特許訂正審判
2018-390196
E-RACH用E-DCHリソースの標示
- 審判番号
- 2018-390196
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2010-531621
- 登録番号
- 特許第5419884号(P5419884)
- 請求日
- 2018年12月06日
- 審決日
- 2019年03月08日
- 公報発行日
- 2019年06月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
- 【請求人代理人】笛田 秀仙
- 【請求人代理人】五十嵐 貴裕
- 【請求人代理人】矢ヶ部 喜行
- 【請求人代理人】浅村 敬一
- 審判長/審判官
- 審判長 岩間 直純
- 審判官 倉本 敦史
- 審判官 松永 稔
- 分類
- P141 .853-Y (H04W) / P141 .854-Y (H04W)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5419884号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5419884号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
本件特許第5419884号は、2008年(平成20年)10月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2007年11月1日 欧州(EP)、2008年1月10日 欧州(EP))を国際出願日とする出願である特願2010-531621号の請求項1~7に係る発明について、平成25年11月29日に特許権の設定登録がされたものであって、平成30年12月6日に本件訂正審判の請求がされたものである。
2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第5419884号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正事項は次のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「前記ステップ(b)におけるプリアンブルに対する前記一次局による応答は、前記プリアンブルに関連付けられる前記リソースが利用可能であるか否かに依存して、変更され、
前記二次局は、前記ステップ(b)におけるプリアンブルに対する前記一次局による応答がアクノリッジメントのみを含む場合、前記関連付けられるリソースが利用可能であると解釈し、
前記二次局は、前記一次局の応答が別のリソースの標示をさらに含む場合、前記関連付けられるリソースが利用可能でないと解釈する」
と記載されているのを、
「前記ステップ(b)における前記プリアンブルに対する前記一次局による応答は、前記プリアンブルに関連付けられる前記リソースが利用可能であるか否かに依存して、変更され、
前記二次局は、前記ステップ(b)における前記プリアンブルに対する前記一次局による応答が肯定の前記アクノリッジメント標示のみを含む場合、前記関連付けられるリソースが利用可能であると解釈し、
前記二次局は、前記一次局の応答が否定の前記アクノリッジメント標示と別のリソースの標示とを含む場合、前記関連付けられるリソースが利用可能でないと解釈する」
に訂正する。(下線は、訂正箇所を示す。以下同様。)
(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項6に
「前記一次局は、前記プリアンブルに関連付けられる前記リソースが利用可能であるか否かに依存して、プリアンブルに対する応答を変更し、
プリアンブルに対する前記一次局の応答は、前記関連付けられるリソースが利用可能な場合、アクノリッジメントのみを含み、前記一次局の応答は、前記関連付けられるリソースが利用可能でない場合、別のリソースの標示をさらに含む」
と記載されているのを、
「前記一次局は、前記プリアンブルに関連付けられる前記リソースが利用可能であるか否かに依存して、前記プリアンブルに対する応答を変更し、
前記プリアンブルに対する前記一次局の応答は、前記関連付けられるリソースが利用可能な場合、肯定の前記アクノリッジメント標示のみを含み、前記一次局の応答は、前記関連付けられるリソースが利用可能でない場合、否定の前記アクノリッジメント標示と別のリソースの標示とを含む」
に訂正する。
(3) 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項7に
「プリアンブルに対する前記一次局の応答は、前記関連付けられるリソースが利用可能である場合、アクノリッジメントのみを含み、前記一次局の応答は、前記関連付けられるリソースが利用可能でない場合、別のリソースの標示をさらに含む」
と記載されているのを、
「前記プリアンブルに対する前記一次局の応答は、前記関連付けられるリソースが利用可能である場合、肯定のアクノリッジメント標示のみを含み、前記一次局の応答は、前記関連付けられるリソースが利用可能でない場合、否定の前記アクノリッジメント標示と別のリソースの標示とを含む」
に訂正する。
3 訂正の適否
(1) 訂正事項1
ア 訂正の目的
(ア) 「プリアンブル」を「前記プリアンブル」とする訂正について
訂正前の請求項1には、「前記ステップ(b)におけるプリアンブルに対する前記一次局による応答」の記載の前に、「(a)前記二次局が、前記一次局に、リソースへのアクセス要求を送信するステップと、(b)前記一次局が、前記アクセス要求のアクノリッジメント標示を送信するとともに、前記アクノリッジメント標示の前記送信から独立して、前記二次局によって使用されるべきリソースの組をシグナリングするステップと、を含み、前記ステップ(a)において、前記二次局は、リソースへのアクセスを要求するためのプリアンブルを送信し」との記載がある。
当該記載によれば、ステップ(a)のアクセス要求のアクノリッジメント標示をステップ(b)で送信しているので、ステップ(b)における一次局による応答が、ステップ(a)における二次局から一次局へのリソースへのアクセス要求に対する応答であることは明らかである。そして、当該アクセス要求において送信されているものはプリアンブルであるので、ステップ(b)における一次局による応答は、ステップ(a)における二次局から一次局へのリソースへのアクセス要求のためのプリアンブルに対する応答である。すなわち、「前記ステップ(b)におけるプリアンブルに対する前記一次局による応答」における「プリアンブル」は、ステップ(a)における「プリアンブル」を指すものである。
訂正事項1の(ア)に係る訂正は、上記の事項を明確に示すための訂正であるといえる。
したがって、訂正事項1の(ア)に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(イ) 「アクノリッジメント」を「肯定の前記アクノリッジメント標示」とする訂正について
訂正前の請求項1には、「(b)前記一次局が、前記アクセス要求のアクノリッジメント標示を送信するとともに、前記アクノリッジメント標示の前記送信から独立して、前記二次局によって使用されるべきリソースの組をシグナリングするステップ」との記載がある。当該記載によれば、ステップ(b)において送信されるものは「アクノリッジメント標示」と「二次局によって使用されるべきリソースの組」である。
また、上記記載を受けて、訂正前の請求項1には、「前記ステップ(b)におけるプリアンブルに対する前記一次局による応答がアクノリッジメントのみを含む場合」との記載があり、ステップ(b)において送信されるものが「アクノリッジメントのみ」であることが記載されている。
訂正事項1の(イ)に係る訂正は、訂正前の請求項1における「アクノリッジメントのみ」が「アクノリッジメント標示」と「二次局によって使用されるべきリソースの組」のうち「アクノリッジメント標示」に属するものであり、その内容が肯定の応答であることを明確に示すための訂正であるといえる。
したがって、訂正事項1の(イ)に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(ウ)「別のリソースの標示をさらに含む」を「否定の前記アクノリッジメント標示と別のリソースの標示とを含む」とする訂正について
訂正前の請求項1には、「(b)前記一次局が、前記アクセス要求のアクノリッジメント標示を送信するとともに、前記アクノリッジメント標示の前記送信から独立して、前記二次局によって使用されるべきリソースの組をシグナリングするステップ」との記載がある。当該記載によれば、ステップ(b)において送信されるものは「アクノリッジメント標示」と「二次局によって使用されるべきリソースの組」である。
また、上記記載を受けて、訂正前の請求項1には、「前記二次局は、前記一次局の応答が別のリソースの標示をさらに含む場合」との記載がある。ここでの「前記一次局の応答」は「前記ステップ(b)におけるプリアンブルに対する前記一次局による応答」を指している。ステップ(b)において送信されるものについて、「別のリソースの標示をさらに含む」という記載によれば、「何かしらの情報」に加えて「別のリソースの標示」を送信することが記載されているものと認められる。そして、ステップ(b)において送信されるものが「アクノリッジメント標示」と「二次局によって使用されるべきリソースの組」であり、「別のリソースの標示」と「二次局によって使用されるべきリソースの組」とが対応する情報であることは明らかであるので、「何かしらの情報」が「アクノリッジメント標示」に対応することも自明である。
訂正事項1の(ウ)に係る訂正は、訂正前の請求項1において「別のリソースの標示をさらに含む」ことが「アクノリッジメント標示」と「二次局によって使用されるべきリソースの組」である「別のリソースの標示」であり、「アクノリッジメント標示」の内容が否定の応答であることを明確に示すための訂正であるといえる。
したがって、訂正事項1の(ウ)に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること
上記(1)アのとおり、訂正事項1にかかる訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、明細書の【0056】及び【0059】~【0065】に記載されたものであるから、明細書、請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、国際出願日における本件国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないこと
(ア) 「プリアンブル」を「前記プリアンブル」とする訂正について
上記(1)ア(ア)のとおり、訂正前の請求項1の「前記ステップ(b)におけるプリアンブルに対する前記一次局による応答」における「プリアンブル」がステップ(a)における「プリアンブル」を指すものであることは明らかであるから、当該訂正により特許請求の範囲が拡張又は変更されることはない。
(イ) 「アクノリッジメント」を「肯定の前記アクノリッジメント標示」とする訂正について
上記(1)ア(イ)のとおり、訂正前の請求項1の「アクノリッジメント」が「肯定のアクノリッジメント標示」と同じものであることは明らかであるから、当該訂正により特許請求の範囲が拡張又は変更されることはない。
(ウ)「別のリソースの標示をさらに含む」を「否定の前記アクノリッジメント標示と別のリソースの標示とを含む」とする訂正について
上記(1)ア(ウ)のとおり、訂正前の請求項1の「別のリソースの標示をさらに含む」ことが「アクノリッジメント標示」と「別のリソースの標示」とを含むことであることは明らかである。そして、訂正前の請求項1において、「プリアンブルに関連付けられるリソースが利用可能である場合の応答に含まれるアクノリッジメント標示」が肯定のアクノリッジメント標示であるので、これとは逆の状態である「プリアンブルに関連付けられるリソースが利用可能でない場合の応答に含まれるアクノリッジメント標示」が否定のアクノリッジメント標示であることも明らかである。よって、当該訂正により特許請求の範囲が拡張又は変更されることはない。
上記のとおり、訂正事項1に係る訂正により何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないから、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
エ 独立特許要件
上記(1)アのとおり、訂正事項1に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。
(2) 訂正事項2及び訂正事項3
訂正事項2及び訂正事項3に係る訂正は、訂正事項1に係る訂正と同様のものである。
したがって、上記3(1)で述べたとおり、訂正事項2及び訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、特許法第126条第5項、第6項並びに第7項の規定に適合するものである。
4 むすび
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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