特許異議申立
2017-700621
身体状態の評価方法、情報の提示方法、および身体状態を改善又は予防する物質のスクリーニング方法
- 審判番号
- 2017-700621
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2016-100475外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年06月20日
- 審決日
- 2018年09月06日
- 公報発行日
- 2019年02月22日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】TAK-Circulator株式会社
- 【権利者代理人】正林 真之
- 【権利者代理人】渡辺 仁
- 【権利者代理人】新山 雄一
- 【権利者】国立大学法人 東京大学
- 【権利者代理人】正林 真之
- 【権利者代理人】渡辺 仁
- 【権利者代理人】新山 雄一
- 【異議申立人】内藤 順子
- 【異議申立人】小園 祐子
- 分類
- P1651.536-ZDA(C12Q) / P1651.537-ZDA(C12Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条4項1号特許法36条6項1号特許法113条4号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第4項、特許法第36条第4項第1号、特許法第29条第1項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項第1号、特許法第41条、特許法第120条の5第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6046849号発明「身体状態の評価方法、情報の提示方法、および身体状態を改善又は予防する物質のスクリーニング方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6046849号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1、3、5、6、8、9、11~27]について訂正することを認める。
特許第6046849号の請求項1、3、5、6、8、9、16に係る特許を取り消す。
同請求項2、4、7、10、17ないし27に係る特許を維持する。
同請求項11ないし15に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6046849号の請求項1~16に係る特許についての出願は、平成27年7月21日の出願(特願2015-143583号)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「優先権書類」という。)に記載された発明に基づき、特許法第41条の規定による優先権を主張して平成28年5月19日に出願し、平成28年11月25日付けでその特許権の設定登録がされ、同年12月21日に特許公報が発行され、その後、平成29年6月20日に特許異議申立人内藤順子(以下、申立人1という)より請求項1~16に対して特許異議の申立てがされ、平成29年6月21日に特許異議申立人小園祐子(以下、申立人2という)より請求項1~16に対して特許異議の申立てがされ、平成29年11月27日付け(起案日)で取消理由が通知され、平成30年1月30日付けで特許権者より意見書の提出及び訂正請求がされ、平成30年3月30日付け(起案日)で取消理由通知(決定の予告)がされ、平成30年6月4日付けで特許権者より意見書の提出及び訂正請求がされ、平成30年8月9日に申立人1、2から意見書が提出されたものである。
第2 訂正の適否
平成30年6月4日付けで2回目の訂正の請求があったことから、先にした平成30年1月30日付けの訂正の請求は特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなされ、平成30年6月4日付けの訂正の請求(以下、本件訂正請求という)を審理の対象とする。
1.訂正の内容
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「、又は毛髪、歯、尿、骨、内臓、血液、尿、もしくは神経に関する状態である」とあるのを削除する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「肌年齢、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である肌の状態」とあるのを、「肌年齢、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である肌の状態であり、前記身体状態が、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である場合、(i)前記存在割合又は前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差である、又は(ii)前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である」に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5に「請求項1又は2」とあるのを「請求項1」に、「請求項3又は4」とあるのを「請求項3」に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6に「、又は毛髪、歯、尿、骨、内蔵、血液、尿、もしくは神経に関する状態である」とあるのを削除する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項6に「肌年齢、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である肌の状態」とあるのを、「肌年齢、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である肌の状態であり、前記身体状態が、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である場合、(i)前記存在割合又は前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差である、又は(ii)前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である」に訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項9に「前記存在割合の比または差」とあるのを「Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差」に訂正する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項11~15を削除する。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項16に「請求項1から115いずれか記載の方法」とあるのを、「請求項1から10いずれか記載の方法」に訂正する。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項17を「前記成分を摂取した後の被験者の身体状態を請求項2記載の方法により再度評価する工程と、前記再度評価した身体状態の改善の程度に基づき、前記情報をアップデートする工程と、をさらに有する請求項4記載の方法。」とする。
(10)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項18を「被験者の身体状態を評価する方法であって、前記身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータについて、被験者の皮膚表面から採取した皮膚微生物叢の値を決定し、前記相関性基準と対比する工程を有し、前記身体状態は、毛髪、歯、尿、骨、内臓、血液、もしくは神経に関する状態であり、(i)前記存在割合又は前記パラメータは、Proteobactera門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差である、又は(ii)前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である、方法。」とする。
(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項19を「被験者に情報を提示する方法であって、請求項18記載の方法により、被験者の身体状態を評価する工程と、前記身体状態が目標状態にないと評価された場合、前記身体状態が目標状態にあるときに前記相関性基準に基づいて前記存在割合又は前記パラメータが示す数値範囲の方に、前記存在割合又は前記パラメータの値を誘導可能な成分としてデータベースに登録されている情報を提示する工程と、を有する方法。」とする。
(12)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項20を「前記成分を摂取した後の被験者の身体状態を請求項18記載の方法により再度評価する工程と、前記再度評価した身体状態の改善の程度に基づき、前記情報をアップデートする工程と、をさらに有する請求項19記載の方法。」とする。
(13)訂正事項13
特許請求の範囲の請求項21を「身体状態を改善又は予防する物質をスクリーニングする方法であって、前記身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータの値に関する、候補物質による変化に基づいて、前記候補物質を選抜する工程を有し、前記身体状態は、毛髪、歯、尿、骨、内臓、血液、もしくは神経に関する状態であり、(i)前記存在割合又は前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差である、又は(ii)前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である、方法。」とする。
(14)訂正事項14
特許請求の範囲の請求項22を「前記存在割合は、Actinobacteria門に属する細菌、Proteobacteria門に属する細菌およびFirmicutes門に属する細菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の細菌の存在割合である請求項18から21いずれか記載の方法。」とする。
(15)訂正事項15
特許請求の範囲の請求項23を「前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差、および皮膚常在微生物の多様性指数からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項18から21いずれか記載の方法。」とする。
(16)訂正事項16
特許請求の範囲の請求項24を「前記身体状態は、薄毛および脱毛の少なくとも1種である請求項18、19又は21記載の方法。」とする。
(17)訂正事項17
特許請求の範囲の請求項25を「前記身体状態は、歯周病および歯槽膿漏の少なくとも1種である請求項18、19又は21記載の方法。」とする。
(18)訂正事項18
特許請求の範囲の請求項26を「前記身体状態は、閉経である請求項18、19又は21記載の方法。」とする。
(19)訂正事項19
特許請求の範囲の請求項27を「肝機能、高尿酸、膝の痛み、骨粗霧症、自律神経失調症、肌の黄ばみ、および糖尿病の少なくとも1種である請求項18、19又は21記載の方法。」とする。
2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、一群の請求項及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項3、5、8、9、11~16は、請求項1の記載を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1及び2により訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。また、訂正後の請求項17は訂正前の請求項5が引用する請求項を限定し新たな請求項とするものである。また、訂正後の請求項18は訂正前の請求項1における身体状態の選択肢の一部を新たに独立請求項にするものであり、訂正後の請求項19、20、22~27は、請求項18の記載を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項10により訂正される請求項18に連動して訂正されるものである。よって、訂正後の請求項1、3、5、8、9、11~20、22~27は、特許法第120条の5第4項に規定する関係を有する一群の請求項である。
訂正前の請求項8、9、11~16は、請求項6の記載を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項4及び5により訂正される請求項6に連動して訂正されるものである。また、訂正後の請求項21は訂正前の請求項6における身体状態の選択肢の一部を新たに独立請求項にするものであり、訂正後の請求項22~27は、請求項21の記載を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1 3により訂正される請求項21に連動して訂正されるものである。よって、訂正後の請求項6、8、9、11~16、21~27は、特許法第120条の5第4項に規定する関係を有する一群の請求項である。
そして、上記の各「一群の請求項」は訂正後の請求項8、9、11~16、22~27において共通の範囲を有するから、全体として訂正後の請求項1、3、5、6、8、9、11~27は特許法第120条の5第4項に規定する関係を有する一群の請求項である。
(2)訂正要件について
(ア)訂正事項1
上記訂正事項1は、訂正前の請求項1における被験者の身体状態の選択肢の一部を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
上記訂正事項1は選択肢の一部を削除するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、上記訂正事項1は選択肢の一部を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(イ)訂正事項2
上記訂正事項2は、訂正前の請求項1における身体状態を限定し、かつ、存在割合、パラメータ、相関性基準を限定するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。
また、上記訂正事項2は発明特定事項を限定するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、「身体状態が、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である場合、(i)前記存在割合又は前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差」は、「例えば、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差が挙げられる」(明細書の段落0037)、「P-F 量は年齢と相関した変化を示さないので、年齢効果を除く処理は行っていない。」(明細書の段落0058)等の記載から、P-F量の相関性基準では、(ii)に規定する「実年齢による影響の排除」が必須でないことが自明なことに基づく。また、「(ii)前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である」は、「相関性基準は、身体状態と相関することが既知の事象の少なくとも1つによる影響の排除後におけるものであることが好ましい」(明細書の段落0040)等の記載に基づく。したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(ウ)訂正事項3
上記訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項5が引用する請求項を限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
上記訂正事項3は、引用請求項の一部を削除するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、上記訂正事項3は引用請求項の一部を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(エ)訂正事項4
上記訂正事項4は、訂正前の請求項6における被験者の身体状態の選択肢の一部を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
上記訂正事項4は選択肢の一部を削除するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、上記訂正事項4は選択肢の一部を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかである。
(オ)訂正事項5
上記訂正事項5は、訂正前の請求項6における身体状態を限定し、かつ、存在割合、パラメータ、相関性基準を限定するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。
また、上記訂正事項5は発明特定事項を限定するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、「身体状態が、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である場合、(i)前記存在割合又は前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差」は、「例えば、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差が挙げられる」(明細書の段落0037)、「P-F 量は年齢と相関した変化を示さないので、年齢効果を除く処理は行っていない。」(明細書の段落0058)等の記載から、P-F量の相関性基準では、(ii)に規定する「実年齢による影響の排除」が必須でないことが自明なことに基づく。また、「(ii)前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である」は、「相関性基準は、身体状態と相関することが既知の事象の少なくとも1つによる影響の排除後におけるものであることが好ましい」(明細書の段落0040)等の記載に基づく。したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(カ)訂正事項6
上記訂正事項6は、訂正前の請求項9における「前記存在割合の比または差」なる発明特定事項を限定するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。
また、上記訂正事項6は発明特定事項を限定するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、「Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差」は、「パラメータは、皮膚常在微生物の存在割合に基づく限りにおいて特に限定されず、複数の皮膚常在微生物の存在割合の差、和、積、比またはそれらの組合せであってよく、中でも比、差またはその組み合わせであってよい。例えば、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差が挙げられる。」(明細書の段落0037)等の記載に基づく。したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(キ)訂正事項7
上記訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
上記訂正事項7は、請求項を削除するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、上記訂正事項7は請求項を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかである。
(ク)訂正事項8
訂正事項8は、請求項16における引用請求項を限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項8は、引用請求項の一部を削除するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、上記訂正事項8は、引用請求項の一部を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(ケ)訂正事項9
上記訂正事項9は、特許請求の範囲の請求項4が引用する請求項を限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
上記訂正事項9は、引用請求項の一部を削除するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、上記訂正事項9は引用請求項の一部を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかである。
(コ)訂正事項10
上記訂正事項10は、訂正前の請求項1における被験者の身体状態の選択肢「毛髪、歯、尿、骨、内臓、血液、尿、もしくは神経に関する状態」において、尿の記載が重複していたことから、その重複した記載を排除するものであるから、当該訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書き第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。また、訂正前の請求項1における身体状態を限定し、かつ、存在割合、パラメータ、相関性基準を限定するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。
また、上記訂正事項10は特許請求の範囲の重複した記載を削除し、また発明特定事項を限定するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、上記訂正事項10は特許請求の範囲の重複した記載を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかである。
「身体状態が、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である場合、(i)前記存在割合又は前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差」は、「例えば、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差が挙げられる」(明細書の段落0037)、「P-F 量は年齢と相関した変化を示さないので、年齢効果を除く処理は行っていない。」(明細書の段落0058)等の記載から、P-F量の相関性基準では、(ii)に規定する「実年齢による影響の排除」が必須でないことが自明なことに基づく。
また、「(ii)前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である」は、「相関性基準は、身体状態と相関することが既知の事象の少なくとも1つによる影響の排除後におけるものであることが好ましい」(明細書の段落0040)等の記載に基づく。
したがって、訂正事項10は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(サ)訂正事項11
上記訂正事項11は、訂正前の請求項3が引用する請求項1に含まれる選択的な発明のうち、「毛髪、歯、尿、骨、内蔵、血液、尿、もしくは神経に関する状態」を選択しさらに限定を行った請求項18、を引用する形式としたものなので、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項11は、訂正前の請求項3が引用する請求項1を請求項18へと限定するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、上記訂正事項11は、訂正前の請求項3が引用する請求項1を請求項18へと限定するものであり、訂正事項10について説明した通り、訂正前の請求項1を請求項18へと限定する訂正が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正である以上、上記訂正事項11も願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正である。したがって、訂正事項11は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(シ)訂正事項12
上記訂正事項12は、訂正前の請求項5が引用する請求項1に含まれる選択的な発明のうち、「毛髪、歯、尿、骨、内蔵、血液、尿、もしくは神経に関する状態」を選択しさらに限定を行った請求項18、を引用する形式としたものなので、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項12は、訂正前の請求項5が引用する請求項1を請求項18へと限定するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、上記訂正事項12は、訂正前の請求項5が引用する請求項1を請求項18へと限定するものであり、訂正事項10について説明した通り、訂正前の請求項1を請求項18へと限定する訂正が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正である以上、上記訂正事項12も願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正である。したがって、訂正事項12は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(ス)訂正事項13
上記訂正事項13は、訂正前の請求項6における被験者の身体状態の選択肢「毛髪、歯、尿、骨、内臓、血液、尿、もしくは神経に関する状態」において、尿の記載が重複していたことから、その重複した記載を排除するものであるから、当該訂正事項13は、特許法第120条の5第2項ただし書き第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。また、訂正前の請求項6における身体状態を限定し、かつ、存在割合、パラメータ、相関性基準を限定するものなので、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。
また、上記訂正事項13は特許請求の範囲の重複した記載を削除し、また発明特定事項を限定するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、上記訂正事項13は特許請求の範囲の重複した記載を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかである。
「身体状態が、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である場合、(i)前記存在割合又は前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差」は、「例えば、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差が挙げられる」(明細書の段落0037)、「P-F 量は年齢と相関した変化を示さないので、年齢効果を除く処理は行っていない。」(明細書の段落0058)等の記載から、P-F量の相関性基準では、(ii)に規定する「実年齢による影響の排除」が必須でないことが自明なことに基づく。
また、「(ii)前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である」は、「本目関性基準は、身体状態と相関することが既知の事象の少なくとも1つによる影響の排除後におけるものであることが好ましい」(明細書の段落0040)等の記載に基づく。
したがって、訂正事項13は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(セ)訂正事項14
上記訂正事項14は、訂正前の請求項8が引用する請求項を、「請求項1~7」とあったのを「請求項18~21」と減少させた請求項としたものなので、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項14は、訂正前の請求項8が引用する請求項を減少させたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、上記訂正事項14は、訂正前の請求項8が引用する請求項を減少させたものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(ソ)訂正事項15
上記訂正事項15は、訂正前の請求項9が引用する請求項を、「請求項1~7」とあったのを「請求項18~21」と減少させた請求項とし、加えて、「前記存在割合の比または差」なる発明特定事項を限定したものなので、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。
また、上記訂正事項15は、訂正前の請求項9が引用する請求項を減少させ、加えて発明特定事項を限定したものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、上記訂正事項15は、訂正前の請求項9が引用する請求項を減少させたものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、「Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差」は、「パラメータは、皮膚常在微生物の存在割合に基づく限りにおいて特に限定されず、複数の皮膚常在微生物の存在割合の差、和、積、比またはそれらの組合せであってよく、中でも比、差またはその組み合わせであってよい。例えば、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差が挙げられる。」(明細書の段落0037)等の記載に基づく。
したがって、上記訂正事項15は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(タ)訂正事項16
上記訂正事項16は、訂正前の請求項11が引用する発明が、「請求項1、3又は6」から「請求項18、19又は21」で規定されることになったことに伴い、引用する請求項の番号を改めたものである。訂正事項10、11、13で説明した通り、訂正後の請求項18、19又は21が訂正前の請求項1、3又は6から減縮されている以上、上記訂正事項16が特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とすることは明らかである。
また、訂正事項10、11、13で説明した通り、訂正後の請求項18、19又は21が訂正前の請求項1、3又は6から実質的に拡張し、または変更するものでない以上、上記訂正事項16が特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、訂正事項10、11、13で説明した通り、訂正後の請求項18、19又は21が願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内である以上、上記訂正事項16が願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(チ)訂正事項17
上記訂正事項17は、訂正前の請求項12が引用する発明が、「請求項1、3又は6」から「請求項18、19又は21」で規定されることになったことに伴い、引用する請求項の番号を改めたものである。訂正事項10、11、13で説明した通り、訂正後の請求項18、19又は21が訂正前の請求項1、3又は6から減縮されている以上、上記訂正17が特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とすることは明らかである。
また、訂正事項10、11、13で説明した通り、訂正後の請求項18、19又は21が訂正前の請求項1、3又は6から実質的に拡張し、または変更するものでない以上、上記訂正事項17が特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、訂正事項10、11、13で説明した通り、訂正後の請求項18、19又は21が願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内である以上、上記訂正事項17が願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第12条第5項に適合するものである。
(ツ)訂正事項18
上記訂正事項18は、訂正前の請求項13が引用する発明が、「請求項1、3又は6」から「請求項18、19又は21」で規定されることになったことに伴い、引用する請求項の番号を改めたものである。訂正事項10、11、13で説明した通り、訂正後の請求項18、1 又は21が訂正前の請求項1、3又は6から減縮されている以上、上記訂正事項18が特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とすることは明らかである。
また、訂正事項10、11、13で説明した通り、訂正後の請求項18、19又は21が訂正前の請求項1、3又は6から実質的に拡張し、または変更するものでない以上、上記訂正事項18が特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに訂正事項10、11、13で説明した通り、訂正後の請求項18、19又は21が願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内である以上、上記訂正事項18が願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
(テ)訂正事項19
上記訂正事項19は、訂正前の請求項14が引用する発明が、「請求項1、3又は6」から「請求項18、19又は21」で規定されることになったことに伴い、引用する請求項の番号を改めたものである。訂正事項10、11、13で説明した通り、訂正後の請求項18、19又は21が訂正前の請求項1、3又は6から減縮されている以上、上記訂正事項19が特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とすることは明らかである。
また、訂正事項10、11、13で説明した通り、訂正後の請求項18、19又は21が訂正前の請求項1、3又は6から実質的に拡張し、または変更するものでない以上、上記訂正事項19が特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。
さらに、訂正事項10、11、13で説明した通り、訂正後の請求項18、19又は21が願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内である以上、上記訂正事項19が願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であることも明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
3.小括
したがって、本件訂正請求による訂正事項1~19は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項[1、3、5、6、8、9、11~27]について訂正を認める。
第3 本件発明
上記訂正請求により訂正された訂正請求項1~27に係る発明(以下「本
件発明1」~「本件発明27」という。)は、平成30年6月4日付け訂正請求書に添付した特許請求の範囲の請求項1~27に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
被験者の身体状態を評価する方法であって、
前記身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータについて、被験者の皮膚表面から採取した皮膚微生物叢の値を決定し、前記相関性基準と対比する工程を有し、
前記身体状態は、肌年齢、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である肌の状態であり、
前記身体状態が、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である場合、
(i)前記存在割合又は前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差である、又は
(ii)前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である
方法。
【請求項2】
被験者の身体状態を評価する方法であって、
前記身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータについて、被験者の皮膚表面から採取した皮膚微生物叢の値を決定し、前記相関性基準と対比する工程を有し、
前記身体状態は、ニキビ肌であり、
前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である方法。
【請求項3】
被験者に情報を提示する方法であって、
請求項1記載の方法により、被験者の身体状態を評価する工程と、
前記身体状態が目標状態にないと評価された場合、前記身体状態が目標状態にあるときに前記相関性基準に基づいて前記存在割合又は前記パラメータが示す数値範囲の方に、前記存在割合又は前記パラメータの値を誘導可能な成分としてデータペースに登録されている情報を提示する工程と、を有する方法。
【請求項4】
被験者に情報を提示する方法であって、
請求項2記載の方法により、被験者の身体状態を評価する工程と、
前記身体状態が目標状態にないと評価された場合、前記身体状態が目標状態にあるときに前記相関性基準に基づいて前記存在割合又は前記パラメータが示す数値範囲の方に、前記存在割合又は前記パラメータの値を誘導可能な成分としてデータペースに登録されている情報を提示する工程と、を有する方法。
【請求項5】
前記成分を摂取した後の被験者の身体状態を請求項1記載の方法により再度評価する工程と、
前記再度評価した身体状態の改善の程度に基づき、前記情報をアップデートする工程と、をさらに有する請求項3記載の方法。
【請求項6】
身体状態を改善又は予防する物質をスクリーニングする方法であって、
前記身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータの値に関する、候補物質による変化に基づいて、前記候補物質を選抜する工程を有し、
前記身体状態は、肌年齢、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である肌の状態であり、
前記身体状態が、脂性肌、肌のしみ、くすみ、たるみ、しわ、はりの状態、毛穴の状態の少なくとも1種である場合、
(i)前記存在割合又は前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差である、又は
(ii)前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である、方法。
【請求項7】
身体状態を改善又は予防する物質をスクリーニングする方法であって、
前記身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータの値に関する、候補物質による変化に基づいて、前記候補物質を選抜する工程を有し、
前記身体状態は、ニキビ肌であり、
前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である方法。
【請求項8】
前記存在割合は、Actinobacteria門に属する細菌、Proteobacteria門に属する細菌およびFirmicutes門に属する細菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の細菌の存在割合である請求項1から7いずれか記載の方法。
【請求項9】
前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差、および皮膚常在微生物の多榛吐指数からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1から7いずれか記載の方法。
【請求項10】
前記存在割合はP.acnes菌の相対量であり、前記パラメータはProteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差である請求項2、4又は7記載の方法。
【請求項11】
(削除)
【請求項12】
(削除)
【請求項13】
(削除)
【請求項14】
(削除)
【請求項15】
(削除)
【請求項16】
前記相関性基準は、母集団の年齢、性別、居住地域、国籍および人種からなる群より選ばれる少なくとも1種で分類した準母集団に関して作成されたものである請求項1から10いずれか記載の方法。
【請求項17】
前記成分を摂取した後の被験者の身体状態を請求項2記載の方法により再度評価する工程と、
前記再度評価した身体状態の改善の程度に基づき、前記情報をアップデートする工程と、をさらに有する請求項4記載の方法。
【請求項18】
被験者の身体状態を評価する方法であって、
前記身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータについて、被験者の皮膚表面から採取した皮膚微生物叢の値を決定し、前記相関性基準と対比する工程を有し、
前記身体状態は、
毛髪、歯、尿、骨、内臓、血液、宜しくは神経に関する状態であり、
(i)前記存在割合又は前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差である、又は
(ii)前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である、
方法。
【請求項19】
被験者に情報を提示する方法であって、
請求項18記載の方法により、被験者の身体状態を評価する工程と、
前記身体状態が目標状態にないと評価された場合、前記身体状態が目標状態にあるときに前記相関性基準に基づいて前記存在割合又は前記パラメータが示す数値範囲の方に、前記存在割合又は前記パラメータの値を誘導可能な成分としてデータペースに登録されている情報を提示する工程と、を有する方法。
【請求項20】
前記成分を摂取した後の被験者の身体状態を請求項18記載の方法により再度評価する工程と、
前記再度評価した身体状態の改善の程度に基づき、前記情報をアップデートする工程と、をさらに有する請求項19記載の方法。
【請求項21】
身体状態を改善又は予防する物質をスクリーニングする方法であって、
前記身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータの値に関する、候補物質による変化に基づいて、前記候補物質を選抜する工程を有し、
前記身体状態は、毛髪、歯、尿、骨、内臓、血液、もしくは神経に関する状態であり、
(i)前記存在割合又は前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差である、又は
(ii)前記相関性基準は、実年齢による影響の排除後における、前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータとの相関性基準である、
方法。
【請求項22】
前記存在割合は、Actinobacteria門に属する細菌、Proteobacteria門に属する細菌およびFirmicutes門に属する細菌からなる群より選ばれる少なくとも1種の細菌の存在割合である請求項18から21いずれか記載の方法。
【請求項23】
前記パラメータは、Proteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差、および皮膚常在微生物の多様性指数からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項18から21いずれか記載の方法。
【請求項24】
前記身体状態は、薄毛および脱毛の少なくとも1種である請求項18、19又は21記載の方法。
【請求項25】
前記身体状態は、歯周病および歯槽膿漏の少なくとも1種である請求項18、19又は21記載の方法。
【請求項26】
前記身体状態は、閉経である請求項18,19又は21記載の方法。
【請求項27】
肝機能、高尿酸、膝の痛み、骨粗難症、自律神経失調症、肌の黄ばみ、および糖尿病の少なくとも1種である請求項18、19又は21記載の方法。」
第4 異議申立理由の概要
申立人が申し立てた特許異議申立理由の概要及び証拠方法は以下のとおりである。
1.申立人1の申立理由の概要
(1)訂正前の請求項1に係る発明は下記甲第1号証に記載された発明であるから、当該請求項に係る発明の特許は特許法第29条第1項第3号に該当し、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
(2)訂正前の請求項2に係る発明は下記甲第6号証に記載された発明であるから、当該請求項に係る発明の特許は特許法第29条第1項第3号に該当し、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
(3)訂正前の請求項1~10、15~16に係る発明は、下記甲第1号証又は甲第6号証の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、当該各請求項に係る発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
(4)訂正前の請求項1、3、5、8、9、11~16に係る発明は医療行為にあたるから、当該各請求項に係る発明の特許は特許法第29条第1項柱書の産業上利用することができる発明に該当しない発明に対してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
(5)訂正前の請求項1、3、5、8、9、11~16に係る発明は特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、当該各請求項に係る発明の特許は同法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。
(6)訂正前の請求項1、3、5、8、9、11~16に係る発明は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、当該各請求項に係る発明の特許は同法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。
2.申立人1の証拠方法
甲第1号証:日本化粧品技術者会誌(1986)第20巻第3号第167~179頁
甲第2号証:笠明美、「一重項酸素による紫外線皮膚障害の発生機序に関する研究」、2015年3月27日、インターネット<http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gakui/data/h21/217322/217322a.pdf>
甲第3号証:薬学雑誌(2012)第132巻第2号第261-269頁
甲第4号証:特開2015-044872号公報
甲第5号証:丸善株式会社「化粧品事典」(2003)第436~437頁及び第656~657頁
甲第6号証:特表2015-512255号公報
甲第7号証:株式会社秀和システム「世界一やさしくわかる医療統計」(2011)第146~151頁
甲第8号証:株式会社診断と治療社「医療系のためのやさしい統計学入門」(2009)第70~87頁
甲第9号証:FRAGRANCE JOURNAL(2012)2012-8、第41-46頁
甲第10号証:FRAGRANCE JOURNAL(2007)2007-5、第70-74頁
甲第11号証:不服2014-10043号審決文
3.申立人2の申立理由の概要
(1)特許法第29条第1項第3号及び特許法第29条第2項に関する申立て
本件特許は国内優先権主張の効果を享受できないものである。そして、下記(ア)~(イ)のとおり、訂正前の各請求項に係る発明は、下記証拠に記載された発明であるか又は下記証拠の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、当該各請求項に係る発明の特許は特許法第29条第1項第3号に該当する発明になされ、また特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
(ア) 請求項1、3、5、8、9/甲第1号証
(イ) 請求項1、8、9/甲第2号証
(2)特許法第29条第2項に関する申立て
下記(ア)~(ウ)のとおり、訂正前の各請求項に係る発明は、下記証拠の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、当該各請求項に係る発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
(ア) 請求項2、4、6、7、10、11、15及び16/甲第1、3、9、10号証
(イ) 請求項2、4、11、15、16/甲第2、3、9、10号証
(ウ) 請求項1~11、15、16/甲第4、3、5~14号証
(3)特許法第36条第4項第1号、及び、特許法第36条第6項第1号に関する申立て
本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載には不備があり、訂正前の請求項1~16に係る発明について当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものではないから、本件特許明細書は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
また、訂正前の請求項1~16に係る発明は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
よって、当該各請求項に係る発明の特許は、特許法第36条第4項第1号及び同法同条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。
4.申立人2の証拠方法
甲第1号証(A):株式会社ワールドフュージョン、「肌フローラ:常在菌で美肌チェック」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/>
甲第1号証(B):株式会社ワールドフュージョン、「肌フローラ:常在菌で美肌チェック|肌チェック利用流れ」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-9>
甲第1号証(C):株式会社ワールドフュージョン、「肌フローラ:常在菌で美肌チェック|検査結果からわかること」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-12>
甲第1号証(D):株式会社ワールドフュージョン、「常在菌で美肌チェック|肌フローラからのお勧めコスメ」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-6>
甲第1号証(E):株式会社ワールドフュージョン、「皮膚菌叢解析」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-1>
甲第1号証(F):株式会社ワールドフュージョン、「皮膚菌叢解析」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-4>
甲第1号証(G):株式会社ワールドフュージョン、「肌フローラ:常在菌で美肌チェック|ニュース」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-3>
甲第1号証(H):株式会社ワールドフュージョン、「肌フローラ:常在菌で美肌チェック|見積から納品まで」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-8>
甲第1号証(I):株式会社ワールドフュージョン、「皮膚菌叢解析」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/260526>
甲第2号証(A):株式会社ワールドフュージョン、「日本人皮膚菌叢解析と皮膚状態との関連性」プレゼンテーション資料
甲第2号証(B):株式会社ワールドフュージョン、「日本人皮膚菌叢解析と皮膚状態との関連性」プレゼンテーション資料についての証明書
甲第3号証、SCIENTIFIC REPORTS、2015年7月16日、5:11845 DOI:10.1038/srep11845及び訳文
甲第4号証(A):東京イセアクリニック/医療法人社団十二会、「【世界初】皮膚常在菌検診「美肌菌ドック」開始」、2015年5月18日、インターネット<URL:https://prtimes.jp/a/?c=4342&r=51&f=d4342-20150518-5261.pdf>
甲第4号証(B):「【世界初】皮膚常在菌検診「美肌菌ドック」開始」URLの説明
甲第5号証:「乳酸菌生産物質の機能性と基礎化粧品への応用」、FRAGRANCE JOURNAL(2014年5月)2014年5月号、第28-34頁
甲第6号証:日本薬学会年会要旨集1997年(1997)、第117巻第3号第185頁
甲第7号証:「“自分の皮膚常在菌”を活用した新規スキンケア法の開発」FRAGRANCE JOURNAL (2013)2013年12月号、第14-20頁
甲第8号証:丸善株式会社「化粧品事典」(2003)第436~437頁
甲第9号証:Plos ONE 、2012年、vol.7、 issue 2、e32847、doi:10.1371/iournal.pone.0032847及び訳文
甲第10号証:丸善株式会社「化粧品事典」(2003)第722~725頁
甲第11号証:丸善株式会社「化粧品事典」(2003)第628~631頁
甲第12号証:国際公開第2014/126044号
甲第13号証:特表2015-520176号公報
甲第14号証:J. Soc. Cosmet. Chem. Japan. 1986、vol. 20、 No. 3、第167頁-179頁
甲第15号証:株式会社ワールドフュージョンによる証明書
甲第16号証:ドメインNavi
甲第17号証:「「S-KINお肌バランスチェック」自宅で簡単!肌の常在菌で健康チェック正式発売開始、1月29日Makuakeから特別価格で期間限定で購入可能」、2017年6月8日、インターネット<URL:http://www.dreamnews. jp/press/0000126169/>
甲第18号証(A):「第12回ClassAデータ解析セミナー」における頒布資料
甲第18号証(B):株式会社ワールドフュージョンによる「第12回ClassAデータ解析セミナー」についての証明書
甲第18号証(C):「第12回ClassAデータ解析セミナー」参加者受付名簿
第5 当審の判断
1.取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について
(1)取消理由(決定の予告)の概要
当審において平成30年3月30日付けで通知した取消理由(決定の予告)の概要は次のとおりである。
ア 請求項1~16に係る特許は、その特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、また、その発明の詳細な説明の記載が同法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるから、取り消されるべきものである。
イ 本件発明1、8、9は引用文献等1に記載された発明と区別がつかないか、引用文献等1に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるから、請求項1、8、9に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号に該当する発明に対してなされたものであるか、又は、同法第29条第1項の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべきものである。
ウ 本件発明2~5、10、15~16は、引用文献等1に記載された発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるから、請求項2~5、10、15~16に係る発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべきものである。
エ 本件発明1、8、9は、その出願前日本国内において公然知られた発明であるか、その発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものであり、また、本件発明1、8、9は、引用文献等2に記載された発明と区別がつかないか、引用文献等2に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるから、請求項1、8、9に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第1号又は同法同条第1項第3号に該当する発明に対してなされたものであるか、又は、同法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべきものである。
オ 本件発明1~5、8~10、15~16は、引用文献3~9に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるから、請求項1~5、8~10、15~16に係る発明の特許は特許法第29条第2項の規定に反してなされたものであり、取り消されるべきものである。
カ 本件発明2、4、5、8~10、16は、引用文献4~9に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるから、請求項2、4、5、8~10、16に係る発明の特許は特許法第29条第2項の規定に反してなされたものであり、取り消されるべきものである。
<引用文献等一覧>
1(A).株式会社ワールドフュージョン、「肌フローラ:常在菌で美肌チェック」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/>(異議2の甲第1号証のA)
1(B).株式会社ワールドフュージョン、「肌フローラ:常在菌で美肌チェック|肌チェック利用流れ」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-9>(異議2の甲第1号証のB)
1(C).株式会社ワールドフュージョン、「肌フローラ:常在菌で美肌チェック|検査結果からわかること」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-12>(異議2の甲第1号証のC)
1(D).株式会社ワールドフュージョン、「常在菌で美肌チェック|肌フローラからのお勧めコスメ」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-6>(異議2の甲第1号証のD)
1(E).株式会社ワールドフュージョン、「皮膚菌叢解析」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-1>(異議2の甲第1号証のE)
1(F).株式会社ワールドフュージョン、「皮膚菌叢解析」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-4>(異議2の甲第1号証のF)
1(G).株式会社ワールドフュージョン、「肌フローラ:常在菌で美肌チェック|ニュース」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-3>(異議2の甲第1号証のG)
1(H).株式会社ワールドフュージョン、「肌フローラ:常在菌で美肌チェック|見積から納品まで」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/blank-8>(異議2の甲第1号証のH)
1(I).株式会社ワールドフュージョン、「皮膚菌叢解析」、2015年12月1日、インターネット<URL:https://www.s-kin.jp/260526>(異議2の甲第1号証のI)
2.株式会社ワールドフュージョン、「日本人皮膚菌叢解析と皮膚状態との関連性」プレゼンテーション資料(異議2の甲第2号証のA)
3.東京イセアクリニック/医療法人社団十二会、「【世界初】皮膚常在菌検診「美肌菌ドック」開始」、2015年5月18日、インターネット<URL:https://prtimes.jp/a/?c=4342&r=51&f=d4342-20150518-5261.pdf>(異議2の甲第4号証のA)
4.特表2015-512255号公報(異議1の甲第6号証)
5.丸善株式会社「化粧品事典」(2003)第628~631頁(異議2の甲第11号証)
6.株式会社診断と治療社「医療系のためのやさしい統計学入門」(2009)第70~87頁(異議1の甲第8号証)
7.Scientific Reports(2015.07.16)5:11845 DOI:10.1038/srep11845(異議2の甲第3号証)
8.笠明美、「一重項酸素による紫外線皮膚障害の発生機序に関する研究」、2015年3月27日、インターネット<http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gakui/data/h21/217322/217322a.pdf>(異議1の甲第2号証)
9.薬学雑誌(2012)第132巻第2号第261-269頁(異議1の甲第3号証)
(2)当審の判断
ア 特許法第36条第6項第1号(サポート要件)、及び同法第36条第4項第1号(実施可能要件)について
(ア) 本件発明1、3、5、6、8、9、16について
本件発明1の解決すべき課題は、発明の詳細な説明【0006】及び特許請求の範囲の記載からみて、「身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータについて、被験者の皮膚表面から採取した皮膚微生物叢の値を決定し、前記相関性基準と対比する工程を有する、客観的な評価が可能であって、洗顔等による肌質の変動に左右され難い肌状態の評価方法を提供すること」であると認められる。
本件発明1の上記課題を解決するためには、「相関性基準」が作成済みであることが必要であり、また、本件特許明細書【0039】に、「相関性基準は、皮膚微生物叢から求めた上記存在割合またはパラメータの値に基づいて、評価すべき身体状態の良好度または重篤度を定性的または定量的に特定可能な基準である。」と記載されていることからみて、当該作成済みの相関性基準が、評価すべき身体状態の良好度または重篤度を定性的または定量的に特定可能であるように発明の詳細な説明に記載されていることが必要である。
この点について、特許権者は平成30年6月4日付け意見書において、P.acnes菌の相対存在量と肌年齢、ニキビの発症・症状の強さ、毛穴の広がりとの関係を示す相関性基準がそれぞれ図10、図11、図12に、P-F量のニキビ、薄毛・脱毛、歯周病・歯槽膿漏との関係を示す相関性基準がそれぞれ図13、図14、図15に、また、細菌の相対存在量と肌のタイプ(乾性、脂性)、そばかす、たるみによる毛穴の目立ち、ニキビ、肌のキメがなめらかでない・均一でない、肌の黄ばみ、肌の乾燥・かさつき、肌の脂っぽさ・てかり、毛穴の広がり・皮脂づまり、肝機能の低下、尿酸値が高い、膝の痛みがある、骨粗しょう症、自律神経失調症、糖尿病、薄毛・脱毛症との関係を示す相関性基準が図16に記載されていることを説明している。
しかしながら、本件発明1における身体状態のうち、肌のしみ、くすみ、しわ、はりの状態については、作成済みの相関性基準に相当する記載を発明の詳細な説明に見出すことができず、これら身体状態の相関性基準について特許権者から具体的な説明はなされなかった。
特許権者はまた、仮に、相関性基準として具体的に記載していない場合であっても、本件特許明細書の記載に基づいて、当業者であれば「相関性基準」及び「相関性基準」における特定の値について容易に設定できるものである旨主張している。
しかしながら、発明の詳細な説明には、「肌のしみ、くすみ、しわ、はりの状態」が、(i)で特定されるようにP-F量に相関を有するか、(ii)で特定されるように実年齢による影響の排除後においても「前記身体状態と前記存在割合又は前記パラメータ」と相関を有することを合理的に推認させる記載は存在しないから、これら身体状態に関する相関性基準を本件特許明細書の記載に基づいて容易に設定できるという主張を採用することはできない。
このように、本件特許の発明の詳細な説明の記載から、請求項1に列挙される全ての身体状態について、本件発明1の課題を解決できることを合理的に理解できない。
したがって、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載された範囲を超えるものである。
また、本件特許の発明の詳細な説明には、「肌のしみ、くすみ、しわ、はりの状態」について、(i)又は(ii)の要件を満たす相関性基準を作成できるように記載がなされていないから、本件特許の発明の詳細な説明は当業者が本件発明1を実施できる程度に明確かつ十分に記載されているとはいえない。
本件発明6の「身体状態を改善又は予防する物質をスクリーニングする方法」についても、「肌のしみ、くすみ、しわ、はりの状態」に対する相関性基準に関して発明の詳細な説明に裏付けがなされていないから、上述したと同様の取消理由が存在する。
また、本件発明3の課題は「身体状態が目標状態にあるときに相関性基準に基づいて示される皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータが示す数値範囲の方に、被験者の値を近づけるための情報の提示方法」の提供であるところ、本件発明3の「目標状態」について、何をもって「目標状態」とするのか、「目標状態」の時に示される具体的な「数値範囲」とはいかなるものか、発明の詳細な説明には何ら具体的な記載はない。また、上記で述べたとおり、全ての身体状態について定性的又は定量的な明確な作成済みの相関性基準が発明の詳細な説明に記載されていないから、作成済みの相関性基準に基づいて「目標状態」を合理的に推認することもできない。
したがって、本件発明3は、発明の詳細な説明に記載された範囲を超えるものであるし、本件特許の発明の詳細な説明は当業者が本件発明3を実施できる程度に明確かつ十分に記載されているとはいえない。
本件発明1、3又は6を引用する本件発明5、8、9、16にも同様の取消理由が存在する。
(イ) 本件発明2、4、7、10、17について
本件発明2は、本件発明1と同じ課題を共有するものと認められる。
そして、本件図11及び【0056】には、29歳以下の若年層において、P.acnes菌の多い(相対量70%以上)グループと少ないグループでニキビ症状の強さに有意な差が認められ、P.acnes量は若年層でニキビの発症、および症状の強化と相関を示したことが開示されている。そして、平成30年6月4日付け意見書における特許権者の主張に基づけば、当該図11の記載こそが、本件発明2のニキビ肌に対する、「実年齢による影響の排除後」の「作成済み」の「相関性基準」に他ならず、本願発明2はそれ以外の相関性基準を想定するものではないと認められる。
そうすると、発明の詳細な説明には本件発明2の課題を解決するための手段が開示されているし、当業者は発明の詳細な説明に基づき本件発明2を実施できるといえる。
本件発明7の「身体状態を改善又は予防する物質をスクリーニングする方法」についても、同様にニキビ肌に関する相関性基準を認定することができるため、同様の判断となる。
また、本件発明4の課題は「身体状態が目標状態にあるときに相関性基準に基づいて示される皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータが示す数値範囲の方に、被験者の値を近づけるための情報の提示方法」の提供であるが、上記で述べたとおり、ニキビ肌に関して定性的又は定量的な明確な作成済みの相関性基準が発明の詳細な説明に記載されているから、かかる作成済みの相関性基準に基づいて「目標状態」を合理的に推認することができる。
したがって、発明の詳細な説明には本件発明4の課題を解決するための手段が開示されているし、当業者は発明の詳細な説明に基づき本件発明4を実施できるといえる。
本件発明2、4又は7を引用する本件発明10、17も同様の判断となる。
(ウ) 本件発明18-27について
本件発明18は、本件発明1と同じ課題を共有するものと認められる。
そして、本件図16には、肝機能の低下、尿酸値が高い、膝の痛みがある、骨粗しょう症、自律神経失調症、糖尿病、薄毛・脱毛症といった身体状態について、相関を示す53の細菌種が、細菌量と実年齢についての相関係数とp値と共に記載されており、かかるデータから、上記身体状態の期待値を算出することができ、その期待値は「実年齢による影響の排除後における」相関性基準に相当するものと認められる。
また、本件図21及び【0065】には、50歳以上54歳以下の群では閉経後の場合により少ないP.acnes量が観察され、その差は統計的に有意なものであったことが示されており、当該図21の記載が閉経に対する「実年齢による影響の排除後における」相関性基準に相当するものと認められる。
また、本件図14、図15には、P-F量と薄毛・脱毛又は歯周病・歯槽膿漏とが相関を示すことが記載されており、当該図14、図15の記載が薄毛・脱毛又は歯周病・歯槽膿漏に対する相関性基準に相当するものと認められる。
そうすると、本件発明18における「毛髪、歯、尿、骨、内臓、血液、宜しくは神経に関する状態」に対する「作成済み」の「相関性基準」は発明の詳細な説明に開示されていると認められるから、発明の詳細な説明には本件発明18の課題を解決するための手段が開示されているし、当業者は発明の詳細な説明に基づき本件発明18を実施できるといえる。
本件発明21の「身体状態を改善又は予防する物質をスクリーニングする方法」についても、同様に各身体状態に関する相関性基準を認定することができるため、同様の判断となる。
また、本件発明19の課題は「身体状態が目標状態にあるときに相関性基準に基づいて示される皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータが示す数値範囲の方に、被験者の値を近づけるための情報の提示方法」の提供であるが、上記で述べたとおり、「毛髪、歯、尿、骨、内臓、血液、宜しくは神経に関する状態」に関して定性的又は定量的な明確な作成済みの相関性基準が発明の詳細な説明に記載されているから、かかる作成済みの相関性基準に基づいて「目標状態」を合理的に推認することができる。
したがって、発明の詳細な説明には本件発明19の課題を解決するための手段が開示されているし、当業者は発明の詳細な説明に基づき本件発明4を実施できるといえる。
本件発明18、19又は21を引用する本件発明20、22-27も同様の判断となる。
(エ)小括
以上のとおり、本件発明1、3、5、6、8、9、16は、発明の詳細な説明に記載された範囲を超えるものであり、また本件特許の発明の詳細な説明は当業者が本件発明1、3、5、6、8、9、16を実施出来る程度に明確かつ十分に記載されているとはいえないから、本件の請求項1、3、5、6、8、9、16に係る発明の特許は、特許法第36条第6項第1号及び同法同条第4項第1号に規定される要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
また、本件発明2、4、7、10、17-27は、特許法第36条第6項第1号及び同法同条第4項第1号に規定される要件を満たすものである。
イ 特許法第29条第1条第1項、同項第3号及び同法第29条第2項について
(ア) 本件特許の国内優先権主張の効果について
優先権書類には「皮膚表面の細菌叢を解析し、該皮膚表面に存在する特定の常在菌の存在割合から肌状態を評価する肌状態の評価方法」(特許請求の範囲)、及び、実施例において、被験者の皮膚常在微生物叢を解析し、特定の門に属する常在菌の割合や微生物菌叢のクラスタリング分析結果等と、実年齢、ニキビ、毛穴の広がり等の「肌状態」との相関を調べたことが記載されているに留まり、何らかの身体状態と皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータについて、「相関性基準」を作成したことや、作成済みの「相関性基準」と被験者の皮膚微生物叢の値を対比することにより身体状態を評価することは開示されていない。
一方、本件発明1-10、16-27はいずれも、何らかの身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータを使用する発明に関する発明であり、優先権書類中に記載されているものとはいえない。
よって、本件発明1-10、16-27は優先権主張の効果を享受できず、各発明についての新規性、進歩性の判断の基準日は、本件特許出願日である平成28年5月19日となる。
(イ) 引用文献等1~4を主引例とする新規性及び進歩性について
a 引用文献等1に開示された内容
本件特許出願日前である平成27年12月1日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献等1は、株式会社ワールドフュージョンの肌チェック事業「S-KIN」のウェブサイトであって、このうち引用文献等1(A)~(D)は「お肌バランスチェック」に関する内容を開示し、引用文献等1(E)、(F)、(H)、(I)は、引用文献等1(A)において「研究機関のお客様へのサービス・肌研究、化粧品開発向けのキット「S-KIN Pro」を準備しています。」と述べられ、リンクされた「S-KIN Pro」に関する内容を開示するものである。また、引用文献等1(G)は、「肌フローラ:常在菌で美肌チェック|ニュース」として、上記サービスの実施について開示している(引用文献等10も参照のこと)。
それぞれの開示内容は、次のとおりである。
「お肌バランスチェック」に関する開示
(引1-1)「肌フローラ検査キット
肌フローラを検査することにより、お肌の善玉菌、悪玉菌の状態や四季を通して変化するお肌のコンディションを正確に把握出来ます。」(引用文献等1(A)第1頁第2~4行)
(引1-2)登録、お申込み、常在菌キットのお届け、キット付き綿棒で常在菌の採取、分析結果の郵送の順に、肌チェック利用の流れが開示されている。また、常在菌の採取について、綿棒を生理食塩水につけ、「おでこ」と「頬」をこすることが説明されている。(引用文献等1(B))
(引1-3)「S-KINホーム>検査結果からわかること
2つのポイントで評価
Point1 常在菌のバランスを評価
肌常在菌は、一般的には250種以上だと言われます。しかし、当社の実験調査では日本人で2000種以上の菌が見つかっています。
この検査では、ある程度の占有率で検出された菌を全て利用してバランス判定を行っています。
菌バランスと肌健康の状態を考えると、平衡状態が保たれているほど肌健康状態が良く、さまざまなバリア機能、保湿や皮膚の炎症などに対しても良い効果が現れます。
ここでは、菌のバランスを「多様性」(集団で存在する菌のバリエーション)としてスコア化して評価に使う基本データを作ります。
Point2 肌に影響がある菌の含有率から評価
お肌に影響のある主な菌の状態を評価します。スキンケアの指標として利用してください。
主に評価に利用するのはアクネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、サーモフィルス菌の4つですが、もっと肌や健康に関連のある菌が高い占有率を示す場合もあります。これら以外に多くの意味ある菌も検出されてくるのがこの検査の特徴です。随時更新されるデータから「どうすればよいか」、「どの状態がベストか」というアドバイスを作成します。」(引用文献等1(C)第1頁第1~20行)
(引1-4)「肌タイプを予測してみます
常在菌の多様性や、それぞれの菌の特性や基礎検査データから作られた、当社独自の肌タイプデータベースを基に、あなたの肌状態を予測した結果を示します。」(引用文献等1(C)第2頁下から第6~4行)
(引1-5)「
」(引用文献等1(C)第2頁)
(引1-6)「肌に影響がある善玉菌や悪玉菌による評価
一般的に着目している菌はアクネ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、サーモフィルス菌の4つですが、もっと肌や健康に関連のある菌が高い占有率を示す場合もあります。
菌情報はつねにアップデートされています。これら4つ以外の菌も見逃さずに評価することから多くのメリットがあります。
・着目4菌種以外のお肌や健康にまた疾患のリスクとなる菌も同時に検出。
・常在菌の分布を「見える化」して、良い菌バランスを目指せる。
・お肌に影響のある菌のデータは医学文献を基にアップデートされ、一部はホームページやFacebookで公開し、自分が着目しなければならない新しい菌情報を常に参照できる。
・2回目以降の検査では、前の検査データも新しいデータベースで再評価し、併せてお返し。」(引用文献等1(A)第2頁第8~19行)
(引1-7)「どうすればもっと良くなるというヒントを得ることが出来ます
ヒントは最新の医学文献から作成したアドバイスレポートにあります。全ての人が当てはまるわけではありませんが、美肌、もしくは健康を目指すためのヒントがここに書かれています。」(引用文献等1(A)第2頁第20~23行)
(引1-8)肌フローラから見たお勧め化粧品として、
検査結果と合わせて利用するとより効果的であるとして、アクネ菌、黄色ブドウ球菌を殺菌するための石鹸、表皮ブドウ球菌を増やすための化粧品等の常在菌種に応じた対策用化粧品が提示されている。(引用文献等1(D)全文)
「S-KIN Pro」に関する開示
(引1-9)「S-Kin Proは肌研究を支援するキットです。皮膚の常在菌を顔から収集し、疾患や症状と関連する菌、またスキンケアに強く関連する菌などを分析してレポートします。」(引用文献等1(I)第1頁第9~12行)
(引1-10)「基本解析とレポート
着目菌種による分析
機能がよく知られているS.epidermis、S.aureus、P.acnesを代表とする美肌、肌トラブル、肌炎症制御などの関連報告のある着目菌種の含有率を表示(当社で調査した肌状態が良い人と比較したグラフを表示することも可能)。その他、疾患に関係のある菌、治療薬や化合物との相互作用が報告されている菌など当社ではさまざまな菌に関する情報データベースを保持しています。リクエストに基づいた着目菌種でのレポートを作成します。(レポートの形式は菌種によって異なります)
」
(引用文献等1(I)第1頁下から第4~第2頁第4行、引用文献等1(F)第1頁第1~7行)
(引1-11)「常在菌の多様性
健康状態を肌で反映するのは全体の菌のバランスにあります。肌状態と細菌叢の多様性には大きな関係があります。これを数値化した多様性指数と、Speciesレベルでの分布円グラフと、占有率が0.1%以上を占めるトップ100菌種を報告します。」(引用文献等1(I)第2頁第5~8行、引用文献等1(F)第1頁第8~10行)
(引1-12)「肌タイプの予測
当社で調査した、肌状態に関する背景情報と常在菌の菌叢データを使い、検体データがどのような背景情報であるかを予測します」(引用文献等1(I)第3頁第1~3行、引用文献等1(F)第2頁第1~3行)
(引1-13)「
」(引用文献等1(I)第3頁、引用文献等1(F)第2頁)
(引1-14)「微生物のアノテーション探索
微生物の研究用アノテーションの収集には手間がかかります。しかも、情報が得にくい菌と情報が豊富な菌が極端です。Speciesレベルでは情報が無くても、Genusレベルでは情報が豊富かも知れません。当社では以下に表示するような形で微生物の情報源と情報量をデータベース化していて、それぞれ着目したい情報を取り出す仕組みを持っています。これを利用し、可能な限りの菌の情報を研究者の方へお届けするオプションサービスです。」(引用文献等1(I)第5頁第5~10行、引用文献等1(F)第4頁第4~8行)
(引1-15)「表中の数字はそれぞれの菌が持っている情報量を示しています。この情報量が多いほど研究対象になっているということを示しています。
」(引用文献等1(I)第5頁第11~12行、引用文献等1(F)第4頁第10行)
(引1-16)「化合物の探索も可能です。この例ではアクネ菌で実験されている代表的な化合物とその活性値を探索した例
このオプション解析では、ご要望に応じ高度な探索を提供します。」(引用文献等1(F)第4頁最終行~第5頁最終行)
b 引用文献等2に開示された内容
本件特許出願日前である平成27年9月8日以前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能であった引用文献等2は「日本人皮膚菌叢解析と皮膚健康状態との関連性」と題する資料であって、同日に公開セミナー「第12回Class Aデータ解析セミナー」において、同資料に基づいて公開された、以下の事項が開示されている(引用文献等2の平成27年9月8日以前の電気通信回線を通じた公開の事実、及び、上記公開セミナーにおける公開の事実については引用文献等11~14参照)。
引用文献等2は全31頁の資料であり、頁数が開示されていないが、提出された証拠の頁順に基づき当審で頁数を示す。
(引2-1)被験者の額と頬から皮膚表面の細菌叢を回収し、16srRNA遺伝子を解析し、サンプルの菌叢を解析した。クラスタ分類、主座標分析、多様性指数(Simpson's Index)の算出を行った。(第1~12頁)
(引2-2)菌叢の多様性指数と肌状態の関係を調べたところ、菌叢多様性と強く相関する肌状態項目があった。(第13頁)
(引2-3)アンケート項目(アトピー性皮膚炎、シミやソバカスが目立つ、化粧品かぶれ、額や鼻のテカリ感、シミ、肌のくすみ、肌のハリ、毛穴の汚れ等)の回答により有意差のあった菌種の一覧(第15頁)
(引2-4)皮膚の状態についてのアンケートの回答と菌叢のパターンを関連づけ、検査サンプルの菌叢情報とアンケートの回答(YES/No)の菌叢情報を対比し、いずれの菌叢情報に似ているかによって皮膚状態を予測する。(第20~22頁)
(引2-5)(1)細菌叢回収キットの郵送、(2)16s amplicon sequence、(3)菌叢解析・レポート自動作成の工程からなるサービスを展開する。レポートとしては、肌の細菌叢分析結果として、被験者の肌にいる細菌の種類と割合、参考情報として肌状態が良いヒトの菌叢分析結果、及び皮膚の細菌叢及び多様性指数から類推される肌症状として、毛穴の汚れ、額や鼻のテカリ、Tゾーンのニキビ、額や鼻の油浮き等が開示されている。また、肌にいる細菌として、P. acnesやS. epidermis、Xanthomonas axonopodis等も開示されている。(第23頁)
(引2-6)日本人と米国人の菌叢を対比した結果、それぞれに特徴的に見られる菌種や共通して存在する菌種が存在し、両者の菌叢は著しい違いがある。(第24~25頁)
c 引用文献等3に開示された内容
本件特許出願日前(本件特許優先日前でもある。)に電気通信回線を通じて公衆に利用可能であった(必要ならば、引用文献等15参照)引用文献等3は、「美肌菌ドック」についてのウェブページであって、次の事項が開示されている。
(引3-1)「美肌菌ドック」は、顔の肌に住む菌バランスを検査するドックである。皮膚上から採取した皮膚常在菌の菌ゲノムDNA総量と、皮膚常在菌のうち肌質に影響が大きいと考えられる三種の菌(表皮ブドウ球菌・アクネ菌・黄色ブドウ球菌)の存在比を相対的に算出する。(第1頁)
(引3-2)常在菌が少ないことで乾燥肌やアレルギー皮膚疾患に悪影響を与えていると分かった場合、希望者へは医師より保険診療受診の指導や自由診療による常在菌治療指導を行う。(第1頁)
(引3-3)「美肌菌ドック」を通じて、日本人の肌質の標準値作り、そして研究結果はオープンデータとして公益提供することを目指し、これら研究成果が日本国の皮膚トラブルの削減と健康増進の一助になることを期待する。(第1頁)
(引3-4)表皮ブドウ球菌は、効能としてグリセリン作成(保湿)、肌荒れ・シミ・老化予防があり、黄色ブドウ球菌は、弊害としてかゆみ、炎症、アトピーの原因の可能性があり、アクネ菌はニキビ炎症を弊害とする。(第2頁)
(引3-5)皮膚常在菌の治療方法として、皮膚常在菌を採取して外部培養し、人体に菌を戻すことや、菌の代謝産物を肌に塗布し、善玉菌が活躍した後のような肌状態を作る。(第3頁)
d 引用文献4に記載された内容
本件特許出願日前(本件特許優先日前でもある。)に頒布された刊行物である引用文献4は、「ざ瘡の高速診断及び個人化された治療」の発明を開示する公表特許公報であって、次の事項が記載されている。
(引4-1)「ざ瘡は、吹き出物または「ニキビ」を引き起こす皮膚の状態である。」(【0003】)
(引4-2)対象から粘着テープを用いて皮膚試料を取得し、前記試料から細菌DNAを単離することと、前記試料中の16SリボソームDNAを増幅することと、前記増幅されたDNA生成物を配列決定することと、ざ瘡菌の菌株の5個の主要なマイクロバイオームのうちの1個以上に基づいて前記対象のDNAをタイプ分類することと、を含み、前記対象がマイクロバイオームIVまたはVにタイプ分類された場合、前記対象がざ瘡を有すると診断される、方法。(請求項3、実施例3、4(【0184】~【0200】))
(引4-3)個人のマイクロバイオームは、被験者の皮膚から採取された試料中の細菌DNAのうち、上位10位の主要リボタイプ(菌株固有の16S rDNA配列)RT1~RT10の配列データに基づき、RT1~RT10の相対存在量によってI型~V型に分類される。IVおよびV型は、主にざ瘡患者に見られた。(実施例4、【0086】の表1A、【0087】~【0089】、図5)
(引4-4)「一旦ざ瘡に罹患した対象のマイクロバイオーム型が診断されると、以下に説明するいくつかの手法が、効果的な治療計画の策定に使用され得る。例えば、対象がマイクロバイオームIVまたはV型を有しているか、またはざ瘡菌RT10菌株によって支配されている場合、これらの菌株が、抗生物質耐性であるため、抗生物質による治療が成功する可能性は低くなる。しかし、レチノイドなどの他の方法での治療が、依然として可能である。」(【0064】)
(引4-5)「本発明はまた、健康と関連する菌株の増殖を促進することにより、ざ瘡菌の菌株の相対的存在量のバランスを取るためのざ瘡治療のための代替治療戦略に関する。」(【0067】)
(引4-6)「実施例9-薬剤開発
上記に基づいて、現在は、いくつかのざ瘡菌の菌株はざ瘡に関連していることが知られている。従って、診断時に、皮膚科医は、患者の皮膚上でどの菌株が優勢かを知ることが有用であろう。‥RT4、RT5、およびRT8に特異的な標的薬剤を使用することができる。例えば、上に詳述し、ざ瘡に関連したざ瘡菌の菌株に特有の遺伝的要素および生物学的経路を標的にした、小分子、アンチセンス分子、siRNA、生物製剤、抗体、またはこれらの組み合わせを使用することができる。」(【0258】)
(引4-7)「縦断的研究は、マイクロバイオーム型が経時的に変化するか、ならびにある種の菌株が治療後の対象上に残るかを判定する。」(【0262】)
(引4-8)人間の皮膚マイクロバイオーム中の細菌とバクテリオファージとの間の相互作用、および皮膚の健康および疾患へのその寄与をより良く理解するために、ざ瘡患者および健康な個人から単離されたざ瘡菌ファージの多様性および宿主特異性が調査された。15個のファージ分離株のゲノムが調査され、それらの宿主範囲がおよび特異性を判定するために配列決定された69個のプロピオニバクテリア菌株のパネルに対してスクリーニングされ、各菌株に罹病性又は耐性のファージが解明された。(【0210】~【0231】)
e 当審の判断
(a)本件発明1、3、5、6、8、9、16について
本件発明1は
「被験者の身体状態を評価する方法であって、
前記身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータについて、被験者の皮膚表面から採取した皮膚微生物叢の値を決定し、前記相関性基準と対比する工程」を有することを発明特定事項とする発明であり、被験者の身体状態を評価するために、被験者の皮膚表面から採取した皮膚微生物叢の値を「作成済み」の「相関性基準」と対比することが必要な発明である。
ここで、「作成済み」の「相関性基準」とは、文字通り、「相関性基準」が予め「作成済み」であることを意味すると解される。
そして、上記アの(ア)で述べたように、本件発明1の身体状態が「肌のしみ、くすみ、しわ、はりの状態」である場合に、本件発明1にいう「作成済み」の「相関性基準」がどのようなものであるか発明の詳細な説明の記載をみても具体的に明らかではないが、少なくとも、引用文献等1-3等には、本件発明1の(i)、(ii)に特定される事項、すなわち、(i)に特定される、「作成済み」の「相関性基準」がProteobacteria門に属する細菌種とFirmicutes門に属する細菌種の相対量の差である存在割合又は存在割合に基づくパラメータを含むことや、(ii)に特定される、実年齢による影響を排除した後の身体状態と存在割合等から「相関性基準」を作成することが記載ないし示唆されているとはいえない。
したがって、本件発明1は引用文献等1-3に記載された発明ではなく、その基準日前に日本国内又は外国において公然知られた発明でもなく、また、引用文献等1-3等に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
本件発明1と同様の事項を特定する本件発明6についても同様である。
また、本件発明1、6を引用する本件発明3、5、8、9、16についても同様である。
(b)本件発明2、4、7、10、17について
本件発明2は
「被験者の身体状態を評価する方法であって、
前記身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータについて、被験者の皮膚表面から採取した皮膚微生物叢の値を決定し、前記相関性基準と対比する工程」を有することを発明特定事項とする発明であり、被験者の身体状態を評価するために、被験者の皮膚表面から採取した皮膚微生物叢の値を「作成済み」の「相関性基準」と対比することが必要な発明である。
そして、本件発明2にいう「作成済み」の「相関性基準」とは、上記アの(イ)で述べたとおり、図11に示されたものであると認められるところ、引用文献等1、3、4のいずれにも、図11に示されたような「相関性基準」は記載されていない。
また、当業者であっても、引用文献等1、3、4等に記載された事項から、図11に示されたような「相関性基準」を導き出すことができるともいえない。
本件発明7は
「身体状態を改善又は予防する物質をスクリーニングする方法であって、
前記身体状態との相関性基準が作成済みである、皮膚表面の皮膚常在微生物の存在割合又は前記存在割合に基づくパラメータの値に関する、候補物質による変化に基づいて、前記候補物質を選抜する工程」を有することを発明特定事項とする発明であり、身体状態を改善又は予防する物質をスクリーニングするために、被験者の皮膚表面から採取した皮膚微生物叢の値を「作成済み」の「相関性基準」と対比することが必要な発明である。
そして、本件発明7にいう「作成済み」の「相関性基準」は、図11に示されたものであると認められるところ、引用文献等1、3、4のいずれにも、図11に示されたような「相関性基準」は記載されていないし、当業者であっても、引用文献等1、3、4等に記載された事項から、図11に示されたような「相関性基準」を導き出すことができるともいえない。
したがって、本件発明2、7は引用文献等1、3、4に記載された発明ではなく、また、引用文献等1、3、4等に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
また、本件発明2、7を引用する本件発明4、10、17についても、同様に、引用文献等1、3、4に記載された発明ではなく、また、引用文献等1、3、4等に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
(c)本件発明18-27について
本件発明18-27にいう「作成済み」の「相関性基準」は、上記アの(ウ)で述べたとおり、図14~16、21に示されたものであると認められるところ、引用文献等1-3のいずれにも、図14~16、21に示されたような「相関性基準」は記載されていないし、当業者であっても、引用文献等1-3等に記載された事項から、図14~16、21に示されたような「相関性基準」を導き出すことができるともいえない。
したがって、本件発明18-27は引用文献等1-3に記載された発明ではなく、その基準日前に日本国内又は外国において公然知られた発明でもなく、また、引用文献等1-3等に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
f 小括
以上のとおり、本件発明1-10、16-27は特許法第29条第1項第1号及び同項第3号に該当せず、同法第29条第2項の規定に違反するものでもない。
2.取消理由に記載したが取消理由(決定の予告)において採用せず、上記1で取消にならなかった請求項に対する取消理由について
当審において平成29年11月27日付けで通知した取消理由に記載したが、平成30年3月30日付け取消理由通知(決定の予告)では採用しなかった理由のうち、上記1で取消にならなかった請求項に対する理由及びそれについての当審の判断は次のとおりである。
(1)特許法第36条第6項第2号(明確性)について
ア 取消理由の概要
(ア) 「毛髪‥‥神経に関する状態」には軽微な不調から重篤な疾患に至るまで様々な状態が含まれ得るが、どのような「状態」まで含まれるのか不明瞭である。
(イ) 「皮膚常在微生物」について具体的にどの種類の皮膚常在微生物まで含まれるかが不明である。
(ウ) 本件発明1の「身体状態」として「尿」が2回記載されている。
(エ) 本件発明9の「前記パラメータ」及び「前記存在割合」について、本件発明9が引用する本件発明5及び8にはそのような記載がなく、引用関係が不明確である。
(オ) 本件発明16の「請求項1から115のいずれかに記載の方法」なる記載があり、引用関係が不明確である。
イ 当審の判断
(ア)については、特許権者が平成30年1月30日付け意見書(第15頁(4-エ-2))にて「改善を行う必要性が低くなった目標状態との間に解離があれば、かかる状態は特許請求の範囲の請求項1における「(身体)状態」に含まれることは明らかです。」と説明している。ここで、当該目標状態は本件図に記載された「作成済み」の「相関性基準」に基づいて推認されると解釈でき、本件発明における「作成済み」の「相関性基準」の例が限定的であることから、対応する身体状態についても限定的に解釈することができ、特定する必要はない。(イ)についても、「皮膚常在微生物」は対応する相関性基準に対して限定的に解釈できるから、特定する必要はない。
よって、(ア)、(イ)は理由がない。
(ウ)及び(オ)については、本件訂正により理由がなくなった。
さらに、(エ)については、特許権者が同意見書(第15頁(4-エ-4))において説明するとおり、本件発明5及び8は、本件発明1又は2を引用するものであり、本件発明1、2には「前記パラメータ」及び「前記存在割合」が記載されている。
よって、(エ)も理由がない。
3.取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由であって、上記1で取消にならなかった請求項に対する取消理由について
上記1で取消にならなかった請求項に対する特許異議申立理由のうち取消理由通知において採用しなかった理由及びそれについての当審の判断は次のとおりである。
(1)特許法第29条第1項柱書(産業上の利用可能性)について
ア 異議申立理由の概要
訂正前本件発明1(訂正後の本件発明18に相当)には骨粗鬆症や糖尿病等の疾患を評価する方法が含まれ、人間を診断する方法の発明に該当するものである。
イ 当審の判断
訂正後の本件発明18は「身体状態を評価する方法」であって、その身体状態に「骨粗鬆症」や「糖尿病」等の疾患が含まれるとしても、文言上「診断方法」であるとはいえない。
また、評価方法は「相関性基準と対比することによる」方法であって、相関性基準が客観的基準として明確に決定されたものであるならば、これらの疾患の有無や程度が機械的、自動的に決定されるから、医師の判断の入る余地はないものである。
したがって、上記主張に理由はない。
(2)特許法第36条第6項第1号(サポート要件)、及び同法第36条第4項第1号(実施可能要件)について
ア 異議申立理由の概要
訂正前本件発明1(訂正後の本件発明18に相当)のうち毛髪の状態には、毛髪のはり、こし、ダメージ、つやなど様々な状態が包含されるが、本件特許明細書では薄毛・脱毛が開示されているに留まること、歯の状態には、う蝕、知覚過敏、歯肉炎など様々な状態が含まれるが本件特許明細書は歯槽膿漏が記載されているにすぎず、尿、骨、内臓、血液、神経の状態についても、本件特許明細書の開示は高尿酸値、骨粗鬆症、糖尿病または自律神経失調症のみであり、同様に訂正前本件発明1~16の範囲まで明細書の記載を拡張ないし一般化できないものである。
イ 当審の判断
本件発明18における身体状態については、それぞれ少なくとも1の「作成済み」の「相関性基準」が明細書又は図面に記載されている。また、本件発明における「作成済み」の「相関基準」の例が限定的であることから、対応する身体状態についても限定的に解釈することができるから、各身体状態に文言上包含され得るあらゆる状態についてまで明細書に裏付けが求められるとはいえない。
したがって、当該主張は理由がない。
第6 むすび
以上のとおり、本件請求項1、3、5、6、8、9、16に係る発明は特許法第36条第6項第1号及び同法同条第4項第1号に規定される要件を満たしていないから、本件請求項1、3、5、6、8、9、16に係る特許は、特許法第36条第6項第1号及び同法同条第4項第1号に規定される要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
したがって、本件請求項1、3、5、6、8、9、16に係る特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
本件請求項2、4、7、10、17~27に係る発明については、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項2、4、7、10、17~27に係る特許を取り消すことはできない。さらに、他に本件請求項2、4、7、10、17~27に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件請求項11~15に係る特許は、訂正により、削除されたため、本件特許の請求項11~15に対して、申立人1、2がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2017-700621