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特許異議申立

2017-700023

凝集剤注入制御方法及び凝集剤注入制御システム

審判番号
2017-700023
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2012-201392
登録番号
特許第5951423号(P5951423)
請求日
2017年01月12日
審決日
2017年07月12日
公報発行日
2017年10月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社東芝
  • 【権利者代理人】特許業務法人 天城国際特許事務所
  • 【異議申立人】吉田 秀平
審判長/審判官
  • 審判長 豊永 茂弘
  • 審判官 中澤 登
  • 審判官 瀧口 博史
分類
P1652.113-YAA(C02F) / P1652.121-YAA(C02F) / P1652.536-YAA(C02F) / P1652.537-YAA(C02F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第36条第6項第2号、特許法第126条第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5951423号発明「凝集剤注入制御方法及び凝集剤注入制御システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第5951423号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、〔2-8〕について訂正することを認める。 特許第5951423号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第5951423号の請求項1ないし8に係る特許についての出願は、平成24年9月13日に出願されたものであって、平成28年6月17日にその特許権の設定登録がされ、その後、その請求項1ないし7に係る特許に対し、特許異議申立人 吉田秀平 より特許異議の申立てがされ、平成29年3月8日付けで取消理由が通知され、同年5月12日付けで訂正請求がされると共に意見書が提出されたので、同年5月18日付けで特許異議申立人に意見を求めたところ、指定期間内に応答がなかったものである。 第2 訂正請求について 1.訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は以下の(1)~(6)のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に記載の「前記凝集剤の予め求められた前記ゼータ電位の分布に関するデータを用いて」を、「各区間ごとにその区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤の凝集剤注入率の、予め実験で求めたデータを用いて」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に記載の「前記原水のゼータ電位の分布に対応して、前記区間のゼータ電位の分布を、凝集が良好に進む範囲に移行させるに必要な前記凝集剤の注入率を算出することを特徴とする」を、「前記原水の測定されたゼータ電位の分布の各区間における前記頻度と前記データとから、その区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤注入率を各区間についてそれぞれ算出し、それらの合計値を制御値としての前記凝集剤注入率として算出する」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項2に記載の「前記凝集剤の予め求められた前記ゼータ電位の分布に関するデータが記憶されている凝集剤情報保持手段と、この凝集剤情報保持手段に記憶された前記凝集剤のゼータ電位の分布に関するデータを用いて、前記測定されたゼータ電位の分布に対応して、前記区間のゼータ電位の分布を、凝集が良好に進む範囲に移行させるに必要な凝集剤注入率を算出する演算手段と、前記原水のゼータ電位の分布に対応」を、「各区間ごとにその区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤の凝集剤注入率の、予め実験で求めたデータが記憶されている凝集剤情報保持手段と、前記原水の測定されたゼータ電位の分布の各区間における前記頻度と前記データとから、その区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤注入率を各区間についてそれぞれ算出し、それらの合計値を制御値としての前記凝集剤注入率として算出する演算手段と、」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項3に記載の「その区間のゼータ電位を、凝集が良好に進むゼータ電位の範囲に移動させる」を、「その区間のゼータ電位を、凝集が良好に進む±15~20mVの範囲に移動させる」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項6に記載の「凝集が良好に行われたときの原水のゼータ電位の分布情報及び凝集剤注入率の実測値を保持するデータ記憶手段」を、「処理水の出口濁度が予定の良好レベルを超えたときの原水のゼータ電位の分布情報及び凝集剤注入率の実測値を保持するデータ記憶手段」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項7に記載の「凝集が良好に行われたことを判別する手段」を、「処理水の出口濁度が予定の良好レベルを超えたことを判別する手段」に訂正する。 2.訂正の理由 (1)訂正事項1について a.訂正の目的について 訂正前の請求項1では、「前記凝集剤の予め求められた前記ゼータ電位の分布に関するデータ」がどのようなデータか不明瞭であった。 これに対し、訂正事項1では、この部分を「各区間ごとにその区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤の凝集剤注入率の、予め実験で求めたデータ」に訂正し明瞭化するものである。 したがって、訂正事項1の訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の規定に適合する。 b.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて 訂正事項1は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。すなわち、 凝集が良好に進む「ゼータ電位」として【0007】には「・・・一般的に凝集が進行する時のゼータ電位は、±15~20mVの範囲内に達したところで凝集が進むとされている。」と記載され、「ゼータ電位」の分布に係る説明として【0027】には、「・・・凝集剤そのもののゼータ電位の分布に関するデータとは、より具体的には、原水のゼータ電位の分布について予め設定した区間ごとに、その区間のゼータ電位を、凝集が良好に進むゼータ電位の値とする(言い換えると、凝集が良好に進むゼータ電位の範囲に移動させる)のに必要な凝集剤注入率に関するデータであり、これらが前述した各区間についてそれぞれ記憶されている。」と記載されることから、訂正事項1の訂正は、これらの記載から導かれるものであり、当該記載の範囲内のものといえる。 したがって、訂正事項1の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 c.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて 訂正事項1は、「ゼータ電位の分布」を明瞭化したものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項1の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項2について a.訂正の目的について 訂正前の請求項1では、「原水のゼータ電位の分布」と「前記区間のゼータ電位の分布」との対応関係が不明瞭であり、「凝集が良好に進む範囲」との表現も不明瞭であった。 これに対して訂正事項2では、「前記原水の測定されたゼータ電位の分布の各区間における前記頻度と前記データとから、その区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤注入率を各区間についてそれぞれ算出し、それらの合計値を制御値としての凝集剤注入率として算出する」に訂正することにより、「原水のゼータ電位の分布」と実験で予め求められたデータとの関係が明瞭になり、また、「凝集が良好に進む範囲」も「±15~20mVの範囲」と明瞭化されるので、凝集剤の注入率を算出する手法も明瞭化するものである。 したがって、訂正事項1の訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の規定に適合する。 b.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて 訂正事項2は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。すなわち、 凝集が良好に進む「ゼータ電位」として【0007】には「・・・一般的に凝集が進行する時のゼータ電位は、±15~20mVの範囲内に達したところで凝集が進むとされている。」と記載され、この凝集剤の注入率を算出する手法に係る説明として【0029】には、「演算手段21では、測定された原水のゼータ電位の分布を予め前述した複数の区間ごとに区切り、これら各区間の分布を、凝集が良好に進むゼータ電位の範囲に移動させるのに必要な凝集剤注入率のデータを、凝集剤情報保持手段100に設定された対応する区間のデータを用いてそれぞれ算出する。すなわち、原水の測定されたゼータ電位分布の各区間における頻度と、凝集剤情報保持手段100に、各区分別に設定された凝集剤注入率のデータとから、その区間の分布を、凝集が良好に進むゼータ電位の範囲に移動させるのに必要な凝集剤注入率を各区間についてそれぞれ算出する。そして、それらの合計値を、現在の原水のゼータ電位の分布から必要な凝集剤注入率として算出する。」と記載されることから、訂正事項2の訂正は、これらの記載から導かれるものであり、当該記載の範囲内のものといえる。 したがって、訂正事項2の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 c.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて 訂正事項2は、「凝集剤の注入率を算出する手法」を明瞭化したものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 (3)訂正事項3について a.訂正の目的について 訂正前の請求項2では、凝集剤注入率を算出する演算手段について、「前記凝集剤の予め求められた前記ゼータ電位の分布に関するデータが」どのようなデータか不明瞭であると共に、「原水のゼータ電位の分布」と「測定されたゼータ電位の分布」及び「区間のゼータ電位の分布」との対応関係が不明瞭であり、「凝集が良好に進む範囲」との表現も不明瞭であった。 これに対し、訂正事項1では、「各区間ごとにその区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤の凝集剤注入率の、予め実験で求めたデータが記憶されている凝集剤情報保持手段と、前記原水の測定されたゼータ電位の分布の各区間における前記頻度と前記データとから、その区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤注入率を各区間についてそれぞれ算出し、それらの合計値を制御値としての凝集剤注入率として算出する演算手段と、」に訂正することにより、「原水の測定されたゼータ電位の分布」と予め実験で求められたデータとの関係が明瞭になり、「凝集が良好に進む範囲」も「±15~20mVの範囲」と明瞭化され、凝集剤の注入率を算出する手法が明らかとなり、また、「前記原水のゼータ電位の分布に対応」は訂正前の請求項2の文意からして不明瞭な記載であり、これを削除したものである。 したがって、訂正事項3の訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の規定に適合する。 b.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて 訂正事項3は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。すなわち、 凝集が良好に進む「ゼータ電位」として【0007】には「・・・一般的に凝集が進行する時のゼータ電位は、±15~20mVの範囲内に達したところで凝集が進むとされている。」と記載され、「ゼータ電位」の分布に係る説明として【0027】には「・・・凝集剤そのもののゼータ電位の分布に関するデータとは、より具体的には、原水のゼータ電位の分布について予め設定した区間ごとに、その区間のゼータ電位を、凝集が良好に進むゼータ電位の値とする(言い換えると、凝集が良好に進むゼータ電位の範囲に移動させる)のに必要な凝集剤注入率に関するデータであり、これらが前述した各区間についてそれぞれ記憶されている。」と記載され、同じく【0029】には「演算手段21では、測定された原水のゼータ電位の分布を予め前述した複数の区間ごとに区切り、これら各区間の分布を、凝集が良好に進むゼータ電位の範囲に移動させるのに必要な凝集剤注入率のデータを、凝集剤情報保持手段100に設定された対応する区間のデータを用いてそれぞれ算出する。すなわち、原水の測定されたゼータ電位分布の各区間における頻度と、凝集剤情報保持手段100に、各区分別に設定された凝集剤注入率のデータとから、その区間の分布を、凝集が良好に進むゼータ電位の範囲に移動させるのに必要な凝集剤注入率を各区間についてそれぞれ算出する。そして、それらの合計値を、現在の原水のゼータ電位の分布から必要な凝集剤注入率として算出する。」と記載されることから、訂正事項3の訂正は、これらの記載から導かれるものであり、当該記載の範囲内のものといえる。 したがって、訂正事項3の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 c.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて 訂正事項3は、「ゼータ電位の分布」を明瞭化し、かつ「凝集剤の注入率を算出する手段」を明瞭化したものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項3の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)訂正事項4について a.訂正の目的について 訂正前の請求項3では「その区間のゼータ電位を、凝集が良好に進むゼータ電位の範囲に移動させる」という曖昧な表現があった。 これに対し、訂正事項4では、「その区間のゼータ電位を、凝集が良好に進む±15~20mVの範囲に移動させる」と明瞭化するものである。 したがって、訂正事項4の訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の規定に適合する。 b.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて 訂正事項4は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。すなわち、 凝集が良好に進む「ゼータ電位」として【0007】には「・・・一般的に凝集が進行する時のゼータ電位は、±15~20mVの範囲内に達したところで凝集が進むとされている。」と記載されることから、訂正事項4の訂正は、この記載から導かれるものであり、当該記載の範囲内のものといえる。 したがって、訂正事項4の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 c.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて 訂正事項4は、不明瞭な記載を明瞭化したものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項4の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (5)訂正事項5について a.訂正の目的について 訂正前の請求項6では、「凝集が良好に行われたとき」と記載されていたが、これを訂正事項5では「処理水の出口濁度が予定の良好レベルを超えたとき」と訂正するものであり、これにより、不明瞭な記載が明瞭化するものである。 したがって、訂正事項5の訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の規定に適合する。 b.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて 訂正事項5は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に基づいて導き出される構成である。すなわち、 【0039】には「凝集剤注入制御が良好に行われたことを検出するために、沈澱池64の出口に濁度計71を設け、その計測値である沈澱池出口濁度をデータ記憶手段23に取りこんでいる。」との記載があり、これは「処理水の出口濁度が予定の良好レベルを超えた」との直接的な表現ではないが、沈澱池の出口からは凝集沈殿処理後の処理水が流れ出ており、濁度計の測定値により、凝集剤注入制御が良好に行われたことを検出するということは、当然にその計測値が予定の良好と判断されるレベルを超えたときであるといえる。 ゆえに、請求項6の「凝集が良好に行われたときの」を「処理水の出口濁度が予定の良好レベルを超えたときの」とする訂正は、上記明細書の記載から導かれるものであり、当該記載の範囲内のものといえる。 したがって、訂正事項5の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 c.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて 訂正事項5は、不明瞭な記載を明瞭化したものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 (6)訂正事項6について 訂正事項6は訂正事項5と実質的に同様の訂正内容であるから、上記「(5)訂正事項5について」と同様である。 したがって、訂正事項6の訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって特許法第120条の5第2項ただし書第3号の規定に適合し、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合し、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (7)請求項8について i)本件特許の設定登録時の請求項1ないし7に対して特許異議の申立がなされ、訂正請求は、請求項1と、請求項[2-8]の一群の請求項(以下の(8)を参照。)に対してなされたものである。 そして、請求項8は、その文言が直接には訂正されていないが、請求項2ないし7のいずれか1項を引用し、請求項2、3、6、7は上記訂正事項3ないし6の訂正がなされ、それらの訂正は上記のように各規定に適合するので、それらの訂正を含む請求項8の訂正も、それらと同じ理由で各規定に適合するものである。 ii)ここで、訂正されて異議申立のなされていない請求項に係る独立特許要件に関する特許法第120条の5第9項において特許法第126条第7項が準用される場合についてみてみる。 同第7項中「第1項ただし書第1号又は第2号」とあるのは「特許異議の申立てがされていない請求項に係る第1項ただし書第1号又は第2号」と読み替えるものであり、同第1号は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、同第2号は誤記又は誤訳の訂正を目的とするものであるところ、訂正事項3ないし6の訂正は明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものでも、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものでもない。 iii)したがって、訂正事項3ないし6の訂正がなされた訂正後の請求項2ないし7のいずれか1項を引用する訂正後の請求項8に係る発明について、特許法第126条第7項を準用する特許法第120条の5第9項は適用されないから、独立特許要件の判断を要しない。 (8)一群の請求項についての説明 訂正事項3ないし6に係る訂正前の請求項2ないし8について、請求項3ないし8は、請求項2を引用しているものであって、訂正事項3により記載が訂正される請求項2に連動して訂正されるものである。 また、訂正前の請求項1は、訂正事項1及び2により、訂正後の請求項1に訂正されるものである。 したがって、請求項[2-8]は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であり、請求項1は同項に規定する別の一群の請求項にあたる。 3.訂正請求についての結言 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、 請求項1及び[2-8]について、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項及び第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 よって、訂正後の請求項1及び[2-8]について訂正することを認める。 第3 特許異議の申立てについて 1.本件訂正発明 本件訂正請求により請求項1及び[2-8]は訂正されたので、本件の特許請求の範囲の請求項1ないし8に係る発明は、以下に示す訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載されるとおりのもの(以下、項番毎に「本件訂正発明1」のように記し、総称して「本件訂正発明」と記す。)である。 なお、下線部は、訂正請求により訂正された箇所を示す。 【請求項1】 処理すべき原水への凝集剤の注入を制御する凝集剤注入制御方法であって、 前記原水のゼータ電位の予め区分した区間ごとの電荷の出現する頻度を表すゼータ電位の分布を測定し、 各区間ごとにその区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤の凝集剤注入率の、予め実験で求めたデータを用いて、 前記原水の測定されたゼータ電位の分布の各区間における前記頻度と前記データとから、その区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤注入率を各区間についてそれぞれ算出し、それらの合計値を制御値としての前記凝集剤注入率として算出する 凝集剤注入制御方法。 【請求項2】 処理すべき原水への凝集剤の注入を制御する凝集剤注入制御システムであって、 前記原水のゼータ電位の予め区分した区間ごとの電荷の出現する頻度を表すゼータ電位の分布を測定するゼータ電位測定手段と、 各区間ごとにその区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤の凝集剤注入率の、予め実験で求めたデータが記憶されている凝集剤情報保持手段と、 前記原水の測定されたゼータ電位の分布の各区間における前記頻度と前記データとから、その区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤注入率を各区間についてそれぞれ算出し、それらの合計値を制御値としての前記凝集剤注入率として算出する演算手段と、 この算出された前記凝集剤注入率に基づき、前記凝集剤を注入する凝集剤注入設備を制御するプロセス制御手段と、 を備えることを特徴とする凝集剤注入制御システム。 【請求項3】 前記凝集剤情報保持手段には、原水のゼータ電位の分布に対する予め設定した区間ごとに、その区間のゼータ電位を、凝集が良好に進む±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な凝集剤注入率に関するデータが記憶されており、前記演算手段は、前記凝集剤情報保持手段に設定されたデータから、前記測定された原水のゼータ電位の分布を、凝集が良好に進むゼータ電位の範囲に移動させるに必要な凝集剤注入率を算出することを特徴とする請求項2に記載の凝集剤注入制御システム。 【請求項4】 ゼータ電位及びそれ以外の原水の水質指標を取得する水質指標測定装置を有し、前記演算手段は、これら水質指標毎に設定された前記凝集剤注入に対する補正係数により、前記算出される凝集剤注入率を補正することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の凝集剤注入制御システム。 【請求項5】 前記水質指標測定装置は、前記ゼータ電位の他に、原水中のアルカリ度、導電率、水温、濁度、及びpHのうち少なくともいずれか1つの情報を取得することを特徴とする請求項4に記載の凝集剤注入制御システム。 【請求項6】 過去の凝集剤注入処理において、処理水の出口濁度が予定の良好レベルを超えたときの原水のゼータ電位の分布情報及び凝集剤注入率の実測値を保持するデータ記憶手段を有し、前記演算手段は、現在の原水のゼータ電位分布に対応する過去のゼータ電位分布における凝集剤注入情報を、前記データ記憶手段から抽出し、この抽出された過去の凝集剤注入情報から処理すべき現在の原水に対する凝集剤注入率を予測することを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の凝集剤注入制御システム。 【請求項7】 処理水の出口濁度が予定の良好レベルを超えたことを判別する手段として、フロック形成池でのフロックの画像解析装置、沈澱池出口の濁度、のうち少なくともいずれか1つの情報を取得することを特徴とする請求項6に記載の凝集剤注入制御システム。 【請求項8】 処理すべき原水に対してその水質を調整する原水調整剤注入設備と、原水調整剤注入後におけるゼータ電位の分布を測定する注入後ゼータ電位測定手段とをさらに設け、 前記演算手段は、前記原水調整剤注入前における原水のゼータ電位の分布と、前記調整剤注入後における原水のゼータ電位の分布との変化の程度に応じて、前記算出される凝集剤注入率を補正する ことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の凝集剤注入制御システム。 2.取消理由について 2-1.取消理由の概要 訂正前の請求項1ないし7に記載された発明に係る特許に対して平成29年3月8日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。 <取消理由1>(以下の<表2>の「ウ」を参照) 「凝集剤注入率」の「算出」にあたり、全ての区間の全体を見たときにゼータ電位の分布があることを前提にする態様で本件発明の課題を解決し得るところ、訂正前の本件請求項1及び2に記載された発明では、区間毎にゼータ電位の分布があることを前提にする態様を含み、当該態様は本件発明の課題を解決し得るかは不明であるので、当該態様を含む同発明は発明の詳細な説明に記載されている範囲を超えており、同発明に係る特許は、同発明が発明の詳細な説明に記載されたものでないから、特許法第36条第6項第1号の規定に適合しない特許出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである。 訂正前の本件請求項2に記載された発明を直接又は間接的に引用する訂正前の本件請求項3-7に記載された発明についても同様である。 <取消理由2>(以下の<表2>の「イ(ウ)」を参照) 訂正前の本件請求項1及び2に記載された発明は「凝集が良好に進む範囲」と特定し、同請求項6、7に記載された発明は「凝集が良好に行われた」と特定するが、「良好」の意味が明確でない。 したがって、訂正前の本件請求項1、2、6、7に記載された発明に係る特許は、同発明が明確でないから、特許法第36条第6項第2号の規定に適合しない特許出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである。 訂正前の本件請求項2に記載された発明を直接又は間接的に引用する同請求項3-5に記載された発明についても同様である。 <取消理由3>(以下の<表2>の「イ(エ)」を参照) 訂正前の本件請求項2に係る発明の「前記原水のゼータ電位の分布に対応」との特定事項は、その意味が不明瞭である。 したがって、同発明に係る特許は、同発明が明確でないから、特許法第36条第6項第2号の規定に適合しない特許出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである。 訂正前の本件請求項2に記載された発明を直接又は間接的に引用する訂正前の本件請求項3-7に記載された発明についても同様である。 2-2.取消理由についての判断 (1)取消理由1について 本件訂正請求により訂正された本件訂正発明1及び2では、「各区間」ごとに「その区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤の凝集剤注入率」を「算出」するものなので、「各区間」内では「ゼータ電位」は分布しない一つの値であることを要し、全ての区間では当該値はばらついて分布があることになるから、区間毎にゼータ電位の分布があることを前提にするものでなく、全ての区間の全体を見たときにゼータ電位の分布があることを前提にする態様であることが明らかになった。 よって、本件訂正発明1及び2となったことで、取消理由1は解消した。 (2)取消理由2について 本件訂正請求により訂正された本件訂正発明1及び2では、訂正前に「ゼータ電位の分布」を「凝集が良好に進む範囲」に「移行させる」ことが、訂正後に「ゼータ電位」を「±15~20mVの範囲」に「移動させる」とされたことで、「凝集が良好に進む範囲」が「±15~20mVの範囲」と具体化され明瞭にされた。 また、本件訂正請求により訂正された本件訂正発明6及び7では、訂正前に「凝集が良好に行われた」が、訂正後に「処理水の出口濁度が予定の良好レベルを超えた」とされたことで、「凝集」の度合いが「処理水の出口濁度」と具体化され明瞭にされた。 よって、本件訂正発明1、2、6、7となったことで、取消理由2は解消した。 (3)取消理由3について 本件訂正請求により訂正された本件訂正発明2では、「前記原水のゼータ電位の分布に対応」は削除された。 よって、本件訂正発明2となったことで、取消理由3は解消した。 (4)取消理由についての結言 以上から、通知された取消理由は解消し、取消理由1-3によって本件訂正発明1-7に係る特許を取り消すことはできない。 3.取消理由とされなかった異議申立理由について 異議申立人の異議申立理由は、申立理由A~Cであり、この内の申立理由Cの<表2>の「イ(ウ)」「イ(エ)」「ウ」については取消理由として通知し上記で検討したので、以下で示す申立理由A及びB、申立理由Cの<表2>の「イ(ア)」「イ(イ)」について次のとおり判断する。 <申立理由A:新規性要件違反> 本件訂正発明1に係る特許は、同発明が、本件特許の出願前に日本国内において頒布された甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであるから、取り消されるべきものである。 <申立理由B:進歩性要件違反> 本件訂正発明1ないし7に係る特許は、同発明が、下記<表1>に示されるとおり、本件特許の出願前において頒布された甲第1ないし3号証に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、取り消されるべきものである。 <申立理由Cの<表2>の「イ(ア)」「イ(イ)」:記載要件違反> 本件訂正発明1ないし7に係る特許は、同発明が明確でないから、特許法第36条第6項第2号の規定に適合しない特許出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである。 3-1.申立理由Cの<表2>の「イ(ア)」「イ(イ)」について (1)「イ(ア)」について 「イ(ア)」の申立理由は、訂正前の本件請求項1及び2に記載された発明において、「凝集剤の注入率を算出」、「凝集剤注入率を算出する演算手段」は、どのように「凝集剤」の「注入率」を「算出」するのか、明確でなく、訂正前の本件請求項2に記載された発明を直接又は間接的に引用する訂正前の本件請求項3-7に記載された発明も同様であるとするものである。 しかし、本件訂正請求により訂正された本件訂正発明1及び2では、どのように「凝集剤」の「注入率」を「算出」するのか、明確に規定されているから、「イ(ア)」の申立理由は採用できない。 (2)「イ(イ)」について 「イ(イ)」の申立理由は、訂正前の本件請求項1及び2に記載された発明において、「処理すべき原水」が「凝集剤添加前」のものか、「凝集剤添加後」のものか、明確でなく、訂正前の本件請求項2に記載された発明を直接又は間接的に引用する訂正前の本件請求項3-7に記載された発明も同様であるとするものである。 しかし、本件訂正請求により訂正された本件訂正発明1及び2では、「処理すべき原水」が「凝集剤添加前」のものであることは明らかだから、「イ(イ)」の申立理由は採用できない。 (3)申立理由Cの<表2>の「イ(ア)」「イ(イ)」についての結言 以上から、申立理由Cの<表2>の「イ(ア)」「イ(イ)」は採用できず、申立理由Cの<表2>の「イ(ア)」「イ(イ)」によって本件訂正発明1-7に係る特許を取り消すことはできない。 3-2.申立理由A、Bについて 事案に鑑み申立理由A、Bについてまとめて検討する。 i)甲第1号証には、「【請求項1】原水に無機凝集剤を注入して攪拌し、続いて高分子凝集剤を注入して攪拌することにより原水中の懸濁物質をフロックの形態に凝集させ、フロックを沈降分離した後、残留する微小フロックおよび懸濁物質を濾過する水処理方法において、無機凝集剤の注入、攪拌によるフロックの形成度合を測定し、測定したフロック形成度合に応じて、高分子凝集剤の注入率を決定することを特徴とする水処理方法。」が記載され、 「フロックの形成度合を測定」するのに「ゼータ電位計」を用いる(【請求項4】【0015】)ことが記載されている。 しかしながら、「フロックの形成度合を測定」は、「ゼータ電位計により測定された無機凝集剤のみによる微小なフロックのゼータ電位分布が、-10mV以上の粒子割合95%以上であれば良好な凝集状況と判断した。従って、ゼータ電位分布で見て-10mV以上の粒子の割合が95%以上であれば、有機高分子凝集剤を所定値の0.4mg/L注入する。逆に-10mV以上の粒子の割合が90%未満の場合は、有機高分子凝集剤の注入率を所定の注入率の50%、つまり0.2mg/L注入とした。」(【0034】)とされるもので、そもそも、「ゼータ電位計」で測定した「ゼータ電位分布」の区間毎に、その区間の「ゼータ電位」を特定のゼータ電位の範囲に移動させるのに必要な「凝集剤」量を考慮するものではない。 ii)甲第2号証には、「浄水場の凝集沈殿プロセス」(【0001】)において、「原水濁質電荷量推定手段」で求めた「原水濁質表面積の推定値」に、「ゼータ電位計」で測定した「濁質の表面電位」から推定される「電荷密度」を乗じて「原水濁質表面の電荷量」を推定(【0020】)し、当該「原水濁質表面の電荷量」に基いて「荷電中和」がなされるように「基本凝集剤注入率を算出」(【0005】【0021】)して原水へ注入し、原水への「凝集剤注入直後の荷電状態」を「ゼータ電位計」で計測し、実際の荷電中和状態に基づき凝集剤の注入量を制御する(【0023】)「凝集剤注入制御システム」が示されている。 しかしながら、「ゼータ電位計」で測定した「濁質の表面電位」については、それ以上の記載を見いだせず、そもそも、「ゼータ電位計」で測定した「ゼータ電位分布」の区間毎に、その区間の「ゼータ電位」を特定のゼータ電位の範囲に移動させるのに必要な「凝集剤」量を考慮するものではない。 iii)甲第3号証には、「浄水場などで用いられ、原水水質や凝集状態に応じて適切な攪拌強度を演算し、自動制御する凝集沈殿処理装置」(【0001】)において、最終的に処理済水が放流される沈殿池出口で、「フロック粒子数や粒子径(フロック粒径分布)を認識する必要」から、「水中カメラによるフロック画像解析や(2)光学的センサによるフロック粒径分布解析」による「凝集状態測定手段25」により測定する(【0037】【0038】【図1】)ことが示されているが、そもそも「ゼータ電位計」を使用することの記載も示唆もない。 iv)以上から甲第1号証~甲第3号証には、水処理での凝集剤注入処理において、「ゼータ電位計」で測定した「ゼータ電位分布」の区間毎に、その区間の「ゼータ電位」を特定のゼータ電位の範囲に移動させるのに必要な「凝集剤」量を考慮することは記載も示唆も見いだせない。 したがって、本件訂正発明1の「各区間ごとにその区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤の凝集剤注入率の、予め実験で求めたデータを用いて、前記原水の測定されたゼータ電位の分布の各区間における前記頻度と前記データとから、その区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤注入率を各区間についてそれぞれ算出し、それらの合計値を制御値としての前記凝集剤注入率として算出する」こと、本件訂正発明2の「各区間ごとにその区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤の凝集剤注入率の、予め実験で求めたデータが記憶されている凝集剤情報保持手段と、前記原水の測定されたゼータ電位の分布の各区間における前記頻度と前記データとから、その区間のゼータ電位を±15~20mVの範囲に移動させるのに必要な前記凝集剤注入率を各区間についてそれぞれ算出し、それらの合計値を制御値としての前記凝集剤注入率として算出する演算手段」は、甲第1号証~甲第3号証に記載も示唆もされたものではない。 v)すると、本件訂正発明1は、甲第1号証に記載された発明ではなく、甲第1号証に記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものでなく、甲第2号証に記載の発明及び甲第1号証に記載の技術手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでない。 vi)以下、<表1>に対応して順次記載する。 本件訂正発明2は、甲第1号証に記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものでなく、甲第2号証に記載の発明及び甲第1号証に記載の技術手段に基いて当業者が容易に発明することができたものでない。 本件訂正発明3は、甲第1号証に記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものでなく、甲第2号証に記載の発明及び甲第1号証に記載の技術手段に基いて当業者が容易に発明することができたものでない。 本件訂正発明4は、甲第1号証に記載の発明及び甲第2号証に記載の技術手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでなく、甲第2号証に記載の発明及び甲第1号証に記載の技術手段に基いて当業者が容易に発明することができたものでない。 本件訂正発明5は、甲第1号証に記載の発明及び甲第2号証に記載の技術手段に基いてから当業者が容易に発明をすることができたものでなく、甲第2号証に記載の発明及び甲第1号証に記載の技術手段に基いて当業者が容易に発明することができたものでない。 本件訂正発明6は、甲第1号証に記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものでなく、甲第2号証に記載の発明及び甲第1号証に記載の技術手段に基いて当業者が容易に発明することができたものでない。 本件訂正発明7は、甲第1号証に記載の発明及び甲第3号証に記載の技術手段に基いてから当業者が容易に発明をすることができたものでなく、甲第2号証に記載の発明、甲第1号証に記載の技術手段、及び、甲第3号証に記載の技術手段に基いて当業者が容易に発明することができたものでない。 vii)以上から、申立理由A、Bは採用できず、申立理由A、Bによって本件訂正発明1-7に係る特許を取り消すことはできない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、取消理由に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1~7に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1~7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2017-700023

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