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特許異議申立

2022-700400

照明装置および照明システム

審判番号
2022-700400
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-065697
登録番号
6964242
請求日
2022年05月09日
審決日
2023年09月19日
公報発行日
2024年02月22日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】パナソニックIPマネジメント株式会社
  • 【権利者代理人】新居 広守
  • 【権利者代理人】寺谷 英作
  • 【権利者代理人】道坂 伸一
  • 【異議申立人】井澤 幹
審判長/審判官
  • 審判長 筑波 茂樹
  • 審判官 藤井 昇
  • 審判官 中村 則夫
分類
P1651.121-ZDA(F21S) / P1651.537-ZDA(F21S) / P1651.832-ZDA(F21S) / P1651.841-ZDA(F21S) / P1651.851-ZDA(F21S) / P1651.853-ZDA(F21S) / P1651.857-ZDA(F21S)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法113条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6964242号発明「照明装置および照明システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6964242号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~5、7〕、6について訂正することを認める。 特許第6964242号の請求項1~6に係る特許を取り消す。 特許第6964242号の請求項7に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6964242号の請求項1~6に係る特許についての出願は、平成29年3月29日を出願日とする出願であって、令和3年10月21日にその特許権の設定登録がされ、令和3年11月10日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和 4年 5月 9日 : 特許異議申立人井澤幹(以下、「申立人」という。)による請求項1~6に係る特許に対する特許異議の申立て 令和 4年 7月19日付け: 取消理由通知書 令和 4年10月17日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和 4年12月14日 : 申立人による意見書の提出 令和 5年 3月28日付け: 取消理由通知書(決定の予告) 令和 5年 6月 5日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和 5年 7月19日 : 申立人による意見書の提出 第2 訂正の適否について 1 訂正の内容 令和5年6月5日付けの訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、特許6964242号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~7について訂正することを請求するものであり、その内容は以下のとおりである(下線は、訂正箇所を示す。)。 なお、令和4年10月17日付けの訂正請求書による訂正は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。 (1)訂正事項1 訂正前の請求項1に「前記発光部が前記造営材と同じ色となるように、」とあるのを、訂正後の請求項1において「前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が青色の光であれば前記青色の光の色温度よりも低い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させること、および、前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させることの少なくとも一方のことを行うように、」に訂正する(請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2~5も同様に訂正する)。 (2)訂正事項2 訂正前の請求項4に「請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。」とあるのを、訂正後の請求項4において「請求項2または3に記載の照明装置。」に訂正する。 (3)訂正事項3 訂正前の請求項6に「前記発光部が前記造営材と同じ色となるように、」とあるのを、訂正後の請求項6において「前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が青色の光であれば前記青色の光の色温度よりも低い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させること、および、前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させることの少なくとも一方のことを行うように、」に訂正する。 (4)訂正事項4 訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項4を独立項にして訂正後の請求項7とする。そして、訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項4を独立項にして訂正後の請求項7とするにあたり、訂正前の請求項1に「前記発光部が前記造営材と同じ色となるように、」とあったのを、「前記発光部から出射される光の色温度が前記光拡散板から出射される光の色温度と異なるようにかつ前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光を前記発光部から出射させることを行うように、」に訂正する。 (5)一群の請求項等についての説明 訂正前の請求項1~5は、請求項2~5が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を直接又は間接的に引用する関係にあり、訂正後の請求項7は、訂正前の請求項1を引用する請求項4を独立項とした上で減縮したものであり、また、訂正前の請求項6は、独立項であるから、本件訂正は、一群の請求項〔1~5、7〕、及び、請求項6について請求されている。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1 ア 訂正の目的について 訂正前の請求項1の「前記発光部が前記造営材と同じ色となるように、」という記載は、請求項に記載した発明が技術的に正確に特定されず不明瞭であった。 そこで、訂正事項1は、上記記載について、訂正後の請求項1に係る発明が技術的に正確に特定されたものとなるように訂正するものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項1は、訂正前の請求項1の「前記光拡散板から出射される画像光が発光部に映り込まないよう」にするための構成を特定するためのものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてした訂正であること 訂正後の請求項1における「前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光」の構成に関する説明として、特許明細書等の段落【0013】、段落【0020】、図7及び図8の記載がなされている。 また、訂正後の請求項1における「前記光拡散板に映し出される光が青色の光であれば前記青色の光の色温度よりも低い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させること」の構成に関する説明として、特許明細書の段落【0060】及び段落【0059】の記載がなされている。 さらに、訂正後の請求項1における「前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させること」の構成に関する説明として、特許明細書の段落【0064】及び段落【0063】の記載がなされている。 すなわち、特許明細書等には、訂正後の請求項1における「前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が青色の光であれば前記青色の光の色温度よりも低い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させること」および「前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させること」の少なくとも一方のことを行うことが記載されている。 したがって、訂正事項1による訂正は、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記のように、訂正事項1は、「前記発光部が前記造営材と同じ色となるように」という目的的で不明瞭な記載を、「前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が青色の光であれば前記青色の光の色温度よりも低い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させること、および、前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させることの少なくとも一方のことを行うように、」と明瞭にしたにすぎないから、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に適合するものである。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の請求項4に「請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。」とあるのを、訂正後の請求項4において「請求項2または3に記載の照明装置。」に訂正するものである。 したがって、訂正事項2による訂正は、引用する請求項の数を減少するものであるから、特許請求の範囲の減縮及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項2による訂正は、上記ア「訂正の目的について」から明らかなように新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)訂正事項3 ア 訂正の目的について 訂正事項1について示した上記(1)アと同様の理由により、訂正事項3による訂正は、明瞭でない記載の釈明及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項3による訂正は、訂正事項1について示した上記(1)イ、ウと同様の理由により、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (4)訂正事項4 ア 訂正の目的について 訂正事項4は、訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項4を独立項にして訂正後の請求項7とするにあたり、訂正前の請求項1に「前記発光部が前記造営材と同じ色となるように、」とあったのを訂正後の請求項7において「前記発光部から出射される光の色温度が前記光拡散板から出射される光の色温度と異なるようにかつ前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光を前記発光部から出射させることを行うように、」とするものである。 訂正後の請求項7における「前記発光部から出射される光の色温度が前記光拡散板から出射される光の色温度と異なるように」との記載は、訂正前の請求項4の「前記発光部から出射される光の色温度が前記光拡散板から出射される光の色温度と異なるように」との記載に基づくものである。つまり、この訂正後の請求項7は、訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項4の記載を訂正後の請求項1の記載を引用しない独立請求項とするものであり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 る。 また、訂正事項1について示した上記(1)アと同様の理由により、訂正事項4による訂正は、明瞭でない記載の釈明及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正であること 訂正後の請求項7における「前記発光部から出射される光の色温度が前記光拡散板から出射される光の色温度と異なるように」との記載は、訂正前の請求項4の「前記発光部から出射される光の色温度が前記光拡散板から出射される光の色温度と異なるように」との記載に基づくものである。 また、訂正後の請求項7における「前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光を前記発光部から出射させること」の構成に関する説明として、特許明細書の段落【0064】及び段落【0063】の記載がある。 したがって、訂正事項4による訂正は、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項4の「ア 訂正の目的について」から明らかなように、訂正事項4による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 3 小括 上記のとおりであるから、訂正事項1~4に係る本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号、及び、第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項、第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~5、7〕、6について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記「第2」のとおり、本件訂正は認められたから、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1~7に係る発明(以下それぞれ「本件発明1」~「本件発明7」という。)は、令和5年6月5日付けの訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 造営材に設置される照明装置であって、 開口部を有するケースと、 前記ケース内に設けられ、複数の発光素子を有する第1光源と、 前記開口部に設けられ、前記第1光源から出射された光を拡散および透過して出射する光拡散板と、 前記光拡散板の光の出射面側において前記光拡散板の光の出射領域の外側に配置される発光部と、 前記発光部に光を入射する第2光源と、 前記第1光源および前記第2光源の発光を制御する制御部と、 を備え、 前記発光部は、発光面を有する導光板であり、前記発光面が前記出射面と交差し、かつ、前記発光面が前記出射領域の外側の反対である内側を向くように配置され、 前記制御部は、前記光拡散板から出射される画像光が前記発光部に映り込まないよう、前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が青色の光であれば前記青色の光の色温度よりも低い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させること、および、前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させることの少なくとも一方のことを行うように、前記第2光源の発光を制御する 照明装置。 【請求項2】 前記発光部は、前記出射領域の周囲に配置されている 請求項1に記載の照明装置。 【請求項3】 前記第2光源は、光の3原色を発光する発光素子を有する 請求項1または2に記載の照明装置。 【請求項4】 前記制御部は、前記発光部から出射される光の色温度が前記光拡散板から出射される光の色温度と異なるように、前記第2光源の発光を制御する 請求項2または3に記載の照明装置。 【請求項5】 前記発光部が複数設けられ、 前記第2光源は、複数の前記発光部に対応して複数設けられ、 前記制御部は、複数の前記発光部のうち第1の発光部の発光状態が第2の発光部の発光状態と異なるように、前記第1の発光部および前記第2の発光部のそれぞれに対応する前記第2光源の発光を制御する 請求項1~4のいずれか1項に記載の照明装置。 【請求項6】 開口部を有するケース、前記ケース内に設けられ複数の発光素子を有する第1光源、および、前記開口部に設けられ前記第1光源から出射された光を拡散および透過して出射する光拡散板を備える照明装置と、 前記光拡散板の光の出射面側において前記光拡散板の光の出射領域の外側に配置される発光部、および、前記発光部に光を入射する第2光源を備える発光器具と、 前記第1光源および前記第2光源の発光を制御する照明コントローラと を備え、 前記照明装置は、造営材に設置され、 前記発光部は、発光面を有する導光板であり、前記発光面が前記出射面と交差し、かつ、前記発光面が前記出射領域の外側の反対である内側を向くように配置され、 前記照明コントローラは、前記光拡散板から出射される画像光が前記発光部に映り込まないよう、前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が青色の光であれば前記青色の光の色温度よりも低い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させること、および、前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させることの少なくとも一方のことを行うように、前記第2光源の発光を制御する 照明システム。 【請求項7】 造営材に設置される照明装置であって、 開口部を有するケースと、 前記ケース内に設けられ、複数の発光素子を有する第1光源と、 前記開口部に設けられ、前記第1光源から出射された光を拡散および透過して出射する光拡散板と、 前記光拡散板の光の出射面側において前記光拡散板の光の出射領域の外側に配置される発光部と、 前記発光部に光を入射する第2光源と、 前記第1光源および前記第2光源の発光を制御する制御部と、 を備え、 前記発光部は、発光面を有する導光板であり、前記発光面が前記出射面と交差し、かつ、前記発光面が前記出射領域の外側の反対である内側を向くように配置され、 前記制御部は、前記光拡散板から出射される画像光が前記発光部に映り込まないよう、前記発光部から出射される光の色温度が前記光拡散板から出射される光の色温度と異なるようにかつ前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光を前記発光部から出射させることを行うように、前記第2光源の発光を制御する 照明装置。」 第4 取消理由通知(決定の予告)の概要 訂正前の請求項1~6に係る特許に対して、当審が令和5年3月28日付け取消理由通知(決定の予告)において特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 「(進歩性)本件特許の請求項1~6に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、その発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 記 ・請求項 1~6 ・引用文献 甲1、甲2 <引用文献> 甲1:特表2016-536744号公報 甲2:特表2008-545905号公報」 第5 当審の判断 1 甲号証の記載事項、甲1発明 (1)甲1 ア 記載事項 甲1には、図面とともに以下の事項が記載されている。 ・「【0001】 本発明は、屋内照明システムに関する。」 ・「【背景技術】 ・・・ 【0006】 本出願人によって以前に提案されている或る手法は、或る角度で、例えば、40乃至90度で天窓を見るときに、青色の(即ち、晴れた空の)外観をもたらすものであるが、依然として、天窓の法線方向に対して平行に向けられているビームにおいて、即ち、下方へ、主に白色光を発する。これは、下方向に機能的な白色光を供給し、前記法線に対して角度をなしてより多くの青色光を供給する。 【0007】 凹部の側部は、当然、疑似天窓の縁端部に位置し、前記側部は、天窓によって発せられる光、即ち、上記のタイプの照明ユニットのための青色光を、大きな角度で拡散反射する。青色光の強度は一般に低いが、それによって、天窓の凹部の(一般に白色の)表面が、青っぽい又は少なくとも非常に寒色の白色の外観を呈するようになる。これは、本物の天窓では生じず、従って、疑似天窓ソリューションで達成されることを目的とする効果を減じる。 【0008】 この反射光の輝度もかなり低いが、本物の天窓では、凹部の白色の壁は、それが天窓のすぐ隣にあることから、非常に明るく見えるだろう。」 ・「【課題を解決するための手段】 ・・・ 【0011】 本発明によれば、 光透過又は光生成領域と、 凹部を画定する、前記光透過又は光生成領域のまわりの1つの側壁又は複数の側壁のセットとを有する照明システムであって、 前記光透過又は光生成領域が、前記凹部の底面に位置し、 前記1つの側壁又は前記複数の側壁の少なくとも1つが、光が、前記1つの側壁若しくは複数の側壁によって供給される、又は対向する1つの側壁若しくは複数の側壁によって供給される形状及び/又は照明のコントラスト及び/又は強度及び/又は 色を制御するための照明装置を具備し、前記1つの側壁又は前記複数の側壁の少なくとも1つが、2つの独立して制御可能な三角形発光領域から形成される矩形発光領域を更に有する照明システムが提供される。 【0012】 この照明システムは、照明パネルが収容される標準的な受動凹部を発光面に置き換える。前記発光面は、例えばランバート強度分布で、白色光及び/又は着色光を発することができる。 【0013】 この方法においては、前記側壁の外観が、前記光透過又は光生成領域からの望まれている照明効果に対応するよう作成され得る。」 ・「【0026】 例の或るセットにおいて、前記光透過又は光生成領域は、光源を有する。その場合、前記光源は、自然の日光、又は月若しくは星からの自然の照明を再現することを目的としている。前記側壁における照明の使用は、前記照明システムの現実感を増大させるのに役立つ。前記照明システムは、天井において疑似窓として用いられることができるが、壁において疑似垂直窓として用いられることもできる。 【0027】 前記光源は、前記光生成領域に対する法線方向に発せられる光のための第1の色と、前記法線方向から斜めの方向に発せられる光のための第2の異なる色とを供給することができる。前記第2の色は、例えば、前記第1の色と比べてより強い青色成分を持ち得る。この構成は、疑似天窓、即ち、天井の窓の、日光(直射日光又は例えば曇った日に見られるだろうような全面的な光)によって照らされているときの外観を再現しようとする外観を供給するシステムとして機能する。この構成は、(日光を表わす)より白い下向きの作業光と、(日のあるうちの空を表わす)他の方向のより青い光とを供給する。前記側壁照明は、本物の窓を通して観察される効果と合致しない、前記側壁が青く見えることを防止することができる。 【0028】 この方法においては、照明される前記1つの側壁又は複数の側壁は、前記疑似天窓からの入射青色光を補償し、故に、前記凹部の壁は、観察者には白色(又は望まれる日光の任意の他の色/色温度)に見える。色の問題は別として、明るい凹部壁は、日光の効果の現実感を高める。上で説明したように、はっきりと画定された明/暗境界を形成することによって、更にいっそうの現実感が供給され得る。これらの方策は、疑似天窓のソリューションの現実感を非常に高めるために用いられ得る。 【0029】 前記システムは、好ましくは、前記光透過又は光生成領域の前記光源を、前記1つの側壁又は複数の側壁の前記照明装置と同期して制御するための制御装置を有する。」 ・「【0035】 本発明は、(光源などの光生成領域又は窓などの光透過領域であり得る)埋め込み式パネルと、凹部のまわりの側壁又は側壁のセットとを有する照明システムを提供する。側壁(又は側壁のうちの少なくとも1つ)は、光が1つ又は複数の側壁から発せられる形状及び/又は照明の色を制御するための照明装置を具備する。これは、天窓を通した日光照明から凹部壁に生じるはっきりした照明境界を再現するために用いられることができ、あるいは、それらは、窓のまわりの一般照明を供給するために用いられることができる。 【0036】 図1は、埋め込み式天窓又は埋め込み式疑似天窓の形態の照明パネルを示している。照明パネルは、天井12に埋め込まれ、故に、照明パネルは、側壁であって、前記側壁のうちの2つ14a、14bが図1において見られ得る側壁で形成される凹部の底部に位置する。 【0037】 本物の天窓の場合には、側壁14bのような側部にはっきりした影が形成される。太陽に面する側壁(この場合には側壁14a)は、十分に照明され、側壁14aと反対側の側部は、完全に陰になっている。 【0038】 側壁14bのために示されているように、相対的にはっきりした目に見える境界を備える、照明されている部分16と、陰になっている部分18とがある。 【0039】 照明ユニットが本物の天窓の窓の代わりをする疑似天窓が知られている。しかしながら、疑似天窓は、遠隔点光源(太陽)を再現しないことから、側壁は、本物のようには照明されない。 【0040】 本発明は、側壁からの(又は側壁への)照明を供給し、故に、例えば、より現実感のある外観を含む様々な効果が得られ得る。 【0041】 図2は、疑似天窓への適用時の本発明の照明システムを示している。照明ユニットは、凹部の底部に位置する照明パネル20を有する。凹部の側壁は、他の照明パネル22を持つ。石膏ボードなどの天井の仕上げは、24と示されており、天井構造は、26と示されている。 【0042】 図3は、矩形又は正方形の凹部の場合は、14a、14b、14c、14dと標記されている4つの矩形の側壁がどのように存在するかを示している。これらの側壁は、全て、同じ照明装置を具備してもよく、又はそれらは、異なっていてもよい。可能性の幾つかを明らかにするために様々な例を下に記載する。 【0043】 最も基本的な実施例においては、凹部の全ての4つの側壁が、光を発することができ、各々が、その全面にわたって一様に光を発する。これは、各凹部壁が、オン若しくはオフに切り替えられることができる、又は最大光強度の0%と100%との間の値に調光されることができる単一の矩形発光セグメントから成ることを意味する。 【0044】 最も単純な実施例においては、全ての凹部壁光源が、同時にオンに切り替えられることができる。これは、日光による指向性照明を再現しないが、それは、側壁が、制御された色などの外観を持つこと意味する。 【0045】 この色制御は、前記法線方向に対して急角度に青っぽい周囲光が発せられる幾つかの疑似天窓パネルにとって重要である。この青っぽい光は、空の色を再現している凹部の側壁は、垂直に発せられるより白い光ではなく、この急角度の周囲光によって照明されるだろう。これは、側壁が誤った青っぽい外観を持ち得ることを意味する。 【0046】 側壁に光源を設けることによって、側壁の外観は制御され得る。 【0047】 方向の幾らかの知覚も、矩形光源の形態の側壁で達成され得る。日光によってもたらされる指向性効果の外観を作成するために、側壁14a及び14bのような2つの隣接する壁が、側壁14c及び14dの間のコーナーの方向から来る日光をシミュレートするよう、オンに切り替えられ得る。オフに切り替えられる凹部壁(この例においては14c及び14d)は、単に、より高い強度へオンに切り替えられる凹部側壁光源と比べてより低い強度に調光されてもよい。 【0048】 この効果は図4に示されている。 【0049】 この例においては、光源は、各側壁の全領域にわたって出力を供給する。従って、側壁ごとに単一の光源が用いられ得る。 【0050】 第1例として、光源は、エッジ照明光導波路であって、その表面上に(塗料のドット又は表面の凹凸などの)アウトカップリングパターンを備える、又はその構造内に形成される散乱粒子若しくは構造を備える、エッジ照明光導波路を含み得る。光源は、導光構造の1つ以上の縁端部のLEDであり得る。 【0051】 第2例として、光源は、OLED(有機LED)照明パネルであり得る。 【0052】 第3例として、光源は、白色の混合ボックス内の低出力又は中出力LEDのアレイから成り得る。混合ボックスは、一様な発光面を作成するよう、拡散器によって覆われる。」 ・「【0072】 白色光だけでなく、着色光も用いることによって、更なる現実感及び/又は雰囲気効果が得られ得る。これは、当然、RGB又はRGBWのLEDを用いて達成され得る。一例として、朝に、日の出をシミュレートするよう、赤色光から、黄色光へ、白色光への段階的な変化が供給され得る。 【0073】 この場合には、疑似天窓パネルの光強度は、側壁の発光領域の制御と同期され得る。天窓パネルは、凹部側壁が赤色であるときには、非常に低い強度を持ち、凹部の色が白色に変化するにつれて、最大強度(又はユーザ定義最大強度)まで増大させることができる。日中、(温白色から冷白色までの)色温度における変化も、疑似天窓の外観を変えることができる。」 ・「【0077】 最も好ましい実施例においては、このような疑似天窓は、昼間の、天窓(即ち、空に面する窓)を介する照明の外観を再現することを目的としている。この外観は、指向性直射日光を含み得る、又は曇りの日を再現するよう、より拡散したものであり得る。疑似天窓はまた、月の明かり又は星の明かりを再現するよう制御可能であり得る。本発明の側壁によって供給される照明も、月の明かり又は星の明かりを供給するよう制御されている疑似天窓の効果を向上させるよう選ばれ得る。この向上は、例えば、側壁によって発せられる(又は反射される)光の色の制御を含むことができ、又は月光に強く照らされた空から知覚され得るような陰影効果を供給する制御を含み得る。 【0078】 本発明の構成は、本物の天窓(即ち、実際の窓)にも適用され得る。その場合、この照明は、曇った日に、より晴れた日の効果をもたらすよう用いられることができ、又は夜に、全面的な照明を加えるよう用いられることができる。 【0079】 図9は、本発明のシステムを示している。制御装置90は、疑似天窓91及び本発明の側壁光源を制御する。制御装置は、ユーザインタフェース92から受け取ったユーザの命令に従って、及び/又はタイマー94から受け取った時間値に基づいて、動作し得る。 【0080】 上述のように、疑似天窓は、光生成領域に対して法線(下)方向に発せられる作業光のための第1の色と、法線方向から斜めの方向に発せられる光のための(例えば、より強い青色成分を持つ)第2の異なる色とを供給し得る。これは、既知のデュアルビーム光源である。制御装置は、側壁の光源の光出力における変化と同期される、疑似天窓の光出力における変化を可能にする。」 ・図1 「 [図:0001406666000001.jpg] 」 ・図2 「 [図:0001406666000002.jpg] 」 ・図3 「 [図:0001406666000003.jpg] 」 ・図9 「 [図:0001406666000004.jpg] 」 イ 認定事項 (ア)「照明システム」は、【0041】の「図2は、疑似天窓への適用時の本発明の照明システムを示している。照明ユニットは、凹部の底部に位置する照明パネル20を有する。凹部の側壁は、他の照明パネル22を持つ。石膏ボードなどの天井の仕上げは、24と示されており、天井構造は、26と示されている。」という記載と、図1、2から看取できる事項から「石膏ボードなどにより仕上げられる天井12に照明パネル20、22が埋め込まれて設置される」ものであることが認定できる。 (イ)上記(ア)及び図2の「照明パネル20」は、「光源などの光生成領域」(【0035】)、「疑似天窓91(【0079】、図9)として機能するので、「照明パネル20の光源」が存在することは、技術的に明らかである。 (ウ)図1、2より、「照明パネル20の光の出射面側において、照明パネル20の光の出射領域の外側に配置される照明パネル22」が看て取れる。 そうすると、「「照明システム」が「照明パネル20の光の出射面側において、照明パネル20の光の出射領域の外側に配置される照明パネル22」を備えること」が認定できる。 (エ)「側壁」の「光源」(【0046】、【0049】)とは、図2からみて、照明パネル22の光源であることは、技術的に明らかである。 また、【0050】には「光源は、エッジ照明光導波路であって・・・光源は、導光構造の1つ以上の縁端部のLEDであり得る。」と記載されている。 これらを踏まえると、「照明システム」が「照明パネル22のエッジ照明光導波路に光を入射する照明パネル22のLED」を備えることが認定できる。 (オ)【0079】には「図9は、本発明のシステムを示している。制御装置90は、疑似天窓91及び本発明の側壁光源を制御する。」と記載されており、これと上記(イ)(エ)を踏まえると、「制御装置90」が「照明パネル20の光源」及び「照明パネル22のLED」の発光を制御していることは、技術的に明らかである。 (カ)上記(ウ)に関して、照明パネル22のエッジ照明光導波路が、光を発する表面を有することは、技術的に明らかである。 図1及び2より、照明パネル22のエッジ照明光導波路は、板状の部材であることが看て取れる。 また、図1及び2より、照明パネル22の表面が、照明パネル20の凹部に面する表面と交差し、かつ、照明パネル20からの光の出射領域の外側の反対である内側を向くように配置されていることが看て取れる。 そうすると、「照明パネル22のエッジ照明光導波路は、光を発する表面を有する板状の部材であり、当該表面が照明パネル20の凹部に面する表面と交差し、かつ、当該表面が照明パネル20からの光の出射領域の外側の反対である内側を向くように配置されること」が認定できる。 (キ)【0080】の「疑似天窓は、光生成領域に対して法線(下)方向に発せられる作業光のための第1の色と、法線方向から斜めの方向に発せられる光のための(例えば、より強い青色成分を持つ)第2の異なる色とを供給し得る。これは、既知のデュアルビーム光源である。」との記載と【0006】の「本出願人によって以前に提案されている或る手法は、或る角度で、例えば、40乃至90度で天窓を見るときに、青色の(即ち、晴れた空の)外観をもたらすものであるが、依然として、天窓の法線方向に対して平行に向けられているビームにおいて、即ち、下方へ、主に白色光を発する。これは、下方向に機能的な白色光を供給し、前記法線に対して角度をなしてより多くの青色光を供給する。」との記載からみて、【0080】の「擬似天窓」を構成する「既知のデュアルビーム光源」というのは、【0006】の「本出願人によって以前に提案されている或る手法」であって、「或る角度で、例えば、40乃至90度で天窓を見るときに、青色の(即ち、晴れた空の)外観をもたらす」ものであるが、「依然として、天窓の法線方向に対して平行に向けられているビーム」と解せるから、「下方向に機能的な白色光を供給し、前記法線に対して角度をなしてより多くの青色光を供給する」ものである。 したがって、これらの記載から、【0080】の「擬似天窓」は、「90度の角度で天窓を見たときにも青色の外観をもたらす」もの、すなわち、「擬似天窓を平面視したときに青色の外観をもたら」すものと認定できる。 (ク)【0012】の「この照明システムは、照明パネルが収容される標準的な受動凹部を発光面に置き換える。前記発光面は、例えばランバート強度分布で、白色光及び/又は着色光を発することができる。」との記載からみて、照明パネルが収容される受動凹部を発光面に置き換えたものにおいて、前記発光面は、白色光及び/又は着色光を発することができるから、「側壁に設けた発光面である照明パネル22が白色光及び/又は着色光を発することができる」ことは明らかである。 (ケ)甲1の図2から、照明パネル22が照明パネル20の周囲に配置されている態様が看て取れる。 (コ)甲1には、複数の照明パネル22により、側壁14a~14dの発光が個別に制御されることが記載されていると認められる(【0046】、【0047】、【0049】、図3、図9参照)。 ウ 甲1に記載された発明 上記イの認定事項を踏まえると、甲1には、疑似天窓への適用時の照明システムに関して、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる(括弧内に、根拠箇所を示した。以下同様。)。 「石膏ボードなどにより仕上げられる天井12に照明パネル20、22が埋め込まれて設置された照明システムであって(イ(ア)) 照明パネル20の光源と(イ(イ))、 照明パネル20の光の出射面側において照明パネル20の光の出射領域の外側に配置される照明パネル22と(イ(ウ))、 照明パネル22のエッジ照明光導波路に光を入射する照明パネル22のLED(イ(エ))と、 照明パネル20の光源および照明パネル22のLEDの発光を制御する制御装置90(イ(オ))と、 を備え、 照明パネル22のエッジ照明光導波路は、光を発する表面を有する板状の部材であり、当該表面が照明パネル20の凹部に面する表面と交差し、かつ、当該表面が照明パネル20からの光の出射領域の外側の反対である内側を向くように配置され(イ(カ))、 制御装置90は、疑似天窓91を制御して(【0079】)、光生成領域に対して法線(下)方向に発せられる作業光のための第1の色と、法線方向から斜めの方向に発せされる光のための、より強い青色成分を持つ第2の異なる色とを供給し(【0080】)、擬似天窓を平面視したときに青色の外観をもたらし(【0006】、イ(キ))、 側壁に設けた発光面である照明パネル22が白色光及び/又は着色光を発することができ(イ(ク))、 側壁は、疑似天窓からの入射青色光を補償し、凹部の壁は、観察者には白色に見え、明るい凹部壁は、日光の効果の現実感を高め(【0028】)、 複数の照明パネル22により、側壁14a~14dの発光が個別に制御され(イ(コ))、 照明パネル22が照明パネル20の周囲に配置される(イ(ケ))、 照明システム。」 (2)甲2 ア 認定事項 甲2の【0012】の「前記更なる光源は、前記形状、パターン、又は画像を前記拡散器上に投影するように配されている。」の「光源は・・・画像を前記拡散器上に投影する」ことは、【0038】、【0039】を参酌して実施例の用語を用いると、「光源13は・・・画像を光拡散器14上に投影する」ことに言い換えることができる。 イ 甲2に記載された事項 甲2には、図面とともに以下の事項(以下「甲2記載事項」という。)が記載されていると認められる。括弧内には、本件発明1との用語の相当関係と、甲2の参照箇所を示す。 「天井の一角に設置される照明ボックス10(「照明装置」に相当。【0038】、図4)を有し、 照明ボックス10は、光出射窓12(「開口部」に相当。【0038】)を有する後壁11(「ケース」に相当。【0038】、図1、図2)と、 後壁11内に設けられ、光源13R、G、Bからなる光源13(「第1光源」に相当。【0039】、図1、図2)と、 後壁11の光出射窓12に隣接して設けられ、光源13から出射された光を拡散及び透過させて出射する拡散器14(「光拡散板」に相当。【0038】、図1、図2)と、 拡散器14の光の出射面側において拡散器14の光の出射領域の外側に配置されるランプ25図3)と、 を備え、 光源13は画像を拡散器14上に投影する(上記ア)、 人口窓1。」 2 対比・判断 2-1 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比すると。 ア 後者の「照明システム」は、その機能からみて、前者の「照明装置」に相当し、以下同様に 「照明パネル20の光源」は「第1光源」に、 「照明パネル22のLED」は「第2光源」に、 「照明パネル22」は「発光部」に、 「エッジ照明光導波路」は「導光板」に、 「光を発する表面」は「発光面」に、 「制御装置90」は「制御部」に、 それぞれ相当する。 以上の相当関係を踏まえると、さらに次のことがいえる。 イ 石膏ボードとは一般的には造営材に含まれるものであるから、後者の「石膏ボードなどにより仕上げられる天井12に照明パネル20、22が埋め込まれて設置された照明システム」は、前者の「造営材に設置される照明装置」に相当する。 ウ 後者の「照明パネル20の光源」を備えることと、前者の「前記ケース内に設けられ、複数の発光素子を有する第1光源」を備えることとは、「第1光源」を備える点で共通する。 エ 後者の「照明パネル20の光の出射面側において照明パネル20の光の出射領域の外側に配置される照明パネル22」を備えることと、前者の「前記光拡散板の光の出射面側において前記光拡散板の光の出射領域の外側に配置される発光部」とは、「第1光源に由来する光の出射面側において第1光源に由来する光の出射領域の外側に配置される発光部」を備えることにおいて共通する。 オ 後者の「照明パネル22のエッジ照明光導波路に光を入射する照明パネル22のLED」を備えることは、前者の「前記発光部に光を入射する第2光源」を備えることに相当する。 カ 後者の「照明パネル20の光源および照明パネル22のLEDの発光を制御する制御装置90」を備えることは、前者の「前記第1光源および前記第2光源の発光を制御する制御部」を備えることに相当する。 キ 後者の「照明パネル22のエッジ照明光導波路は、光を発する表面を有する板状の部材であり、当該表面が照明パネル20の凹部に面する表面と交差し、かつ、当該表面が照明パネル20からの光の出射領域の外側の反対である内側を向くように配置され」ることは、前者の「前記発光部は、発光面を有する導光板であり、前記発光面が前記出射面と交差し、かつ、前記発光面が前記出射領域の外側の反対である内側を向くように配置され」ることに相当する。 そうすると、後者の 「制御装置90は、疑似天窓91を制御して、光生成領域に対して法線(下)方向に発せられる作業光のための第1の色と、法線方向から斜めの方向に発せされる光のための、より強い青色成分を持つ第2の異なる色とを供給し、擬似天窓を平面視したときに青色の外観をもたらし、 側壁に設けた発光面である照明パネル22が白色光及び又は着色光を発することができ、 側壁は、疑似天窓からの入射青色光を補償し、凹部の壁は、観察者には白色に見え、明るい凹部壁は、日光の効果の現実感を高める」 ことと、前者の 「前記制御部は、前記光拡散板から出射される画像光が前記発光部に映り込まないよう、前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が青色の光であれば前記青色の光の色温度よりも低い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させること、および、前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させることの少なくとも一方のことを行うように、前記第2光源の発光を制御する」 こととは、 「前記制御部は、第1光源に由来する光が前記発光部に映り込まないように、前記第1光源の出射面を平面視したときの前記出射面に映し出される光が青色の光であれば前記青色の光を補償し白色に見えるよう光を前記発光部から出射させることを行うように、前記第2光源の発光を制御する」ことにおいて共通する。 以上を踏まえると、両者の一致点、相違点は、以下のとおりである。 (一致点1) 「造営材に設置される照明装置であって、 第1光源と、 第1光源に由来する光の出射面側において第1光源に由来する光の出射領域の外側に配置される発光部と、 前記発光部に光を入射する第2光源と、 前記第1光源および前記第2光源の発光を制御する制御部と、 を備え、 前記発光部は、発光面を有する導光板であり、前記発光面が前記出射面と交差し、かつ、前記発光面が前記出射領域の外側の反対である内側を向くように配置され、 前記制御部は、第1光源に由来する光が前記発光部に映り込まないように、前記第1光源に由来する光の出射面を平面視したときの前記出射面に映し出される光が青色の光であれば前記青色の光を補償し白色に見えるよう光を前記発光部から出射させることを行うように、前記第2光源の発光を制御する、 照明装置。」 (相違点1) 照明装置の構造に関して、本件発明1では、「開口部を有するケース」と、「前記ケース内に設けられ、複数の発光素子を有する」第1光源と、「前記開口部に設けられ、前記第1光源から出射された光を拡散および透過して出射する光拡散板」と、「前記光拡散板の」光の出射面側において「前記光拡散板の」光の出射領域の外側に配置される発光部と、を備えるのに対して、甲1発明では、照明パネル20の光源と、照明パネル20の光の出射面側において照明パネル20の光の出射領域の外側に配置される照明パネル22と、を備える点。 (相違点2) 制御部の制御に関して、本件発明1では、「前記光拡散板から出射される画像光が前記発光部に映り込まないよう、前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が青色の光であれば前記青色の光の色温度よりも低い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させること、および、前記光拡散板を平面視したときの前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光であって5000K以上7000K以下の色温度の光を前記発光部から出射させることの少なくとも一方のことを行うように、前記第2光源の発光を制御する」のに対して、甲1発明では、「疑似天窓91を制御して、光生成領域に対して法線(下)方向に発せられる作業光のための第1の色と、法線方向から斜めの方向に発せされる光のための、より強い青色成分を持つ第2の異なる色とを供給し、擬似天窓を平面視したときに青色の外観をもたらし、側壁に設けた発光面である照明パネル22が白色光を発することができ、側壁は、疑似天窓からの入射青色光を補償し、凹部の壁は、観察者には白色に見え、明るい凹部壁は、日光の効果の現実感を高める」点。 (2)判断 ア 相違点1について 「開口部を有するケースと、前記ケース内に設けられ、複数の発光素子を有する」第1光源とすること、及び、「疑似天窓」の照明装置に拡散板を設けることは、甲2記載事項にも示されるように、ごく普通のことであるところ、相違点1は実質的な相違点ではないか、仮に、相違点であったとしても、甲2記載事項を踏まえて、相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことにすぎない。 イ 相違点2について 上記1(1)ウで認定したように、甲1発明の側壁の照明パネル22は、疑似天窓からの入射青色光を補償し、凹部の壁を観察者には白色に見え、明るい凹部壁とするものであるとともに、白色光を発することができるものである。ここで、疑似天窓から発せられ側壁で拡散反射される青色は、「強度は一般には低い」ものであり、人の目には「青っぽい又は少なくとも非常に寒色の白色」(【0007】)と映るものであるところ、これを「観察者には白色に見え、明るい凹部壁」とするのには、照明パネル22が白色光を発すれば十分であることは、当業者にとって明らかである。 そして、白色光が、「5000K以上7000K以下の色温度の光」を含むことは技術常識であることを踏まえると、甲1発明において、相違点2の本件発明1の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎないといえる。 ウ 効果について検討しても、本件発明1の効果は、甲1発明及び甲2記載事項に比べて、格別顕著なものとはいえない。 (3)本件発明1のまとめ よって、本件発明1は、甲1発明及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものである。 2-2 本件発明2について 甲1発明は、「照明パネル22が照明パネル20の周囲に配置され」ており、本件発明2の「前記発光部は、前記出射領域の周囲に配置されている」という構成を備えている。 よって、本件発明2は、甲1発明及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものである。 2-3 本件発明3について 甲1発明は、「側壁に設けた発光面である照明パネル22が白色光及び/又は着色光を発することができる」ものであり、「照明パネル22のLED」は「第2光源」に相当する。 そうすると、第2光源に相当する「照明パネル22のLED」を「光の3原色を発光する発光素子」とすることは当業者が適宜なし得ることである。 よって、本件発明3は、甲1発明及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものである。 2-4 本件発明4について 甲1発明の色温度の制御については、上記「2 2-1(2)イ」にて、説示したとおりである。 したがって、甲1発明において、本件発明4の「前記制御部は、前記発光部から出射される光の色温度が前記光拡散板から出射される光の色温度と異なるように、前記第2光源の発光を制御する」という構成とすることは当業者が容易になし得たといえる。 よって、本件発明4は、甲1発明及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものである。 2-5 本件発明5について 甲1発明は、「複数の照明パネル22により、側壁14a~14dの発光が個別に制御される」ものである。 そうすると、甲1発明は、本件発明5の 「前記発光部が複数設けられ、 前記第2光源は、複数の前記発光部に対応して複数設けられ、 前記制御部は、複数の前記発光部のうち第1の発光部の発光状態が第2の発光部の発光状態と異なるように、前記第1の発光部および前記第2の発光部のそれぞれに対応する前記第2光源の発光を制御する」 という構成を備えていることになる。 したがって、本件発明5は、甲1発明及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものである。 2-6 本件発明6について 本件発明6は、本件発明1の「照明装置」の発明と実質的に同様の構成を備えた「照明システム」の発明である。 よって、本件発明6は、本件発明1と同様の理由により、甲1発明及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものである。 2-7 本件発明7について (1)取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について 本件発明7と甲1発明とを対比すると、上記「2 2-1(1)」での検討を踏まえれば、両者は、以下の点で一致し、以下の各点で相違するものと認められる。 (一致点2) 「造営材に設置される照明装置であって、 第1光源と、 第1光源に由来する光の出射面側において第1光源に由来する光の出射領域の外側に配置される発光部と、 前記発光部に光を入射する第2光源と、 前記第1光源および前記第2光源の発光を制御する制御部と、 を備え、 前記発光部は、発光面を有する導光板であり、前記発光面が前記出射面と交差し、かつ、前記発光面が前記出射領域の外側の反対である内側を向くように配置され、 前記制御部は、第1光源に由来する光が前記発光部に映り込まないように、前記発光部から出射される光の色温度が前記出射面から出射される光の色温度と異なるように、前記第2光源の発光を制御する 照明装置。」 (相違点1’) 照明装置の構造に関して、本件発明7では、「開口部を有するケース」と、「前記ケース内に設けられ、複数の発光素子を有する」第1光源と、「前記開口部に設けられ、前記第1光源から出射された光を拡散および透過して出射する光拡散板」と、「前記光拡散板の」光の出射面側において「前記光拡散板の」光の出射領域の外側に配置される発光部と、を備えるのに対して、甲1発明では、照明パネル20の光源と、照明パネル20の光の出射面側において照明パネル20の光の出射領域の外側に配置される照明パネル22と、を備える点。 (相違点3) 本件発明7では、「前記光拡散板に映し出される光が橙色の光であれば前記橙色の光の色温度よりも高い色温度の光を前記発光部から出射させることを行うように、前記第2光源の発光を制御する」のに対して、甲1発明では、そのような特定はなされていない点。 (相違点3の判断) 上記相違点3に係る本件発明7の構成は、申立人の提示した甲1から甲6のいずれの証拠にも記載されていない。 また、甲1の【0072】には、「一例として、朝に、日の出をシミュレートするよう、赤色光から、黄色光へ、白色光への段階的な変化が供給され得る」と記載されるが、甲1には、照明パネル20が橙色であったときに、照明パネル22をどのように制御するかは記載されていない。仮に、照明パネル20を日の出や夕暮れ等をシミュレートするように橙色とすることが容易想到であったとしても、この場合に、照明パネル22で補償することが必要であることは記載されておらず、白色を発して補償することが必要なことも記載されていない。 したがって、本件発明7は、甲1発明、甲2~甲6記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった取消理由について 本件訂正により、請求項7の記載は、明確となった。 第6 むすび 以上のとおり、請求項1~6に係る特許は、特許法29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、同法第113条1項2号の規定により取り消されるべきものである。 また、本件発明7に係る発明については、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由又は特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件請求項7に係る特許を取り消すことができない。さらに、他に本件請求項7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700400

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