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特許異議申立

2017-700426

のどごし感に優れた高濃度茶由来粒子含有容器詰め茶飲料

審判番号
2017-700426
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2015-117294外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年04月28日
審決日
2018年03月09日
公報発行日
2018年07月27日
結論
請求成立(取消)
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.537-ZAA(A23F) / P1651.536-ZAA(A23F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6018261号発明「のどごし感に優れた高濃度茶由来粒子含有容器詰め茶飲料」の特許異議申立事件について,次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6018261号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項〔1-3〕,4について訂正することを認める。 特許第6018261号の請求項1~4に係る特許を取り消す。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯の概略 特許第6018261号の請求項1~4に係る特許(以下「本件特許」という。)についての手続の経緯は,概ね,以下のとおりである。 平成27年 6月10日 特許出願 平成28年10月 7日 設定登録 平成28年11月 2日 特許掲載公報発行 平成29年 4月28日 特許異議申立書(特許異議申立人:山口幸子) 平成29年 6月27日 取消理由通知書 平成29年 8月28日 意見書(特許権者)及び訂正請求書 平成29年 9月28日 意見書(特許異議申立人) 平成29年10月27日 取消理由通知書(決定の予告) 平成29年12月26日 意見書(特許権者)及び訂正請求書 平成30年 2月 8日 意見書(特許異議申立人) 以下,平成29年12月26日付けの訂正請求書を「本件訂正請求書」といい,これに係る訂正を「本件訂正」という。なお,平成29年8月28日付けの訂正請求書は,取り下げられたものとみなす(特許法120条の5第7項)。 第2 本件訂正の適否 1 本件訂正の内容 本件訂正の請求は,特許第6018261号の明細書及び特許請求の範囲を,本件訂正請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項1~4について訂正することを求めるものであって,その訂正の内容は次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。 (1) 請求項1~3について ア 訂正事項1 本件訂正前の請求項1の「680nmにおける吸光度として表わされる濁度(OD680)が0.5以上に調整された,茶由来粒子を高濃度に含有した容器詰め茶飲料の製造において,0.5以上に調整された茶由来粒子を含有する原料緑茶抽出液のグルタミン酸濃度を10~1000ppmに調整し,該茶抽出液を加熱殺菌処理し,容器に充填することを特徴とする,茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法。」を「680nmにおける吸光度として表わされる濁度(OD680)が0.5~5.3に調整された,茶由来粒子を高濃度に含有した容器詰め茶飲料の製造において,該濁度が0.5~5.3に調整された茶由来粒子を含有する原料緑茶抽出液のグルタミン酸濃度を10~44ppmに調整し,該茶抽出液を加熱殺菌処理し,容器に充填することを特徴とする,茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法。」に訂正する。 イ 訂正事項2 本件訂正前の請求項2の「0.5以上に調整された茶由来粒子を高濃度に含有した茶飲料の濁度の調整が,茶飲料への抹茶,かぶせ茶粉砕物,玉露粉砕物,若しくは煎茶粉砕物の1又は2以上の添加により行うことを特徴とする,請求項1に記載の茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法。」を「濁度(OD680)が0.5~5.3に調整された茶由来粒子を高濃度に含有した茶飲料の濁度の調整が,茶飲料への抹茶,かぶせ茶粉砕物,玉露粉砕物,若しくは煎茶粉砕物の1又は2以上の添加により行うことを特徴とする,請求項1に記載の茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法。」に訂正する。 ウ 訂正事項3 本件明細書の【0018】の「すなわち具体的には本発明は,[1]680nmにおける吸光度として表わされる濁度(OD680)が0.5以上に調整された,茶由来粒子を高濃度に含有した容器詰め茶飲料の製造において,0.5以上に調整された茶由来粒子を含有する原料緑茶抽出液のグルタミン酸濃度を10~1000ppmに調整し,該茶抽出液を加熱殺菌処理し,容器に充填することを特徴とする,茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法や,[2]0.5以上に調整された茶由来粒子を高濃度に含有した茶飲料の濁度の調整が,茶飲料への抹茶,かぶせ茶粉砕物,玉露粉砕物,若しくは煎茶粉砕物の1又は2以上の添加により行うことを特徴とする,上記[1]に記載の茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法や,[3]グルタミン酸の濃度調整が,かぶせ茶又は玉露の抽出液を原料茶抽出液への添加により行うことを特徴とする,上記[1]又は[2]に記載の茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法や,」を「すなわち具体的には本発明は,[1]680nmにおける吸光度として表わされる濁度(OD680)が0.5~5.3に調整された,茶由来粒子を高濃度に含有した容器詰め茶飲料の製造において,該濁度が0.5~5.3に調整された茶由来粒子を含有する原料緑茶抽出液のグルタミン酸濃度を10~44ppmに調整し,該茶抽出液を加熱殺菌処理し,容器に充填することを特徴とする,茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法や,[2]濁度(OD680)が0.5~5.3に調整された茶由来粒子を高濃度に含有した茶飲料の濁度の調整が,茶飲料への抹茶,かぶせ茶粉砕物,玉露粉砕物,若しくは煎茶粉砕物の1又は2以上の添加により行うことを特徴とする,上記[1]に記載の茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法や,[3]グルタミン酸の濃度調整が,かぶせ茶又は玉露の抽出液を原料茶抽出液への添加により行うことを特徴とする,上記[1]又は[2]に記載の茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法や,」に訂正する。 (2) 請求項4について ア 訂正事項4 本件訂正前の請求項4の「680nmにおける吸光度として表わされる濁度(OD680)が,0.5以上に調整された,茶由来粒子を高濃度に含有した容器詰め茶飲料の製造において,0.5以上に調整された茶由来粒子を含有する原料茶抽出液を,グルタミン酸濃度を10~1000ppmに調整することを特徴とする,容器詰め茶飲料飲用時の茶由来粒子のざらつきを低減する方法。」を「680nmにおける吸光度として表わされる濁度(OD680)が,0.5~5.3に調整された,茶由来粒子を高濃度に含有した容器詰め茶飲料の製造において,該濁度が0.5~5.3に調整された茶由来粒子を含有する原料茶抽出液を,グルタミン酸濃度を10~44ppmに調整することを特徴とする,容器詰め茶飲料飲用時の茶由来粒子のざらつきを低減する方法。」に訂正する。 イ 訂正事項5 本件明細書の【0018】の「[4]680nmにおける吸光度として表わされる濁度(OD680)が,0.5以上に調整された,茶由来粒子を高濃度に含有した容器詰め茶飲料の製造において,0.5以上に調整された茶由来粒子を含有する原料茶抽出液を,グルタミン酸濃度を10~1000ppmに調整することを特徴とする,容器詰め茶飲料飲用時の茶由来粒子のざらつきを低減する方法からなる。」を「[4]680nmにおける吸光度として表わされる濁度(OD680)が,0.5~5.3に調整された,茶由来粒子を高濃度に含有した容器詰め茶飲料の製造において,該濁度が0.5~5.3に調整された茶由来粒子を含有する原料茶抽出液を,グルタミン酸濃度を10~44ppmに調整することを特徴とする,容器詰め茶飲料飲用時の茶由来粒子のざらつきを低減する方法からなる。」に訂正する。 2 本件訂正の適否について (1) 訂正事項1,2及び4について 訂正事項1,2及び4は,本件訂正前の請求項1,2及び4における濁度について,それぞれ上限を特定するものであり,グルタミン酸濃度の上限を1000ppmから44ppmに限定し減縮するものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして,本件明細書には,実施例11に関し濁度(OD680)が5.3である点が記載され(【0055】【表3】),実施例3,4,7に関しグルタミン酸濃度が44ppmである点が記載されているから(【0051】【表2】),訂正事項1,2及び4に係る本件訂正は,新規事項を追加するものではなく,また,実質上特許請求の範囲を拡張,又は変更するものではない。 (2) 訂正事項3及び5について 訂正事項3及び5は,訂正事項1,2及び4に係る本件訂正に伴って,特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るものであるから,明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり,新規事項を追加するものではなく,また,実質上特許請求の範囲を拡張,又は変更するものではない。 (3) さらに,本件訂正は一群の請求項ごとに請求されたものである。 (4) 以上のとおりであるから,本件訂正は特許法120条の5第2項ただし書1号及び3号に掲げる事項を目的とするものであって,同条4項,並びに同条9項において準用する同法126条4項~6項の規定に適合するので,訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり,訂正後の請求項〔1-3〕,4について訂正することを認める。 第3 本件発明 前記第2のとおり本件訂正は認められるから,本件特許の請求項1~4に係る発明は,特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される次のとおりである。以下,本件特許に係る発明を総称して「本件発明」という。 【請求項1】 680nmにおける吸光度として表わされる濁度(OD680)が0.5~5.3に調整された,茶由来粒子を高濃度に含有した容器詰め茶飲料の製造において,該濁度が0.5~5.3に調整された茶由来粒子を含有する原料緑茶抽出液のグルタミン酸濃度を10~44ppmに調整し,該茶抽出液を加熱殺菌処理し,容器に充填することを特徴とする,茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法。 【請求項2】 濁度(OD680)が0.5~5.3に調整された茶由来粒子を高濃度に含有した茶飲料の濁度の調整が,茶飲料への抹茶,かぶせ茶粉砕物,玉露粉砕物,若しくは煎茶粉砕物の1又は2以上の添加により行うことを特徴とする,請求項1に記載の茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法。 【請求項3】 グルタミン酸の濃度調整が,かぶせ茶又は玉露の抽出液を原料茶抽出液への添加により行うことを特徴とする,請求項1又は2に記載の茶由来粒子高濃度含有容器詰め茶飲料の製造方法。 【請求項4】 680nmにおける吸光度として表わされる濁度(OD680)が,0.5~5.3に調整された,茶由来粒子を高濃度に含有した容器詰め茶飲料の製造において,該濁度が0.5~5.3に調整された茶由来粒子を含有する原料茶抽出液を,グルタミン酸濃度を10~44ppmに調整することを特徴とする,容器詰め茶飲料飲用時の茶由来粒子のざらつきを低減する方法。 第4 取消理由(36条4項1号及び36条6項1号)について 1 発明の詳細な説明の記載によれば,本件発明は,「茶由来粒子を高濃度に含むにもかかわらず,飲用時にざらつきを感じにくく,口当たりの良いすっきりしたのどごしを有する,のどごし感に優れた容器詰めの茶飲料,及びその製造方法を提供すること」(【0009】)を,解決しようとする課題とするものである。 そして,請求項1~4に記載された事項(前記第3)を備えることで,「茶由来粒子を高濃度に含むにもかかわらず,飲用時にざらつきを感じにくく,口当たりの良いすっきりしたのどごしを有する,のどごし感に優れ,かつ,茶由来粒子を高濃度に含有する,容器詰めの茶飲料,及びその製造方法を提供する。」(【0019】)ことができるというものである。 2 このような本件発明について,発明の詳細な説明には,条件の異なる複数種の容器詰め緑茶飲料サンプルに関しざらつき低減効果を評価したところ,特定の濁度,テアニン濃度,グルタミン酸濃度を有する容器詰め緑茶飲料サンプル(実施例1~11)につき,ざらつき低減効果が確認された旨記載されている(【0040】~【0055】)。 他方,発明の詳細な説明には,「本発明の作用機序は明確にはできていないが,テアニンやグルタミン酸の呈味と,のどごし感の相互作用により,高濃度の茶由来粒子によってもたらさせる,口内のざらつきがマスキングされるものと推測できる。」(【0011】)と記載され,ざらつき低減効果に関する本件発明の作用機序について明確にされておらず,技術常識とも認められない。 そうすると,技術常識に照らしても,本件発明の範囲まで,発明の詳細な説明に具体的に開示された内容(実施例1~11)を,拡張ないし一般化できるとは認められない。 また,実施例1~11に係る濁度,テアニン濃度,グルタミン酸濃度の範囲外であっても,本件発明の範囲内であれば,実施例1~11と同様のざらつき低減効果を奏するのか,当業者は理解することができないから,発明の詳細な説明の記載からでは,当業者が本件発明の実施をすることができない。 3 実施例1~11及び比較例1~3に係る試験の結果からすると,グルタミン酸濃度だけでなく,特に,テアニン濃度もざらつき低減効果に関係していることが窺われる(【0040】~【0055】)。 比較例2(テアニン濃度,グルタミン酸濃度が,それぞれ,20ppm,8ppm),比較例3(同20ppm,6ppm)と実施例6(同50ppm,14ppm)の結果についてみるに,比較例2,3の結果が×(ざらつきが低減していない,又は低減効果が不十分である)であったのに対し,実施例6の結果が○(飲用時のざらつきが低減した)であったところ,実施例6は比較例2,3に比べグルタミン酸濃度が高いことから,グルタミン酸濃度がざらつき低減効果に関係していると考えられるが,同時にテアニン濃度も高いことを踏まえると,この結果から,直ちに,グルタミン酸濃度だけがざらつき低減効果に関係しているとは認められない。 例えば,グルタミン酸濃度が高い実施例3(同10ppm,44ppm(本件発明の上限値))の結果が○であったのに対し,実施例3に比べグルタミン酸濃度が低い実施例10(同105ppm,20ppm)の結果が◎(飲用時のざらつきが顕著に低減した)と,ざらつき低減効果がむしろ良好であったこと,グルタミン酸濃度が実施例3と同じである実施例4,7(同210ppm,44ppm)の結果が◎であったことからすると,テアニン濃度もざらつき低減効果に影響していることが理解できる。 また,実施例2(同210ppm,4ppm)の結果が○であるのに対し,それよりもグルタミン酸濃度が高い比較例2(同20ppm,8ppm),比較例3(同20ppm,6ppm)の結果が×であったことからも,ざらつき低減効果に関するテアニン濃度の影響が窺える。 なお,実施例3は,グルタミン酸濃度が高くテアニン濃度が低いことから,グルタミン酸濃度が高いときにはグルタミン酸単独の効果が認められるとしても,それ以外のときに,テアニン濃度を考慮しなくてよいとする理由は特段認められない。 仮にテアニン濃度がざらつき低減効果に関係していないならば,グルタミン酸濃度が10ppm(下限値)の場合に,テアニン濃度が低くとも課題を解決することができるものと解されるが,比較例2(同20ppm,8ppm),比較例3(同20ppm,6ppm)の結果が×であったのに対し,グルタミン酸濃度が10ppmとなった途端にざらつき低減効果を奏するとは,発明の詳細な説明の記載を参照しても理解することはできない。 このように,本件発明において,茶由来粒子を高濃度に含有するにもかかわらず,グルタミン酸濃度を10ppm以上に調整するだけで,たとえテアニン濃度が低い場合であっても,ざらつき低減効果を奏するものとは認められない。 さらに,濁度が5.3(上限値)である実施例11(同65ppm,18ppm)の結果が○であったことに照らすと,濁度が上限値(5.3)の場合のように,茶由来粒子に係る条件が一層厳しいときに,グルタミン酸の濃度を10ppm以上に調整することのみでは,本件発明の課題を解決することができないと解する余地も認められる。 そうすると,請求項1~4において,発明の課題を解決するための手段が反映されているとは認められないため,発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求することになっているものと認められる。 また,グルタミン酸の濃度を10ppm以上に調整するだけで,同様にざらつき低減効果を奏するのか,当業者は理解することができないから,発明の詳細な説明の記載からでは,当業者が本件発明の実施をすることができない。 4 この点に関し,特許権者は, ・特許請求の範囲の請求項に特定された「濁度(OD680)」,「原料緑茶抽出液のグルタミン酸濃度」の数値自体は,発明の詳細な説明の実施例に示された数値である,発明の詳細な説明には,請求項に特定された発明の構成要件について,本件発明の効果(ざらつき低減効果)を奏することが開示されている(平成29年12月26日付け意見書8~9頁), ・本件発明の実施例に示されるように(【0052】),「グルタミン酸10ppm以上で,ざらつきの低減効果が得られる」ことが確認されており,各実施例及び比較例(【0051】【表2】)にも,グルタミン酸濃度が10ppmに満たないもの(比較例2,3)は「ざらつき低減効果」が得られないこと,テアニン濃度が所定量以下であってもグルタミン酸濃度10ppm以上の場合(実施例3)は「ざらつき低減効果」が得られることが示されており,該結果と実施例及び比較例の結果を併せ考慮すれば,請求項に特定する範囲で,本件発明の効果が奏されることは,当業者が容易に確認することができる(同9~11頁), などと,主張している。 しかし,特許請求の範囲の請求項に特定された「濁度(OD680)」,「原料緑茶抽出液のグルタミン酸濃度」の数値のすべてが,実施例に示されているものではなく,既に述べたとおり,請求項に特定するすべての範囲で,本件発明の効果が奏されるものとは認められない。 発明の詳細な説明に「試験の結果,飲料中の・・・グルタミン酸10ppm以上で,ざらつきの低減効果が見られた」(【0052】)旨記載されているが,グルタミン酸濃度が10ppmである実施例は具体的に示されておらず,既に述べたとおり,比較例2,3や実施例3の結果から当然にこのように判断できるものとは認められない。実施例及び比較例の結果を併せ考慮しても,請求項に特定するすべての範囲において,本件発明がざらつき低減効果を奏すると理解することはできない。 5 まとめ 以上のとおりであるから,本件発明は発明の詳細な説明に記載したものであるとは認められない。 また,発明の詳細な説明は,当業者が本件発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとは認められない。 第5 むすび 以上のとおり,本件特許は,特許法36条4項1号,同条6項1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから,同法113条4号に該当し,取り消されるべきものである。 よって,結論のとおり決定する。

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2017-700426

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