審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2018-016543

偏光板及びその製造方法、並びに光学機器

審判番号
2018-016543
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-026747外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年12月11日
審決日
2019年12月18日
公報発行日
2020年03月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G02B) / P18 .575-Z (G02B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第36条第6項第2号、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2018- 26747「偏光板及びその製造方法、並びに光学機器」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月29日出願公開、特開2019-144334〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特願2018-26747号(以下、「本件出願」という。)は、平成30年2月19日を出願日とする特許出願であって、その手続等の経緯の概要は、以下のとおりである。 平成30年 4月25日付け:拒絶理由通知書 平成30年 7月 4日付け:意見書 平成30年 7月 4日付け:手続補正書 平成30年 9月 5日付け:拒絶査定(以下、「原査定」という。) 平成30年12月11日付け:審判請求書 平成30年12月11日付け:手続補正書 第2 平成30年12月11日付けの手続補正書による手続補正についての補正却下の決定 [結論] 平成30年12月11日付けの手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 (1) 本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前、すなわち、平成30年7月4日付けの手続補正書による補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。 「ワイヤグリッド構造を有する偏光板であって、 透明基板と、 使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列され、所定方向に延在する格子状凸部と、を備え、 前記格子状凸部が、前記透明基板側から順に、反射層と、誘電体層と、吸収層と、誘電体層と、を有し、 2つの前記誘電体層の最大幅と前記吸収層の最大幅は略同一であり、 前記反射層の最大幅は、2つの前記誘電体層の最大幅及び前記吸収層の最大幅のいずれよりも小さい偏光板。」 (2) 本件補正後の特許請求の範囲 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。なお、下線は当合議体が付したものであり、補正箇所を示す。 「ワイヤグリッド構造を有する偏光板であって、 透明基板と、 使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列され、所定方向に延在する格子状凸部と、を備え、 前記格子状凸部が、前記透明基板側から順に、 反射層から構成される矩形状のグリッド脚部と、 第1誘電体層と、吸収層と、第2誘電体層と、を前記透明基板側からこの順に有する矩形状のグリッド先端部と、を有し、 前記第1誘電体層および前記吸収層の膜厚は、吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように形成され、 2つの前記誘電体層の最大幅と前記吸収層の最大幅は略同一であり、 前記反射層の最大幅は、2つの前記誘電体層の最大幅及び前記吸収層の最大幅のいずれよりも小さく、前記吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域内とするように形成される偏光板。」 2 補正の適否について 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「格子状凸部」について、「前記透明基板側から順に、反射層と、誘電体層と、吸収層と、誘電体層と、を有し」とあるのを、本件出願の出願当初の明細書の【0026】、【0030】、【0031】及び【0068】等の記載に基づき、「前記透明基板側から順に」、「反射層から構成される矩形状のグリッド脚部と」、「第1誘電体層と、吸収層と、第2誘電体層と、を前記透明基板側からこの順に有する矩形状のグリッド先端部と、を有し」、「前記第1誘電体層および前記吸収層の膜厚は、吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように形成され」たものに限定するとともに、「反射層の最大幅」について、本件出願の出願当初の明細書の【0068】及び【0071】の記載に基づき、「前記吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域内とするように形成される」ものに限定するものであって、本件補正前の請求項1に記載される発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合するとともに、同条第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正後発明」という。)が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1) 特許法第36条第6項第2号(明確性)について ア 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、上記「1」「(2) 本件補正後の特許請求の範囲」に記載したとおりである。 イ 請求項1には、「前記格子状凸部が、前記透明基板側から順に、・・・第1誘電体層と、吸収層と、第2誘電体層と、を前記透明基板側からこの順に有する矩形状のグリッド先端部と、を有し」、「前記第1誘電体層および前記吸収層の膜厚は、吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように形成され」との記載があるところ、この「前記第1誘電体層および前記吸収層の膜厚は、吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように形成され」との記載は、偏光板の形成・製造に係る事項により、「矩形状のグリッド先端部」の「第1誘電体層」の「膜厚」および「吸収層」の「膜厚」を特定しようとするものである。 しかしながら、請求項1に係る発明は「偏光板」という物に係る発明であって、物の発明として見た場合、「矩形状のグリッド先端部」の「第1誘電体層」及び「吸収層」の「膜厚」が、「吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように形成され」たものであるのか、あるいは、そうではないのかを判断、あるいは、区別することはできない。 そうすると、「前記第1誘電体層および前記吸収層の膜厚は、吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように形成され」との記載により、「偏光板」という物に係る発明の構成として、「第1誘電体層」、「吸収層」及びそれらの「膜厚」について、どのような事項が特定されるのか不明である。 また、本件補正後の請求項1の「前記反射層の最大幅は、2つの前記誘電体層の最大幅及び前記吸収層の最大幅のいずれよりも小さく、前記吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域内とするように形成される」との記載についても同様に、「前記吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域内とするように形成される」との偏光板の形成・製造に係る事項により「矩形状のグリッド脚部」を構成する「反射層」の「2つの前記誘電体層の最大幅及び前記吸収層の最大幅のいずれよりも小さ」い「最大幅」を特定しようとするものであって、「偏光板」という物の発明として見た場合に、「反射層」の「最大幅」が、「吸収軸反射率が極小となる波長域を所望の波長域内とするように形成され」たものであるのか、あるいは、そうではないのかを判断・区別することはできない。 そうすると、偏光板の形成・製造に係る「前記反射層の最大幅は」、「前記吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域内とするように形成される」との記載により、「偏光板」という物に係る発明の構成として、「反射層」あるいはその「最大幅」に関し、どのような事項が特定されるのか不明である。 よって、本件補正後発明は明確でない。 ウ また、請求項1の「前記第1誘電体層および前記吸収層の膜厚は、吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように形成され」との記載によれば、「吸収軸反射率が極小となる波長域」は「第1誘電体層」および「吸収層」の「膜厚」により制御されることが分かる。 一方、請求項1の「前記反射層の最大幅は、2つの前記誘電体層の最大幅及び前記吸収層の最大幅のいずれよりも小さく、前記吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域内とするように形成される」との記載によれば、「吸収軸反射率が極小となる波長域」は、(「2つの前記誘電体層の最大幅及び前記吸収層の最大幅のいずれよりも小さ」い)「反射層の最大幅」により制御されることが分かる。 そうすると、請求項1の上記の両記載からは、「吸収軸反射率が極小となる波長域」は、「反射層の最大幅」や「第1誘電体層」および「吸収層」の「膜厚」の両方に依存する、あるいは「反射層の最大幅」や「第1誘電体層」および「吸収層」の「膜厚」の両方により制御されると把握されるから、「前記第1誘電体層および前記吸収層の膜厚」だけで「吸収軸反射率が極小となる波長域」を決めることができない。 してみると、請求項1の「前記第1誘電体層および前記吸収層の膜厚」は、「吸収軸反射率が極小となる波長域」が「所望の波長域より短波長側となるように形成され」るとの記載は技術的にみて正確な記載とはいえない。 同様に、「前記反射層の最大幅」のみでは「吸収軸反射率が極小となる波長域」が決めることができないから、「前記反射層の最大幅」は、「前記吸収軸反射率が極小となる波長域」を「前記所望の波長域内とするように形成される」との記載は技術的にみて正確な記載とはいえない。 よって、本件補正後発明は明確でない。 エ 小括り 本件出願は、請求項1の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、本件補正後発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (2) 特許法第29条第2項(進歩性)について ア 本件補正後発明 本件補正後発明は、上記「1」「(2) 本件補正後の特許請求の範囲」に記載したとおりのものである。 イ 引用文献1及び引用発明 (ア) 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用文献1として引用され、本件出願の出願前に日本国内又は外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明を記載した、特許第6230689号公報(以下、同じく「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は、当合議体が付したものである。)。 a 「【技術分野】 【0001】 本発明は、偏光板及びその製造方法、並びに光学機器に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、ワイヤグリッド型の偏光板では、使用帯域の光の波長に応じたピッチとグリッド幅(グリッドの配列方向の幅)との関係から、原理的に短波長側ほど光の透過率が低下することが知られている。特に、液晶プロジェクタで使用される可視光領域(赤色帯域:波長λ=600~680nm、緑色帯域:波長λ=520~590nm、青色帯域:波長λ=430~510nm)では、青色帯域が最も透過率が低くなる。 【0003】 これに対して、偏光板のグリッド幅を狭くすることで透過率を高められることが知られている。しかし、実際にグリッド幅を狭めたパターンを形成することは、製造バラツキが大きくなる等の観点から難易度が高く、偏光板としての信頼性を維持することが困難である。 【0004】 そこで、本出願人は、複数の線状金属層と、複数の線状誘電体層と、光吸収作用を有する複数の線状光吸収層とをこの順で透明基板上に有するワイヤグリッド型の無機偏光板において、線状金属層の長手方向に直交する断面における線状金属層の断面形状が、基板側を下底とし線状誘電体層側を上底とする台形状であるとともに、下底の長さが上底の長さよりも長い無機偏光板を提案している(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の無機偏光板によれば、線状金属層の断面形状によって優れた偏光特性が得られる。 ・・・略・・・ 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかし、近年では、さらに高い透過率特性を有するとともに反射率特性の制御に優れた偏光板が求められている。本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い透過率特性を有するとともに反射率特性の制御に優れた偏光板及びその製造方法、並びにその偏光板を備える光学機器を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記目的を達成するため本発明は、ワイヤグリッド構造を有する偏光板であって、透明基板(例えば、後述の透明基板10)と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列され、所定方向に延在する格子状凸部(例えば、後述の格子状凸部11)と、を備え、前記格子状凸部が、前記透明基板側から順に、反射層(例えば、後述の反射層13)と、誘電体層(例えば、後述の誘電体層14)と、吸収層(例えば、後述の吸収層15)と、を有し、前記反射層の幅は、前記誘電体層の幅よりも小さく、前記格子状凸部の先端に形成されたグリッド先端部(例えば、後述のグリッド先端部17)は、前記所定方向から見たときに、先端側ほど幅が狭くなる方向に側面が傾斜した先細形状を有し、前記グリッド先端部が、前記誘電体層及び前記吸収層で構成され、前記グリッド先端部の最大幅(例えば、後述のグリッド幅b)が、35~45nmであり、前記反射層の幅が、前記グリッド先端部の最大幅に対して52~72%である偏光板(例えば、後述の偏光板1)を提供する。 【0009】 前記グリッド先端部の側面の前記透明基板に対する傾斜角をθとし、前記所定方向から見たときの前記グリッド先端部の高さをa、前記グリッド先端部の最大幅をb、θ0=arctan(2a/b)としたときに、2/3≦a/b≦8/7を満たすとともにθ0≦θ<90度を満たし、前記傾斜角θが、可視光領域の所定の波長の光の吸収軸方向の反射率を10%以下とする角度範囲から選択されてもよい。 ・・・略・・・ 【発明の効果】 【0019】 本発明によれば、高い透過率特性を有するとともに反射率特性の制御に優れた偏光板及びその製造方法、並びにその偏光板を備える光学機器を提供できる。」 b 「【図面の簡単な説明】 【0020】 【図1】本発明の一実施形態に係る偏光板を示す断面模式図である。 【図2】上記実施形態に係る偏光板の形状パラメータを説明するための断面模式図である。 ・・・略・・・ 【図10】グリッド先端部が矩形状の偏光板を示す断面模式図である。」 c 「【発明を実施するための形態】 【0021】 以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。 【0022】 [偏光板] 本発明の一実施形態に係る偏光板は、ワイヤグリッド構造を有する無機偏光板であって、透明基板と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチ(周期)で透明基板上に配列されて所定方向に延在する格子状凸部と、を備える。また、この格子状凸部が、透明基板側から順に、反射層と、誘電体層と、吸収層と、を有する。 【0023】 図1は、本発明の一実施形態に係る偏光板1を示す断面模式図である。図1に示すように、偏光板1は、使用帯域の光に透明な透明基板10と、透明基板10の一方の面上に使用帯域の光の波長よりも短いピッチで配列された格子状凸部11と、を備える。格子状凸部11は、透明基板10側から順に、必要に応じて形成された台座12と、反射層13と、誘電体層14と、吸収層15と、を有する。即ち、図1に示す偏光板1は、台座12、反射層13、誘電体層14及び吸収層15が透明基板10側からこの順に積層されて形成された格子状凸部11が、透明基板10上に一次元格子状に配列されたワイヤグリッド構造を有する。 【0024】 ここで、図1に示すように格子状凸部11の延在する方向(所定方向)を、Y軸方向と称する。また、Y軸方向に直交し、透明基板10の主面に沿って格子状凸部11が配列する方向を、X軸方向と称する。この場合、偏光板1に入射する光は、透明基板10の格子状凸部11が形成されている側において、好適にはX軸方向及びY軸方向に直交する方向から入射する。 【0025】 偏光板1は、透過、反射、干渉及び光学異方性による偏光波の選択的光吸収の4つの作用を利用することで、Y軸方向に平行な電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を減衰させ、X軸方向に平行な電界成分をもつ偏光波(TM波(P波))を透過させる。従って、Y軸方向が偏光板1の吸収軸の方向であり、X軸方向が偏光板1の透過軸の方向である。 【0026】 偏光板1の格子状凸部11が形成された側から入射した光は、吸収層15及び誘電体層14を通過する際に一部が吸収されて減衰する。吸収層15及び誘電体層14を透過した光のうち、偏光波(TM波(P波))は高い透過率で反射層13を透過する。一方、吸収層15及び誘電体層14を透過した光のうち、偏光波(TE波(S波))は反射層13で反射される。反射層13で反射されたTE波は、吸収層15及び誘電体層14を通過する際に一部は吸収され、一部は反射して反射層13に戻る。また、反射層13で反射されたTE波は、吸収層15及び誘電体層14を通過する際に干渉して減衰する。以上のようにして、偏光板1は、TE波の選択的減衰を行うことにより、所望の偏光特性が得られる。 【0027】 格子状凸部11は、図1に示すように各一次元格子の延在する方向(所定方向)から見たとき、つまり所定方向に直交する断面視で、台形状の台座12と、矩形状のグリッド脚部16と、先細形状のグリッド先端部17と、を有する。 グリッド脚部16は、台座12から垂直に延びて形成される。このグリッド脚部16は、反射層13で構成される。即ち、グリッド脚部16とグリッド先端部17との境界は、反射層13と誘電体層14の境界に位置する。 グリッド先端部17は、所定方向から見たときに、先端側(透明基板10の反対側)ほど幅が狭くなる方向に側面が傾斜した先細形状を有する。より詳しくは、本実施形態のグリッド先端部17は、等脚台形状を有する。このグリッド先端部17は、誘電体層14及び吸収層15で構成される。 【0028】 グリッド先端部17を先細形状とすることにより、TM波の透過率を高めることができる。このようにTM波の透過率が高まる理由としては、グリッド先端部17を先細形状とすることにより、角度バラツキを持って入射してくる光に対して散乱を抑制する効果があるためと考えられる。 【0029】 ここで、図2は、本実施形態に係る偏光板1の形状パラメータを説明するための断面模式図である。以下の説明において、高さとは、透明基板10の主面に垂直な方向の寸法を意味し、幅とは、格子状凸部11の延びる方向に沿うY軸方向から見たときに、高さ方向に直交するX軸方向の寸法を意味する。また、偏光板1を格子状凸部11の延びる方向に沿うY軸方向から見たときに、格子状凸部11のX軸方向の繰り返し間隔をピッチPと称する。 【0030】 格子状凸部11のピッチPは、使用帯域の光の波長よりも短ければ特に制限されない。作製の容易性及び安定性の観点から、格子状凸部11のピッチPは、例えば、100nm~200nmが好ましい。この格子状凸部11のピッチPは、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。 ・・・略・・・ 【0031】 また、格子状凸部11のグリッド先端部17におけるX軸方向の最大幅を、グリッド幅bと称する。本実施形態では、グリッド幅bは、グリッド先端部17における反射層13側の端部の幅を意味する。具体的には、このグリッド幅bは、35~45nmであることが好ましい。なお、これらの幅は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。 【0032】 また、グリッド先端部17の側面の透明基板10に対する傾斜角を傾斜角θと称し、グリッド先端部17の高さを高さaと称する。 ・・・略・・・ 【0033】 また、θ0=arctan(2a/b)としたとき、本実施形態に係る偏光板1は、2/3≦a/b≦8/7を満たすとともに、θ0≦θ<90度を満たすことが好ましい。このとき、傾斜角θは、可視光領域の所定の波長の光の吸収軸方向の反射率を10%以下とする角度範囲から選択されることが好ましい。 【0034】 透明基板10としては、使用帯域の光に対して透光性を示す基板であれば特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。「使用帯域の光に対して透光性を示す」とは、使用帯域の光の透過率が100%であることを意味するものではなく、偏光板としての機能を保持可能な透光性を示せばよい。使用帯域の光としては、例えば、波長380nm~810nm程度の可視光が挙げられる。 ・・・略・・・ 【0039】 台座12は、図1に示すように各一次元格子の延在する方向(所定方向)から見たとき、つまり所定方向に直交する断面視で、台形状を有する。より詳しくは、本実施形態に係る台座12は、所定方向から見たときに、透明基板10側から反射層13側に向かうに従い幅が狭まるように側面が傾斜した等脚台形状を有する。 ・・・略・・・ 【0042】 台座12は、吸収軸であるY軸方向に帯状に延びた誘電体膜が透明基板10上に配列されてなるものである。台座12の構成材料としては、使用帯域の光に対して透明であり、透明基板10よりも屈折率の小さい材料が好ましく、中でも、SiO2等のSi酸化物が好ましい。 ・・・略・・・ 【0045】 反射層13は、台座12上に形成され、吸収軸であるY軸方向に帯状に延びた金属膜が配列されてなるものである。より詳しくは、反射層13は、台座12から垂直に延びており、上記所定方向から見たとき、つまり所定方向に直交する断面視で、矩形状を有する。この反射層13は、ワイヤグリッド型偏光子としての機能を有し、反射層13の長手方向に平行な方向に電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を減衰させ、反射層13の長手方向に直交する方向に電界成分をもつ偏光波(TM波(P波))を透過させる。 【0046】 反射層13の構成材料としては、使用帯域の光に対して反射性を有する材料であれば特に制限されず、例えば、Al、Ag、Cu、Mo、Cr、Ti、Ni、W、Fe、Si、Ge、Te等の元素単体又はこれらの1種以上の元素を含む合金が挙げられる。中でも、反射層13は、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されることが好ましい。なお、これらの金属材料以外にも、例えば着色等により表面の反射率が高く形成された金属以外の無機膜や樹脂膜で反射層13を構成してもよい。 【0047】 反射層13の膜厚は、特に制限されず、例えば、100nm~300nmが好ましい。なお、反射層13の膜厚は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。 【0048】 反射層13の幅cは、台座12の最小幅以下であることが好ましく、より好ましくは台座12の最小幅よりも小さく設定される。また、後述するように、反射層13の幅cは、誘電体層14の最大幅、即ちグリッド先端部17の最大幅であるグリッド幅bよりも小さいことが好ましい。具体的には、反射層13の幅cは、グリッド幅bに対する割合が52~72%であることが好ましい。なお、これらの幅は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。 【0049】 反射層13の幅を、台座12の幅やグリッド幅(誘電体層14の幅)bよりも小さくする方法としては、例えばウェットエッチングによる等方性エッチングが挙げられる。上述したように、反射層13は光を反射するが、反射層13の幅を制御することで、光の入射方向から見た反射層13の面積が変更され、反射層13で反射される光の量が変化する。従って、グリッド幅bに占める反射層13の幅の割合を制御することで、偏光板1の光透過特性を制御可能である。 【0050】 誘電体層14は、反射層13上に形成され、吸収軸であるY軸方向に帯状に延びた誘電体膜が配列されてなるものである。誘電体層14は、吸収層15で反射した偏光に対して、吸収層15を透過して反射層13で反射した偏光の位相が半波長ずれる膜厚で形成される。具体的には、誘電体層14の膜厚は、偏光の位相を調整して干渉効果を高めることが可能な1~500nmの範囲で適宜設定される。この誘電体層14の膜厚は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。 【0051】 誘電体層14を構成する材料としては、SiO2等のSi酸化物、Al2O3、酸化ベリリウム、酸化ビスマス、等の金属酸化物、MgF2、氷晶石、ゲルマニウム、二酸化チタン、ケイ素、フッ化マグネシウム、窒化ボロン、酸化ボロン、酸化タンタル、炭素、又はこれらの組み合わせ等の一般的な材料が挙げられる。中でも、誘電体層14は、Si酸化物で構成されることが好ましい。 【0052】 誘電体層14の屈折率は、1.0より大きく、2.5以下であることが好ましい。反射層13の光学特性は、周囲の屈折率によっても影響を受けるため、誘電体層14の材料を選択することで、偏光板特性を制御することができる。 また、誘電体層14の膜厚や屈折率を適宜調整することにより、反射層13で反射したTE波について、吸収層15を透過する際に一部を反射して反射層13に戻すことができ、吸収層15を通過した光を干渉により減衰させることができる。このようにしてTE波の選択的減衰を行うことにより、所望の偏光特性を得ることができる。 【0053】 吸収層15は、誘電体層14上に形成され、吸収軸であるY軸方向に帯状に延びて配列されたものである。吸収層15の構成材料としては、金属材料や半導体材料等の光学定数の消衰定数が零でない、光吸収作用を持つ物質の1種以上が挙げられ、適用される光の波長範囲によって適宜選択される。金属材料としては、Ta、Al、Ag、Cu、Au、Mo、Cr、Ti、W、Ni、Fe、Sn等の元素単体又はこれらの1種以上の元素を含む合金が挙げられる。また、半導体材料としては、Si・・・略・・・が挙げられる。これらの材料を用いることにより、偏光板1は、適用される可視光域に対して高い消光比が得られる。中でも、吸収層15は、Fe又はTaを含むとともに、Siを含んで構成されることが好ましい。 【0054】 吸収層15として半導体材料を用いる場合には、吸収作用に半導体のバンドギャップエネルギーが関与するため、バンドギャップエネルギーが使用帯域以下であることが必要である。例えば、可視光で使用する場合、波長400nm以上での吸収、即ち、バンドギャップとしては3.1ev以下の材料を使用する必要がある。 【0055】 吸収層15の膜厚は、特に制限されず、例えば、10nm~100nmが好ましい。この吸収層15の膜厚は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。 ・・・略・・・ 【0057】 また、本実施形態に係る偏光板1は、光学特性の変化に影響を与えない範囲において、光の入射側の表面が、誘電体からなる保護膜により覆われていてもよい。具体的には、少なくともグリッド先端部17の側面(傾斜面)が保護膜により覆われていることが好ましい。 ・・・略・・・ 【0059】 [偏光板の製造方法] 本実施形態に係る偏光板1の製造方法は、下地層形成工程と、反射層形成工程と、誘電体層形成工程と、吸収層形成工程と、エッチング工程と、を有する。 【0060】 下地層形成工程では、透明基板10上に下地層を形成する。反射層形成工程では、下地層形成工程で形成された下地層上に、反射層を形成する。誘電体層形成工程では、反射層形成工程で形成された反射層上に、誘電体層を形成する。吸収層形成工程では、誘電体層形成工程で形成された誘電体層上に、吸収層を形成する。これらの各層形成工程では、例えばスパッタ法や蒸着法により、各層を形成可能である。 【0061】 エッチング工程では、上述の各層形成工程を経て形成された積層体を選択的にエッチングすることにより、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板10上に配列される格子状凸部11を形成する。具体的には、例えばフォトリソグラフィ法やナノインプリント法により、一次元格子状のマスクパターンを形成する。そして、上記積層体を選択的にエッチングすることにより、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板10上に配列される格子状凸部11を形成する。エッチング方法としては、例えば、エッチング対象に対応したエッチングガスを用いたドライエッチング法が挙げられる。 【0062】 特に本実施形態では、エッチング条件(ガス流量、ガス圧、出力、透明基板の冷却温度)を最適化することにより、グリッド先端部17の側面に傾斜を持たせた先細形状を形成する。また、上記エッチング条件を最適化することにより、下地層18をエッチングして格子状凸部11の延在方向から見たときに台形状を有する台座12を形成する。また、例えばウェットエッチングによる等方性エッチングにより、反射層13の幅をグリッド幅(誘電体層14の幅)bよりも小さくする。具体的には、誘電体層14及び吸収層15で構成されるグリッド先端部17の最大幅が35~45nmであり、反射層13の幅がグリッド先端部17の最大幅に対して52~72%となるように格子状凸部11を形成する。 【0063】 なお、本実施形態に係る偏光板1の製造方法は、少なくともグリッド先端部17の側面(傾斜面)を保護膜で被覆する工程を有していてもよい。・・・略・・・ 以上により、本実施形態に係る偏光板1が製造される。 【0064】 [光学機器] 本実施形態に係る光学機器は、上述した本実施形態に係る偏光板1を備える。光学機器としては、液晶プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ、デジタルカメラ等が挙げられる。本実施形態に係る偏光板1は、有機偏光板に比べて耐熱性に優れる無機偏光板であるため、耐熱性が要求される液晶プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ等の用途に好適である。 【0065】 本実施形態に係る光学機器が複数の偏光板を備える場合、複数の偏光板の少なくとも1つが本実施形態に係る偏光板1であればよい。例えば、本実施形態に係る光学機器が液晶プロジェクタである場合、液晶パネルの入射側及び出射側に配置される偏光板の少なくとも一方が本実施形態に係る偏光板1であればよい。 【0066】 以上説明した偏光板1及びその製造方法、並びに光学機器によれば、次のような効果が奏される。 【0067】 本実施形態に係る偏光板1では、透明基板10側から順に、反射層13と、誘電体層14と、吸収層15と、を有する格子状凸部11を備えるワイヤグリッド構造の偏光板1において、反射層13の幅が、誘電体層14の幅よりも小さい。 上述したように、反射層13は光を反射するが、反射層13の幅を制御することで、光の入射方向から見た反射層13の面積が変更され、反射層13で反射される光の量が変化する。そのため、反射層13の幅を、グリッド幅(誘電体層14の幅)bよりも小さくすることにより、偏光板1の光透過特性を向上でき、反射率特性を制御できる。 【0068】 また、本実施形態に係る偏光板1では、格子状凸部11の先端に形成されるグリッド先端部17を、上記所定方向(Y軸方向)から見たときに先端側ほど幅が狭くなる方向に側面が傾斜した先細形状とする。 上述したように、グリッド先端部17を先細形状とすることにより、角度バラツキを持って入射してくる光に対して散乱を抑制する効果があると考えられる。そのため、本実施形態によれば、TM波の透過率を高めることができる。 従って、本実施形態によれば、高い透過率特性を有するとともに反射率特性の制御に優れた偏光板1及びその製造方法、並びにその偏光板1を備える光学機器を提供できる。」 d 「【0089】 <実施例3> 図10は、グリッド先端部17Bが矩形状の偏光板300を示す断面模式図である。図10中、図1に示す偏光板1と共通する構成については同一の符号を付している。この偏光板300は、グリッド先端部307が先細形状ではなく矩形状の誘電体層304及び吸収層305で構成されている以外は、図1に示す偏光板1と同様の構成である。偏光板300は、図1に示す偏光板1のグリッド先端部の側面の傾斜角θが90度のものに相当する。 本実施例では、図1に示す構造の偏光板1について、上記傾斜角θを変化させるとともにそれぞれグリッド先端部の高さaとグリッド幅bとの比を種々変更したものをシミュレーションに供した。また、本実施例では、透過軸透過率Tpと吸収軸反射率Rsのシミュレーションを実施した。ここで、吸収軸反射率Rsとは、偏光板の吸収軸方向(Y軸方向)の偏光(TE波)の反射率を意味する。なお、本実施例では、緑色帯域(波長λ=520~590nm(所定の波長))の光に対して最適化されるよう設計された偏光板についてシミュレーションを実施した。」 e 「【図1】 」 f 「【図2】 」 g 「【図10】 」 (イ) 引用発明 a 引用文献1の【0089】(上記(ア)d参照)には、引用文献1における「本発明の一実施形態に係る偏光板」である「ワイヤグリッド構造を有する無機偏光板」の「実施例3」として、「図10」(上記(ア)g参照)に断面模式図として示される「グリッド先端部17Bが矩形状の偏光板300」が記載されているところ、当該【0089】の記載によれば、「実施例3」の「偏光板300」は、「グリッド先端部307が先細形状ではなく矩形状の誘電体層304及び吸収層305で構成されている以外は、図1に示す偏光板1と同様の構成」を有する。 b 「実施例3」と「同様の構成を有する」として参照される「図1に示す偏光板1」の構成については、引用文献1の「本発明の一実施形態に係る偏光板1」として、図1(本発明の一実施形態に係る偏光板を示す断面模式図)及び図2(実施形態に係る偏光板の形状パラメータを説明するための断面模式図)(上記(ア)e及びf参照)とともに、段落【0023】~【0063】(上記(ア)c参照)に説明されている。 c 上記a,bより、引用文献1には、「実施例3」に係る「グリッド先端部17Bが矩形状」の「偏光板300」の発明として、次の発明が記載されているものと認められる(以下、「引用発明」という。)。 「ワイヤグリッド構造を有する無機偏光板300であって、 使用帯域の光に透明な透明基板10と、透明基板10の一方の面上に使用帯域の光の波長よりも短いピッチで配列された格子状凸部と、を備え、 台座12、反射層13、誘電体層304及び吸収層305が透明基板10側からこの順に積層されて形成された格子状凸部が、透明基板10上に一次元格子状に配列されたワイヤグリッド構造を有し、 格子状凸部の延在する方向(所定方向)をY軸方向とし、Y軸方向に直交し、透明基板10の主面に沿って格子状凸部が配列する方向をX軸方向とした場合、Y軸方向が偏光板300の吸収軸の方向であり、X軸方向が偏光板300の透過軸の方向であり、 格子状凸部は、所定方向から見たとき、台形状の台座12と、矩形状のグリッド脚部16と、グリッド先端部307と、を有し、 グリッド脚部16は、台座12から垂直に延びて形成され、所定方向から見たとき、矩形状を有し、反射層13で構成され、 グリッド先端部307が、矩形状の誘電体層304及び吸収層305で構成され、 幅を、X軸方向の寸法とし、格子状凸部のX軸方向の繰り返し間隔をピッチPとしたとき、 格子状凸部のピッチPは100nm~200nmであり、格子状凸部のグリッド先端部307におけるX軸方向の最大幅であるグリッド幅bは35~45nmであり、 反射層13の幅cは、グリッド幅bよりも小さい、 無機偏光板300。」 ウ 対比 本件補正後発明と引用発明とを対比する。 (ア) 「透明基板」 引用発明の「透明基板10」は、「使用帯域の光に透明な」ものである。 そうすると、引用発明の「透明基板10」は、本件補正後発明の「透明基板」に相当する。 (イ) 「グリッド脚部」、「グリッド先端部」及び「格子状凸部」 a 引用発明の「格子状凸部」は、「透明基板10の一方の面上に使用帯域の光の波長よりも短いピッチで配列され」たものである。 また、引用発明の「無機偏光板300」においては、「格子状凸部の延在する方向(所定方向)をY軸方向とし」、「Y軸方向に直交し」、「格子状凸部が配列する方向をX軸方向とした場合」、「Y軸方向が」「吸収軸の方向であり」、「X軸方向が」「透過軸の方向であ」る。 b 上記aより、引用発明の「格子状凸部」は、「使用帯域の光の波長よりも短いピッチで」「透明基板10の一方の面上に」「配列され」、「所定方向」(「Y軸方向」)」に「延在する」。 引用発明の「使用帯域の光の波長よりも短いピッチ」及び「所定方向」(「Y軸方向」)」は、それぞれ本件補正後発明の「使用帯域の光の波長よりも短いピッチ」及び「所定方向」に対応する。 そうすると、引用発明の「格子状凸部」は、本件補正後発明の「格子状凸部」に相当し、引用発明の「格子状凸部」は、本件補正後発明の「格子状凸部」の「使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列され、所定方向に延在する」との要件を具備する。 c 上記a,bより、引用発明は、本件補正後発明の「透明基板と」、「使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列され、所定方向に延在する格子状凸部と、を備え」との要件を具備する。 d 引用発明においては、「台座12、反射層13、誘電体層304及び吸収層305が透明基板10側からこの順に積層されて形成された格子状凸部が、透明基板10上に一次元格子状に配列されたワイヤグリッド構造を有」する。 また、引用発明の「格子状凸部は、所定方向から見たとき、台形状の台座12と、矩形状のグリッド脚部16と、グリッド先端部307と、を有し」、「グリッド脚部16は、台座12から垂直に延びて形成され、所定方向から見たとき、矩形状を有し、反射層13で構成され」、「グリッド先端部307が、矩形状の誘電体層304及び吸収層305で構成され」ている。 e 上記dより、引用発明の「格子状凸部」は、「透明基板10側から」「順に」、「台座12」と、「反射層13」と、「誘電体層304」と、「吸収層305」を有する。 また、引用発明の「グリッド脚部16」は、「台座12から垂直に延びて形成され」、「反射層13」から「構成され」、「矩形状を有」するものである。 また、引用発明の「グリッド先端部307」は、「誘電体層304」と「吸収層305」とを、「透明基板10側からこの順」に有する「矩形状」のものである。 そうすると、これらの「格子状凸部」の層の構造・順序からみて、引用発明の「格子状凸部」は、「透明基板10側から」「順に」、「台座12」と、「反射層13」から「構成」される「矩形状」の「グリッド脚部16」と、「誘電体層304」と「吸収層305」とを「透明基板10側からこの順」に有する「矩形状」の「グリッド先端部307」とを、有するものということができる。 してみると、引用発明の「反射層13」及び「グリッド脚部16」は、それぞれ本件補正後発明の「反射層」及び「グリッド脚部」に相当し、引用発明の「グリッド脚部16」は、本件補正後発明の「グリッド脚部」の「反射層から構成される矩形状の」との要件を具備する。 また、引用発明の「誘電体層304」、「吸収層305」及び「グリッド先端部307」は、それぞれ本件補正後発明の「第1誘電体層」、「吸収層」及び「グリッド先端部」に相当し、引用発明の「グリッド先端部307」と、本件補正後発明の「グリッド先端部」とは、「第1誘電体層と、吸収層と」、「を前記透明基板側からこの順に有する矩形状の」との要件を具備する点で共通する。 f 引用発明においては、「幅」は、「X軸方向の寸法」である。 また、引用発明においては、「格子状凸部のグリッド先端部307におけるX軸方向の最大幅であるグリッド幅bは35~45nmであり」、「反射層13の幅cは、グリッド幅bよりも小さい」。 上記eより、引用発明の「グリッド先端部307」は「矩形状」である。 そうすると、引用発明においては、「グリッド先端部307」が有する「誘電体層304」の「X軸方向」の最大「幅」と「吸収層305」の「X軸方向」の最大「幅」は略同一であるということができる。 してみると、引用発明と、本件補正後発明は、「前記第1誘電体層の最大幅と前記吸収層の最大幅略同一であ」る点で共通する。、 また、引用発明においては、「反射層13の幅cは」、「格子状凸部のグリッド先端部307におけるX軸方向の最大幅であるグリッド幅b」「よりも小さ」い。 上記eより、引用発明の「グリッド脚部16」は、「反射層13」から「構成され」、「矩形状を有」するものである。 また、引用発明においては、「グリッド先端部307におけるX軸方向の最大幅」は、「誘電体層304」の「X軸方向」の最大「幅」あるいは、「吸収層305」の「X軸方向」の最大「幅」である。 してみると、引用発明においては、「反射層13」の最大「幅」が、「誘電体層304」の最大「幅」及び「吸収層305」の最大「幅」よりも小さいということができる。 また、引用発明と、本件補正後発明は、「前記反射層の最大幅は」、「前記第1誘電体層の最大幅及び前記吸収層の最大幅のいずれよりも小さい」点で共通する。 g 上記a~fより、引用発明と、本件補正後発明とは、「前記格子状凸部が、前記透明基板側から順に」、「反射層から構成される矩形状のグリッド脚部と」、「第1誘電体層と、吸収層と、を前記透明基板側からこの順に有する矩形状のグリッド先端部と、を有し」ている点で共通する。 (ウ) 「ワイヤグリッド構造」及び「偏光板」 上記(ア)と(イ)より、引用発明の「ワイヤグリッド構造」は、本件補正後発明の「ワイヤグリッド構造」に対応する。 そうすると、引用発明の「無機偏光板300」は、本件補正後発明の「偏光板」に相当し、引用発明の「無機偏光板300」は、本件補正後発明の「偏光板」の「ワイヤグリッド構造を有する」との要件を具備する。 (エ) 以上の対比結果を踏まえると、本件補正後発明と引用発明は、 「ワイヤグリッド構造を有する偏光板であって、 透明基板と、 使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列され、所定方向に延在する格子状凸部と、を備え、 前記格子状凸部が、前記透明基板側から順に、 反射層から構成される矩形状のグリッド脚部と、 第1誘電体層と、吸収層と、を前記透明基板側からこの順に有する矩形状のグリッド先端部と、を有し、 前記第1誘電体層の最大幅と前記吸収層の最大幅は略同一であり、 前記反射層の最大幅は、前記第1誘電体層の最大幅及び前記吸収層の最大幅のいずれよりも小さい、 偏光板。」である点において一致し、以下の点で相違、あるいは一応相違する。 (相違点1) 本件補正後発明は、「グリッド先端部」が、「第1誘電体層と、吸収層と、第2誘電体層と、を前記透明基板側からこの順に有」し、「2つの前記誘電体層の最大幅と前記吸収層の最大幅は略同一であ」るのに対して、 引用発明は、「グリッド先端部307」が「第2誘電体層」を有しておらず、また、「2つの前記誘電体層の最大幅と前記吸収層の最大幅は略同一であ」るとはいえない点。 (相違点2) 本件補正後発明は、「前記第1誘電体層および前記吸収層の膜厚は、吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように形成され」ているのに対して、 引用発明は、そのように形成されているか一応不明である点。 (相違点3) 本件補正後発明は、「前記反射層の最大幅は、2つの前記誘電体層の最大幅及び前記吸収層の最大幅のいずれよりも小さ」いのに対して、 引用発明は、「グリッド先端部」が「第2誘電体層」を有しておらず、「2つの前記誘電体層の最大幅及び前記吸収層の最大幅のいずれよりも小さ」いとはいえない点。 (相違点4) 本件補正後発明は、「前記反射層の最大幅は」、「前記吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域内とするように形成される」ているのに対して、 引用発明は、そのように形成されているか一応不明である点。 エ 判断 (ア) 相違点1について a ワイヤグリッド構造を有する偏光板において、反射防止特性の向上のために、反射層上に、誘電体層、吸収層、誘電体層とをこの順で積層することは、本件出願の出願前に周知の技術である(例えば、特開2005-37900号公報(原査定の拒絶の理由において引用文献3として引用されたもの。以下、同じく「引用文献3」という。)の【0065】、【0066】や、特表2010-530994号公報(原査定の拒絶の理由において引用文献4として引用されたもの。以下、同じく「引用文献4」という。)の【0014】、【0037】、【0038】等を参照。)。 b 引用文献1の【0002】、【0064】には、ワイヤグリッド型偏光板が液晶プロジェクタに使用されることが記載されているところ、液晶プロジェクタ用途のワイヤグリッド型偏光板には、低い吸収軸反射率が求められることは技術常識である(例えば、特開2016-212156号公報の【0037】には、「多くの液晶プロジェクタ用途では、吸収軸反射率は10%未満であることが要求される。」との記載がある。)。 そうすると、引用発明において、反射防止特性の向上のための上記の本件出願の出願前に周知の技術に基づいて、格子状凸部が、台座12、反射層13、「第1誘電体層」、吸収層305及び「第2誘電体層」が透明基板10側からこの順に積層されて形成された構成とするとともに、グリッド先端部307が、矩形状の「第1誘電体層」、吸収層305及び「第2誘電体層」からなる構成とすることは、引用発明の液晶プロジェクタへの適用を検討する当業者が容易になし得たことである。 そして、引用発明において上記のグリッド先端部307が、矩形状の「第1誘電体層」、吸収層305及び「第2誘電体層」からなる構成としたものにおいては、第1誘電体層、第2誘電体層及び吸収層の最大幅は略同一となる。あるいは、矩形状の「第1誘電体層」、吸収層305及び「第2誘電体層」からなる構成において、第1誘電体層、第2誘電体層及び吸収層の最大幅を略同一とすることは、当業者の設計上のことである。 してみると、引用発明において、上記相違点1に係る本件補正後発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (イ) 相違点2について 上記(1)イで述べたとおり、「偏光板」という物に係る発明として、「第1誘電体層」及び「吸収層」の「膜厚」が、「吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように形成され」たものであるのか、あるいは、そうではないのかを判断、区別することはできない。 してみると、上記相違点2は実質的な相違点を構成しない。 (ウ) 相違点3について a 上記(ア)において述べた理由と同様な理由により、上記の本件出願の出願前に周知の技術に基づいて、引用発明において、グリッド先端部307が、矩形状の「第1誘電体層」、吸収層及び「第2誘電体層」で構成されたものとして、矩形状の反射層13の最大幅を、第1誘電体層の最大幅、第2誘電体層の最大幅及び吸収層305の最大幅のいずれよりも小さいものとすることは、引用発明の液晶プロジェクタへの適用を考慮する当業者が容易になし得たことである。 してみると、引用発明において、上記相違点3に係る本件補正後発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (エ) 相違点4について a 上記(1)イで述べたとおり、「偏光板」という物に係る発明として、「前記反射層の最大幅」が、「前記吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域内とするように形成される」たものであるのか、あるいは、そうではないのかを判断、区別することはできない。 してみると、上記相違点4は実質的な相違点を構成しない。 b 相違点2及び相違点4に係る本件補正後発明の構成は、物として見たときに、「反射層の幅(b)」<「グリッド幅(a)」であること、あるいは、「反射層の幅(b)」=「グリッド幅(a)」である場合に比して吸収軸反射率が極小となる波長域が長波長側にシフトすることを意味するとも解される(本件出願明細書の【0053】、【0068】、【0071】、【0077】及び図1等より)ところ、仮に、そのように解釈したとしても、「反射層13の幅」が「グリッド幅」「よりも小さい」引用発明も具備する構成である。 してみると、上記相違点2及び相違点4は実質的な相違点を構成しない。 (オ) 相違点1乃至相違点4を併せて検討したとしても同様である。 オ 本件補正後発明の効果及び請求人の主張について (ア) 本件補正後発明の効果について検討すると、本件出願の出願当初の明細書には、【発明が解決しようとする課題】として、【0007】には、「無機偏光板を構成する各無機層は、一般的に幅方向の寸法が均一な断面矩形状に設計され、上述の物理エッチング技術により形成される。ところが、その際に偏光子の先端となる吸収層は物理エッチングによって常にエッチングされており、エッチング装置の真空度やガス圧コントロールのバラツキによってその厚み及び体積が変動する。その結果、吸収軸反射率特性が最も低くなる波長域も変動し、各メーカのチャンネル波長域に対して最適な吸収軸反射率特性を得るのが困難であった。」、【0008】には、「本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸収軸反射率の波長分散をより正確に制御できる偏光板を提供することにある。」との記載があり、【発明の効果】として、【0022】に「本発明によれば、吸収軸反射率の波長分散をより正確に制御できる偏光板を提供できる。」との記載がある。 また、本件出願の出願当初の明細書には、本件出願における「本発明」の実施形態について、【0077】には、「本実施形態では、・・・略・・・格子状凸部11を備えるワイヤグリッド構造の偏光板1において、反射層13の幅bを、グリッド幅a(誘電体層14の幅、吸収層15の幅)よりも小さくする。」、「これにより、吸収軸反射率Rsの波長分散をより正確に制御できる。より具体的には、吸収軸反射率Rsの波長分散を長波長側にシフトさせることができ、吸収軸反射率Rsが最も低くなる波長域を長波長側に波長シフトさせることができる。その結果、吸収軸反射率Rsが最も低くなるよう制御できる偏光板1をより確実に得ることができる。」、 【0078】には、「また、エッチングによって反射層13の幅bをグリッド幅aよりも細くすることにより吸収軸反射率Rsの波長分散を正確に制御できるため、液晶プロジェクタの各メーカのチャンネル波長域よりも短波長側であれば、ある程度の自由度を持って誘電体層14及び吸収層15の各膜厚を設定できる。そのため、本実施形態によれば、液晶プロジェクタの各メーカの専用設計に囚われることなく、製造過程における誘電体層14及び吸収層15の各膜厚や形状等のバラツキに関係なく、最適な反射特性を得ることができる。ひいては、液晶プロジェクタの各メーカで異なる光源スペクトルに対して、最適な光学特性を有する偏光板を提供できる。また同時に、反射層の幅がグリッド幅と同一である基本設計構造に対して、透過軸透過率Tpが高められ、液晶プロジェクタの投影明るさが向上した偏光板を提供できる。」との記載がある。 (イ) また、請求人は、平成30年12月11日付けの審判請求書の「(3-2)拒絶理由の解消」において、 「本審判請求書と同時に提出の手続補正書による補正によれば、いずれの文献にも記載されていない、『第1誘電体層および吸収層の膜厚は、吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように形成され、前記反射層の最大幅は、前記吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域内とするように形成される』構成を請求項1に組み入れる補正を行いました。」、 「補正後の本願請求項1(以下、本願発明)を引用文献1に記載の発明と比較すると、本願発明は、上記補正にて組み入れた構成を有する点について、引用文献1と相違しています。」、 「かかる相違点によれば本願発明は、第1誘電体層および吸収層の膜厚の調整によって吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように設定され、次にエッチングで反射層の幅を調整することによって、吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域へと正確に制御することができます。」、 「これにより、吸収軸反射率の波長分散をより正確に制御できる(本願明細書中段落[0077]を参照。)とともに、液晶プロジェクタの各メーカのチャンネル波長域よりも短波長側であればある程度の自由度をもって誘電体層および吸収層の膜厚を設定することができます。即ち、液晶プロジェクタの各メーカの専用設計にとらわれることなく誘電体層および吸収層の膜厚や形状等を設定できるため、製造過程における膜厚や形状等のバラツキや、各メーカで異なる光源スペクトルに対しても関係なく、最適な光学特性を有する偏光板が得られます(段落[0078]を参照。)。さらに、誘電体層および吸収層の製造過程における膜厚や形状等のバラツキをある程度許容できるため、ひいては偏光板の生産効率が向上します。」旨主張している。 (ウ) しかしながら、請求人が主張する「いずれの文献にも記載されていない、『第1誘電体層および吸収層の膜厚は、吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように形成され、前記反射層の最大幅は、前記吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域内とするように形成される』構成」は、物に係る偏光板の発明において、実質的な相違点とはならないことは、上記エ(イ)及び(エ)において既に述べたとおりである。 また、請求人が審判請求書において主張する「かかる相違点によれば本願発明は、第1誘電体層および吸収層の膜厚の調整によって吸収軸反射率が極小となる波長域が所望の波長域より短波長側となるように設定され、次にエッチングで反射層の幅を調整することによって、吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域へと正確に制御することができ」ることは、偏光板の製造方法に係る発明について述べたものである。 そして、引用発明の無機偏光板300は、矩形状の誘電体層304及び吸収層305からなるグリッド先端部307を有し、かつ、矩形状の反射層13の(最大)幅が矩形状のグリッド先端部307の(最大)幅よりも小さいものとされている点において、本件補正後発明と同様の構成を有するものである。 そうしてみると、吸収軸反射率の波長分散をより正確に制御できる偏光板を提供する、透過軸透過率Tpが高められ、液晶プロジェクタの投影明るさが向上した偏光板を提供するなど、本件出願の出願当初の明細書の【0022】、【0077】、【0078】に記載された物に係る本件補正後発明の偏光板についての効果、あるいは請求人が主張する本件補正後発明の偏光板についての効果は、同様な構成の引用発明の無機偏光板300も具備する効果である。 オ 小括り 本件補正後発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献3,4等に記載された本件出願の出願前に周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 3 補正却下の決定のむすび 本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記「第2 平成30年12月11日付けの手続補正書による手続補正についての補正却下の決定」[結論]のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 以上のとおり、本件補正は却下されたので、本件出願の請求項1に係る発明は、前記第2[理由]1(1)に記載のとおりのものである(以下、「本願発明」という。)。 2 原査定の拒絶の理由 本願発明の原査定の拒絶の理由は、本願発明は、本件出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献に記載された発明に基づいて、本件出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特許第6230689号公報 引用文献2:特開2012-181420号公報 引用文献3:特開2005-37900号公報 引用文献4:特表2010-530994号公報 (当合議体注:引用文献1は、主引用例である。引用文献3,4は、ワイヤグリッド構造の偏光板において、反射防止特性の向上のために、反射層上に、誘電体層と、吸収層と、誘電体層とをこの順で積層することが、本件出願の出願前に周知の技術であることを示すための文献である。引用文献2は、本願発明の効果が予測可能であること、格別顕著なものでないことを示すための文献である。) 3 引用文献及び引用発明 引用文献1の記載及び引用発明は、前記「第2」[理由]2(2)イ(ア)及び(イ)に記載したとおりである。 4 対比及び判断 本願発明は、前記第2[理由]2(2)で検討した本件補正後発明から、「格子状凸部」について、「前記透明基板側から順に、反射層と、誘電体層と、吸収層と、誘電体層と、を有し」とあるのを、「前記透明基板側から順に」、「反射層から構成される矩形状のグリッド脚部と」、「第1誘電体層と、吸収層と、第2誘電体層と、を前記透明基板側からこの順に有する矩形状のグリッド先端部と、を有し」との発明特定事項を削除し、「前記透明基板側から順に、反射層と、誘電体層と、吸収層と、誘電体層と、を有し」との発明特定事項を具備するものとするとともに、「反射層の最大幅」について、「前記吸収軸反射率が極小となる波長域を前記所望の波長域内とするように形成される」との発明特定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を限定した本件補正後発明が、前記「第2」[理由]2(2)に記載したとおり、引用文献1に記載された発明及び本件出願前に周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、前記「第2」[理由]2(2)に記載した理由と同じ理由により、引用発明及び本件出願前に周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2018-016543

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決122件(デクセリアルズ株式会社)
  • 2024-014510拒絶査定不服審判 / 2026-01-20 / 原査定取消(特許/登録すべき)排水処理剤、及び排水処理剤の製造方法
    同じ当事者: デクセリアルズ株式会社
  • 2024-014511拒絶査定不服審判 / 2026-01-20 / 原査定取消(特許/登録すべき)排水処理剤、及び排水処理剤の製造方法
    同じ当事者: デクセリアルズ株式会社
  • 2024-018939拒絶査定不服審判 / 2025-12-09 / 原査定取消(特許/登録すべき)接続構造体の製造方法、及び接続構造体、並びにフィルム構造体、及びフィルム構造体の…
    同じ当事者: デクセリアルズ株式会社
  • 2024-010175拒絶査定不服審判 / 2025-11-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)異方性導電フィルム
    同じ当事者: デクセリアルズ株式会社
  • 2024-002174拒絶査定不服審判 / 2025-10-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)接着剤組成物
    同じ当事者: デクセリアルズ株式会社
検索でもっと見る →
同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2024-013045拒絶査定不服審判 / 2025-12-05 / 請求不成立ヘッドアップディスプレイ装置およびその製造方法
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-001238拒絶査定不服審判 / 2025-06-02 / 請求不成立光ファイバ
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2023-021342拒絶査定不服審判 / 2025-01-31 / 請求不成立プラスチック波長シフトファイバおよびその作製方法
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2023-012098拒絶査定不服審判 / 2024-07-01 / 請求不成立レンズのためのレンズ本体、レンズのための外部筐体、レンズ系及びレンズ組立体
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2023-005961拒絶査定不服審判 / 2024-05-20 / 請求不成立光学フィルタ装置を備える内視鏡およびその使用
    共通の条文: 特許法29条2項
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,821件(121・G02B、575・G02B)
  • 2025-018214拒絶査定不服審判 / 2026-07-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)ポリエステルフィルム、および該ポリエステルフィルムを含む偏光板
    共通の審決分類: 121・G02B、575・G02B
  • 2024-018722拒絶査定不服審判 / 2026-03-31 / 請求不成立ウェアラブル視覚化デバイスシステムおよび方法
    共通の審決分類: 121・G02B、575・G02B
  • 2024-013494拒絶査定不服審判 / 2026-02-06 / 請求不成立画像表示用導光板
    共通の審決分類: 121・G02B、575・G02B
  • 2024-014184拒絶査定不服審判 / 2026-01-26 / 請求不成立光電気モジュール
    共通の審決分類: 121・G02B、575・G02B
  • 2024-008662拒絶査定不服審判 / 2026-01-09 / 請求不成立検出器システムのための機能化された導波路
    共通の審決分類: 121・G02B、575・G02B

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存