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特許拒絶査定不服審判

2019-005486

遊技機

審判番号
2019-005486
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-033976外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年04月24日
審決日
2020年03月25日
公報発行日
2020年06月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A63F) / P18 .575-WZ (A63F) / P18 .113-WZ (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2018-33976号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年6月7日出願公開、特開2018-86448号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯の概要 本願は、平成30年2月27日の出願であって、同年11月5日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月27日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成31年2月8日付け(送達日:同年2月19日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年4月24日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、令和1年10月7日付けで拒絶の理由が通知され、同年11月29日に意見書及び手続補正書が提出され、これに対し、当審において、同年12月27日付けで最後の拒絶の理由が通知され、令和2年3月5日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 令和2年3月5日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和2年3月5日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正により、令和1年11月29日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における 「【請求項1】 数字画像を表示可能な第1表示装置と、 数字画像を表示可能な第2表示装置と、 前記表示装置に前記数字画像を表示させる表示制御手段と、を備えた遊技機であって、 前記表示制御手段は、1桁の数字画像を所定の順序で表示するカウント表示にあたり、前記カウント表示の開始から終了までを前記第1表示装置と前記第2表示装置とに跨る跨ぎ表示でおこない、前記跨ぎ表示は、前記1桁の数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、前記1桁の数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する表示である、 ことを特徴とする遊技機。」は、 令和2年3月5日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における 「【請求項1】 数字画像を表示可能な第1表示装置と、 数字画像を表示可能な第2表示装置と、 前記表示装置に前記数字画像を表示させる表示制御手段と、を備えた遊技機であって、 前記表示制御手段は、図柄の変動表示とは別に、1桁の数字を構成する画像である数字画像を表示可能であり、前記数字が所定値から0になるまで前記数字画像を更新表示するカウントダウン演出を実行可能となっており、前記カウントダウン演出は、前記1桁の数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、前記1桁の数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する跨ぎ表示でおこなわれる、 ことを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審判合議体にて付した。)。 2 補正の適否 2-1 補正の目的及び新規事項について 本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「表示制御手段」が行う「カウント表示」に関して、「1桁の数字画像を所定の順序で表示するカウント表示にあたり、前記カウント表示の開始から終了までを前記第1表示装置と前記第2表示装置とに跨る跨ぎ表示でおこない、前記跨ぎ表示は、前記1桁の数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、前記1桁の数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する表示である」とあったものを「図柄の変動表示とは別に、1桁の数字を構成する画像である数字画像を表示可能であり、前記数字が所定値から0になるまで前記数字画像を更新表示するカウントダウン演出を実行可能となっており、前記カウントダウン演出は、前記1桁の数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、前記1桁の数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する跨ぎ表示でおこなわれる」と補正することで、「所定の順序で表示するカウント表示」を「数字が所定値から0になるまで前記数字画像を更新表示するカウントダウン演出」と限定することを含むものである。 そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書の段落【0655】~【0657】、【図121(B)】等の記載からみて、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 2-2 独立特許要件について そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A~Eは、分説するため当審判合議体にて付した。)。 「A 数字画像を表示可能な第1表示装置と、 B 数字画像を表示可能な第2表示装置と、 C 前記表示装置に前記数字画像を表示させる表示制御手段と、を備えた遊技機であって、 D 前記表示制御手段は、図柄の変動表示とは別に、1桁の数字を構成する画像である数字画像を表示可能であり、前記数字が所定値から0になるまで前記数字画像を更新表示するカウントダウン演出を実行可能となっており、前記カウントダウン演出は、前記1桁の数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、前記1桁の数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する跨ぎ表示でおこなわれる、 E ことを特徴とする遊技機。」 (2)引用例1 当審判合議体による令和1年12月27日付け拒絶理由に引用例1として引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-213378号公報には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。 ア 記載事項 (ア)「【発明を実施するための形態】 【0010】 以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴遊技機)について詳細に説明する。」 (イ)「【0024】 払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。」 (ウ)「【0061】 次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えている。基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出してVRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)516と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路502には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラムおよびデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が接続されている。」 (エ)「【0289】 その後、図20(3)~同図(7)に示すように、タイマ予告表示TM1におけるカウントダウンは、「00:00」となるまで継続して行われる。ここで、図20(5)に示すタイミングでは、左図柄に「装飾7」が停止表示し、図20(6)に示すタイミングでは、右図柄に「装飾7」が停止表示している。」 (オ)「【0393】 「図27は、タイマ予告演出の他の例を段階的に示す図である。 ・・・ 【0395】 図27(A1)に示す装飾図柄表示装置208では、装飾図柄の変動表示が行われている様子が示されている。また、図27(A1)に示すタイミングでは、特図1の保留数が1となっており、第一の保留アイコンh11が表示されるとともに、第2保留数表示では、特図1の保留数が1であることを示す「1」が表示されている。また、変動アイコンh0及びナビキャラクタYMも表示されている。また、図27(A1)に示す装飾図柄表示装置208では、タイマ予告演出が開始されており、タイマ予告表示TM1では「06:99」が表示され、カウントダウンが行われている。」 (カ)「【0404】 図27(C1)~同図(C6)に示す演出例は、複数の装飾図柄表示装置を用いたタイマ上乗せ演出の別の例について示している。ここで、図27(C1)~同図(C6)に示す演出例では、図14(b)に示す演出装置206を適用し、さらに、第1装飾図柄表示装置208Lの外周が装飾部材に重なっておらず、当該領域に表示される画像についても視認可能に構成されている。このとき、第1装飾図柄表示装置208Lの左右両側が、第2装飾図柄表示装置208M及び第3装飾図柄表示装置208Nによって一部がオーバーラップされている。なお、家紋役物224E及び千両箱役物224Hについては、説明を容易にするために、図示を省略している。 【0405】 図27(C1)に示す第1装飾図柄表示装置208Lでは、装飾図柄の変動表示が行われている様子が示されている。また、図27(C1)に示すタイミングでは、特図1の保留数が1となっており、表示領域の下方左側に形成されている第2UI部281における保留表示領域に第一の保留アイコンh11が表示されるとともに、表示領域の右上隅部に配置されている第2保留数表示では、特図1の保留数が1であることを示す「1」が表示されている。また、第1装飾図柄表示装置208Lの表示画面の下方右側には、第1UI部280が形成されており、この第1UI部280には、変動アイコンh0及びナビキャラクタYMが表示されている。 【0406】 また、第3装飾図柄表示装置208Nでは、タイマ予告演出が行われており、タイマ表示のカウントダウンが行われている。図27(C1)に示すタイミングでは、タイマ表示として「05:00」が表示されており、この演出例では、タイマ表示が「05:00」となるとカウントダウンが中断され、「05:00」の表示が維持される。なお、カウントダウンを中断せず、継続してカウントダウンが行われていてもよい。 【0407】 また、第2装飾図柄表示装置208Mでは、「上乗せ10秒」の文字が表示されており、第3装飾図柄表示装置208Nにおけるタイマ表示に上乗せされる時間が報知されている。 【0408】 その後、図27(C2)に示すように、第2装飾図柄表示装置208M及び第3装飾図柄表示装置208Nが、第1装飾図柄表示装置208Lの表示面に沿って互いに近接する方向に移動し、図27(C3)に示すように、第2装飾図柄表示装置208M及び第3装飾図柄表示装置208Nが最も近接する位置で停止する。このとき、第3装飾図柄表示装置208Nは、ナビキャラクタYMの一部にオーバーラップし、ナビキャラクタYMは、第3装飾図柄表示装置208Nにオーバーラップされていない状態である場合よりも視認困難となっている。 【0409】 すると、図27(C4)に示すように、第3装飾図柄表示装置208Nに表示されていたタイマ表示が示す時間に10秒が上乗せされた時間を示す「15:00」の表示が、第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨って表示される。 【0410】 その後、図27(C5)に示すように、「15:00」の表示が第3装飾図柄表示装置208Nに表示され、第2装飾図柄表示装置208Mにタイマ表示が表示されていない状態で、第2装飾図柄表示装置208M及び第3装飾図柄表示装置208Nが、第1装飾図柄表示装置208Lの表示面に沿って初期位置への移動を開始する。第3装飾図柄表示装置208Nにおける「15:00」の表示開始のタイミングと、第2装飾図柄表示装置208M及び第3装飾図柄表示装置208Nの移動開始のタイミングとが同じであってもよいし、第3装飾図柄表示装置208Nにおける「15:00」の表示が開始された後で、第2装飾図柄表示装置208M及び第3装飾図柄表示装置208Nが移動を開始してもよいし、第2装飾図柄表示装置208M及び第3装飾図柄表示装置208Nが移動を開始した後で、第3装飾図柄表示装置208Nにおける「15:00」の表示が開始されてもよい。 【0411】 その後、図27(C6)に示すように、第2装飾図柄表示装置208M及び第3装飾図柄表示装置208Nが初期位置まで戻った後、第3装飾図柄表示装置208Nにおけるタイマ表示のカウントダウンが再開される。なお、「15:00」の表示が第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨って表示された状態(例えば、図27(C4)に示す状態)でタイマ表示のカウントダウンが再開されてもよい。複数の装飾図柄表示装置に跨ってタイマ表示が表示されている場合の方が、一の装飾図柄表示装置にタイマ表示が表示されている場合よりも大当りとなりやすいように構成されてもよいが、大当りのなりやすさは同じであってもよく、また、大当りとなりにくいように構成されてもよい。」 (キ)【図27】(タイマ予告演出の他の例を段階的に示す図である。) (ク)「【0811】 なお、タイマ予告表示の開始とは、第一の表示の表示が開始されたことであってもよいし、カウントダウン表示の表示が開始されたことであってもよい(例えば、数字が表示されたら開始等)し、カウントダウン表示のカウントダウンが開始されたことであってもよい。また、タイマ予告表示の終了とは、第一の表示が非表示となったことであってもよいし、カウントダウン表示が非表示となったこと(例えば、数字が消去されて、「注目」が表示された状態も含まれる)であってもよく、カウントダウン表示によるカウントダウンが終了したことであってもよく(例えば、0が表示)、カウントダウンが終了した後で第一の表示に表示される表示(例えば、「注目」の文字表示)が非表示になったことであってもよい。」 イ 認定事項 引用例1には、【0024】に「・・・演出に関する制御処理を行う第2副制御部500・・・」と記載され、 【0393】に「図27は、タイマ予告演出の他の例を段階的に示す図である。」と記載され、 【0395】に「・・・図27(A1)に示す装飾図柄表示装置208では、タイマ予告演出が開始されており、タイマ予告表示TM1では「06:99」が表示され、カウントダウンが行われている。」と記載され、 【0406】に「・・・第3装飾図柄表示装置208Nでは、タイマ予告演出が行われており、タイマ表示のカウントダウンが行われている。」と記載され、 【0409】に「図27(C4)に示すように、第3装飾図柄表示装置208Nに表示されていたタイマ表示が示す時間に10秒が上乗せされた時間を示す「15:00」の表示が、第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨って表示される。」と記載され、 【0411】に「「15:00」の表示が第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨って表示された状態(例えば、図27(C4)に示す状態)でタイマ表示のカウントダウンが再開されてもよい。」と記載され、 【0811】に「・・・カウントダウン表示によるカウントダウンが終了したことであってもよく(例えば、0が表示)・・・」と記載されている。 また、【図27】(C4)には、「15:00」の表示が、第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨って表示された状態、すなわち、小数点第2位から2桁までからなる「4桁の数字画像」および「:」のうち、「2桁目の数字画像」と「・」と「小数点1桁目の数字画像」とを、左側に位置する第2装飾図柄表示装置208Mに上中下に表示し、「1桁目の数字画像」と「・」「小数点2桁目の数字画像」とを、右側に位置する第3装飾図柄表示装置208Nに上中下に表示することで、「4桁の数字画像」および「:」を第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨がって表示された状態が図示されている。 上記記載事項、および、【図27】(C4)の図示内容からみて、引用例1には、「第2副制御部500は、タイマ予告表示TM1のタイマ表示のカウントダウンを行うタイマ予告演出において、タイマ表示が示す時間に10秒が上乗せされた時間を示す「15:00」の表示を、第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨って表示された状態、 すなわち、小数点第2位から2桁までからなる「4桁の数字画像」および「:」のうち、「2桁目の数字画像」と「・」と「小数点1桁目の数字画像」とを、左側に位置する第2装飾図柄表示装置208Mに上中下に表示し、「1桁目の数字画像」と「・」「小数点2桁目の数字画像」とを、右側に位置する第3装飾図柄表示装置208Nに上中下に表示することで、「4桁の数字画像」および「:」を第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨がって表示された状態で、タイマ表示のカウントダウンを再開し、「00:00」(0)となるまで継続して行う」ことが示されている。 上記アの記載事項、および、イの認定事項を総合すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a~eは、本件補正発明のA~Eに対応させて当審にて付した。)。 「a 数字を表示する、タイマ表示を行う第2装飾図柄表示装置208M(【0404】、【0409】、【0411】、【0811】)と、 b 数字を表示する、タイマ表示を行う第3装飾図柄表示装置208N(【0404】、【0406】、【0409】、【0811】)と、 c 第2装飾図柄表示装置208Mおよび第3装飾図柄表示装置208Nにタイマ表示等の画像を表示する制御処理を行う第2副制御部500(【0024】、【0061】、【0404】、【0409】)と、を備えたパチンコ機100(【0010】)であって、 d 第2副制御部500は、タイマ予告表示TM1のタイマ表示のカウントダウンを行うタイマ予告演出において、タイマ表示が示す時間に10秒が上乗せされた時間を示す「15:00」の表示を、第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨って表示された状態、 すなわち、小数点第2位から2桁までからなる「4桁の数字画像」および「:」のうち、「2桁目の数字画像」と「・」と「小数点1桁目の数字画像」とを、左側に位置する第2装飾図柄表示装置208Mに上中下に表示し、「1桁目の数字画像」と「・」「小数点2桁目の数字画像」とを、右側に位置する第3装飾図柄表示装置208Nに上中下に表示することで、「4桁の数字画像」および「:」を第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨がって表示された状態で、タイマ表示のカウントダウンを再開し、「00:00」(0)となるまで継続して行う(認定事項(ア))、 e パチンコ機100。」 (3)対比 本件補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する。 (a) 引用発明における「数字を表示する、タイマ表示」、「第2装飾図柄表示装置208M」は、それぞれ、本件補正発明における「数字画像を表示可能」とすること、「第1表示装置」に相当する。 したがって、引用発明における構成aは、本件補正発明における構成Aに相当する。 (b) 上記(a)より、引用発明における「数字を表示する、タイマ表示」は、本件補正発明における「数字画像を表示可能」とすることに相当する。 そして、引用発明における「第3装飾図柄表示装置208N」は、本件補正発明における「第2表示装置」に相当する。 したがって、引用発明における構成bは、本件補正発明における構成Bに相当する。 (c、e) 上記(a)、(b)より、引用発明における「第2装飾図柄表示装置208M」および「第3装飾図柄表示装置208N」は、本件補正発明における「表示装置」に相当する。 そして、引用発明における「タイマ表示」は、構成a~bより、「数字を表示する」ことにより行われるから、引用発明における「タイマ表示等の画像を表示する制御処理を行う」ことは、本件補正発明における「数字画像を表示させる」ことに相当する。 また、引用発明における「第2副制御部50」は、本件補正発明における「表示制御手段」に相当する。 さらに、引用発明における「パチンコ機100」は、本件補正発明における「遊技機」に相当する。 したがって、引用発明における構成c、eは、本件補正発明における構成C、Eに相当する。 (d) 引用発明における「タイマ表示が示す時間に10秒が上乗せされた時間を示す「15:00」の表示」は、図柄の変動表示とは別の「タイマ予告演出」に係る表示であり、また、「4桁の数字」を用いて表示されるものであるから、引用発明における「タイマ表示が示す時間に10秒が上乗せされた時間を示す「15:00」の表示」を行うことと、本件補正発明における「図柄の変動表示とは別に、1桁の数字を構成する画像である数字画像を表示可能であ」ることとは、「図柄の変動表示とは別に、数字を構成する画像である数字画像を表示可能であ」る点で共通する。 ここで、引用発明における「「15:00」」、「「00:00」(0)」、「「タイマ予告表示TM1のタイマ表示のカウントダウンを行うタイマ予告演出」は、それぞれ、本件補正発明における「所定値」、「0」、「カウントダウン演出」に相当する。そうすると、引用発明における「タイマ予告表示TM1のタイマ表示のカウントダウンを行うタイマ予告演出において」、「「15:00」の表示が」、「表示された状態で、タイマ表示のカウントダウンが再開され、「00:00」(0)となるまで継続して行う」ことは、本件補正発明における「数字が所定値から0になるまで数字画像を更新表示するカウントダウン演出を実行可能となって」いることに相当する。 そして、引用発明における「小数点第2位から2桁までからなる「4桁の数字画像」および「:」のうち、「2桁目の数字画像」と「・」と「小数点1桁目の数字画像」とを、左側に位置する第2装飾図柄表示装置208Mに上中下に表示し、「1桁目の数字画像」と「・」「小数点2桁目の数字画像」とを、右側に位置する第3装飾図柄表示装置208Nに上中下に表示することで、「4桁の数字画像」および「:」を第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨がって表示された状態で、タイマ表示のカウントダウンを再開」する「タイマ予告表示TM1のタイマ表示のカウントダウンを行うタイマ予告演出」と、本件補正発明における「1桁の数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、1桁の数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する跨ぎ表示でおこなわれる」「カウントダウン演出」とは、「数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する跨ぎ表示でおこなわれるカウントダウン演出」である点で共通する。 したがって、引用発明における構成dと、本件補正発明における構成Dとは、「表示制御手段は、図柄の変動表示とは別に、数字を構成する画像である数字画像を表示可能であり、数字が所定値から0になるまで数字画像を更新表示するカウントダウン演出を実行可能となっており、カウントダウン演出は、数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する跨ぎ表示でおこなわれる」ことで共通する。 上記(a)~(d)によれば、本件補正発明と引用発明は、 「A 数字画像を表示可能な第1表示装置と、 B 数字画像を表示可能な第2表示装置と、 C 前記表示装置に前記数字画像を表示させる表示制御手段と、を備えた遊技機であって、 D’前記表示制御手段は、図柄の変動表示とは別に、数字を構成する画像である数字画像を表示可能であり、前記数字が所定値から0になるまで前記数字画像を更新表示するカウントダウン演出を実行可能となっており、前記カウントダウン演出は、前記数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、前記数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する跨ぎ表示でおこなわれる、 E 遊技機。」の点で一致し、次の点で相違する。 [相違点](構成D) 数字画像および数字画像による跨ぎ表示に関し、 本件補正発明は、数字画像が、1桁の数字を構成する画像であって、跨ぎ表示が、1桁の数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、1桁の数字画像の残り部分を第2表示装置に表示することで行われるのに対して、 引用発明は、数字画像が4桁の数字を構成する画像であって、跨ぎ表示が、「4桁の数字画像」および「:」を第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨がって表示された状態」で行われる点。 (4)当審判合議体の判断 上記相違点について検討する。 遊技機の技術分野において、カウントダウン演出を、1桁の数字を構成する画像を含む数字画像を9から0になるまで更新表示することで行い、1桁の数字を構成する画像を表示装置の表示領域の中心線上に表示させることは、本願の出願前に周知の技術事項である(例えば、特開2014-140391号公報の【0242】、【図26】には、カウントダウン演出を、1桁の数字画像を表示することで行い、1桁の数字画像を演出表示装置9の中心線上に表示させることが示され、特開2014-195580号公報の【0283】~【0284】、【図35】には、カウントダウン演出を、1桁の数字画像を表示することで行い、1桁の数字画像を演出表示装置9の中心線上に表示させることが示されている(以下「周知の技術事項1」という。)。 特開2014-140391号公報の【図26】(カウントダウン演出および一斉演出の具体例を示す説明図である。) 特開2014-195580号公報の【図35】(カウントダウン演出および一斉演出の具体例を示す説明図である。) また、同じく、遊技機の技術分野において、遊技の興趣を向上させるために、1つの文字画像を並列配置された2つの表示装置に跨ぎ表示させる際に、1つの文字画像の一部分を一方の表示装置に表示し、1つの文字画像の残りの部分を他方の表示装置に表示することにより、1つの文字画像の中心線と、2つの表示装置を併せた表示領域の中心線とを一致させることは、本願の出願前に周知の技術事項である(例えば、後述する引用例2:特開2006-246993号公報の【0004】、【0040】、【0042】~【0043】、【図4】~【図6】には、図柄「AWA」、「AAA」、「ABA」の各中図柄「W」、「A」、「B」が、並列配置された第1ダミー図柄表示部14と第2ダミー図柄表示部18にまたがって表示されることが示され、同じく、後述する引用例3:特開2006-218098号公報の【0030】~【0031】、【0033】~【0035】、【図3】、【図5】には、算用数字を表現した図形を含む図柄列Cの図柄を左半分の図形と右半分の図柄とに分けて、それぞれ、並列配置された図柄表示装置31、32の図柄表示領域31a、32aに跨った状態で変動表示させることが示されている(以下「周知の技術事項2」という。)。 特開2006-246993号公報の【図4】(リーチ発生時の図柄変動表示例を示す図) 同【図5】(シングル大当たりの図柄変動表示例を示す図。) 同【図6】(双方ハズレの図柄変動表示例を示す図。) 特開2006-218098号公報の【図5】(図5は図4の続きを示す説明図であり、図5(D)は図柄表示装置31,32が共同で図柄列を変動表示している状態を示す説明図、図5(E)は図柄表示装置31,32が共同で停止図柄を表示している状態を示す説明図、図5(F)は変動表示が終了した状態 を示す説明図である。) さらに、遊技機の技術分野において、小数点以下2桁を含む数字(「10:00」)を用いて秒数を表示するカウントダウン表示において、小数点以下2桁を表示せず、かつ、カウントが一桁まで進んだ際に、一桁の数字に2桁目の「0」を付けずに、「10」、「9」・・・「0」という整数である数字のみで秒数を表示することは、本願の出願前に周知の技術事項である(例えば、特開2017-225532号公報の【0297】~【0298】や、特開2017-79865号公報の【0229】~【0230】を参照。以下「周知の技術事項3」という。)。 ここで、引用発明と上記周知の技術事項1、3とは、図柄の変動表示とは別に、数字画像を用いてカウントダウン演出を行うことで共通する。 また、引用発明および上記周知の技術事項1は、カウントダウン演出を行うことにより、その後に新たな演出が行われることの期待感をあおるという、遊技機の技術分野における周知の課題を解決する点で共通する。 さらに、引用発明および上記周知の技術事項2は、並列配置された表示装置に数字等の文字を跨ぎ表示させるという共通の機能を有するものである。 したがって、引用発明のカウントダウン演出に上記周知の技術事項1および3に示されたカウントダウン演出を適用して、4桁の数字画像および「:」を表示することに換えて、小数点以下2桁を表示せず、整数である、数字のみで秒数を表示し、カウントが一桁まで進んだ際に、2桁目の「0」を付けない一桁の整数である数字による秒数の表示を、第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとの2つの表示装置を併せた表示領域の中心線上にて行うことは、当業者が必要に応じてなし得たものであり、その際に、上記周知の技術事項2に倣って、1桁の数字による秒数の表示を、その1桁の秒数像の中心線と、2つの表示装置を併せた表示領域の中心線とが一致するように、第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに跨ぎ表示させ、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。 また、本件補正発明により奏される効果は、引用発明および上記周知の技術事項1~3に基づいて当業者が予測できる効果の範囲内のものである。 よって、本件補正発明は、引用発明、および、上記周知の技術事項1~3に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (5)請求人の主張について 令和2年3月5日付け意見書において、請求人は次の主張をする。 「引用文献1には、本願発明の構成(D)である「カウントダウン演出では、1桁の数字を構成する画像である数字画像を表示可能であり、数字が所定値から0になるまで数字画像を更新表示すること」については何ら記載がありません。」((1-2)本願発明と引用文献との対比、(1-2-1)引用文献1を主引例とする場合) そこで、請求人の上記主張について検討する。 請求人が主張するように、引用例1には、「カウントダウン演出では、1桁の数字を構成する画像である数字画像を表示可能であり、数字が所定値から0になるまで数字画像を更新表示すること」についての記載はないが、当該技術事項は、上記(4)において周知の技術事項1、3として示したように、本願の出願前に周知の技術事項であり、引用発明に上記周知の技術事項1、3を適用して、当該技術事項の構成を備えることは、当業者が容易になし得たものである。 したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。 (6)まとめ 上記(1)~(5)より、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和1年11月29日付け手続補正書により補正された、次のとおりのものと認める。 「A 数字画像を表示可能な第1表示装置と、 B 数字画像を表示可能な第2表示装置と、 C 前記表示装置に前記数字画像を表示させる表示制御手段と、を備えた遊技機であって、 D 前記表示制御手段は、1桁の数字画像を所定の順序で表示するカウント表示にあたり、前記カウント表示の開始から終了までを前記第1表示装置と前記第2表示装置とに跨る跨ぎ表示でおこない、前記跨ぎ表示は、前記1桁の数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、前記1桁の数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する表示である、 E ことを特徴とする遊技機。」 2 拒絶の理由の概要 当審による令和1年12月27日付け拒絶理由は、概略、次のとおりのものである。 1(進歩性) 本願発明は、その出願前に日本国内において、頒布された、又は、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例1に記載された発明、もしくは、引用例3に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 1 特開2017-213378号公報(引用発明) 2 特開2006-246993号公報(周知技術を示す文献) 3 特開2006-218098号公報(周知技術を示す文献、引用発明3) 3 引用例に記載された事項 (1)引用発明について 当審判合議体による令和1年12月27日付け拒絶の理由に引用された引用例1(前記「第2[理由]2 2-2(2)」の「引用例1」に対応する。)の記載事項および引用発明の認定については、前記「第2[理由]2 2-2(2)」に記載したとおりである。 (2)引用例3に記載された発明 当審判合議体による令和1年12月27日付け拒絶理由に引用例3として引用された、本願の出願前に頒布された特開2006-218098号公報には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。 ア 記載事項 (ア)「【0024】 <第1実施形態> [全体の主要構成] まず、この実施形態のパチンコ機の主要構成について図1および図2を参照して説明する。図1は、そのパチンコ機の外観を正面から見た説明図であり、図2は図1に示すパチンコ機に備えられた遊技盤を正面から見た概略説明図である。 図1に示すように、パチンコ機1には、外殻を構成する前枠2が設けられており、その前枠2にはガラス枠3が開閉可能に取付けられている。ガラス枠3の内側には遊技盤5が設けられており、前枠2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作するための発射レバー15aが回動可能に取付けられている。遊技盤5の下方には、払出された賞球や貸球を収容する上受け皿6が設けられており、上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球を収容する下受け皿7が設けられている。」 (イ)「【0030】 図3(A)に示すように、図柄表示装置31が変動表示する図柄列A1は、算用数字の0~9を順に表したA10~A19の計10個の特別図柄を縦に配列して構成される。各特別図柄は、四角形の枠の中に算用数字および葡萄を表現して構成されている。図柄列A1は、図柄表示装置31の図柄表示領域31a上を上から下へ数字の小さい順に移動するように配列されている。 また、図柄表示装置31が変動表示する図柄列A2は、A20~A29の計10個の図柄を縦に配列して構成される。各図柄は、楕円形の枠を縦に2等分した場合の左半分の枠の中に、算用数字を表現した図形を縦に2等分した場合の左半分の図形および葡萄を表現した絵を取り入れて構成される。図柄列A2は、図柄表示装置31の図柄表示領域31a上を上から下へ数字の小さい順に移動するように配列されている。 【0031】 図3(B)に示すように、図柄表示装置32が変動表示する図柄列B1は、算用数字の0~9を順に表したB10~B19の計10個の特別図柄を縦に配列して構成される。各特別図柄は、四角形の枠の中に算用数字およびチェリーを表現して構成されている。図柄列B1は、図柄表示装置32の図柄表示領域32a上を上から下へ数字の小さい順に移動するように配列されている。 また、図柄表示装置32が変動表示する図柄列B2は、B20~B29の計10個の特別図柄を縦に配列して構成される。各特別図柄は、楕円形の枠を縦に2等分した場合の右半分の枠の中に、算用数字を表現した図形を縦に2等分した場合の右半分の図形およびチェリーを表現して構成されている。図柄列B2は、図柄表示装置32の図柄表示領域32a上を上から下へ数字の小さい順に移動するように配列されている。」 (ウ)「【0034】 今、図4(A)に示すように、図柄表示装置31,32が、前回の大当り抽選の結果を示す停止図柄を表示しているとする。図4(A)に示す例では、図柄表示装置31はハズレ図柄「1・2・3」を停止表示し、図柄表示装置32はハズレ図柄「7・8・9」を停止表示している。そして、遊技球が第1始動口12に入賞すると、図柄表示装置31により表示されるA変動パターンの種類が、複数種類のA変動パターンの中から抽選により決定され、図4(B)に示すように、図柄表示装置31が、上記決定されたA変動パターンに従って、図柄表示領域31aの横方向3箇所において図柄列A1の変動表示をそれぞれ開始する。また、遊技球が第2始動口13に入賞すると、図柄表示装置32により表示されるB変動パターンの種類が、複数種類のB変動パターンの中から抽選により決定され、図4(B)に示すように、図柄表示装置32が、上記決定されたB変動パターンに従って、図柄表示領域32aの横方向3箇所において図柄列B1の変動表示をそれぞれ開始する。図4(B)において下向きの矢印は、図柄列が上から下へ変動していることを示す。 【0035】 そして、図柄列の変動開始から所定時間経過すると、図柄表示領域における左側、右側の順に図柄列の変動表示が停止する。図4(C)に示す例では、図柄表示領域31aにおける左側および右側には、停止図柄として「7」を示す特別図柄A17がそれぞれ表示されており、図柄表示領域32aにおける左側および右側には、停止図柄として「8」を示す特別図柄B18がそれぞれ表示されている。 そして、第1保留数および第2保留数がそれぞれ1以上になり、かつ、遊技球が第1始動口12または第2始動口13に入賞したときにそれぞれ抽選により決定された各変動パターンの少なくとも一方がリーチ変動パターンであった場合は、図5(D)に示すように、図柄表示領域31aの右端にて図柄列A2が変動表示され、図柄表示領域32aの左端にて図柄列B2が変動表示される。つまり、図柄表示領域31a,32aが、図柄列A2および図柄列B2を合わせた図柄列Cからなる共通変動パターンを共同で変動表示する。これにより、それまでは各図柄表示領域毎に個別に表示されていたリーチ変動パターンを、両図柄表示領域に跨って表示することになるため、遊技者は、その跨って表示されるリーチ変動パターンだけを見守ればよく、視点を左右に移動させる必要がなくなるので、遊技に集中し易く、疲れ難い。」 (エ)「【0044】 図柄制御基板38に搭載されたサブCPU38aは、主制御基板100のメインCPU112から送信されてきた変動開始コマンドおよび変動停止コマンドなどの画像制御コマンドを受信するとともに、その受信したコマンドの内容をROM38bに記憶されたコンピュータプログラムに従って解析する。続いてサブCPU38aは、その解析結果をVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)38dへ送出し、VDP38dは、キャラクタROM39から上記解析結果に対応した画像データを読出す。 VDP38dは、キャラクタROM39から読出した画像データを構成するドットの各図柄表示領域におけるアドレス、表示色などを上記解析結果に基づいて演算し、その演算結果を内蔵のパレットRAM38eに一時的に格納する。続いてVDP38dは、パレットRAM38eに格納されている演算結果に基づいてRGB信号を液晶アナログ基板38fへ送出する。続いて液晶アナログ基板38fは、取込んだRGB信号の色補正および輝度調整を行い、その信号を液晶インバータ基板38gへ送出する。液晶インバータ基板38gは、バックライト電源の役割を果たし、取込んだ信号を昇圧(たとえば、12Vから600V)し、図柄表示装置31,32へ送出する。そして図柄表示装置31,32は、取込んだ信号に対応する液晶ドットをスイッチングして表示する。これにより、各種の画像が表示される。 なお、この実施形態では、図柄表示装置31,32は、それぞれTFT(Thin FilmTransistor)を画素駆動素子とするアクティブマトリックス方式の液晶表示装置である。」 (オ)「【0060】 続いて、共通変動パターンの変動時間を計測するためのタイマカウンタT3をセットし(S39)、共通変動パターンの変動表示開始を命令するための共通変動開始コマンドを図柄制御基板38へ送信する(S40)。これにより、図柄表示装置31,32は、共通変動パターンの変動表示を開始する(図9(A)のt5、図5(D))。続いて、A変動フラグおよびB変動フラグをそれぞれONする(S41)。 そして、次に特別図柄処理1を実行する周期になると、メインCPU112は、S20:No、S21:No、S22:Yes、S23:Yesとそれぞれ判定し(図11)、共通変動条件成立フラグがONしているか否かを判定する(図14のS81)。ここでは、先のS37(図12)において共通変動条件成立フラグがONしているため肯定判定し(S81:Yes)、先のS39(図12)においてセットしたタイマカウンタT3から1を減算する(S82)。続いて、タイマカウンタT3が0になったか否かを判定し(S83)、0になったと判定した場合は(S83:Yes)、共通変動パターンの変動表示停止を命令するための共通変動停止コマンドを図柄制御基板38へ送信する(S84)。これにより、図柄表示装置31,32は、共通変動パターンの変動表示を同時に停止する(図9(A)のt6、図5(E)、(F))。続いて、A変動フラグおよびB変動フラグをそれぞれOFFし(S85)、共通変動条件成立フラグをOFFする(S86)。 【0061】 (6)共通変動パターンを表示するための条件が成立しなかった場合 メインCPU112は、図12のS36において、リーチフラグがONしていない、つまり第1保留数U1および第2保留数U2に基づいてそれぞれ行った大当り判定処理のいずれにおいてもリーチフラグがONしなかったと判定した場合は(S36:No)、先のS98(図15)と同じようにA変動パターンを抽選により決定する(S44)。続いて、タイマカウンタT1をセットし(S45)、A変動開始コマンドを図柄制御基板38へ送信する(S46)。これにより、図柄表示装置31は、S44において決定したA変動パターンの変動表示を開始する。 続いて、A変動フラグをONし(S47)、B変動パターンを抽選により決定する(S48)。B変動パターンには、リーチ変動パターンと、リーチを伴わない通常変動パターンとがある。このS48では、B変動パターンの他にリーチ図柄、大当り図柄およびハズレ図柄も決定する。B変動パターン、リーチ図柄、大当り図柄およびハズレ図柄の決定は、A変動パターンの抽選(図15のS98)と同じ方法により行う。 続いて、S48において決定したB変動パターンの変動時間を計測するタイマカウンタT2をセットし(S49)、B変動パターンの変動表示停止を命令するためのB変動開始コマンドを図柄制御基板38へ送信する(S50)。これにより、図柄表示装置32は、S48において決定したB変動パターンの変動表示を開始する。続いて、B変動フラグをONし(S51)、次の処理へ移行する。」 上記アの記載事項、および、図面の図示内容を総合すると、引用例3には、次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されていると認められる(a~eは、本願発明のA~Eに対応させて当審判合議体にて付した。)。 「a 算用数字の0~9を順に表したA10~A19の計10個の特別図柄からなる図柄列A1を変動表示するとともに、 算用数字の0~9を順に表した図形を縦に2等分した場合の左半分の図形から構成されるA20~A29の計10個の図柄からなる図柄列A2を変動表示する図柄表示装置31(【0030】)と、 b 算用数字の0~9を順に表したB10~B19の計10個の特別図柄からなる図柄列B1を変動表示するとともに、 算用数字の0~9を順に表した図形を縦に2等分した場合の右半分の図形から構成されるB20~B29の計10個の図柄からなる図柄列B2を変動表示する図柄表示装置32(【0031】)と、 c 共通変動開始コマンドを受信することにより、図柄表示装置31,32に、図柄列A2および図柄列B2を合わせた図柄列Cからなる共通変動パターンの変動表示を開始し、 A変動開始コマンドを受信することにより、図柄表示装置31に、図柄列A1からなるA変動パターンの変動表示を開始し、 B変動開始コマンドを受信することにより、図柄表示装置32に、図柄列B1からなるB変動パターンの変動表示を開始する図柄制御基板38(【0034】~【0035】、【0044】、【0060】~【0061】)と、を備えたパチンコ機1(【0024】)において、 d 図柄制御基板38は、共通変動パターン変動表示を、図柄表示領域31aの右端にて図柄列A2を変動表示し、図柄表示領域32aの左端にて図柄列B2を変動表示することで、図柄表示装置31の図柄表示領域31aと図柄表示装置32の図柄表示領域32aが、図柄列A2および図柄列B2を合わせた図柄列Cによる変動表示を上から下へ数字の小さい順に移動するように行い、図柄列の変動開始から所定時間経過すると、変動表示が停止する(【0030】~【0031】、【0035】、【0044】)、 e パチンコ機1。」 4 対比・判断 (1)引用発明を主引例とした場合 本願発明は、前記第2の「2-2 独立特許要件」で検討した本件補正発明の「表示制御手段」が行う「カウント表示」に関して、「図柄の変動表示とは別に、1桁の数字を構成する画像である数字画像を表示可能であり、前記数字が所定値から0になるまで前記数字画像を更新表示するカウントダウン演出を実行可能となっており、前記カウントダウン演出は、前記1桁の数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、前記1桁の数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する跨ぎ表示でおこなわれる」とあったものを「1桁の数字画像を所定の順序で表示するカウント表示にあたり、前記カウント表示の開始から終了までを前記第1表示装置と前記第2表示装置とに跨る跨ぎ表示でおこない、前記跨ぎ表示は、前記1桁の数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、前記1桁の数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する表示である」とすることで、「数字が所定値から0になるまで前記数字画像を更新表示するカウントダウン演出」との限定を、「所定の順序で表示するカウント表示」と、その限定事項を省くものである。 そうすると、本願発明と引用発明とは、本件補正発明と同様に、構成Dに関して、次の点([相違点’])で相違し、その余の点において一致する。 [相違点’](構成D) 数字画像および数字画像による跨ぎ表示に関し、 本願発明は、数字画像が、「1桁の数字画像」であって、跨ぎ表示が、「1桁の数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、1桁の数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する」ことで行われるのに対して、 引用発明は、数字画像が4桁の数字を構成する画像であって、跨ぎ表示が、「4桁の数字を第2装飾図柄表示装置208Mと第3装飾図柄表示装置208Nとに、2桁目と1桁目との間、および、小数点1桁目と小数点2桁目との間が跨がって表示され」ることで行われる点。 ここで、本件補正発明と引用発明との相違点である前記[相違点]と、本願発明と引用発明との相違点である上記[相違点’]とは、実質的に同じ内容のものである。 そうすると、前記[相違点]についての検討と同様にして、本願発明は、引用発明、および、上記周知の技術事項1~3に基いて当業者が容易になし得たものである。 また、本願発明により奏される効果は、引用発明および上記周知の技術事項1~3に基づいて当業者が予測できる効果の範囲内のものである。 したがって、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 よって、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (2)引用発明3を主引例とした場合 本願発明と引用発明3とを、分説に従い対比する。 (a) 引用発明3における「算用数字の0~9を順に表したA10~A19の計10個の特別図柄からなる図柄列A1」および「算用数字の0~9を順に表した図形を縦に2等分した場合の左半分の図形から構成されるA20~A29の計10個の図柄からなる図柄列A2」は、本願発明における「数字画像」に相当する。 そして、引用発明3における「変動表示する」ことは、本願発明における「表示可能な」ことに相当する。 また、引用発明3における「図柄表示装置31」は、本願発明における「第1表示装置」に相当する。 したがって、引用発明3の構成aは、本願発明の構成Aに相当する。 (b) 引用発明3における「算用数字の0~9を順に表したB10~B19の計10個の特別図柄からなる図柄列B1」および「算用数字の0~9を順に表した図形を縦に2等分した場合の右半分の図形から構成されるB20~B29の計10個の図柄からなる図柄列B2」は、本願発明における「数字画像」に相当する。 そして、上記(a)より、引用発明3における「変動表示する」ことは、本願発明における「表示可能な」ことに相当する。 また、引用発明3における「図柄表示装置32」は、本願発明における「第2表示装置」に相当する。 したがって、引用発明3の構成bは、本願発明の構成Bに相当する。 (c、e) 引用発明3における「図柄列A2および図柄列B2を合わせた図柄列Cからなる共通変動パターンの変動表示」、「図柄列A1からなるA変動パターンの変動表示」、および、「図柄列B1からなるB変動パターンの変動表示」は、構成a~bによれば、いずれも図柄列に「算用数字の0~9」を用いるものであるから、本願発明における「数字画像を表示させる」ことに相当する。 そして、引用発明3における「図柄制御基板38」は、本願発明における「表示制御手段」に相当する。 また、引用発明3における「パチンコ機1」は、本願発明における「遊技機」に相当する。 したがって、引用発明3の構成cは、本願発明の構成Cに相当する。 (d) 引用発明3における「図柄表示領域31aの右端にて図柄列A2を変動表示し、図柄表示領域32aの左端にて図柄列B2を変動表示する」ことは、構成aより、「図柄列A2」が、「算用数字の0~9を順に表した図形を縦に2等分した場合の左半分の図形」から構成され、構成bより、「図柄列B2」が、「算用数字の0~9を順に表した図形を縦に2等分した場合の右半分の図形」から構成されるものであって、「図柄列A2」および「図柄列B2」を「上から下へ数字の小さい順に移動するように」「変動表示」することである。 そうすると、引用発明3における「図柄列A2および図柄列B2を合わせた図柄列C」と、本願発明における「1桁の数字画像」とは、「1桁の数字画像を含む画像」である点で共通し、引用発明3における「図柄列Cによる変動表示を上から下へ数字の小さい順に移動するように行」うことは、本願発明におけ「所定の順序で表示するカウント表示」に相当する。 そして、引用発明3における「図柄表示領域31aの右端にて図柄列A2が変動表示され、図柄表示領域32aの左端にて図柄列B2が変動表示される」「共通変動パターン変動表示」を「行い、図柄列の変動開始から所定時間経過すると、変動表示が停止する」ことは、本願発明における「カウント表示の開始から終了までを第1表示装置と第2表示装置とに跨る」、「1桁の数字画像の一部分を第1表示装置に表示し、1桁の数字画像の残り部分を第2表示装置に表示する表示である」「跨ぎ表示でおこな」うことに相当する。 したがって、引用発明3における構成dは、本願発明における構成Dに相当する。 上記(a)~(d)より、本願発明は、引用発明3である。 よって、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。 なお、令和1年12月27日付けの当審判合議体による最後の拒絶の理由は、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとしたものであって、審決における本願発明についての当審判合議体の理由とは適用する条項を異にするものであるが、拒絶をすべき根拠となる引用例3(特開2006-218098号公報)は同一であり、また、特許法第29条第2項の検討に際しては、まず同条第1項について検討し、その後更に同条第2項について検討するものであるところ、請求人は、令和2年3月5日付け意見書において、本件補正発明と引用発明3との相違点が、もっぱら、同日付け手続補正書により新たに付加された特定事項にある旨の主張を行うものであるから、請求人には既に同条第1項について検討する十分な機会が与えられており、改めて意見書を提出する機会を与える必要を認めない。 5 むすび 上記1~4より、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、または、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶すべきである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-005486

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