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特許異議申立

2017-700018

耐熱性チョコレート及びその製造方法

審判番号
2017-700018
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2016-514205
登録番号
特許第5952988号(P5952988)
請求日
2017年01月11日
審決日
2017年07月13日
公報発行日
2017年10月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】日清オイリオグループ株式会社
  • 【権利者代理人】引地 進
  • 【異議申立人】村瀬 典子
審判長/審判官
  • 審判長 紀本 孝
  • 審判官 佐々木 正章
  • 審判官 山崎 勝司
分類
P1651.121-YAA(A23G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第5項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5952988号発明「耐熱性チョコレート及びその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第5952988号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、3-5〕、〔6、8〕について訂正することを認める。 特許第5952988号の請求項1~8に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 1.手続の経緯 特許第5952988号の請求項1~8に係る特許についての出願は、2015年9月10日(優先権主張2014年9月24日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成28年6月17日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人村瀬典子により特許異議申立がなされ、当審において平成29年3月14日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年4月28日に訂正の請求及び意見書の提出がされ、特許法第120条の5第5項の規定により期間を指定して特許異議申立人に意見書を提出する機会を与えたが、意見書の提出がなかったものである。 2.訂正の請求についての判断 (1)訂正の内容 平成29年4月28日の訂正請求書による訂正の請求は、「特許第5952988号の特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、3~5、6、8について訂正することを求める。」ものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。 (訂正事項1) 特許請求の範囲の請求項1に「以下の(a)~(d)を含有する」とあるのを、「以下の、(a)~(d)を含有する(A)、または、(a’)~(d’)を含有する(A’)、を満たす」に訂正し、「(a)油脂 28~44質量%」とあるのを、「(A)(a)油脂 28~35.0質量%」に訂正し、最後に「(A’)(a’)油脂 28~40質量% (b’)ショ糖 30~58質量% (c’)乳糖 5.00~20質量% (d’)粉乳 4~32質量%」を追加する。 (訂正事項2) 特許請求の範囲の請求項6に「以下の(a)~(d)を含有する」とあるのを、「以下の、(a)~(d)を含有する(A)、または、(a’)~(d’)を含有する(A’)、を満たす、」に訂正し、「(a)油脂 28~44質量%」とあるのを、「(A)(a)油脂 28~35.0質量%」に訂正し、最後に「(A’)(a’)油脂 28~40質量% (b’)ショ糖 30~58質量% (c’)乳糖 5.00~20質量% (d’)粉乳 4~32質量%」を追加する。 (2)訂正の適否 (訂正事項1について) ア 訂正の目的 上記訂正事項1は、チョコレートの成分について、「(a)油脂 28~44質量% (b)ショ糖 30~58質量% (c)乳糖 1~20質量% (d)粉乳 4~32質量%」から、油脂の含量を「(a)油脂 28~35.0質量%」へと狭めた(A)、又は油脂及び乳糖の含量を「(a’)油脂 28~40質量%」、「(c’)乳糖 5.00~20質量%」へと狭めた(A’)へと、含有量の範囲を狭めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項1は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項1は、本件明細書の【表5】(【0063】)の「チョコレートG」に油脂を35.0質量%含有するものが記載され、【0012】に「本発明のチョコレートは、作業性や風味の点から油脂含有量は30~40質量%であることが好ましく、31~39質量%であることがより好ましく、32~38質量%であること更に好ましい。」と記載され、【表7】(【0067】)の「チョコレートI」に乳糖を5.00質量%含有するものが記載されているから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (訂正事項2について) ア 訂正の目的 上記訂正事項2は、チョコレートの成分について、「(a)油脂 28~44質量% (b)ショ糖 30~58質量% (c)乳糖 1~20質量% (d)粉乳 4~32質量%」から、油脂の含量を「(a)油脂 28~35.0質量%」へと狭めた(A)、又は油脂及び乳糖の含量を「(a’)油脂 28~40質量%」、「(c’)乳糖 5.00~20質量%」へと狭めた(A’)へと、含有量の範囲を狭めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 上記訂正事項2は、上記アのとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記訂正事項2は、本件明細書の【表5】(【0063】)の「チョコレートG」に油脂を35.0質量%含有するものが記載され、【0012】に「本発明のチョコレートは、作業性や風味の点から油脂含有量は30~40質量%であることが好ましく、31~39質量%であることがより好ましく、32~38質量%であること更に好ましい。」と記載され、【表7】(【0067】)の「チョコレートI」に乳糖を5.00質量%含有するものが記載されていることから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 (3)むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項[1、3~5]、[6、8]についての訂正を認める。 3.本件発明 上記のとおり本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1~8に係る発明(以下「本件発明1~8」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~8に記載された以下の事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】 以下の、(a)~(d)を含有する(A)、または、(a’)~(d’)を含有する(A’)、を満たす、糖骨格が形成されたチョコレート(ただし、気泡の入ったスポンジ状のチョコレートは除く)。 (A) (a)油脂    28~35.0質量% (b)ショ糖     30~58質量% (c)乳糖       1~20質量% (d)粉乳       4~32質量% (A’) (a’)油脂     28~40質量% (b’)ショ糖    30~58質量% (c’)乳糖   5.00~20質量% (d’)粉乳      4~32質量% 【請求項2】 以下の(a)~(d)を含有する、糖骨格が形成されたチョコレート。 (a)油脂      28~44質量% (b)ショ糖  40.55~58質量% (c)乳糖       1~20質量% (d)粉乳       4~32質量% 【請求項3】 20℃でn-ヘキサンに浸漬した状態で24時間以上形状を留める、請求項1または2に記載のチョコレート。 【請求項4】 以下の条件で測定した、耐荷重応力が100g以上である、請求項1~3の何れか1項に記載のチョコレート。 (測定条件) 34℃に調温した厚さ7mmのチョコレートを、レオメーターを使用し、テーブル移動速度20mm/min、定深度3.0mm、プランジャー直径3mmの条件で測定 【請求項5】 前記粉乳が、脱脂粉乳及び/又は全脂粉乳である、請求項1~4のいずれか1項に記載のチョコレート。 【請求項6】 以下の、(a)~(d)を含有する(A)、または、(a’)~(d’)を含有する(A’)、を満たす、融液状態にあるチョコレートに、該チョコレート100質量部に対して0.3~3.0質量%の水を添加分散させた後、冷却固化する工程を含む、糖骨格が形成されたチョコレート(ただし、気泡の入ったスポンジ状のチョコレートは除く)の製造方法。 (A) (a)油脂    28~35.0質量% (b)ショ糖     30~58質量% (c)乳糖       1~20質量% (d)粉乳       4~32質量% (A’) (a’)油脂     28~40質量% (b’)ショ糖    30~58質量% (c’)乳糖   5.00~20質量% (d’)粉乳      4~32質量% 【請求項7】 以下の(a)~(d)を含有する融液状態にあるチョコレートに、該チョコレート100質量部に対して0.3~3.0質量%の水を添加分散させた後、冷却固化する工程を含む、糖骨格が形成されたチョコレートの製造方法。 (a)油脂      28~44質量% (b)ショ糖  40.55~58質量% (c)乳糖       1~20質量% (d)粉乳       4~32質量% 【請求項8】 前記冷却固化工程後、前記チョコレートを保温する保温工程をさらに含む、請求項6または7に記載の糖骨格が形成されたチョコレートの製造方法。」 4.当審の判断 (1)取消理由の概要 平成29年3月14日付けで通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。 請求項1~8に係る特許は、甲第1号証に記載の発明及び甲第3~15号証に記載された事項、又は甲第2号証に記載の発明及び甲第1、3~15号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから取り消すべきものである 甲第1号証:特開平3-228647号公報 甲第2号証:特開平2-276537号公報 甲第3号証:S.T.Beckett、Industrial Chocolate Manufacture and Use Third Edition、Blackwell Science Ltd、1999年、p.36-57、68-77、342 甲第4号証:特表2010-521145号公報 甲第5号証:特開2004-321088号公報 甲第6号証:特開平11-9191号公報 甲第7号証:特開平9-289873号公報 甲第8号証:特開2007-97418号公報 甲第9号証:特開2006-109791号公報 甲第10号証:特開2005-34039号公報 甲第11号証:特開平3-91443号公報 甲第12号証:特開平4-281744号公報 甲第13号証:特開2010-142153号公報 甲第14号証:特開2011-115075号公報 甲第15号証:特開2012-110268号公報 (2)取消理由についての判断 ア 本件発明1について (ア)甲第1号証記載の発明 甲第1号証(4頁左上欄末行~右上欄16行、左下欄15行~右下欄9行)の比較例1の「ミルクチョコレートの組成」を参照して、実施例1のチョコレートについて整理すると、甲第1号証には、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているといえる。 「以下の(a)~(d)を含有する、糖骨格が形成されたチョコレート。 (a)油脂 (b)ショ糖   39.9質量% (d)全脂粉乳 23.75質量%」 なお、特許異議申立書13頁8行~16頁3行において、甲第1号証の記載から算出した結果、甲第1号証には、「(a)油脂     28.75質量%」が記載されている旨主張するが、カカオマスや全脂粉乳に含まれる油脂の程度を示す証拠は何ら提示されておらず、甲第1号証のチョコレートが含有する油脂の割合は不明であるので、上記のとおり認定した。 (イ)対比 本件発明1と甲1発明とを対比すると、本件発明1と甲1発明とは、少なくとも以下の点で相違する。 <相違点1> 乳糖について、本件発明1では、1~20質量%含有するのに対して、甲1発明では、含有することが特定されていない点。 (ウ)当審の判断 本件発明1は、本件明細書の【0016】を参照すると、乳糖を1~20質量%含有することで強固な糖骨格を形成されやすくするものであって、このことは、実施例1、3~5により裏付けられているところ、甲第3~12号証は、チョコレートに乳糖を配合し得ることの記載はあるものの、いずれも糖骨格が形成されたチョコレートのものでないから、甲1発明に乳糖を配合して強固な糖骨格を形成することを示唆するものでない。 したがって、糖骨格が形成されたチョコレートである甲1発明において、乳糖を使用することを、当業者が容易に想到し得たとする理由はない。 仮に、甲1発明において、乳糖を使用することが容易であるとしても、乳糖を使用した際の油脂、ショ糖、乳糖及び粉乳の含有割合を本件発明1の範囲とすることは、甲第3~15号証のいずれにも開示はなく、本件発明1の含有割合とすることが容易であるとする理由はない。 よって、相違点1に係る本件発明1の構成は、甲1発明及び甲第3~15号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に想到し得たとはいえない。 そして、本件発明1は、相違点1に係る構成を備えることで、強固な糖骨格を形成されやすくするという顕著な効果を奏するものである。 したがって、本件発明1は、甲1発明及び甲第3~15号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (エ)甲第2号証記載の発明 甲第2号証の実施例1(5頁左上欄14行~右上欄13行)についてチョコレートに着目して整理すると、甲第2号証には、以下の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されているといえる。 「水2部に麦芽糖3部を溶解し水溶液とし、 20℃で8%、30℃で5%の個体脂含量を有する油脂3部に対し、ショ糖脂肪酸エステル(HLB 2)0.1部を溶解させ、 続いて、前記水溶液を攪拌しながら混合し、流動状態の乳化物とし、 常法により製造したミルクチョコレートにテンパリング操作を行い、30℃とし、このチョコレート92部と前記乳化物8とを混合したチョコレート。」 (オ)対比 本件発明1と甲2発明とを対比すると、本件発明1と甲2発明とは、少なくとも以下の点で相違する。 <相違点2> 乳糖について、本件発明1では、1~20質量%含有するのに対して、甲2発明では、含有することが特定されていない点。 (カ)当審の判断 相違点2は、上記(イ)の相違点1と実質同じ相違点であり、甲第1号証にも、糖骨格が形成されたチョコレートに乳糖を配合することは記載されていないから、上記(ウ)で検討したのと同じ理由で、本件発明1は、甲2発明及び甲第1、3~15号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 イ 本件発明2について (ア)甲1発明を主引用例とした場合 本件発明2と甲1発明とを対比すると、本件発明2と甲1発明とは、少なくとも以下の点で相違する。 <相違点3> 乳糖について、本件発明2では、1~20質量%含有するのに対して、甲1発明では、含有することが特定されていない点。 そして、相違点3は、上記ア(イ)の相違点1と実質同じであるから、上記ア(ウ)で検討したのと同じ理由で、本件発明2は、甲1発明及び甲第3~15号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (イ)甲2発明を主引用例とした場合 本件発明2と甲2発明とを対比すると、本件発明2と甲2発明とは、少なくとも以下の点で相違する。 <相違点4> 乳糖について、本件発明2では、1~20質量%含有するのに対して、甲2発明では、含有することが特定されていない点。 そして、相違点4は、上記ア(オ)の相違点2と実質同じであるから、上記ア(カ)で検討したのと同じ理由で、本件発明2は、甲2発明及び甲第1、3~15号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 ウ 本件発明3~5について 本件発明3~5は、本件発明1又は2の発明特定事項を全て含み、更に限定を付した発明であるから、上記ア又はイで検討したのと同じ理由により、本件発明3~5は、甲1発明及び甲第3~15号証に記載された事項、又は甲2発明及び甲第1、3~15号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 エ 本件発明6について (ア)甲1製造方法発明を主引用例とした場合 本件発明6は、本件発明1のチョコレートの製造方法であるところ、甲第1号証(4頁左上欄末行~右上欄16行、左下欄15行~右下欄9行)には、甲1発明のチョコレートに係る製造方法(以下「甲1製造方法発明」という。)が記載されているといえる。 そうすると、本件発明6と甲1製造方法発明とを対比すると、本件発明6と甲1製造方法発明とは、少なくとも以下の点で相違する。 <相違点5> 乳糖について、本件発明6では、1~20質量%含有するのに対して、甲1製造方法発明では、含有することが特定されていない点。 そして、相違点5は、上記ア(イ)の相違点1と実質同じであるから、上記ア(ウ)で検討したのと同じ理由で、本件発明6は、甲1製造方法発明及び甲第3~15号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (イ)甲2製造方法発明を主引用例とした場合 甲第2号証(5頁左上欄14行~右上欄13行)には、甲2発明のチョコレートに係る製造方法(以下「甲2製造方法発明」という。)が記載されているといえる。 そうすると、本件発明6と甲2製造方法発明とを対比すると、本件発明6と甲2製造方法発明とは、少なくとも以下の点で相違する。 <相違点6> 乳糖について、本件発明6では、1~20質量%含有するのに対して、甲2製造方法発明では、含有することが特定されていない点。 そして、相違点6は、上記(ア)の相違点5と実質同じであるから、上記(ア)で検討したのと同じ理由で、本件発明6は、甲2製造方法発明及び甲第1、3~15号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 オ 本件発明7について (ア)甲1製造方法発明を主引用例とした場合 本件発明7は、本件発明2のチョコレートの製造方法であるから、本件発明7と甲1製造方法発明とを対比すると、本件発明7と甲1製造方法発明とは、少なくとも以下の点で相違する。 <相違点7> 乳糖について、本件発明7では、1~20質量%含有するのに対して、甲1製造方法発明では、含有することが特定されていない点。 そして、相違点7は、上記イ(ア)の相違点3と実質同じであるから、上記イ(ア)で検討したのと同じ理由で、本件発明7は、甲1製造方法発明及び甲第3~15号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (イ)甲2製造方法発明を主引用例とした場合 本件発明7と甲2製造方法発明とを対比すると、本件発明7と甲2製造方法発明とは、少なくとも以下の点で相違する。 <相違点8> 乳糖について、本件発明7では、1~20質量%含有するのに対して、甲2製造方法発明では、含有することが特定されていない点。 そして、相違点8は、上記(ア)の相違点7と実質同じであるから、上記(ア)で検討したのと同じ理由で、本件発明7は、甲2製造方法発明及び甲第1、3~15号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 カ 本件発明8について 本件発明8は、本件発明6又は7の発明特定事項を全て含み、更に限定を付した発明であるから、上記エ又はオで検討したのと同じ理由により、本件発明8は、甲1製造方法発明及び甲第3~15号証に記載された事項、又は甲2製造方法発明及び甲第1、3~15号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 4.むすび 以上のとおり、特許異議申立の理由及び証拠によっては、請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2017-700018

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