特許異議申立
2018-700514
点灯装置、照明器具およびそれを用いた照明制御システム
- 審判番号
- 2018-700514
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2013-251270
- 登録番号
- 特許第6252937号(P6252937)
- 請求日
- 2018年06月22日
- 審決日
- 2019年03月07日
- 公報発行日
- 2019年06月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】パナソニックIPマネジメント株式会社
- 【権利者代理人】特許業務法人北斗特許事務所
- 【異議申立人】井澤 幹
- 審判長/審判官
- 審判長 氏原 康宏
- 審判官 仁木 学
- 審判官 中川 真一
- 分類
- P1651.113-YAA(H05B) / P1651.121-YAA(H05B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第5項、特許法第126条第7項、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6252937号発明「点灯装置、照明器具およびそれを用いた照明制御システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6252937号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1~4〕について訂正することを認める。
特許第6252937号の訂正後の請求項1~4に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
特許第6252937号の請求項1~4に係る特許についての出願は、平成25年12月4日に特許出願され、平成29年12月8日にその特許権の設定登録がされ、平成29年12月27日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、平成30年6月22日に特許異議申立人井澤幹(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、平成30年9月3日に取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である平成30年11月6日に意見書の提出及び訂正の請求を行い、申立人に平成30年12月6日付けで訂正請求があった旨が通知され(特許法第120条の5第5項)、その訂正の請求に対して、申立人は平成31年1月8日に意見書を提出した。
2 訂正の適否についての判断
(1) 訂正の内容
平成30年11月6日にされた訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。また、本件訂正請求に係る訂正を「本件訂正」という。)は、本件特許の願書に添付した明細書及び特許請求の範囲(以下、それぞれ「本件明細書」、「本件特許請求の範囲」といい、図面を含めて「本件明細書等」という。)を、訂正請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は以下のとおりである(下線は訂正箇所を示すものとして、当審が付した)。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と該通信部が受信した前記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と前記点灯制御信号に基づいて前記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、前記点灯ユニットと接続された前記通信ユニットの通信方式は、前記外部機器が送信する前記制御信号の信号方式に対応し、前記複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成される」とあるのを、「前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と該通信部が受信した前記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と前記点灯制御信号に基づいて前記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、前記点灯ユニットと接続された前記通信ユニットの通信方式は、前記外部機器が送信する前記制御信号の信号方式に対応し、前記複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成され、前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2~4も同様に訂正する)。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0008】に「 本発明の点灯装置は、点灯ユニットと、前記点灯ユニットと交換可能に接続される複数の通信ユニットから選択される通信ユニットと、を備え、前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と当該通信部が受信した上記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と上記点灯制御信号に基づいて上記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、上記点灯ユニットと接続された上記通信ユニットの通信方式は、上記外部機器が送信する上記制御信号の信号方式に対応し、前記複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成されることを特徴とする。」と記載されているのを、「本発明の点灯装置は、点灯ユニットと、前記点灯ユニットと交換可能に接続される複数の通信ユニットから選択される通信ユニットと、を備え、前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と当該通信部が受信した上記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と上記点灯制御信号に基づいて上記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、上記点灯ユニットと接続された上記通信ユニットの通信方式は、上記外部機器が送信する上記制御信号の信号方式に対応し、前記複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成され、前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換することを特徴とする。」 に訂正する。
本件訂正は、一群の請求項〔1~4〕に対して請求されたものである。また、明細書に係る訂正は、一群の請求項〔1~4〕に対して請求されたものである。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「信号変換部」について、本件明細書の段落【0051】及び段落【0054】~段落【0057】等の記載を根拠に、「信号変換部」が、「複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」ことを新たに特定するものである。
本件明細書には、以下の記載がある。(下線は関連する箇所を示すものとして、当審が付した。以下同様。)(アルファベット及び数字は、当審で全角に統一した。以下同様。)
(ア)「なお、信号変換部6は、照明器具32の特性情報を記憶する記憶部を備えていてもよい。記憶部は、たとえば、不揮発性の半導体メモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などを用いて構成することができる。記憶部は、予め複数の汎用の照明器具32の特性情報を記憶させておくことができる。記憶部では、照明器具32の特性情報として、照明器具32に接続される光源33の特性に応じた光源33の光出力と調光信号との関係を示す調光特性を含めることができる。そのため、照明制御システム30では、光源33の調光特性に合わせて調光レベルを調整することも可能となる。」(段落【0051】)
(イ)「さらに、信号変換部6は、たとえば、予め複数の種類の照明器具32ごとの特性情報が記憶された記憶部の特性情報の中から通信ユニット12が接続した照明器具32の特性に適合した所定の特性情報を選択する選択情報であるかを判別する。」(段落【0054】)
(ウ)「信号変換部6では、通信信号が選択情報の場合、通信ユニット12が接続している照明器具32の種類を確認する。照明制御システム30では、外部機器31側から送信される通信信号に、通信ユニット12が接続している照明器具32の種類に適合した特性情報を選択する選択情報を含ませることができる。なお、照明制御システム30では、照明器具32の種類として、たとえば、白熱電球を光源33として点灯させる照明器具32や蛍光灯を光源33として点灯させる照明器具32が挙げられる。また、照明制御システム30では、照明器具32の種類として、たとえば、LEDを光源33として点灯させる照明器具32や有機EL素子を光源33として点灯させる照明器具32なども挙げられる。」(段落【0055】)
(エ)「信号変換部6は、照明器具32の種類を確認した後、記憶部より、通信ユニット12と接続している照明器具32に対応する特性情報を読み取る。照明制御システム30では、照明器具32の特性情報として、たとえば、照明器具32の定格電力、光源33の調光可能範囲、照明器具32における光出力と調光信号との関係などを示したものが挙げられる。なお、調光可能範囲とは、光源33の出力が100%となる全点灯に対し、光源33が最低何%まで点灯できるかを示す範囲をいう。」(段落【0056】)
(オ)「また、本実施形態の照明制御システム30では、通信ユニット12は、外部機器31側からの第1信号41が調光制御を示すものである場合、光源33を所定の光出力で出力するように、点灯制御部2へ第1信号41の情報を伝送する。本実施形態の照明制御システム30では、第1通信部5で受信した第1信号41を信号変換部6が照明器具32の特性情報に応じた点灯制御信号として第2信号42に変換して点灯制御部2へ出力する。第2信号42は、たとえば、PWM信号や直流電圧の振幅信号とすることができる。」(段落【0057】)
上記(ア)~(オ)の記載を総合すると、「信号変換部6は、照明器具32の特性情報を記憶する記憶部を備え、」「予め複数の種類の照明器具32ごとの特性情報が記憶された記憶部の特性情報の中から通信ユニット12が接続した照明器具32の特性に適合した所定の特性情報を選択する選択情報であるかを判別」し、「通信信号が選択情報の場合、通信ユニット12が接続している照明器具32の種類を確認」し、「照明器具32の種類を確認した後、記憶部より、通信ユニット12と接続している照明器具32に対応する特性情報を読み取」り、「照明器具32の特性情報に応じた点灯制御信号として第2信号42に変換して点灯制御部2へ出力する」ことが記載されている。
そうすると、本件訂正により訂正前の請求項1に記載された「信号変換部」について、「前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」ことを新たに特定する訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであるといえるし、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項及び第6項に適合するものである。
イ 訂正事項2について
訂正事項2は、訂正事項1に係る訂正に伴って特許請求の範囲と発明の詳細な説明との整合を図るものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
また、訂正事項2は、上記(1)で判断したところによれば、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(3)独立特許要件
本件において、訂正前の請求項1~4について特許異議の申立てがされているので、訂正前の請求項1~4に係る訂正事項1及び2に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。
(4) 小括
以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1~4〕について訂正を認める。
3 訂正後の本件発明
上記2で述べたとおり、本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1~4に係る発明(以下「本件訂正発明1~4」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「 【請求項1】
点灯ユニットと、
前記点灯ユニットと交換可能に接続される複数の通信ユニットから選択される通信ユニットと、を備え、
前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と該通信部が受信した前記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、
前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と前記点灯制御信号に基づいて前記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、
前記点灯ユニットと接続された前記通信ユニットの通信方式は、前記外部機器が送信する前記制御信号の信号方式に対応し、
前記複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、
前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、
前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、
前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成され、
前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する
ことを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記点灯制御信号は、PWM信号または直流電圧の振幅信号であることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の前記点灯装置を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項4】
請求項3に記載の前記照明器具と、前記外部機器とを備えたことを特徴とする照明制御システム。」
4 取消理由通知に記載した取消理由について
(1)取消理由の概要
訂正前の請求項1~4に係る特許に対して、当審が平成30年9月3日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
本件特許の請求項1~4に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきである。
<刊行物>
引用文献1:特開平6-223977号公報
引用文献2:特開2013-235837号公報
引用文献3:特開平2-215083号公報
引用文献4:特開昭64-74066号公報
引用文献5:特開2012-48967号公報
引用文献6:特開2011-204381号公報
上記引用文献1は申立人が証拠として提出した甲第1号証であり、上記引用文献2~6は、甲第3~7号証である。
(2)刊行物の記載事項等
ア 引用文献1の記載事項等
引用文献1には、以下の事項等が記載されている。
(1a)
「【請求項1】 ランプと、直流電力を高周波電力に変換してランプを高周波点灯するインバータ方式の点灯回路部と、この点灯回路部に制御信号を与えてランプの点灯制御を行わせる制御部とを備える照明器具において、照明器具を特定動作させるための照明制御用信号を与えるアタッチメントを着脱自在に装着するソケットを設けて成ることを特徴とする照明器具。
【請求項2】 外部の操作装置から制御部に与えられる照明制御用信号に応じて動作制御可能として成ることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
・・・
【請求項6】 上記アタッチメントが遠隔監視制御システムの端末器であり、中央制御装置からの制御指令に応じて照明器具の動作制御を行って成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の照明器具。
【請求項7】 上記アタッチメントが光ワイヤレス信号で操作指令を与える操作部からの信号を受信する受光装置であり、操作部からの制御指令に応じて照明器具の動作制御を行って成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の照明器具。
【請求項8】 上記アタッチメントがワイヤレス信号で操作指令を与える操作部からの信号を受信する受信装置であり、操作部からの制御指令に応じて照明器具の動作制御を行って成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の照明器具。
・・・
」
(1b)
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インバータ方式の照明器具に関するものである。」
(1c)
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インバータ方式の照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インバータ方式の照明器具では、蛍光灯をオン,オフするだけでなく、調光点灯させたり、調色を行ったりすることができるようになってきた。この種の照明器具では、点灯回路の制御を行うマイクロコンピュータからなる制御部を備えている。このため、制御部でデータ処理を行い、簡単に高機能化できるようになっている。例えば、光ワイヤレス受光部を内蔵し、光ワイヤレスで照明のオン,オフあるいは調光制御を行ったり、人感センサを内蔵して人の有無により照明をオン,オフしたりする各種の高機能な照明器具が次々に発売されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、照明器具はデザインや形状、色などにより品種が非常に多く、新しい機能を付加した新商品を全ての品種に展開することは不可能であった。このため、ユーザがある機能を持った照明器具を選定しようとしても、その機能を持った照明器具は品種が限定され、デザインや形状、色などの面で満足のいく照明器具を選定することができないのが現状であった。
【0004】本発明は上述の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、使用者のニーズに応じて所望の機能を選択的に付加できる照明器具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を達成するために、照明器具を特定動作させるための照明制御用信号を与えるアタッチメントを着脱自在に装着するソケットを設けてある。
【0006】
【作用】本発明は、上述のように照明器具を特定動作させるための照明制御用信号を与えるアタッチメントを着脱自在に装着するソケットを設けることにより、所望する機能のアタッチメントを選定して照明器具に取り付け、使用者のニーズに応じて所望の機能を照明器具に付加することを可能とする。
【0007】
【実施例】図1に本発明の基本構成を示す。本発明は、調光及び調色制御を含むランプの点灯制御を行える照明器具であり、インバータ方式の点灯回路部2と、この点灯回路部2の動作制御を行うマイクロコンピュータからなる制御部3とを備えている。なお、制御部3には壁スイッチなどの外部操作装置から制御指令が与えられ、その制御指令に応じて点灯回路部2でランプの点灯制御を行わせる。そして、本実施例の場合には、外部操作装置の他に付属的にアタッチメントBを着脱自在としてある。
【0008】図2は通常使用される2種類の構造の照明器具を示す。これら照明器具に図3に示す図示しないソケットを設け、そのソケットでアタッチメントBを着脱自在としてある。アタッチメントBは、基本的には図3(a)に示す基本構造を基にするもので、同図(b)~(h)に示す光ワイヤレス受光装置、照度センサ、人感センサ、タイマ、防犯センサ、遠隔監視制御システムの端末器、引き紐装置などを選択して、着脱自在としてある。
【0009】この照明器具の購入時には、ソケットには引き紐装置あるいは何も機能しないブランク装置を装着しておき、ユーザが必要とするアタッチメントBを購入することにより、照明器具の機能変更及び拡張を行う。
(実施例1)図4及び図5に基づいて本発明の一実施例を説明する。本実施例の照明器具Aは、蛍光灯1と、直流電力を高周波電力に変換して蛍光灯1を高周波点灯するインバータ方式の点灯回路部2と、この点灯回路部2に制御信号を与えて蛍光灯1の点灯,消灯及び調光点灯制御を行わせる制御部3とで構成されている。
【0010】本実施例では、アタッチメントBとして照度センサB1を備える。この照度センサB1は、図4(b)に示すように、周囲の照度をアナログ的に検出するセンサ部4と、照度設定用のボリューム5と、ボリューム5の設定値とセンサ部4の検出出力との比較を行い、つまりは所望する照度と実際の部屋の照度との比較を行い、比較結果に応じた照明制御用信号を照明器具Aの制御部3に与える処理部6とで構成してある。
【0011】この照度センサB1は、図5に示す円柱状に形成され、下面にセンサ部4の受光部及びボリューム5を臨ませ、上部から一対の電源端子及び一対の出力端子からなる4つの端子7を突設し、照明器具Aに設けられたソケットCに着脱自在としてある。なお、出力端子の一方を電源端子の接地側と共通とした3端子構造としてもよい。さらに、照明制御用信号を電源に重畳して伝送するようにし、照度センサB1の金属製の本体ケースを接地端子として用いることにより、端子7を1つにすることもできる。つまり、上記端子7の数には特に限定はない。また、本実施例では照度センサB1 を円柱状に形成してあるが、その形状も特に限定されるものではない。」
(1d)
「【0018】(実施例4)図9にさらに他の実施例を示す。本実施例では、アタッチメントBとして、遠隔監視制御システムの端末器B4を用いたもので、遠隔監視で照明状態を制御できるようにしたものである。なお、本実施例の場合には端末器B4はソケットCを介して遠隔監視制御システムの信号線Lに接続されている。
【0019】端末器B4は、信号線Lを介して多重伝送される伝送信号を受信する受信部12と、伝送信号に含まれたアドレスデータよりその伝送信号が自己に対するものであるか否かを判断するアドレス判定部13と、その伝送信号が自己に対するものである場合には、その伝送信号に(当審注:「伝送信号の」の誤記であると認められる。)制御データなどから自己に与えられた制御指令内容を判断する信号処理部14と、その制御指令に応じた照明制御用信号を制御部3に対して与える送出部15とで構成してある。
【0020】遠隔監視制御システムの中央制御装置などでは信号線Lを介して各端末器に対して、制御データ及び送信相手の端末器のアドレスデータを含む伝送信号を例えば時分割多重伝送により端末器に送る。いま、その伝送信号が上記端末器B4で受信されると、アドレスデータが自己に設定されたアドレスと一致するか否かの判断をアドレス判断部13が行い、一致する場合には、信号処理部14でその伝送信号の制御データの解析を行う。制御データは、オン,オフ、レベル制御、調光スピードなどのデータで構成されている。そして、信号処理部14の解析結果に応じて照明制御用信号が送出部15を介して制御部3に与えられ、照明器具Aでは点灯,消灯、調光制御などが行われる。
【0021】なお、上述の場合には制御部3を別個に設けてあるが、この制御部3としての機能を端末器B4に組み込むことも可能であり、場合によってはアドレス判定部13を省略することもできる。さらに、端末器B4に返信部を設け、遠隔監視制御システムの中央制御装置に対して信号線Lを介して返信を行えるようにしてもよく、このようにすればより高級な照明制御システムを構築することができる。
【0022】ところで、図10に示すように、端末器B4にタイマ16を付設し、タイマ16の計時結果に基づいて調光スピードを制御することができる。このようにすれば、照明照度を刻々と変化させるといった任意の照明の遠隔制御を行える。
(実施例5)図11に本発明のさらに他の実施例を示す。本実施例では、アタッチメントBとしてワイヤレス受光装置B5を用いたもので、例えば赤外線などの光信号を送信する操作装置Dから与えられる制御指令に応じて照明を点灯,消灯あるいは調光制御するようにしたものである。なお、照明の色温度を変化させる指令を操作装置Dから与えるようにもできる。
【0023】ワイヤレス受光装置B5は、操作装置Dからのワイヤレス信号を受光する受光部17と、その受光出力を照明制御用信号に変換する信号変換部18とで構成してある。この種の光信号を用いたワイヤレス信号はその指向性があり、伝達距離が短いという特長があるので、照明器具Aを個別に制御する場合に適している。
(実施例6)図12に本発明のさらに別の実施例を示す。上述の実施例5の場合には光信号を用いる場合について説明したが、本実施例では電波を用いたもので、ワイヤレス受信装置B6をアタッチメントとして用いてある。
【0024】このように電波を用いる場合には、無指向性となり、伝達距離が長くなる。そこで、操作装置D′からは送信先のアドレスデータを設定した送信信号を送信する。そして、ワイヤレス受信装置B6は、操作装置D′からの信号を受信する受信部19と、操作装置D′の送信信号のアドレスデータが自己のアドレスと一致するかどうかの判断を行い、一致する場合に制御データを照明制御用信号に変換する信号処理部19(当審注:「信号処理部20」の誤記と認められる。)とを備えている。
【0025】本実施例においても、操作装置D′から与えられる制御指令に応じて照明を点灯,消灯、調光制御、あるいは色温度制御などを行える。しかも、電波の無指向性で、伝達距離が長いという特長により、複数の照明器具Aを一括して制御するグループ制御、あるいは複数の照明器具Aを予め決めてある特定の照明状態で夫々点灯制御するパターン制御などを行うことができる。」
上記(1a)~(1d)の記載を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 ランプと、
直流電力を高周波電力に変換してランプを高周波点灯するインバータ方式の点灯回路部2と、
この点灯回路部2に制御信号を与えてランプの点灯制御を行わせるマイクロコンピュータからなる制御部3と
を備え、
照明器具Aを特定動作させるための照明制御用信号を与えるアタッチメントBを着脱自在に装着するソケットCを設け、外部の操作装置から制御部に与えられる照明制御用信号に応じて点灯,消灯、調光制御などの動作制御可能とし、所望する機能のアタッチメントBを選定して照明器具Aに取り付け、使用者のニーズに応じて所望の機能を照明器具Aに付加する
照明器具Aであって、
上記アタッチメントBが遠隔監視制御システムの端末器B4であり、
端末器B4は、信号線Lを介して多重伝送される伝送信号を受信する受信部12と、
伝送信号に含まれたアドレスデータよりその伝送信号が自己に対するものであるか否かを判断するアドレス判定部13と、
その伝送信号が自己に対するものである場合には、その伝送信号の制御データなどから自己に与えられた制御指令内容を判断する信号処理部14と、
その制御指令に応じた照明制御用信号を制御部3に対して与える送出部15とで構成され、中央制御装置からの制御指令に応じて照明器具Aの動作制御を行う、
または
上記アタッチメントBが光ワイヤレス信号で操作指令を与える操作装置Dからの信号を受信するワイヤレス受光装置B5であり、
ワイヤレス受光装置B5は、操作装置Dからのワイヤレス信号を受光する受光部17と、その受光出力を照明制御用信号に変換する信号変換部18とで構成され、操作装置Dからの制御指令に応じて照明器具Aの動作制御を行う、
または
上記アタッチメントBがワイヤレス信号で操作指令を与える操作装置D'からの信号を受信するワイヤレス受信装置B6であり、
ワイヤレス受信装置B6は、操作装置D′からの信号を受信する受信部19と、操作装置D′の送信信号のアドレスデータが自己のアドレスと一致するかどうかの判断を行い、一致する場合に制御データを照明制御用信号に変換する信号処理部20とを備え、操作装置D′からの制御指令に応じて照明器具Aの動作制御を行う
照明器具A。」
イ 引用文献2の記載事項
引用文献2には、以下の事項が記載されている。
(2a)
「【0022】
実施形態の説明において、照明装置は、LED、一般の照明機器、または、他の照明機器を含む装置である。
・・・
【0028】
まず、図1を参照すると、ユーザ指令を入力するための入力手段であるリモコン101と、 照明部(LED、他の証明(当審注:「照明」の誤記と認められる。)機器など)、及び信号受信手段であるインターフェース部を含む照明装置103と、前記リモコンからユーザ制御指令を無線受信し、前記受信されたユーザ指令を処理して、前記照明装置103に伝送するものとして、着脱可能な通信モジュール102とが含まれて構成される。
・・・
【0032】
また、前記図1及び図2において、通信モジュールと照明装置との間においても、様々な制御方式が可能である。
【0033】
例えば、直接、PWM 制御方式 (3Pin(VCC、GND、PWM))、UART方式(4Pin(VCC、GND、TX、 RX))、SPI方式(5Pin(VCC、GND、DI、DO、CLK))、I2C方式(4Pin(VCC、GND、CLK、DATA))などが使用可能であり、本実施形態では、前記SPI、I2C方式よりは、汎用的に使用が容易であるUART/直接PWM制御方式を使用することと説明するが、これに限定することなく、ユーザの選択に基づいて、異なることができる。」
ウ 引用文献3の記載事項
引用文献3には、以下の事項が記載されている。
(3a)(第1頁右欄第2~6行)
「[産業上の利用分野]
本発明は、調光用照明器具に関し、特に簡単な施工配線により複数の照明器具の一括調光を可能とし、かつ必要に応じて容易に個別調光もできる様にした調光用照明器具に関する。」
(3b)(第2頁右下欄第20行~第3頁右上欄第6行)
「調光安定器1は交流電源(AC)のような照明用電源を印加するための電源入力端子9と例えばPWM(パルス幅変調)形式の調光信号を印加するための調光信号入力端子11とを備えている。
そして、調光安定器に於いては、電源入力端子9に印加された電源を調光信号入力端子11に印加された調光信号に基づき例えば位相制御し、或いはランプ点灯用のインバータ回路の出力周波数を変化させることにより照明ランプ13の明るさを調節する。第2の端子台5は例えばプラグイン式になっており制御用端末器或いはジャンパー線等の着脱が可能なよう構成されている。
第2図は、第1図の調光用照明器具に内蔵可能な、即ち第2の端子台5に装着可能な制御用端末器の構成を示す。第2図の端末器15は、制御部17とインタフェース部19とを備えている。そして、入力a、b間に印加される伝送信号、即ち例えば図示しない主操作盤等の親機から伝送信号線を介して送られてくる伝送信号が入力される。制御部17は、この入力された伝送信号例えば調光レベルおよび被制御端末器のアドレス等を含むデータを受信し、このデータの内のアドレス情報を予め自己の端末器に指定されている端末器番号等のアドレスと比較する。両者が一致した場合には、制御部17は伝送信号に含まれる調光データに基づき例えばPWM方式の調光信号を作成しインタフェース19を介して端子a′,b′から出力する。」
エ 引用文献4の記載事項
引用文献4には、以下の事項が記載されている。
(4a)(第3頁右上欄第10行~右下欄第19行)
「第1図は本発明の一実施例に係る電源装置の構成を示す。ここでは、電源装置の負荷として螢光ランプを接続し、調光用点灯装置として適用した例を示す。
同図において、1は交流電源で、この交流電源1にインダクタ11とコンデンサ12とからなる雑音防止用のL型フィルタ回路を介して全波整流器21と平滑用コンデンサ22とからなる整流回路2が接続され、この整流回路2の正負直流出力端子間にはSEPP接続された2個のパワーMOSFET31、32を有する他励式のインバータ回路3が接続されている。4は起動回路、5は制御系電源回路、6は本発明の特徴とする調光制御回路、7はV-f変換器、8はV-f変換器7の高周波力によりFET31,32をプッシュプル駆動する駆動回路である。
インバータ回路3は、シリーズインバータまたはハーフブリッジ等と呼ばれるタイプのもので、整流回路3の正負直流出力端子間に2個のパワーMOSFET31,32の直列回路および2個の直流カット用コンデンサ33,34の直列回路を接続し、FET31と32との接続点およびコンデンサ33と34との接続点の間にリーケージ型のインバータトランス35の1次巻線35pを接続してある。
トランス35の2次巻線(ランプ電流供給用巻線)35sには、共振用コンデンサ36が接続され、さらに、変流器(CT)37を介して螢光ランプ9が接続されている。35f1および35f2はフィラメント電力供給用巻線で、それぞれランプ9のフィラメント9f1および9f2に接続されている。トランス35には、さらに、出力電圧検出用巻線35dが設けられている。
調光制御回路6は、ランプ電流検出回路61、直流変換回路62、ランプ電圧検出回路63および誤差増幅器64等を具備する。
ランプ電流検出回路61はCT37の2次巻線誘起出力よりランプ電流ILに比例する検出電圧VIDを発生する。CT37およびこのランプ電流検出回路61はランプ9を全光点灯したときのランプ電流ILに対して後述の参照電圧VREPにほぼ等しい検出電圧VIDが出力されるように各定数を設定してある。
直流変換回路62は、フォトカブラ65、トランジスタ66、抵抗67およびコンデンサ68等からなり、外部から伝送されたPWM調光信号を受信し、受信したPWM信号を直流信号VPMに変換し、この直流信号VPMを上記検出電圧VIDに直流バイアスとして加算する。」
オ 引用文献5の記載事項
引用文献5には、以下の事項が記載されている。
(5a)
「【0022】
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態1に係る発光素子点灯装置(以下、点灯装置と記す)1は、電源線2aを介して電力を供給する直流電源Vdc(2)、調光信号線3aを介して光量の調光信号を送信する調光信号送信部3、及び複数の灯具4を備える。また、点灯装置1は、有機ELなどから成る発光素子5aに電力を供給して点灯させるものである。
【0023】
直流電源Vdc(2)は、電力を供給するバッテリーなどである。調光信号送信部3は、例えば、可変抵抗となる抵抗ボリュームを回すことによって抵抗値が動き、それに対応する電圧を指令値として調光信号に変換し、調光信号線3aを介して発光モジュール5の調光制御回路5cに送信する。
・・・
【0027】
点灯回路5bは、発光素子5aを点灯させるため定電流制御を行う、例えば降圧チョッパ回路を備える。この点灯回路5bは、定電流制御を行うことで発光素子5aに安定した電圧を印加する。また、点灯回路5bには調光機能があり、調光制御回路5cからの信号を受けて発光素子5aの振幅調光やPWM調光を行う。点灯回路5bの電源は直流電源Vdc(2)から供給されている。
【0028】
調光制御回路5cは、調光信号送信部3から受信した調光信号Sを元の調光指令値に変換し、点灯回路5bに伝える。この調光信号は、例えば矩形波のデューティ又は直流電圧を可変にするものであり、細かな調光が可能である。調光制御回路5cへの電源供給は調光信号Sからでも直流電源Vdc(2)からでもよく、また、調光制御回路5cは、点灯回路5b内に設けてもよい。」
カ 引用文献6の記載事項
引用文献6には、以下の事項が記載されている。
(6a)
「【0013】
本発明の一実施形態に係る電源ユニット及びそれを用いた照明器具を、図1乃至図3を参照して説明する。図1に示されるように、照明器具1は、電源ユニット2と、灯具3とを備え、電源ユニット2及び灯具3が配線によって相互に接続される。電源ユニット2は、一定の電圧Vを灯具3に供給すると共に、調光信号Sを灯具3に送信する。灯具3は、複数の発光素子31と、各々の発光素子31に対応して設けられた調光信号受信部32及び点灯装置33と、入出力部34とを有する。調光信号受信部32は、電源ユニット2から送信される調光信号Sを受信する。点灯装置33は、調光信号受信部32が受信した調光信号Sに基づいて発光素子31を調光する。
【0014】
灯具3に用いられる発光素子31は、入力電流と光出力がほぼ比例の関係にある素子であり、例えば有機EL素子やLED(発光ダイオード)等の固体発光素子である。調光信号受信部32は、電源ユニット2から受信した調光信号Sを指令値に変換し、点灯装置33に伝える。点灯装置33は、発光素子31を定電流制御して点灯させるものである。点灯装置33は、電源ユニット2からの出力電圧Vと発光素子31の動作電圧との関係に応じて、降圧チョッパ回路、昇圧チョッパ回路、又は昇降圧回路等で構成される。点灯装置33は、調光機能を有し、調光信号受信部32からの指令値を受け、発光素子31をPWM調光又は振幅調光する。入出力部34は、灯具3を電源ユニット2や他の灯具3に接続する3線式のソケットやコネクタ等である。
・・・
【0023】
調光信号送信部22は、マイクロコントローラ又は汎用ICの組み合わせ等により構成される。調光信号送信部22は、出力電流検出部21から伝えられる検出値、及び調光部27から伝えられる調光指令値に基づいて調光信号Sを生成し、調光信号Sを灯具3に送信する。調光信号Sは、例えばPWM(パルス幅変調)信号であり、信号として調光率を含む。PWM信号は、例えば振幅が12V、PWM周波数が1kHzであり、パルスのオン時間が長いほど調光率が高く、定格出力における調光率が100%とされる。調光信号Sは、PWM信号に替えて、振幅信号等を用いてもよい。
【0024】
出力部28は、定電圧部26によって一定にされた出力電圧Vと、調光信号送信部22によって生成された調光信号Sとを出力する。出力部28は、出力電圧V及び調光信号SのGND(グランド線)を共通とし、3線(V、S、GND)で出力する。出力部28は、出力電圧Vに調光信号Sを重畳し、2線(V+S、GND)で出力してもよい。」
(3)当審の判断
ア 本件訂正発明1について
(ア)対比
a 引用発明の「直流電力を高周波電力に変換してランプを高周波点灯するインバータ方式の点灯回路部2と、この点灯回路部2に制御信号を与えてランプの点灯制御を行わせるマイクロコンピュータからなる制御部3」と「ソケットC」からなる構成は、「ランプ」を点灯させるユニットであるといえるから、本件訂正発明1の「点灯ユニット」に相当する。
b 引用発明の「アタッチメントB」は、「ソケットC」に「着脱自在に装着」されているものであり、「所望する機能のアタッチメントBを選定して照明器具Aに取り付け、使用者のニーズに応じて所望の機能を照明器具Aに付加する」ために、「端末器B4」、「ワイヤレス受光装置B5」または「ワイヤレス受信装置B6」から選定されるものであるから、引用発明の「端末器B4」、「ワイヤレス受光装置B5」または「ワイヤレス受信装置B6」が、本件訂正発明1の「前記点灯ユニットと交換可能に接続される複数の通信ユニットから選択される通信ユニット」に相当する。
c 上記a及びbの相当関係を踏まえると、引用発明の「直流電力を高周波電力に変換してランプを高周波点灯するインバータ方式の点灯回路部2と、この点灯回路部2に制御信号を与えてランプの点灯制御を行わせるマイクロコンピュータからなる制御部3」、「ソケットC」及び「端末器B4」、「ワイヤレス受光装置B5」または「ワイヤレス受信装置B6」からなる構成が、本件訂正発明1の「点灯装置」に相当する。
d 引用発明の「端末器B4」が、「受信部12」を有し、「中央制御装置」からの「制御指令」を含む「伝送信号」を、「信号線L」を介して受信するものであり、引用発明の「ワイヤレス受光装置B5」が「受光部17」を有し、「操作装置D」からの「制御指令」を含む「ワイヤレス信号」を受信するものであり、引用発明の「ワイヤレス受信装置B6」が「受信部19」を有し、「操作装置D′」からの「制御指令」を含む「ワイヤレス信号」を受信するものである。
そして、引用発明の「中央制御装置」、「操作装置D」または「操作装置D′」が、本件発明1の「外部機器」に相当し、「制御指令」は、「ランプ」の「点灯,消灯、調光制御などの動作制御」を行う指令であるから、引用発明の「端末機B4」が「受信部12」を有し、「ワイヤレス受光装置B5」が「受光部17」を有し、「ワイヤレス受信装置B6」が「受信部19」を有する構成が、本件訂正発明1の「前記複数の通信ユニットの各々」が、「外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部」「を有」する構成に相当する。
e 引用発明の「端末器B4」が、「中央制御装置」からの「伝送信号が自己に対するものである場合には、その伝送信号に制御データなどから自己に与えられた制御指令内容を判断する信号処理部14と、その制御指令に応じた照明制御用信号を制御部3に対して与える送出部15」を、引用発明の「ワイヤレス受光装置B5」が、「操作装置Dからのワイヤレス信号」の「受光出力を照明制御用信号に変換する信号変換部18」を、引用発明の「ワイヤレス受信装置B6」が、「操作装置D’の送信信号のアドレスデータが自己のアドレスと一致するかどうかの判断を行い、一致する場合に制御データを照明制御用信号に変換する信号処理部20」をそれぞれ有する構成が、本件訂正発明1の「前記複数の通信ユニットの各々」が、「該通信部が受信した前記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有」する構成に相当する。
f 引用発明の「ランプ」が、本件訂正発明1の「光源」に相当する。
g 上記fの相当関係を踏まえると、引用発明の「ランプを高周波点灯するインバータ方式の点灯回路部2」及び「点灯回路部2に制御信号を与えてランプの点灯制御を行わせるマイクロコンピュータからなる制御部3」が、本件訂正発明1の「光源を点灯させる点灯回路部」及び「前記点灯制御信号に基づいて前記点灯回路部を制御する点灯制御部」にそれぞれ相当する。
h 引用発明の「端末器B4」、「ワイヤレス受光装置B5」または「ワイヤレス受信装置B6」は、それぞれ、「中央制御装置」、「操作装置D」または「操作装置D′」と「制御指令」を含む信号の送受信すなわち通信を行っている。通信を行うためには、通信方式が対応していなければならないことは当業者にとって自明の事項であることから、引用発明の「端末器B4」、「ワイヤレス受光装置B5」または「ワイヤレス受信装置B6」は、本件訂正発明1の「前記点灯ユニットと接続された前記通信ユニットの通信方式は、前記外部機器が送信する前記制御信号の信号方式に対応し」た構成を備えているといえる。
上記a~hを総合すると、本件訂正発明1と引用発明1との一致点及び相違点は以下のとおりである。
<一致点>
「 点灯ユニットと、
前記点灯ユニットと交換可能に接続される複数の通信ユニットから選択される通信ユニットと、を備え、
前記複数の通信ユニットの各々は、外部機器から照明光の制御を行う情報を含む制御信号を無線方式または有線方式により受信する通信部と該通信部が受信した前記制御信号を点灯制御信号に変換する信号変換部とを有し、
前記点灯ユニットは、光源を点灯させる点灯回路部と前記点灯制御信号に基づいて前記点灯回路部を制御する点灯制御部とを有し、
前記点灯ユニットと接続された前記通信ユニットの通信方式は、前記外部機器が送信する前記制御信号の信号方式に対応する
点灯装置。」
<相違点1>
本件発明1は、「複数の通信ユニットの各々は、第1接続端子部を有し、前記点灯ユニットは、前記第1接続端子部と電気的に接続し、且つ着脱可能な第2接続端子部を有し、前記信号変換部は、前記点灯制御信号を前記第1接続端子部に出力するように構成され、前記点灯制御部は、前記点灯制御信号を前記第2接続端子部から受信するように構成される」のに対し、引用発明は、「端末器B4」、「ワイヤレス受光装置B5」または「ワイヤレス受信装置B6」が「ソケットC」に着脱自在に装着されるものの、電気的な接続や点灯制御信号の出力・受信についてかかる特定がされていない点。
<相違点2>
本件発明1の「信号変換部」は、「複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」ものであるのに対し、本件発明1の信号変換部に相当する、引用発明の「端末機B4」の「信号処理部14」及び「送出部15」、「ワイヤレス受光装置B5」の「信号変換部18」、「ワイヤレス受信装置B6」の「信号処理部20」のそれぞれは、かかる特定がされていない点。
(イ)判断
事案に鑑み、上記相違点2について検討する。
本件訂正発明1は、「特性情報」が異なる「複数の種類の照明器具」に対応することを前提とし、その対応を実現するために「複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」ものである。
一方、引用発明は、引用文献1に「【産業上の利用分野】本発明は、インバータ方式の照明器具に関するものである。」(摘示(1b))と記載されていることからも理解されるように、「インバータ方式」に属する種類の「照明器具」のみを前提とした発明であり、「インバータ方式の照明器具」において、「使用者のニーズに応じて所望の機能を選択的に付加できる照明器具を提供すること」(摘示(1c)段落【0004】)を課題とするものである。
そして、引用文献1には、複数の種類の照明器具に対応可能とすることは、記載も示唆もされていないし、引用文献2~6にも複数の種類の照明器具に対応可能とすることは、記載も示唆もされていない。
そうすると、引用発明において、その前提を本件訂正発明1のように「複数の種類の照明器具」とする動機付けが存在するとはいえないし、引用発明において「複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」構成を採用することも当業者が容易に想到しうるということはできない。
よって、本件訂正発明1は、引用発明及び引用文献1~6に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(ウ)申立人の意見について
申立人は、平成31年1月8日付け意見書において、「訂正により請求項1に新たに追加された特徴『前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する』については、参考資料1及び2に記載されているように周知技術である」(2頁12~17行)とし、「そして、甲1号証に記載された発明と参考資料1及び2に記載された技術とは、照明制御という点で共通するから、両者の技術分野は関連している。したがって、参考資料1及び2に記載されているような周知の技術を甲1号証に記載された発明に適用する動機付けがあることから、本件特許発明の請求項1は、依然として、甲第1号証に記載された発明及び周知の技術により進歩性を有しておらず、取り消されるべきものである」(5頁10~15行)旨主張している。
しかしながら、上記イで述べたとおり、引用発明は、「インバータ方式」に属する種類の「照明器具」のみを前提とした発明であり、引用文献1には、複数の種類の照明器具に対応可能とすることは、記載も示唆もされていないものであるから、仮に「前記信号変換部は、複数の種類の照明器具ごとの特性情報が記憶された記憶部を有し、前記記憶部の前記特性情報の中から、前記通信ユニットと接続している照明器具に対応する特性情報を読み取り、前記通信部が受信した前記制御信号を、前記対応する特性情報に応じた前記点灯制御信号に変換する」ことが周知技術であったとしても、引用発明はその前提となる複数の種類の照明器具に対応することが想定されていない発明である以上、その周知技術を適用することが当業者にとって容易に想到しうるということはできない。
したがって、申立人の上記主張を採用することはできない。
イ 本件訂正発明2~4について
本件訂正発明2~4は、請求項1を直接的又は間接的に引用する本件訂正後の請求項2~4により特定されるものであるから、上記アと同様の理由から、本件訂正発明2~4は、引用発明または引用発明及び引用文献2~6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
(1)特許異議申立理由の概要
申立人が特許異議申立書において主張した特許異議申立理由の概要は、以下のとおりである。
理由1
本件特許の請求項1、3~4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきである。
理由2
本件特許の請求項1、3及び4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に想到しうる発明であり、本件特許の請求項2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された事項、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証及び第3号証に記載された事項、または、甲第1号証に記載された発明及び甲4~7号証に記載された周知技術、または、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された事項及び甲4~7号証に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に想到しうる発明であり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきである。
(2)検討
ア 理由1について
上記「4(3)ア(ア)」において述べたとおり、本件訂正発明1と引用発明とを対比すると、相違点1及び2で相違することから、理由1に係る申立人の主張を採用することはできない。
イ 理由2について
本件特許の請求項1に係る発明が、引用発明から容易に想到しうるものでないことは上記「4(3)ア(イ)」で述べたとおりであるから、本件特許の請求項1に係る発明が、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基づき、当業者が容易に想到しうる発明であるか否かについて以下検討する。
甲第2号証に記載された事項について、申立人は以下の主張をしている。
「甲第2号証に、照明器具(40)、運転制御装置(1)、及び操作端末(2)を備えたシステムにおいて、『運転制御装置(1)は、照明器具(40)に着脱自在に装着される』点、『運転制御装置(1)は、操作端末(2)から無線送信された指令信号を受信する無線通信部(10)と、照明器具(40)の出力値(光量)を指令信号に応じて制御する設備機器出力制御部(12)とを備える』点、『設備機器出力制御部(12)は、光量度合いを示す信号の出力装置である』点、及び『照明器具(40)に、運転制御装置(1)を着脱自在に装着可能な運転制御装置装着部(41)が設けられる』点が記載されている。そして、甲第2号証には、上記システムにおいて、『運転制御装置装着部(41)に運転制御装置(1)が装着されると、運転制御装置装着部(41)に設けられた通信端子と運転制御装置(1)の通信端子とが接続される』点が記載されている」(特許異議申立書21頁23行~22頁7行)
しかし、上記主張は、少なくとも、上記「4(3)ア(ア)」において示した相違点2に関する主張ではなく、甲第2号証には、相違点2に関する事項は記載も示唆もされていないことから、本件特許の請求項1に係る発明が、引用発明及び甲第2号証に記載された事項に基づき、当業者が容易に想到しうる発明であるということはできず、上記主張を採用することはできない。
また、本件訂正発明2~4は、請求項1を直接的又は間接的に引用する本件訂正後の請求項2~4により特定されるものであるから、本件訂正後の請求項3及び4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に想到しうる発明であるということはできないし、本件訂正後の請求項2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された事項、または、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証及び第3号証に記載された事項、または、甲第1号証に記載された発明及び甲4~7号証に記載された周知技術、または、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された事項及び甲4~7号証に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に想到しうる発明であるということもできない。
6 むすび
以上のとおり、請求項1~4に係る特許については、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、取り消すことはできない。
また、他に請求項1~4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2018-700514