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特許訂正審判

2018-390042

アンギュラ玉軸受、搬送装置、真空処理装置

審判番号
2018-390042
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2012-279953
登録番号
特許第5573934号(P5573934)
請求日
2018年03月05日
審決日
2018年05月08日
公報発行日
2018年08月31日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】日本精工 株式会社
  • 【請求人代理人】松山 美奈子
審判長/審判官
  • 審判長 中村 達之
  • 審判官 小関 峰夫
  • 審判官 尾崎 和寛
分類
P141 .851-Y (F16C) / P141 .852-Y (F16C) / P141 .853-Y (F16C) / P141 .854-Y (F16C) / P141 .855-Y (F16C) / P141 .856-Y (F16C) / P141 .857-Y (F16C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項4号特許法126条5項特許法126条7項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5573934号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第5573934号の明細書、特許請求の範囲及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第5573934号(以下、「本件特許」という。)は、平成20年9月12日(優先権主張平成20年3月3日)に出願した特願2008-235381号の一部を、平成24年12月21日に新たな特許出願としたものであって、平成26年7月11日に特許権の設定登録がされ、平成30年3月5日に本件訂正審判請求がされた。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、特許第5573934号の明細書、特許請求の範囲及び図面を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その内容は次のとおりである(審決注:下線部分が訂正箇所である。)。 1 訂正事項1 特許請求の範囲【請求項1】を削除する。 2 訂正事項2 特許請求の範囲【請求項2】を下記のように独立形式に訂正する(請求項2の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6及び7についても同様に訂正する。)。 「ボールと、前記ボールの軌道面を有する軌道輪と、保持器と、固体潤滑剤からなる潤滑部品とを備えたアンギュラ玉軸受であって、 前記保持器は、前記ボールを入れるポケットとして、リングの周面を貫通する円穴が形成されているリング状保持器であり、 前記潤滑部品が、前記保持器の前記ポケット間の柱部分の、前記リングの内周面および外周面の少なくともいずれかに設けた凹部に、この軸受の回転時に前記ボールの表面および前記軌道面に対して摺動するように配置され、 前記潤滑部品は円柱状であり、前記凹部は前記潤滑部品をなす円柱に対応させた円弧状に形成され、 前記凹部は、前記軌道輪からボールへ伝えられる力の合力の作用線に沿った位置に形成されていることを特徴とするアンギュラ玉軸受。」 3 訂正事項3 特許請求の範囲【請求項3】を下記のように独立形式に訂正する(請求項3の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6及び7についても同様に訂正する。)。 「ボールと、前記ボールの軌道面を有する軌道輪と、保持器と、固体潤滑剤からなる潤滑部品とを備えたアンギュラ玉軸受であって、 前記保持器は、前記ボールを入れるポケットとして、リングの周面を貫通する円穴が形成されているリング状保持器であり、 前記潤滑部品が、前記保持器の前記ポケット間の柱部分の、前記リングの内周面および外周面の少なくともいずれかに設けた凹部に、この軸受の回転時に前記ボールの表面および前記軌道面に対して摺動するように配置され、 前記凹部は、前記軌道輪からボールへ伝えられる力の合力の作用線に沿った位置に対をなして形成されていることを特徴とするアンギュラ玉軸受。」 4 訂正事項4 特許請求の範囲【請求項6】を「請求項2~5のいずれか1項に記載のアンギュラ玉軸受を備えた搬送装置。」に訂正する。 5 訂正事項5 特許請求の範囲【請求項7】を「請求項2~5のいずれか1項に記載のアンギュラ玉軸受を備えた真空処理装置。」に訂正する。 6 訂正事項6 明細書の段落【0013】~【0015】、及び【0021】を削除し、 明細書の段落【0017】の「前記第一の態様のアンギュラ玉軸受または第二の態様の玉軸受」との記載を、「前記第一の態様のアンギュラ玉軸受の玉軸受」に訂正し、 明細書の段落【0018】の「保持器(セパレータを含む)」との記載を、「保持器」に訂正し、 明細書の段落【0019】の「本発明の第七の態様の玉軸受としては、前記保持器が、リングの周面を貫通する円穴が形成されているリング状保持器であり、前記潤滑部品は内部に玉が入るリング状に形成され、このリング状潤滑部品が、保持器のポケットの内面に形成された凹部に配置されているものが挙げられる。」との記載を削除し、 明細書の段落【0020】の「本発明の第七の態様の玉軸受としては、前記保持器が複数の独立したセパレータからなるセパレート保持器であって、前記円穴が各セパレータに形成され、前記潤滑部品が前記セパレータに取り付けられているものが挙げられる。」との記載を削除する。 なお、審判請求書の3ページ18行~19行では、「明細書段落【0017】の『前記第一の態様または第二の態様のアンギュラ玉軸受の玉軸受』との記載を」と記載しているが、この記載は誤記であって、正しくは「明細書段落【0017】の『前記第一の態様のアンギュラ玉軸受または第二の態様の玉軸受』との記載を」である。 7 訂正事項7 明細書の段落【0044】の「No. 3-3」との記載を、「No.1-3」に訂正する。 8 訂正事項8 明細書の段落【0045】~【0057】を削除する。 9 訂正事項9 明細書の段落【0058】~【0085】を削除する。 10 訂正事項10 明細書の段落【0086】~【0100】を削除する。 11 訂正事項11 明細書の段落【0101】~【0115】を削除する。 12 訂正事項12 明細書の段落【0116】~【0126】を削除する。 13 訂正事項13 図面【図14】~【図52】を削除する。 14 訂正事項14 明細書の段落【0023】の【図14】~【図52】の説明を削除する。 15 訂正事項15 明細書の段落【0127】の 「 1 内輪 11 内輪軌道面 2 外輪 21 外輪軌道面 22 外輪の肩部 3 ボール 4 保持器 41 保持器のポケット 41a ポケットのテーパー部 41b ポケットの小径部 41c ポケット面 42 保持器の柱部分 42a 柱部分の凹部 42b 柱部分の貫通穴 42c 貫通穴の段部 42d 貫通穴 42e 貫通穴 42f 円筒状の凹部 42g 円筒の周面の開口部 43 保持器の凹部 43a バックアップ部(凹部を取り囲む部分) 45 保持器の凹部 46 保持器の凹部 5 円柱状の潤滑部品 51 円柱状の潤滑部品(内輪側) 52 円柱状の潤滑部品(外輪側) 6 セパレータ(セパレート保持器) 61 セパレータの受け部 61A セパレータのテーパー状の円穴 61a セパレータの受け部の内周面 61b セパレータの円穴 62 セパレータの円周面 63 セパレータの切欠き部 64 セパレータの凹部 64a セパレータの切欠き部 65 潤滑部品7Aの取り付け穴 66 潤滑部品7Bの取り付け穴 7 潤滑部品 7A 丸棒状の潤滑部品 8 リング状潤滑部品 81 リング状潤滑部品の内周面 81a リング状潤滑部品の内周面のテーパー部 81b リング状潤滑部品の内周面の小径部 91 円板状の潤滑部品 92 大径部と小径部からなる円柱状の潤滑部品 93 円柱状の潤滑部品 94 円柱状の潤滑部品 95 球状の潤滑部品 L 合力の作用線 P ボールピッチ円」との記載を、 「 1 内輪 11 内輪軌道面 2 外輪 21 外輪軌道面 22 外輪の肩部 3 ボール 4 保持器 41 保持器のポケット 41a ポケットのテーパー部 41b ポケットの小径部 42 保持器の柱部分 43 保持器の凹部 43a バックアップ部(凹部を取り囲む部分) 5 円柱状の潤滑部品 51 円柱状の潤滑部品(内輪側) 52 円柱状の潤滑部品(外輪側) L 合力の作用線」に訂正する。 第3 当審の判断 最初に「訂正事項1」について判断をし、次に、「訂正事項2及び3」、「訂正事項4及び5」、「訂正事項7」、「訂正事項8~13」、「訂正事項6、14及び15」の順で判断をする。 1 訂正事項1について 訂正事項1は、請求項1を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当し、また、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 なお、訂正事項1は、請求項を削除する訂正であるから、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件についての判断を要しない。 2 訂正事項2及び3について (1)訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の請求項2が請求項1の記載を引用する記載であるところ、独立形式請求項へ改めるためのものであって、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 訂正事項3は、訂正前の請求項3が請求項1の記載を引用する記載であるところ、独立形式請求項へ改めるためのものであって、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 訂正事項2及び3は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 訂正事項2及び3は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)独立特許要件について 訂正事項2及び3は、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であるから、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件についての判断を要しない。 3 訂正事項4及び5について (1)訂正の目的について 訂正事項4及び5は、訂正前の請求項6及び7は請求項1の記載を引用する記載であるところ、訂正事項1(請求項1の削除)に伴って、当該請求項6及び7の記載を請求項1の記載を引用しないものとするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 訂正事項4及び5は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 訂正事項4及び5は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)独立特許要件について 訂正事項4及び5は、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であるから、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件についての判断を要しない。 4 訂正事項7について 訂正前の明細書の段落【0042】~【0044】の[実施例1]には、軸受No.1-1~No.1-3を用いて行った耐久試験及びその結果が記載され、同段落【0044】の前段にも「No. 1-1~1-3の軸受を、・・・(中略)・・・試験を行った。」と記載されているため、同段落【0044】の後段の「No. 3-3の寿命は10万サイクルであった。」との記載は誤記であって、正しくは「No. 1-3の寿命は10万サイクルであった。」であることは明らかである。 訂正事項7は、当該段落【0044】の後段の「No. 3-3の寿命は10万サイクルであった。」との記載を、「No. 1-3の寿命は10万サイクルであった。」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものに該当し、また、特許法第126条第5項から第7項までの規定に適合する。 5 訂正事項8~13について (1)訂正の目的について ア 段落【0045】~【0057】及び【図14】~【図20】について 潤滑部品の形状に関して、訂正後の請求項2及び4、並びに請求項2または4を引用する請求項5~7に係る発明においては、「円柱状」であるのに対して、 訂正前の明細書及び図面の、段落【0045】~【0057】及び【図14】~【図20】に記載の[実施形態2-1]~[実施形態2-4]及び[実施例2](以下、これらをまとめて「第2例」という。)においては、リング状である点で相違する。 したがって、第2例は、訂正後の請求項2及び4、並びに請求項2または4を引用する請求項5~7に係る発明の「前記潤滑部品は円柱状であり」との発明特定事項を備えていない。 また、潤滑部品が配置される凹部に関して、訂正後の請求項3、並びに請求項3を引用する請求項6及び7に係る発明においては、「軌道輪からボールへ伝えられる力の合力の作用線に沿った位置に対をなして形成されている」との構成を備えているのに対して、 訂正前の明細書及び図面の第2例においては、かかる構成を備えていない点で相違する。 したがって、第2例は、訂正後の請求項3、並びに請求項3を引用する請求項6及び7に係る発明の「前記凹部は、前記軌道輪からボールへ伝えられる力の合力の作用線に沿った位置に対をなして形成されている」との発明特定事項を備えていない。 よって、訂正前の明細書及び図面の第2例に関する記載は、訂正後の請求項2~7に係る発明のいずれにも対応しない。 イ 段落【0058】~【0085】及び【図21】~【図35】について 保持器に関して、訂正後の請求項2~7に係る発明においては、「リング状保持器」であるのに対して、 訂正前の明細書及び図面の、段落【0058】~【0085】及び【図21】~【図35】に記載の[実施形態3-1]~[実施形態3-4]及び実施例3(以下、これらをまとめて「第3例」という。)においては、セパレート保持器である点で相違する。 したがって、第3例は、訂正後の請求項2~7に係る発明の「前記保持器は、前記ボールを入れるポケットとして、リングの周面を貫通する円穴が形成されているリング状保持器であり」との発明特定事項を備えていない。 よって、訂正前の明細書及び図面の第3例に関する記載は、訂正後の請求項2~7に係る発明のいずれにも対応しない。 ウ 段落【0086】~【0100】及び【図36】~【図40】について (ア)段落【0086】~【0091】、【0098】~【0100】及び【図36】~【図38】について 潤滑部品の形状及び凹部の形状に関して、訂正後の請求項2及び4、並びに請求項2または4を引用する請求項5~7に係る発明においては、潤滑部品の形状は「円柱状」であり、凹部の形状は「円弧状」であるのに対して、 訂正前の明細書及び図面の、段落【0086】~【0091】、【0098】~【0100】及び【図36】~【図38】に記載の[実施形態4-1]及び[実施例4](以下、これらをまとめて「第4-1例」という。)においては、潤滑部品の形状は円板状であり、凹部の形状は円形溝である点で相違する。 したがって、第4-1例は、訂正後の請求項2及び4、並びに請求項2または4を引用する請求項5~7に係る発明の「前記潤滑部品は円柱状であり、前記凹部は前記潤滑部品をなす円柱に対応させた円弧状に形成され」との発明特定事項を備えていない。 また、潤滑部品が配置される凹部に関して、訂正後の請求項3、並びに請求項3を引用する請求項6及び7に係る発明においては、「軌道輪からボールへ伝えられる力の合力の作用線に沿った位置に対をなして形成されている」との構成を備えているのに対して、 訂正前の明細書及び図面の第4-1例においては、かかる構成を備えていない点で相違する。 したがって、第4-1例は、訂正後の請求項3、並びに請求項3を引用する請求項6及び7に係る発明の「前記凹部は、前記軌道輪からボールへ伝えられる力の合力の作用線に沿った位置に対をなして形成されている」との発明特定事項を備えていない。 (イ)段落【0092】~【0100】、【図39】及び【図40】について 潤滑部品が配置される箇所の構造に関して、訂正後の請求項2~7に係る発明においては、保持器の柱部分の「リングの内周面および外周面の少なくともいずれかに設けた凹部」であるのに対して、 訂正前の明細書及び図面の、段落【0092】~【0100】、【図39】及び【図40】に記載の[実施形態4-2]及び[実施例4](以下、これらをまとめて「第4-2例」という。)においては、保持器の柱部分の貫通穴である点で相違する。 したがって、第4-2例は、訂正後の請求項2~7に係る発明の「前記潤滑部品が、前記保持器の前記ポケット間の柱部分の、前記リングの内周面および外周面の少なくともいずれかに設けた凹部に、この軸受の回転時に前記ボールの表面および前記軌道面に対して摺動するように配置され」との発明特定事項を備えていない。 (ウ)小括 よって、訂正前の明細書及び図面の第4-1例及び第4-2例(以下、これらをまとめて「第4例」という。)に関する記載は、訂正後の請求項2~7に係る発明のいずれにも対応しない。 エ 段落【0101】~【0115】及び【図41】~【図47】について 潤滑部品が配置される箇所の構造に関して、訂正後の請求項2~7に係る発明においては、保持器の柱部分の「リングの内周面および外周面の少なくともいずれかに設けた凹部」であるのに対して、 訂正前の明細書及び図面の、段落【0101】~【0115】及び【図41】~【図47】に記載の[実施形態5]及び[実施例5](以下、これらをまとめて「第5例」という。)においては、保持器の柱部分の貫通穴である点で相違する。 したがって、第5例は、訂正後の請求項2~7に係る発明の「前記潤滑部品が、前記保持器の前記ポケット間の柱部分の、前記リングの内周面および外周面の少なくともいずれかに設けた凹部に、この軸受の回転時に前記ボールの表面および前記軌道面に対して摺動するように配置され」との発明特定事項を備えていない。 よって、訂正前の明細書及び図面の第5例に関する記載は、訂正後の請求項2~7に係る発明のいずれにも対応しない。 オ 段落【0116】~【0126】及び【図48】~【図52】について 潤滑部品が配置される凹部の形状に関して、訂正後の請求項2及び4、並びに請求項2または4を引用する請求項5~7に係る発明においては、「円弧状」であるのに対して、 訂正前の明細書及び図面の、段落【0116】~【0126】及び【図48】~【図52】に記載の[実施形態6]及び[実施例6](以下、これらをまとめて「第6例」という。)においては、円筒状である点で相違する。 したがって、第6例は、訂正後の請求項2及び4、並びに請求項2または4を引用する請求項5~7に係る発明の「前記凹部は前記潤滑部品をなす円柱に対応させた円弧状に形成され」との発明特定事項を備えていない。 また、潤滑部品が配置される凹部に関して、訂正後の請求項3、並びに請求項3を引用する請求項6及び7に係る発明においては、「軌道輪からボールへ伝えられる力の合力の作用線に沿った位置に対をなして形成されている」との構成を備えているのに対して、 訂正前の明細書及び図面の第6例においては、かかる構成を備えていない点で相違する。 したがって、第6例は、訂正後の請求項3、並びに請求項3を引用する請求項6及び7に係る発明の「前記凹部は、前記軌道輪からボールへ伝えられる力の合力の作用線に沿った位置に対をなして形成されていること」との発明特定事項を備えていない。 よって、訂正前の明細書及び図面の第6例に関する記載は、訂正後の請求項2~7に係る発明のいずれにも対応しない。 カ 小括 以上のことから、訂正前の明細書及び図面の第2~6例に関する記載は、訂正後の請求項2~7に係る発明のいずれにも対応しないから、段落【0045】~【0126】及び【図14】~【図52】の記載は、特許請求の範囲の記載と対応しておらず不明瞭となる。 訂正事項8~13は、訂正後の請求項2~7に係る発明のいずれにも対応しない第2~6例に関する発明の詳細な説明の記載及び図面を、明細書及び図面から削除することにより、特許請求の範囲の記載と明細書及び図面の記載との整合を図るための訂正である。 したがって、訂正事項8~13は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 訂正事項8~13は、訂正後の請求項2~7に係る発明のいずれにも対応しない第2~6例に関する発明の詳細な説明の記載及び図面を、明細書及び図面から削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものといえる。 したがって、訂正事項8~13は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 訂正事項8~13は、特許請求の範囲の記載との整合を図るために、明細書及び図面の記載を訂正するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項8~13は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 6 訂正事項6、14及び15について (1)訂正の目的について 訂正事項6は、訂正後の請求項2~7に係る発明のいずれにも対応しない第2~6例に関する態様の記載を、明細書から削除するものであり、 訂正事項14は、訂正後の請求項2~7に係る発明のいずれにも対応しない第2~6例に関する「図面の簡単な説明」の記載を、明細書から削除するものであり、 訂正事項15は、訂正後の請求項2~7に係る発明のいずれにも対応しない第2~6例のみに使用されている符号の「符号の説明」の記載を、明細書から削除するものであるから、 これらの訂正事項6、14及び15は、特許請求の範囲の記載と明細書との整合を図るための訂正である。 したがって、訂正事項6、14及び15は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて 訂正事項6、14及び15は、訂正後の請求項2~7に係る発明のいずれにも対応しない第2~6例に関する態様及び図面の簡単な説明の記載、並びに第2~6例のみに関する符号の説明の記載を、明細書から削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものといえる。 したがって、訂正事項6、14及び15は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて 訂正事項6、14及び15は、特許請求の範囲の記載との整合を図るために、明細書の記載を訂正するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項6、14及び15は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 第4 まとめ 以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号から第4号までに掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項から第7項までの規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-390042

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  • 2020-390015訂正審判 / 2020-05-20 / 訂正認容円筒ころ軸受及び工作機械用主軸装置
    共通の審決分類: 851・F16C、852・F16C、853・F16C、854・F16C ほか2件
  • 2019-390117訂正審判 / 2020-01-20 / 訂正認容軸受装置
    共通の審決分類: 851・F16C、853・F16C、854・F16C、855・F16C ほか2件
  • 2018-390144訂正審判 / 2019-01-29 / 訂正認容アンギュラ玉軸受
    共通の審決分類: 851・F16C、852・F16C、853・F16C、854・F16C ほか2件
  • 2018-390126訂正審判 / 2018-11-20 / 訂正認容深溝玉軸受
    共通の審決分類: 851・F16C、853・F16C、854・F16C、855・F16C ほか2件

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