーザ情報記憶部122は、広告装置100に広告コンテンツの配信を要求するユーザ属性や、行動属性に関する情報を記憶する。 【0050】ここで、図5に、実施形態に係るユーザ情報記憶部122の一例を示す。図5は、実施形態に係るユーザ情報記憶部122の一例を示す図である。図5に示した例では、ユーザ情報記憶部122は、「ユーザID」、「ユーザ属性」、「行動属性」といった項目を有する。 【0051】「ユーザID」は、ユーザ端末10、及びユーザ端末10を操作するユーザを識別する識別情報である。図5において、ユーザIDは、「U11」と表記される。これは、ユーザ端末10がユーザID「U11」により識別されていることを示すとともに、ユーザ端末10は「ユーザU11」によって操作されていることを示すものとする。 【0052】「ユーザ属性」は、ユーザの属性情報を示す。ユーザ属性は、例えば、ユーザの性別や、年齢や、嗜好などに関する情報が含まれる。かかるユーザ属性は、広告装置100による論理演算の要素として用いられる場合がある。 【0053】「行動属性」は、ユーザ(すなわち、ユーザ端末10)の行動属性を示す。行動属性は、例えば、ネットワーク上で取得される情報に基づいて、ユーザの行動の特徴を示したものである。例えば、行動属性は、クッキー等に基づいてユーザの行動が分析された結果、かかるユーザの興味関心を示すと想定される情報であり、例えば、行動の内容と数値(スコア)によって示される。かかる行動属性がクエリとして用いられる場合、行動属性に含まれる行動の内容と、広告コンテンツが有する特徴量との一致が判定され、また、両者の数値の積が広告コンテンツのスコアとして算出される。なお、行動属性に係る行動内容と数値は、ユーザの行動履歴によって自動的に決定されるのみならず、人為的に設定されてもよい。また、行動属性に係る行動内容と数値は、広告コンテンツの配信が要求された際に、かかる広告枠を含むウェブページの特性などにより調整されてもよい。例えば、スポーツジムに関係するウェブページに表示する広告コンテンツが配信される場合には、ユーザから送信されるクエリに含まれる「スポーツジム」の数値が通常よりも上昇するなどの調整が行われてもよい。 【0054】すなわち、図5では、ユーザID「U11」によって識別されるユーザ端末10は、ユーザ属性が「男性」、「30代」、「趣味:筋トレ」であり、行動属性が「スポーツジム:30」、「筋トレ:20」であることを示している。 【0055】なお、図5では図示することを省略したが、ユーザ情報記憶部122には、ユーザ端末10自体を識別する情報であるデバイスID等を記憶してもよい。デバイスIDは、ユーザIDと異なり、端末装置自体に記録されている識別情報を示す。また、ユーザ情報記憶部122は、広告装置100の内部に存在せず、例えば外部に接続された所定のログ記憶サーバなどであってもよい。この場合、後述する取得部132は、ネットワークNを介して、所定のログ記憶サーバに記憶されているログを取得することができる。 【0056】(演算テーブル123について) 演算テーブル123は、広告コンテンツの抽出に用いられるデータテーブルである。演算テーブル123は、例えば、広告情報記憶部121に記憶されている広告コンテンツを、スタティックスコアの降順にソート(整列)させて形成される。また、演算テーブル123は、後述する論理演算部135や、スコア算出部136による処理の結果についても記憶する。ここで、図6に、実施形態に係る演算テーブル123の一例を示す。図6は、実施形態に係る演算テーブル123の一例を示す図である。図6に示した例では、演算テーブル123は、「広告コンテンツID」、「スタティックスコア」、「論理条件ヒット」、「特徴量ヒット」、「抽出対象」といった項目を有する。 【0057】「広告コンテンツID」および「スタティックスコア」は、図4で説明した同項目に対応する。 【0058】「論理条件ヒット」は、論理演算部135による論理演算の結果、広告コンテンツがクエリを満たしているか否かという結果を示す。例えば、広告コンテンツに設定された論理条件が、ユーザから送信されたクエリに含まれるユーザ属性を満たしている場合には、「論理条件ヒット」の項目には「○」が記憶される。一方、広告コンテンツに設定された論理条件が、ユーザから送信されたクエリに含まれるユーザ属性を満たしていない場合には、「論理条件ヒット」の項目には「×」が記憶される。 【0059】「特徴量ヒット」は、スコア算出部136による算出に際して、スコア算出部136による算出をスキップするか否か、という結果を示す。例えば、広告コンテンツを示す特徴量を示すキーワードがユーザから送信されたクエリに含まれており、かつ、スコア算出がスキップされない場合には、「特徴量ヒット」の項目には「○」が記憶される。一方、広告コンテンツを示す特徴量を示すキーワードがユーザから送信されたクエリに含まれていなかったり、WANDアルゴリズムを用いることにより、すでに上位のスコアを超えるスコアが算出されないことが自明であったりする場合、言い換えれば、スコア算出がスキップされる場合には、「特徴量ヒット」の項目には「×」が記憶される。 【0060】「抽出対象」は、広告コンテンツが抽出対象であるか否かを示す。広告コンテンツが抽出対象となるか否かについては、例えば、後述する抽出部137によって任意に設定されてよい。例えば、抽出部137が、「論理条件ヒット」を最低限の抽出対象とすると設定した場合には、「論理条件ヒット」の項目が「×」の広告コンテンツは、抽出対象とならないため、「×」が記憶される。なお、詳しくは後述するが、「抽出対象」の項目は、ユーザ端末10に配信される広告コンテンツの数によっても、抽出対象とされるか否かが変化する場合がある。 【0061】すなわち、図6では、広告コンテンツID「C13」によって識別される広告コンテンツは、スタティックスコアが「100」であり、論理条件ヒットが「○」であり、特徴量ヒットが「○」であり、かかる処理結果を受けて、抽出対象として「○」であることを示している。」 (イ)上記記載から、引用文献4には、次の技術的事項が記載されていると認められる。 「より広告効果が高いと想定される広告コンテンツをユーザに配信するために、広告装置が、広告情報記憶部に記憶された広告コンテンツに関する情報を用いて、各広告コンテンツに予め設定される性別や年齢等のユーザの属性について論理式を用いた条件式を満たす広告コンテンツか否かの観点と、ユーザの興味関心を示すと想定される情報と各広告コンテンツの内容を説明する単語であって当該広告コンテンツの特徴を示す特徴量とのマッチングを表現したスコアを用いてユーザの興味関心に沿った広告コンテンツであるか否かの観点の、2つの観点から評価された広告コンテンツを抽出し、抽出された広告コンテンツをユーザ端末に配信すること」 オ 引用文献5 (ア)同じく当審の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012-59182号公報(以下「引用文献5」という。)には、次の記載がある。 「【0009】 本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ユーザの興味に応じた流行の検索クエリを提示し、ユーザの情報検索を支援することを解決課題とする。」 「【0019】 クエリログ分析処理は、クエリログ分析処理手段(各機能部13~16.ユーザ別クエリ情報テーブル17)により実行される。すなわち、固有表現リスト抽出機能部13は、前記テーブル12の保存された固有表現から固有表現リストL1を作成し、クエリログフィルタリング機能部14は検索エンジン3のクエリログDB4に記録されたクエリログを前記リストL1の番組固有表現に限定する。また、急上昇ワード抽出機能部15は、前記限定されたクエリログ中で出現頻度が急上昇している流行の検索クエリ、即ち急上昇ワードを抽出し、急上昇ワードリストL2を作成する。さらに、ユーザ別クエリ情報テーブル作成機能部16は、前記限定されたクエリログをユーザ毎に分類したユーザ別のクエリ情報をユーザ別クエリ情報テーブル17に保存する。 【0020】 ユーザ興味分析処理は、ユーザ興味分析処理手段(各機能部18~20.各テーブル21~23)により実行される。ここではユーザ興味分析機能部18は、前記テーブル12.17の保存情報に基づきユーザ別番組興味度を求め、ユーザ興味テーブル21に保存する。また、2次固有表現テーブル作成機能部19は、前記テーブル12の前記固有表現に応じた前記リストL2の急上昇ワードを2字固有表現テーブル22に保存する。さらに、ユーザ興味語抽出機能部20は、前記テーブル21.22の保存情報に基づき急上昇ワードに対する各ユーザの興味度を求め、該興味度をユーザ興味語テーブル23に保存する。 【0021】 推薦クエリ出力処理は、推薦クエリ出力処理手段(ユーザ興味語取得機能部24)により実行され、ユーザ端末2に入力されたユーザIDに応じて前記テーブル23の情報を取得する。この取得情報中、興味度の順に任意数のワード、即ち前記固有表現に応じた急上昇ワードを推薦クエリとして、ユーザ端末2に返信するため、ユーザの興味に応じた流行の検索クエリが提示される。」 「【0032】 そして、前記機能部15は、フィルタリング処理後に残った各検索ワードのクエリログ中における出現頻度を単位時間毎に抽出し、抽出された各時間単位の出現頻度を比較する。比較の結果、過去の出現頻度に比べて異常に上昇(増加)しているL個の検索ワードを急上昇ワードとして抽出し、前記リストL2を作成する(急上昇ワード抽出ステップ)。前記リストL2の作成にあたっては3シグマ法(3σ法)など管理図を利用した手法を用いてもよい。また、あらかじめ任意の閾値を設定し、過去の出現頻度に対して該閾値を超える割合で出現頻度が増加していれば、急上昇ワードとして抽出してもよい。なお、作成された前記リストL2も、メモリ(RAM)あるいはハードディスクライブ装置に記憶・保存される。」 (イ)上記記載から、引用文献5には、次の技術的事項が記載されていると認められる。 「ユーザの興味に応じた流行の検索クエリを提示する際に、各検索ワードのクエリログ中における出現頻度を単位時間毎に抽出し、抽出された各時間単位の出現頻度を比較した結果、過去の出現頻度に比べて異常に上昇(増加)しているL個の検索ワードを急上昇ワードとして抽出する際に、あらかじめ任意の閾値を設定し、過去の出現頻度に対して該閾値を超える割合で出現頻度が増加していれば、急上昇ワードとして抽出すること」 カ 引用文献6 (ア)本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012-141682号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の記載がある。 「【0007】 本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、視聴者の関心の対象を示すトレンドワードに基づいて広告コンテンツを動的に生成することで、視聴者に対して訴求力の高い効果的な広告を提供することにある。」 「【0041】 次いで、広告情報更新部501のトレンドワード抽出部503は、検索ログ取得部502の取得した検索ログ集計データの所定時間毎の検索回数(頻度)から検索回数が上昇した検索クエリをトレンドワードとして抽出する(ステップS103)。すなわち、所定時間毎の検索回数(頻度)の値を直前の時間帯の値と比較し、差分が所定の閾値を超えた場合にトレンドワードとして抽出する。例えば、「コーギー」をトレンドワードとして抽出する。 【0042】 次いで、広告情報更新部501の広告DB検索部504は、トレンドワード抽出部503の抽出したトレンドワードに基づいて広告DB509を検索する(ステップS104)。例えば、図3の広告DB509の「キーワード」欄をトレンドワード「コーギー」で検索することにより、広告パーツと広告テンプレートとが特定される。 【0043】 次いで、図5に戻り、広告情報更新部501の広告パーツ・テンプレート取得部505は、広告DB検索部504の検索結果から対応する広告パーツと広告テンプレートを取得する(ステップS105)。トレンドワード「コーギー」の検索結果からは、図3のコーギーの画像と、「六本木ペットショップ」の広告テンプレートとが取得される。 【0044】 次いで、図5に戻り、広告情報更新部501の広告情報生成部506は、広告パーツ・テンプレート取得部505の取得した広告パーツと広告テンプレートから広告コンテンツを生成する(ステップS106)。例えば、広告テンプレートにおける画像の組み込み位置には画像表示用のタグとダミーの画像ファイル名が埋め込まれており、広告パーツの画像ファイル名をダミーの画像ファイル名と置き換えることで広告コンテンツを生成する。図6は、図3のコーギーの画像と「六本木ペットショップ」の広告テンプレートから生成された広告コンテンツの例を示している。」 (イ)上記記載から、引用文献6には、次の技術的事項が記載されていると認められる。 「視聴者の関心の対象を示すトレンドワードに基づいて広告コンテンツを動的に生成することで、視聴者に対して訴求力の高い効果的な広告を提供する際に、広告情報更新部501のトレンドワード抽出部503は、検索ログ取得部502の取得した検索ログ集計データの所定時間毎の検索回数(頻度)から検索回数が上昇した検索クエリをトレンドワードとして抽出する、すなわち、所定時間毎の検索回数(頻度)の値を直前の時間帯の値と比較し、差分が所定の閾値を超えた場合にトレンドワードとして抽出すること」 (3)引用発明との対比 本件補正発明と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア 引用発明の「ユーザー」は、本件補正発明の「ユーザ」に相当し、引用発明の「複数のユーザーを収容する部屋A」は、本件補正発明の「複数のユーザが属する所定の空間」に相当する。 引用発明の「複数のユーザーを収容する部屋A内に配置されるメディアデバイス」は、本件補正発明の「複数のユーザが属する所定の空間内に設置された装置」に相当する。 引用発明の「複数のユーザーを収容する部屋A内に配置されるメディアデバイスに組み込まれるセンサー」は、本件補正発明の「複数のユーザが属する所定の空間内に設置された装置が有するセンサ」に相当する。 引用発明の「キャプチャ」は、カメラ及びマイクからなるセンサーによって、複数のユーザが属する所定の空間内に設置された装置が有するセンサが検知した環境内の情報を画像や音データとすることであるから、本件補正発明の「検知」に相当する。 引用発明の「前記メディアデバイスに近接するユーザーに関連するデータとして」キャプチャされる「声データ」はマイクを含むセンサーによってキャプチャされる部屋A内の情報であるから、本件補正発明の「当該空間内の情報であるセンシング情報」に相当する。 さらに、引用発明の「前記メディアデバイスに近接するユーザーに関連するデータ」としてキャプチャされる「声データ」は、「音声認識モジュール」によってキャプチャされる「ユーザー間の会話」に関するデータを含むことから、本件補正発明の「複数の前記ユーザが発した音声に関する情報である音声情報」に相当する。 よって、引用発明の「音声認識モジュール」は、本件補正発明の「複数のユーザが属する所定の空間内に設置された装置が有するセンサが検知した当該空間内の情報であるセンシング情報として、複数の前記ユーザが発した音声に関する情報である音声情報を取得する取得部」に相当する。 イ 引用発明の「前記会話の全体テーマ」は、複数のユーザー間の会話の音声認識に基づいて、例えば、有名人のゴシップ、クルージングおよび/または目的地など、会話に関わる複数のユーザー全体の関心を示すものであり、メディアデバイスは、当該会話の全体テーマに関連した関連メディアコンテンツを視覚的かつ/または聴覚的に会話を行うユーザーに対して提示するものであることからユーザに利用される装置といえる。 よって、引用発明の「前記会話の全体テーマ」は、本件補正発明の「前記装置を利用する複数の前記ユーザ全体の関心」に相当する。 引用発明の「音声認識モジュール」は、「前記マイクによってキャプチャされた前記声データを受信し前記会話の全体テーマを示す1以上のキーワードを特定してもよいもの」である。 また、引用発明の「テーマ判定モジュール」は、「前記音声認識モジュールから受信された前記コンテキスト特性を分析し、該コンテキスト特性に基づいて、前記会話の全体テーマを判定してよいもの」であることから、前記会話の全体テーマを判定する機能を有しているといえ、当該機能を実現するための判定部を有しているといえる。 よって、引用発明の「音声認識モジュール」及び「テーマ判定モジュール」は、本件補正発明の「判定部」と、「取得部によって取得されたセンシング情報に基づいて、前記センサを有する前記装置を利用する複数の前記ユーザ全体の関心を判定する判定部」という点で共通する。 ウ 引用発明の「関連メディアコンテンツ」は、本件補正発明の「広告又はレコメンド」と「ユーザに提示される情報」という点で共通する。 引用発明の「メディアソース」には、検索モジュールによって検索される検索対象となるメディアコンテンツのデータを保持するための記憶部が備えられていることは明らかであるから、引用発明の「メディアソース」は、各コンテキスト特性に関連するコンテンツを含むメディアを保持するための「記憶部」を備えているといえる。 このことから、引用発明の「メディアソース」は、本件補正発明の「記憶部」と、「ユーザに提示される情報を保持する記憶部」という点で共通する。 よって、引用発明の「検索モジュール」は、メディアソースにおいて前記会話の全体テーマに関する検索を行って関連メディアコンテンツを検索し特定し得るものであることから、「関連メディアコンテンツ」を選択する機能を有しているといえ、当該機能を実現するための「選択部」を有しているといえる。 してみると、引用発明の「検索モジュール」は、本件補正発明の「前記判定部によって判定された関心と、記憶部に記憶された広告又はレコメンドに予め設定されたターゲット情報に基づいて、前記ユーザに提案する広告又はレコメンドを選択する選択部」と、「前記判定部によって判定されたユーザ全体の関心に基づいて、ユーザに提示する情報を選択する選択部」という点で共通する。 エ 引用発明の「コンテキスト管理モジュール」は、「前記テーマ判定モジュールにより前記会話の全体テーマが判定されると、メディアソースと通信を行い、該全体テーマに関連するコンテンツを含むメディアである関連メディアコンテンツを前記検索モジュールによって検索し特定してよいもの」であるとともに「前記メディアソースから得た前記関連メディアコンテンツを、コンテキスト出力モジュールへ送信するもの」である。 そして、引用発明の「コンテキスト出力モジュール」は、「前記メディアデバイスが前記関連メディアコンテンツを前記ユーザーに提示できるように、関連メディアコンテンツを処理し前記メディアデバイスに送信し」得るものであるとともに「前記メディアデバイスが前記関連メディアコンテンツを前記ユーザーに提示できるように、関連メディアコンテンツを処理し前記メディアデバイスに送信し」得るものである。 また、引用発明のメディアデバイスは、当該会話の全体テーマに関連した関連メディアコンテンツを視覚的かつ/または聴覚的に会話を行うユーザーに対して提示するものであることから、ユーザが利用する装置から関連メディアコンテンツを出力するものといえる。 してみると、引用発明の「コンテキスト管理モジュール」及び「コンテキスト出力モジュール」は、会話を行うユーザーに対して関連メディアコンテンツを出力制御する機能を有しているといえ、当該機能を実現するための出力制御部を有しているといえる。 よって、引用発明の「コンテキスト管理モジュール」及び「コンテキスト出力モジュール」は、本件補正発明の「前記選択部によって選択された広告又はレコメンドを、前記ユーザが利用する装置から出力するよう制御する出力制御部」と、「前記選択部によって選択されたユーザに提示する情報を、ユーザが利用する装置から出力するよう制御する出力制御部」という点で共通する。 オ 引用発明の「システム」は、テーマ判定モジュールを含む様々な装置から構成されることから、後述する相違点を除いて、本件補正発明の「判定装置」に相当する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 <一致点> 「複数のユーザが属する所定の空間内に設置された装置が有するセンサが検知した当該空間内の情報であるセンシング情報として、複数の前記ユーザが発した音声に関する情報である音声情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得されたセンシング情報に基づいて、前記センサを有する前記装置を利用する複数の前記ユーザ全体の関心を判定する判定部と、前記判定部によって判定されたユーザ全体の関心に基づいて、ユーザに提示する情報を選択する選択部と、前記選択部によって選択されたユーザに提示する情報を、ユーザが利用する装置から出力するよう制御する出力制御部と、を備えたことを特徴とする判定装置。」 <相違点1> ユーザ全体の関心を判定する判定部が、本件補正発明では「センシング情報を統計し、所定期間のうちに出願頻度が所定の閾値を超えて上昇したキーワードを当該センシング情報から抽出し、抽出したキーワードに基づいて」判定するのに対し、引用発明では「音声認識モジュールにより複数のユーザーの会話に関連する声データから前記会話の全体テーマを示す1以上のキーワードを特定し、テーマ判定モジュールにより、前記音声認識モジュールから受信された前記コンテキスト特性を分析し、該コンテキスト特性に基づいて、前記会話の全体テーマを判定し当該会話の全体的なテーマ判定を行う」ものの、「センシング情報を統計し、所定期間のうちに出願頻度が所定の閾値を超えて上昇したキーワードを当該センシング情報から抽出し、抽出したキーワードに基づいて」判定するものでない点。 <相違点2> 選択部によって選択され、出力制御部によってユーザに提示される情報が、本件補正発明では、「ユーザに提案する広告又はリコメンド」であるのに対し、引用発明では「ユーザに提示する関連メディアコンテンツ」である点。 <相違点3> 判定された関心に基づいて選択部がユーザに提示する情報を選択する際に、本件補正発明ではユーザ全体の関心に加えて「記憶部に記憶された広告又はリコメンドに予め設定されたターゲット情報」に基づく選択を行うのに対し、引用発明では、そのように特定されていない点。 (4)判断 ア 上記相違点1について検討する。 引用文献2及び3に記載されている上記技術的事項に鑑みると、ユーザ間の会話を音声認識した結果に基づいてユーザの関心を判定し判定結果に応じた情報提供をユーザに対して行う際に、音声認識した結果から把握されるキーワードの出願頻度等の観点から統計処理を行ってユーザの関心を判定することは、本願の出願時、音声認識した結果に基づいてユーザに情報提供を行う技術分野における周知技術(以下、「周知技術1」という。)である。 また、上記周知技術1に関連して、引用文献5及び6に記載されている上記技術的事項に鑑みると、ユーザから出力されたキーワードの出現頻度について統計処理を行ってユーザの関心を判定するための手法として、所定期間のうちに出現頻度が所定の閾値を超えて上昇したキーワードを抽出することは、本願の出願時、ユーザの関心に関するキーワードを抽出する技術分野における周知技術(以下、「周知技術2」という。)である。 してみると、引用発明において、音声認識モジュールにより複数のユーザーの会話に関連する声データから前記会話の全体テーマを示す1以上のキーワードを特定し、テーマ判定モジュールにより、前記音声認識モジュールから受信された前記コンテキスト特性を分析し、該コンテキスト特性に基づいて、前記会話の全体テーマを判定し当該会話の全体的なテーマ判定を行う際の具体的手法として、上記周知技術1及び上記周知技術2を採用し、音声認識モジュールにより受信されたユーザー間の会話に関連する声データから該会話の主題を示す1以上のキーワードについて統計処理を行い、所定期間のうちに出現頻度が所定の閾値を超えて上昇したキーワードを抽出することによりコンテキスト特性を特定し、当該特定されたコンテキスト特性を分析して複数のユーザーの会話の全体的なテーマを判定する構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 イ 上記相違点2及び相違点3は関連するので、まとめて検討する。 引用文献2及び3に記載されている上記技術的事項に鑑みると、ユーザ間の会話を音声認識した結果に基づいてユーザの関心を判定し判定結果に応じた情報提供をユーザに対して行う際に、ユーザの関心に沿った広告や提案に関する情報を提供することは、本願の出願時、音声認識した結果に基づいてユーザに情報提供を行う技術分野における周知技術(以下、「周知技術3」という。)である。 また、引用文献3及び4に記載されている上記技術的事項に鑑みると、ユーザが関心のある情報の配信を行う際に、ユーザにおける配信情報の利用推進や情報提供効果の向上のために、キーワードとして抽出されるユーザの関心情報と、配信される情報の内容から配信対象として想定されるユーザの性別や年齢等の属性情報(ターゲット情報)とに基づいて情報配信対象となるコンテンツの選択を行うことは、本願の出願時、ユーザに情報提供を行う技術分野における周知技術(以下、「周知技術4」という。)である。 引用文献1には、ユーザーに配信されるメディアコンテンツの例として、特定された物体に対応する広告や商品の広告が記載されていることから(【0027】、【0047】、図4)、引用発明の「判定部によって判定された関心に基づいて選択された関連メディアコンテンツ」として広告情報を用い得ることが示唆されている。 してみると、音声認識した結果に基づいてユーザに情報提供を行う技術分野に属し「関連メディアコンテンツ」として広告情報を用い得ることが示唆された引用発明において、上記周知技術3を適用し、「判定されたユーザの関心に基づいて選択される関連メディアコンテンツ」として、「判定されたユーザの関心に沿った広告又はリコメンド」を採用することは、当業者が容易に想到し得たことである。 そして、ユーザに対してユーザの関心のある情報の配信を行う際に、ユーザにおける配信情報の利用推進や情報提供効果の向上を図ることは、本願の出願時、情報配信に関する技術分野における周知の課題であり、引用文献1の【0007】には、「本開示に係るシステムは、ある環境内の1以上のユーザーに対し、該環境のコンテキスト特性(例えば、ユーザー間の会話において認識されたコンテンツ)に基づいて関連メディアを配信する、自動的かつ直観的な手段を提供する。該システムは、関連コンテンツを含むメディアをリアルタイムまたは準リアルタイムで環境内のユーザーに適応配信するように、該環境のコンテキスト特性を継続的にモニタリングしてよい。このように、該システムは、インタラクションの向上を促進し、ユーザー間の更なるコミュニケーションを促すことができる。」と記載されていることからも、引用発明において当該周知の課題は内在しているといえる。 してみると、引用発明において、判定されたユーザの関心に沿った広告又はリコメンドをユーザに配信する際に、上記周知の課題を解決するために、さらに上記周知技術4を適用し、判定されたユーザの関心に加えて、メディアソースに記憶される各メディアコンテンツに予め設定された配信対象として想定されるユーザの属性情報を併せて考慮した関連メディアコンテンツの選択及び出力制御処理を行う構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2-6に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 エ したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2-6に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和2年10月19日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和元年6月4日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1乃至13に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 当審の拒絶の理由 当審の拒絶の理由は、この出願の請求項1-13に係る発明は、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2-8に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 1.特表2015-517709号公報 2.特開2009-294790号公報 3.特開2017-130170号公報 4.特開2016-153972号公報 5.特開2009-134104号公報 6.特開2012- 59182号公報 7.特開2002-152782号公報 8.特開2007-164497号公報 3 引用文献 当審の拒絶の理由で引用された引用文献1-4、6及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである(当審の拒絶の理由で引用された引用文献1-4、6は、それぞれ前記第2の[理由]2(2)の引用文献1-5に対応する。)。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「取得部」が取得する「センシング情報」、及び「判定部」がユーザ全体の関心を判定する際の判定処理の内容に係る限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献2-6に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献2-6に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-007296

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